(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、注文受付装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施形態は、セルフ式の注文受付装置(以下、オーダ端末1と称する)に本発明に係る機能を適用した場合である。オーダ端末1は、等級方式による顧客の囲い込みを実施する飲食店の各食卓に設置される。
【0011】
図1は、等級方式による顧客の囲い込みを実施する飲食店向けオーダ管理システムの全体構成図である。このシステムは、複数のオーダ端末1と、会員管理サーバ2と、注文管理サーバ3と、厨房端末4と、POS(Point Of Sales)端末5とを含む。会員管理サーバ2、注文管理サーバ3、厨房端末4及びPOS端末5は、LAN(Local Area Network)6によって相互通信自在に接続される。LAN6には、各オーダ端末1と無線通信が可能な無線基地局7も接続される。
【0012】
厨房端末4は、客から注文を受けたメニュー品目の情報を厨房の調理担当者に通知するための機器である。ディスプレイまたはプリンタが、厨房端末4として用いられる。POS端末5は、飲食を終えた客の会計を処理するための機器である。なお、
図1では厨房端末4及びPOS端末5の台数をそれぞれ1台としたが、1台に限定されるものではない。
【0013】
注文管理サーバ3は、メニューデータベース8にアクセスしてデータの読込み及び書込みを制御する。メニューデータベース8には、店で提供される飲食メニュー毎に作成されたメニューレコードが蓄積される。1つの飲食メニューのメニューレコードには、そのメニュー品目に対して割当てられた一意のメニューコード、メニュー名称、メニュー画像、価格等が含まれる。
【0014】
会員管理サーバ2は、会員データベース9にアクセスしてデータの読込み及び書込みを制御する。会員データベース9には、会員となった顧客毎に作成される会員レコードが蓄積される。
図2に示すように、1つの会員レコード9Rには、その会員に対して割当てられた一意の会員番号、会員氏名、等級、累積金額等が含まれる。累積金額は、対応する会員番号の会員が当該飲食店で支払った代金の累計である。等級は、累積金額に応じて決定される。累積金額が高額でればあるほど、等級は上位となる。等級は、会員グレードとも称される。
【0015】
本実施形態では、累積金額が1万円未満の会員は「一般会員」である。1万円以上で3万円未満の会員は「ブロンズ会員」である。3万円以上で5万円未満の会員は「シルバー会員」である。5万円以上の会員は「ゴールド会員」である。
【0016】
客席の食卓上に設置されるオーダ端末1は、無線回路14(
図3を参照)を内蔵し、客席の天井部等に取り付けられた無線基地局7と無線通信を行う。
【0017】
図3は、オーダ端末1の要部構成を示すブロック図である。
図3に示すように、オーダ端末1は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、無線回路14、タッチパネル15、カードリーダ16及びバスライン17を備える。アドレスバス及びデータバスを含むバスライン17は、CPU11とROM12及びRAM13とを接続する。またバスライン17は、図示しない入出力回路を介して無線回路14、タッチパネル15及びカードリーダ16を接続する。
【0018】
CPU11は、プログラムに従い各部を制御して、オーダ端末1としての種々の業務を実現させる。ROM12は、プログラム、設定データ等の固定的データを記憶する。RAM13は、可変的なデータを記憶するための種々のメモリエリアを有する。無線回路14は、無線基地局7との間で無線回線を確立し、無線を利用したデータ送信及び受信を司る。タッチパネル15は、ユーザとオーダ端末1とのインターフェースとして機能する。カードリーダ16は、会員カードのデータを読み取る。
【0019】
会員カードは、会員となった顧客に対して発行されるIDカードであって、少なくとも会員番号が記録されている。会員カードの形態は、特に限定されるものではない。例えば、ICカードまたは磁気カードが会員カードとして使用される。携帯電話等の携帯型通信機器を会員カードの代用とすることも可能である。
【0020】
かかる構成の各オーダ端末1において、ROM12には、注文受付プログラムPと固有の端末IDとがそれぞれ格納される。
