(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、作業文書管理システム1の概要を説明する図である。
図1に例示するように、本実施形態の作業文書管理システム1は、作業文書管理装置5と、印刷装置7と、ファイルサーバ8と、クライアント端末9とを有する。作業文書管理装置5には、例えば、後述する文書印刷プログラム10と文書登録プログラム20とがインストールされており、印刷システム及び登録システムとして機能する。また、作業文書管理装置5は、文書データと、スケジュールデータと、受付データとを保持する。文書データは、作業毎に必要な文書を含む。スケジュールデータは、作業担当者に関連付けられた作業スケジュールデータを含む。受付データは、業務委託条件を含む。ファイルサーバ8は、作業実施後の登録文書を保存する。本例では、クライアント端末9が、通信機能を有するスキャナ(ネットワークスキャナ)である場合を具体例として説明するが、これに限定するものではなく、スキャナがUSBケーブル等で接続されたパソコン、PDA、携帯電話、又は複合機であってもよい。
【0020】
図2は、作業文書管理システム1の動作を説明する図である。
図2に例示されるように、作業文書管理システム1の動作は、フェーズ1、フェーズ2、フェーズ3へと移行する。
【0021】
フェーズ1において、営業担当者は、委託者との商談により、業務の委託を受注する。営業担当者は、委託業務を実行するための条件として、業務委託条件を定義する。コールセンターのオペレータは、業務委託条件を作業文書管理装置5に登録する。
委託業務とは、包括的に委託した業務であり、複数の作業を伴う場合が多い。なお、本実施形態において、委託業務をプロジェクトと呼ぶことがある。さらに、業務委託条件とは、委託した業務に関する要件を定義する情報である。したがって、業務委託条件は、業務に伴い発生する個々の作業についても、その要件を定義する。本例の業務委託条件は、少なくとも、商談単位をプロジェクトとしたプロジェクトの基本情報と、プロジェクトで管理すべき文書一覧とを含む。なお、プロジェクトは、プロジェクトコードで管理されており、プロジェクトコードは、プロジェクトを一意に特定する情報である。
フェーズ1を具体的に説明すると、営業担当者と委託者が商談を行い、業務を受注すると、営業担当者は、委託業務に含まれる作業内容、作業手順などを示す持出し文書、作業報告などが記載された登録文書、報告時期、持出し文書の印刷条件、及び、登録文書の読取条件を定義する。ここで、登録文書とは、作業担当者が作業文書管理システム1に登録する文書であり、これから登録すべき文書と、すでに登録された文書とが含まれうる。次に、コールセンターのオペレータは、クライアント端末9を介して、作業文書管理装置5へログインし、業務委託条件を作業文書管理装置5に登録する。業務委託条件の登録とは、コールセンターのオペレータが、プロジェクトの基本情報をプロジェクト定義マスタに登録し、ファイルサーバ8への保存先を定義すること、及び、プロジェクトで管理すべき文書一覧を文書定義マスタに登録すること、を含む。
【0022】
フェーズ2において、エンドユーザーからの作業依頼をコールセンターで受けると、オペレータは、クライアント端末9を介して、作業文書管理装置5へログインし、作業スケジュールデータを作成し、スケジュールDB600に登録する。作業スケジュールデータは、作業内容の少なくとも一部と、作業が行われる日時とを示す情報とを含む。作業スケジュールの登録後は、フィールドにおいて、作業担当者が作業スケジュールデータを確定し、作業準備を行う。
【0023】
フェーズ3において、作業終了後、フィールドの作業担当者は、エンドユーザーのサイン入りの登録文書を持ち帰り、クライアント端末9を介して作業文書管理装置5へログインし、登録文書をファイルサーバ8に登録する。コールセンターのオペレータは、プロジェクト毎に定められた期間に従い、集約された登録文書を委託者に提出する。
このように、作業担当者は、プロジェクトのことをあまり意識することなく、自身が担当している作業をスケジュールに従って実施していく。仮に、作業担当者が、作業それぞれについてプロジェクトを特定し、特定されたプロジェクトの業務委託条件に従って、持ち出す文書を準備し、作業後に、業務委託条件で指定された文書の登録を行うとなると、ミスが多発する可能性がある。特に、一人の作業担当者が一日のうちに多数の作業を担当し、これらの作業の中に複数のプロジェクトが混在する場合や、作業スケジュールの変更、又は、作業担当者の変更が発生した場合などに顕著である。
