特許第5663663号(P5663663)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5663663分離可能なアッパ及びロアレールを含む車両シート用長手方向調整デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5663663
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】分離可能なアッパ及びロアレールを含む車両シート用長手方向調整デバイス
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/07 20060101AFI20150115BHJP
【FI】
   B60N2/07
【請求項の数】15
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-524462(P2013-524462)
(86)(22)【出願日】2011年8月23日
(65)【公表番号】特表2013-534193(P2013-534193A)
(43)【公表日】2013年9月2日
(86)【国際出願番号】EP2011064490
(87)【国際公開番号】WO2012025539
(87)【国際公開日】20120301
【審査請求日】2013年2月13日
(31)【優先権主張番号】102010063615.0
(32)【優先日】2010年12月21日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102010035157.1
(32)【優先日】2010年8月23日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】502156098
【氏名又は名称】ジョンソン・コントロールズ・ゲー・エム・ベー・ハー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】エッケンロス、 ディルク
(72)【発明者】
【氏名】ロブケス、 ホルガー
【審査官】 平田 慎二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−321415(JP,A)
【文献】 特開2004−314956(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロアレール(2)と、前記ロアレール(2)に変位可能に配列されるアッパレール(3)とを含む車両シート用長手方向調整デバイスであって、
前記アッパレール(3)は前記ロアレール(2)と係合し、保持及び案内要素(15)が、前記ロアレール(2)のアッパエッジ(14)上に一体的に形成され又は配列され、
前記保持及び案内要素(15)は、動作位置において前記アッパレール(3)を前記ロアレール(2)上に保持し、
前記動作位置において前記ロアレール(2)が画定する長手方向空間内に配置される少なくとも2つのロック要素(9)が前記アッパレール(3)に配列及び/又は統合されてそのロック解除後に、所定位置にある前記アッパレール(3)及びこれに締結された車両シートを、前記ロアレール(2)から分離することができる長手方向調整デバイス。
【請求項2】
前記アッパレール(3)と前記ロアレール(2)との間に作用する保持力が、前記ロック要素(9)が形成する形状嵌め連結によって水平長手方向及び垂直方向に伝達される、請求項1に記載の長手方向調整デバイス。
【請求項3】
前記アッパレール(3)と前記ロアレール(2)との間に作用する保持力は、前記保持及び案内要素(15)が形成する形状嵌め連結によって垂直方向に伝達され、少なくとも前記ロック要素(9)上のアッパ面に作用することができる、請求項1又は2に記載の長手方向調整デバイス。
【請求項4】
前記ロアレール(2)に複数の抜き部(16)が配列され、
前記アッパレール(3)は、前記抜き部(16)が予め定めた少なくとも一つの位置において前記ロアレール(2)から分離することができる、請求項1から3のいずれか一項に記載の長手方向調整デバイス。
【請求項5】
前記ロアレール(2)のレール外形(6)の側部(12)に複数の貫通孔(13)が形成され、
前記貫通孔は、前記ロアレール(2)の長手方向において互いに隣接して配列される、請求項1から4のいずれか一項に記載の長手方向調整デバイス。
【請求項6】
前記ロアレール(2)に配列される前記アッパレール(3)のロア領域(5)が、前記ロアレール(2)にある受容レール外形(6)に対応する形状とされる、請求項1から5のいずれか一項に記載の長手方向調整デバイス。
【請求項7】
記アッパレール(3)の前端領域(7)及び後端領域(8)にロック要素(9)が配列される、請求項1から6のいずれか一項に記載の長手方向調整デバイス。
【請求項8】
前記保持及び案内要素(15)のそれぞれにおいて、2つの抜き部(16)が互いに、前記アッパレール(3)における前記ロック要素(9)同士間に対応する距離をおいて配列される、請求項7に記載の長手方向調整デバイス。
【請求項9】
ロックピン(18)が、前記ロアレール(2)と前記アッパレール(3)との整列に対して横切る方向において、前記ロック要素(9)それぞれに変位可能に配列され、
前記ロックピン(18)の断面は、前記レール外形(6)の側部(12)に配列される貫通孔(13)に対応するように形成される、請求項4から8のいずれか一項に記載の長手方向調整デバイス。