また
図4に示すように、卓番号メモリ41、等級メモリ42、目標差額メモリ43、人数メモリ44、合計金額メモリ45及び割勘種別フラグメモリ46としての領域が、RAM13に形成される。そして卓番号メモリ41には、当該オーダ端末1が設置されている食卓に割当てられた卓番号がプリセットされる。
【0021】
等級メモリ42には、「一般会員」、「ブロンズ会員」、「シルバー会員」及び「ゴールド会員」と段階的に設定された等級毎に、閾値金額がプリセットされる。本システムでは、最も下位の等級である「一般会員」に対しては、閾値金額として0円がプリセットされる。「一般会員」よりも1段階上位の等級である「ブロンズ会員」に対しては、閾値金額として1万円がプリセットされる。「ブロンズ会員」よりも1段階上位の等級である「シルバー会員」に対しては、閾値金額として3万円がプリセットされる。「シルバー会員」よりも1段階上位の等級である「ゴールド会員」に対しては、閾値金額として5万円がプリセットされる。すなわち本実施形態では、累積金額が1万円未満の会員に対しては「一般会員」なる等級が付与され、1万円以上で3万円未満の会員に対しては「ブロンズ会員」なる等級が付与され、3万円以上で5万円未満の会員に対しては「シルバー会員」なる等級が付与され、5万円以上の会員に対しては「ゴールド会員」なる等級が付与される。
【0022】
目標差額メモリ43には、等級がアップするまでに必要な不足金額と比較される金額が目標差額としてプリセットされる。本システムでは、三千円が目標差額としてプリセットされる。すなわち、累積金額といずれかの等級の閾値金額との差額が三千円以下であるとき、オーダ端末1は、当該閾値金額が設定された等級へのアップに至るまでの目標金額を報知する。
なお、等級毎の閾値金額及び目標差額は、本システムのユーザによって、適宜設定される。
【0023】
CPU11がアイドル状態にあるオーダ端末1では、人数メモリ44及び合計金額メモリ45がクリアされている。この状態で、タッチパネル15がタッチ操作されると、注文受付プログラムPが起動する。注文受付プログラムPが起動したことに応じて、CPU11は、
図6の流れ図に示す手順の新規注文業務を開始する。先ずCPU11は、タッチパネル15に人数入力画面を表示させて、食卓に着いた顧客の人数nの入力を促す(Act1)。
【0024】
人数入力画面を確認した顧客は、タッチパネル15を操作して人数nを入力する。人数nが入力されたならば(Act1にてYES)、CPU11は、この人数nを人数メモリ44に保存する(Act2)。
【0025】
CPU11は、RAM13に人数n分のオーダテーブル50を作成する(Act3)。オーダテーブル50の一例を
図5に示す。オーダテーブル50は、“1”から人数nまでの連続番号に関連付けて、顧客ID、ユーザ名、会員フラグ、等級、累積金額、注文データ及び注文金額の各データを格納するための領域を有する。
【0026】
CPU11は、人数nが“2”以上か否か、つまりグループ客であるか個人客であるかを確認する(Act4)。人数nが“2”以上、すなわちグループ客の場合には(Act4にてYES)、CPU11は、タッチパネル15に割勘方法選択画面を表示させて、代金を均等割勘で支払うか個別割勘で支払うかの選択を促す(Act5:支払い方法受付手段)。
【0027】
割勘方法選択画面を確認した顧客は、タッチパネル15を操作して均等割勘または個別割勘のいずれかの支払い方法を選択する。支払い方法として均等割勘が選択された場合(Act5にて「均等割勘」)、CPU11は、割勘種別フラグメモリ46の割勘種別フラグを“0”とする(Act6)。個別割勘が選択された場合(Act5にて「個別割勘」)、あるいは人数nが“1”、すなわち個人客の場合には(Act4にてNO)、CPU11は、割勘種別フラグを“1”とする(Act7)。
【0028】
CPU11は、カウンタKを“0”にリセットする(Act8)。次いで、CPU11は、カウンタKを“1”だけカウントアップする(Act9)。そしてCPU11は、カウンタKが人数nを超えたか否かを確認する(Act10)。
【0029】
カウンタKが人数nを超えていない場合(Act10にてNO)、CPU11は、注文受付処理を実行する(Act11)。注文受付処理については、後で詳細に説明する。
