(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記北斗GEO衛星信号の前記ナビゲーションビット境界を使用して、前記北斗GEO衛星信号の捕捉および追跡のために前記ナビゲーションビット境界決定装置によって採用される連続積分時間が前記決定モジュールによって決定される、請求項1に記載のナビゲーションビット境界決定装置。
北斗静止地球軌道(GEO)衛星信号の送信時間に基づいて前記北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界を決定するためのナビゲーションビット境界決定装置を備える、北斗衛星受信機であって、
前記北斗GEO衛星信号の捕捉および追跡のために前記ナビゲーションビット境界決定装置によって採用される連続積分時間が、前記北斗GEO衛星信号の前記ナビゲーションビット境界に基づいて決定される、北斗衛星受信機。
前記決定モジュールによって、前記北斗GEO衛星信号の前記ナビゲーションビット境界に基づいて、前記北斗GEO衛星信号の捕捉および追跡のために前記ナビゲーションビット境界決定装置によって採用される連続積分時間を決定するステップをさらに含む、請求項8に記載のナビゲーションビット境界を決定する方法。
前記ナビゲーションビット境界決定装置の前記位置および前記北斗GEO衛星の前記座標に基づいて、前記ナビゲーションビット境界決定装置と前記北斗GEO衛星との間の距離を計算するステップと、
前記ナビゲーションビット境界決定装置と前記北斗GEO衛星との間の前記距離に基づいて、前記北斗GEO衛星から前記ナビゲーションビット境界決定装置に送信された前記北斗GEO衛星信号の送信期間を計算するステップと、
前記北斗GEO衛星信号の前記較正済み受信時間および前記送信期間に基づいて、前記北斗GEO衛星信号の前記送信時間を計算するステップと
をさらに含む、請求項8に記載のナビゲーションビット境界を決定する方法。
クロックモジュールから提供されたローカル時間に基づいて前記北斗GEO衛星信号の前記ローカル受信時間を決定するステップをさらに含む、請求項8に記載のナビゲーションビット境界を決定する方法。
前記位置受信およびクロック較正モジュールによって受信された前記ナビゲーションビット境界決定装置の前記位置と、前記北斗衛星信号受信モジュールによって決定された前記ローカル受信時間とを、前記記憶モジュールに記憶するステップをさらに含む、請求項8に記載のナビゲーションビット境界を決定する方法。
【背景技術】
【0003】
電子産業およびコンピュータ技術の発達に伴い、衛星ナビゲーションおよび測位技術は、広く使用されており、軍事用途に加えて人々の日常生活にも重要な影響を有する。現在、世界には4組の衛星ナビゲーション測位システムがある。すなわち、中国、米国、ロシア、および欧州によってそれぞれ開発された、北斗(コンパス)ナビゲーションシステム、全地球測位システム(GPS)、GLONASSシステム、およびガリレオシステムである。現時点では、GPSシステムが、最も古く、最もよく開発された衛星ナビゲーション測位システムである。
【0004】
衛星ナビゲーション測位システムは通常、宇宙部分、制御部分、およびユーザ部分の、3つの部分を含む。宇宙部分は、軌道に乗っている複数の衛星を含む。制御部分は主に監視システムを含み、この監視システムは、マスタ制御ステーションや軌道投入ステーションなど、いくつかの地上ステーションからなる。ユーザ部分は、データ処理ソフトウェアが組み込まれた受信機であり、衛星信号を受信して、受信した衛星信号に基づいて測位および/またはナビゲーションを処理するのに使用される。
【0005】
動作時、北斗GEO衛星からの信号を使用して測位またはナビゲーションする従来の方法は、ビット同期を実施する必要がある。しかし、ビット同期には通常は多くの時間がかかり、したがって、北斗GEO衛星信号を素早い測位ナビゲーション計算に使用することはできない。
【0006】
一般に、知られている種々の従来情報によれば、受信した衛星信号に基づく測位および/またはナビゲーションの目的で衛星信号を受信するように構成された受信機は、ホットブートモード、ウォームブートモード、またはコールドブートモードからブートさせることができる。受信機のおよその位置と正確な衛星クロック情報とを含む衛星エフェメリス(ephemeris)が受信されたときは、受信機はホットブートモードからブートされ、受信機がこのホットブートモードでブートするには、普通は1秒から数秒かかる。受信機のおよその位置と正確な衛星クロック情報とを含む衛星アルマナック(almanac)が受信されたときは、受信機はウォームブートモードからブートされ、受信機がこのウォームブートモードでブートするには、普通は30秒かかる。利用可能な衛星情報(衛星エフェメリス、衛星アルマナック、以前の受信機位置、および衛星クロックなど)がないときは、受信機はコールドブートモードからブートされ、受信機がこのコールドブートモードでブートするには、普通は45秒かかる。例えば、受信機を初期化または再起動した(例えば受信機の電池が切れた後で)ために衛星アルマナック情報が失われているときは、受信機はコールドブートモードからブートされる。また、最後の測位計算から比較的長時間が経過し、受信機の移動距離がしきい値を超えたときも、受信機はコールドブートモードからブートされる可能性がある。したがって、受信機がブートされるのに約45秒かかることになる。
