特許第5664082号(P5664082)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5664082
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】エレベータの戸開保持装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 13/16 20060101AFI20150115BHJP
   B66B 5/00 20060101ALI20150115BHJP
【FI】
   B66B13/16 Z
   B66B5/00 D
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2010-220331(P2010-220331)
(22)【出願日】2010年9月30日
(65)【公開番号】特開2012-71984(P2012-71984A)
(43)【公開日】2012年4月12日
【審査請求日】2013年3月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】柏倉 寛
【審査官】 藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−067293(JP,A)
【文献】 特開平06−239551(JP,A)
【文献】 特開2009−161302(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 13/00−13/30
B66B 5/00−5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向の端部に折り曲げ部が形成され中央から左右に開く両開き乗場戸を、所定寸法だけ開けた状態で保持する戸開保持装置において、
前記乗場戸を所定寸法だけ開けた状態で保持する主戸開保持具と、
前記乗場戸の下方に固定される固定器具と、この固定器具と前記主戸開保持具とを連結するワイヤなどの索状体とを備え
前記主戸開保持具は、前記両乗場戸の間に位置するように配置されるとともに前記両乗場戸の間口方向に伸縮可能な構成の係止部を有することを特徴とするエレベータの戸開保持装置。
【請求項2】
前記折り曲げ部は、表面側から裏面側に直角に折り曲げられた第1折り曲げ部と、この第1折り曲げ部から更に直角に折り曲げられた第2折り曲げ部を有し、
前記主戸開保持具は、前記乗場戸を所定寸法だけ開けたときに、前記両乗場戸の第1折り曲げ部よりも戸開側に位置するストッパを両側に備えた基部と、
長手方向の両端部にそれぞれストッパを備えるとともに長手方向に伸縮可能な構成であり、前記両端部のストッパが前記両第1折り曲げ部に対向して前記両乗場戸の間に位置するように前記基部に支持され、前記基部のストッパとともに前記各第1折り曲げ部をそれぞれ表裏両面から挟む構成の係止部とを備え
前記係止部は前記基部に支持されていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの戸開保持装置。
【請求項3】
前記基部の中央には断面U字状の凹部を有する支持ブラケットが固定され、前記係止部は円柱形をなし、前記支持ブラケットの凹部で支持される構成であることを特徴とする請求項に記載のエレベータの戸開保持装置。
【請求項4】
前記係止部のストッパのうち、少なくとも一方は回り止めのついたストッパボルトであり、係止部の本体を回転することにより、係止部本体に対して前記ストッパボルトが前進・後退する構成であることを特徴とする請求項2又は3に記載のエレベータの戸開保持装置。
【請求項5】
幅方向の戸閉側端部に、表面側から裏面側に直角に折り曲げられた第1折り曲げ部とこの第1折り曲げ部から更に直角に折り曲げられた第2折り曲げ部を有する折り曲げ部が形成され、左右どちらか一方に開く片開き乗場戸を、所定寸法だけ開けた状態で保持する戸開保持装置において、
前記乗場戸を所定寸法だけ開けた状態で、一側が昇降路内のトーガード又は三方枠の戸当り枠の折り曲げ部に引っ掛けられ、他側は前記第2折り曲げ部又は第1折り曲げ部に係合された基部と、
長手方向の両端部にそれぞれストッパを備えるとともに長手方向に伸縮可能な構成であり、前記両ストッパが前記第1折り曲げ部と前記三方枠の戸当り枠とに対向するように設けることにより、前記基部の前記他側とともに前記各第1折り曲げ部又は第2折り曲げ部を挟む係止部と、を備え
前記基部と前記係止部とがワイヤなどの索状体で連結されていることを特徴とするエレベータの戸開保持装置。
