【文献】
前川 峻志 Takashi MAEKAWA,可能性は無限大 オリジナルソーシャルネットワークの作り方,SoftwareDesign No.166,日本,(株)技術評論社,2004年 8月18日,P.126-132
【文献】
杉本 昭彦,サプライヤー動向,日経デジタルマーケティング 第46号 NIKKEI Digital Marketing,日本,日経BP社 Nikkei Business Publications,Inc.,2011年 7月25日,P.26-29
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来のSNSでは、管理人と面識のないユーザからも、グループへの参加を申請することができる。したがって、特に親しい訳ではないけれど、申請されたから何となく軽い気持ちでグループへの参加を承認してしまう問題がある。
【0009】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものである。そしてその目的は、実際に面識のあるユーザ同士からなるグループを作成するソーシャルネットワークサービスシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るソーシャルネットワークサービスシステムは、上記の課題を解決するために、
実店舗に設定されている機器と、上記実店舗の訪問者が参加可能なソーシャルネットワークサービスを運営するサーバとを含み、
上記機器は、
上記実店舗の訪問者を識別するための識別情報を取得する取得手段と、
上記取得手段が一定時間内に取得した複数の上記訪問者の上記訪問者識別情報を、互いに関連付けて上記サーバに送信する送信手段とを、を備え、
上記サーバは、
複数の上記訪問者識別情報を受信する受信手段と、
複数の上記訪問者識別情報で識別される複数の上記訪問者からなる、上記ソーシャルネットワークサービス上のグループを作成するグループ作成手段と、を備えていることを特徴としている。
【0011】
上記の構成によれば、本発明に係るソーシャルネットワークサービスシステムは、実店舗において一定時間内に複数の訪問者の訪問者識別情報を取得した場合、これらの訪問者からなるグループを作成する。実店舗において一定時間内に取得された訪問者識別情報によって識別される複数の訪問者は、実店舗を共に訪問している。したがって、本発明に係るソーシャルネットワークサービスシステムでは、実際に面識のある訪問者同士からなるグループを作成することができる。
【0012】
本発明に係るソーシャルネットワークサービスシステムでは、さらに、
上記機器は、写真シール機であり、
上記一定時間は、上記複数の訪問者による上記写真シール機の利用開始から利用終了までの任意の時間のことであることが好ましい。
【0013】
上記の構成によれば、写真シール機を一緒に利用した訪問者同士からなるグループを作成することができる。
【0014】
本発明に係るソーシャルネットワークサービスシステムでは、さらに、
上記機器は、写真シール機であり、
上記写真シール機は、
上記複数の訪問者を撮影して画像を形成する撮影手段と、
上記画像を解析した結果が、上記複数の訪問者が互いに親しい関係にあることを示す条件を満たしているか否かを判定する判定手段とをさらに備えており、
上記送信手段は、上記判定手段が上記規定の条件を満たしていると判定した場合に、上記複数の訪問者識別情報を上記機器に送信することが好ましい。
【0015】
上記の構成によれば、単に面識があるというだけではなく、実際に親しい関係がある訪問者同士からなるグループを作成することができる。
【0016】
本発明に係るソーシャルネットワークサービスシステムでは、さらに、
上記機器は、非接触型のICリーダをさらに備えており、
上記取得手段は、自身の上記訪問者識別情報が記録されたICチップを有する携帯物を上記複数の訪問者がそれぞれ上記ICリーダに近づけることによって、上記複数の訪問者識別情報を取得することが好ましい。
【0017】
上記の構成によれば、複数の訪問者識別情報を容易に取得することができる。
【0018】
本発明に係るソーシャルネットワークサービスシステムでは、さらに、
上記サーバがアクセス可能な記憶装置に複数の上記訪問者のメールアドレスが記録されており、
上記サーバは、上記グループが作成されたことを示す記述を含むメールを複数の上記訪問者の各メールアドレス宛てに送信するグループ通知手段をさらに備えていることが好ましい。
【0019】
上記の構成によれば、新たなグループが作成された事実を各訪問者が失念せずに済む。
【0020】
本発明に係るソーシャルネットワークサービスシステムでは、さらに、
上記機器は、複数の上記訪問者の上記実店舗での行動に応じた行動履歴を作成する作成手段をさらに備え、
上記送信手段は、上記行動情報を複数の上記訪問者識別情報と共に上記サーバに送信し、
