(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る即席麺は、寒天およびカードランを含み、20℃の水で3分間戻したときの吸水率が250%以上である。
【0014】
即席麺が寒天およびカードランからなる場合、寒天およびカードランはそれぞれ1〜90重量%、10〜99重量%の割合で配合されることが好ましい。カードランの配合割合を10重量%未満にすると、水戻し時間が長くなるばかりか、水戻し後の麺が硬くなる虞がある。一方、カードランの配合割合が99重量%を超えると、水戻し後の麺の食感が低下する虞がある。より好ましい寒天およびカードランの配合割合は、それぞれ8〜75重量%、25〜92重量%である。
【0015】
第1実施形態に係る即席麺は、小麦粉および澱粉から選ばれる少なくとも1つの第3成分がさらに配合されることを許容する。小麦粉は、例えば強力粉、中力粉、薄力粉のいずれも用いることができる。これらの小麦粉は、単独または2種以上混合して用いることができる。澱粉は、例えば馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、小麦澱粉、タピオカ澱粉等を用いることができる。
【0016】
第3成分は、寒天およびカードランの合量に対して外率で80重量%以下、より好ましくは70重量%以下の割合で配合することが望ましい。第3成分の配合割合が80重量%を超えると、短時間(例えば3分間程度)での水戻しが困難になる。
【0017】
吸水率とは、麺を水で戻したときの重量をw1、戻す前の麺の重量をw0としたとき、(w1/w0)×100の式から求めた値(%)を意味する。
【0018】
第1実施形態に係る即席麺において、20℃の水で3分間戻したときの吸水率(250%以上)はその即席麺の特異性を示すもので、特に前記第3成分がその配合上限である80重量%含む即席麺においても20℃の水で3分間戻したときの吸水率が250%以上になる。ただし、即席麺が寒天およびカードランからなる場合、20℃の水で3分間戻したときの吸水率が400%以上であることが好ましい。
【0019】
第1実施形態に係る即席麺は、3層、4層、5層のような多層構造の形態を有することを許容する。このような多層構造の即席麺は、外層が寒天およびカードランを含み、外層間に位置する内層が外層の組成と異なる。このような多層構造の即席麺においても20℃の水で3分間戻したときの吸水率が250%以上である。
【0020】
多層構造の即席麺において、外層が寒天およびカードランからなる場合、寒天およびカードランはそれぞれ10〜80重量%、20〜90重量%の割合で配合されることが好ましい。
【0021】
多層構造の即席麺において、内層は寒天およびカードランから選ばれる少なくとも1つの成分を含むか、または多糖類およびタンパク質から選ばれる少なくとも1つの成分を含むことを許容する。特に、内層は水戻し性を考慮して少なくともカードランを含むことがより好ましい。
【0022】
多層構造の即席麺において、外層および内層はそれぞれ前述した小麦粉および澱粉から選ばれる少なくとも1つの第3成分がさらに配合されることを許容する。
【0023】
第3成分は、多層構造中の寒天およびカードランの合量に対して外率で80重量%以下、より好ましくは70重量%以下の割合で配合することが望ましい。第3成分の配合割合が80重量%を超えると、短時間(例えば3分間程度)での水戻しが困難になる。第3成分の外層および内層への配分は、重量比にて外層:内層を0:100〜80:20にすることが好ましい。
【0024】
第1実施形態に係る即席麺は、即席麺の種類に応じてさらにナトリウム塩、カリウム塩等の塩類、アミノ酸、ビタミン類のような各種添加物、その他食品素材などを加えることを許容する。
【0025】
第1実施形態に係る即席麺を喫食するときには、20℃の水で戻す場合に限らず、20℃以下の水、例えば4℃前後の冷水で即席麺を戻してもよい。
【0026】
次に、前述した単層構造の即席麺の製造方法を説明する。
【0027】
i)寒天およびカードランを含む原料のゾルを調製する。
【0028】
具体的なゾルの調製は、以下の3通りの方法が挙げられる。
【0029】
(a)水に寒天を分散させ、例えば80〜100℃に加熱して溶解する。この加熱寒天水溶液にカードランの分散水を添加しながら、温度を例えば60℃に下げることによりゾルを調製する。
【0030】
(b)カードランの分散水を例えば40〜60℃まで加熱する。この加熱過程でカードランの分散水は、ゾル化される。このゾルが例えば50℃になった時点で、その温度を維持しながら寒天を加熱水で溶解した溶液を添加し、寒天およびカードランを含む原料のゾルを調製する。
【0031】
(c)水に寒天を分散させ、例えば80〜100℃に加熱して溶解した後、冷却してゲル化させる。ゲルを粉砕してゾル状寒天にする。一方、カードランを水に分散し、この分散液に前記ゾル状寒天を加えて寒天およびカードランを含む原料のゾルを調製する。
【0032】
ゾルは、寒天およびカードランの合量の濃度が0.2〜6.0重量%であることが好ましい。ゾル濃度を0.2重量%未満にすると、後述するゲル化が困難になる虞がある。一方、ゾル濃度が6.0重量%を超えると、得られた即席麺を短時間(例えば3分間程度)で水戻しすることが困難になる虞がある。より好ましいゾル中の寒天およびカードランの合量の濃度は、1.0〜5.0重量%である。
【0033】
寒天およびカードランは、重量比にて1:99〜90:10の割合でゾル中に含有されることが好ましい。カードランの含有比率を10未満にすると、得られた即席麺の水戻し時間が長くなるばかりか、水戻し後の麺が硬くなり過ぎる虞がある。一方、カードランの含有比率が99を超えると、水戻し後の麺の食感が低下する虞がある。より好ましい寒天およびカードランの含有割合は、重量比にて8:92〜75:25である。
【0034】
ゾルには、小麦粉および澱粉から選ばれる少なくとも1つの第3成分がさらに含有されることを許容する。小麦粉は、例えば強力粉、中力粉、薄力粉のいずれも用いることができる。これらの小麦粉は、単独または2種以上混合して用いることができる。澱粉は、例えば馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、小麦澱粉、タピオカ澱粉等を用いることができる。第3成分は、寒天およびカードランの合量に対して外率で80重量%以下、より好ましくは70重量%以下の割合で含有されることが望ましい。
【0035】
ゾルには、製造される即席麺の種類に応じてさらにナトリウム塩、カリウム塩等の塩類、アミノ酸、ビタミン類のような各種添加物、その他食品素材などを加えることを許容する。
【0036】
ii)ゾルからゲル状麺線を作製する。
【0037】
ゾルからのゲル状麺線の作製は、以下に説明する方法が採用される。
【0038】
(1)ゾルを例えばガラスまたはステンレスのような金属の板上にシート状にし、冷却してゲル化することによりゲル状麺帯とし、さらにこのゲル状麺帯を必要に応じて乾燥し、その後細断することによりゲル状麺線を作製する。
【0039】
ゲル化時の冷却は、例えば20℃以下、より好ましくは0〜10℃の温度で行うことが望ましい。
【0040】
(2)ゾルを例えばガラスまたはステンレスのような金属の板上にシート状に流し、加熱してゲル化することによりゲル状麺帯とし、さらにこのゲル状麺帯を必要に応じて乾燥し、その後細断することによりゲル状麺線を作製する。
【0041】
加熱温度は、例えば80〜100℃にすることが好ましい。
【0042】
加熱は、蒸す方法を採用してもよい。このように蒸して加熱する場合には、ゾルをステンレスメッシュのような金属メッシュにシート状に流延し、そのメッシュ上のシート状ゾルを表面およびメッシュ側の裏面から蒸すことが好ましい。
【0043】
(3)ゾルを例えばチューブ、ノズルから直接細線状に吐出し、冷却または加熱によりゲル化することによりゲル状麺線を作製する。
【0044】
冷却は、例えば20℃以下、より好ましくは0〜10℃の温度で行うことが望ましい。加熱は、例えば80〜100℃で行うことが好ましく、蒸し器での処理等を採用できる。
【0045】
iii)ゲル状麺線を乾燥して即席麺を製造する。
【0046】
具体的には、ゲル状麺線を乾燥し、1食分の大きさの処理容器(例えばリテーナ)に入れ、さらに乾燥することにより麺塊を作製する。例えば、この後に麺塊をカップに収納し、密封することによりカップ入り即席麺を製造することができる。カップには、具材、スープが収納される。
【0047】
以上、第1実施形態に係る即席麺は寒天およびカードランを含み、20℃の水で3分間戻したときの吸水率が250%以上の特徴を有する。すなわち、カードランの良好な水戻し性によって、寒天単独から作製した麺を水で戻したときのような硬い食感、長い水戻し時間を前記特性のカードランの配合により改善して20℃の水で3分間と短時間で水戻しが可能で、かつ適度な硬さで良好な食感を有する即席麺を提供できる。
【0048】
特に、寒天およびカードランからなり、それぞれ1〜90重量%、10〜99重量%の割合で配合することによって、短時間で水戻しが可能で、より良好な食感を有する即席麺を得ることができる。
【0049】