【請求項6】
前記係止部のストッパのうち、少なくとも一方は補助具のついたストッパボルトであり、この補助具でストッパボルトを回転することにより、係止部本体に対して前記ストッパボルトが前進・後退する構成であることを特徴とする請求項5に記載のエレベータの戸開保持装置。
【請求項7】
前記基部は中間にシル溝に挿入されるガイドシューを備えていることを特徴とする請求項5又は6に記載のエレベータの戸開保持装置。
【請求項8】
幅方向の戸閉側端部に表面側から裏面側に直角に折り曲げられた第1折り曲げ部と、この第1折り曲げ部から更に直角に折り曲げられた第2折り曲げ部が形成され左右どちらか一方に開く片開き乗場戸を、所定寸法だけ開けた状態で保持する戸開保持装置において、
基部を有し、この基部には、前記乗場戸を所定寸法開けた状態において、昇降路内のトーガード又は三方枠の戸当り枠の折り曲げ部に引っ掛けられる鉤部と、先端に螺合されたストッパボルトが前記三方枠の戸当り枠に接触する係止部と、前記鉤部と反対方向を向き前記第1折り曲げ部又は第2折り曲げ部に係合する係止部と、先端に螺合されたストッパボルトが前記第1折り曲げ部に接触する係止部と、が固定されており、
前記基部は中間にシルに載置される載置具を備えていることを特徴とするエレベータの戸開保持装置。
【請求項9】
幅方向の戸閉側端部に表面側から裏面側に直角に折り曲げられた第1折り曲げ部と、この第1折り曲げ部から更に直角に折り曲げられた第2折り曲げ部が形成され左右どちらか一方に開く片開き乗場戸を、所定寸法だけ開けた状態で保持する戸開保持装置において、
基部を有し、この基部には、前記乗場戸を所定寸法開けた状態において、昇降路内のトーガード又は三方枠の戸当り枠の折り曲げ部に引っ掛けられる鉤部と、先端に螺合されたストッパボルトが前記三方枠の戸当り枠に接触する係止部と、前記鉤部と反対方向を向き前記第1折り曲げ部又は第2折り曲げ部に係合する係止部と、先端に螺合されたストッパボルトが前記第1折り曲げ部に接触する係止部と、が固定されており、
前記基部は中間にシル溝に挿入されるガイドシューを備えていることを特徴とするエレベータの戸開保持装置。
【請求項10】
前記係止部のストッパボルトには補助具が設けられており、この補助具でストッパボルトを回転することにより、係止部本体に対して前記ストッパボルトが前進・後退する構成であることを特徴とする請求項8又は9に記載のエレベータの戸開保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータの昇降路内の機器を乗場側から確認・点検したり、災害や故障などによってエレベータかごが異常停止したときにかご内乗客を救出する場合に、乗場戸を所定寸法だけ開放して保持する際に使用する、戸開保持装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、エレベータの昇降路内機器の確認・点検や、災害や故障などによってエレベータかごが異常停止したとき、昇降路内の状況を乗場から確認する際に、作業員が昇降路内に転落しないように、乗場戸を所定寸法だけ開けた状態で保持している。
【0003】
この乗場戸を所定寸法開けた状態で保持する装置の従来技術としては、図6図7に示すような中央両開き乗場戸の戸開保持装置が提案されている。図6は戸開保持装置を示す斜視図、図7図6の戸開保持装置を中央両開きの乗場戸に用いた図であり、図7(a)は平面図、図7(b)は昇降路側から見た図である。
【0004】
戸開保持装置14は、基部10と、この基部10の両側に設けられたU字形係合部11とを備えている。この基部10を、左右の乗場戸4a,4bの間に挿入して係合部11を乗場戸4a,4bの折り曲げ部5に嵌合することにより、乗場戸4a,4bは、所定の寸法(基部10の幅寸法)だけ開けた状態に保持される。このとき、乗場戸4a,4bの折り曲げ部5は、乗場戸4a,4bの表面から裏側に直角に折り曲げた第1折り曲げ部5aと、この第1折り曲げ部5aから更に直角に折り曲げた第2折り曲げ部5bとからなるが、係合部11は第2折り曲げ部5bの先端に接触することになる。
【0005】
しかしながら、この従来技術では、図7に示すように、乗場側(図7(a)の上側)から外力がかかると、戸開保持装置14が簡単に外れて乗場戸4a,4bの保持が解除されてしまうばかりでなく、戸開保持装置14が昇降路(図7(a)の下側)に落ちてしまう可能性もある。
【0006】
