特許第5664565号(P5664565)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5664565
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】扁平型電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/02 20060101AFI20150115BHJP
   H01M 2/08 20060101ALI20150115BHJP
   H01M 2/30 20060101ALI20150115BHJP
【FI】
   H01M2/02 K
   H01M2/08 K
   H01M2/30 B
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-13688(P2012-13688)
(22)【出願日】2012年1月26日
(65)【公開番号】特開2013-152883(P2013-152883A)
(43)【公開日】2013年8月8日
【審査請求日】2014年1月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩田 康生
(72)【発明者】
【氏名】内田 安則
(72)【発明者】
【氏名】太田 忠伸
(72)【発明者】
【氏名】竹田 慎一
【審査官】 渡部 朋也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−124219(JP,A)
【文献】 特開昭55−86072(JP,A)
【文献】 特開2007−273606(JP,A)
【文献】 特開2002−343310(JP,A)
【文献】 特開平11−176400(JP,A)
【文献】 特開2006−310039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/02
H01M 2/08
H01M 2/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池要素(20)と、該電池要素(20)を収納する収納ユニット(30)とを備えた扁平型電池であって、
上記収納ユニット(30)は、
導電性の正極側プレート(32)と、負極側プレート(34)とを備え、上記正極側プレート(32)と上記負極側プレート(34)とにより上記電池要素(20)を収納する収納部(35)を構成するとともに、上記収納部(35)の周縁部であって上記正極側プレート(32)の外周縁部位(32b)および上記負極側プレート(34)の外周縁部位(34b)との間に絶縁シート(46)を介在させて両外周縁部位(32b,34b)を接合した接合端部(40)を構成し、
上記接合端部(40)は、上記両外周縁部位(32b,34b)を重ねて巻き込むことによって圧着・接合した巻締部(45)と、該巻締部(45)を囲むように絶縁性の樹脂を用いてインサート成形された外周縁枠体(50)と、を備えている扁平型電池。
【請求項2】
請求項1に記載の扁平型電池において、
上記接合端部(40)は、上記巻締部(45)と外周縁枠体(50)との接触する部分に接着層を介在させている、扁平型電池。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の扁平型電池において、
上記正極側プレート(32)と上記負極側プレート(34)とを合わせる方向をd1とすると、上記巻締部(45)の先端部(34d)は、上記外周縁部位(32b,34b)が上記方向d1に延びるように折曲されている扁平型電池。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の扁平型電池において、
上記正極側プレート(32)と上記負極側プレート(34)とを合わせる方向をd1とし、上記方向d1に対して直角方向をd2とすると、
上記巻締部(45B)の先端部(34Bd)は、上記正極側プレート(32B)と負極側プレート(34B)の外縁部であって、該外縁部から上記方向d2に延びるように折曲されている扁平型電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池要素を収容した扁平型電池に関する。
【背景技術】
【0002】
扁平型電池において、電池要素を電池ケースにより封止する技術が知られている(特許文献1)。電池ケースは、ケース本体部材に電池要素を収納するとともに、ケース本体部材の開口を蓋体で覆い、該ケース本体部材および蓋体の周縁部をかしめることにより電解液などの漏れを防止している。
【0003】
扁平型電池において、特に、方形の薄型のケース本体部材を用いた場合に、方形の直線部において変形しやすくシール性の低下を招き易い。こうした課題を解決するために、特許文献1の技術では、直線部にノッチ(リブ)を形成することにより、その機械的強度を高めているが、ノッチの配置や形状によって、その効果が大きく異なり、簡単な構成で優れたシール性を得ることが難しいという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−124219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記課題を踏まえ、簡単な構成で優れたシール性を得ることができる扁平型電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明は、以下の適用例として実施することができる。