注文受付処理が終了すると、CPU11は、カウンタKをさらに“1”だけカウントアップする(Act9)。そしてCPU11は、カウンタKが人数nを超えたか否かを確認する(Act10)。
【0030】
カウンタKが人数nを超えるまで、CPU11は、注文受付処理を繰り返し実行する(Act11)。すなわちCPU11は、人数分の注文受付処理を実行する。カウンタKが人数nを超えたならば(Act10にてYES)、CPU11は、タッチパネル15に注文確定画面を表示させて、注文を確定するか否かの入力を促す(Act12)。
【0031】
注文確定画面を確認した顧客は、タッチパネル15を操作して注文の確定またはクリアを宣言する。注文の確定が宣言された場合(Act12にてYES)、CPU11は、報知処理を実行する(Act13)。報知処理についても、後で詳細に説明する。CPU11は、新規注文データを注文管理サーバ3に無線送信する(Act14)。新規注文データは、注文受付処理にてオーダテーブル50に保存された注文データである。以上で、CPU11は、新規注文業務を終了する。
【0032】
なお、注文のクリアが宣言された場合には(Act12にてNO)、CPU11は、前記Act13及びAct14の処理を実行することなく、新規注文業務を終了する。
【0033】
新規注文データを受信した注文管理サーバ3は、注文を受けたメニュー品目の調理指示データを作成し、厨房端末4に出力する。厨房端末4は、調理指示データの内容をディスプレイに表示する。あるいは厨房端末4は、調理指示データの内容をプリンタで記録紙に印刷する。厨房の調理担当者は、表示または印刷された調理指示データの内容に従い、注文を受けたメニュー品目の調理を行う。
【0034】
図7は、前記注文受付処理の手順を具体的に示す流れ図である。注文受付処理に入ると、CPU11は、タッチパネル15に会員選択画面を表示させて、注文を行う顧客が会員であるか否かの選択入力を促す(Act21)。
【0035】
会員選択画面を確認した顧客は、タッチパネル15を操作して会員または非会員を宣言する。会員を宣言した顧客は、会員カードをカードリーダ16に読み取らせる。会員が宣言された場合(Act21にてYES)、CPU11は、カードリーダ16により読み取られた会員カードから会員番号を取得する(Act22)。そしてCPU11は、この会員番号を含む会員データの問合せコマンドを会員管理サーバ2に無線送信する(Act23:ユーザ特定手段)。
【0036】
この問合せコマンドを受信した会員管理サーバ2は、会員データベース9にアクセスする。そして会員管理サーバ2は、コマンド中の会員番号を含む会員レコードを読出し、会員氏名、等級、累積金額等の会員データをコマンド送信元のオーダ端末1に無線送信する。
【0037】
前記問合せコマンドを送信したオーダ端末1のCPU11は、会員データを待機する(Act24)。無線回路14にて会員データが受信されたならば(Act24にてYES)、CPU11は、会員フラグFを“1”とする(Act25)。しかる後、CPU11は、オーダテーブル50のカウンタKと一致する番号の各領域に、顧客ID(会員番号)、ユーザ名(会員氏名)、会員フラグ“1”、等級及び累積金額を保存する(Act28:検出手段)。
【0038】
非会員が宣言された場合(Act21にてNO)、あるいは会員データの受信がエラーとなった場合には(Act24にてNO)、CPU11は、任意の顧客IDとユーザ名とを生成する(Act26)。またCPU11は、会員フラグFを“0”とする(Act27)。しかる後、CPU11は、オーダテーブル50のカウンタKに一致する番号の各領域に、顧客ID、ユーザ名及び会員フラグ“0”を保存する(Act28)。
【0039】
上記Act28の処理が終了したならば、CPU11は、会員フラグをチェックする(Act29)。会員フラグが“0”であった場合(Act29にてNO)、CPU11は、Act32の処理に進む。
【0040】
会員フラグが“1”であった場合には(Act29にてYES)、CPU11は、目標通知対象であるか否かを確認する(Act30)。具体的には、CPU11は、オーダテーブル50のカウンタKと一致する番号の各領域から等級と累積金額とを取得する。次いでCPU11は、等級メモリ42を参照して、オーダテーブル50から取得した等級よりも1段階上位の等級に関連付けられた閾値金額を取得する。そしてCPU11は、閾値金額と累積金額との差額を算出する。CPU11は、目標差額メモリ43から目標差額を取得する。そしてCPU11は、算出された差額が目標差額以下であるか否かを確認する。差額が目標差額以下である場合、CPU11は、目標通知対象であると認識する。差額が目標差額より大きい場合、CPU11は、目標通知対象でないと認識する。