【0024】
図3は、文書印刷プログラム10の構成を説明する図である。
図3に例示するように、文書印刷プログラム10は、スケジュール管理部100、文書登録部110、関連付部120、文書選択部130、印刷部140、印刷ログ管理部150、警告部160、及び表示部170を有する。文書印刷プログラム10は、例えば、CD-ROMなどの記録媒体を介して、作業文書管理装置5にインストールされたコンピュータプログラムである。
【0025】
スケジュール管理部100は、各作業担当者が担当する作業スケジュールを、作業担当者に関連付けてスケジュールDB600に格納する。具体的には、スケジュール管理部100は、作業文書管理装置5にログインした各作業担当者のログインIDと、予め指定された期間とに対応する作業スケジュールをスケジュールDB600から抽出する。さらに、スケジュール管理部100は、コールセンターのオペレータによる作業スケジュールデータの登録や、フィールドの各作業担当者による作業スケジュールデータの確定、また、両者による作業スケジュールデータの変更をスケジュールDB600に反映させる。
【0026】
文書登録部110は、作業に関連して用いられる文書を、持出し文書DB620へ格納する。具体的には、文書登録部110は、作業毎に管理すべき文書一覧を、持出し文書DB620で管理される文書定義マスタに登録する。文書定義は、文書種別、登録元種別、登録条件、印刷条件、及び読取条件を含む。また、文書定義マスタは、業務委託条件に含まれる。
【0027】
関連付部120は、作業スケジュールの作業を、プロジェクト(すなわち、業務委託条件)に関連付ける。具体的には、関連付部120は、オペレータにより予め登録された対応表(プロジェクトと作業の対応表)を参照して、作業担当者が実施予定の作業に対応するプロジェクトコードを特定し、特定されたプロジェクトコードに基づいて、業務委託条件(持出し文書リスト、印刷条件等)を特定する。
【0028】
文書選択部130は、関連付部120により関連付けられた業務委託条件に基づいて、持出し文書DB620に格納された文書を選択する。具体的には、文書選択部130は、持出し文書DB620に登録されている持出し文書の中から、スケジュールを閲覧している作業担当者の、作業スケジュールに関連する文書を選択する。より具体的には、文書選択部130は、作業担当者により、指定された期間における作業スケジュールに関連する文書を選択する。
【0029】
印刷部140は、関連付部120により関連付けられた、業務委託条件に基づいた文書毎の印刷条件に従って、文書選択部130により選択された文書を印刷させる。具体的には、印刷部140は、
図4に例示するように、印刷条件設定部142と、印刷順序制御部144とから構成される。印刷条件設定部142は、関連付部120により関連付けられた、文書毎の印刷条件に基づいて、持出し文書の印刷条件を設定する。印刷順序制御部144は、印刷未実施の作業スケジュールの中で、一番早い作業スケジュールがデフォルトで選択されるように、作業スケジュールを並び変える。また、印刷順序制御部144は、スケジュールを閲覧する作業担当者によって選択された文書の印刷が正常終了するまで印刷装置による他の印刷要求の受け入れを禁止させる。具体的には、印刷順序制御部144は、対象の文書の印刷が正常終了すると、印刷済みであることを記録する。印刷順序制御部144は、印刷済みの記録がされると、他の印刷候補の文書の印刷を可能にする。これにより、印刷順序制御部144は、別の作業文書が混在することを防止する。
【0030】
印刷ログ管理部150は、印刷部140により印刷された文書のバージョンと、作業担当者を識別する担当者識別情報とを印刷ログDB640に格納する。これにより、コールセンターでは、作業員が間違いなく最新の文書を持参したことが確認できる。
【0031】
警告部160は、業務委託条件で必須とされた文書(具体的には、文書定義マスタで定義された文書)が持出し文書DB620に登録されていない場合、この業務委託条件に関連付けられる作業に関連付けて、持出し文書が不足していることを警告する。具体的には、警告部160は、作業に関連する持出し文書が不足していることを示す警告メッセージを作成する。