【0007】
[適用例1]
適用例1は、電池要素と、該電池要素を収納する収納ユニットとを備えた扁平型電池であって、
上記収納ユニットは、
導電性の正極側プレートと、負極側プレートとを備え、上記正極側プレートと上記負極側プレートとにより上記電池要素を収納する収納部を構成するとともに、上記収納部の周縁部であって上記正極側プレートの外周縁部位および上記負極側プレートの外周縁部位との間に絶縁シートを介在させて両外周縁部位を接合した接合端部を構成し、
上記接合端部は、上記両外周縁部位を重ねて巻き込むことによって圧着・接合した巻締部と、該巻締部を囲むように絶縁性の樹脂を用いてインサート成形された外周縁枠体と、を備えている扁平型電池である。
【0008】
適用例1にかかる扁平型電池は、電池要素が収納ユニットに収納されるとともに、電池要素の電気を収納ユニットを介して外部に取り出す。収納ユニットは、正極側プレートと負極側プレートとにより構成される収納部に電池要素を収納する。また、収納ユニットは、収納部の周縁部であって正極側プレートと負極側プレートの外周縁部位に形成された接合端部により封止されている。接合端部は、巻締部と、外周縁枠体とを備えている。巻締部は、正極側プレートおよび負極側プレートの外周縁部位を重ねて巻き込むことによって圧着・接合している。さらに、外周縁枠体が巻締部をインサート成形されることで囲む。外周縁枠体は、巻締部を補強および保護するように覆って、巻締部が開くのを大きな力で防ぐとともに高いシール性を得ることができる。
【0009】
[適用例2]
適用例2において、上記接合端部は、上記巻締部と外周縁枠体との接触する部分に接着層を介在させている構成をとることができる。この構成により、巻締部は、外周縁枠体を接着層を介在させることにより、さらに強力な力で開くのを防止することができる。
【0010】
[適用例3,4]
適用例3において、上記正極側プレートと上記負極側プレートとを合わせる方向をd1とすると、上記巻締部の先端部は、上記外周縁部位が上記方向d1に延びるように折曲されている構成をとることができる。適用例4において、上記正極側プレートと上記負極側プレートとを合わせる方向をd1とし、上記方向d1に対して直角方向をd2とすると、上記巻締部の先端部は、上記正極側プレートと負極側プレートの外縁部であって、該外縁部から上記方向d2に延びるように折曲されている構成をとることができる。これらの構成により、扁平型電池の収納ユニットの内圧が大きくなっても、外周縁枠体は、巻締部の先端部に開く方向への力を加えることがなく、シール性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施例としての扁平型電池の外観を示す斜視図である。
図2図1の扁平型電池の2−2線に沿った断面図である。
図3図1の扁平型電池の3−3線に沿った断面図である。
図4】扁平型電池の組付前の状態を示す斜視図である。
図5図2の扁平型電池の上部を示す断面図である。
図6図2の扁平型電池の下部を示す断面図である。
図7】扁平型電池の組付工程を説明する説明図である。
図8】扁平型電池の組付工程を説明する説明図である。
図9図8に続く扁平型電池の組付工程を説明する説明図である。
図10図9に続く扁平型電池の組付工程を説明する説明図である。
図11図10に続く扁平型電池の組付工程を説明する説明図である。
図12】巻締工程を説明する説明図である。
図13】扁平型電池の射出工程を説明する説明図である。
図14】扁平型電池の作用を説明する説明図である。
図15】他の実施例にかかる扁平型電池の端部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(1) 扁平型電池10の構成
以下、本発明の実施の形態について、その実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施例としての扁平型電池10の外観を示す斜視図である。扁平型電池10は、電池要素20と、収納ユニット30とを備えている。
【0013】
図2図1の扁平型電池10の2−2線に沿った断面図、図3は扁平型電池10の3−3線に沿った断面図、図4は扁平型電池10の組付前の状態を示す斜視図である。図2において、電池要素20は、例えば、リチウム2次電池として充放電を担う電池ユニットであり、正負の電極用金属薄膜を、電解質を介在させて巻回して構成されている。電池要素20は、扁平で方形の電池要素本体21と、電池要素本体21の一端部から突出した正極集電箔22と、その他端部から突出した負極集電箔24とを備えている。正極集電箔22はアルミニウムから形成され、負極集電箔24は銅から形成されている。
【0014】
収納ユニット30は、例えば、アルミニウム板のプレス成形品からなる正極側プレート32および銅からなる負極側プレート34を備えている。正極側プレート32および負極側プレート34は、中央部にそれぞれ凹部を有し、各々の凹部を合わせることにより電池要素20を収納する収納部35を構成している。
【0015】
