(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記位置設定部が、グローバル・ポジショニング・システムを有し、前記グローバル・ポジショニング・システムが検出した位置を前記観察位置として設定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の撮像装置。
前記撮像部および前記表示部を有するボディと、着脱自在な天体ユニットに、少なくとも前記データベース部、前記情報算出部および前記表示制御部が収納されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の撮像装置。
被写体像を撮像し撮像画像を生成する撮像部と、前記撮像画像を表示する表示面を有する表示部と、前記撮像画像から、空の部分を検出する空検出部と、観察位置を設定する位置設定部と、天体の位置情報を記憶するデータベース部と、を具備する撮像装置の情報算出部が、前記天体の位置情報をもとに前記観察位置から前記天体を観察するための観察情報として前記天体の出没時刻を算出する情報算出ステップと、
出没時刻補正部が、前記出没時刻を前記観察位置から前記天体の全体像を撮像可能な補正出没時刻に補正する出没時刻補正ステップと、
前記撮像装置の表示制御部が、前記補正出没時刻の、前記撮像画像の画角に応じた大きさの前記天体の仮想画像を、前記撮像画像に前記空の部分に重畳表示する制御を行う表示制御ステップと、を具備することを特徴とする撮像方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に示すように、本実施の形態の撮像装置であるカメラ1は、交換レンズ10とボディ20と天体ユニット40とを有する。
【0012】
本実施の形態の天体ユニット40は、カメラ1のアクセサリであり、太陽および月の出没前後の時間帯の撮影のために必要な、太陽および月を観察するための観察情報を使用者に提供する。天体ユニット40はボディ20の上部のカメラコネクタ(例えば、ストロボを取り付けるホットシュー)23に着脱自在であり、使用者は必要に応じて天体ユニット40をボディ20に取り付けて使用する。交換レンズ10もボディ20と着脱自在であり、使用者は目的に適した交換レンズ10をボディ20に取り付けて使用する。なお、カメラ1では、撮像画像等を表示する表示部25の表示面25Aは、ボディ20の背面(交換レンズ10配設面と対向する面)に、交換レンズ10の光軸に対して垂直に配置されている。使用者は表示面25Aに表示されたスルー画像を見ながらシャッターボタン29Aを押圧操作する。
【0013】
次に、
図1を用いて、カメラ1の構成について説明する。なお、カメラ1の交換レンズ10とボディ20とは汎用機器であるため、簡単に説明する。
【0014】
交換レンズ10は、レンズ11と、焦点調整/ズーム機構部12と、モータ13と、レンズコントローラ14と、レンズコネクタ15と、を有する。レンズ11は、撮像光学系を構成する複数のレンズからなる。焦点調整/ズーム機構部12は、レンズコントローラ14により制御されたモータ13により駆動されて、焦点調整/ズーム動作を行う。レンズコネクタ15は、ボディ20のレンズマウント28に取り付けるための部材であり、電気接続接点を有している。
【0015】
ボディ20は、システムコントローラ21と、撮像部22と、カメラコネクタ23と、表示素子駆動部24と、表示面25Aを有する表示部25と、カードメモリ26と、カメラ記憶部27と、レンズマウント28と、操作部材29と、時計30と、通信部31と、を有する。撮像部22はCCD等の撮像素子を有し、レンズ11を介して被写体像を撮像した撮像画像を形成する。システムコントローラ21は露光時間の制御を行うAE制御部21Aと、焦点調整制御を行うAF制御部21Bと、撮像画像の処理を行う画像処理部21Cとを有し、さらにカメラ1全体の制御を行う。
【0016】
カメラコネクタ23は、例えばホットシューであり、天体ユニット40等のアクセサリをボディ20に取り付けるための部材であり、電気接続接点を有している。表示部25は、表示素子駆動部24の駆動により、液晶または有機EL等によって構成された表示素子の表示面25Aに撮像画像等を表示する。カードメモリ26は撮像画像等を記録するボディ20に着脱可能なメディアである。カメラ記憶部27は起動時にシステムコントローラ21に転送される、システムコントローラ21の動作に必要なプログラム等を記憶するフラッシュメモリである。レンズマウント28は交換レンズ10を取り付けるための部材であり、電気接続接点を有している。操作部材29は、使用者が電源をON/OFFしたり、後述するモードを設定したり、カードメモリ26に記憶する撮像画像を取得するタイミングを決定するシャッターボタン29A等である。時計30は、日時、すなわち時刻および年月日の情報を生成する。通信部31は、外部ネットワークまたは外部機器と接続し、撮像画像を含めたデータを送受信する。