上記受信手段は、複数の上記訪問者識別情報と共に上記行動情報を受信し、
上記サーバは、
上記グループの行動履歴情報の一部として、上記行動情報を記録する記録手段と、
上記グループの行動履歴情報を解析することで導出したお奨めの情報を、各上記訪問者に提示する提示手段と、を備えていることが好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、グループに属する各構成員に対し、共に行動した際の行動履歴に基づくお勧めの情報を提示する。したがって、各構成員に対して的確なお勧めの情報を提示することができる。
【0022】
本発明に係るソーシャルネットワークサービスシステムでは、さらに、
上記サーバがアクセス可能な記憶装置に複数の上記訪問者のメールアドレスが記録されており、
上記提示手段は、上記お奨めの店舗を示す記述を含むメールを複数の上記訪問者の各メールアドレス宛てに送信することで、上記お奨めの店舗を複数の上記訪問者に提示することが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係るソーシャルネットワークサービスシステムでは、実際に面識のあるユーザ同士からなるグループを作成することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の一実施形態に係るソーシャルネットワークサービス(SNS)システムについて図面を参照しながら説明すれば以下の通りである。
【0026】
本実施形態に係るSNSシステムは、業種の異なる複数の実店舗に設置されている機器(特許請求の範囲の「機器」に対応、以下では「設置機器」とも称する)と、各機器と通信可能に接続され、実店舗の訪問者が参加可能なSNSを運営するSNSサーバ(特許請求の範囲の「サーバ」に対応)と、を含んでいる。
【0027】
図1は本実施形態に係るSNSシステム1の全体構成を概略的に示したブロック図である。
図1に示すように、本実施形態では、アミューズメント施設、衣料品店、ドラッグストアおよび飲食店を上記業種の例として用いている。業種はこれらに限らず、たとえばカラオケ店、居酒屋、またはスポーツジムなどであってもよい。
【0028】
アミューズメント施設の各店舗には、上記設置機器として写真シール機および遊技機の少なくとも一方の機材が1台以上設置されている。各写真シール機および各遊技機は、非接触式ICカード(携帯物)および非接触式ICチップを搭載した携帯端末(携帯物)での決済、情報入力、または情報取得に対応している。
【0029】
衣料品店、ドラッグストアおよび飲食店の各店舗には、上記設置機器として、非接触式ICカード等で決済可能なレジが設置されている。また、上記設置機器として、決済以外の目的のため、個人を特定する情報(メールアドレス等)を取得するための機器が設置されていてもよい。たとえば飲食店のテーブルにそのような機器が設置されたり、または、カラオケ店ではカラオケをするための端末がそのような機器を兼ねている。
【0030】
上記非接触式ICカードは、SNSシステム1の利用契約を結んでいる各店舗において訪問者に発行されるカードである。非接触式ICカードの発行を希望する訪問者が発行に必要な個人情報(年齢、メールアドレス等)を店舗に提示すると、訪問者はシステム1のユーザとして登録される。すなわち、ICチップ内に訪問者の個人情報が登録された非接触式ICカードが訪問者に対して発行され、SNSサーバが備える個人情報テーブルに個人情報と発行された非接触式ICカードのカードIDとが登録される。
【0031】
また、携帯端末に個人情報を入力することでSNSシステム1にユーザ登録することも可能である。ユーザ登録がされると、SNSサーバが備える個人情報テーブルに個人情報が登録され、携帯端末のICチップ内にも個人情報が記録される。
【0032】
最初に各設置機器の構成について
図2を参照して説明する。
【0033】
図2は設置機器の要部構成を示すブロック図である。
図2(a)は写真シール機の要部構成を示しており、
図2(b)は遊技機の要部構成を示しており、
図2(c)はレジの要部構成を示している。
【0034】
図2(a)に示すように、写真シール機10Aは、ICカード読取部11、表示部12A、通信部13、制御部14A、および撮像部15を備えている。
【0035】
(ICカード読取部11)
ICカード読取部11は、ユーザが接近させた非接触式ICカードのICチップに記録されている各種データ(例えばカードID(特許請求の範囲の「訪問者識別情報」に対応)を読み取るリーダーである。
【0036】
(表示部12A)
表示部12Aには、ユーザを撮影するための撮影モード(カップルモード、フレンドモード、ファミリーモード等)を指定する撮影メニュー画面や合成用の画像フレームを選択して写真を編集するための編集画面といった各種画面が表示されるタッチパネル式のディスプレイである。表示部12Aには、事前接客画面や事後接客画面等も表示される。