【0041】
目標通知対象であると認識された場合(Act30にてYES)、CPU11は、タッチパネル15に上記差額を等級アップへの目標金額として表示させる(Act31:目標報知手段)。目標通知対象でないと認識された場合には(Act30にてNO)、上記Act31の処理は実行されない。しかる後、CPU11は、Act32の処理に進む。
【0042】
Act32では、CPU11は、タッチパネル15に注文受付画面を表示させて、メニュー品目の注文を受け付ける(Act32:注文受付手段)。注文受付画面には、メニューデータベース8のデータを基に、各種メニュー品目のメニューコードと品目名または画像と価格とが関連付けられたリストが表示されている。顧客は、注文したいメニュー品目にタッチする。
【0043】
メニュー品目が注文された場合(Act32にてYES)、CPU11は、そのメニュー品目のメニューコードを、オーダテーブル50のカウンタKに一致する番号の注文データ領域に追加する。またCPU11は、そのメニュー品目の価格を、同番号の注文金額領域の金額と合計金額メモリ45の金額とにそれぞれ加算する(Act33)。
【0044】
CPU11は、注文終了が宣言されたか否かを確認する(Act34)。注文受付画面には、注文終了の宣言ボタンが表示されており、CPU11は、このボタンがタッチされるか否かを確認する。注文終了の宣言ボタンがタッチされない場合(Act34にてNO)、CPU11は、次のメニュー品目の注文を受け付ける(Act32)。注文終了の宣言ボタンがタッチされた場合には(Act34にてNO)、注文受付処理が終了する。
【0045】
図8は、前記報知処理の手順を具体的に示す流れ図である。報知処理に入ると、CPU11は、割勘種別フラグをチェックする(Act41)。割勘種別フラグが“0”にセットされていた場合(Act41にてNO)、CPU11は、割勘金額を算出する(Act42)。具体的にはCPU11は、合計金額メモリ45の金額Mを人数メモリ44の人数nで除算し、その商の小数点以下を切り上げた金額を割勘金額とする。割勘種別フラグが“1”にセットされていた場合には(Act41にてYES)、CPU11は、割勘金額を算出しない。なお、割勘金額の算出方法は、上記方法に限定されないのは言うまでもないことである。
【0046】
CPU11は、カウンタKを“0”にリセットする(Act43)。次いで、CPU11は、カウンタKを“1”だけカウントアップする(Act44)。そしてCPU11は、カウンタKが人数nを超えたか否かを確認する(Act45)。
【0047】
カウンタKが人数nを超えていない場合(Act45にてNO)、CPU11は、オーダテーブル50のカウンタKと一致する番号の会員フラグを調べる(Act46)。会員フラグが“0”であった場合、注文データを入力した顧客は会員ではない。この場合(Act46にてNO)、CPU11は、カウンタKをさらに“1”だけカウントアップする(Act44)。そしてCPU11は、カウンタKが人数nを超えたか否かを確認する(Act45)。
【0048】
会員フラグが“1”であった場合、注文データを入力した顧客は会員である。この場合(Act46にてYES)、CPU11は、割勘種別フラグを再度チェックする(Act47)。割勘種別フラグが“0”であった場合、すなわち均等割勘が選択されていた場合には(Act47にてNO)、CPU11は、オーダテーブル50のカウンタKと一致する番号の累積金額に、上記Act42の処理で算出した割勘金額を加算する(Act48:注文反映手段)。割勘種別フラグが“1”にセットされていた場合、すなわち個別割勘が選択されていた場合には(Act47にてYES)、CPU11は、オーダテーブル50のカウンタKと一致する番号の累積金額に、同番号の注文金額を加算する(Act49:注文反映手段)。
【0049】
CPU11は、上記Act48またはAct49にて算出された金額Aに基づき、等級がアップされるか否かを確認する(Act50)。具体的にはCPU11は、オーダテーブル50のカウンタKと一致する番号の等級を取得する。次に、CPU11は、等級メモリ42を参照して、この等級よりも1段階上位の等級に関連付けて設定されている閾値金額を取得する。そしてCPU11は、この閾値金額と上記金額Aとを比較する。金額Aが閾値金額以上のとき、等級がアップする。金額Aが閾値金額未満のとき、等級はアップしない。