【0017】
そして、天体ユニット40は、姿勢検出部44と、位置設定部46と、方位検出部43と、高度検出部42と、電波時計47と、アクセサリ記憶部49と、太陽および月の位置情報を記憶するデータベース部48と、天体ユニット40全体の制御を行うアクセサリコントローラ41と、アクセサリコネクタ45と、を有する。アクセサリコントローラ41は観察情報を算出する情報算出部41Aと、表示面25Aに観察情報を表示する制御を行う表示制御部41Bと、出没時刻を補正する出没時刻補正部41Cと、撮像画像を解析し空の部分を検出する空検出部41Dと、を有する。
【0018】
なお、情報算出部41A、表示制御部41Bおよび空検出部41D等は、専用のハードウエアである必要はなく、アクセサリ記憶部49に記憶されており起動時にアクセサリコントローラ41に転送され実行される、プログラムであってもよいが、説明の都合上、構成要素として「部」と表現している。また、すでに説明したボディ20の構成要素の一部も同様である。また、アクセサリコントローラ41の機能として説明する表示制御部41B等は、起動時にボディ20のシステムコントローラ21に転送され動作してもよい。
【0019】
姿勢検出部44は、3軸加速度センサ44Aと加速度センサ処理部44Bとを有し、天体ユニット40が取り付けられたボディ20の姿勢、すなわち表示面25Aの姿勢を検出する。3軸加速度センサ44Aは、例えば、互いに直交する方向に配設された3個のMEMS加速度センサからなり、可動電極と固定電極との間の静電容量変化により、重力加速度方向すなわち鉛直方向を検出する。なお、天体ユニット40の機能との関連では、姿勢検出部44は、表示面25Aが水平姿勢または鉛直姿勢のいずれであるかを検出できればよい。
【0020】
位置設定部46は、GPS受信アンテナ46A、GPS受信部46BおよびGPSデコーダ部46Cからなるグローバル・ポジショニング・システム(GPS)を有している。GPSは数個の衛星からの信号を受信することにより、地表上の位置(緯度、経度)を検出する。さらに、GPSにより位置設定部46は、高度(標高)も検出可能である。位置設定部46は、GPSが検出した地表位置を天体ユニット40が提供する観察情報の観察位置として設定する。
【0021】
方位検出部43は、例えばMRセンサ等の地磁気センサ43Aと地磁気センサ処理部43Bとを有し、地磁気の方向(磁極)を検出し磁気偏角補正を行うことにより、真北の方向を検出する。
【0022】
電波時計47は、標準電波受信アンテナ47Aと標準電波受信部47Bと時計デコーダ47Cとを有し、送信局からの日付・時刻情報のデジタル信号をもとに時計30のキャリブレーションを行う。高度検出部42は、圧力センサ42Aと圧力センサ処理部42Bとを有し、観察地点の気圧および高度を検出する。すなわち、高度検出部42は、既知の高度の地点におけるキャリブレーションにより移動後の地点の高度を検出する。
【0023】
そして、データベース部48は、特定の観測位置、例えば東京における、太陽および月の出没時刻、出没方位および補正係数を月日に対応した表データとして記憶している。なお、これらのデータは公表されており容易に入手可能であるが、天体の視半径、大気差、観測者の目の高さによる眼高差、太陽の地心視差等を考慮して、水平線からの高度が−0.9度のときを出没と定義している。
【0024】
情報算出部41A、表示制御部41B、出没時刻補正部41C、および空検出部41Dについては、後に説明する。なお、上述した構成要素のうち、データベース部48、情報算出部41A、表示制御部41Bおよび出没時刻補正部41C、は天体ユニット40の専用構成要素であるが、他の構成要素は撮像装置において別目的にも使用可能である。このため、天体ユニット40には少なくともデータベース部48、情報算出部41A、表示制御部41B、および出没時刻補正部41C、が収納されていればよい。なお上記専用構成要素はいずれもソフトウエアであるため、ボディ20のCPU等に転送して動作可能である。また、天体ユニット40には不図示の温度検出部等の他のセンサを有していてもよい。