また、第1実施形態によれば寒天およびカードランを含む原料のゾルを調製し、このゾルからゲル状麺線を作製し、乾燥することによって、20℃の水で3分間という短時間で水戻しが可能で、かつ適度な硬さで良好な食感を有する即席麺を製造することができる。
【0050】
さらに、ゾル中の寒天およびカードランの合量の濃度を0.2〜6.0重量%にすることによって、水戻し時間の短縮、より良好な食感を有する即席麺を製造することができる。
【0051】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る即席麺は、カラゲニンおよびカードランを含み、20℃の水で5分間戻したときの吸水率が300%以上である
カラゲニンは、例えばκ−カラゲニンを用いることができる。
【0052】
即席麺がカラゲニンおよびカードランからなる場合には、それぞれ2〜98重量%、2〜98重量%の割合で配合されることが好ましい。カードランの配合割合を2重量%未満にすると、水戻し時間が長くなるばかりか、水戻し後の麺が硬くなる虞がある。一方、カードランの配合割合が98重量%を超えると、水戻し後の麺の食感が低下する虞がある。より好ましいカラゲニンおよびカードランの配合割合は、それぞれ2〜35重量%、65〜98重量%である。
【0053】
第2実施形態に係る即席麺は、前述した第1実施形態と同様に小麦粉および澱粉から選ばれる少なくとも1つの第3成分がさらに配合されることを許容する。第3成分は、カラゲニンおよびカードランの合量に対して外率で60重量%以下、より好ましくは50重量%以下の割合で配合することが望ましい。第3成分の配合割合が60重量%を超えると、特に第3成分が小麦粉の場合、ゲル形成がし難く、水戻しが困難になると共に、得られた即席麺も食感が硬くなる虞がある。
【0054】
第2実施形態に係る即席麺において、20℃の水で5分間戻したときの吸水率(300%以上)はその即席麺の特異性を示すもので、特に前記第3成分がその配合上限である60重量%含む即席麺においても20℃の水で5分間戻したときの吸水率が300%以上になる。ただし、即席麺がカラゲニンおよびカードランからなる場合、20℃の水で5分間戻したときの吸水率が450%以上であることが好ましい。
【0055】
第2実施形態に係る即席麺は、即席麺の種類に応じてさらにナトリウム塩、カリウム塩等の塩類、アミノ酸、ビタミン類のような各種添加物、その他食品素材などを加えることを許容する。
【0056】
第2実施形態に係る即席麺を喫食するときには、20℃の水で戻す場合に限らず、20℃以下の水、例えば4℃前後の冷水で即席麺を戻してもよい。
【0057】
次に、前述した即席麺の製造方法を説明する。
【0058】
i)カラゲニンおよびカードランを含む原料のゾルを調製する。
【0059】
具体的には、水にカラゲニンおよびカードランを分散させ、例えば40〜50℃に加熱してゾルを調製する。
【0060】
ゾルは、カラゲニンおよびカードランの合量の濃度が1.2〜7.2重量%であることが好ましい。ゾル濃度を1.2重量%未満にすると、後述するゲル化が困難になる虞がある。一方、ゾル濃度が7.2重量%を超えると、得られた即席麺を短時間(例えば5分間程度)で水戻しすることが困難になる虞がある。
【0061】
カラゲニンおよびカードランは、重量比にて2:98〜98:2の割合で含有することが好ましい。カードランの含有比率を2未満にすると、得られた即席麺の水戻し時間が長くなるばかりか、水戻し後の麺が硬くなり過ぎる虞がある。一方、カードランの含有比率が98を超えると、水戻し後の麺の食感が低下する虞がある。
【0062】
ゾルには、前述した第1実施形態と同様に小麦粉および澱粉から選ばれる少なくとも1つの第3成分がさらに含有されることを許容する。第3成分は、カラゲニンおよびカードランの合量に対して外率で60重量%以下、より好ましくは50重量%以下の割合で含有されることが望ましい。
【0063】
ゾルには、製造される即席麺の種類に応じてさらにナトリウム塩、カリウム塩等の塩類、アミノ酸、ビタミン類のような各種添加物、その他食品素材などを加えることを許容する。
【0064】
ii)ゾルからゲル状麺線を作製する。
【0065】
ゾルからのゲル状麺線の作製は、以下に説明する方法が採用される。
【0066】
(1)ゾルを例えばガラスまたはステンレスのような金属の板上にシート状にし、冷却してゲル化することによりゲル状麺帯とし、さらにこのゲル状麺帯を必要に応じて乾燥し、その後細断することによりゲル状麺線を作製する。
【0067】
ゲル化時の冷却は、例えば20℃以下、より好ましくは0〜10℃の温度で行うことが望ましい。
【0068】
(2)ゾルを例えばガラスまたはステンレスのような金属の板上にシート状にし、加熱してゲル化することによりゲル状麺帯とし、さらにこのゲル状麺帯を必要に応じて乾燥し、その後細断することによりゲル状麺線を作製する。
【0069】
加熱温度は、例えば80〜100℃にすることが好ましい。
【0070】
加熱は、蒸す方法を採用してもよい。このように蒸して加熱する場合には、ゾルをステンレスメッシュのような金属メッシュにシート状に流延し、そのメッシュ上のシート状ゾルを表面およびメッシュ側の裏面から蒸すことが好ましい。
【0071】
(3)ゾルを例えばチューブ、ノズルから直接細線状に吐出し、冷却または加熱によりゲル化することによりゲル状麺線を作製する。
【0072】
冷却は、例えば20℃以下、より好ましくは0〜10℃の温度で行うことが望ましい。加熱は、例えば80〜100℃で行うことが好ましく、蒸し器での処理等を採用できる。
【0073】
冷却によってゲル化する方法を採用する場合、ゾル中のカラゲニンおよびカードランの合量の濃度は1.2〜5.2重量%、より好ましくは1.5〜5.0重量%にすることが望ましい。このとき、ゾル中のカラゲニンおよびカードランは重量比にて2:98〜98:2の割合、より好ましくは2:98〜35:65の割合で含有することが特に望ましい。
【0074】
加熱によってゲル化する方法を採用する場合、ゾル中のカラゲニンおよびカードランの合量の濃度は2.2〜7.2重量%、より好ましくは2.2〜5.2重量%にすることが望ましい。このとき、ゾル中のカラゲニンおよびカードランは、重量比にて2:98〜98:2の割合、より好ましくは2:98〜35:65の割合で含有することが特に望ましい。
【0075】
iii)ゲル状麺線を乾燥して即席麺を製造する。
【0076】
具体的には、ゲル状麺線を乾燥し、1食分の大きさの処理容器(例えばリテーナ)に入れ、さらに乾燥することにより麺塊を作製する。例えば、この後に麺塊をカップに収納し、密封することによりカップ入り即席麺を製造することができる。カップには、具材、スープが収納される。
【0077】
以上、第2実施形態に係る即席麺はカラゲニンおよびカードランを含み、20℃の水で5分間戻したときの吸水率が300%以上の特徴を有する。すなわち、カラゲニンおよびカードランの相互作用によって、20℃の水で5分間という短時間で水戻しが可能で、かつ適度な硬さで良好な食感を有する即席麺を提供できる。
【0078】
特に、カラゲニン2〜98重量%、カードラン2〜98重量%の割合で配合することによって、短時間で水戻しが可能で、より良好な食感を有する即席麺を得ることができる。
【0079】
また、第2実施形態によればカラゲニンおよびカードランを含む原料のゾルを調製し、このゾルからゲル状麺線を作製し、乾燥することによって、20℃の水で5分間という短時間で水戻しが可能で、かつ適度な硬さで良好な食感を有する即席麺を製造することができる。
【0080】
特に、ゲル状麺線の作製において前記(1)の方法のようにゾルからのゲル化を冷却により行う際、ゾル中のカラゲニンおよびカードランの合量の濃度を1.2〜5.2重量%とし、かつゾル中のカラゲニンおよびカードランを重量比にて2:98〜98:2の割合で含有させることによって、カードランによる良好な水戻し性によって、5分間という短時間で水戻しが可能で、より良好な食感を有する即席麺を製造できる。
【0081】
ゲル状麺線の作製において、前記(2)の方法のようにゾルからのゲル化を加熱(例えば蒸す)ことにより行う際、ゾル中のカラゲニンおよびカードランの合量の濃度を2.2〜7.2重量%とし、かつカラゲニンおよびカードランを重量比にて2:98〜98:2の割合で含有させることによって、カラゲニンおよびカードランの相互作用により短時間(例えば5分間程度)で水戻しが可能で、より良好な食感を有する即席麺を製造できる。
【0082】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。なお、以下の実施例および比較例においてゾル濃度は小数点以下第2位を四捨五入して計算した値、吸水率は1の位を四捨五入して計算した値を記載した。表1、表3の寒天とカードランの重量比、および表2、表4のカラゲニンとカードランの重量比は、小数点以下になった場合、小数点第1位を四捨五入して計算した値を記載した。
【0083】
(実施例1)