このため、戸開保持装置が外れにくくするために、図8図9に示す構成のものも提案されている。この例は、戸開保持装置15のU字形係合部11に突出部12を設けるとともに、乗場戸4a,4bの第2折り曲げ部5bに切り欠き13を設けた構成である。図9(b)に示すように、切り欠き13の箇所から突出部12を挿入し、更に戸開保持装置14を下方にずらすことにより、乗場戸4a,4bを所定の寸法だけ開けた状態に保持するものである。
【0007】
この技術であれば、戸開保持装置は外れにくくなっているが、乗場戸4a,4bの第2折り曲げ部5bに切り欠き13を設ける必要があるため、第2折り曲げ部5bの強度が低下するという問題がある。また、切り欠き13のない乗場戸では、この戸開保持装置15は使えないという問題もある。
【0008】
そこで、これらの問題点を解決するために、図10図11に示す戸開保持装置が提案されている。図10(a)は戸開保持装置16の平面図、図10(b)は戸開保持装置16の背面図、図11図10の戸開保持装置16を中央両開きの乗場戸に用いた図である。
戸開保持装置16は、胴体部1と、この胴体部1とスライド可能な1対の鉤部2を有している。鉤部2には、突起2aと長穴2bが設けられている。これら鉤部2は長穴2bを介して任意の位置で固定できる固定部3により、胴体部1に固定される。また、突起2aは鉤部2のスライドを案内する機能を有する。
【0009】
この戸開保持装置16を乗場戸4a,4bに取り付ける際には、図11(a)に示すように、まず1対の鉤部2を、互いに離れる方向にスライドさせる。このとき、胴体部1と鉤部2間の隙間寸法Aは、乗場戸4a,4bの折り曲げ部5の第2折り曲げ部5bの幅以上になるように設定する。また胴体部1の幅寸法Bは、前記図6〜9の場合と同じく、乗場戸4a,4bの開口寸法となるため、所定の寸法に設定して製作しておく。
次に、図11(b)に示すように、乗場戸4a,4bの間に胴体部1を挟み込み、更に第2折り曲げ部5bの先端に当接するまで1対の鉤部2をスライドさせ、固定部3により鉤部2を固定する。
この構成であれば、戸開保持装置16が外れる事はほとんどなくなる。
【0010】
図12は、戸開保持装置16を2枚戸片開きの乗場戸6a,6bに用いた例であり、乗場戸6a,6bの折り曲げ部7は前記と同様に、第1折り曲げ部7aと第2折り曲げ部7bを備えている。乗場戸6a,6bを固定する際には、前記と同様に、まず1対の鉤部2を、互いに離れる方向にスライドさせる。このとき、胴体部1と鉤部2間の隙間寸法Aは、乗場戸6aの第2折り曲げ部7bの幅以上とし、逆側の胴体部1と鉤部2間の隙間寸法Cは、三方枠の戸当り枠8の昇降路側折り曲げ部9の幅寸法以上になるように設定する。
続いて、図12(b)に示すように、乗場戸6aと戸当り枠8との間に胴体部1を挟み込み、各折り曲げ部7b,9に当接するまで1対の鉤部2をスライドさせ、固定部3により鉤部2を固定する。
これにより、中央両開きの戸と同様、片開きの戸においても、戸開保持装置16が外れる事はほとんどなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2007−302367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前記従来技術では、乗場戸の折り曲げ部等の先端に鉤部を引っ掛けているだけであり、強固な保持はできないため、戸開保持装置がずり落ちてくる可能性がある。
また、戸開保持装置16の取り付け作業は、乗場側(図11の上方)から作業員が乗場戸4a,4bを開け、昇降路側(図11の下方)に戸開保持装置16を出してから、手前に引く(図11(a)の矢印)ため、作業中に誤って戸開保持装置16を昇降路内に落としてしまう可能性もあった。更に、固定部3は昇降路側にあるため、工具を使って固定部3を締め付ける作業は不安定な作業にならざるを得ず、誤って工具を落としてしまう可能性もある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、幅方向の端部に折り曲げ部が形成され中央から左右に開く両開き乗場戸を、所定寸法だけ開けた状態で保持する戸開保持装置において、前記乗場戸を所定寸法だけ開けた状態で保持する主戸開保持具と、前記乗場戸の下方に固定される固定器具と、この固定器具と前記主戸開保持具とを連結するワイヤなどの索状体とを備え、前記主戸開保持具は、前記両乗場戸の間に位置するように配置されるとともに前記両乗場戸の間口方向に伸縮可能な構成の係止部を有することを特徴とするものである。
【0014】