【0025】
次に、
図3のフローチャートに従い、本実施の形態のカメラ1による、観察情報表示の処理の流れについて説明する。
<ステップS11>システム初期設定
カメラ1のボディ20に、交換レンズ10および天体ユニット40が取り付けられ、電源がONされる。すると、カメラ記憶部27およびアクセサリ記憶部49に記憶されていたプログラムがシステムコントローラ21またはアクセサリコントローラ41に転送され、プログラムが起動する。そしてシステムの初期設定が行われる。
【0026】
<ステップS12>ライブビュー開始
カメラ1では、撮像部22が生成した撮像画像は、表示部25に表示されたり、カードメモリ26に記録されたりする。システムコントローラ21の制御により、撮像と表示とが連続的に行われることより、表示面25Aにはライブビュー画像すなわちスルー画像が表示される。使用者はスルー画像を見ながら構図を確認したり、カードメモリ26に記録する撮像画像を取得するタイミングを決定したりする。
【0027】
<ステップS13>動作モード選択
カメラ1では、動作モードとして、通常撮影モードまたは再生モード等に加えて、天体モードが選択可能となっている。
【0028】
例えば、通常撮影モードが選択された場合には、ステップS14において通常の撮影動作サブルーチンが実行される。そして、天体モードが選択された場合には、ステップS15からの動作が行われる。
【0029】
<ステップS15、S16>アクセサリ検出
システムコントローラ21は、アクセサリとして天体ユニット40が取り付けられているかを検出する。取り付けられていた場合(S16:Yes)にはS17からの動作が行われるが、取り付けられていない場合(S16:No)にはS13からの動作が繰り返される。
【0030】
<ステップS17>天体選択
カメラ1では、天体として、太陽または月が選択可能である。すなわち、データベース部48は、太陽および月の位置情報を記憶している。月が選択された場合には、S18のサブルーチン処理において、月の出没情報が算出/表示されるが、後述する太陽の出没情報の算出/表示処理と類似しているので詳細は説明しない。また以下のサブルーチン処理も同様に詳細は説明しない。太陽が選択された場合には、S19からの動作が行われる。
【0031】
<ステップS19>基本データ取得
太陽が選択されると、情報算出部41Aが、日の出および日の入りの観察情報を算出するための基本データが取得される。すなわち、位置設定部46が観察位置を検出/設定し、時計30または電波時計47から日時が検出され、データベース部48から、その日の例えば東京における太陽の出没方向、出没時間および補正係数のデータが情報算出部41Aに転送される。
【0032】
<ステップS20>日の出/日の入り判断
情報算出部41Aは、その時の時刻から、日の出または日の入りのいずれの観察情報を表示するか判断する。すなわち、東京の日の出時刻の前の時刻だった場合には、S21のサブルーチン処理により日の出の観察情報を表示し、日の出時刻以降の時刻だった場合には、S22からの処理により日没の観察情報を表示する。
【0033】
<ステップS22>日没時刻算出
情報算出部41Aは、データベース部48から取得した、その日の東京(東経139.7度、北緯35.7度)の日没時刻T0および補正係数A、Bから、公知の方法により観測位置における日没時刻Tを算出する。例えば、観測位置が東経λ、北緯φだった場合には、この地点の日没時刻Tは以下の近似式から算出される。
【0034】
T=T0+A(139.7−λ)+B(35.7−φ)
【0035】
例えば、Aは、3.9であり、Bは2.9である。つまり日没時刻は、東京から東に経度1度進むごとに3.9分早くなり、北に緯度1度進むごとに2.9分早くなる。
【0036】
<ステップS23>日没方位算出
情報算出部41Aは、日没時刻算出と同様に、データベース部48から取得した、その日の東京の日没方位および補正係数から、公知の方法により観測位置における日没方位を算出する。
【0037】
<ステップS24>姿勢検出
姿勢検出部44は、表示部25の表示面25Aが、水平姿勢または鉛直姿勢のいずれであるかを検出する。
【0038】
<ステップS25、S26>方位検出/日没方向表示
図4(A)に示すように、使用者OPが構えたカメラ1の表示面25Aの姿勢が、略水平、すなわち重力方向GDに対して直交する水平方向HDであった場合には、表示制御部41Bは、
図4(B)に示すように表示面25Aに日没方向を矢印25Yによりグラフィック表示する。
