特許第5663982号(P5663982)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5663982
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】コアレス粘着テープロール
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/00 20060101AFI20150115BHJP
【FI】
   C09J7/00
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-153856(P2010-153856)
(22)【出願日】2010年7月6日
(65)【公開番号】特開2012-17358(P2012-17358A)
(43)【公開日】2012年1月26日
【審査請求日】2013年4月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100106057
【弁理士】
【氏名又は名称】柳井 則子
(72)【発明者】
【氏名】山川 英徳
【審査官】 富永 久子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−233884(JP,A)
【文献】 特開2005−330296(JP,A)
【文献】 特開2010−088574(JP,A)
【文献】 特開昭64−087680(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J1/00−201/10
G09G1/00−5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面が易剥離面で他面が粘着面である長尺の粘着テープが、該粘着テープの長手方向の一端側に接続した帯状の端部材を巻き始めとして、前記粘着面を内側にして巻き取り機でロール状に巻き取られたコアレス粘着テープロールであって、
前記端部材の一面は、長手方向の一端側に形成された非剥離性領域と、該非剥離性領域以外の剥離性領域とからなり、
前記粘着テープの前記一端側の前記粘着面は、前記端部材の前記非剥離性領域の全面を覆い、かつ、前記剥離性領域の少なくとも一部が露出するように、前記端部材の前記一面に粘着して接続し、
前記端部材は、当該コアレス粘着テープロールの少なくとも最内周を構成していることを特徴とするコアレス粘着テープロール。
【請求項2】
前記粘着テープには、当該粘着テープを当該粘着テープの長手方向に対して垂直な方向に沿って分断するための複数の分断予定線が形成され、
前記端部材の前記長手方向の一端は、前記粘着テープの最も一端側に形成された前記分断予定線の位置と一致するか、前記粘着テープの最も一端側に形成された前記分断予定線よりも前記一端側に位置することを特徴とする請求項1に記載のコアレス粘着テープロール。
【請求項3】
前記粘着テープの長手方向における前記非剥離性領域の長さLが、前記粘着テープの長手方向における前記剥離性領域の長さLよりも短いことを特徴とする請求項1または2に記載のコアレス粘着テープロール。
【請求項4】
前記端部材の他面に、文字または図柄の印刷が施されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のコアレス粘着テープロール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一面が易剥離面で他面が粘着面とされた粘着テープをロール状に巻き取ったコアレス型の粘着テープロールに関する。
【背景技術】
【0002】
ライナーレスタイプ、ノンセパレータタイプなどと呼ばれ、粘着テープの表面が易剥離面とされた粘着テープが知られている(例えば特許文献1参照。)。
このような粘着テープは、ロール状に巻き取った際に、内周側の粘着テープの表面(易剥離面)と外周側の粘着テープの粘着面とが接するため、粘着面に剥離紙を別途設ける必要がない。そのため、廃棄物削減などの観点から有用であり、易剥離面が印刷可能に形成された印刷ラベル用途の粘着テープ、易剥離面に予め所定の文字・図柄などが施された表示ラベル用途の粘着テープなどとして広く流通している。
【0003】
従来、このようなタイプの粘着テープをロール状に形成する際には、粘着テープの長手方向の一端側を紙管などからなる芯材(コア)に貼り付けた後、粘着テープをこの芯材に巻き取っていく方法が一般的であった。
【0004】
しかしながら、このような芯材を備えたロール状の粘着テープにおいては、粘着テープの長手方向の一端側が一周分芯材に貼り付けられているため、その部分の粘着テープは使用不能であり、無駄になってしまうという問題があった。
また、粘着テープの使用後には、芯材は廃棄されるものであるため、このような芯材を備えたロール状の粘着テープは、廃棄物削減の観点からも好ましくなかった。
【0005】
また、このようなロール状の粘着テープを例えばラベルプリンタにセットして給紙した場合、粘着テープの終端は芯材に貼り付いているため、終端側まで巻き出そうとしても巻き出せない。