【請求項10】
少なくとも2つのローラ要素(10)が、前記アッパレール(3)に回転可能に配列又は統合され、
前記ローラ要素は、前記アッパレール(3)のロア面上に少なくとも一部が突出する、請求項1から9のいずれか一項に記載の長手方向調整デバイス。
【請求項11】
前記アッパレール(3)の動作位置において、前記ローラ要素(10)は前記ロアレール(2)のレール外形(6)の中を転動する、請求項10に記載の長手方向調整デバイス。
【請求項12】
前記アッパレール(3)に少なくとも一つのさらなるロックユニットが配列され、
前記ロックユニットは、ロック位置において前記レール外形(6)のアッパエッジ(14)の下に係合して前記アッパレール(3)が前記ロアレール(2)から持ち上げられることを防止し、ロック解除位置において前記アッパレール(3)が前記ロアレール(2)から持ち上げられることを可能とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の長手方向調整デバイス。
【請求項13】
前記ロアレール(2)は、少なくとも前記レール外形(6)と、その側方に配列される2つのフランジ領域(11)とを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の長手方向調整デバイス。
【請求項14】
2つの前記保持及び案内要素(15)は、互いに対向して前記ロアレール(2)のレール外形(6)の側部(12)を超えて突出するように整列される、請求項1から13のいずれか一項に記載の長手方向調整デバイス。
【請求項15】
前記フランジ領域(11)は、前記アッパエッジ(14)上で面取りされ、この態様において前記保持及び案内要素(15)を形成する、請求項1から14のいずれか一項に記載の長手方向調整デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の、分離可能なアッパ及びロアレールを含む車両シート用長手方向調整デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
アッパ及びロアレールを含む通常の車両シート用長手方向調整デバイスは、従来技術の一部を形成する。アッパレールは、ロアレールに配列されるか又はこれに係合する。アッパレールは、ロアレールに対応する形状とされる。アッパレールがロアレールから分離され得ることは仮定されていない。
【0003】
分離可能な長手方向調整デバイスは、例えば特許文献1、2、又は3に開示されている。
【0004】
従来技術において、変位可能かつ取り外し可能又は変位可能かつ傾動可能な車両シートは、ロアレール及びアッパレールからなるレールユニットと別個の分離デバイスとを含む。前記分離デバイスは、レールユニットと、当該レールユニットから分離される車両シートとの間に分離箇所が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第102009038126(A1)号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102009048498(A1)号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0922606(A1)号明細書
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、分離可能なアッパ及びロアレールを含む車両シート用長手方向調整デバイスを特定することにある。前記長手方向調整デバイスは改善され、特に、従来技術と比べて柔軟な態様で及び簡単に使用することができる。
【0007】
当該目的は、長手方向調整デバイスに関し、請求項1に記載の特徴によって達成される。
【0008】
本発明の有利な進展が、従属項の主題を形成する。
【0009】
ロアレール及びアッパレールを含み、当該アッパレールが当該ロアレールに長手方向変位可能に配列される車両用長手方向調整デバイスにおいて、本発明によれば、アッパレールはロアレールと係合し、保持及び案内要素が当該ロアレールのアッパエッジに構成、一体的に形成、又は配列される。前記保持及び案内要素は、ロアレール上の動作位置においてアッパレールを保持する。少なくとも2つのロック要素が、アッパレールに配列及び/又は統合される。そのロック解除後、アッパレール及び所定位置においてこれに締結された車両シートを、ロアレールから分離することができる。したがって、車両シートを当該車両から簡単な態様で取り外すことができる。
【0010】
従来技術と比べ、レールユニットと車両シートとの間の別個の分離デバイスを排除することができる。前記分離デバイスは高価でかつ重く、大きな構成スペースが必要となる。
【0011】
特に有利な態様において、本発明により、ロアレールのための簡単かつコスト効率のよい設計が可能となる。その結果、特に大きな調整経路を有する長手方向調整デバイスを、車体上に直接又は車体中に統合することができる。
【0012】
有利には、ロック要素が形成する形状嵌め連結によって、アッパレールとロアレールとの間の保持力を水平長手方向及び垂直方向に伝達することができる。
【0013】