【0032】
表示部170は、文書選択部130により選択された文書を、印刷候補の文書としてクライアント端末9に表示させる。また、表示部170は、警告部160で発生した警告をクライアント端末9に表示させる。
【0033】
図5は、文書登録プログラム20の構成を説明する図である。
図5に例示するように、文書登録プログラム20は、スケジュール抽出部200、文書選択部210、文書登録部220、関連付部230、及び文書出力部240で構成されている。
文書登録プログラム20は、例えば、CD-ROMなどの記録媒体を介して、作業文書管理装置5にインストールされたコンピュータプログラムである。
【0034】
スケジュール抽出部200は、作業担当者が担当する作業スケジュールを抽出する。具体的には、スケジュール抽出部200は、作業担当者のログインIDと、予め指定された期間(例えばログイン当日)とに対応する作業スケジュールを、スケジュールDB600から抽出する。
【0035】
文書選択部210は、スケジュール抽出部200により抽出された作業スケジュールに関連する登録文書を選択する。具体的には、文書選択部210は、関連付部230により作業スケジュール上の作業それぞれに関連付けられた業務委託条件に基づいて、登録文書DB660に登録すべき登録文書を選択する。また、文書選択部210は、過去の期間における作業スケジュールに関連する登録文書のうち、未登録の登録文書を選択する。
【0036】
文書登録部220は、文書選択部210により選択された登録文書の登録を促す表示を行って、登録文書を登録する。
具体的には、文書登録部220は、文書選択部210に選択された登録文書について、この登録文書に対応する業務委託条件に基づいて、登録文書の読取形式を決定し、決定された読取形式を画像読取装置又はクライアント端末9に配信する。また、文書登録部220は、登録文書に対応する業務委託条件に基づいて、登録文書のファイル名を命名し、ファイルサーバ8内の指定される保存先に、登録文書を保存させる。
【0037】
関連付部230は、スケジュール抽出部200に抽出された作業スケジュールの作業を、業務委託条件に関連付ける。具体的には、関連付部230は、作業スケジュール上の作業それぞれに対応するプロジェクトを特定し、特定されたプロジェクトの業務委託条件を特定する。より具体的には、関連付部230は、予め登録された対応表(すなわち、作業とプロジェクトコードとの対応関係を表す表)を参照して、抽出された作業スケジュールにある各作業に対応するプロジェクトコードを特定し、特定されたプロジェクトコードに対応する業務委託条件を特定する。これにより、作業と業務委託条件が互いに関連付けられる。
【0038】
文書出力部240は、文書登録部220により受け付けられた文書を、業務委託条件毎に仕分けて出力する。具体的には、文書出力部240は、プロジェクト毎に定められた期間に従い登録文書を集約する。また、文書出力部240は、集約された登録文書のファイル名を、業務委託条件を基に決定し、一つのフォルダにプロジェクト毎にまとめて、ファイルサーバ8に保存させる。
【0039】
図6は、フェーズ2の作業準備の処理である印刷処理(S10)を説明するフローチャートである。
図6に例示するように、ステップ100(S100)において、フィールドの作業担当者は、クライアント端末9から作業文書管理装置5にログインする。
【0040】
ステップ105(S105)において、表示部170は、ログイン者の作業期間(作業日)のスケジュール一覧を表示する。具体的には、スケジュール管理部100は、作業担当者のログインIDに基づいて、作業担当者の作業スケジュールデータをスケジュールDB600から抽出する。印刷順序制御部144は、抽出された作業スケジュールデータのうち、印刷未実施の作業スケジュールをスケジュール順に並べる。表示部170は、並べ替えられた作業スケジュールをクライアント端末9に表示させる。
【0041】
ステップ110(S110)において、作業担当者は、表示部170によりクライアント端末9に表示された作業スケジュールのうち、今後実施する作業の作業スケジュールを選択する。
【0042】
ステップ115(S115)において、関連付部120は、スケジュールデータの作業に対応するプロジェクトコードを特定し、特定されたプロジェクトコードに関連付けられた業務委託条件を特定する。