【0050】
等級がアップするとき(Act50にてYES)、CPU11は、タッチパネル15に等級アップを予告するメッセージを表示させる(Act51:通知手段)。しかる後、CPU11は、カウンタKをさらに“1”だけカウントアップして(Act44)、カウンタKが人数nを超えたか否かを確認する(Act45)。
【0051】
これに対し、等級がアップしないときには(Act50にてNO)、CPU11は、目標通知対象であるか否かを確認する(Act52)。すなわちCPU11は、上記閾値金額と金額Aとの差額を求め、この差額が目標差額以内か否かを確認する。差額が目標差額以内の場合(Act52にてYES)、CPU11は、タッチパネル15に上記差額を目標金額として表示させる(Act53:目標報知手段)。差額が目標差額よりも大きい場合には(Act52にてNO)、上記Act53の処理は実行されない。しかる後、CPU11は、カウンタKをさらに“1”だけカウントアップして(Act44)、カウンタKが人数nを超えたか否かを確認する(Act45)。
【0052】
カウンタKが人数nを超えるまで、CPU11は、上記Act46以降の処理を繰り返し実行する。カウンタKが人数nを超えたならば(Act45にてYES)、報知処理が終了する。
【0053】
新規注文業務が終了すると、オーダ端末1では、追加注文業務、取消受付業務あるいは会計業務のいずれかが可能となる。これらの業務は、いずれも新規注文業務と同様に、注文受付プログラムPに基づくものである。
【0054】
例えば、タッチパネル15の追加注文ボタンがタッチ操作されると、CPU11は、
図9の流れ図に示す手順の追加注文業務を開始する。先ず、CPU11は、タッチパネル15に顧客ID入力画面を表示させて、追加注文を行う顧客のIDの入力を促す(Act61)。
【0055】
顧客ID入力画面を確認した顧客は、タッチパネル15を操作して自らの顧客IDを入力する。会員は、会員番号を入力する。非会員は、新規注文時に生成された顧客IDを入力する。会員番号または顧客IDが入力されたならば(Act61にてYES)、CPU11は、オーダテーブル50を検索する。そしてCPU11は、入力された会員番号または顧客IDがセットされている番号Kを検出する(Act62)。
【0056】
次に、CPU11は、タッチパネル15に注文受付画面を表示させて、メニュー品目の注文を受け付ける(Act63:注文受付手段)。メニュー品目が注文された場合(Act63にてYES)、CPU11は、そのメニュー品目のメニューコードを、Act62の処理で検出した番号Kの注文データ領域に追加する。またCPU11は、そのメニュー品目の価格を、同番号Kの注文金額領域の金額と合計金額メモリ45の金額とにそれぞれに加算する(Act64)。
【0057】
CPU11は、注文終了が宣言されたか否かを確認する(Act65)。注文終了の宣言ボタンがタッチされない場合(Act65にてNO)、CPU11は、次のメニュー品目の注文を受け付ける(Act63)。
【0058】
注文終了の宣言ボタンがタッチされた場合(Act65にてYES)、CPU11は、前述した報知処理を実行する(Act66)。さらにCPU11は、今回の追加注文業務で追加注文されたメニューデータを注文管理サーバ3に無線送信する(Act67)。以上で、CPU11は、追加注文業務を終了する。
【0059】
追加注文データを受信した注文管理サーバ3は、新規注文データを受信したときと同様に、注文を受けたメニュー品目の調理指示データを作成し、厨房端末4に出力する。厨房端末4は、調理指示データの内容を表示または印刷する。
【0060】
例えば、タッチパネル15の注文取消ボタンがタッチ操作されると、CPU11は、
図10の流れ図に示す手順の取消受付業務を開始する。先ず、CPU11は、タッチパネル15に顧客ID入力画面を表示させて、注文取消を行う顧客のIDの入力を促す(Act71)。タッチパネル15を介して会員番号または顧客IDが入力されたならば(Act71にてYES)、CPU11は、オーダテーブル50を検索する。そしてCPU11は、入力された会員番号または顧客IDがセットされている番号Kを検出する(Act72)。