【0037】
(通信部13)
通信部13は、SNSサーバとの間で通信を行う通信インタフェースである。
【0038】
(制御部14A)
制御部14Aは、写真シールの印刷が完了したことをトリガとして、撮影モード、ICカードの読み取り時刻、店舗名、設置場所等の各情報を作成する。制御部14Aは、ユーザが所有するICカードのカードIDおよびメールアドレスとともに、作成した各情報をSNSサーバに送信するよう通信部13を制御する(各情報は特許請求の範囲の「行動情報」に対応)。
【0039】
(撮像部15)
撮像部15は、表示部12で指定された撮影モードに応じた撮影パラメータを用いて撮影するカメラである。撮像部15は、遊技者を撮影してその画像を形成する。
【0040】
また、
図2(b)に示すように、遊技機10Bは、ICカード読取部11、通信部13、制御部14Bおよび操作パネル部17を備えている。
【0041】
ICカード読み取り部11、通信部13の機能は、写真シール機10Aが備えるICカード読取部11、通信部13の機能と同じである。
【0042】
(制御部14B)
制御部14Bは、決済のためにユーザが接近させたICカードをICカード読取部11が読み取ったことをトリガとして、カードIDの読み取り時刻、店舗名、設置場所等の各情報を作成する。また、制御部14Bは、ユーザが所有するICカードのカードIDおよびメールアドレスとともに、作成した各情報をSNSサーバに送信するよう通信部13を制御する。
【0043】
(操作パネル部17)
操作パネル部17は、遊戯者が遊技機を操作するための操作部である。
【0044】
また、
図2(c)に示すように、レジ10Cは、ICカード読取部11、表示部12C、通信部13、および制御部14Cを備えている。
【0045】
通信部13の機能は、遊技機10Bが備えるICカード読取部11および通信部13の機能と同じである。
【0046】
(表示部12C)
表示部12Cには、ユーザが注文した商品の金額が表示される。
【0047】
(制御部14C)
制御部14Cは、決済のためにユーザが接近させたICカードをICカード読取部11が読み取ったことをトリガとして、ユーザが注文した商品の金額分だけICカードの残高を減らす。そして、制御部14Cは、残高を減らすと同時に、カードIDの読み取り時刻、店舗名、店舗が属する地域の地域情報等を作成し、ユーザが所有するICカードのカードIDおよびメールアドレスとともに、作成した各情報をSNSサーバに送信するよう通信部13を制御する。
【0048】
以上、各設置機器の構成について説明したが、次に、SNSサーバの構成について
図3を参照しながら以下に説明する。
【0049】
図3は、SNSサーバの要部構成を示すブロック図である。
【0050】
図3に示すように、SNSサーバ100は、データベース110、会員登録部120、グループ作成部130、推薦部140、および通信部150を備えている。
【0051】
(データベース110)
データベース110には、SNSの会員(ユーザ)を管理する会員管理テーブルが作成されている。この会員管理テーブルには、ユーザの個人情報(カードID、メールアドレス等)が記録されている。また、データベース110には、SNSのグループを管理するグループ管理テーブルも作成されている。このグループ管理テーブルは、グループに関する各種の情報(グループ名、特性等)が記録されている。会員管理テーブルおよびグループ管理テーブルの詳細は後述する。
【0052】
(会員登録部120)
会員登録部120は、SNSシステム1の構成する機器が配置されている実店舗を訪問した訪問者を、ソーシャルネットワークサービスの会員として登録する。
【0053】
(グループ作成部130)
グループ作成部130は、実店舗を訪問したか、または、実店舗に設置されている機器を利用した、互いに面識のある複数の訪問者からなるグループを作成する。
【0054】
(推薦部140)
推薦部140は、グループ管理テーブルを解析することで、そのグループに属するユーザにお奨めの情報を導出する。推薦部140は、導出したお奨めの情報をユーザに提示するよう通信部150を制御する。推薦部140は、例えば、通信部150を介して、会員管理テーブルに登録されているユーザのメールアドレス宛てにお奨めの情報に関する記述を含むメールを送信する。
【0055】
(通信部150)
通信部150は、各店舗の設置機器で通信を行う通信インタフェースである。
【0056】
以上、SNSサーバ100の構成について説明したが、次に、携帯端末300の構成について
図4を参照しながら説明する。
図4は、携帯端末300の要部構成を示すブロック図である。
【0057】
図4に示すように、携帯端末300は、2次元コード読取部310、近接通信部320、表示部330、携帯無線通信部340および制御部350を備えている。