【0007】
従来、ビット同期は、衛星測位ナビゲーションシステム中でエラーのない伝送を生み出すために実施され、ビット同期は、衛星エフェメリス情報を計算する前に必要である。したがって、ビット同期のステップは、受信機がウォームブートモードまたはコールドブートモードにあり、測位およびナビゲーションの目的で北斗GEO衛星信号を使用するときに、必要である。受信機がビット同期を実施するのに数秒かかるので、北斗GEO衛星信号を素早い測位ナビゲーション計算に使用することはできない。しかし、ビット同期時間を短縮することができれば、北斗GEO衛星信号を使用して、素早い測位ナビゲーション計算を提供することができる。
【0008】
ビット同期のステップは、北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界が決定されたときには、なくすことができる。北斗衛星信号のナビゲーションビット境界の検出は、オブジェクトの位置を決定するためにクリティカルである。具体的には、ナビゲーションビット境界が見つかった場合、北斗GEO衛星信号を捕捉および追跡するための初期ポイントを決定することができ、また、GEO衛星信号を補足および追跡するためにより長い連続積分時間(すなわちナビゲーションビットデータの周期)を利用する方法を用いることもできる。この場合、より弱い信号を有する衛星を捕捉および追跡することができ、受信機の性能も改善される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本教示の実施形態を詳細に参照する。本教示をこれらの実施形態に関して述べるが、本教示をこれらの実施形態に限定する意図はないことは理解されるであろう。反対に、本教示は、代替、修正、および均等物をカバーするものとし、これらの代替、修正、および均等物は、添付の特許請求の範囲によって定義される本教示の趣旨および範囲に含まれうる。
【0016】
さらに、本教示に関する以下の詳細な記述では、本教示の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細を示す。しかし、これらの具体的な詳細がなくても本教示を実践できることは、当業者には認識されるであろう。他の場合では、本教示の態様を不必要に曖昧にしないために、周知の方法、手順、コンポーネント、および回路については詳細に述べていない。
【0017】
北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界を決定するための、ナビゲーションビット境界決定装置を開示する。ナビゲーションビット境界決定装置は、GPS測位情報に基づいて、北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界を決定することができる。ナビゲーションビット境界決定装置を使用することで、ビット同期の必要がなくなり、次いで北斗GEO衛星を高速な測位ナビゲーション応答に使用することができる。これにより、受信機の性能が改善される。一実施形態では、受信機には、ナビゲーションビット境界決定装置が装備される。北斗GEO衛星は、北斗衛星の1つであり、地上36000キロの軌道を周回する地球同期衛星である。
【0018】
ナビゲーションビット境界決定装置は、北斗衛星信号受信モジュールと、位置受信およびクロック較正モジュールと、計算モジュールと、決定モジュールとを備える。北斗衛星信号受信モジュールは、北斗GEO衛星信号を受信し、北斗GEO衛星信号のローカル受信時間を決定および記録するように構成される。位置受信およびクロック較正モジュールは、外部GPS受信機から、GPS時間信号と、GPS測位情報に基づいて外部GPS受信機によって計算されたナビゲーションビット境界決定装置の位置とを受信し、受信したGPS時間信号に従って、北斗衛星信号受信モジュールから受け取った北斗GEO衛星信号のローカル受信時間を較正して較正済み受信時間を生成するように構成される。計算モジュールは、位置受信およびクロック較正モジュールから受け取ったナビゲーションビット境界決定装置の位置と、記憶モジュールから受け取った北斗GEO衛星の座標と、位置受信およびクロック較正モジュールによって較正された北斗GEO衛星信号の較正済み受信時間とに基づいて、北斗GEO衛星信号の送信時間を計算するように構成される。決定モジュールは、北斗GEO衛星信号の送信時間に基づいて、北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界を決定し、北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界に基づいて、北斗GEO衛星信号の捕捉および追跡のためにナビゲーションビット境界決定装置によって採用される連続積分時間を決定するように構成される。
