(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5664500
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】洗車機
(51)【国際特許分類】
B60S 3/04 20060101AFI20150115BHJP
【FI】
B60S3/04
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-175764(P2011-175764)
(22)【出願日】2011年8月11日
(65)【公開番号】特開2013-35531(P2013-35531A)
(43)【公開日】2013年2月21日
【審査請求日】2013年11月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100085501
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 静夫
(74)【代理人】
【識別番号】100128842
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 温
(74)【代理人】
【識別番号】100149179
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 洋一
(72)【発明者】
【氏名】平野 正樹
【審査官】
木原 裕二
(56)【参考文献】
【文献】
特開平04−314658(JP,A)
【文献】
特開2009−214772(JP,A)
【文献】
実開平01−073449(JP,U)
【文献】
特開平09−104327(JP,A)
【文献】
特開平05−016768(JP,A)
【文献】
特開平08−067234(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 3/00 − 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄車両を載置して車長方向に移動させる移動装置と、
前記被洗浄車両を跨いで前記被洗浄車両の側面及び上面を洗浄して車長方向に移動する洗車機本体と、
車長方向に移動して前記被洗浄車両の下面を洗浄する下面洗浄装置と、
を備え、
前記下面洗浄装置の洗浄を開始するスタート位置を、前記被洗浄車両の前進限に位置する前記被洗浄車両の前端と前記下面洗浄装置の進行方向を反転する折り返し位置との間に配し、
前記スタート位置に配した前記下面洗浄装置上を前記被洗浄車両の前端が通過してから被洗浄車両が前進限にて移動を停止するまでの間は移動を停止した前記下面洗浄装置により洗浄を行うとともに前記洗車機本体は前記被洗浄車両の後端に向かって移動して前記被洗浄車両の洗浄を行い、
前記被洗浄車両が前進限にて移動を停止した後に前記下面洗浄装置が前記被洗浄車両の後端に向かって移動して洗浄することを特徴とすることを特徴とする洗車機。
【請求項2】
前記被洗浄車両の前方から後端へ向かって移動する前記洗車機本体の前面が前記被洗浄車両の後端に達した時には前記下面洗浄装置は前記スタート位置から前記折り返し位置に向かって移動中であることを特徴とする請求項1に記載の洗車機。
【請求項3】
前記被洗浄車両の後端を検出する車両センサを前記洗車機本体に備え、
前記下面洗浄装置が、前記スタート位置から移動して前進限にて停止した前記被洗浄車両の後端に到達するまでの時間を前記下面洗浄装置の移動速度に基づいて取得し、該時間の経過によって前記下面洗浄装置の後方への移動を停止することを特徴とする請求項1又は2に記載の洗車機。
【請求項4】
前記下面洗浄装置の移動速度を設定可能としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の洗車機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給油所等に設置して被洗浄車両の洗車を行う洗車機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗車に使用される洗車機としては給油所などに設置されて被洗浄車両と洗車機本体を前後方向に相対移動させながら、被洗浄車両に貯液タンクに貯留された液剤や洗浄水を噴射し、また、ブラッシングして洗車を行う構成とされる門型洗車機が知られている。
【0003】
さらに、この門型洗車機に、被洗浄車両の下面を洗浄する下面洗浄装置を有する洗車機も知られている。例えば、被洗浄車両の下面を洗浄するための放水ノズルを備えるキャリア(台車)を洗車機本体と並行して走行させ、洗車機本体に備えた検出手段で車両端部を検出したタイミングに基づいて放水ノズルによる放水を制御するとした洗車機における下回り洗浄装置が既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