文書選択部130は、関連付部120により特定された業務委託条件に基づいて、作業担当者により選択された作業に関連する文書情報を、持出し文書DB620から取得する。
【0043】
ステップ120(S120)において、表示部170は、関連付部120により関連付けられた文書のリスト(業務委託条件に含まれる持出し文書のリスト)をクライアント端末9に印刷候補として表示させる。
【0044】
ステップ125(S125)において、文書選択部130は、作業担当者により印刷候補の中から選択された文書の印刷形式を、持出し文書DB620から取得する。
表示部170は、文書選択部130により取得された印刷形式をクライアント端末9に表示させる。
【0045】
ステップ130(S130)において、印刷部140は、表示部170により表示された印刷形式に従い、文書選択部130により選択された文書を印刷装置7に印刷させる。
【0046】
ステップ135(S135)において、印刷装置7が印刷を正常終了した場合、印刷順序制御部144は、印刷した文書が印刷済みであることを記録し、文書印刷処理(S10)は、S145に移行する。印刷装置7が印刷を正常終了できなかった場合、文書印刷処理(S10)は、S140に移行する。
【0047】
ステップ140(S140)において、警告部160は、印刷が異常終了したことを通知する警告メッセージを作成し、表示部170は、警告部160により作成された警告メッセージを、クライアント端末9に表示させる。その後、文書印刷処理(S10)は、S125へ移行し、同一文書の印刷処理を再試行する。
【0048】
ステップ145(S145)において、印刷ログ管理部150は、印刷した文書のバージョンと、作業担当者を識別する担当者情報とを印刷ログDB640に格納する。
【0049】
ステップ150(S150)において、作業担当者により、選択された作業スケジュールに関連する作業の持出し文書が全て印刷されると、印刷順序制御部144は、印刷済みであることを記録する。その後、文書印刷処理(S10)は、S155へ移行する。選択した作業スケジュールに関連する作業の持出し文書を全て印刷し終えていない場合は、文書印刷処理(S10)は、S120へ移行し、選択した作業スケジュールに関連する持出し文書を、全て印刷し終えるまで印刷処理を繰り返す。
【0050】
ステップ155(S155)において、文書印刷プログラム10は、表示部170により表示された、作業担当者の当日、または指定された期間の全ての作業に必要な文書を全て印刷し終えた場合に、対象の作業が印刷済みであることを、資料持出し管理画面(
図10)に表示し、終了する。全作業に必要な文書をすべて印刷し終えていない場合は、文書印刷処理(S10)は、S110へ移行する。作業担当者は、次の印刷未実施の作業スケジュールを選択し、印刷処理を実施する。文書印刷処理(S10)は、表示部170により表示されたスケジュール一覧の全ての作業についての印刷処理が完了するまで印刷処理を繰り返す。
【0051】
図7は、フェーズ3の文書登録処理(S20)を説明するフローチャートである。
図7に例示するように、ステップ200(S200)において、作業担当者は、クライアント端末9を操作して、作業文書管理装置5にログインする。
【0052】
ステップ205(S205)において、スケジュール抽出部200は、作業担当者のログインIDに基づいて、作業担当者に関連付けられた作業スケジュールをスケジュールDB600から抽出する。具体的には、スケジュール抽出部200は、ログインIDと、予め指定された期間(例えばログイン当日までの期間)とに対応する作業スケジュールを、スケジュールDB600から抽出する。
【0053】
ステップ210(S210)において、スケジュール抽出部200は、抽出された作業スケジュール(すなわち、過去の作業スケジュール)をクライアント端末9に表示させる。その際に、スケジュール抽出部200は、作業スケジュールを日付及び作業毎に一覧表示させる。
【0054】
ステップ215(S215)において、作業担当者が、一覧表示された作業スケジュールの中から、いずれかの作業スケジュールを選択すると、関連付部230は、予め登録された対応表(プロジェクトと作業の対応関係を示す表)を参照して、選択された作業スケジュールの作業に対応するプロジェクトを特定し、特定されたプロジェクトのプロジェクトコードを文書選択部210に出力する。