また本発明は、幅方向の戸閉側端部に、表面側から裏面側に直角に折り曲げられた第1折り曲げ部とこの第1折り曲げ部から更に直角に折り曲げられた第2折り曲げ部を有する折り曲げ部が形成され、左右どちらか一方に開く片開き乗場戸を、所定寸法だけ開けた状態で保持する戸開保持装置において、前記乗場戸を所定寸法だけ開けた状態で、一側が昇降路内のトーガード又は三方枠の戸当り枠の折り曲げ部に引っ掛けられ、他側は前記第2折り曲げ部又は第1折り曲げ部に係合された基部と、長手方向の両端部にそれぞれストッパを備えるとともに長手方向に伸縮可能な構成であり、前記両ストッパが前記第1折り曲げ部と前記三方枠の戸当り枠とに対向するように設けることにより、前記基部の前記他側とともに前記各第1折り曲げ部又は第2折り曲げ部を挟む係止部とを備え、前記基部と前記係止部とがワイヤなどの索状体で連結されていることを特徴とするものである。
【0015】
更に本発明は、幅方向の戸閉側端部に表面側から裏面側に直角に折り曲げられた第1折り曲げ部と、この第1折り曲げ部から更に直角に折り曲げられた第2折り曲げ部が形成され左右どちらか一方に開く片開き乗場戸を、所定寸法だけ開けた状態で保持する戸開保持装置において、基部を有し、この基部には、前記乗場戸を所定寸法開けた状態において、昇降路内のトーガード又は三方枠の戸当り枠の折り曲げ部に引っ掛けられる鉤部と、先端に螺合されたストッパボルトが前記三方枠の戸当り枠に接触する係止部と、前記鉤部と反対方向を向き前記第1折り曲げ部又は第2折り曲げ部に係合する係止部と、先端に螺合されたストッパボルトが前記第1折り曲げ部に接触する係止部とが固定されており、前記基部は中間にシルに載置される載置具を備えていることを特徴とするものである。
更にまた、前記基部は中間にシル溝に挿入されるガイドシューを備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、乗場戸などの固定がより確実に行え、また作業中に誤って戸開保持装置を昇降路内に落としてしまう可能性もほとんどなくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)を乗場側から見た正面図である。
図2図1(b)のII―II線概略断面図である。
図3】本発明の実施の形態による固定器具を示す図である。
図4】本発明の他の実施の形態を示す図であり、(a)は昇降路側から見た正面図、(b)は(a)のIV―IV線概略断面図、(c)は要部左側面図である。
図5】本発明の更に他の実施の形態を示す昇降路側から見た図である。
図6】従来の戸開保持装置を示す斜視図である。
図7図6の戸開保持装置を中央両開きの乗場戸に用いた図であり、(a)は平面図、(b)は昇降路側から見た図である。
図8】従来の他の戸開保持装置を示す斜視図である。
図9図8の戸開保持装置を中央両開きの乗場戸に用いた図であり、(a)は平面図、(b)は昇降路側から見た図である。
図10】従来の他の戸開保持装置を示す図であり、(a)は平面図、(b)は背面図である。
図11図10の戸開保持装置を中央両開きの乗場戸に用いた図である。
図12図10の戸開保持装置を2枚戸片開きの乗場戸に用いた図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態を図1図3により説明する。この実施の形態は中央両開き乗場戸に戸開保持装置を設置したものであり、図1(a)は平面図、(b)は(a)を乗場側から見た正面図であり、乗場戸はその一部を二点鎖線で示している。図2図1(b)のII―II線概略断面図である。図3は、固定器具を示す図である。
【0019】
図において、図7と同一符号は同一のものを示している、またこの実施の形態の図1(a)は図7(a)とは上下が逆になっている。即ち、図1(a)においては下方が乗場側、上方が昇降路側である。20は本実施の形態の主戸開保持具で、基部21と係止部30を主要な構成要素としている。
【0020】
22はブラケット23によって基部21の一側に取り付けられたストッパボルト、同じく24もブラケット25によって基部21の他側に取り付けられたストッパボルトである。26は図2に示すように、断面U字状の凹部を2箇所に有する支持ブラケットで、基部21の中央に固定されている。27は基部21に取り付けられたワイヤで、その他端は後述の固定器具に取り付けられる。
【0021】
係止部30は円柱形をしており、支持ブラケット26の凹部で支持される。その一端にはストッパ部31が設けられ、他端にはストッパボルト32が螺合されている。33はストッパボルト32に固定された回り止め、34は係止部30の中央付近に設けたピンである。35は略L字形の外れ止めであり、一端はねじ36によって支持ブラケット26に枢着され、他端には切り欠き37を有している。38は蝶ボルトであり、切り欠き37を介して外れ止め35を支持ブラケット26に固定するものである。