そのため、終端側を無理に巻き出そうとして、ラベルプリンタの駆動系に負荷を与えてしまう場合や、粘着テープの破れ、ラベルプリンタの詰まりが生じる場合があった。
【0006】
このような課題に対して、例えば特許文献2に開示されているように、粘着ラベルの終端まで円滑に巻き出すことができるロール状の粘着テープとして、芯材を備えないコアレス粘着ロールテープがある。
【0007】
特許文献2に開示されているコアレス粘着テープロールは、粘着ラベルの一端側に剥離台紙を接続し、この剥離台紙を巻き始めとして巻き取ることにより、ロール状に形成されたものである。
このようなコアレス粘着テープロールは、芯材を備えず、剥離台紙を巻き始めとして巻き取られたものであるため、これをラベルプリンタに給紙し、終端側まで巻き出そうとした場合には、剥離台紙も粘着テープに続いてスムーズに巻き出される。よって、芯材を具備する粘着テープロールの場合のように、ラベルプリンタの駆動系に負荷がかかったり、粘着テープが破れたり、あるいは、粘着テープがラベルプリンタに詰まったりするなどの問題は生じにくい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−15525号公報
【特許文献2】特開2004−233884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、このようなコアレス粘着テープロールの製造に際して、剥離台紙の易剥離面に粘着テープの粘着面を粘着させて粘着テープと剥離台紙とを接続し、ついで、剥離台紙側から粘着テープを巻き取っていった場合、巻き始め時に粘着テープと剥離台紙とがずれやすく、粘着テープをロール状に安定に巻き取っていくことが困難であった。そのため、コアレス粘着テープロールの生産性が不十分となる傾向にあった。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、ロール状の巻き取りを安定に行うことができるコアレス粘着テープロールの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のコアレス粘着テープロールは、一面が易剥離面で他面が粘着面である長尺の粘着テープが、該粘着テープの長手方向の一端側に接続した帯状の端部材を巻き始めとして、前記粘着面を内側にして巻き取られたコアレス粘着テープロールであって、
前記端部材の一面は、長手方向の一端側に形成された非剥離性領域と、該非剥離性領域以外の剥離性領域とからなり、
前記粘着テープの前記一端側の前記粘着面は、前記端部材の前記非剥離性領域の全面を覆い、かつ、前記剥離性領域の少なくとも一部が露出するように、前記端部材の前記一面に粘着して接続し、
前記端部材は、当該コアレス粘着テープロールの少なくとも最内周を構成していることを特徴とする。
前記粘着テープには、当該粘着テープを長手方向に分断するための複数の分断予定線が形成されていてもよく、その場合、前記端部材の前記長手方向の一端は、前記粘着テープの最も一端側に形成された前記分断予定線の位置と一致するか、前記粘着テープの最も一端側に形成された前記分断予定線よりも前記一端側に位置することが好適である。
【発明の効果】
【0012】
本発明のコアレス粘着テープロールによれば、ロール状の巻き取りを安定に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のコアレス粘着テープロールの一例を概略的に示す斜視図である。
図2図1のコアレス粘着テープロールの巻き始め端側を拡大して示す側面図であって、(a)巻き始める前の状態と、(b)巻き始めた時の状態を示すものである。
図3図1のコアレス粘着テープロールの具備する端部材の斜視図である。
図4】コアレス粘着テープロールの巻き始め端側の他の一例を拡大して示す側面図である。
図5】本発明のコアレス粘着テープロールの他の一例を概略的に示す斜視図である。
図6図5のコアレス粘着テープロールの巻き始め端側の形態について、4例((a)〜(d))を挙げて図示する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明について詳細に説明する。
図1は、本発明のコアレス粘着テープロール(以下、単にコアレスロールという場合もある。)の一例を概略的に示す斜視図である。図2は、図1のコアレスロールの巻き始め端側を拡大して示す側面図であって、巻き始める前の状態(a)と、巻き始めた時の状態(b)を示すものである。図3は、図1のコアレスロールが具備する端部材を示す斜視図である。
この例のコアレスロール10は、一面が易剥離面21で他面が粘着面22である長尺の粘着テープ20が、粘着面22を内側にしてロール状に巻き取られたものであって、粘着テープ20の長手方向の一端(巻き始め端)23側に、帯状の端部材30が接続されて構成されている。
【0015】
この例の粘着テープ20は、長尺のテープ状基材を具備し、その一面が剥離処理された易剥離面21で、他面が粘着剤層を備えた粘着面22となっている。
テープ状基材としては、粘着テープにおいて使用される公知のテープ状基材を使用することができる。例えば、紙、樹脂フィルム、金属フィルム、これらの積層物などが挙げられる。