【0039】
上記表示形態により、使用者は日没方向を直感的に把握することができる。
図4(B)に示した例では、使用者OPが向いている方向、すなわち表示面25Aの上部方向は日没方向とは大きく異なる方向であることを矢印25Yは示している。
【0040】
なお、本発明において、表示面25Aが水平姿勢とは、使用者OPが表示面25Aを上から見ることが容易な状態を意味し、水平面から所定角度の範囲内、例えば±30度の範囲の状態である。同様に鉛直姿勢とは鉛直面から所定角度の範囲内、例えば±30度の範囲の状態である。前記範囲であれば、使用者は表示面25Aの視認が容易である。
【0041】
表示制御部41Bは、日没方向を表示するために、
図5(A)に示すように、最初に表示面25Aにおける北の方向を示す仮想線25Nを算出する。仮想線25Nは、その時、方位検出部43が検出した方位をもとに算出され、リアルタイムで表示に反映される。そして、
図5(B)に示すように、情報算出部41Aが算出した日没方位を示す方位角θAをもとに、矢印25Yが表示される。なお、この場合には方位角θAは北を0度とし、西を90度としている。
【0042】
なお、日没方向を表示しているときには、スルー画像は表示しないことが好ましい。表示面が水平状態の場合、スルー画像は使用者の足下の地面の画像であり、使用者の方位表示視認の妨げになるからである。もちろん、足元を撮影したいニーズもあるので、この場合に対応して、レリーズスイッチなど操作部材29の操作によって、日没方向を表示するのを解除したり、日没方向の表示を半透明にしてスルー画像と重畳表示したりするように制御してもよい。
【0043】
<ステップS27>日没時刻表示
S25の表示により日没方向を知った使用者が観察方向を変えて構えたカメラ1の表示面25Aの姿勢が、
図6(A)に示すように略鉛直、すなわち略重力方向GDであった場合には、表示制御部41Bはシステムコントローラとの共同動作により、
図6(B)に示すように表示面25Aに補正日没時刻TR(25T)、日没方位線SDおよび補正日没時刻TRにおける仮想太陽像25Sを、ライブビュー画像に重畳表示する。なお、月の場合には月齢に応じた形状の仮想画像を用いてもよい。
【0044】
前記表示形態により、使用者は撮影に適した時刻を数字として正確に確認することができるとともに、そのときに撮像可能な風景も確認することができる。
【0045】
ここで、補正日没時刻TRとは、情報算出部41Aが算出した日没時刻Tを、出没時刻補正部41Cが補正した時刻である。すなわち、日没時刻Tは太陽の場合には太陽の上辺の高度角θEが略0度(−0.9度)となる時刻であり、月の場合には月の中心の高度角θEが略0度となる時刻である。しかし風景写真撮影を目的としている使用者にとって、太陽が完全に水平線下にまで没する時刻よりも、例えばその数分前の時刻においての撮影を希望することが多い。
【0046】
このため、カメラ1では出没時刻補正部41Cが日没時刻Tを、観察位置から、少なくとも太陽の全体像が撮像可能な補正日没時刻TRに補正する。このとき、出没時刻補正部41Cは、撮像画像の画角ω、すなわち交換レンズ10の焦点距離Fに応じた補正を行う。すなわち、
図7(A)に示すように、交換レンズ10が撮像画像の画角ωが大きい広角レンズの場合には、
図6(B)に示した標準レンズの場合よりも早い時刻に補正し、
図7(B)に示すように、交換レンズ10が撮像画像の画角ωが小さい望遠レンズの場合には標準レンズの場合よりも遅い時刻に補正する。
【0047】
出没時刻補正部41Cが行う補正の程度、すなわち時刻の長短または仮想画像の移動量は、使用者が設定可能であるが、例えば、画角ωを基準とした場合には、画角ωの5〜60%の範囲が好ましい。前記範囲内であれば、使用者が望む自然な仮想風景となる。
【0048】
さらに、カメラ1は、空検出部41Dを有するために、より撮影に適した観察情報を提示することもできる。すなわち、山間部または都市部においては、山または建物等の地表の被写体に遮られるために、太陽が撮像対象として空に現れている時刻は水平線を基準とした時刻とは異なる。カメラ1では、空検出部41Dが検出した観測位置からの山の見かけの高さにより、仮想太陽像25Sを、ライブビュー画像に重畳表示する位置、すなわち、出没時刻補正部41Cが算出する補正日没時刻TRを変化する。
【0049】
例えば、
図8に示すように、山Mが日没方向にある場合には、