【0019】
ナビゲーションビット境界決定装置の実施形態について、図面の
図1〜
図4を参照しながら詳細に述べる。
【0020】
図1に、本開示の一実施形態によるナビゲーションビット境界決定装置100の例を示す。
図1に示すように、ナビゲーションビット境界決定装置100は、クロックモジュール110と、北斗衛星信号受信モジュール120と、位置受信およびクロック較正モジュール130と、計算モジュール140と、決定モジュール150と、記憶モジュール160とを備える。
【0021】
図1に示すように、ナビゲーションビット境界決定装置100中のクロックモジュール110は、ローカル時間を提供するように構成される。
【0022】
北斗衛星信号受信モジュール120は、北斗GEO衛星信号を受信するように構成され、クロックモジュール110に基づいて北斗GEO衛星信号のローカル受信時間を決定し、北斗GEO衛星信号のローカル受信時間を記録する。北斗衛星信号受信モジュール120によって受け取られた情報、例えば前述の北斗GEO衛星信号および記録された北斗GEO衛星信号ローカル受信時間は、他のモジュールによって処理されるかまたは呼び出されるように、記憶モジュール160に記憶されてよい。
【0023】
位置受信およびクロック較正モジュール130は、GPS受信機(
図1には示さず)から、GPS時間信号と、GPS測位情報に基づいてGPS受信機によって計算されたナビゲーションビット境界決定装置100の位置とを受信するように構成され、クロックモジュール110と、北斗衛星信号受信モジュール120から受け取った北斗GEO衛星信号のローカル受信時間とを、受信したGPS時間信号に従って較正する。例えば、GPS測位情報から得られるクロックバイアスt
uに基づいて、北斗GEO衛星信号のローカル受信時間を較正することができ、次いで、北斗GEO衛星信号の較正済み受信時間が得られる。GPS受信機によってGPS測位情報に基づいて計算されたナビゲーションビット境界決定装置100の位置は、記憶モジュール160に記憶される。
【0024】
一実施形態では、ナビゲーションビット境界決定装置100の位置は、外部GPS受信機(
図1には示さず)によって計算することができ、位置受信およびクロック較正モジュール130は、外部GPS受信機から、計算された情報を受信する。位置受信およびクロック較正モジュール130によって受信された、計算された情報を使用して、北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界が決定される。
【0025】
加えて、受信機のクロックバイアスt
uに基づいてクロックモジュール110が較正されるとき、北斗GEO衛星信号のローカル受信時間もまた較正される。位置受信およびクロック較正モジュール130によって得られた受信情報は、記憶モジュール160に記憶される。その上、記憶モジュール160はさらに、ナビゲーションビット境界決定装置100中の各モジュールによって生成または使用される他の情報も記憶する。この種の情報は、計算パラメータ(例えば北斗GEO衛星の座標)や一時データなどを含むが、これらに限定されない。
【0026】
計算モジュール140は、記憶モジュール160に記憶された情報を受け取り、北斗GEO衛星信号の送信時間を計算する。
【0027】
決定モジュール150は、計算モジュール140から北斗GEO衛星信号の送信時間を受け取り、受け取った送信時間に従って北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界を計算し、決定された北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界に従って、北斗GEO衛星信号の捕捉および追跡のためにナビゲーションビット境界決定装置100によって採用される連続積分時間を決定する。
【0028】
図2に、本開示の一実施形態による、ナビゲーションビット境界決定装置100の適用例を示す。
図2に示すように、G
P1〜G
P4は、外部GPS受信機が探索および使用することのできる4つのGPS衛星を示し、G
Eは、北斗GEO衛星を表す。G
P1〜G
P4の座標は、それぞれ(X1, Y1, Z1)〜(X4, Y4, Z4)であり、全て既知である。ナビゲーションビット境界決定装置100の座標は、(X0, Y0, Z0)である。4つのGPS衛星の位置およびGPS時間情報に従って、4つの式を確立して、ナビゲーションビット境界決定装置100の座標すなわち(X0, Y0, Z0)を計算することができる。ナビゲーションビット境界決定装置100の座標を計算するための詳細な式は、当業者には周知であり、簡潔および明確にするためにここでは述べない。外部GPS受信機がナビゲーションビット境界決定装置100の近くに位置する状況では、外部GPS受信機の位置は、ナビゲーションビット境界決定装置100の位置と同じと見なすことができる。ナビゲーションビット境界決定装置100の位置、すなわち座標(X0, Y0, Z0)の値は、外部GPS受信機から、位置受信およびクロック較正モジュール130によって受信することができる。GPS測位の動作原理および詳細な計算プロセスが周知であり、簡潔および明確にするためにここでは述べないことを、当業者なら認識するであろう。