水80mLに寒天{伊那食品工業(株)商品名:UM−11KS}1.5gを分散させ、100℃に加熱して溶解した。この加熱寒天水溶液に予めカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}0.5gを分散させた水20mLを添加、撹拌しながら60℃まで温度を下げることにより寒天とカードランの合量の濃度が2.0重量%のゾルを調製した。つづいて、このゾルをガラス板上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、このガラス板を氷水上に5分間静置することによりゲル化させた。そのシート状ゲルをガラス板から剥離し、2mm幅に細断して麺線を作製した。これらの麺線を90℃、8分乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を25分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0084】
得られた麺塊を20℃の水で3分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊0.90gが7.34gに変化し、820%の吸水率を示した。
【0085】
(実施例2)
水80mLに寒天{伊那食品工業(株)商品名:UM−11KS}1.8gを分散させ、100℃に加熱して溶解した。この加熱寒天水溶液に予めカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}0.2gを分散させた水20mLを添加、撹拌しながら60℃まで温度を下げることにより寒天およびカードランの合量の濃度が2.0重量%のゾルを調製した。つづいて、このゾルをガラス板上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、このガラス板を氷水上に5分間静置することによりゲル化させた。そのシート状ゲルをガラス板から剥離し、2mm幅に細断して麺線を作製した。これらの麺線を90℃、8分乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を25分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0086】
得られた麺塊を20℃の水で3分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊0.94gが7.44gに変化し、790%の吸水率を示した。
【0087】
(実施例3)
水80mLに寒天{伊那食品工業(株)商品名:UM−11KS}1.0gを分散させ、100℃に加熱して溶解した。この加熱寒天水溶液に予めカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}1.0gを分散させた水20mLを添加、撹拌しながら60℃まで温度を下げることにより寒天とカードランの合量の濃度が2.0重量%のゾルを調製した。つづいて、このゾルをガラス板上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、このガラス板を氷水上に5分間静置することによりゲル化させた。そのシート状ゲルをガラス板から剥離し、2mm幅に細断して麺線を作製した。これらの麺線を90℃、8分乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を25分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0088】
得られた麺塊を20℃の水で3分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊1.01gが7.87gに変化し、780%の吸水率を示した。
【0089】
(実施例4)
水60mLに寒天{伊那食品工業(株)商品名:UM−11KS}0.2gを分散させ、100℃に加熱して溶解した。この加熱寒天水溶液に予めカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}1.8gを分散させた水40mLを添加、撹拌しながら60℃まで温度を下げることにより寒天とカードランの合量の濃度が2.0重量%のゾルを調製した。つづいて、このゾルをガラス板上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、このガラス板を氷水上に5分間静置することによりゲル化させた。そのシート状ゲルをガラス板から剥離し、2mm幅に細断して麺線を作製した。これらの麺線を90℃、8分乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を25分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0090】
得られた麺塊を20℃の水で3分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊0.89gが7.47gに変化し、840%の吸水率を示した。
【0091】
(実施例5)
水80mLに寒天{伊那食品工業(株)商品名:UM−11KS}0.38gを分散させ、100℃に加熱して溶解した。この加熱寒天水溶液に予めカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}0.13gを分散させた水20mLを添加、撹拌しながら60℃まで温度を下げることにより寒天とカードランの合量の濃度が0.5重量%のゾルを調製した。つづいて、このゾルをガラス板上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、このガラス板を氷水上に5分間静置することによりゲル化させた。そのシート状ゲルをガラス板から剥離し、2mm幅に細断して麺線を作製した。これらの麺線を90℃、8分乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を25分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0092】
得られた麺塊を20℃の水で3分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊0.32gが4.03gに変化し、1260%の吸水率を示した。
【0093】
(実施例6)
水80mLに寒天{伊那食品工業(株)商品名:UM−11KS}0.75gを分散させ、100℃に加熱して溶解した。この加熱寒天水溶液に予めカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}0.25gを分散させた水20mLを添加、撹拌しながら60℃まで温度を下げることにより寒天とカードランの合量の濃度が1.0重量%のゾルを調製した。つづいて、このゾルをガラス板上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、このガラス板を氷水上に5分間静置することによりゲル化させた。そのシート状ゲルをガラス板から剥離し、2mm幅に細断して麺線を作製した。これらの麺線を90℃、8分乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を25分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0094】
得られた麺塊を20℃の水で3分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊0.45gが5.63gに変化し、1250%の吸水率を示した。
【0095】
(実施例7)
水80mLに寒天{伊那食品工業(株)商品名:UM−11KS}1.13gを分散させ、100℃に加熱して溶解した。この加熱寒天水溶液に予めカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}0.38gを分散させた水20mLを添加、撹拌しながら60℃まで温度を下げることにより寒天とカードランの合量の濃度が1.5重量%のゾルを調製した。つづいて、このゾルをガラス板上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、このガラス板を氷水上に5分間静置することによりゲル化させた。そのシート状ゲルをガラス板から剥離し、2mm幅に細断して麺線を作製した。これらの麺線を90℃、8分乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を25分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0096】
得られた麺塊を20℃の水で3分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊0.50gが5.83gに変化し、1170%の吸水率を示した。
【0097】
(実施例8)