【0058】
(2次元コード読取部310)
2次元コード読取部310は、カメラを内部に備えており、カメラでの撮像により得られる撮像画像の2次元コードを認識する。2次元コード読取部310は、認識した2次元コードから文字列をデコードする。
【0059】
(近接通信部320)
近接通信部320は、ICカードリーダ/ライタとの間で通信を行う通信インタフェースであり、ユーザの個人情報を記憶した非接触ICチップを備えている。
【0060】
(表示部330)
表示部330は、お奨めの情報に関する記述を含むメールが表示されるディスプレイである。
【0061】
(携帯無線通信部340)
携帯無線通信部340は、キャリアの通信網を介して情報の送受信を行うための通信インタフェースである。
【0062】
(制御部350)
制御部350は、2次元コード読取部310〜携帯無線通信部340の各部を制御する。
【0063】
(SNSシステム1の動作について)
次に、写真シール機10Aで決済のために、携帯端末を300をICカード読取部11に近接させた場合におけるSNSシステム1の動作について
図5を参照しながら以下に説明する。
図5は、本実施形態に係るSNSシステム1の動作を示すアクティビティ図である。
【0064】
図5に示すように、遊戯者が携帯端末300を写真シール機10AのICカード読取部11に近接させると、ICカード読取部11は、近接通信部320内の非接触ICチップに登録されている遊戯者の個人情報(端末ID、メールアドレス等)を読み取る(S2)。端末IDは、遊技者を識別するための情報(訪問者識別情報)である。所定の長さの検知期間(一定期間)が満了する(S3において〔検知期間満了〕)まで、他の遊戯者が自身の携帯端末300をICカード読取部11に近接させると度にS2の処理が行われる。例えば、検知期間が満了するまでに、3人の友人同士が各自の携帯端末300をICカード読取部11に近接させると、メールアドレス等の個人情報が3人分、読み取られる。
【0065】
検知期間が満了した後、写真シールの作成(S4)が完了すると、制御部14Aは、S2にて読み取られた各人の個人情報を互いに関連づけて、通信部13を介してSNSサーバ100に送信する(S5)。さらには、各人の店舗における行動に応じた行動情報も、個人情報と共に送信する。ここでいう行動情報は、写真シールの作成時における遊技者の行動である。たとえば、写真シールの作成のために選択された撮影コース、または、合成用画像のジャンル等である。さらには、写真シール機そのものに関する情報、つまり機種名、機種ID、設置店舗名、または営業時間等も、行動情報の一種である。
【0066】
会員登録部120は、通信部150を介して各個人情報と行動情報とを受信する(S6)。次に会員登録部120は、会員管理テーブルを参照することによって、個人情報が読み取られた各遊戯者がSNSのユーザとして登録されているか否かを確認する(S8)。具体的には、各遊戯者を識別する情報が、会員管理テーブルに記録されている場合は、その遊技者は会員登録されていると判断する。
【0067】
いずれかの遊戯者がユーザ登録されていないと判定された場合(S7において〔ユーザ登録されていない人がいる〕)、会員登録部120は、ユーザ登録されていない遊戯者のメールアドレス宛てに会員登録手続き用のメールを送信する(S8)。
【0068】
S8の後、遊戯者が所有する携帯端末300は、携帯無線通信部340を介してS8にて送信されたメールを受信する(S9)。制御部350は、SNSの会員登録用の送信ボタンが押下されると、携帯無線通信部340を介して、遊戯者によって携帯端末330上で入力された会員登録用の個人情報をSNSサーバ100に送信する(S10)。なお、会員登録用サイトのURLは、S9にて受信したメールの本文に記載されている。
【0069】
S10の後、会員登録部120は、携帯端末300から送信された会員登録用の個人情報を用いて、
図6に示す会員管理テーブルに遊戯者の情報を登録する。その際、端末ID、ユーザ名、およびメールアドレスを少なくとも登録する。その後、処理はS13に進む。
【0070】
一方、全遊戯者がユーザ登録されていると判定された場合(S7において〔各人がユーザ登録されている〕)、会員登録部120は、その旨をグループ作成部130に通知する。グループ作成部130は、各遊戯者からなるグループが存在するか否かを判定する(S12)。具体的には、会員管理テーブルにおいて各遊技者の所属グループ情報を確認し、各遊技者に同じ所属グループ情報がある場合、各遊技者からなるグループが存在すると判定する。そうでない場合は、各遊技者からなるグループは存在しないと判定する。
【0071】
