特許第5663670号(P5663670)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5663670CDMA受信機符号化によるコグニティブ無線スペクトルセンシング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5663670
(24)【登録日】2014年12月12日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】CDMA受信機符号化によるコグニティブ無線スペクトルセンシング
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/707 20110101AFI20150115BHJP
   H04W 88/02 20090101ALI20150115BHJP
【FI】
   H04B1/707
   H04W88/02 160
【請求項の数】31
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-551950(P2013-551950)
(86)(22)【出願日】2011年1月28日
(65)【公表番号】特表2014-509127(P2014-509127A)
(43)【公表日】2014年4月10日
(86)【国際出願番号】US2011023029
(87)【国際公開番号】WO2012102733
(87)【国際公開日】20120802
【審査請求日】2013年9月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】509348786
【氏名又は名称】エンパイア テクノロジー ディベロップメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109586
【弁理士】
【氏名又は名称】土屋 徹雄
(72)【発明者】
【氏名】クルグリック,エゼキエル
【審査官】 羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−532122(JP,A)
【文献】 特開2008−053830(JP,A)
【文献】 特開2010−154296(JP,A)
【文献】 特開2009−118320(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/707
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信セッションの間、受信された無線周波数(RF)信号を擬似ランダム符号を用いて復号することによって、RFデバイスと通信することと、
前記通信セッションの終了時に、前記擬似ランダム符号を予め定義された周波数の単一周波数信号と置き換えることにより、通信チャネルの使用を走査することと、
を含む、コグニティブ無線スペクトルセンシングのための方法。
【請求項2】
前記予め定義された周波数を修正することによって、複数の通信チャネルを走査することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
利用可能な通信チャネルを決定すると別の通信セッションを開始することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
一群の隣接する周波数を「チャープ」信号において用いることにより前記複数の通信チャネルを走査することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記受信されたRF信号からベースバンド信号を導くことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記受信されたRF信号を復号することが、前記ベースバンド信号を前記擬似ランダム符号と乗算することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記通信チャネルを走査することが、前記ベースバンド信号を前記単一周波数信号と乗算することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記ベースバンド信号をフィルタリングすること、自動ゲイン制御を前記ベースバンド信号に適用すること、または前記ベースバンド信号をデジタル信号に変換すること、のうちの1つより前に、前記ベースバンド信号を前記単一周波数信号と乗算することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記擬似ランダム符号と前記単一周波数信号とが符号分割多重アクセス(CDMA)モジュールで生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記通信チャネルで検出されたエネルギーのレベルに基づいて前記予め定義された周波数を選択することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
複数の周波数を用いることにより複数の通信チャネルを走査することをさらに含み、前記複数の周波数の数およびタイミングが、第1の走査された通信チャネルにおいて検出されたエネルギーのレベルに基づいて決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
コグニティブ無線スペクトルセンシングをイネーブルするための装置であって、
無線周波数(RF)信号によるワイヤレス通信のための無線モジュールと、
命令を記憶するように構成されたメモリと、
前記メモリに結合された、前記命令を実行するように適応されたプロセッサと、
を備え、前記命令は、実行されると前記プロセッサを、
通信セッションの間、前記無線モジュールに、受信されたRF信号を擬似ランダム符号を用いて復号させることによって、RFデバイスと通信し、
前記通信セッションの終了時、前記無線モジュールに、前記擬似ランダム符号を予め定義された周波数の単一周波数信号と置き換えさせることにより、通信チャネルの使用を決定する、
ように構成する、装置。
【請求項13】
前記プロセッサが、
前記無線モジュールに、前記予め定義された周波数を修正することによって、複数の通信チャネルを走査させるようにさらに構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記プロセッサが、
前記無線モジュールに、利用可能な通信チャネルを決定すると別の通信セッションを開始させるようにさらに構成される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記プロセッサが、
前記無線モジュールに、一群の隣接する周波数を「チャープ」信号において用いることにより前記複数の通信チャネルを走査させるようにさらに構成される、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記プロセッサが、
前記無線モジュールに、前記受信されたRF信号からベースバンド信号を導かせるようにさらに構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記プロセッサが、
前記無線モジュールに、前記通信チャネルを走査するために前記ベースバンド信号を前記単一周波数信号と乗算させるようにさらに構成される、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記擬似ランダム符号と前記単一周波数信号とを生成するように構成された符号分割多重アクセス(CDMA)モジュールをさらに備える、請求項12に記載の装置。
【請求項19】
前記CDMAモジュールが、ベースバンドフィルタリングモジュール、自動ゲイン制御モジュールおよびアナログデジタルコンバータモジュールのうちの1つよりも前に配置される、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記無線モジュールは、プレフィルタモジュール、低ノイズ増幅器モジュールおよび/またはダウンコンバージョンモジュールのうちの少なくとも1つをさらに備える、請求項12に記載の装置。
【請求項21】
無線通信能力を備えたコンピューティングデバイスにおいて実行されるコグニティブ無線スペクトルセンシング方法のための命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法が、
通信セッションの間、受信された無線周波数(RF)信号を擬似ランダム符号を用いて復号することによって、RFデバイスと通信することと、
前記通信セッションの終了時に、前記擬似ランダム符号を予め定義された周波数の単一周波数信号と置き換えることにより、通信チャネルの使用を走査することと、