【0061】
次に、CPU11は、タッチパネル15に注文取消画面を表示させて、注文データの取消を受け付ける(Act73)。注文取消画面には、オーダテーブル50の番号Kの注文データ領域にセットされている注文データのリストが表示される。注文取消画面を確認した顧客は、リストの中から注文を取り消すメニュー品目を選択する。
【0062】
注文取消のメニュー品目が選択されたならば(Act73にてYES)、CPU11は、上記番号Kの注文データ領域から取消が指示されたメニュー品目のデータを削除する。また、CPU11は、同番号Kの注文金額領域の金額及び合計金額メモリ45の金額から、取消が指示されたメニュー品目の価格を減額する(Act74)。
【0063】
CPU11は、注文取消終了が宣言されたか否かを確認する(Act75)。注文取消画面には、注文取消終了の宣言ボタンが表示されている。CPU11は、注文取消終了の宣言ボタンがタッチされたか否かを確認する。タッチされない場合(Act75にてNO)、CPU11は再び、注文を取り消すメニュー品目を受け付ける(Act73)。
【0064】
注文取消終了の宣言ボタンがタッチされた場合(Act75にてYES)、CPU11は、今回の注文取消業務で注文が取り消されたメニューデータを注文管理サーバ3に無線送信する(Act77)。以上で、CPU11は、注文取消業務を終了する。
【0065】
注文取消データを受信した注文管理サーバ3は、厨房端末4に対して調理中止の指示データを作成し、厨房端末4に出力する。厨房端末4は、中止指示データの内容を表示または印刷する。
【0066】
例えば、タッチパネル15に表示されている会計ボタンが操作入力されると、CPU11は、
図11の流れ図に示す手順の会計業務を開始する(会計受付手段)。先ず、CPU11は、割勘種別フラグをチェックする(Act81)。そして割勘種別フラグが“0”であった場合(Act81にてNO)、CPU11は、割勘金額を算出する(Act82)。割勘種別フラグが“1”であった場合には(Act81にてYES)、CPU11は、割勘金額を算出しない。
【0067】
CPU11は、カウンタKを“0”にリセットする(Act83)。次いで、CPU11は、カウンタKを“1”だけカウントアップする(Act84)。そしてCPU11は、カウンタKが人数nを超えたか否かを確認する(Act85)。
【0068】
カウンタKが人数nを超えていない場合(Act85にてNO)、CPU11は、オーダテーブル50のカウンタKと一致する番号領域の会員フラグを調べる(Act86)。会員フラグが“0”であった場合、オーダテーブル50のカウンタKと一致する番号領域の顧客IDで特定される顧客は会員ではない。この場合(Act86にてNO)、CPU11は、カウンタKをさらに“1”だけカウントアップする(Act84)。そしてCPU11は、カウンタKが人数nを超えたか否かを確認する(Act85)。
【0069】
会員フラグが“1”であった場合、オーダテーブル50のカウンタKと一致する番号領域の顧客IDで特定される顧客は会員である。この場合(Act86にてYES)、CPU11は、割勘種別フラグを再度チェックする(Act87)。そして割勘種別フラグが“0”にセットされていた場合、すなわち均等割勘が設定されていた場合には(Act87にてNO)、CPU11は、オーダテーブル50のカウンタKと一致する番号領域の累積金額に、上記Act82の処理で算出した割勘金額を加算する(Act88:注文反映手段)。これに対し、割勘種別フラグが“1”にセットされていた場合、すなわち個別割勘が設定されていた場合には(Act87にてYES)、CPU11は、オーダテーブル50のカウンタKと一致する番号領域の累積金額に、同番号領域の注文金額を加算する(Act89:注文反映手段)。
【0070】
CPU11は、上記Act88またはAct89にて算出された金額Aに基づき、等級がアップされるか否かを確認する(Act90)。等級がアップするとき(Act90にてYES)、CPU11は、タッチパネル15に等級アップを通知するメッセージを表示させる(Act91:通知手段)。等級がアップしない場合には(Act90にてNO)、CPU11は、上記Act91の処理を実行しない。しかる後、CPU11は、カウンタKをさらに“1”だけカウントアップして(Act84)、カウンタKが人数nを超えたか否かを確認する(Act85)。