各遊技者からなるグループは存在しないと判定された場合(S13において〔該当グループが存在しない〕)、グループ作成部130は、各遊戯者のメールアドレス宛てにグループ登録手続き用のメールを送信する(S13)。なお、SNSサーバ100は、会員登録用メールの送信後、一定時間が経過しても、ユーザの会員登録が完了しない場合(ユーザからの会員登録用の個人情報を受信できない場合)は、S12の処理を実行する。
【0072】
S13の後、各遊戯者が所有する携帯端末300は、携帯無線通信部340を介して、S13にて送信されたメールを受信する(S14)。各携帯端末300は、メールの本文に記載されているグループ登録手続き用URLへのアクセス指示を受け付けると、携帯無線通信部340を介して当該URLのリクエストをSNSサーバ100に送信する(S15)。
【0073】
S15の後、グループ作成部130は、各携帯端末300からリクエストを受け付けた場合に、各遊戯者から構成される新規グループを作成する(S16)。具体的には、新たなグループのID(番号)を、
図6に示す会員管理テーブルにおける各遊技者(ユーザ)の所属グループ情報として登録する。また、このグループに関する情報を、
図7に示すグループ管理テーブルに登録する。このとき、グループ作成部130は、グループを作成したことを示す記述を含むメールを、各遊技者の各メールアドレス宛てに送信してもよい。これにより、新たなグループが作成された事実を各遊技者が失念せずに済む。
【0074】
グループ作成部130は、グループに関する情報をグループ管理テーブルに登録する際、少なくともそのグループのIDを登録する。さらに、グループの行動情報に基づき、グループ名や特性等を登録することもできる。たとえば行動情報の一つとして実店舗が居酒屋であることを示す情報を受信した場合、グループ名を「飲み友達」とし、さらに特性を「飲食店」として登録する。実店舗がチケット売り場であり、行動情報が、プロレスのチケットを購入したことを示す情報である場合、グループ名を「格闘技」とし、特性を「プロレス」として登録する。なお、グループ名および特定は、そのグループに所属するいずれかの遊技者が、後日、SNS上において設定してもよい。
【0075】
一方、各遊戯者で構成されるグループが存在すると判定された場合(S12において〔該当グループが存在する〕)、グループ作成部130は、グループの行動履歴情報を管理する履歴テーブルを更新する(S17)。このテーブルは、グループの行動情報を行動履歴情報として蓄積しているテーブルである。グループ作成部130は、通信部150から受け取った行動情報を、グループの行動履歴情報の一部として新たに履歴テーブルに追加する。
【0076】
次に、推薦部140は、グループの履歴テーブルを解析して、グループ管理テーブルを更新する。具体的には、グループの行動履歴の一つとして記録されている「場所」に関する情報を解析することによって、もっとも記録数の多い場所を特定する。そして、その場所をそのグループの「出現頻度の高い場所」として、グループ管理テーブルに登録する。さらに、一定期間あたりのグループの行動履歴の数を算出することによって、そのグループが行動する頻度を特定する。そして、その頻度をそのグループの「所属ユーザ同士が遊ぶ頻度」として、グループ管理テーブルに登録する。
【0077】
推薦部140は、グループ管理テーブルに登録されている、グループに関する情報を解析することで、当該グループに属する各遊戯者へのお奨め店舗情報を導出するとともにお奨め店舗情報の記述が含まれるメールを当該遊戯者のメールアドレス宛てに送信する(S18)。具体的には、まず、グループ管理テーブルから、グループに関する情報を抽出する。その際、「出現頻度の高い場所」、「所属ユーザ同士が遊ぶ頻度」、または「特性」などを抽出する。そして、これらの情報にマッチする店舗を、図示しない店舗管理テーブルから特定し、その店舗に関する情報をお奨め店舗情報として導出する。この店舗管理テーブルには、各店舗の設置場所、店舗で販売されている商品または提供されているサービスの詳細、および営業時間帯等の、店舗情報が記録されている。推薦部140は、抽出したグループ情報と一致する店舗情報を持つ店舗を、お奨めの店舗として特定する。たとえばグループIDが「1」のグループに対しては、渋谷に設置されている店舗が、お奨めの店舗である。したがって推薦部140は、このグループに属する各遊技者に対して、渋谷にある店舗をお奨めの店舗として導出する。
【0078】
以上説明したS18の処理の後、各遊戯者の携帯端末300は、当該遊戯者へのお奨め情報の記述が含まれるメールを受信し(S19)、処理を終了する。お奨め情報としては、たとえばお奨めの店舗が発行するクーポンに関する情報があるが、これに限られるものではない。
【0079】