を含む、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項22】
前記方法が、前記予め定義された周波数を修正することによって複数の通信チャネルを
走査することをさらに含む、請求項21に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項23】
前記方法が、利用可能な通信チャネルを決定すると別の通信セッションを開始することをさらに含む、請求項22に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項24】
前記方法が、一群の隣接する周波数を「チャープ」信号において用いることにより前記複数の通信チャネルを走査することをさらに含む、請求項22に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項25】
前記方法が、前記受信されたRF信号からベースバンド信号を導くことをさらに含む、請求項21に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項26】
前記受信されたRF信号を復号することが、前記ベースバンド信号を前記擬似ランダム符号と乗算することを含む、請求項25に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項27】
前記通信チャネルを走査することが、前記ベースバンド信号を前記単一周波数信号と乗算することを含む、請求項25に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項28】
前記方法が、前記ベースバンド信号をフィルタリングすること、自動ゲイン制御を前記ベースバンド信号に適用すること、または前記ベースバンド信号をデジタル信号に変換すること、のうちの1つよりも前に、前記ベースバンド信号を前記単一周波数信号と乗算することをさらに含む、請求項27に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項29】
前記擬似ランダム符号と前記単一周波数信号とが符号分割多重アクセス(CDMA)モジュールで生成される、請求項21に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項30】
前記方法が、前記通信チャネルで検出されたエネルギーのレベルに基づいて前記予め定義された周波数を選択することをさらに含む、請求項21に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項31】
前記方法が、複数の周波数を用いることにより複数の通信チャネルを走査することをさらに含み、前記複数の周波数の数およびタイミングは、第1の走査された通信チャネルにおいて検出されたエネルギーのレベルに基づいて決定される、請求項21に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本明細書において特に指示がない限り、この節に記載されている題材は、本出願の特許請求の範囲に対する従来技術ではなく、この節に含まれていることによって従来技術であると認められるものではない。
【0002】
新生の無線周波数通信規格では、二次ユーザを定義することにより容量を拡大させている。一次ユーザは、現在の規則に従って、定義された帯域およびサブバンド上で優先的に動作する。二次ユーザは、対照的に、「コグニティブ無線」と称されるプロセスで、あるスペクトルが利用可能であることを感知した後でしか、そのスペクトルの使用を許されない。コグニティブ無線デバイスは、一次ユーザと干渉しないようにスペクトルのどの領域が利用可能であるかを判断するため、スペクトルの所定の部分を効率的かつ迅速に感知できることが必要である。
【0003】
コグニティブ無線は優先度が低い、すなわち、一次ユーザに配分されたスペクトルの二次ユーザであると考えられるので、基本的な要件は、その近傍にいる潜在的な一次ユーザへの干渉を回避するということである。他方、一次ユーザのネットワークは、コグニティブネットワークとのスペクトル共有のために自らのインフラストラクチャを変更する必要がない。したがって、コグニティブ無線は、連続的なスペクトルセンシングを通じて、一次ユーザの存在を独立して検出できるべきである。
【0004】
符号分割多重アクセス(CDMA)は、様々な無線通信技術によって用いられるチャネルアクセス方法である。データ通信におけるこの概念は、複数の送信機が単一の通信チャネルを介して同時に情報を送ることを可能にする、ということに基づく。よって、多重化と称される、それぞれ異なる周波数のある帯域幅を複数のユーザが共有することが可能になる。CDMAでは、スペクトル拡散技術と特別な符号化方式とが用いられ、複数のユーザが同一の物理チャネルを介して多重化されることが可能になるように、それぞれの送信機に符号が割り当てられる。CDMAは、スペクトル拡散シグナリングの形式であるが、この理由は、変調され符号化された信号が、通信されるデータよりもはるかに高いデータ帯域幅を有するからである。
【0005】
本開示では、コグニティブ無線システムの設計にはいくつかの制約が存在することを認識している。例えば、コグニティブ無線デバイスは、あるチャネルを用いるために、そのチャネルにおける一次ユーザの存在を独立して迅速に検出することが必要である。他方で、サイズおよびコストを考慮することが、今日の電子通信デバイスの重要な側面である。ワイヤレス通信モジュール、ポータブルコンピュータ、およびそれらに匹敵するものが、より小さなフォーム・ファクタおよびより低い製造コストで、ますます設計されている。よって、広い範囲で利用可能な消費者向けの装置においてコグニティブ無線を実現するのは、複雑な試みである。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、概して、コグニティブ無線スペクトルセンシングのための技術を説明する。いくつかの例において、コグニティブ無線スペクトルセンシングのための方法が説明される。例示的な方法は、通信セッションの間、受信された無線周波数(RF)信号を、擬似ランダム符号を用いて復号することによって、RFデバイスと通信することと、通信セッションの終了時に、擬似ランダム符号を予め定義された周波数の単一周波数信号と置き換えることにより、通信チャネルの使用(usage)を走査することと、を含みうる。
【0007】
他の例では、コグニティブ無線スペクトルセンシングをイネーブルするための装置が説明される。この装置は、無線周波数(RF)信号によるワイヤレス通信のための無線モジュールと、命令を記憶するように構成されたメモリと、プロセッサとを含みうる。プロセッサは、メモリに結合され、命令を実行するように適応されうる。この命令は実行されると、プロセッサを、通信セッションの間、無線モジュールに受信されたRF信号を擬似ランダム符号を用いて復号させることによってRFデバイスと通信し、通信セッションの終了時に、無線モジュールに擬似ランダム符号を予め定義された周波数の単一周波数信号と置き換えさせることにより通信チャネルの使用を決定するように構成する。
【0008】
さらなる例では、無線通信能力を備えたコンピューティングデバイスにおいて実行されるコグニティブ無線スペクトルセンシング方法のための命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体が説明される。この方法は、通信セッションの間、受信された無線周波数(RF)信号を擬似ランダム符号を用いて復号することによってRFデバイスと通信することと、通信セッションの終了時、擬似ランダム符号を予め定義された周波数の単一周波数信号と置き換えることにより通信チャネルの使用を走査することとを含みうる。
【0009】
以上の概要は、例示のためだけのものであり、決して限定を意図しない。上述した例示のための態様、実施形態および特徴に加えて、さらなる態様、実施形態および特徴が、図面と以下の詳細な説明とを参照することによって明らかになろう。
【0010】
本開示の以下で説明される特徴およびそれ以外の特徴は、添付の図面と共に考察することで、以下の説明と特許請求の範囲とから、より完全に明らかになる。これらの図面は本開示によるいくつかの実施形態を示しているだけであり、したがって、本開示の範囲を限定するものと考えるべきではないことを理解した上で、本開示は、以下の添付の図面を用いることを通じて、さらに簡潔かつ詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本明細書で説明されている少なくともいくつかの実施形態に従って構成された、コグニティブ無線ネットワークの例示的なシステムの概念図である。
図2】本明細書で説明されている少なくともいくつかの実施形態に従って構成された、スペクトルセンシングのために符号分割多重アクセス(CDMA)モジュールを用いた無線のための例示的なフロントエンドのブロック図である。