【0071】
カウンタKが人数nを超えるまで、CPU11は、上記Act86以降の処理を繰り返し実行する。カウンタKが人数nを超えたならば(Act85にてYES)、CPU11は、オーダテーブル50のデータを会員管理サーバ2及びPOS端末5に無線送信する(Act92)。以上で、CPU11は、会計業務を終了する。
【0072】
オーダテーブル50のデータを受信した会員管理サーバ2は、会員データベース9を検索して、テーブルデータ中の顧客IDと一致する会員番号がセットされた会員レコードを検出する。そして会員管理サーバ2は、その会員レコードの累積金額に、同テーブルデータ中の注文金額を加算する。しかる後、会員管理サーバ2は、注文金額が加算された累積金額を基に等級がアップしたか否かを確認する。そして等級がアップする場合には、会員管理サーバ2は、当該会員レコードの等級を更新する。
【0073】
一方、POS端末5は、オーダテーブル50のデータに基づいて請求金額を算出する。そして、この請求金額に対して支払金額のデータが入力されたならば、POS端末5は、釣銭を算出する。また、POS端末5は、レシートを印字発行する。
【0074】
今、会員である顧客XXXと非会員である顧客YYYの2名からなるグループ客が来店し、食卓に着いたとする。この場合、一方の顧客、例えば顧客XXXは、先ず、オーダ端末1に対して人数「2」を入力する。次いで顧客XXXは、支払い方法を選択する。そうすると、タッチパネル15に会員選択画面が表示されるので、顧客XXXは、会員であることを宣言し、会員カードをカードリーダ16で読み取らせる。
【0075】
ここで、顧客XXXは、これまでの累積金額が2万8千円であり、等級が「ブロンズ会員」であったとする。そうすると、
図12に示すメッセージM1がタッチパネル15に表示される。すなわち、顧客XXXがあと2千円を支払うと等級がアップすることを知らせるメッセージが表示される。したがって、顧客XXXは、あと2千円を支払えば、等級がアップされることを容易に知り得る。
【0076】
顧客XXXは、タッチパネル15の注文受付画面を操作して、メニュー品目を注文する。そして注文を終えたならば、顧客XXXは、注文終了を宣言する。
【0077】
次に、顧客YYYは、非会員であることを宣言した後、注文受付画面を操作して、メニュー品目を注文する。そして注文を終えたならば、顧客YYYは、注文終了を宣言する。そうすると、タッチパネル15に注文確定画面が表示されるので、顧客XXXまたは顧客YYYは、注文の確定を宣言する。
【0078】
このとき、支払い方法として個別割勘が選択されていたとする。この場合、顧客AAAの注文金額が2千円以上であったならば、
図13に示すメッセージM2がタッチパネル15に表示される。すなわち、顧客XXXの等級がアップされることを予告するメッセージが表示される。一方、支払い方法として均等割勘が選択されていた場合には、二人の合計金額が4千円に達した場合にメッセージM2が表示される。
【0079】
また、新規注文の段階では注文金額が上記金額に達していなくても、追加注文によって上記金額に達した場合には、メッセージM2が表示される。したがって顧客XXXは、等級がアップすることを容易に知り得る。
【0080】
その後、顧客XXXと顧客YYYとが注文を取り消すことなく飲食を終えて、会計ボタンを操作したとする。そうすると、
図14に示すメッセージM3がタッチパネル15に表示される。すなわち、顧客XXXの等級がアップされたことを知らせるメッセージが表示される。したがって顧客XXXは、等級がアップしたことをリアルタイムで知り得る。
【0081】
なお、注文の取消によって顧客XXXの注文金額が減り、等級アップの条件を満たさなくなった場合には、メッセージM3は表示されない。
【0082】
このように本実施形態によれば、等級方式による顧客の囲い込みを実施する飲食店向けのオーダ管理システムに適用することで好適なオーダ端末1を提供することができる。
【0083】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。