一方、洗車機本体を前進移動させ、コンベヤ装置により車両を洗車機本体の後端側に移動させることで、洗車スペースを短縮した洗車を行う洗車機が知られている(例えば、特許文献2参照)。この洗車機は被洗浄車両を載置して前後方向に移動する移動装置と、被洗浄車両を跨いで前後に移動して洗浄する門型の洗車機本体と、を備えている。
【0005】
洗車機本体には被洗浄車両の上面を洗浄するトップブラシや側面を洗浄するサイドブラシを備えている。所定の洗車条件に基づき洗車が開始されると被洗浄車両の前方に配された洗車機本体は被洗浄車両の後方へ移動しながらブラシを用いて被洗浄車両の前端から洗浄し、移動装置は被洗浄車両を積載して前方に移動する。これにより洗車スペースを小さくした洗車機を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−104327号公報
【特許文献2】特開平8−67234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2のような、洗車機本体と被洗浄車両とを互いに逆方向に移動させながら洗浄を行う洗車機に下面洗浄装置を導入した場合、被洗浄車両の下面を丁寧に洗浄することが出来ないという問題がある。すなわち、特許文献1のように下面洗浄装置を洗車機と並行して走行させて下面洗浄を行うと、下面洗浄中に被洗浄車両も移動するため、下面洗浄装置と被洗浄車両との相対速度が大きくなる。そのため、洗い方が雑になり、被洗浄車両の下面に洗い残しができる恐れがある。
【0008】
本発明は、洗車スペースを小さくするとともに、被洗浄車両の下面の洗い残しを低減する洗車機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、被洗浄車両を載置して車長方向に移動させる移動装置と、前記被洗浄車両を跨いで車長方向に移動する洗車機本体と、車長方向に移動して前記被洗浄車両の下面を洗浄する下面洗浄装置と、を備え、前記移動装置によって前記被洗浄車両が移動されているときは前記下面洗浄装置が移動を停止して洗浄を行い、前記被洗浄車両が移動を停止されているときは前記下面洗浄装置が移動して洗浄することを特徴とする。
【0010】
この構成によると、洗車機本体の洗車条件に基づいて洗車が開始されると被洗浄車両の前方に配された洗車機本体はブラシを用いて被洗浄車両の前端から後端へ洗浄する。移動装置は被洗浄車両を積載して被洗浄車両の前方に移動する。この時、移動装置によって被洗浄車両が移動されているときは下面洗浄装置が移動を停止して洗浄する。また、被洗浄車両が移動を停止されていると、下面洗浄装置が移動して洗浄を開始する。
【0011】
また、本発明は上記構成の洗車機において、前記下面洗浄装置の洗浄を開始するスタート位置を、前記被洗浄車両の前進限に位置する前記被洗浄車両の前端と前記下面洗浄装置の進行方向を反転する折り返し位置との間に配し、前記スタート位置に配した前記下面洗浄装置上を前記被洗浄車両の前端が通過してから被洗浄車両が前進限にて移動を停止するまでの間は移動を停止した前記下面洗浄装置により洗浄を行い、前記被洗浄車両が前進限にて移動を停止した後に前記下面洗浄装置が前記被洗浄車両の後端に向かって移動して洗浄することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は上記構成の洗車機において、前記被洗浄車両の後端を検出する車両センサを前記洗車機本体に備え、前記下面洗浄装置が、前記スタート位置から走行して前進限にて停止した前記被洗浄車両の後端に到達するまでの時間を前記下面洗浄装置の移動速度に基づいて取得し、該時間の経過によって前記下面洗浄装置の後方への移動を停止することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は上記構成の洗車機において、前記下面洗浄装置の移動速度を設定可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、被洗浄車両を車長方向に移動させる移動装置と被洗浄車両の下面を洗浄する下面洗浄装置とを備えたため、洗車スペースを小さくするとともに、被洗浄車両の洗い残しを低減する洗車機を提供できる。また、移動装置によって被洗浄車両が移動されているときは下面洗浄装置が移動を停止し、被洗浄車両が移動を停止されているときは下面洗浄装置が移動して洗浄するため、被洗浄車両の下面を丁寧に洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態の洗車機の構成を示す側面図
【
図2】本発明の実施形態の洗車機の構成を示す正面図
【
図3】本発明の実施形態の洗車機の構成を示す平面図
【
図4】本発明の実施形態の洗車機の全体構成を示す側面図
【
図5】本発明の実施形態の洗車機の全体構成を示す側面図
【
図6】本発明の実施形態の洗車機の全体構成を示す側面図
【
図7】本発明の実施形態の洗車機の全体構成を示す側面図
【
図8】本発明の実施形態の洗車機の全体構成を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の第1実施形態を図面を参照して説明する。
図1、
図2及び