図3】本明細書で説明されている少なくともいくつかの実施形態に従って構成された、スペクトルセンシングのためにCDMAモジュールを用いたコグニティブ無線のための別の例示的なフロントエンドのブロック図である。
図4】本明細書で説明されている少なくともいくつかの実施形態に従って構成された、CDMA符号化に関係する例示的な信号の図である。
図5】本明細書で説明されている少なくともいくつかの実施形態に従って構成された、CDMA受信機符号化を用いたコグニティブ無線スペクトルセンシングを実装するのに使用できる汎用コンピューティングデバイスの図である。
図6】本明細書で説明されている少なくともいくつかの実施形態に従って構成された、CDMA受信機符号化を用いたコグニティブ無線スペクトルセンシングを実装するのに使用できる専用のプロセッサの図である。
図7】本明細書で説明されている少なくともいくつかの実施形態に従って構成された、図5のコンピューティングデバイス500などのコンピューティングデバイスによって、または、図6のプロセッサ690などの専用プロセッサによって実行できるコグニティブ無線スペクトルセンシングのためにCDMA受信機符号化を用いるための例示的な方法を示すフロー図である。
図8】本明細書で説明されている少なくともいくつかの実施形態に従って構成された、例示的なコンピュータプログラム製品のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な説明では添付の図面を参照するが、これらの図面は、詳細な説明の一部を形成している。図面では、文脈からそうではないことが示されない限り、同様の記号は同様の構成要素を識別するのが通常である。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に記載されている例示的な実施形態は、限定的なものであることを意図していない。ここで提示される主題の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施形態を用いることは可能であり、他の変更を行うことが可能である。ここで一般的に説明され図面に示されている本開示の複数の態様は、広範な異なる構成において、整理され、置き換えられ、組み合わされ、分離され、設計されることが可能であり、これらすべてについて、ここで明示的に考察される。
【0013】
本開示は、一般に、数ある中で、符号分割多重アクセス(CDMA)受信機符号化によるコグニティブ無線スペクトルセンシングに関する方法、装置、システム、デバイス、および/またはコンピュータプログラム製品に関する。
【0014】
簡単に述べると、コグニティブ無線システムのフロントエンドにおけるCDMAモジュールは、スペクトルを感知するのに用いることができる。システムが信号を復号または送信していないときには、修正されたCDMA受信機符号化によって、復号に用いられる擬似ランダム符号を、スペクトルの一次ユーザからのエネルギーを走査する相対的に純粋で非ランダムな検出周波数に、置き換えることが可能である。CDMA符号の代わりに、受信された信号と、スペクトルとして純粋な符号とを乗算することにより、CDMAプロセッサは、効果的に走査スペクトルアナライザになり、複数の周波数のエネルギーを検出することができる。サブバンドおよび/またはタイミングの配分は、検出されたエネルギーに応じて調整することが可能である。
【0015】
図1は、本明細書において説明される少なくともいくつかの実施形態によるコグニティブ無線ネットワークの例示的なシステムの概念図を示している。スペクトルの輻輳は、ワイヤレススペクトルの排他的なライセンスという現行のモデルの主要な結論である。このモデルでは、異なる国家または国際機関の規制機関が、特定の帯域を、指定された使用に割り当てる。符号100に示されるように、スペクトル帯域102の複数の部分が、免許帯域(112、114)または無免許帯域110に指定されうる。免許帯域(112、114)では、この帯域の使用は、セルラサービスプロバイダにライセンスされたセルラ帯域や、ラジオ/テレビブロードキャスタに割り当てられたラジオ/テレビ帯域など、ライセンスを受けたユーザに制限される。無免許帯域110は、形式的なライセンス付与を受けていない典型的には低出力のユーザのために確保しておくことができる。無免許帯域110の例としては、規制当局からライセンスを受けることなく無線通信をすることが可能な産業的、科学的、および研究的な機器のためのISR帯域(例えば、2.4GHz、5.8GHz)が含まれる。
【0016】
免許および無免許帯域の指定されたユーザは、一次ネットワーク104と称されることがある。これらのネットワークには、インフラストラクチャを有する場合(108)と有しない場合(106)とがある。免許帯域の一次ユーザ120または122は、インフラストラクチャを伴う構成におけるベースステーション124を経由して、または、アドホックネットワークを経由して、他の一次ユーザと通信することができる。計算技術が急速に発展し、企業から科学まで、また、個人的使用から組織的使用まで、日常生活のあらゆる側面への参加が生じることにより、さらに広範囲な通信ネットワークおよびより大きな帯域幅に対する要求が同様に拡大している。既存の免許帯域および無免許帯域をより効率的に用いるとしても、追加的な帯域幅への必要性は、利用可能な帯域幅を大きく上回っている。したがって、既存の帯域を共有して用いることが、潜在的な解決策になりつつある。しかし、免許および無免許帯域を共有しながら用いることに対する懸念として干渉があり、これは、これらの帯域の既存の一次ユーザに対して被害を生じさせる可能性がある。
【0017】
有害な干渉を生じることなく既存のスペクトル帯域の共有を可能にする1つの解決策として、コグニティブ無線技術の使用がある。インフラストラクチャを有しないコグニティブ無線ネットワーク(106)において、二次ユーザ116、118は、あるチャネルが一次ユーザによって現時点では用いられていないということをまず判断した上で、一次ユーザがそのチャネルを使い始めるまで、そのチャネルを通信のために用いることによって、アドホックアクセスを介して相互に通信することができる。インフラストラクチャを有するコグニティブ無線ネットワーク(108)では、二次ユーザ116、118の間での通信は、1つまたは複数のベースステーション126を通じて容易になりうる。コグニティブ無線は、優先度がより低い、または、一次ユーザに配分されたスペクトルの二次ユーザだと考えられるため、連続的なスペクトルセンシングを通じて、一次ユーザの存在を独立して検出できることが必要となる。
【0018】
実施形態は、CDMA技術をコグニティブ無線技術と組み合わせて用い、一次ユーザ(または、その他のユーザ)によって用いられていないワイヤレスチャネルを検出することに向けられている。ワイヤレスチャネルの輻輳は、局所的に用いられていないワイヤレスチャネルを用いるように適応することができるコグニティブ無線によって、減らすことができる。いくつかの例示的な実施形態に従い、コグニティブ無線システムのCDMAモジュールを、スペクトルの感知に用いることができる。システムが信号を復号も送信もしていないときには、修正されたCDMA受信機符号化により、復号に用いられる擬似ランダム符号を、当該スペクトルの一次ユーザからのエネルギーを走査する相対的に純粋で非ランダムな検出周波数に置き換えることができる。CDMA符号の代わりにスペクトルとして純粋な符号を用いて、受信された信号を処理することの効果として、CDMAプロセッサは走査スペクトルアナライザになり、複数の周波数でのエネルギーの検出が可能になる。
【0019】
図2は、スペクトルセンシングのためにCDMAモジュールを用いる無線のための例示的なフロントエンドのブロック図を示している。CDMAシステムにおいて擬似ランダム符号を用いる復調は、乗算を通じて達成されるのが典型的である。発信データは、変調するために、擬似ランダム符号と乗算され(XOR)、受信される信号は、データを抽出するために、擬似ランダム符号と乗算される。いくつかの実施形態によるコグニティブ無線デバイスは、擬似ランダム符号をスペクトル成分で置き換えて、この乗算を用いることにより、無線フロントエンドのCDMAモジュールが、それぞれのスペクトルスライスにおいて信号を検出するためのスペクトルアナライザに効果的に変わるようにする。
【0020】