【0022】
40は、クランク状の第1ブラケット41と断面L字形の第2ブラケット42からなる固定器具で、第1ブラケット41の一側にはブラケット43を介してストッパボルト44が設けられ、中間には乗場戸4bの保護のためのゴムスポンジ45が固定されている。第2ブラケット42の一側にはストッパボルト46が設けられ、他端は蝶ボルト47によって第1ブラケット41に固定される構成である。また、第1ブラケット41には前記ワイヤ27の他端が取り付けられるようになっている。
【0023】
この主戸開保持具20を乗場戸4a,4bに取り付ける際には、始めに固定器具40を乗場戸4bに固定する。
まず蝶ボルト47を緩め、第1ブラケット41と第2ブラケット42が直角になるように回転させておき、乗場側(図3の下方)の床面近くの低い位置で、乗場戸4bを少し開け、第1ブラケット41を昇降路側(図3の上方)に入れて、ストッパボルト44を乗場戸4bの裏面に当てる。次に第2ブラケット42を図3の位置に回転し、そのストッパボルト46を乗場戸4bの表面から当て、両ストッパボルト44と46とで乗場戸4bを挟み、蝶ボルト47で第1ブラケット41と第2ブラケット42とを締め付ける。更に第1ブラケット41にワイヤ27の一端を取り付ける。尚、最初から第1ブラケット41にワイヤ27の一端を取り付けておいてもよい。
【0024】
次に、主戸開保持具20の基部21に、先ほどのワイヤ27の他端を連結する。これにより、作業中に誤って基部21を昇降路内に落としても、基部21がワイヤ27で支持されるため下まで落下することはない。
そして、乗場側(図1(a)の下方)から乗場戸4a,4bを少し開け、基部21を昇降路側(図1(a)の上方)に入れて、図1(a)のように、基部21を横にし、ストッパボルト22,24を乗場戸4a,4bの第1折り曲げ部5aに接触させる。
【0025】
次に、外れ止め35を持ち上げて、係止部30を支持ブラケット26の凹部にセットし、外れ止め35を図2のように下げて、切り欠き部37を蝶ボルト38で固定する。そして係止部30のストッパ部31を第1折り曲げ部5aに押し当てて、ストッパボルト24とで第1折り曲げ部5aを挟み付ける。
更に、ピン34を手で回転させると、係止部30本体,ストッパボルト32及び回り止め33も一緒に回転するが、回り止め33が基部21に当たると、ストッパボルト32は回転を停止し、係止部30本体の回転に伴って左方に押し出される。このようにしてストッパボルト32を左方に移動させて、ストッパボルト22とで第1折り曲げ部5aを挟み付ける。
これにより、乗場戸4a,4bは所定寸法だけ開いた状態で固定される。外すときは前記と逆の手順で行う。
【0026】
以上のように、本実施の形態によれば、乗場戸の第1折り曲げ部のパネルをストッパボルトで表裏から挟み付けるため、主戸開保持具を強固に乗場戸に取り付けることができ、主戸開保持具が外れることを防止することができる。また、乗場戸の下端に固定器具を固定し、この固定器具にワイヤで主戸開保持具を連結しているため、主戸開保持具の落下を防止することができ、高い安全性を確保することができる。
【0027】
尚、この実施の形態において、ストッパボルト32に伸縮機能があるので、ストッパボルト22,24は伸縮機能のない単なるストッパとすることもできる。同様に、図3において、ストッパボルト44を単なるストッパとすることもできる。また、外れ止め35は略L字形である必要はなく、係止部30が外れなければよい。
【0028】
次に、片開きの乗場戸に戸開保持装置を設置した実施の形態を図4により説明する。図4(a)は昇降路側から見た正面図、図4(b)は(a)のIV―IV線概略断面図、図4(c)は要部左側面図である。
図において、図12と同一符号は同一のものを示している。50は乗場戸6aを案内する乗場シル、51はシル溝、52は上端がシル50に固定されたトーガードである。60は戸開保持装置で、基部61と係止部66を主要な構成要素としている。
【0029】
基部61はクランク形状をしており、下部の一端は鉤部62を形成しており、上部の一端は鉤部63を形成している。更に中間部にはブラケット64を介してガイドシュー65が設けられ、このガイドシュー65をシル溝51に挿入する構成である。
係止部66は、一端にストッパ部67を備え、他側にはストッパボルト68が螺合されるとともに、このストッパボルト68に固定された補助具69を備えている。
【0030】