図3は本実施形態の洗車機を示す側面図、正面図及び平面図である。洗車機WAは洗車機本体1を備え、洗車機本体1の進入経路上にはリモートパネル7Aが配される。被洗浄車両CAはリモートパネル7Aの面前で停車し、リモートパネル7Aの操作によって洗車の受け付け等を行う。
【0017】
洗車機本体1は前後に開口し、被洗浄車両CAを跨ぐ門型に形成される。洗車機本体1の底面には地面に設けられた左右一対のレール2上に配される車輪3が設けられる。これにより、洗車機本体1はレール2上を走行して被洗浄車両CAに対して前後に相対移動する。
【0018】
洗車機本体1には被洗浄車両CAをブラッシングする複数の回転するブラシを設けている。ブラシはトップブラシ4、サイドブラシ5及びロッカーブラシ6から成っている。トップブラシ4は被洗浄車両CAの上面を洗浄し、布(織布、編布、不織布等)や樹脂繊維から成るブラシ毛を放射状に固着して形成される。
【0019】
サイドブラシ5は洗車機本体1の後部に左右一対設けられ、被洗浄車両CAの両側面と前後面に摺動して被洗浄車両CAを洗浄する。ロッカーブラシ6は左右一対設けられ、被洗浄車両CAのタイヤを含む側面下面を洗浄する。サイドブラシ5及びロッカーブラシ6もトップブラシ4と同様の回転軸及びブラシ毛を有している。
【0020】
洗車機本体1の一方の側方には洗剤やワックス等の各種液剤を貯液する複数の貯液タンク(不図示)を収納するタンク収納部50が配される。タンク収納部50の上方には市水及び各貯液タンクからの液剤を電磁弁等を介して分配する分配配管部51が設けられる。分配配管部51には第1、第2浄水ノズル11、13、第1、第2洗剤ノズル12、15、撥水コートノズル14、ワックスノズル16が導出される。
【0021】
第1、第2浄水ノズル11、13は洗車機本体1の手前側及び奥側にそれぞれ配され、被洗浄車両CAに対して市水を噴射する。第1、第2洗剤ノズル12、15は洗車機本体1の手前側及び奥側にそれぞれ配され、被洗浄車両CAに対して洗剤を噴射する。撥水コートノズル14は洗車機本体1の奥側に配され、被洗浄車両CAに対して撥水コート剤を噴射する。ワックスノズル16は洗車機本体1の奥側に配され、被洗浄車両CAに対してワックスを噴射する。
【0022】
洗車機本体1には被洗浄車両CAを乾燥させるトップ送風ノズル21とサイド送風ノズル22とを設けている。洗車機本体1の中央上部にはトップ送風ノズル21が設けられ、両側方にはサイド送風ノズル22が設けられる。トップ送風ノズル21及びサイド送風ノズル22はブロワ20からの送風を被洗浄車両CAに対して吹き付けて乾燥させる。
【0023】
洗車機本体1の前面には車両センサ8が設けられている。車両センサ8は光電センサや超音波センサ等から成り、洗車機本体1に進入する被洗浄車両CAの外面形状、前端及び後端を検知する。
【0024】
洗車機本体1の一方の側方の前面には操作パネル7が配される。操作パネル7はリモートパネル7Aと同様の操作ボタンを備え、被洗浄車両CAから降車したユーザ等の操作により洗車の受け付けや洗車条件の設定を行う。
【0025】
洗車条件の設定としてはシャンプー、ワックス掛け、撥水コート等を水洗いに追加するボタンが操作パネル7及びリモートパネル7Aに設けられる。また、高級なシャンプー、高級なワックス、高級な撥水コート、特殊なコート等を行うボタンも設けられている。さらに、フロントガード有り、フェンダーポール有り、ドアミラー有り、リヤワイパー有り、該当装備品無し等の装備品設定ボタンが設けられている。
【0026】
レール2の間にはレール2の前端及び後端近傍まで車長方向に伸びて被洗浄車両CAを積載させるコンベア(移動装置)40が設けられる。左右一対のコンベア40の前端及び後端には左右方向に伸びるシャフト41、42が設けられる。シャフト41、42は回転モータ(不図示)と接続され、回転モータの駆動によりシャフト41、42が回転する。これにより、シャフト41、42が回転するとコンベア40が回転し、コンベア40に載置される被洗浄車両CAは車長方向に移動される。
【0027】
コンベア40の間にはシャフト41、42の近傍まで車長方向に伸びる左右一対のレール32が設けられる。レール32上には回転モータと車輪(いずれも不図示)とを備えた下面洗浄装置30が載置される。回転モータの駆動により車輪がレール32上を転動して下面洗浄装置30はレール32上を前後方向に移動される。下面洗浄装置30は洗車開始前においてはスタート位置にて待機している。スタート位置は車長方向に対して、被洗浄車両CA前進限側に設定される。洗車が開始されたら下面洗浄装置30は所定のタイミングで往行の移動を開始し、折り返し位置(
図8参照)に達したら一旦停止後、スタート位置まで復行して戻る。
【0028】
また、下面洗浄装置30は複数のノズル31を備えて、ノズル31から高圧水などを噴射して被洗浄車両CAの下面を洗浄する。また、下面洗浄装置30の前後方向の移動速度は操作パネル7やリモートパネル7Aによって設定が可能である。
【0029】
上記構成により、ユーザは操作パネル7やリモートパネル7Aにて洗車機本体1の洗車条件を設定し、洗車機本体1は被洗浄車両CAの洗浄を行う。