【0029】
図2に示すように、北斗GEO衛星G
Eもまた地球同期衛星であり、北斗GEO衛星G
Eの3次元空間座標(X5, Y5, Z5)もまた周知である。計算モジュール140は、ナビゲーションビット境界決定装置100の位置、北斗GEO衛星G
Eの座標、および北斗GEO衛星信号の較正済み受信時間に基づいて、北斗GEO衛星信号の送信時間を計算することができる。計算モジュール140は、
図3に示すブロック図に従って構成されてよい。
【0030】
図3に、
図1に例示した計算モジュール140の詳細なブロック図を示す。
図3に示すように、計算モジュール140は、第1の計算サブモジュール310、第2の計算サブモジュール320、および第3の計算サブモジュール330を備える。
【0031】
第1の計算サブモジュール310は、ナビゲーションビット境界決定装置100の座標および北斗GEO衛星G
Eの座標に従って、ナビゲーションビット境界決定装置100と北斗GEO衛星G
Eとの間の距離rを計算するように構成される。座標(X0, Y0, Z0)および(X5, Y5, Z5)は、それぞれナビゲーションビット境界決定装置100の位置および北斗GEO衛星G
Eの位置を示す。距離rは、式(1-1)に従って計算される。
【0033】
ナビゲーションビット境界決定装置100と北斗GEO衛星G
Eとの間の距離rが計算された後、第2の計算サブモジュール320は、北斗GEO衛星G
Eからナビゲーションビット境界決定装置100に送信された北斗GEO衛星信号の送信期間tを計算する。送信期間tは、式(1-2)に従って計算される。
【0036】
したがって、北斗GEO衛星G
Eからナビゲーションビット境界決定装置100に送信された北斗GEO衛星信号の送信期間tが、第1の計算サブモジュール310および第2の計算サブモジュール320を使用して得られる。第3の計算サブモジュール330は、位置受信およびクロック較正モジュール130によって較正された、北斗GEO衛星信号の較正済み受信時間と、第2の計算サブモジュール320によって計算された送信期間tとに基づいて、北斗GEO衛星信号の送信時間を計算するように構成される。例えば、t
rが北斗GEO衛星信号の較正済み受信時間を表し、t
tが北斗GEO衛星信号の送信時間を表す場合、t
tの値は(t
r-t)に等しい。
【0037】
決定モジュール150は、北斗GEO衛星信号の送信時間t
tに基づいて、北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界を決定することができる。以下に、北斗GEO衛星信号の送信時間t
tに基づいて北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界を決定する例について述べる。
【0038】
例えば、北斗GEO衛星信号の初期送信時間が、t
0である。すなわち、初期送信時間は、北斗GEO衛星が衛星信号を送信する時である。一実施形態では、北斗GEO衛星信号の初期送信時間t
0は、リアルタイムクロック(以下RTC)から変換されたGPS時間である。RTCクロックに基づいてGPS時間を計算する方法は、当業者には周知である。例えば、1999年8月21/22日を開始時間とすると、現在のGPS時間を計算するための式が、以下のように確立される。
t
GPS = [dow*24+(hour+zonenum)*60+min]*60+sec+leapsec (1-3)
上式で、dowは曜日を表し、hour、min、およびsecは、それぞれRTC時間の時、分、秒の情報を表す。zonenumは、RTC時間のタイムゾーンを表す。leapsecは、現在の協定世界時(UTC)とGPS時間との間の差を表す。北斗GEO衛星信号の較正済み受信時間はt
rであり、北斗GEO衛星信号の送信時間はt
tであり、以下のような式が確立される。
x = (t
t-t
0) mod 2ms (1-4)
上式で、xは、t
tとt
0との差を2ミリ秒で割った余りであり、t
tおよびt
0の時間単位はミリ秒(ms)である。xの値に従って北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界が計算され、GEO衛星信号の捕捉および追跡のためにナビゲーションビット境界決定装置によって採用される、より長い連続積分時間を、ナビゲーションビット境界決定装置中の決定モジュールによって決定することができる。例えば、xの値が0に等しい場合、このことは、北斗GEO衛星信号が時間t
tでナビゲーションビット境界にあることを意味し、よって、北斗GEO衛星信号を、2ミリ秒の連続積分時間(すなわちナビゲーションビットデータの周期)内で時間t
tから捕捉および追跡することができる。そうでない場合は、北斗GEO衛星信号は、時間t(t