図5図2の扁平型電池10の上部を示す断面図、図6図2の扁平型電池10の下部を示す断面図である。図5において、収納ユニット30は、収納部35の周縁部に接合端部40を備えている。接合端部40は、正極側プレート32の外周縁部位32bと負極側プレート34の外周縁部位34bとにわたって設けられており、外周縁部位32bと外周縁部位34bの間に中間枠体42を介在させて外周縁部位32bに正極集電箔22を電気的に接続している。また、図6に示すように、負極集電箔24も、正極集電箔22と同様にその外周縁部位34bに電気的に接続されている。図4に示すように、負極側プレート34の外周縁部位34bには、収納凹所34cが形成されており、収納凹所34cに中間枠体42が収納されている。中間枠体42は、絶縁性の樹脂成型品であり、左右に分割した左方側枠体42Lと、右方側枠体42Rとからなる2分割品であり、これらが合わさることで電池要素20を枠内に取り囲む枠体を構成している。中間枠体42には、段部を有する集電箔保持部位43が形成されている。集電箔保持部位43の段部は、正極集電箔22を外周縁部位32bに押しつけ(図5)、負極集電箔24を外周縁部位34bに押しつけている(図6)。
【0016】
図5および図6に示すように、接合端部40は、正極側プレート32と負極側プレート34との端部を接合する巻締部45と、巻締部45をモールドするように樹脂成形された外周縁枠体50とを備えている。巻締部45は、外周縁部位32bと外周縁部位34bとの間に絶縁シート46を介在させ、外周縁部位32b,34bを重ねて巻き込むことによって圧着・接合した二重巻締により構成されている。二重巻締は、後述するように、汎用の製缶方法を利用することにより形成したものである。外周縁枠体50は、巻締部45をインサート部材とし、絶縁性の樹脂を用いたインサート成形にて構成されている。
【0017】
(2) 扁平型電池10の製造方法
次に、上記した扁平型電池10の製造方法について説明する。図7は扁平型電池10の組付工程を説明する説明図である。まず、ステップS100にて、扁平型電池10を構成する各部品、つまり電池要素20、正極側プレート32、負極側プレート34、中間枠体42および絶縁シート46を準備する。次いで、ステップS110にて、図8に示すように正極側プレート32の外周縁部位32b上に絶縁シート46を載置し、さらに正極側プレート32の正極プレート本体32aの凹部に電池要素20の電池要素本体21を入り込ませ、図示しない溶接電極により正極集電箔22を外周縁部位32bの溶接領域WFに溶接(例えば、スポット溶接)する。これにより、正極側プレート32は、外周縁部位32bにおいて電池要素20と一体となる。
【0018】
続いて、ステップS120にて、図9に示すように正極側プレート32の凹所に入り込んだ電池要素20を、負極集電箔24の側が正極側プレート32から離れるように斜めにし、負極側プレート34をその凹所が電池要素20の電池要素本体21を覆うようにセットし、溶接電極により負極集電箔24を外周縁部位34bの溶接領域WFに溶接する。これにより、負極側プレート34は電池要素20と一体となり、電池要素本体21が収納部35(図2参照)に収納される。
【0019】
続くステップS130にて、図10に示すように中間枠体42を構成する左方側枠体42Lおよび右方側枠体42Rを、正極集電箔22と外周縁部位32bとの間、および負極集電箔24(図6参照)と外周縁部位34bとの間にそれぞれ差し込み、さらに中間枠体42を負極側プレート34の収納凹所34cに位置合わせし、左方側枠体42Lおよび右方側枠体42Rをその開口側端面で接合させる。この状態で、正極側プレート32と負極側プレート34とにより中間枠体42を押圧する。これにより、電池要素20が正極側プレート32と負極側プレート34とにより収納されるとともに、中間枠体42および絶縁シート46を組み付けたサブアッシー品12Aが得られる。(図11
【0020】
次に、ステップS140にて、巻締工程を行なう。図12は巻締工程を説明する説明図である。巻締工程は、缶に蓋をする際の汎用の二重巻締方法を利用して行なう。すなわち、図12において、サブアッシー品12Aの外周縁部位32b,34bをシーミングチャック90にセットし、シーミングロール92により外周縁部位32b,34bをシーミングチャック90側に押し付けつつ回転させて、サブアッシー品12Aの全周にわたって曲げ成形することにより行なう。この場合において、図12(A),(B)に示すように、シーミングチャック90とシーミングロール92A,92Bを用いて、順次、外周縁部位32b,34bの折り返し加工を段階的に行なうことにより、図12(C)のサブアッシー品12Bに巻締部45を得ることができる。
【0021】
続いて、ステップS150にて、サブアッシー品12Bを金型にセットする。図13はサブアッシー品12を金型と共に示す説明図である。図示するように、金型は、左右の合わせ型であり、左方金型100Lと右方金型100Rとを有する。左方金型100Lと右方金型100Rは、キャビティー100Kを形成する。キャビティー100Kは、サブアッシー品12の外周縁を取り囲む。左右の金型は、キャビティー100Kの型面から突出した肩部位突起102にて、正極側プレート32の外周縁部位32b、中間枠体42および負極側プレート34の外周縁部位34bを押圧して、サブアッシー品12を保持する。こうしてサブアッシー品12Bの金型セットが完了する。続くステップS160にて、絶縁性の樹脂をキャビティー100Kに射出して、サブアッシー品12をインサート成形する。これにより、キャビティー100K内に外周縁枠体50が形成される。樹脂射出後は、樹脂が冷却硬化するまで養生冷却し、その後に型外しすることで(ステップS170)、図1に示した扁平型電池10を得ることができる。