ブロック図200に示されたコグニティブ無線フロントエンドは、アンテナ230と、無線周波数(RF)フィルタ232と、低雑音増幅器(LNA)234と、広帯域同調局部発振器(LO)238とを含む。なお、広帯域同調局部発振器(LO)238はPLLモジュール240によって制御され、LO238の出力は、フィルタリング/増幅された信号と乗算されることで(236)、その周波数をRFバンドからより低い周波数(ベースバンド)に低減する。この無線は、また、ベースバンドフィルタ242と、自動ゲイン制御モジュール244とを、オプションとして含む場合がある。処理されたベースバンド信号は、アナログデジタル(A/D)コンバータ246に提供されうる。A/Dコンバータ246は、CDMAモジュール250と共に、システムが信号を復号または送信していないときには、信号を復号するのに用いられる擬似ランダム符号を、相対的に純粋な非ランダムな検出周波数に置き換える。CDMA符号ではなく、スペクトルとして純粋な符号を用いて、受信された信号を処理することにより、無線部が、CDMAモジュール250を走査スペクトルアナライザとして効果的に用いて、スペクトルの一次ユーザからのエネルギーを走査することが可能になる。
【0021】
一般に、実施形態によるコグニティブ無線フロントエンドシステムは、他のコグニティブ無線フロントエンドと同じように動作しうるのであるが、本開示によると、LNA234と広帯域同調LO238との間に配置されるのが典型的である同調ノッチフィルタの代わりに、CDMAモジュール250が提供される。CDMAモジュール250は、CDMA受信機符号化を含みうるのであって、このCDMA受信機符号化は、通常は、CDMA信号を受信するのに用いられ、受信された信号が復号されていないまたは送信のために符号化された信号ではないときに、無線部が、他のワイヤレスデバイスからのエネルギーを走査することを可能にする。例えば、ブロック図200の無線部は、このエリアではどの通信周波数が他のワイヤレスデバイスによって用いられているのかを判断し、したがって、ある帯域の二次ユーザとして他のデバイスとの通信に用いることができる、空いているすなわち未使用の周波数を選択することができる。
【0022】
図3は、本明細書で説明される少なくともいくつかの実施形態によるスペクトルセンシングのためにCDMAモジュールを用いるコグニティブ無線のための別の例示的なフロントエンドのブロック図を示している。ブロック図300に示された無線フロントエンドの構成要素は、図2のブロック図200のものと、ほとんど同じである。しかし、図2とは異なり、ブロック図300では、CDMAモジュール350がA/Dコンバータ246の前に置かれている。実際には、実施形態によるコグニティブ無線では、CDMAモジュール350は、フロントエンドシステムの中の任意の所望の位置または任意の動作可能な位置に配置されうる。
【0023】
さらに、CDMA受信機符号化によるスペクトルセンシングは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネントを通じて達成されうる。また、CDMA受信機符号化に基づくエネルギー走査は、アナログまたはデジタル無線システムにおいて、用いられうる。実施形態によるコグニティブ無線システムは、従来のコグニティブ無線フロントエンドの、典型的には高価な同調ノッチコンポーネントを置き換えるため、費用の節約と製造の容易性とを達成することができる。
【0024】
図4は、少なくともいくつかの実施形態によるシステムにおけるCDMA符号化に関係する例示的な信号を示している。CDMAは、スペクトル拡散多元接続技術である。スペクトル拡散技術は、同じ送信電力に対して、データの帯域幅を一様に拡散させる。拡散符号は、他の狭いパルス符号とは異なり、狭い曖昧関数を有する擬似ランダム符号である。CDMAでは、局所的に生成された符号は、送信されるデータよりも相対的に高いレートで進みうる。送信のためのデータは、より高速の符号と、ビットごとのXOR(排他的OR)によって結合されうる。ダイアグラム400には、スペクトル拡散信号が生成される様子が示されている。
【0025】
パルス継続時間がTbであるデータ信号452とパルス継続時間がTcである符号信号454との間で、排他的ORの演算がなされうる。ビット時間をTとすると、帯域幅は1/Tに比例することに注意すべきである。したがって、データ信号の帯域幅は1/Tbであり、スペクトル拡散信号456の帯域幅は1/Tcである。TcはTbよりもはるかに小さいのが典型的であるから、スペクトル拡散信号456の帯域幅は、元のデータ信号452の帯域幅よりも相対的に大きくなりうる。Tb/Tcという比は、拡散率または処理利得と称され、ベースステーションによって同時にサポートされるユーザの総数の上限を、ある程度まで決定する。
【0026】
CDMAシステムのそれぞれのユーザは、その信号を変調するのに異なる符号を用いることがありうる。データ信号452を変調するのに用いられる符号を選択することは、CDMAシステムの性能における重要な考慮である。最適な性能は、所望のユーザの信号と他のユーザの信号との間に適切な分離が存在するときに生じうる。信号の分離は、受信された信号と所望のユーザの局所的に生成された符号とを相関させることによって、達成されうる。信号が所望のユーザの符号と一致する場合には、相関関数は高く、システムはその信号を抽出することができる。所望のユーザの符号が信号との共通点を全く有していない場合には、相関はゼロに近い(よって、信号は除かれる)。これは、相互相関と称される。符号がゼロ以外の任意の時間オフセットで信号と相関している場合には、相関はゼロに近い。これは、自己相関と称され、マルチパス干渉を排除するのに用いられうる。
【0027】
以上では、図1から図4における特定の例、構成要素、シナリオ、および構成を用いて実施形態について論じてきたが、これらの実施形態は、CDMA受信機符号化を介したコグニティブ無線スペクトルセンシングに用いるための一般的なガイドラインを提供するように意図されたものである。これらの例は、これらの実施形態への限定を構成しない。これらの実施形態は、本明細書に説明されている原理を用いた別の構成要素、最大化スキーム、および構成を用いても実装可能である。例えば、エネルギーを検出しチャネルを切り換えるために、例として提供されているものとは別のアルゴリズムを実装することができる、などである。
【0028】
図5には、汎用コンピューティングデバイスが示されている。この汎用コンピューティングデバイスは、本明細書で説明されている少なくともいくつかの実施形態によるCDMA受信機符号化を用いたコグニティブ無線スペクトルセンシングを実装するのに用いることができる。非常に基本的な構成502では、コンピューティングデバイス500は、典型的には、1つまたは複数のプロセッサ504と、システムメモリ506とを含む。メモリバス508は、プロセッサ504とシステムメモリ506との間の通信に用いられうる。
【0029】
所望の構成に応じて、プロセッサ504は、これらに限定されるのではないが、マイクロプロセッサ(μP)、マイクロコントローラ(μC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、またはこれらの任意の組み合わせを含む任意のタイプでありうる。プロセッサ504は、レベルキャッシュメモリ512、プロセッサコア514、およびレジスタ516など、キャッシングの1つまたは複数のレベルを含みうる。例示的なプロセッサコア514は、算術論理ユニット(ALU)、浮動小数点ユニット(FPU)、デジタル信号処理コア(DSPコア)、またはこれらの任意の組み合わせを含みうる。例示的なメモリコントローラ518はプロセッサ504と共に用いられることもあり、または、いくつかの実装例では、メモリコントローラ515はプロセッサ504の内部的な部分であることもありうる。
【0030】
所望の構成に応じて、システムメモリ506は、これらの限定されるのではないが、(RAMなどの)揮発性メモリ、(ROMやフラッシュメモリなどの)不揮発性メモリ、またはこれらの任意の組み合わせを含む任意のタイプでありうる。システムメモリ506は、オペレーティングシステム520、1つまたは複数の通信アプリケーション522、およびプログラムデータ524を含みうる。通信アプリケーション522は、上述したように、CDMA受信機符号化、任意のそれ以外のプロセス、方法および機能を用いて、コグニティブ無線を制御してスペクトルを感知するように構成された無線制御モジュール526を含みうる。プログラムデータ524は、チャネルデータ528(例えば、利用可能なチャネルの周波数など)と少なくとも図1から図4に関係して上述した同様のデータとの1つまたは複数を含みうる。このデータは、本明細書において説明されているように、利用可能または利用中チャネルを検出した際にチャネルを切り換えるのに有用でありうる。いくつかの実施形態では、通信アプリケーション522は、本明細書において説明されているように、プログラムデータ524と共にオペレーティングシステム520上で動作することによりコグニティブ無線スペクトルが感知されるように構成されうる。この説明されている基本構成502は、図5において、内側の破線の内部にある構成要素によって示されている。