水80mLに寒天{伊那食品工業(株)商品名:UM−11KS}0.27gを分散させ、100℃に加熱して溶解した。この加熱寒天水溶液に予めカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}0.03gを分散させた水20mLを添加、撹拌しながら60℃まで温度を下げることにより寒天とカードランの合量の濃度が0.3重量%のゾルを調製した。つづいて、このゾルをガラス板上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、このガラス板を氷水上に5分間静置することによりゲル化させた。そのシート状ゲルをガラス板から剥離し、2mm幅に細断して麺線を作製した。これらの麺線を90℃、8分乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を25分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0098】
得られた麺塊を20℃の水で3分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊0.29gが2.73gに変化し、940%の吸水率を示した。
【0099】
(実施例9)
水80mLにカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}4.5gを分散させ、60℃まで加熱してカードランのゾルとした。これに予め水20mLに寒天{伊那食品工業(株)商品名:UM−11KS}0.5gを加熱溶解させ、60℃に保温した寒天水溶液を添加し、寒天とカードランの合量の濃度が4.8重量%のゾルを調製した。つづいて、このゾルをガラス板上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、このガラス板を氷水上に5分間静置することによりゲル化させた。そのシート状ゲルをガラス板から剥離し、2mm幅に細断して麺線を作製した。これらの麺線を90℃、8分乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を25分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0100】
得られた麺塊を20℃の水で3分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊3.16gが14.30gに変化し、450%の吸水率を示した。
【0101】
(実施例10)
水90mLにカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}5.4gを分散させ、60℃まで加熱してカードランのゾルとした。これに予め水20mLに寒天{伊那食品工業(株)商品名:UM−11KS}0.6gを加熱溶解させ、60℃に保温した寒天水溶液を添加し、寒天とカードランの合量の濃度が5.7重量%のゾルを調製した。つづいて、このゾルをガラス板上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、このガラス板を氷水上に5分間静置することによりゲル化させた。そのシート状ゲルをガラス板から剥離し、2mm幅に細断して麺線を作製した。これらの麺線を90℃、8分乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を25分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0102】
得られた麺塊を20℃の水で3分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊2.84gが12.89gに変化し、450%の吸水率を示した。
【0103】
(実施例11)
寒天{伊那食品工業(株)商品名:伊那寒天大和}0.3gを70mLの水に分散させ、沸騰水浴中で溶解した後、約50℃まで冷却した。この寒天溶液にカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}3.3gを分散し、50℃まで加熱して寒天とカードランの合量の濃度が4.9重量%のゾルを調製した。このゾルを100メッシュのステンレスメッシュ上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、5分間蒸しゲル化させた。このゲルを2.0mm幅に切り出して麺線とした。この麺線を90℃、13分間乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を20分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0104】
得られた麺塊を20℃の水で3分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊1.73gが9.70gに変化し、560%の吸水率を示した。
【0105】
(実施例12)
寒天{伊那食品工業(株)商品名:伊那寒天大和}0.05gを70mLの水に分散させ、沸騰水浴中で溶解した後、約50℃まで冷却した。この寒天溶液にカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}3.3gを分散し、50℃まで加熱して寒天とカードランの合量の濃度が4.6重量%のゾルを調製した。このゾルを100メッシュのステンレスメッシュ上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、5分間蒸しゲル化させた。このゲルを2.0mm幅に切り出して麺線とした。この麺線を90℃、13分間乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を20分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0106】
得られた麺塊を20℃の水で3分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊2.28gが9.71gに変化し、430%の吸水率を示した。
【0107】
(実施例13)
寒天{伊那食品工業(株)商品名:伊那寒天大和}0.75gを70mLの水に分散させ、沸騰水浴中で溶解した後、約50℃まで冷却した。この寒天溶液にカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}3.3gを分散し、50℃まで加熱して寒天とカードランの合量の濃度が5.5重量%のゾルを調製した。このゾルを100メッシュのステンレスメッシュ上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、5分間蒸しゲル化させた。このゲルを2.0mm幅に切り出して麺線とした。この麺線を90℃、13分間乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を20分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0108】
得られた麺塊を20℃の水で3分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊1.65gが7.79gに変化し、470%の吸水率を示した。
【0109】
(比較例1)
水100mLに寒天{伊那食品工業(株)商品名:UM−11KS}2.0gを分散させ、100℃に加熱して溶解した。溶解後、撹拌しながら60℃まで温度を下げてゾルを調製した。つづいて、このゾルをガラス板上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、このガラス板を氷水上に5分間静置することによりゲル化させた。そのシート状ゲルをガラス板から剥離し、2.0mm幅に細断して麺線を作製した。これらの麺線を90℃、8分乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を25分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0110】
得られた麺塊を20℃の水で3分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊0.84gが5.81gに変化し、690%の吸水率を示した。
【0111】
(比較例2)
水60mLを100℃まで加熱し、予めカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}2.0gを分散した水40mLを添加、撹拌しながら60℃まで温度を下げてゾルを調製した。つづいて、このゾルをガラス板上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、このガラス板を氷水上に5分間静置することによりゲル化させた。そのシート状ゲルをガラス板から剥離し、2.0mm幅に細断して麺線を作製した。これらの麺線を90℃、8分乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を25分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0112】
得られた麺塊を20℃の水で3分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊0.87gが7.12gに変化し、820%の吸水率を示した。