【0022】
(3) 実施例の作用・効果
上記実施例の構成により、以下の効果を奏する。
(3)−1 図14に示すように、収納ユニット30は、収納部35の周縁部であって正極側プレート32および負極側プレート34の外周縁部位32b,34bに形成された接合端部40により封止されている。接合端部40は、正極側プレート32および負極側プレート34の外周縁部位32b,34bを重ねて巻き込んで圧着・接合した2重巻締からなる巻締部45により封止している。さらに、接合端部40は、巻締部45をインサート成形により囲んだ外周縁枠体50により、巻締部45をシールし、さらに外力に対しても補強および保護している。よって、接合端部40は、扁平型電池10の収納部35の内圧の上昇が大きくても、巻締部45および外周縁枠体50により正極側プレート32および負極側プレート34の端部が開くのを大きな力で防ぎ、高いシール性を得ることができる。
【0023】
(3)−2 図14に示すように、巻締部45の外周縁部位34bは、その先端部34dが正極側プレート32と負極側プレート34の合わせ方向d1と同方向に向くように折曲されている。このため、外周縁枠体50を介して正極側プレート32と負極側プレート34とを広げるような外力が加わった場合に、先端部34dに広げるような力F1を受けないから、シール性に優れている。
【0024】
(3)−3 図13に示すように、外周縁枠体50は、電池要素20を収納部35に収納した状態にて、巻締部45をインサート部材として、その周囲に射出成形して形成されているから、その製造も容易である。
【0025】
(4) 他の実施例
この発明は上記実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(4)−1 図15は他の実施例にかかる扁平型電池10Bの端部を示す断面図である。本実施例は、接合端部40Bの巻締部45Bの構成に特徴を有する。すなわち、巻締部45Bは、正極側プレート32Bおよび負極側プレート34Bの外周縁部位32Bb,34Bbを二重巻締により構成している。また、上記正極側プレート32Bと上記負極側プレート34Bとを合わせる方向をd1とし、上記方向d1に対して直角方向をd2とすると、先端部34Bdが外側に向かっている。したがって、扁平型電池10Bの収納ユニット30Bの内圧が大きくなっても、外周縁枠体50Bは、巻締部45Bの先端部34Bdに開く方向への力F1を加えることがなく、シール性に優れている。
【0026】
(4)−2 本実施例の接合端部は、巻締部と外周縁枠体とを化学的接着により接着力を強化した接着層を有する構成に特徴を有する。この構成を得るには、以下の工程をとる。正負極プレートの外周縁部位の表面に、カルボキシル基や、アミノ基、ヒドロキシル基等の極性官能基を付与する。すなわち、放電ガス中で発生させたプラズマにより生成したラジカルで有機物を活性化させ、その活性化有機物で外周縁部位の表面に極性官能基を付与する。そして、外周縁部位を二重巻締することにより巻締部を形成する。また、外周縁枠体を形成する射出成形の際に、外周縁枠体の形成用の絶縁性樹脂に、上記した極性官能基と相互に作用し合う接着性官能基、例えばエポキシ基を含む接着性改質剤を配合しておく。これにより、巻締部と外周縁枠体とは、極性官能基と接着性官能基との相互作用により接着でき、外周縁枠体による封止の信頼性を高めることができる。本実施例において、接着層は、サブアッシー品を図12の金型にセットする前に、巻締部に塗布することが好適である。
【0027】
(4)−3 上記実施例では、ボタン電池などの単一の扁平型電池について説明したが、これに限らず、扁平型電池を複数積層して構成される電池ユニットに適用してもよい。
【0028】
(4)−4 上記実施例では、図4に示すように中間枠体42を2分割品で構成した例について説明したが、これに限らず、電池要素の全周を囲むように一体形成されたものであってもよい。この場合には、図7のステップS120とステップS130とを逆の工程、つまり、中間枠体を電池要素にセットした後に、プレートを溶接する工程をとることができる。
【符号の説明】
【0029】
10…扁平型電池
10B…扁平型電池
12…サブアッシー品
12A…サブアッシー品
12B…サブアッシー品
20…電池要素
21…電池要素本体
22…正極集電箔
24…負極集電箔
30…収納ユニット
30B…収納ユニット
32b,34b…外周縁部位
32…正極側プレート
32a…正極プレート本体
32Bb,34Bb…外周縁部位
34…負極側プレート
34c…収納凹所
34d…先端部
34Bd…先端部
35…収納部
40…接合端部
40B…接合端部
42…中間枠体
42L…左方側枠体
42R…右方側枠体
43…集電箔保持部位
45…巻締部
45B…巻締部
46…絶縁シート
50…外周縁枠体
50B…外周縁枠体
90…シーミングチャック
90,92A,92B…シーミングロール
100K…キャビティー
100L…左方金型
100R…右方金型
102…肩部位突起
WF…溶接領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15