以上のように、本実施形態に係るSNSシステム1では、複数の遊技者による写真シール機の利用開始から利用終了までの任意の一定時間内に、各遊技者が自身の携帯端末100をICカード読取部11に近接させると、これらの遊技者からなるグループを、SNS上に作成する。ここでいう「利用」は、写真シール機における1ゲームの実行の意味を含む。また、写真シール機における写真撮影の意味も含む。このグループに所属する遊技者は、互いに面識があり、かつ、実店舗において行動を共にしている。
したがってSNSシステム1は、実際に面識のあるユーザ同士からなるグループを作成することができる。つまり、従来技術のSNSシステムのように、面識の無いユーザを含むグループを作成してしまうことがない。したがって、実際の友人関係がSNS上に反映される利点がある。
【0080】
本実施形態に係るSNSシステム1では、写真シール機10Aにおいて一緒に写真を撮影した遊技者同士からなるグループを作成する。しかし、これに限らず、次のような構成も可能である。居酒屋やカラオケなどの実店舗のテーブルに、ICカード読取部11を備えた何らかの装置(たとえば決済用装置)が設置されており、複数の訪問者が入店から退店に至るまでの一連の行動のなかで、同時期に携帯端末100をICカード読取部11に近接させた場合、当該装置は各訪問者の個人情報を取得して、SNSサーバ100に送信する。これによっても、面識のある複数の訪問者からなるグループが、SNS上で作成される。
【0081】
本実施形態に係るSNSシステム1では、グループに属する各遊技者に対し、共に行動した際の行動履歴に基づく、グループに合ったお勧めの情報を提示する。したがって、各遊技者に対して的確なお勧めの情報を提示することができる。
【0082】
(写真シール機がSNSサーバに送信する行動情報のバリエーションについて)
写真シール機は、実店舗での行動情報として、写真シール機が設置されている店舗での非接触式ICカード決済の利用状況(利用回数および利用金額)を示す情報、写真シール機に備わっている赤外線通信機能の利用回数等をSNSサーバ100に送信してもよい。
【0083】
また、写真シール機は、実店舗での行動情報として、撮像画像に合成する合成用画像中の主要な色を示す色情報や撮像画像の編集にブランドコラボのスタンプを用いたか否かを示すフラグ等をSNSサーバ100に送信してもよい。
【0084】
なお、写真シールには、店舗名が符号化された2次元コードが付されていてもよい。携帯端末300では、2次元コード読取部310が写真シール上に付された2次元コードを読み取った場合に、制御部350が、行動情報として2次元コードを読み取ったことを示す情報と上記店舗名とを携帯無線通信部340を介してSNSサーバ100に送信してもよい。また、制御部350は、これらとともに、端末IDおよびメールアドレスをSNSサーバ100に送信してもよい。
【0085】
(SNSサーバ100に送信されるその他の行動情報について)
遊技機10Bは、決済のために訪問者が接近させた携帯端末300の非接触ICチップをICカード読取部11が読み取ったことをトリガとして、端末IDおよびメールアドレスとともに、「媒体」「機器種別」「機器No」「設置場所」「設置店舗名」「非接触ICカードの読み取り時間」を実店舗での行動情報としてSNSサーバ100に送信してもよい。
【0086】
また、遊技機10Bとしてクレーンゲーム機を採用してもよく、クレーンゲーム機内の景品には、店舗名が符号化された2次元コードが記載されたタグが付けられていてもよい。携帯端末300では、2次元コード読取部310が2次元コードを読み取った場合に、制御部350が、行動情報として、2次元コードを読み取ったことを示す情報と上記店舗名とを携帯無線通信部340を介してSNSサーバ100に送信してもよい。また、制御部350は、これらとともに、端末IDおよびメールアドレスをSNSサーバ100に送信してもよい。
【0087】
ドラッグストアや衣料品店等に設置されているレジ10Cは、決済のために訪問者が接近させた携帯端末300の非接触ICチップをICカード読取部11が読み取ったことをトリガとして、端末IDおよびメールアドレスとともに、実店舗での行動情報として、レシート情報や購入タグ情報等をSNSサーバ100に送信してもよい。
【0088】
また、店舗が管理する店舗サーバ(図示せず)は、広告メールやアンケートメール等のメールを店舗の利用者の携帯端末300に配信してもよい。利用者が広告メールを開くと、携帯端末300は広告メールにアクセスした旨を示す返信メールをサーバに返信してもよい。この場合、返信メールを受信した店舗サーバは、利用者のメールアドレスとともに、行動情報として、広告メールにアクセスした旨を示す情報をSNSサーバ100に送信してもよい。
【0089】
また、利用者がアンケートメールに回答を記載して返信した場合、返信メールを受信した店舗サーバは、利用者のメールアドレスととともに、行動情報として、アンケートメールに対する回答をSNSサーバ100に送信してもよい。
【0090】