【0113】
実施例1〜13および比較例1,2で得られた麺塊に20℃の水200mLを注ぎ、正確に3分間かけて水戻しを行った後、パネラー7名により喫食して食感、硬さ、のどごし、食味に関して総合的に評価し、非常に良好を“A”、良好を“B”、不可を“C”として最終的な判断を行った。その結果を下記表1に示す。なお、表1には原料組成、ゾルの濃度および吸水率を併記した。
【表1】
【0114】
前記表1から明らかなように寒天およびカードランからなる実施例1〜13の即席麺は、3分間で20℃の水で戻すことができ、かつ水戻し後の喫食の総合的な評価において比較例1,2に比べて良好であることがわかる。すなわち、本発明のように寒天およびカードランを組み合わせることによって、寒天単独、またはカードラン単独では達成し得ない3分間という短時間で喫食可能で、かつ食感、食味の点で優れた即席麺を創出できることが明らかになった。
【0115】
(実施例14)
水70mLにカラゲニン{CPケルコ社製商品名:精製カラギナン}0.1gおよびカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}3.3gを分散させ、50℃まで加熱することによりカラゲニンとカードランの合量の濃度が4.6重量%のゾルを調製した。このゾルを100メッシュのステンレスメッシュ上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、5分間蒸してゲル化させた。つづいて、このシート状ゲルをステンレスメッシュから取り出し、6.5mm幅に細断して麺線を作製した。この麺線を90℃、13分乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を20分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0116】
この麺塊を20℃の水で5分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊3.55gが17.12gに変化し、480%の吸水率を示した。
【0117】
(実施例15)
水150mLにカラゲニン{CPケルコ社製商品名:精製カラギナン}0.1gおよびカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}3.3gを分散させ、60℃まで加熱することによりカラゲニンとカードランの合量の濃度が2.2重量%のゾルを調製した。このゾルを100メッシュのステンレスメッシュ上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、5分間蒸してゲル化させた。つづいて、このシート状ゲルをステンレスメッシュから取り出し、6.5mm幅に細断して麺線を作製した。この麺線を90℃、13分乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を20分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0118】
この麺塊を20℃の水で5分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊1.8gが13.87gに変化し、770%の吸水率を示した。
【0119】
(実施例16)
水50mLにカラゲニン{CPケルコ社製商品名:精製カラギナン}0.54gおよびカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}3.3gを分散させ、50℃まで加熱することによりカラゲニンとカードランの合量の濃度が7.1重量%のゾルを調製した。このゾルを100メッシュのステンレスメッシュ上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、5分間蒸してゲル化させた。つづいて、このシート状ゲルをステンレスメッシュから取り出し、6.5mm幅に細断して麺線を作製した。この麺線を90℃、13分乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を20分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0120】
この麺塊を20℃の水で5分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊4.63gが29.97gに変化し、650%の吸水率を示した。
【0121】
(実施例17)
水70mLにカラゲニン{CPケルコ社製商品名:精製カラギナン}0.54gおよびカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}3.3gを分散させ、50℃まで加熱することによりカラゲニンとカードランの合量の濃度が5.2重量%のゾルを調製した。このゾルを100メッシュのステンレスメッシュ上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、5分間蒸してゲル化させた。つづいて、このシート状ゲルをステンレスメッシュから取り出し、6.5mm幅に細断して麺線を作製した。この麺線を90℃、13分乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を20分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0122】
この麺塊を20℃の水で5分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊4.16gが25.05gに変化し、600%の吸水率を示した。
【0123】
(実施例18)
水150mLにカラゲニン{CPケルコ社製商品名:精製カラギナン}0.54gおよびカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}3.3gを分散させ、50℃まで加熱することによりカラゲニンとカードランの合量の濃度が2.5重量%のゾルを調製した。このゾルを100メッシュのステンレスメッシュ上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、5分間蒸してゲル化させた。つづいて、このシート状ゲルをステンレスメッシュから取り出し、6.5mm幅に細断して麺線を作製した。この麺線を90℃、13分乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を20分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0124】
この麺塊を20℃の水で5分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊2.20gが25.33gに変化し、1150%の吸水率を示した。
【0125】
(実施例19)
水70mLにカラゲニン{CPケルコ社製商品名:精製カラギナン}1.2gおよびカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}2.64gを分散させ、50℃まで加熱することによりカラゲニンとカードランの合量の濃度が5.2重量%のゾルを調製した。このゾルを100メッシュのステンレスメッシュ上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、5分間蒸してゲル化させた。つづいて、このシート状ゲルをステンレスメッシュから取り出し、6.5mm幅に細断して麺線を作製した。この麺線を90℃、13分乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を20分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0126】
この麺塊を20℃の水で5分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊3.65gが25.85gに変化し、710%の吸水率を示した。
【0127】
(実施例20)
水70mLにカラゲニン{CPケルコ社製商品名:精製カラギナン}1.34gおよびカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}2.5gを分散させ、50℃まで加熱することによりカラゲニンとカードランの合量の濃度が5.2重量%のゾルを調製した。このゾルを100メッシュのステンレスメッシュ上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、5分間蒸してゲル化させた。つづいて、このシート状ゲルをステンレスメッシュから取り出し、6.5mm幅に細断して麺線を作製した。この麺線を90℃、13分乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を20分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0128】