剥離処理は、シリコーン系剥離剤などの公知の剥離剤を塗工する方法により行える。
また、粘着剤層の形成にも、粘着テープにおいて使用される公知の粘着剤を制限なく使用できる。粘着剤としては、例えば、天然ゴム系、ロジン系樹脂およびその誘導体、アクリル系樹脂などが挙げられる。
【0016】
この例の端部材30は、粘着テープ20と同じ幅を有する長さL(=L+L)の帯状物であり、その一面31は、長手方向の一端34側に形成された長さLの非剥離性領域32と、この非剥離性領域32以外の部分である長さLの剥離性領域33とから構成されている。非剥離性領域32と剥離性領域33との境界Bは、端部材30の短手方向に沿っている。また、この例では、L<Lとされている。
【0017】
この例の端部材30は、帯状の基材を有し、その一面31において、他端35〜長さLの位置までの部分全体が剥離処理され、剥離性領域33となっている。一方、残りの部分、すなわち、一端34〜長さLの位置までの部分は、この例では帯状の基材の一面がそのまま露出し、剥離処理されていない非剥離性領域32となっている。なお、非剥離性領域32は、基材に剥離処理を一旦施した後、その剥離能を公知の方法で低下させることで形成された領域であってもよい。
端部材30の他面36は、帯状の基材の他面がそのまま露出した面であってよく、剥離処理などの特別な処理は不要であるが、意匠性の観点などから、文字・図柄などの印刷が施されていてもよい。
【0018】
帯状の基材としては、粘着テープ20類のセパレータなどに基材として使用され得る、例えば、紙、樹脂フィルム、金属フィルム、これらの積層物などが挙げられ、剥離処理としても、シリコーン系剥離剤などの公知の剥離剤を塗工する方法が挙げられる。
【0019】
このコアレスロール10は、粘着テープ20の長手方向の一端(巻き始め端)23側において、粘着テープ20と端部材30とが、粘着テープ20の長手方向の一端23側と端部材30の長手方向の一端34側とが、互いの長手方向が一致し、また、幅方向にずれがないように、重ねられて粘着し、接続している。
また、この例では、粘着テープ20の長手方向の一端23側の粘着面22が、端部材30の非剥離性領域32の全体を覆い、剥離性領域33を覆わないように、端部材30の一面31側に重ねられて、接続されている。すなわち、粘着テープ20の長手方向の一端23が、端部材30における非剥離性領域32と剥離性領域33との境界Bに一致するように配置されている。
そして、図2(b)に示すように、端部材30の他端35を巻き始めとして、端部材30の一面31側が外周側となり、他面36側が内周側となるように、巻き取り機で巻き取られ、ロール状に形成されている。
【0020】
ここで巻き取りは、端部材30が、コアレスロール10の少なくとも最内周を構成するような内径(巻き取り径)rで行われる。すなわち、コアレスロール10の内径rと端部材30の長さLとは、L≧rπの関係を満たしている。図示例では、L=rπである。
L≧rπの関係を満たすと、コアレスロール10の最内周面において、粘着テープ20の粘着面22が露出する部分は生じない。仮にL<rπであると、コアレスロール10の最内周面において粘着テープの粘着面が露出し、その露出部分の粘着テープは、チリ、埃が付着することなどにより、使用不能となる。
【0021】
このようなコアレスロール10は、粘着テープ20の巻き始めの部分に、帯状の端部材30を有し、紙管などの芯材を具備しないものであるため、廃棄物削減の観点から有効である。また、これを例えばラベルプリンタに給紙し、粘着テープ20の終端(巻き始め端)側まで巻き出そうとした際には、端部材30が粘着テープ20に続いてスムーズに巻き出される。よって、芯材を備えたもののように、終端側の巻き出し時にラベルプリンタの駆動系に負荷がかかったり、粘着テープ20が破れたりラベルプリンタに詰まったりするなどの不都合が生じない。
【0022】
そして、この例では、帯状の端部材30として、剥離性領域33がその一面31全面に形成されたものではなく、長手方向の一端34側に非剥離性領域32が形成されたものを採用している。そして、粘着テープ20の一端23側の粘着面22が、端部材30の非剥離性領域32の全体を覆うように粘着し、接続している。
そのため、粘着テープ20の一端側の粘着面22は、端部材30の剥離性領域33ではなく非剥離性領域32に粘着していることに起因して、端部材30と十分に粘着する。よって、このコアレスロール10の製造時に、粘着テープ20をロール状に巻き取り始めた際において、粘着テープ20と端部材30とがずれることがなく十分に粘着し、粘着テープ20を端部材30側からロール状に安定に巻き取っていくことができる。
【0023】
また、端部材30の一面31に、非剥離性領域32だけでなく、剥離性領域33も形成されているため、比較的大きな内径rのコアレスロール10の場合でも、実使用時に使用不能となる粘着テープ20の長さを短く抑制することもできる。
すなわち、非剥離性領域32に粘着した部分の粘着テープ20は、端部材30から剥離不能であるために、その後、粘着テープ20として使用することはできない。一方、比較的大きな内径rで巻き取る場合には、端部材30の長さLもL≧rπの関係を満たすべく、長くする必要がある。このような場合に、仮に、端部材の一面が非剥離性領域のみで構成されているとすると、端部材30に粘着した粘着テープの全体が剥離不能となり、無駄になってしまう。