携帯端末300は、雑誌の広告ページに印刷されている2次元コード(具体的には、広告商品を販売している店舗名が符号化された2次元コード)を読み取った場合に、端末IDおよびメールアドレスとともに、行動情報として、2次元コードを読み取ったことを示す情報と上記店舗名とをSNSサーバ100に送信してもよい。
【0091】
(付記事項1)
写真シール機10Aの表示部12Aには、1人以上の各ユーザに対して当該ユーザのこれまでの行動に応じた様々なメッセージが表示されてもよい。例えば、カップルに対してそのカップルのこれまでの行動に応じたメッセージが表示されてもよい。例えば、写真シール機を利用する直前にカップル向け飲食店を利用した(レジ10Cで決済を行った)結果、写真シール機がお奨め情報として提示され、カップルがお奨め情報に従って写真シール機に誘導された場合、
図8(a)に示すようなメッセージが表示されてもよい。
【0092】
また、写真シール機10Aでの写真シール作成後に、カップルが所有する携帯端末300の表示部330には、
図8(b)に示すようなアンケートが表示されてもよい。アンケートの回答を受信したSNSサーバ100は回答の結果に応じて、お奨め店舗として異なる店舗を提示してもよい。お奨め店舗は、例えば、
図8(c)に示すように、カップルが所有する携帯端末300の表示部330に表示される。なお、アンケートおよびお奨め店舗は、カップルが所有する携帯端末300の表示部330ではなく写真シール機10Aの表示部12Aに表示されてもよい。
【0093】
(付記事項2)
SNSサーバ100は、グループに属するユーザが訪問を希望すると想定される店舗(「ユーザ希望の店舗」)を解析してその店舗をお奨め店舗として提示するが、SNSサーバ100が、それ以外の基準でお奨めの店舗を提示してもよい。
【0094】
例えば、SNSサーバ100は、店舗Aの各訪問者に対して、店舗Aが希望する店舗B(店舗希望の店舗)をお奨めの店舗として提示してもよい。店舗Bとしては、例えば、利益を上げることで店舗Aにもなんらかの利益があるような店舗が挙げられる。
【0095】
また、SNSサーバ100は、お勧めの店舗を所定の数だけ提示する場合、「ユーザ希望の店舗」「店舗希望の店舗」「類似案」「シーズ案」の優先順位でお奨めの店舗を提示してもよい。
【0096】
また、データベース110のグループ管理テーブルには、グループごとに各店舗の利用頻度が記録されてもよい。なお、グループの各店舗の利用頻度は、そのグループの行動履歴テーブルを参照することで導出可能である。
【0097】
また、グループごとに、行動履歴テーブルだけでなく推奨情報提示履歴テーブルが記録されていてもよい。推薦部140がユーザに提示するお奨め店舗を導出するたびに、その店舗の情報が推奨情報提示履歴テーブルの最新レコードとして記録される。
【0098】
(付記事項3)
SNSサーバ100は、ユーザの店舗での購入商品を解析することで、そのユーザが誰と行動を共にしているかを推定し、推定結果に応じた写真シール機をお奨め情報として提示してもよい。例えば、女性ユーザが衣料品店で女性服と子供服とを購入した場合に、行動情報に含まれているレシート情報を参照して女性がその子供と行動を共にしていると推定し、ファミリー向けの写真シール機をお奨めの情報として提示してもよい。
【0099】
また、ユーザがある地域(例えば「渋谷」)のある業種の店舗(例えば衣料品店)を利用し、その地域の別の業種の店舗(例えばドラッグストア)を利用した場合に、各店舗で行動情報が行動履歴として記録されることになるが、SNSサーバ100は、その地域のさらに別の業種(例えば、アミューズメント業)の店舗をお奨め店舗として提示することになる。
【0100】
(付記事項4)
レジ10CがSNSサーバ100に送信する行動情報には、共に行動しているグループの人数(例えば5人)、性別の内訳(例えば男性3人女性2人)、アンケートの回答内容(例えば、共に行動しているグループの人数、他の人とどういう関係にあるか(カップル、友人)、性別など)等が含まれていてもよい。グループの人数、性別等の情報は、店舗の店員によってグループの来店時に記録され、グループがレジ10Cにて決済を行う際に、店舗の店員によってレジ10Cに入力されてもよい。
【0101】
店舗のレジ10Cで2台の携帯端末300を用いた決済処理が行われた場合(すなわち、2人で決済を行った場合)には、レジ10Cは、各携帯端末300から読み取った2組の端末IDおよびメールアドレスと行動情報とをSNSサーバ100に送信してもよい。
【0102】
(付記事項5)
写真シール機10Aは、遊戯開始の際に、SNSサーバ100に送信する各遊戯者の個人情報(端末ID、メールアドレス)を各遊戯者が所有する携帯端末300から読み出すものとしたが、本発明はこれに限られない。すなわち、写真シール機10Aは、遊戯開始の際に、表示部12Aを用いた各遊戯者のメールアドレスの入力を受け付け、各メールアドレスをSNSサーバ100に送信してもよい。