この麺塊を20℃の水で5分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊4.37gが24.52gに変化し、560%の吸水率を示した。
【0129】
(実施例21)
水70mLにカラゲニン{CPケルコ社製商品名:精製カラギナン}1.5gおよびカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}2.34gを分散させ、50℃まで加熱することによりカラゲニンとカードランの合量の濃度が5.2重量%のゾルを調製した。このゾルを100メッシュのステンレスメッシュ上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、5分間蒸してゲル化させた。つづいて、このシート状ゲルをステンレスメッシュから取り出し、6.5mm幅に細断して麺線を作製した。この麺線を90℃、13分乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を20分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0130】
この麺塊を20℃の水で5分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊3.65gが28.55gに変化し、780%の吸水率を示した。
【0131】
(実施例22)
水70mLにカラゲニン{CPケルコ社製商品名:精製カラギナン}2.84gおよびカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}1.0gを分散させ、70℃まで加熱することによりカラゲニンとカードランの合量の濃度が5.2重量%のゾルを調製した。このゾルを100メッシュのステンレスメッシュ上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、5分間蒸してゲル化させた。つづいて、このシート状ゲルをステンレスメッシュから取り出し、6.5mm幅に細断して麺線を作製した。この麺線を90℃、13分乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を20分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0132】
この麺塊を20℃の水で5分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊3.56gが34.81gに変化し、980%の吸水率を示した。
【0133】
(実施例23)
水70mLにカラゲニン{CPケルコ社製商品名:精製カラギナン}3.74gおよびカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}0.1gを分散させ、70℃まで加熱することによりカラゲニンとカードランの合量の濃度が5.2重量%のゾルを調製した。このゾルを100メッシュのステンレスメッシュ上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、5分間蒸してゲル化させた。つづいて、このシート状ゲルをステンレスメッシュから取り出し、6.5mm幅に細断して麺線を作製した。この麺線を90℃、13分乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を20分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0134】
この麺塊を20℃の水で5分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊2.59gが35.57gに変化し、1330%の吸水率を示した。
【0135】
(実施例24)
水250mLにカラゲニン{CPケルコ社製商品名:精製カラギナン}3.74gおよびカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}0.1gを分散させ、70℃まで加熱することによりカラゲニンとカードランの合量の濃度が1.5重量%のゾルを調製した。このゾルをステンレス板上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、5℃で、10分間冷却してゲル化させた。つづいて、このシート状ゲルをステンレス板から取り出し、6.5mm幅に細断して麺線を作製した。この麺線を90℃、10分間乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を20分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0136】
得られた麺塊を20℃の水で5分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊1.26gが35.71gに変化し、2830%の吸水率を示した。
【0137】
(実施例25)
水300mLにカラゲニン{CPケルコ社製商品名:精製カラギナン}3.74gおよびカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}0.1gを分散させ、70℃まで加熱することによりカラゲニンとカードランの合量の濃度が1.3重量%のゾルを調製した。このゾルをステンレス板上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、5℃で、10分間冷却してゲル化させた。つづいて、このシート状ゲルをステンレス板から取り出し、6.5mm幅に細断して麺線を作製した。この麺線を90℃、10分間乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を20分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0138】
得られた麺塊を20℃の水で5分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊1.36gが25.81gに変化し、1900%の吸水率を示した。
【0139】
(比較例3)
水70mLにカラゲニン{CPケルコ社製商品名:精製カラギナン}3.84gのみを分散させ、70℃まで加熱することによりゾルを調製した。このゾルを100メッシュのステンレスメッシュ上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、5分間蒸してゲル化させた。つづいて、このシート状ゲルをステンレスメッシュから取り出し、6.5mm幅に細断して麺線を作製した。この麺線を90℃、13分乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を20分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0140】
この麺塊を20℃の水で5分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊2.11gが32.63gに変化し、1550%の吸水率を示した。
【0141】
(比較例4)
水70mLにカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}3.3gのみを分散させ、50℃まで加熱することによりゾルを調製した。このゾルを100メッシュのステンレスメッシュ上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、5分間蒸してゲル化させた。つづいて、このシート状ゲルをステンレスメッシュから取り出し、6.5mm幅に細断して麺線を作製した。この麺線を90℃、13分乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を20分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0142】
この麺塊を20℃の水で5分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊4.26gが15.56gに変化し、370%の吸水率を示した。
【0143】
実施例14〜25および比較例3,4で得られた麺塊に20℃の水200mLを注ぎ、正確に5分間かけて水戻しを行った後、パネラー7名により喫食して食感、硬さ、のどごし、食味に関して総合的に評価し、非常に良好を“A”、良好を“B”、不可を“C”として最終的な判断を行った。その結果を下記表2に示す。なお、表2には原料組成、ゾルの濃度および吸水率を併記した。
【表2】
【0144】
前記表2から明らかなようにカラゲニンおよびカードランからなる実施例14〜25の即席麺は、5分間で20℃の水で戻すことができ、かつ水戻し後の喫食の総合的な評価において比較例3,4に比べて良好であることがわかる。すなわち、本発明のようにカラゲニンおよびカードランを組み合わせることによって、カラゲニン単独、またはカードラン単独では達成し得ない5分間という短時間で喫食可能で、かつ食感、食味の点で優れた即席麺を創出できることが明らかになった。