特に有利な態様において、アッパレールとロアレールとの間に作用する保持力は、保持及び案内要素が形成する形状嵌め連結によって垂直方向に伝達され、少なくともロック要素上のアッパ面に作用することができる。
【0014】
有利な実施例おいて、複数の抜き部がロアレールに配列される。当該抜き部が予め定める少なくとも一つの位置において、アッパレールをロアレールから分離することができる。
【0015】
便宜上、ロアレールのレール外形の側部に複数の貫通孔が形成される。前記貫通孔は、ロアレールの長手方向において互いに隣接して配列され、当該ロアレールに対して特に精細に調整された態様でアッパレールを阻止することが許容される。
【0016】
さらに有利な実施例において、ロアレールに配列されるアッパレールのロア領域は、当該ロアレールにおける受容レール外形に対応する形状とされる。その結果、ロアレールに対するアッパレールの動きが、最小のクリアランス又はクリアランスなしで可能となる。
【0017】
便宜上、いずれにせよ、アッパレールの前端及び後端領域にはロック要素が配列される。
【0018】
さらに有利な実施例において、保持及び案内要素が、ロアレールのアッパエッジに構成、一体的に形成、又は配列される。前記保持及び案内要素は、ロアレール上の動作位置にアッパレールを保持する。
【0019】
各保持及び案内要素において、好ましくは2つの抜き部が互いに、アッパレールにおけるロック要素同士間距離に対応する距離をおいて配列される。したがって、アッパレールがロアレールから持ち上げられる位置が、抜き部によって予め定められる。
【0020】
特に好ましくは、ロックピンが、ロアレールとアッパレールとの整列に対して横切る方向において、ロック要素に変位可能に配列される。ロックピンの断面は、レール外形の側部に配列される貫通孔に対応する形状とされる。その結果、ロアレール及びアッパレールは互いに対して阻止され、当該ロアレールと当該アッパレールとの間の動きが防止される。
【0021】
好ましくは、少なくとも2つのローラ要素が、アッパレールに回転可能に配列又は統合される。前記ローラ要素は、少なくとも一部がアッパレールのロア面上に突出する。アッパレールの動作位置において、ローラ要素は、ロアレールのレール外形において転動する。その結果、ロアレール2に対するアッパレール3の動きが、特に最小の摩擦及び低減された力によって可能となる。
【0022】
代替実施例において、少なくとも一つのさらなるロックユニットがアッパレールに配列される。前記ロックユニットは、ロック位置においてレール外形のアッパエッジの下に係合し、アッパレールがロアレールから持ち上げられるのを防止する。ロック解除位置では、アッパレールがロアレールから持ち上げられるのを可能とする。したがって、アッパレールは、任意位置においてロアレールから分離することができる。
【0023】
ロアレールは便宜上、少なくとも当該レール外形と、これの側方に配列される2つのフランジ領域とを含む。フランジ領域は、レール外形の側部にある貫通孔を覆い、ひいては車両乗員への傷害リスクを最小限にする。
【0024】
好ましくは、2つの保持及び案内要素は、互いに対向してロアレールのレール外形の側部を超えて突出するように整列される。したがって、アッパレールの動作位置にあるロック要素は、保持及び案内要素によって形状嵌めで保持される。アッパレールは、ロアレールから垂直方向に持ち上げられることに対抗して固定される。
【0025】
特に好ましい態様において、フランジ領域は、そのアッパエッジが面取りされ、この態様で保持及び案内要素を形成する。その結果、特に簡単かつ有効な態様でロアレールを製造することができる。好ましくは、前記ロアレールは、互いに連結される2つのスタンプ成形金属部品からなる。
【0026】
添付の概略図面を参照して本発明が詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】レールユニットの斜視図を概略的に示す。
図2】アッパレールの斜視図を概略的に示す。
図3】ロアレールの斜視図を概略的に示す。
図4】動作位置にあるロック要素の断面図を概略的に示す。
図5】取り外し位置にあるロック要素の断面図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
すべての図において、互いに対応する部品には同じ参照番号が与えられる。
【0029】
図1において、レールユニット1の斜視図が概略的に示される。かかるレールユニット1は、ロアレール2及びアッパレール3を含む。
【0030】
ロアレール2は、図示しないが、通常の態様で車両の車両フロアに締結され、好ましくは、当該車両の長手方向に整列される。
【0031】
通常の車両シートがアッパレール3上に配列される。そのフレーム要素4が示されている。したがって、車両シートは、ロアレール2に対するアッパレール3の長手方向変位によって車両内において変位することができる。
【0032】
図1に示されるレールユニット1の動作位置において、アッパレール3は、少なくとも一部がロアレール2に対し長手方向変位可能に配列される。
【0033】
ロアレール2に配列されるアッパレール3のロア領域5は、ロアレール2における受容レール外形6に対応する形状とされる。
【0034】
図2において、アッパレール3の斜視図が、これに配列されるフレーム要素4とともに概略的に示される。
【0035】
いずれにせよ、アッパレール3の前端領域7及び後端領域8にロック要素9が配列される。
【0036】