図9(A)に示すように、空検出部41Dは、(1)撮像画像の日没方位線SDの上部にコントラストの低いローコントラスト部があるか判断する。さらに(2)ローコントラスト部の下部に明暗の境界があるかを判断する。(3)明暗の境界があった場合には、画角ωの画像の中心から、例えば1/nの位置に、水平線に平行な空境界線を算出する。すると、この時の仰角θXは次式から算出される。
【0051】
カメラ1では、水平線HLを基準に算出した補正日没時刻TRを、出没時刻補正部41Cが、仰角θXに応じて、さらに補正する。このため、カメラ1は、山間部等においてもより撮影に適した観察情報を提示することができる。
【0052】
<ステップS28>動作モード確認
カメラ1は、動作モードが変更されていない場合は、S24からの処理を繰り返す。これに対して動作モードが変更された場合はS13からの処理により、選択された動作モードの処理を行う。
【0053】
以上の説明のように、カメラ1は、簡単な操作で、目標天体である太陽および月の出没に関する情報を簡単な操作で表示することができる操作性に優れた撮像装置である。
【0054】
なお、天体の出没時刻等は、観察場所の高度(標高)によっても変化する。カメラ1では、高度検出部42または位置設定部46により、観察場所の高度を検出できるために、情報算出部41Aは、高度に応じた補正を公知の方法により行うことができる。
【0055】
また、上記説明では、表示部25がボディ20の背面に固定されている場合を例に説明したが、ボディ20に対して回転可能な表示部であってもよい。この場合には、回転部に配設されたセンサが、表示面が水平姿勢または鉛直姿勢のいずれであるかを検出する姿勢検出部となる。
【0056】
また、上記説明では情報算出部41Aによる太陽の出没時間等の算出方法としてシステムの負荷が小さく短時間で処理可能な方法について説明した。しかし使用者の希望に応じて例えばオプション機能として、より精度の高い公知の算出方法を用いることも可能である。
【0057】
例えば、太陽の場合には、天球座標系における位置は、黄道上を365.25日で一周する。このため、最初に、記憶した表から、または赤道座標値を算出するための計算式から、月日に対応した赤道座標値(赤経α、赤緯β)を算出する。そして、赤道座標値(赤経α、赤緯β)と、観察地の経度λ、緯度φと時刻(地方恒星時)SGとを用いることにより、例えば、以下の公知の式により、高度角Eと方位角Aが算出される。高度角Eが0度となる条件を求めることにより、出没時間等が算出される。
【0058】
高度角:sin(E)=sin(φ)×sin(β)+cos(φ)×cos(β)×cos(SG−α)
【0059】
方位角:sin(A)=cos(β)×sin(SG−α)/cos(E)
【0060】
また、出没時間等の算出基準となる特定の観察位置として東京を用いる場合について説明したが、データベース部48に複数の都市または地点の情報を記憶しておき、観察位置から最も近い地点の情報を用いるようにしてもよい。さらに北米仕様、ヨーロッパ仕様、またはオーストラリア仕様のように使用者の主たる使用場所に応じた情報を用いてもよい。さらに通信部31等を介して、使用予定の地点の情報を入手し使用してもよい。
【0061】
また、天体ユニット40は、位置設定部46がGPSにより検出した位置および時計30が検出した日時にもとづいて処理を行うだけでなく、使用者が位置設定部46を用いて、例えば都市名により選択した任意の地点における、任意の日時の観測情報を表示すること等もできる。例えば、
図10は、ある地点における毎月の初日の日没方向を表示している表示面25Aである。
【0062】
さらに、天体として、太陽および月の情報を提供するカメラ1について説明したが、特に使用者からの要望の多い太陽の情報のみを提供するカメラであってもよい。また、撮像装置としては、交換レンズ10を有するカメラ1に限られるものではなく、例えば、レンズ交換のできないコンパクトカメラ、カメラ付き携帯電話、またはスマートフォン等であってもよい。前記撮像装置は構成がより単純となる。さらに、天体ユニット40の構成要素の全て、または一部を、ボディ20内に設けた撮像装置であってもよい。
【0063】
逆に、本発明のカメラは、天体として金星等の惑星、恒星、人工衛星、または彗星に関する観察情報を提供することも可能である。使用者は、これらの天体の情報を、例えば、通信部31を介して入手することができる。
【0064】
すなわち、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等ができる。