【0145】
(実施例26)
水70mLに寒天{伊那食品工業(株)商品名:UM−11KS}0.75gおよび強力粉4.5gを分散し、100℃の温度まで撹拌加熱した。この溶液に予めカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}2.25gを分散させた水30mLを添加、撹拌しながら60℃まで温度を下げて寒天とカードランの合量の濃度が2.9重量%のゾルを調製した。このゾルをアルミニウム板上に3.5mmの厚さで流延(塗布)し、氷水上に10分間静置することによりゲル化させた。そのゲルを3.0mm幅に切り出して麺線とした。この麺線を90℃、16分間乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を30分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0146】
この麺塊を20℃の水で3分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊5.46gが14.98gに変化し、270%の吸水率を示した。
【0147】
(実施例27)
水60mLに寒天{伊那食品工業(株)商品名:UM−11KS}0.3gおよび強力粉4.5gを分散し、100℃まで撹拌加熱した。この溶液に予めカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}2.7gを分散させた水40mLを添加、撹拌しながら60℃まで温度を下げて寒天とカードランの合量の濃度が2.9重量%のゾルを調製した。このゾルをアルミニウム板上に3.5mmの厚さで流延(塗布)し、氷水上に10分間静置することによりゲル化させた。そのゲルを3.0mm幅に切り出して麺線とした。この麺線を90℃、16分間乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を30分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0148】
この麺塊を20℃の水で3分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊5.01gが13.88gに変化し、280%の吸水率を示した。
【0149】
(実施例28)
水130mLに寒天{伊那食品工業(株)商品名:UM−11KS}2.25g、馬鈴薯澱粉4.5gおよびトレハロース0.15gを分散し、100℃の温度まで撹拌加熱した。この溶液に予めカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}0.75gを分散させた水20mLを添加、撹拌しながら60℃まで温度を下げて寒天とカードランの合量の濃度が2.0重量%のゾルを調製した。このゾルをアルミニウム板上に3.5mmの厚さで流延(塗布)し、氷水上に10分間静置することによりゲル化させた。そのゲルを90℃、45分間乾燥した後、3.0mm幅に切り出して麺線とした。この麺線をリテーナに収納し、90℃の熱風を30分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0150】
この麺塊を20℃の水で3分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊5.71gが17.14gに変化し、300%の吸水率を示した。
【0151】
(実施例29)
水130mLに寒天{伊那食品工業(株)商品名:UM−11KS}2.25g、馬鈴薯澱粉4.5gおよびトレハロース0.15gを分散し、100℃の温度まで撹拌加熱した。この溶液に予めカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}0.75gを分散させた水20mLを添加、撹拌しながら60℃まで温度を下げて寒天とカードランの合量の濃度が2.0重量%のゾルを調製した。このゾルをアルミニウム板上に5mmの厚さで流延(塗布)し、氷水上に10分間静置することによりゲル化させた。このゲルを90℃、60分間乾燥した後、3.0mm幅に切り出して麺線とした。この麺線をリテーナに収納し、90℃の熱風を30分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0152】
この麺塊を20℃の水で3分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊5.40gが15.19gに変化し、280%の吸水率を示した。
【0153】
(実施例30)
寒天{伊那食品工業(株)商品名:伊那寒天大和}0.15gを70mLの水に分散させ、沸騰水浴中で溶解した後、約50℃まで冷却した。この溶液にカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}3.3g、小麦粉3.0g、トレハロース0.15g、塩化カリウム0.2gおよびグルタミン酸ナトリウム0.5gを分散し、50℃まで加熱して寒天とカードランの合量の濃度が4.5重量%のゾルを調製した。このゾルを100メッシュのステンレスメッシュ上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、5分間蒸してゲル化させた。このゲルを6.5mm幅に切り出して麺線とした。この麺線を90℃、16分間乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を20分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0154】
この麺塊を20℃の水で3分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊5.22gが14.78gに変化し、280%の吸水率を示した。
【0155】
(実施例31)
寒天{伊那食品工業(株)商品名:伊那寒天大和}0.15gを70mLの水に分散させ、沸騰水浴中で溶解した後、約50℃まで冷却した。この溶液にカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}3.3g、小麦粉3.0g、トレハロース0.1g、塩化カリウム0.2gおよびグルタミン酸ナトリウム0.5gを分散し、50℃まで加熱して寒天とカードランの合量の濃度が4.7重量%のゾルを調製した。このゾルを100メッシュのステンレスメッシュ上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、5分間蒸してゲル化させた。このゲルを2mm幅に切り出して麺線とした。この麺線を90℃、16分間乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を20分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0156】
この麺塊を20℃の水で3分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊4.15gが15.15gに変化し、370%の吸水率を示した。
【0157】
実施例26〜31で得られた麺塊に20℃の水200mLを注ぎ、正確に3分間かけて水戻しを行った後、パネラー7名により喫食して食感、硬さ、のどごし、食味に関して総合的に評価し、非常に良好を“A”、良好を“B”、不可を“C”として最終的な判断を行った。その結果を下記表3に示す。なお、表3には原料組成、ゾルの濃度(ゾル中の寒天およびカードランの濃度)および吸水率を併記した。
【表3】
【0158】
前記表3から明らかなように寒天およびカードランを含む実施例26〜31の即席麺は、3分間で20℃の水で戻すことができ、かつ水戻し後の喫食の総合的な評価において良好であることがわかる。すなわち、本発明のように寒天およびカードランを組み合わせることによって、寒天およびカードランと共に一定割合以下の小麦粉や調味料等を配合することによっても3分間という短時間で喫食可能で、かつ食感、食味の点で優れた即席麺を創出できることが明らかになった。
【0159】
(実施例32)
水70mLにカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}3.96g、カラゲニン{CPケルコ社製商品名:精製カラギナン}0.648gおよび小麦粉3.6gを分散し、50℃まで加熱してカードランとカラゲニンの合量の濃度が6.2重量%のゾルを調製した。このゾルを100メッシュのステンレスメッシュ上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、5分間蒸してゲル化させた。このゲルを6.5mm幅に切り出して麺線とした。この麺線を90℃、16分間乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を20分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0160】