ロック要素9は、アッパレール3のロア領域5に配列され、レールユニット1の動作位置においては、その内部にあるロアレール2のレール外形6に配列される。
【0037】
アッパレール3のロア領域5において、少なくとも2つの通常のローラ要素10がロック要素9同士の間に回転可能に配列される。前記ローラ要素10は、ロアレール2のレール外形6内を転動し、その結果、ロアレール2に対するアッパレール3の動きが、最小の摩擦及び低減された力で許容される。
【0038】
図示しないが、代替実施例において、摩擦低減プラスチック材料から作られた通常のスライド要素を、ローラ要素10の代わりに配列することもできる。
【0039】
図示しないが、さらなる代替実施例において、ローラ要素10は、ロアレール2のフランジ領域11上を転動することができる。
【0040】
図3において、ロアレール2の斜視図が概略的に示される。
【0041】
ロアレール2は、少なくとも当該レール外形6と、その側方に配列される2つのフランジ領域11とを含む。
【0042】
レール外形6は、実質的にU字形状構成とされ、その側部12に複数の貫通孔13を有する。複数の貫通孔13は、レール外形6の長手方向において互いに隣接して配列される。
【0043】
レール外形6の各側部12のアッパエッジ14には、保持及び案内要素15が配列される。
【0044】
2つの保持及び案内要素15は、互いに対向して側部12を超えて突出するように整列される。
【0045】
特に、フランジ領域11がアッパエッジ14上で面取りされて保持及び案内要素15を形成する。
【0046】
図示しないが、変形例において、保持及び案内要素15は、別個のコンポーネントとして構成して、アッパエッジ14上に配列することができる。
【0047】
各保持及び案内要素15において、2つの抜き部16が互いに、アッパレール3におけるロック要素9同士間に対応する距離をおいて配列される。
【0048】
2つの隣接する保持及び案内要素15の抜き部16は、互いに対向して配列される。
【0049】
抜き部16は、側部12を超えて突出することがないように形成される。例えば、側部12と抜き部16とは互いに面一に終端する。
【0050】
図4において、動作位置にあるロック要素9の断面図が概略的に示される。
【0051】
動作位置と称されるのは、アッパレール3がロアレール2に変位可能に配列される位置であり、ロック要素9は抜き部16の領域内に配置されていない。
【0052】
その結果、ロック要素9は、そのアッパ面17が保持及び案内要素15によって保持され、アッパレール3がロアレールからの分離に対抗して形状嵌めで固定される。この場合、アッパレール3とロアレール2との間に作用する保持力は、この形状嵌めの連結によって垂直方向に伝達される。
【0053】
ロック要素9の幅は、レール外形6の内幅に対応する形状とされる。
【0054】
ロックピン18は、車両短手方向において、すなわちレールユニット1の整列に対して横切って、変位可能にロック要素9に配列される。
【0055】
ロックピン18の断面は、レール外形6の側部12における貫通孔13に対応する形状とされる。
【0056】
ロック要素9の動作中、ロックピン18は、第1位置において完全にロック要素9内に配列される。この位置において、アッパレール3は、ロアレール2内を変位することができる。
【0057】
第2位置において、ロックピン18は、ロック要素9から突出するように車両短手方向に配置され、レール外形6の側部12にある複数貫通孔13の一つに配列される。この位置において、アッパレール3はロアレール2内で阻止され、アッパレール3とロアレール2との間の相対的動きが存在しない。その結果、アッパレール3上に配列された車両シートは変位することができず、その位置は、変更を受けることに対抗して固定される。
【0058】
図5において、取り外し位置にあるロック要素9の断面図が概略的に示される。
【0059】
ロック要素9が抜き部16の領域内に配置される位置を、取り外し位置と称する。
【0060】
この位置においてロック要素9は、保持及び案内要素15によってアッパ面17に保持される。その結果、ロックピン18を解放した後、アッパレール3は、そこに配列された車両シートとともに、ロアレール2から上方に、すなわち車両から、取り外される。
【0061】
図示しないが、代替実施例において、保持及び案内要素15は、レール外形6のアッパエッジ14とともに設けられる。少なくとも一つのさらなるロックユニットがアッパレール3に配列され、前記ロックユニットは、ロック位置においてレール外形6のアッパエッジ14の下に係合し、ひいてはアッパレール3がロアレール2から持ち上げられることを防止する。アッパレール3がロアレール2から持ち上げられることは、当該さらなるロックユニットのロック解除位置において可能となる。アッパレール3における当該さらなるロックユニットによって、アッパレール3とロアレール2との分離が、レールユニット1の可動範囲内の任意箇所において可能となる。
【符号の説明】
【0062】
1 レールユニット
2 ロアレール
3 アッパレール
4 フレーム要素
5 ロア領域
6 レール外形
7 前端領域
8 後端領域
9 ロック要素
10 ローラ要素
11 フランジ領域
12 側部
13 貫通孔
14 アッパエッジ
15 保持及び案内要素
16 抜き部
17 アッパ面
18 ロックピン
図1
図2
図3
図4
図5