t+2-x)でナビゲーションビット境界にあり、よって、北斗GEO衛星信号を、2ミリ秒の連続積分時間内で時間t(t
t+2-x)から捕捉および追跡することができる。したがって、北斗GEO衛星信号の送信時間に基づいて、北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界を決定することができる。
【0039】
式(1-4)で、t
tおよびt
0は、同じシステム時間によって較正されるべきであることに留意されたい。例えば、t
tがGPS時間によって較正される場合は、t
0もまたGPS時間によって較正されるべきであり、式(1-4)に従ってxが計算される。
【0040】
一般に、北斗GEO衛星信号のナビゲーションビットレートは、500bpsである(すなわちナビゲーションビットデータの周期は2ミリ秒である)。ナビゲーションビット境界が決定されていない状況では、北斗GEO衛星信号は、1ミリ秒の連続積分時間内の捕捉モードで捕捉および追跡すべきである。しかし、よりずっと長い連続積分時間が予想される場合は、ビット同期のステップが必要とされる。本発明で開示されるナビゲーションビット境界決定装置100を使用して北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界が決定される場合、北斗GEO衛星信号は、ビット同期を実施せずに、よりずっと長い連続積分時間内の捕捉モードで捕捉および追跡することができる。したがって、北斗GEO衛星信号を素早い測位ナビゲーション計算に使用することができる。よりずっと長い連続積分時間は、[1ミリ秒, 2ミリ秒]の範囲の任意の実数とすることができる。好ましくは、2ミリ秒の連続積分時間内の受信機の捕捉モードを、北斗GEO衛星信号の捕捉および追跡に使用することができる。したがって、1ミリ秒の連続積分時間内の捕捉モードと比較して、よりずっと長い連続積分時間を北斗GEO衛星信号の捕捉および追跡に使用することができ、よりずっと弱い衛星信号を捕捉および追跡することができ、捕捉および追跡の精度をさらに高めることができる。
【0041】
開示する、北斗GEO衛星信号の送信時間に基づいて北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界を決定する実施形態は、例示的なものであり、限定とはしないことを理解されたい。北斗GEO衛星信号の送信時間に基づいて北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界を決定するための他の実施形態も本開示に含まれるべきであり、簡潔および明確にするためにこれらの実施形態についてはここで繰り返し述べないことは、当業者には認識されるであろう。
【0042】
別の実施形態では、ナビゲーションビット境界決定装置は、2つ以上の北斗GEO衛星とインタフェースする。動作時、測位および/またはナビゲーション計算に複数の北斗GEO衛星信号が必要とされる場合でも、これらの複数の北斗GEO衛星信号を処理する方法は、前述の方法と同じであり、簡潔および明確にするためにここでは述べない。
【0043】
前述のように、ナビゲーションビット境界決定装置100は、外部GPS受信機から受信したGPS測位情報に基づいて、北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界を決定することができる。言い換えれば、開示する本開示は、ビット同期を実施せずに、北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界を決定することができる。したがって、衛星測位および/またはナビゲーション技術において、前述のナビゲーションビット境界決定装置100を、北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界の決定に使用することができ、また、測位および/またはナビゲーションの目的に使用することもできる。受信機がウォームブートモードまたはコールドブートモードにあるとき、ビット同期を実施せずに、北斗GEO衛星信号を素早い測位ナビゲーション計算に使用することができ、したがって、数秒を節約することができる。加えて、前述のナビゲーションビット境界決定装置100を使用して北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界が決定されたとき、よりずっと長い連続積分時間を、北斗GEO衛星信号の捕捉および追跡のためにナビゲーションビット境界決定装置100によって採用することができる。したがって、より弱い信号を有する衛星も、測位およびナビゲーションの目的に使用することができ、これらのより弱い信号の測位および追跡の精度をさらに高めることができる。
【0044】
一実施形態では、北斗衛星受信機を開示する。北斗衛星受信機は、前述のようなナビゲーションビット境界決定装置100を備えてよい。
【0045】
北斗衛星受信機は、ナビゲーションビット境界決定装置を備える。北斗衛星受信機中のナビゲーションビット境界決定装置は、