【0031】
コンピューティングデバイス500は、基本構成502と任意の必要とされるデバイスおよびインターフェースとの間の通信を容易にするために、追加的な特徴または機能と、追加的なインターフェースとを有することがある。例えば、基本構成502と1つまたは複数のデータ記憶デバイス532との間での、ストレージインターフェースバス534経由での通信を容易にするために、バス/インターフェースコントローラ530が用いられることがある。データ記憶デバイス532は、取外し可能ストレージデバイス536、取外し不可能ストレージデバイス538、またはそれらの組み合わせでありうる。取外し可能ストレージデバイスと取外し不可能ストレージデバイスとの例には、いくつかの例を挙げると、フレキシブルディスクドライブやハードディスクドライブ(HDD)などの磁気ディスク装置、コンパクトディスク(CD)ドライブやデジタルバーサタイルディスク(DVD)ドライブなどの光ディスクドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)、およびテープドライブが含まれる。例示的なコンピュータ記憶媒体には、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、またはそれ以外のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術として実装されている、揮発性および不揮発性、ならびに、取外し可能および取外し不可能の媒体が含まれうる。
【0032】
システムメモリ506、取外し可能ストレージデバイス536、および取外し不可能ストレージデバイス538は、コンピュータ記憶媒体の例である。コンピュータ記憶媒体には、これらに限定されることはないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリもしくはそれ以外のメモリ技術、CD−ROM、デジタルバーサタイルディスク(DVD)もしくはそれ以外の光学ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージもしくはそれ以外の磁気記憶デバイス、または、所望の情報を記憶するのに用いることができコンピューティングデバイス500によってアクセスが可能である任意のそれ以外の媒体が含まれる。任意のそのようなコンピュータ記憶媒体は、コンピューティングデバイス500の一部でありうる。
【0033】
コンピューティングデバイス500は、また、様々なインターフェースデバイス(例えば、出力デバイス542、周辺インターフェース544、およびバス/インターフェースコントローラ530を介しての基本構成502への通信デバイス566)からの通信を容易にするためのインターフェースバス540を含みうる。例示的な出力デバイス542には、グラフィック処理ユニット548とオーディオ処理ユニット550とが含まれ、これらは、1つまたは複数のA/Vポート552を介してディスプレイまたはスピーカなど様々な外部デバイスと通信するように構成されうる。周辺インターフェース544の例には、シリアルインターフェースコントローラ554またはパラレルインターフェースコントローラ556が含まれ、これらは、入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、ペン、音声入力デバイス、タッチ入力デバイスなど)や他の周辺デバイス(例えば、プリンタ、スキャナなど)などの外部デバイスと1つまたは複数のI/Oポート558を介して通信するように構成されうる。例示的な通信デバイス566の例には、ネットワークコントローラ560が含まれるが、これは、1つまたは複数の通信ポート564を介し、ネットワーク通信リンク経由で1つまたは複数のコンピューティングデバイス562との通信が容易になるように構成されうる。
【0034】
ネットワーク通信リンクは、通信媒体の一例でありうる。通信媒体は、典型的には、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または搬送波やそれ以外の輸送機構などの変調されたデータ信号の中のそれ以外のデータによって、実現され、任意の情報搬送媒体を含みうる。「変調されたデータ信号」とは、その特性の1つまたは複数を当該信号の中の情報が符号化されるように設定または変更した信号でありうる。例えば、限定を意味するのではないが、通信媒体には、ワイヤードネットワークやダイレクトワイヤード接続などのワイヤード媒体と、音響、無線周波数(RF)、マイクロ波、赤外(IR)、およびそれ以外のワイヤレス媒体などのワイヤレス媒体とが含まれうる。本明細書において用いられるコンピュータ可読媒体という用語は、記憶媒体と通信媒体との両者を含みうる。
【0035】
コンピューティングデバイス500は、物理サーバ、仮想サーバ、計算クラウド、または上述の機能の任意のものを含むハイブリッドデバイスの一部として実装可能である。コンピューティングデバイス500は、また、ラップトップコンピュータと非ラップトップコンピュータ構成との両方を含むパーソナルコンピュータとしても実装可能である。さらに、コンピューティングデバイス500は、ネットワーク接続されたシステムとして、または、汎用のもしくは専用のサーバの一部としても実装可能である。
【0036】
コンピューティングデバイス500を含むネットワークされたシステムのためのネットワークは、サーバ、クライアント、スイッチ、ルータ、モデム、インターネットサービスプロバイダ、および任意の適切な通信媒体(例えば、ワイヤードまたはワイヤレス通信)の任意のトポロジを含みうる。実施形態によるシステムは、静的または動的なネットワークトポロジを有しうる。これらのネットワークには、企業ネットワークなどの安全なネットワーク(例えば、LAN、WAN、またはWLAN)、ワイヤレスのオープンネットワークなどの安全ではないネットワーク(例えば、IEEE802.11のワイヤレスネットワーク)、または世界規模のネットワーク(例えばインターネット)が含まれうる。これらのネットワークは、共に動作するように構成されている複数の別個のネットワークで構成されている場合もある。これらのネットワークは、本明細書に説明されているノードの間の通信を提供するように構成されている。例えば、限定を意味しないが、これらのネットワークは、音響、RF、赤外線、およびそれ以外のワイヤレス媒体など、ワイヤレス媒体を含みうる。さらに、これらのネットワークは、同一のネットワークまたは別個の複数のネットワークの部分でありうる。
【0037】
図6は、専用プロセッサを示しており、この専用プロセッサは、本明細書で説明されている少なくともいくつかの実施形態によるCDMA受信機符号化を用いたコグニティブ無線スペクトルセンシングを実装するのに用いることができる。ブロック図600のプロセッサ690は、無線部650に通信可能に結合されているコンピューティングデバイスの一部であるか、または無線部650の中に一体化される場合もあり、無線部650は、ネットワーク610−2経由での他のワイヤレスデバイス680との通信を容易にすることができる。また、プロセッサ690は、ネットワーク610−1経由で、チャネル情報を記憶するデータソース670と通信することもできる。
【0038】
プロセッサ690は、無線制御モジュール696など多数の処理モジュールを含むことがある。チャネルデータソース670からネットワーク610−1を介して取り出されたチャネルデータ692は、走査すべきまたは切り換えるべきチャネルを決定するために、無線制御モジュール696に提供されうる。無線データ694は、無線部650の動作制御と関連する情報を含みうる。チャネルデータ692と無線データ694とは、処理の間、プロセッサ690のキャッシュメモリでありうるメモリ691に、または外部メモリ(例えば、プロセッサ690の外部にあるメモリ)に記憶されうる。プロセッサ690は、また、データストア660に通信可能に結合されている場合もあり、データの少なくとも一部は、無線部650の制御の間または制御の後にデータストア660に記憶される。
【0039】
例示的な実施形態には方法も含まれうる。これらの方法は、本明細書で説明されている構造を含む任意の数の方法で実装することができる。そのような方法の1つとして、本開示で説明されているタイプのデバイスの機械的動作によるものがある。別のオプションの方法としては、他の動作が機械によって実行されている間に、動作の一部を実行する1人または複数の人間のオペレータとともに実行される方法のうち個別の動作の1つまたは複数に対するものがある。これらの人間のオペレータは相互に会話をする必要はないが、それぞれが、プログラムの一部を実行する機械を備えるにすぎないことがある。他の例では、人間同士の対話は、機械により自動化された予め選択された基準によるなど、自動化できる。
【0040】