この戸開保持装置60を乗場戸6aに取り付ける際には、乗場側(図4(b)の上方)から基部61を昇降路内(図4(b)の下方)へ入れ、その鉤部62をトーガード52の先端52aに引っ掛けるとともに、中間部のガイドシュー65をシル溝51に挿入する。また基部61の鉤部63を乗場戸6aの第2折り曲げ部7bに引っ掛ける。
次に、係止部66のストッパ部67を三方枠の戸当り枠8に押し付けて、補助具69を回すと、ストッパボルト68が回転しながら左方に伸びて第1折り曲げ部7aに当接する。
【0031】
これにより、鉤部62とストッパ部67で三方枠とトーガード52を挟み付け、また鉤部63とストッパボルト68で折り曲げ部7を挟み付けているため、乗場戸6aを強固に固定することができる。外すときは前記と逆の手順で行う。
【0032】
尚、基部61と係止部66との間に、図1で示したようなワイヤを設ければ、係止部66の昇降路内への落下を防止できるため、高い安全性を確保することができる。
また、鉤部63の代わりに、図1のストッパボルト22や単なるストッパを設けて第1折り曲げ部7aの裏面に接触させる構成にしてもよい。更に鉤部62を三方枠の戸当り枠の折り曲げ部9に引っ掛けてもよい。
【0033】
次に、片開きの乗場戸に戸開保持装置を設置した他の実施の形態を図5により説明する。図5は昇降路側から見た正面図であり、図4と同一符号は同一のものを示している。
図において、70は戸開保持装置で、上下に長い断面L字形の基部71の下部には、鉤部72が固定され、その上方には載置具73が取り付けられ、またその上方には先端にストッパボルト74が螺合された係止部75が固定されている。このストッパボルト74には補助具76が固定されている。更にその上方には鉤部72と反対方向に係止部77が固定され、この係止部77にはストッパボルト78が螺合されたブラケット79が固定されている。またその上方には係止部80が固定され、この係止部80の先端にはストッパボルト81が螺合されるとともに、このストッパボルト81に固定された補助具82を備えている。
【0034】
この戸開保持装置70を乗場戸6aに取り付ける際には、乗場側から基部71を昇降路内に入れ、その鉤部72をトーガード52の先端52aに引っ掛けるとともに、載置具73をシル50の上に乗せる。そして補助具76を使って係止部75のストッパボルト74を右方に伸ばし、三方枠の戸当り枠8に押し付けることにより、戸開保持装置70を三方枠及びトーガード52に取り付ける。
次に係止部77を、乗場戸6aの第2折り曲げ部7bの昇降路側から乗場戸6aの裏面に回し、ストッパボルト78を第1折り曲げ部7aの裏面に当てる。更に、係止部80の補助具82を回してストッパボルト81を左方に伸ばして第1折り曲げ部7aに押し当てることにより、戸開保持装置70を乗場戸6aに取り付ける。
【0035】
これにより、三方枠の戸当り枠8から所定の寸法を開けて、乗場戸6aを強固に固定することができる。外すときは前記と逆の手順で行う。
【0036】
更に、この実施の形態では、載置具73ををシル50の上に乗せているが、図4の実施の形態と同じく、ガイドシューを設けて、シル50の溝51にガイドシューを挿入する構成にしてもよい。また、ストッパボルト81に伸縮機能があるので、ストッパボルト78は伸縮機能のない単なるストッパとすることもできるし、また図4のような鉤部63のような形状にすることもできる。
また、図5では基部71が長くなっているが、各部品の設置間隔をもっと短くして小型化することができる。更に鉤部72を三方枠の戸当り枠の折り曲げ部9に引っ掛けてもよい。
【0037】
前記の実施の形態では、基部21と固定器具40、基部61と係止部66をワイヤ27で連結してもよいと述べたが、ワイヤに限らず、ロープや紐などの索状体であればよい。また各ストッパボルトの先端には当接するパネルの保護のために弾性体を設けてもよい。
【符号の説明】
【0038】
4a,4b,6a,6b 乗場戸
5,7 折り曲げ部
5a,7a 第1折り曲げ部
5b,7b 第2折り曲げ部
8 三方枠の戸当り枠
9 三方枠の戸当り枠の折り曲げ部
20 主戸開保持具
21,61,71 基部
22,24,32,44,46,68,74,78,81 ストッパボルト
26 支持ブラケット
27 ワイヤ
30,66,75,77,80 係止部
31,67 ストッパ部
33 回り止め
34 ピン
35 外れ止め
40 固定器具
41 第1ブラケット
42 第2ブラケット
50 シル
51 シル溝
52 トーガード
60,70 戸開保持装置
62,63,72 鉤部
65 ガイドシュー
69,76,82 補助具
73 載置具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図11
図12