図1に示すナビゲーションビット境界決定装置100と同様のコンポーネントおよび機能を有し、簡潔および明確にするためにここでは述べない。
【0046】
さらに、北斗衛星受信機中のナビゲーションビット境界決定装置を使用して、北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界が決定される。北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界に従って、連続積分時間が決定され、次いで、決定された連続積分時間内で、北斗GEO衛星からの北斗GEO衛星信号を捕捉および追跡することができる。すなわち、北斗GEO衛星信号を、連続積分時間内で、前述の北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界から、捕捉および追跡することができる。北斗GEO衛星信号を連続積分時間内で捕捉および追跡することができるので、次いで、ビット同期の必要なしに北斗GEO衛星信号を使用することができる。
【0047】
前述のように、北斗衛星受信機中のナビゲーションビット境界決定装置を使用して、ビット同期を実施せずに北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界を決定することができる。受信機がウォームブートモードまたはコールドブートモードにあるとき、ビット同期を実施せずに、北斗GEO衛星信号を素早い測位ナビゲーション計算に使用することができ、したがって、数秒を節約することができる。加えて、北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界が決定されたとき、よりずっと長い連続積分時間を、北斗GEO衛星信号の捕捉および追跡のためにナビゲーションビット境界決定装置によって採用することができる。したがって、より弱い信号を有する衛星を捕捉および追跡することができ、よって、捕捉および追跡の精度をさらに高めることができ、次いで受信機の性能が改善される。
【0048】
一実施形態では、GPS/北斗2重モード受信機が提供される。GPS/北斗2重モード受信機は、GPS受信機と、前述のような北斗衛星受信機とを備える。
図4に、本開示の一実施形態による、GPS/北斗2重モード受信機400の例を示す。
【0049】
図4に示すように、GPS/北斗2重モード受信機400は、GPS受信機410および北斗衛星受信機420を備える。北斗衛星受信機420には、ナビゲーションビット境界決定装置422が装備される。北斗衛星受信機420およびナビゲーションビット境界決定装置422は、それぞれ前述の北斗衛星受信機およびナビゲーションビット境界決定装置と同様のコンポーネントおよび機能を有し、簡潔および明確にするためにここでは述べない。
【0050】
GPS受信機410は、商用GPS受信機の1つであってよく、GPS時間信号と、GPS測位情報に従ったGPS/北斗2重モード受信機400の位置(すなわちナビゲーションビット境界決定装置422の位置)とを得ることができる。前述のGPS測位情報およびGPS時間信号は、北斗衛星受信機420中のナビゲーションビット境界決定装置422に提供することができる。特に、GPS/北斗2重モード受信機400の3次元空間座標を決定するために、GPS測位プロセスの間に少なくとも4つのGPS衛星が捕捉されるべきである。
【0051】
開示するGPS/北斗2重モード受信機400は、ナビゲーションビット境界決定装置422を供える。開示するGPS/北斗2重モード受信機400は、従来のGPS/北斗2重モード受信機のようにして、2種類のモードで動作することができる。例えば、開示するGPS/北斗2重モード受信機400は、GPS衛星と北斗衛星のいずれかを使用して測位および/またはナビゲートすることができる。開示するGPS/北斗2重モード受信機400はまた、GPS測位情報から得られる情報に基づいて、北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界を決定することができる。このような情報は、GPS/北斗2重モード受信機400の位置、およびGPS時間信号を含む。したがって、ビット同期を実施せずに、北斗GEO衛星信号を素早い測位ナビゲーション計算に使用することができ、よって数秒が節約される。よりずっと長い連続積分時間を、北斗GEO衛星信号の捕捉および追跡のためにナビゲーションビット境界決定装置422によって採用することができ、より弱い信号を有する衛星を捕捉および追跡することができ、したがって、これらのより弱い信号の捕捉および追跡の精度をさらに高めることができ、受信機の性能も改善される。
【0052】
一実施形態では、モバイルデバイスが、前述の北斗衛星受信機またはGPS/北斗2重モード受信機を備えることができる。具体的には、モバイルデバイスは、ナビゲータ、携帯電話機、ノートブック、iPad、PDA(パーソナルディジタルアシスタント)、マルチメディアプレーヤデバイス(例えばMP3/MP4プレーヤや電子ブック)、および、GPS受信機410を備えることのできる他のデバイスのうちの、任意の1つとすることができる。