図7は、図5のデバイス500のようなコンピューティングデバイス、または図6のプロセッサ690のような専用プロセッサによって実行されうるコグニティブ無線スペクトルセンシングのためにCDMA受信機符号化を用いる例示的な方法を示す流れ図である。このように、コントローラデバイス710は、コンピューティングデバイス500、専用プロセッサ690、またはコンピュータ可読媒体720に記憶されている命令を実行してこの方法を実行する同様のデバイスとして具体化されうる。コグニティブ無線システムにおけるCDMA受信機符号化によるスペクトルセンシングのプロセスは、ブロック722、724、および/または726のうちの1つまたは複数によって示された1つまたは複数の動作、機能、または行為を含みうる。
【0041】
いくつかの例示的なプロセスは、「擬似ランダム符号を用いて信号を復号する」という動作722で始まりうる。動作722では、受信された信号が、擬似ランダム符号を用いて復号されうる。これはセキュリティ符号ではなくCDMAのC(符号)であり、信号変換の一部であることに注意すべきである。この動作は、図3のCDMAモジュール350または同様のコンポーネントによって実行することができる。
【0042】
動作722の後には、「さらなる復号が必要か?」という決定動作724が続きうる。決定動作724では、プロセッサ(例えば、プロセッサ690)が、さらなる信号の復号が必要とされているかどうかを判断しうる。信号の復号がさらに必要である場合には、プロセスは、動作722に戻り、受信された信号の復号を継続しうる。しかし、信号の復号が必要でない場合には、CDMAモジュール350は、擬似ランダム符号を、変調されたスペクトルとして純粋な符号によって置き換え、「CDMAモジュールにより、擬似ランダム符号を置き換え、エネルギーを走査する」という動作726において、エネルギー走査が実行されるようにする。
【0043】
さらなる信号の復号が必要とされるまで走査が行われ、次に、プロセスは動作722に戻る。例えば、システムが信号を復号していないときには(例えば、ビーコンの間で)、CDMAモジュール350は、様々なスペクトルとして純粋なテスト周波数を用いて一次ユーザからのエネルギーを走査することができる。システムが信号を復号していないときには擬似ランダム符号は必要とされないから、スペクトルとして純粋な符号を、代わりにスペクトルセンシングに用いることができる。いくつかの実施形態によると、一連のスペクトルとして純粋な周波数が、密接に関係する一群の周波数を走査するために、「チャープ」として生成されうる。チャープとは、時間と共に周波数が上昇する(「アップチャープ」)または低下する(「ダウンチャープ」)信号である。
【0044】
通信している複数のデバイスの間に一意的な擬似ランダム符号が存在することにより、複数の送信機が同一の通信チャネルを介してデータを送っている場合であっても、この擬似ランダム符号に対応する送信されたデータ信号を、受信側のデバイスが識別することが可能になる。擬似ランダム符号と相関を示さないデータ信号は検出されない、という効果がある。しかし、擬似ランダム符号をスペクトルとして純粋なテスト周波数で置き換えることにより、そのような通信を復号できない場合であっても、チャネルを介した所定の周波数での通信を検出することができる。したがって、コグニティブ無線システムは、任意のワイヤレス通信が所定の周波数で生じているかどうかを判断することができ、テスト周波数を変更することにより、システムは、ワイヤレス通信が、ある範囲の周波数で生じているかどうかを判断することができる。ワイヤレス通信が様々な周波数で生じているかどうかを検出することによって、システムは、一次ユーザまたは他のユーザによって用いられていないワイヤレス通信チャネルを選択し、そして、そのような、空いている通信チャネルを選択的に用いることができる。
【0045】
上述した図7のプロセスに含まれる動作は、例示のためのものである。CDMA受信機符号化によるコグニティブ無線スペクトルセンシングは、より少ない動作または追加的な動作で構成される同様のプロセスによって実装することも可能である。いくつかの例では、動作は、異なった順序で実行されることもある。いくつかの他の例では、様々な動作が削除される場合もある。さらに他の例では、様々な複数の動作が追加的な動作に分割されるか、または組み合わされてより少ない動作になることもある。連続順序の動作として図解されているが、いくつかの実装例では、様々な動作が異なった順序で実行されることがあり、または、いくつかの場合には、様々な動作がほぼ同時に実行されることもある。
【0046】
図8は、本明細書で説明されている少なくともいくつかの実施形態に従って構成された例示的なコンピュータプログラム製品のブロック図を図解している。いくつかの例では、図8に示されているように、コンピュータプログラム製品800は信号担持媒体802を含みうる。そして、この信号担持媒体802は機械可読命令804を含み、機械可読命令804は、例えばプロセッサによって実行されると、図1から図4に関して上述した機能を提供することができる。このように、例えばプロセッサ690を参照すると、図8に示されているタスクのうちの1つまたは複数は、媒体802によってプロセッサ690に運ばれた命令804に応答して行われ、本明細書で説明されているように、CDMA受信機符号化によるコグニティブ無線スペクトルセンシングと関連する行為を実行することになる。これらの命令のいくつかは、信号を復号すること、CDMAモジュールによってエネルギーを走査すること、および上述したように1つまたは複数のアルゴリズムを通じてチャネルを切り換えることを含みうる。
【0047】
いくつかの実装例では、図8に示されている信号担持媒体802は、これらに限定されないが、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、デジタルテープ、メモリなどのコンピュータ可読媒体806を含みうる。また、いくつかの実装例では、信号担持媒体802は、これらに限定されないが、メモリ、読取り/書込み(R/W)CD、R/WDVDなどの記録可能な媒体808を含みうる。いくつかの実装例では、信号担持媒体802は、これらに限定されないが、デジタルおよび/またはアナログ通信媒体(例えば、光ファイバケーブル、導波管、ワイヤード通信リンク、ワイヤレス通信リンクなど)などの通信媒体810を含みうる。このように、例えばコンピュータプログラム製品800はRF信号担持媒体802によってプロセッサ804に運ばれることがあり、信号担持媒体802はワイヤレス通信媒体810(例えば、IEEE802.11標準に従うワイヤレス通信媒体)によって運ばれる。
【0048】
いくつかの例において、本開示では、コグニティブ無線スペクトルセンシングのための方法が説明される。この方法は、通信セッションの間、受信された無線周波数(RF)信号を、擬似ランダム符号を用いて復号する(722)ことによって、RFデバイスと通信することと、通信セッションの終了時に、擬似ランダム符号を予め定義された周波数の単一周波数信号と置き換える(726)ことにより、通信チャネルの使用を走査することと、を含みうる。
【0049】
いくつかの例によると、この方法は、予め定義された周波数を修正する(726)ことによって、複数の通信チャネルを走査することと、利用可能な通信チャネルを決定すると、別の通信セッションを開始することと、を含みうる。この方法は、さらに、一群の隣接する周波数をチャープ信号において用いることにより、複数の通信チャネルを走査することと、受信したRF信号からベースバンド信号を導く(236)ことと、を含みうる。受信したRF信号を復号することは、ベースバンド信号を擬似ランダム符号と乗算すること(454)を含みうる。通信チャネルを走査することは、ベースバンド信号を単一周波数信号と乗算する(452)ことを含みうる。
【0050】
他の例によると、この方法は、ベースバンド信号をフィルタリングする(242)こと、自動ゲイン制御をベースバンド信号に適用する(244)こと、またはベースバンド信号をデジタル信号に変換する(246)こと、のうちの1つより前に、ベースバンド信号を単一周波数信号と乗算する(452)ことを含みうる。擬似ランダム符号と単一周波数信号とは、符号分割多重アクセス(CDMA)モジュール250で生成されうる。この方法は、通信チャネルで検出されたエネルギーのレベルに基づいて、予め定義された周波数を選択することを含みうる。この方法は、さらにまた、複数の周波数を用いることにより複数の通信チャネルを走査することを含み、複数の周波数の数およびタイミングは、第1の走査された通信チャネルにおいて検出されたエネルギーのレベルに基づいて決定される。
【0051】