この麺塊を20℃の水で5分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊4.99gが16.42gに変化し、330%の吸水率を示した。
【0161】
(実施例33)
水70mLにカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}3.63g、カラゲニン{CPケルコ社製商品名:精製カラギナン}0.594gおよび小麦粉3.3gを分散し、50℃まで加熱してカードランとカラゲニンの合量の濃度が5.7重量%のゾルを調製した。このゾルを100メッシュのステンレスメッシュ上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、5分間蒸してゲル化させた。このゲルを6.5mm幅に切り出して麺線とした。この麺線を90℃、16分間乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を20分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0162】
この麺塊を20℃の水で5分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊4.06gが16.34gに変化し、400%の吸水率を示した。
【0163】
(実施例34)
水70mLにカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}3.3g、カラゲニン{CPケルコ社製商品名:精製カラギナン}0.54gおよび小麦粉0.96gを分散し、50℃まで加熱してカードランとカラゲニンの合量の濃度が5.2重量%のゾルを調製した。このゾルを100メッシュのステンレスメッシュ上に1.5mmの厚さで流延(塗布)し、5分間蒸してゲル化させた。このゲルを6.5mm幅に切り出して麺線とした。この麺線を90℃、16分間乾燥した後、リテーナに収納し、90℃の熱風を20分間当てて乾燥させ、麺塊を得た。
【0164】
この麺塊を20℃の水で5分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊4.03gが20.58gに変化し、510%の吸水率を示した。
【0165】
実施例32〜34で得られた麺塊に20℃の水200mLを注ぎ、正確に5分間かけて水戻しを行った後、パネラー7名により喫食して食感、硬さ、のどごし、食味に関して総合的に評価し、非常に良好を“A”、良好を“B”、不可を“C”として最終的な判断を行った。その結果を下記表4に示す。なお、表4には原料組成、ゾルの濃度(ゾル中のカラゲニンおよびカードランの濃度)および吸水率を併記した。
【表4】
【0166】
前記表4から明らかなようにカラゲニンおよびカードランを含む実施例32〜34の即席麺は、5分間で20℃の水で戻すことができ、かつ水戻し後の喫食の総合的な評価において良好であることがわかる。すなわち、本発明のようにカラゲニンおよびカードランを組み合わせることによって、カラゲニンおよびカードランと共に一定割合以下の小麦粉や調味料等を配合することによっても5分間という短時間で喫食可能で、かつ食感、食味の点で優れた即席麺を創出できることが明らかになった。
【0167】
(実施例35)
40mLの水に寒天{伊那食品工業(株)商品名:UM−11S}0.75g、馬鈴薯澱粉1.5g、トレハロース0.05gを撹拌しながら添加し、加熱溶解した。均一な溶解液が得られたら、そこにカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}0.25gを水10mLに懸濁した液を混合し、直ちにステンレス製のトレー上に1.0mmの厚さで流し込み、トレーを5分間冷却静置して、シート状のゲルA1を作製した。
【0168】
次いで、カードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}1.0g、α化タピオカ澱粉0.25gを水50mLに懸濁した液を沸騰水浴にて加熱し、60℃の時点で直ちにシート状のゲルA1上に1.0mmの厚さで流し込み、トレーを冷水(冷媒)にて5分間冷却静置して、2層構造のシート状ゲルA2を作製した。
【0169】
次いで、40mLの水に寒天{伊那食品工業(株)商品名:UM−11S}0.75g、馬鈴薯澱粉1.5g、トレハロース0.05gを添加し、加熱溶解した。均一な溶解液が得られたら、そこにカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}0.25gを水10gに懸濁した液を混合し、直ちに2層構造のシート状ゲルA2上に1.0mmの厚さで流し込み、トレーを冷水(冷媒)にて10分間冷却静置して、3層構造のシート状ゲルを作製した。得られたシート状ゲルを90℃、45分間乾燥した後、3mm幅の麺線に切り出した。この麺線をリテーナに収納し、90℃にて20分間熱風乾燥を行って約7gの麺塊を得た。
【0170】
この麺塊を20℃の水で3分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊7.0gが28.61gに変化し、409%の吸水率を示した。
【0171】
(実施例36)
40mLの水に寒天{伊那食品工業(株)商品名:UM−11S}0.75g、馬鈴薯澱粉1.5g、トレハロース0.05gを撹拌しながら添加し、加熱溶解した。均一な溶解液が得られたら、そこにカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}0.25gを水10mLに懸濁した液を混合し、直ちにステンレス製のトレー上に1.0mmの厚さで流し込み、トレーを5分間冷却静置して、シート状のゲルB1を作製した。
【0172】
次いで、25mLの水に寒天{伊那食品工業(株)商品名:UM−11S}0.5gを添加し、加熱溶解した。この寒天溶解液を60℃に保温した。カードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}0.5gを水25mLに懸濁した液を沸騰水浴にて加熱した。50℃になった時点で、60℃に保温した寒天溶解液を添加し、さらに加熱を続けた。60℃になったら直ちにこの液をシート状のゲルB1上に1.0mmの厚さで流し込み、トレーを冷水(冷媒)にて5分間冷却静置して、2層構造のシート状ゲルB2を作製した。
【0173】
次いで、40mLの水に寒天{伊那食品工業(株)商品名:UM−11S}0.75g、馬鈴薯澱粉1.5g、トレハロース0.05gを撹拌しながら添加し、加熱溶解した。均一な溶解液が得られたら、そこにカードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}0.25gを水10mLに懸濁した液を混合し、2層構造のシート状ゲルB2上に1.0mmの厚さで流し込み、トレーを冷水(冷媒)にて10分間冷却静置して、3層構造のシート状ゲルを作製した。得られたシート状ゲルを90℃、45分間乾燥した後、3mm幅の麺線に切り出した。この麺線をリテーナに収納し、90℃にて20分間熱風乾燥を行って約7gの麺塊を得た。
【0174】
この麺塊を20℃の水で3分間戻した。このとき、水戻し前の麺塊7.0gが29.04gに変化し、420%の吸水率を示した。
【0175】
実施例35,36で得られた乾燥麺に20℃の水200mLを注ぎ、正確に3分間かけて水戻しを行った後、パネラー7名により喫食して食感、硬さ、のどごし、食味に関して総合的に評価し、非常に良好を“A”、良好を“B”、不可を“C”として最終的な判断を行った。その結果を下記表5に示す。なお、表5には原料組成、ゾルの濃度(ゾル中の寒天およびカードランの濃度)および吸水率を併記した。
【表5】
【0176】
前記表5から明らかなように寒天およびカードランを含む実施例35,36の3層構造の即席麺は、3分間で20℃の水で戻すことができ、かつ水戻し後の喫食の総合的な評価において良好であることがわかる。
【0177】
(実施例37)
寒天{伊那食品工業(株)商品名:UM−11KS}0.30gを30mLの水に分散させ、沸騰水浴中で溶解した後、4℃の冷蔵庫にて冷却してゲル化させた。その後ゲルをフードミル(テスコム(株)商品名:TML16)で粉砕してゾル状寒天を得た。一方、カードラン{キリンフードテック(株)商品名:カードランNS}1.8g、小麦粉4.9g、トレハロース0.1g、塩化カリウム0.2gおよびグルタミン酸ナトリウム0.5gを水40mLに分散し、ゾル状寒天を加えてゾルを調製した。つづいて、このゾルを100メッシュのステンレスメッシュ上に1.5mmの厚さで塗布し、5分間蒸してゲル化させた。このシート状ゲルを6mm幅、5cm長に細断して麺線を作製した。この麺線を90℃にて20分間乾燥させ乾燥麺を得た。
【0178】
得られた乾燥麺を20℃の水で3分間戻した。このとき、水戻し前の乾燥麺4.05gが10.33gに変化し、255%の吸水率を示した。
【0179】
実施例37で得られた乾燥麺に20℃の水200mLを注ぎ、正確に3分間かけて水戻しを行った後、パネラー7名により喫食して食感、硬さ、のどごし、食味に関して総合的に評価し、非常に良好を“A”、良好を“B”、不可を“C”として最終的な判断を行った。その結果、総合的な評価は“A”(非常に良好)であった。