図4に示すように、被洗浄車両CAはコンベア40の後方から進行して後輪が載置される位置まで乗り上げる。この時、洗車機本体1及び下面洗浄装置30は被洗浄車両CAのスタート位置側に配される。
【0030】
図5に示すように、洗車機本体1は移動被洗浄車両CAの前方からレール2上を移動速度Vで往行する。この時、洗車機本体1に設けた回転ブラシが被洗浄車両CAに摺動して被洗浄車両CAを洗浄する。また、コンベア40は図中、反時計回りに回転して被洗浄車両CAを載置して前方へ移動速度Cで移動させる。この時、コンベア40が回転するために被洗浄車両CAに対する洗車機本体1の相対速度(V+C)が大きく、被洗浄車両CAの上面及び側面を早く洗浄することができる。そして、被洗浄車両CAの前端が下面洗浄装置30に到達すると、下面洗浄装置30は洗浄水Wを噴射して洗浄を開始する。
【0031】
図6に示すように、下面洗浄装置30が洗浄水Wを噴射した状態を保ちながら、被洗浄車両CAはコンベア40によって前進限まで進行される。被洗浄車両CAが前進限まで進行されるとコンベア40の回転は停止する。即ち、
図5のスタート位置に配した下面洗浄装置30上を被洗浄車両CAの前端が通過した状態から
図6に示す前進限までの間、下面洗浄装置30は停止したまま洗浄する。
【0032】
図7に示すように被洗浄車両CAが前進限まで進行された後、下面洗浄装置30は移動速度Uで後方へ移動を開始して被洗浄車両CAの下面を洗浄する。この時、コンベア40の回転が停止した状態で下面洗浄装置30が移動しているため被洗浄車両CAに対する下面洗浄装置30の相対速度が小さくなる。これにより、汚れの多い被洗浄車両CAの下面を丁寧に洗浄することができる。
【0033】
また、洗車機本体1の車両センサ8によって被洗浄車両CAの後端位置が検出される。そして、下面洗浄装置30がスタート位置から走行して前進限にて停止した被洗浄車両CAの後端に到達するまでの時間が下面洗浄装置の移動速度U及び車両センサ8の検出結果に基づいて取得される。該時間が経過すると、
図8に示すように下面洗浄装置30が被洗浄車両CAの後端に到達し、下面洗浄装置30の後方への移動が停止される。
【0034】
その後、下面洗浄装置30は折り返し位置にて進行方向を反転しスタート位置まで被洗浄車両CAの下面を移動しながら洗浄する。そして洗車機本体1は復行しながら各種ブロアを用いて被洗浄車両CAを乾燥させて洗浄は終了する。
【0035】
なお、洗車機本体1の移動速度Vと下面洗浄装置30の移動速度Uとは独立の速度であるため、それぞれの速度を状況に応じて変更可能である。本実施形態においては移動速度Vは1.5〜5.0m/min程度を想定し、移動速度Uは1.5〜2.0/min程度を想定している。
【0036】
本実施形態によると、被洗浄車両CAを前後方向に移動させるコンベア40と被洗浄車両CAの下面を洗浄する下面洗浄装置30とを備えたため、洗車スペースを小さくするとともに、被洗浄車両CAの洗い残しを低減する洗車機WAを提供できる。また、移動装置40によって被洗浄車両CAが移動されているときは下面洗浄装置30が移動を停止し、被洗浄車両CAが移動を停止されているときは下面洗浄装置30が移動して洗浄するため、被洗浄車両CAの下面を丁寧に洗浄することができる。
【0037】
また、下面洗浄装置30のスタート位置を被洗浄車両CAの前進限における被洗浄車両CAの前端よりも被洗浄車両の後端側に配し、スタート位置に配した下面洗浄装置30上を被洗浄車両CAの前端が通過した状態から
図6に示す前進限までの間、下面洗浄装置30は停止したまま洗浄を行い、被洗浄車両CAが前進限に到着した際に下面洗浄装置30を後方に移動して洗浄する。これにより、下面洗浄装置30のスタート位置よりも前方に下面洗浄装置30の駆動装置等を設置し、前進限の被洗浄車両CAの下方のスペースを有効に活用することができる。
【0038】
また、被洗浄車両CAの後端を検出する車両センサ8を洗車機本体1の前部に備え、下面洗浄装置30がスタート位置から走行して前進限にて停止した被洗浄車両CAの後端に到達するまでの時間を下面洗浄装置30の移動速度Uに基づいて取得し、該時間の経過によって下面洗浄装置30の被洗浄車両CA後方への移動を停止する。これにより、簡単に下面洗浄装置30の移動を制御することができ、被洗浄車両CAの後方で下面洗浄装置30から放水されることを防止することができる。
【0039】
また、下面洗浄装置30の移動速度Uを設定可能としたため、洗車機WAの利便性が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明によると、給油所等に設置して被洗浄車両の洗車を行う洗車機に利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 洗車機本体
4 トップブラシ
5 サイドブラシ
6 ロッカーブラシ
7 操作パネル
7A リモートパネル
8 車両センサ
30 下面洗浄装置
40 コンベア(移動装置)
CA 被洗浄車両
WA 洗車機