【0053】
一実施形態では、北斗衛星受信機またはGPS/北斗2重モード受信機が装備された前述のモバイルデバイスは、
図1に示すナビゲーションビット境界決定装置100を供える。受信機がウォームブートモードまたはコールドブートモードにあるとき、ビット同期を実施せずに、北斗GEO衛星信号を素早い測位ナビゲーション計算に使用することができる。したがって、よりずっと長い連続積分時間を、北斗GEO衛星信号の捕捉および追跡のためにナビゲーションビット境界決定装置によって採用することができ、より弱い信号を有する衛星を捕捉および追跡することができ、したがって、捕捉および追跡の精度をさらに高めることができる。
【0054】
北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界を決定する方法が提供される。この方法の例を、
図1、
図5、および
図6との組合せで述べる。
【0055】
図5に、本開示の一実施形態による、ナビゲーションビット境界を決定する方法を示す。
図5に示すように、フローチャート500は、北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界を決定する方法を例示する。この実施形態で開示される方法は、S520〜S550のステップを含む。ナビゲーションビット境界決定装置100中の北斗衛星信号受信モジュール120が、北斗GEO衛星信号を受信する(ステップS520)。北斗衛星信号受信モジュール120は、クロックモジュール110に従って、北斗GEO衛星信号のローカル受信時間を決定する(ステップS521)。ステップS521を実施した後、北斗衛星信号受信モジュール120は、北斗GEO衛星信号のローカル受信時間を記録する(ステップS522)。ナビゲーションビット境界決定装置100中の位置受信およびクロック較正モジュール130が、外部GPS受信機から、GPS時間信号と、GPS測位情報に基づいて外部GPS受信機によって計算されたナビゲーションビット境界決定装置の位置とを受信する(ステップS530)。位置受信およびクロック較正モジュール130は、受信したGPS時間信号に基づいてローカル受信時間およびローカル時間を較正して、較正済み受信時間を生成する(ステップS531)。本明細書において、ナビゲーションビット境界決定装置100の位置と、ユーザの位置とは、交換可能に使用される。ナビゲーションビット境界決定装置100中の計算モジュール140が、ユーザの位置と、北斗GEO衛星の座標(すでにわかっている)と、北斗GEO衛星信号の較正済み受信時間とに基づいて、北斗GEO衛星信号の送信時間を計算する(ステップS540)。
【0056】
北斗GEO衛星信号の送信時間の計算は、
図6に示すステップS610〜S630に分解することができる。
【0057】
図6に示すように、計算モジュール140中の第1の計算サブモジュール310が、ステップS530で受信されたユーザの位置と、北斗GEO衛星の座標とに基づいて、ユーザと北斗GEO衛星との間の距離rを計算する(ステップS610)。
【0058】
計算モジュール140中の第2の計算サブモジュール320が、ステップS610で得られた、ユーザと北斗GEO衛星との間の距離rに基づいて、北斗GEO衛星からナビゲーションビット境界決定装置100に送信された北斗GEO衛星信号の送信期間tを計算する(ステップS620)。
【0059】
計算モジュール140中の第3の計算サブモジュール330が、送信期間tと、北斗GEO衛星信号の較正済み受信時間とに基づいて、北斗GEO衛星信号の送信時間t
tを計算する(ステップS630)。
【0060】
より具体的には、ステップS610、S620、およびS630に示した計算の詳細な方法は、
図3との組合せで述べた第1の計算サブモジュール310、第2の計算サブモジュール320、および第3の計算サブモジュール330によってそれぞれ実施することができ、簡潔および明確にするためにここでは述べない。
【0061】
このように、ステップS540、すなわち詳細なステップS610〜S630を実施した後、北斗GEO衛星信号の送信時間t
tが得られる。次いで、ナビゲーションビット境界決定装置100中の決定モジュール150が、ステップS540で計算された北斗GEO衛星信号の送信時間t
tに基づいて、北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界を決定し、北斗GEO衛星信号の捕捉および追跡のためにナビゲーションビット境界決定装置によって採用される連続積分時間を決定する(ステップS550)。S550で実施される、北斗GEO衛星信号の送信時間に基づいて北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界を決定する詳細な方法については、前に述べており、ここでは繰り返さない。決定された、北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界を使用して、北斗GEO衛星信号の捕捉および追跡のためにナビゲーションビット境界決定装置100によって採用される連続積分時間が決定される。連続積分時間は、1ミリ秒と2ミリ秒の間の任意の継続時間とすることができる。