【0103】
図9は、この場合における店舗誘導システムの動作を示すアクティビティ図である。
図9に示すように、最初に、写真シール機10Aは、1人分または複数人分のメールアドレスの入力を受け付ける(S1’)ようになっているが、S4以降の処理は
図5のS4以降の処理と同じである。
【0104】
(付記事項6)
写真シール機10Aは、撮像部15が撮像した遊技者の画像を解析し、その解析結果に基づき遊技者同士が友人であるか否かを判定してもよい。その際の処理を
図10に示す。
【0105】
図10に示すように、制御部14Aは、画像を解析した結果が、複数の遊技者が互いに親しい関係にあることを示す規定の条件を満たしているか否かを判定する。その際、遊技社の表情やポーズを解析するが、解析の対象はこれらに限られるものではない。具体的には、まず、各遊技者の撮影距離が近いか否かを判定する(S20)。近くないと判定した場合、
図10に示す処理を終了する。一方、近いと判定した場合、次に、各遊技者の表情がくだけているか否か(たとえば笑顔等になっているか否か)を判定する(S21)。くだけていないと判定した場合、
図10に示す処理を終了する。一方、くだけていると判定した場合、次に、各遊技者のポーズが大胆であるか否かを判定する(S22)。大胆ではないと判定した場合、
図10に示した処理を終了する。一方、大胆であると判定した場合、各遊技者が友人同士であると判断する(S23)。
【0106】
通信13は、各遊技者が友人同士であると判断された場合に、各遊技者の個人情報を互いに関連付けてSNSサーバ100に送信する。一方、友人同士であると判断されない場合には、各遊技者の個人情報をSNSサーバ100に送らない。この結果、SNSシステム1は、単に面識があるというだけではなく、実際に親しい関係がある遊技者同士からなるグループを作成することができる。
【0107】
(付記事項7)
各ユーザは、SNS上で事前に各個人のプロフィール(生年月日、性別、血液型、地元、趣味など)を登録することができる。これらの情報を使って、次のような処理が可能である。グループ内のいずれかのユーザが誕生日の際、その事実を示すメールを当該グループの全ユーザに送信する。また、このグループに属する各ユーザが共に行動し、いずれかの実店舗を訪問して、携帯端末100をICカード読取部11に近接させた際には、誕生日コンテンツなどの特別なプレゼントを提供する。また、SNS上で登録したプロフィールを解析し、グループ内において互いに趣味が近いと判定した各ユーザに対して、その趣味に合った実店舗を紹介したり、またはその実店舗に関する情報を提示したりすることができる。また、SNS上で登録したプロフィールを解析し、グループ内において地元(田舎)や血液型が同じと判定したユーザに対して、写真シール機10Aを利用する際にご当地フレームなどのスペシャルコンテンツを提供する。
【0108】
また、複数の遊技者が写真シール機10Aで写真を撮影する際、誕生日スタンプまたは記念日スタンプを使用した結果、SNSサーバ1が、これら複数の遊技者からなるグループを作成した場合、SNSサーバ1が、当該グループを構成する各遊技者に対して誕生日または記念日にその旨を知らせるメールを送信したり、携帯端末1が、近接通信部320を介して各遊技者にお奨めの店舗を紹介したりすることが可能になる。
【0109】
(付記事項8)
ユーザは、SNS上で、写真シール機10Aの、編集コンテンツ(背景、写真分割、レイアウト等)を事前に登録することができる。この場合、遊技場における撮影編集時間を短縮することができるので、ユーザは、時間を気にせずに、納得のいく写真に仕上げることができる。
【0110】
(付記事項9)
SNSシステム1は、グループに属するいずれかのユーザに携帯端末のGPS機能を使用することによって、推薦された店舗の位置情報を、各ユーザに通知することができる。または、自社の撮影装置を優先的にユーザに推薦することもできる。
【0111】
(付記事項10)
SNSシステムでは、グループに所属する各ユーザの個別の行動情報を取得し、個別の行動履歴を記録してもよい。また、そのようなユーザごとの行動履歴に基づき、グループ内の各ユーザに対して行動履歴に基づく何らかの情報を提示してもよい。たとえば、ユーザごとに行動履歴に基づき、あるグループ内で写真シール機での撮影頻度が高いユーザと、低いユーザとを特定し、撮影頻度が高いユーザ対してはレアフレーム等のスペシャルコンテンツを写真撮影時に提供してもよい。一方、撮影頻度の低いユーザに対しては、写真シール機に誘導できるようなコンテンツを提供したり、実店舗のクーポンを提供したり、またはグループ内の他のユーザからお誘いのメールを送信したりすることができる。
【0112】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。