【0055】
ステップ220(S220)において、文書選択部210は、関連付部230から入力されたプロジェクトコードに基づいて、このプロジェクトの業務委託条件で指定された登録文書を選択する。さらに、文書選択部210は、選択された登録文書の中から、既に登録されている文書を除外して、登録文書リストを作成し、作成された登録文書リストを、登録すべき文書のリストとしてクライアント端末9に一覧表示させる。
【0056】
ステップ225(S225)において、作業担当者が、一覧表示された登録文書リストの中から、いずれかの登録文書を選択すると、文書登録部220は、選択された登録文書に対応する業務委託条件に基づいて、登録文書の読取形式を決定し、決定された読取形式をクライアント端末9に配信する。配信された読取形式は、クライアント端末9に表示されると共に、文書の読み取りを行う読取装置(本例では、ネットワークスキャナ)の読取条件として設定される。
なお、作業担当者は、業務委託条件に基づいて設定された読取形式を変更することもできる。
【0057】
ステップ230(S230)において、スキャナ(すなわち、クライアント端末9)は、設定された読取条件に従って、作業担当者がセットした文書を読み取り、読み取られた登録文書を作業文書管理装置5に送信する。作業文書管理装置5(文書登録プログラム20)の文書登録部220は、クライアント端末9から、登録文書のデータファイルを受信する。
【0058】
ステップ235(S235)において、文書登録部220は、クライアント端末9から受信した登録文書のデータファイルに、業務委託条件で指定された命名ルールに従ってファイル名を付け、ファイル名が付けられた登録文書のデータファイルを、プロジェクト毎に定められた保存先に保存する。なお、業務委託条件で指定される命名ルールは、登録文書毎に定義されているため、プロジェクト毎にファイル名の統一化や標準化が実現される。
【0059】
ステップ240(S240)において、文書登録部220は、登録文書リストの全文書が登録されたか否かを判断する。
文書登録処理(S20)は、S220で表示された登録文書リストの全文書が登録されていないと判断された場合に、S220に戻って、次の登録文書の登録を受け付け、登録文書リストの全文書が登録されたと判断された場合に、S245に移行する。
【0060】
ステップ245(S245)において、文書選択部210は、S210でリスト表示された全作業スケジュールについて、登録文書の登録作業が完了したか否かを判断する。
文書登録処理(S20)は、リスト表示された作業スケジュールのいずれかについて、登録文書の登録作業が完了していないと判断された場合に、S210に戻って、他の作業スケジュールに関する処理を続行し、リスト表示された全作業スケジュールについて、登録文書の登録作業が完了したと判断された場合に、S250に移行する。
【0061】
ステップ250(S250)において、文書登録部220は、作業担当者が担当した作業スケジュールに関連する登録文書がすべて登録された旨をコールセンターに通知する。
【0062】
図8は、フェーズ3の文書報告処理(S30)を説明するフローチャートである。
ステップ300(S300)において、文書出力部240は、各プロジェクトについて指定された報告書の提出日が到来しているか否かを判断する。
文書報告処理(S30)は、いずれかのプロジェクトについて報告書の提出日が到来している場合に、S305に移行し、いずれのプロジェクトについても報告書の提出日が到来していない場合に、提出日が到来するまで待機する。ここで、報告書の提出日とは、報告書の提出基準時の一例であり、例えば、業務委託条件に定められている。
【0063】
ステップ305(S305)において、文書出力部240は、提出日が到来したプロジェクトのプロジェクトコードに基づいて、登録文書DB660に登録されている登録文書を抽出する。
【0064】
ステップ310(S310)において、文書出力部240は、業務委託条件で指定された出力形式で、抽出された登録文書を出力する。ここで、出力形式とは、例えば、ハードディスク(HDD)、フラッシュメモリー、又は光ディスクなどの記録媒体に対するデータファイルの書込み、及び、そのデータファイルに対する圧縮又は暗号化の要否、あるいは、紙などへの印刷条件(カラー、解像度、用紙サイズ)などである。