他の例において、本開示では、コグニティブ無線スペクトルセンシングをイネーブルするための装置が説明される。この装置は、無線周波数(RF)信号によるワイヤレス通信のための無線モジュール650と、命令を記憶するように構成されたメモリ691と、プロセッサとを含みうる。このプロセッサ690は、メモリに結合され、命令を実行するように構成されうる。この命令は、実行されると、通信セッションの間、無線モジュールに、受信されたRF信号を、擬似ランダム符号を用いて復号させる(722)ことによって、RFデバイスと通信し、通信セッションの終了時に、無線モジュールに、擬似ランダム符号を予め定義された周波数の単一周波数信号と置き換えさせる(726)ことにより、通信チャネルの使用を決定するようプロセッサを構成する。
【0052】
いくつかの例によると、プロセッサ690は、無線モジュール650に、予め定義された周波数を修正することによって、複数の通信チャネルを走査させ、また、利用可能な通信チャネルを決定すると(724)、別の通信セッションを開始させうる。プロセッサはまた、無線モジュール650に、一群の隣接する周波数を「チャープ」信号において用いることにより、複数の通信チャネルを走査させ、無線モジュール650に、受信したRF信号からベースバンド信号を導かせる(236)ことができる。
【0053】
他の例によると、プロセッサは、無線モジュール650に、通信チャネルを走査するために、ベースバンド信号を単一周波数信号と乗算させうる。この装置は、さらに、擬似ランダム符号と単一周波数信号とを生成するように構成されている符号分割多重アクセス(CDMA)モジュール250を備えうる。CDMAモジュール250は、ベースバンドフィルタリングモジュール240、自動ゲイン制御モジュール244、およびアナログデジタルコンバータモジュール246のうちの1つよりも前に配置されうる。無線モジュール650は、プレフィルタモジュール232、低ノイズ増幅器モジュール234、および/またはダウンコンバージョンモジュール236のうちの少なくとも1つをさらに備えていることがある。
【0054】
さらなる例において、本開示は、無線通信能力を備えたコンピューティングデバイス118において実行されるコグニティブ無線スペクトルセンシング方法のための命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体802について説明する。この方法は、通信セッションの間、受信された無線周波数(RF)信号を、擬似ランダム符号を用いて復号する(722)ことによって、RFデバイスと通信することと、通信セッションの終了時に、擬似ランダム符号を予め定義された周波数の単一周波数信号と置き換える(726)ことにより、通信チャネルの使用を走査することと、を含みうる。
【0055】
いくつかの例によると、命令によって記述されるこの方法は、さらに、予め定義された周波数を修正する(726)ことによって、複数の通信チャネルを走査することと、利用可能な通信チャネルを決定すると(724)、別の通信セッションを開始することと、を含みうる。この方法は、また、一群の隣接する周波数を「チャープ」信号において用いることにより、複数の通信チャネルを走査することと、受信したRF信号からベースバンド信号を導く(236)ことと、を含みうる。受信したRF信号を復号することは、ベースバンド信号を擬似ランダム符号と乗算すること(454)を含みうる。通信チャネルを走査することは、ベースバンド信号を単一周波数信号と乗算する(452)ことを含みうる。
【0056】
さらなる例によると、この方法は、ベースバンド信号をフィルタリングする(242)こと、自動ゲイン制御をベースバンド信号に適用する(244)こと、またはベースバンド信号をデジタル信号に変換する(246)こと、のうちの1つより前に、ベースバンド信号を単一周波数信号と乗算する(452)ことを含みうる。擬似ランダム符号と単一周波数信号とは、符号分割多重アクセス(CDMA)モジュール250で生成されうる。この方法は、さらに、通信チャネルで検出されたエネルギーのレベルに基づいて、予め定義された周波数を選択することを含みうる。この方法は、さらにまた、複数の周波数を用いることにより複数の通信チャネルを走査することを含んでもよく、複数の周波数の数およびタイミングは、第1の走査された通信チャネルにおいて検出されたエネルギーのレベルに基づいて決定される。
【0057】
システムの側面でのハードウェアの実装形態とソフトウェアの実装形態との間には、ほとんど相違が残されていない。ハードウェアまたはソフトウェアの使用は、一般に(常にそうであるとは限らないが、ハードウェアとソフトウェアとの間の選択がある状況では重要になりうるという点で)費用対効果のトレードオフを表す設計上の選択である。本明細書で説明されているプロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術をもたらすことができる様々な手段(vehicle)があり(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェア)、好ましい手段は、プロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術が展開される状況によって異なる。例えば、実装者が速度と精度が最重要であると決定する場合には、実装者は主にハードウェアおよび/またはファームウェアの達成手段を選択することができる。フレキシビリティが最重要である場合には、実装者は主にソフトウェアの実装形態を選択することができる。または、さらに再び代替案として、実装者は、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの何らかの組み合わせを選択することができる。
【0058】
以上の詳細な説明では、ブロック図、フローチャート、および/または例を用いて、デバイスおよび/またはプロセスの様々な実施形態を説明してきた。そのようなブロック図、フローチャート、および/または例が1つまたは複数の機能および/または動作を含む限りにおいて、そのようなブロック図、フローチャート、または例の中のそれぞれの機能および/または動作は、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または実質上それらの任意の組み合わせにより、個別的におよび/または集合的に実装可能であることが、当業者には理解されるであろう。ある実施形態では、本明細書で説明されている主題のいくつかの部分は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、または他の集積化方式によって実装することができる。しかし、本明細書で開示された実施形態のいくつかの態様が、全体においてまたは一部において、1つまたは複数のコンピュータ上で動作する1つまたは複数のコンピュータプログラムとして(例えば、1つまたは複数のコンピュータシステム上で動作する1つまたは複数のプログラムとして)、1つまたは複数のプロセッサ上で動作する1つまたは複数のプログラムとして(例えば、1つまたは複数のマイクロプロセッサ上で動作する1つまたは複数のプログラムとして)、ファームウェアとして、あるいはそれらの実質的に任意の組み合わせとして、等価に集積回路に実装することができることと、電気回路の設計ならびに/またはソフトウェアおよび/もしくはファームウェアのコード作成が、本開示に照らして十分に当業者の技能の範囲内であることを、当業者は認識するであろう。
【0059】
本発明は、本出願で説明され、様々な態様に関する例示として意図されている特定の実施形態に限定されない。当業者に明らかであるように、その精神および範囲から逸脱することなく、多くの修正および変更を行うことが可能である。本明細書で列挙されたものに加えて、本開示の範囲に含まれる機能的に均等な方法および装置が、以上の説明から当業者には明らかなはずである。そのような修正および変更は、特許請求の範囲に含まれることが意図されている。本開示は、特許請求の範囲が及ぶ均等物の全範囲と共に、特許請求の範囲の記載によってのみ限定される。本開示は、当然に変動の余地がある特定の方法、システムまたは構成要素に限定されないことを理解すべきである。また、本明細書において使用される用語は、特定の実施形態を説明するためであって、限定を意図していないことも理解すべきである。
【0060】
さらに、本明細書に記載された主題のメカニズムを様々な形式のプログラム製品として配布することができることを、当業者は理解するであろうし、本明細書に記載された主題の例示的な実施形態が、実際に配布を実行するために使用される信号伝達媒体の特定のタイプにかかわらず適用されることを、当業者は理解するであろう。信号伝達媒体の例には、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、デジタルテープ、コンピュータメモリ、などの記録可能なタイプの媒体、ならびに、デジタル通信媒体および/またはアナログ通信媒体(例えば、光ファイバケーブル、導波管、有線通信リンク、無線通信リンクなど)の通信タイプの媒体が含まれるが、それらには限定されない。