例えば前記実施形態では、オーダ端末1を飲食店の食卓に設置される場合を示したが、オーダ端末1を持ち運び自在としてもよい。この場合、無線回路14とタッチパネル15とでオーダ端末1を構成する。また、各オーダ端末1を一元的に管理するためのコンピュータ機器を店内に設置して、コンピュータ機器と各オーダ端末1とを無線回線で接続する。そしてコンピュータ機器は、本実施形態のCPU11と同様に、注文受付プログラムPに従い、各オーダ端末1との間でデータを処理する。このようにシステム化された注文受付装置にも、本発明は適用できるものである。このシステム化された注文受付装置であれば、1台のコンピュータ機器で複数台のオーダ端末1を処理できるので、設備コストを低減できるメリットがある。
【0084】
本実施形態において、メッセージM1〜M3の内容が
図12〜
図14に示したものに限定されないのは言うまでもない。例えば、メッセージM2またはM3において、どの等級にアップされるか、あるいはどの等級にアップされたかを具体的に表示してもよい。また、表示以外の方法、例えばオーダ端末1に音声合成装置を組み込むことによって、音声ガイダンスによりメッセージ内容を通知することも可能である。
【0085】
前記実施形態は、装置内部のプログラム記憶部であるROM12に発明の機能を実現させる注文受付プログラムPが予め記録されているものとした。しかしこれに限らず、同様のプログラムPがネットワークから装置にダウンロードされてもよい。あるいは、記録媒体に記録された同様のプログラムが、装置にインストールされてもよい。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。また、本実施形態のプログラムを、通信機能を有する携帯電話やいわゆるPDAのような携帯情報端末に組み込んで、その機能を実現させるものであってもよい。
【0086】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]メニュー品目を注文するユーザを特定するユーザ特定手段と、前記ユーザ毎に、前記メニュー品目の注文を受け付ける注文受付手段と、前記ユーザ特定手段により特定されたユーザの注文に係る実績データとこの実績データを基に決定される等級データとを検出する検出手段と、前記注文受付手段により受け付けた注文を前記検出手段により検出されたユーザの実績データに反映させた後のデータで決定される等級データが、前記検出手段により検出された当該ユーザの等級データと異なる場合に通知する通知手段と、を具備したことを特徴とする注文受付装置。
[2]注文したメニュー品目の会計を受け付ける会計受付手段、をさらに具備し、前記通知手段は、前記会計を受け付けた後に前記等級が更新されたことを通知することを特徴とする付記[1]記載の注文受付装置。
[3]前記通知手段は、前記会計を受け付ける前までは前記等級が更新されることを予告することを特徴とする付記[2]記載の注文受付装置。
[4]前記注文受付手段によりユーザ毎に注文を受け付けたメニュー品目の代金支払い方法として、各ユーザが自ら注文した品目分を個別に支払う個別割勘を適用するか各ユーザが均等に支払う均等割勘を適用するかを受け付ける支払い方法受付手段と、前記個別割勘が適用される場合には、前記注文受付手段によりユーザ毎に受け付けた注文を前記検出手段により検出された当該ユーザの実績データに反映させ、前記均等割勘が適用される場合には、前記注文受付手段によりユーザ毎に受け付けた注文の合計を前記ユーザの人数で除したデータを前記検出手段により検出されたユーザの実績データに反映させる注文反映手段と、をさらに具備し、前記通知手段は、前記注文反映手段により反映された後の実績データで決定される等級データが、前記検出手段により検出された当該ユーザの等級データと異なる場合に通知することを特徴とする付記[1]記載の注文受付装置。
[5]前記等級データがアップするまでに必要な実績データの不足分を報知する目標報知手段、をさらに具備したことを特徴とする付記[1]乃至[4]のうちいずれか1に記載の注文受付装置。
[6]コンピュータに、メニュー品目を注文するユーザを特定するユーザ特定機能と、前記ユーザ毎に、前記メニュー品目の注文を受け付ける注文受付機能と、前記ユーザ特定機能により特定されたユーザの注文に係る実績データとこの実績データを基に決定される等級データとを検出する検出機能と、前記注文受付機能により受け付けた注文を前記検出機能により検出されたユーザの実績データに反映させた後のデータで決定される等級データが、前記検出機能により検出された当該ユーザの等級データと異なる場合に通知する通知機能と、を実現させるための注文受付プログラム。