本例の文書出力部240は、各プロジェクトの業務委託条件で指定された印刷条件で、抽出された登録文書群を印刷装置7で印刷させる。
【0065】
図9は、業務委託条件の基本情報を登録するプロジェクト管理画面を例示する図である。
図9に例示されるように、プロジェクト管理画面は、業務委託条件を登録する画面である。プロジェクト基本情報には、プロジェクトコード、プロジェクト名、プロジェクト名ふりがな、管理元部署コード、ファイル格納先等が登録される。関連付部120は、プロジェクトコードにより作業と業務委託条件を関連付け、作業に関連する持出し文書を特定する。ファイル名出力順は、冠文字、受付番号、受付グループ、作業日、顧客コード、顧客名、文書名等が登録できる。作業文書管理システム1は、ファイル名出力順に従ってファイル名を決定する。
【0066】
図10は、資料持出し管理画面を例示する図である。
図10に例示されるように、資料持出し管理画面では、作業担当者のID、作業担当者名、作業日、作業担当者の作業スケジュール、及び、印刷形式が表示される。また、文書印刷画面では、印刷順序制御部144により、印刷中の作業と、印刷済みの作業と、印刷未実施の作業とを判別出来るように表示態様が変更される。これにより、作業担当者、またはオペレータは、実施予定の作業に関連する文書が全て印刷されたことを確認できる。
【0067】
図11は、作業選択画面(作業選択)を例示する図である。
図11に示すように、S210において、スケジュール抽出部200は、抽出された作業スケジュール(すなわち、過去の作業スケジュール)をクライアント端末9に表示させる。その際に、作業スケジュールを日付及び作業毎に一覧表示させる。
【0068】
図12は、文書登録画面(資料種別選択)を例示する図である。
図12に示すように、S220において、文書選択部210は、選択された登録文書の中から、既に登録されている文書を除外して、登録文書リストを作成し、作成された登録文書リストを、登録すべき文書のリストとしてクライアント端末9に一覧表示したものである。
【0069】
図13は、文書登録画面(スキャン実行)を例示する図である。
図13に示すように、S225において、文書登録部220は、選択された登録文書に対応する業務委託条件に基づいて、登録文書の読取形式を決定し、決定した読取形式をクライアント端末9に表示したものである。作業担当者は、業務委託条件に基づいて設定された読取形式を変更することもできる。
【0070】
図14は、作業文書管理画面を例示する図である。
図15は、作業文書登録状況画面を例示する図である。
図14及び
図15に示すように、登録文書抽出時において、抽出された登録文書は、文書検索として、作業管理番号、受付期間、又は、作業期間などを切り口にさらに絞り込まれてもよい。また、登録文書抽出実行時において、プロジェクトごとの登録文書の項目や枚数、作業担当者、及び作業状況などが表示可能である。
【0071】
以上説明したように、本実施形態の作業文書管理装置5は、作業スケジュールにある各作業に対応するプロジェクトコードを特定し、特定されたプロジェクトコードに対応する業務委託条件を特定することにより、作業毎のプロジェクトにおける登録文書を簡単に間違えなく登録することができる。また、作業文書管理装置5は、選択された登録文書に対応する業務委託条件に基づいて、登録文書のファイル名の更新及び名前付けがプロジェクト毎に指定される。さらに、作業文書管理装置5は、業務委託条件に基づいて、登録文書の読取形式を決定することで文書出力時はプロジェクト毎に適当な出力形式で出力されるため、登録文書のフォーマットや品質が統一化できる。また、作業文書管理装置5は、関連付部230により、業務委託条件と作業が関連付けられるため、複数のプロジェクト作業、複数の作業がある場合により有効である。
【0072】
次に、上記実施形態の変形例を説明する。
上記実施形態では、オペレータが、作業とプロジェクトコードとを対応付ける対応表を予め登録する形態を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、関連付部120又は230は、作業依頼の作業内容に含まれる文字列などに基づいて、依頼された作業と、この作業に対応するプロジェクトとを自動的に関連付けてもよい。