これに対して、剥離性領域33に粘着した部分の粘着テープ20は、使用時には剥離性領域33から容易に剥離して、問題なく使用できるため、端部材30に剥離性領域33を形成することにより、比較的大きな内径rで巻き取るために端部材30の長さを大きくした場合であっても、使用不能となる粘着テープ20の長さを短く抑制することができる。
【0024】
また、この例では、粘着テープ20の長手方向の一端23側の粘着面22が、端部材30の非剥離性領域32の全体を覆い、剥離性領域33を覆わないように、端部材30の一面31側に重ねられて、接続されている。しかしながら、粘着テープ20の長手方向の一端23側の粘着面22が、非剥離性領域32の全体を覆っている限りは、例えば図4に示すように、剥離性領域33の一部に延出して粘着していてもよい。このように延出していると、剥離性領域33と非剥離性領域32との境界B近傍の非剥離性領域32が確実に覆われるため、境界B近傍の非剥離性領域32が若干露出してしまい、巻き取りによりその外周に配置された粘着テープ20の粘着面22がその部分に粘着してしまうおそれを回避できる。
すなわち、粘着テープ20の一端23側の粘着面22は、端部材30の非剥離性領域32の全体を覆い、かつ、剥離性領域33の少なくとも一部が露出するように、端部材30に粘着していればよい。
ただし、剥離性領域33側に延出した部分の粘着テープ20は、剥離性領域33から剥離可能ではあるものの、実際には、端部材30とともに端材として廃棄されることが想定される。その点からは、粘着テープ20の長手方向の一端23が境界Bと一致し、剥離性領域33を覆わないようにすることが、無駄になる粘着テープ20の長さをより低減する観点からは好ましい。
【0025】
粘着テープ20には、図5に示すように、この粘着テープ20を長手方向に分断するための複数の分断予定線24が形成されていてもよい。
分断予定線24とは、例えばミシン目のように、カッター、ハサミなどの切断具を用いなくても容易な切り離しが可能なように形成された易切り離し線でもよいし、例えば単に印刷されたラインのように、切断具を用いて切り離す際の目印となるような案内線であってもよい。
また、粘着テープ20の表面(易剥離面)21には、予め所定の文字・図柄などが施されていてもよい。
【0026】
このように分断予定線24が形成されている粘着テープ20は、通常、隣合う分断予定線24間の部分が、1枚の粘着ラベルとして使用される。その場合には、粘着テープ20と端部材30の接続部分は、図6に示すように、端部材30の長手方向の一端34が、粘着テープ20の最も一端23側に形成された分断予定線24の位置と一致するか(図6(a)および(b))、粘着テープ20の最も一端23側に形成された分断予定線24よりも粘着テープ20のより一端23側に位置すること(図6(c)および(d))が好適である。このような場合、非剥離性領域32から剥離不能であって使用できない粘着ラベルを1枚のみに抑えることができる。
なお、図6(b)および(d)は、粘着テープ20の長手方向の一端23側の粘着面22が、非剥離性領域32の全体を覆うだけでなく、剥離性領域33の一部に延出して粘着している形態であり、図6(a)および(c)は、粘着テープ20の長手方向の一端23側の粘着面22が、非剥離性領域32だけを覆って粘着している形態である。
【0027】
以上説明したように、このようなコアレスロール10では、端部材30として、その一面全体に剥離性領域33が形成されたものではなく、長手方向の一端34側に非剥離性領域32を備えたものを採用し、この非剥離性領域32に粘着テープ20の一端23側の粘着面22が十分に粘着するようにしている。
そのため、このコアレスロール10の製造時において、粘着テープ20をロール状に巻き取り始めた際に、粘着テープ20と端部材30とがずれることなく、粘着テープ20を端部材30側からロール状に安定に巻き取っていくことができる。よって、コアレスロール10の生産性が非常に優れる。
また、端部材30には剥離性領域33も形成されているために、比較的大きな内径rで巻き取る場合でも、無駄になる粘着テープ20の長さを低減することができる。
【0028】
このようなコアレスロール10は、ラベルプリンタなどでの使用が想定され、粘着テープ20の易剥離面21が印刷可能に形成された印刷用ラベル用途;いわゆるガムテープなどと呼称され、梱包、マスキング、保護材などとして使用される用途;易剥離面21に予め所定の文字・図柄などが施された例えば荷物内容表示用の表示ラベル用途などのあらゆる用途に適用できる。
【符号の説明】
【0029】
10 コアレス粘着テープロール
20 粘着テープ
21 粘着テープの一面(易剥離面)
22 粘着テープの他面(粘着面)
23 粘着テープの長手方向の一端
24 粘着テープの分断予定線
30 端部材
31 端部材の一面
32 端部材の非剥離性領域
33 端部材の剥離性領域
34 端部材の一端
35 端部材の他端
図1
図2
図3
図4
図5
図6