【0062】
前述のように、このナビゲーションビット境界決定方法は、本開示の一実施形態により、外部GPS受信機から受信したGPS測位情報を使用して、北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界を決定することができる。言い換えれば、ビット同期を実施せずに、北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界を決定することができる。したがって、衛星測位および/またはナビゲーション技術において、前述のナビゲーションビット境界決定装置を、北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界の決定に使用することができ、また、測位またはナビゲーションに使用することができる。例えば、受信機がウォームブートモードまたはコールドブートモードにあるとき、ビット同期を実施せずに、北斗GEO衛星信号を素早い測位ナビゲーション計算に使用することができ、したがって、数秒を節約することができる。加えて、前述のナビゲーションビット境界決定装置を使用して北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界が決定されたとき、よりずっと長い連続積分時間を、北斗GEO衛星信号の捕捉および追跡のためにナビゲーションビット境界決定装置によって採用することができる。したがって、より弱い信号を有する衛星を捕捉および追跡することができ、よって、捕捉および追跡の精度をさらに高めることができる。
【0063】
一実施形態では、本開示の一実施形態により、衛星ナビゲーションおよび測位方法が提供される。衛星ナビゲーションおよび測位方法は、北斗衛星信号、例えば北斗GEO衛星信号および/または北斗非静止地球軌道(NGEO)衛星信号に基づいて、ナビゲーションおよび測位を処理する方法を含む。この方法では、ナビゲーションおよび測位処理方法は、従来の北斗衛星受信機によって実施される。この方法は、略して、北斗単一モードナビゲーションおよび測位処理方法と名付けることができる。衛星ナビゲーションおよび測位方法はさらに、前述のナビゲーションビット境界決定方法を使用してナビゲーションおよび測位を処理する方法を含む。この方法は、補助ナビゲーションおよび測位処理方法とも呼ばれる。
【0064】
前述の補助ナビゲーションおよび測位処理方法はさらに、ビット同期を実施せずに北斗GEO衛星によってオブジェクトを測位するために、北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界を決定するステップと、北斗GEO衛星信号の捕捉および追跡のためにナビゲーションビット境界決定装置によって採用される連続積分時間を、北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界に基づいて決定するステップとを含む。
【0065】
別の実施形態では、衛星ナビゲーションおよび測位方法はさらに、GPS単一モードナビゲーションおよび測位処理方法、北斗単一モードナビゲーションおよび測位処理方法、ならびに、補助ナビゲーションおよび測位処理方法を含む。すなわち、ナビゲーションおよび測位処理は、従来のGPS受信機によって実施される。この状況では、補助ナビゲーションおよび測位処理方法は、GPS単一モードナビゲーションおよび測位処理方法において動作するいくつかの処理ステップによって行うことができる。さらに、ナビゲーションおよび測位処理の、これらの3つの処理方法は、ユーザの要件または実際の状況に従って、ランダムに、かつ独立して選択することができる。
【0066】
したがって、GPS測位情報に基づく前述の衛星ナビゲーションおよび測位方法を実施することにより、北斗GEO衛星信号のナビゲーションビット境界を決定することができる。受信機がウォームブートモードまたはコールドブートモードにあるとき、ビット同期を実施せずに、北斗GEO衛星信号を素早い測位ナビゲーション計算に使用することができる。
【0067】
以上の記述および図面は本開示の実施形態を表すが、添付の特許請求の範囲に定義される本開示の原理の趣旨および範囲を逸脱することなく、これらの実施形態において様々な追加、修正、および代用を行うことができることは、理解されるであろう。本開示の実践において使用される形式、構造、構成、割合、材料、要素、コンポーネント、その他に対して、本開示の原理を逸脱することなく、特定の環境および動作要件に特に適合された多くの修正を加えて本開示を使用できることを、当業者なら認識するであろう。したがって、ここに開示する実施形態は、あらゆる点で限定ではなく例示と考えるべきであり、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその合法的均等物によって示され、以上の記述に限定されない。