【0061】
本明細書で説明したやり方で装置および/またはプロセスを記載し、その後そのように記載された装置および/またはプロセスを、データ処理システムに統合するためにエンジニアリング方式を使用することは、当技術分野で一般的であることを当業者は認識するであろう。すなわち、本明細書に記載された装置および/またはプロセスの少なくとも一部を、妥当な数の実験によってデータ処理システムに統合することができる。通常のデータ処理システムは、一般に、システムユニットハウジング、ビデオディスプレイ装置、揮発性メモリおよび不揮発性メモリなどのメモリ、マイクロプロセッサおよびデジタル信号プロセッサなどのプロセッサ、オペレーティングシステムなどの計算実体、ドライバ、グラフィカルユーザインターフェース、およびアプリケーションプログラムのうちの1つもしくは複数、タッチパッドもしくはスクリーンなどの1つもしくは複数の相互作用装置、ならびに/またはフィードバックループを含むコントロールシステムを含むことを、当業者は理解するであろう。
【0062】
通常のデータ処理システムは、データコンピューティング/通信システムおよび/またはネットワークコンピューティング/通信システムの中に通常見られるコンポーネントなどの、市販の適切なコンポーネントを利用して実装することができる。本明細書に記載された主題は、様々なコンポーネントをしばしば例示しており、これらのコンポーネントは、他の様々なコンポーネントに包含されるか、または他の様々なコンポーネントに接続される。そのように図示されたアーキテクチャは、単に例示にすぎず、実際には、同じ機能を実現する多くの他のアーキテクチャが実装可能であることが理解されよう。概念的な意味で、同じ機能を実現するコンポーネントの任意の構成は、所望の機能が実現されるように効果的に「関連付け」される。したがって、特定の機能を実現するために組み合わされた、本明細書における任意の2つのコンポーネントは、アーキテクチャまたは中間のコンポーネントにかかわらず、所望の機能が実現されるように、お互いに「関連付け」されていると見ることができる。同様に、そのように関連付けされた任意の2つのコンポーネントは、所望の機能を実現するために、互いに「動作可能に接続」または「動作可能に結合」されていると見なすこともでき、そのように関連付け可能な任意の2つのコンポーネントは、所望の機能を実現するために、互いに「動作可能に結合できる」と見なすこともできる。動作可能に結合できる場合の具体例には、物理的に接続可能な、および/もしくは物理的に相互作用するコンポーネント、ならびに/またはワイヤレスに相互作用可能な、および/もしくはワイヤレスに相互作用するコンポーネント、ならびに/または論理的に相互作用する、および/もしくは論理的に相互作用可能なコンポーネントが含まれるが、それらに限定されない。
【0063】
本明細書における実質的にすべての複数形および/または単数形の用語の使用に対して、当業者は、状況および/または用途に適切なように、複数形から単数形に、および/または単数形から複数形に変換することができる。様々な単数形/複数形の置き換えは、理解しやすいように、本明細書で明確に説明することができる。
【0064】
通常、本明細書において、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体部)において使用される用語は、全体を通じて「オープンな(open)」用語として意図されていることが、当業者には理解されよう(例えば、用語「含む(including)」は、「含むがそれに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は、「少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は、「含むがそれに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきである、など)。導入される請求項で具体的な数の記載が意図される場合、そのような意図は、当該請求項において明示的に記載されることになり、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、理解の一助として、添付の特許請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの(at least one)」および「1つまたは複数の(one or more)」を使用して請求項の記載を導くことを含む場合がある。しかし、そのような句の使用は、同一の請求項が、導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」および「a」または「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、そのように導入される請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、単に1つのそのような記載を含む実施形態に限定する、ということを示唆していると解釈されるべきではない(例えば、「a」および/または「an」は、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)。同じことが、請求項の記載を導入するのに使用される定冠詞の使用にも当てはまる。また、導入される請求項の記載で具体的な数が明示的に記載されている場合でも、そのような記載は、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることが、当業者には理解されよう(例えば、他の修飾語なしでの「2つの記載(two recitations)」の単なる記載は、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。
【0065】
さらに、「A、BおよびC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。「A、B、またはC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。2つ以上の代替用語を提示する事実上いかなる離接する語および/または句も、明細書、特許請求の範囲、または図面のどこにあっても、当該用語の一方(one of the terms)、当該用語のいずれか(either of the terms)、または両方の用語(both terms)を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、句「AまたはB」は、「A」または「B」あるいは「AおよびB」の可能性を含むことが理解されよう。
【0066】
さらに、本開示の特徴または態様がマーカッシュグループとして説明されている場合には、当業者であれば、本開示が、そのマーカッシュグループの任意の個々のメンバーまたは複数のメンバーで構成されるサブグループとして説明されることも認識すべきである。
【0067】
当業者であれば理解するように、任意のおよびすべての目的について、記載された説明を提供することに関し、本明細書で開示されているすべての範囲は、任意のおよびすべての可能性のある下位の範囲と下位の範囲の組み合わせとに及ぶ。任意のリスト化されている範囲は、同一の範囲が、少なくとも、等しい2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分割されることを十分に説明し可能にしているものとして、容易に認識されうる。非限定的な例として、本明細書で論じられているそれぞれの範囲は、下位の3分の1、中間の3分の1、上位の3分の1などに容易に分割することができる。当業者であれば容易に理解するように、「まで」、「少なくとも」、「より大きい」、「より小さい」などのすべての言葉は、記載された数字を含み、上述したように、以後に下位の範囲に分割することができる範囲を意味する。最後に、当業者に理解されるように、範囲はそれぞれの個別の部材を含む。したがって、例えば、1から3個のセルを有するグループは、1、2または3個のセルを有するグループを意味する。同様に、1から5個のセルを有するグループは、1、2、3、4または5個のセルを有するグループを意味する、などである。
【0068】
本明細書では様々な態様および実施形態が開示されてきたが、それ以外の態様および実施形態もまた当業者には明らかであろう。本明細書に開示されている様々な態様および実施形態は、説明のみを目的とするのであって、限定を意図しておらず、真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲によって示される。
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