特許第5664620号(P5664620)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5664620
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】断熱構造および貯湯ユニット
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/00 20060101AFI20150115BHJP
   F24H 1/18 20060101ALI20150115BHJP
【FI】
   F24H9/00 E
   F24H1/18 B
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-209811(P2012-209811)
(22)【出願日】2012年9月24日
(65)【公開番号】特開2014-66370(P2014-66370A)
(43)【公開日】2014年4月17日
【審査請求日】2014年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100122286
【弁理士】
【氏名又は名称】仲倉 幸典
(74)【代理人】
【識別番号】100176463
【弁理士】
【氏名又は名称】磯江 悦子
(72)【発明者】
【氏名】佐治 慎一郎
【審査官】 正木 裕也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−96466(JP,A)
【文献】 特開2009−216263(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 9/00
F24H 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに略平行に配置されると共に温水が貯留される低温用タンク(121)および高温用タンク(122)の周囲に配置される断熱構造であって、
上記低温用、上記高温用タンク(121,122)を挟んだ一方の側方に配置される第1断熱材(21)と、
上記低温用、上記高温用タンク(121,122)を挟んだ他方の側方に配置される第2断熱材(22)と
を備え、
上記第1、上記第2断熱材(21,22)の上記低温用、上記高温用タンク(121,122)に対する相対位置は、変更可能であり、
上記第1断熱材(21)の上記低温用、上記高温用タンク(121,122)のそれぞれに対向する部分(211,212)には、それぞれ、上記低温用タンク(121)への温度センサの取付位置と、上記高温用タンク(122)への温度センサの取付位置とが、記載され、
上記第2断熱材(22)の上記低温用、上記高温用タンク(121,122)のそれぞれに対向する部分(221,222)には、それぞれ、上記低温用タンク(121)への温度センサの取付位置と、上記高温用タンク(122)への温度センサの取付位置とが、記載されていることを特徴とする断熱構造。
【請求項2】
請求項1に記載の断熱構造において、
上記第1断熱材(21)と上記第2断熱材(22)は、同一形状であることを特徴とする断熱構造。
【請求項3】
請求項1または2に記載の断熱構造において、
上記第1、上記第2断熱材(21,22)のそれぞれは、
温度センサを上記低温用、上記高温用タンク(121,122)に取り付けるための貫通孔(21a,22a)と、
この貫通孔(21a,22a)を塞ぐための蓋部(21b)と
を有することを特徴とする断熱構造。
【請求項4】
ヒートポンプユニット(101)と、
上記ヒートポンプユニット(101)で加熱された温水を貯留する低温用タンク(121)および高温用タンク(122)と、
上記低温用、上記高温用タンク(121,122)の周囲に配置される請求項1から3の何れか一つに記載の断熱構造(20)と
を備えることを特徴とする貯湯ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、低温用、高温用タンクの周囲に配置される断熱構造および貯湯ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、断熱構造としては、特開2010−112608号公報(特許文献1)に記載されたものがある。この断熱構造は、低温用タンクおよび高温用タンクの周囲に配置されるものであって、断面W字形状の第1断熱材と第2断熱材を備え、この第1、第2断熱材によって、上記2つのタンクの側方を挟む。
【0003】
上記2つのタンクには、タンクの温度を検出するための温度センサが、取り付けられる。この温度センサの取付位置は、高温用タンクと低温用タンクとでは、異なっている。
【0004】
ところで、上記タンクの設置後のメンテナンス時などにおいて、上記タンクに温度センサを取り付ける場合がある。このとき、この温度センサの取付位置を間違わないようにする必要がある。
【0005】
そこで、予め、上記各タンクにその取付位置を直接に記載することが考えられるが、この場合、耐熱性に優れたインクを用いる必要があり、コスト高となる問題があった。
【0006】
一方、上記第1、上記第2断熱材のそれぞれに、低温用タンクに対向する低温部分と、高温用タンクに対向する高温部分とを、予め設定し、上記低温部分に、低温用タンクへの温度センサの取付位置を記載し、上記高温部分に、高温用タンクへの温度センサの取付位置を記載することが考えられる。
【0007】
この場合、上記第1、上記第2断熱材のタンクに対する相対位置が、変更可能であるとすると、高温部分を低温用タンクに配置し、低温部分を高温用タンクに配置するおそれがある。このため、低温用タンクに温度センサを取り付けようとすると、間違って、高温用タンク用の取付位置に温度センサを取り付けたり、高温用タンクに温度センサを取り付けようとすると、間違って、低温用タンク用の取付位置に温度センサを取り付ける問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−112608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、この発明の課題は、低温用、高温用タンクの設置後のメンテナンス時などにおいて、温度センサを各タンクの正確な位置に取り付けることができる断熱構造および貯湯ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、この発明の断熱構造は、
互いに略平行に配置されると共に温水が貯留される低温用タンクおよび高温用タンクの周囲に配置される断熱構造であって、
上記低温用、上記高温用タンクを挟んだ一方の側方に配置される第1断熱材と、
上記低温用、上記高温用タンクを挟んだ他方の側方に配置される第2断熱材と
を備え、
上記第1、上記第2断熱材の上記低温用、上記高温用タンクに対する相対位置は、変更可能であり、
上記第1断熱材の上記低温用、上記高温用タンクのそれぞれに対向する部分には、それぞれ、上記低温用タンクへの温度センサの取付位置と、上記高温用タンクへの温度センサの取付位置とが、記載され、
上記第2断熱材の上記低温用、上記高温用タンクのそれぞれに対向する部分には、それぞれ、上記低温用タンクへの温度センサの取付位置と、上記高温用タンクへの温度センサの取付位置とが、記載されていることを特徴としている。
【0011】
この発明の断熱構造によれば、上記第1断熱材の低温用、高温用タンクのそれぞれに対向する部分には、それぞれ、低温用タンクへの温度センサの取付位置と、高温用タンクへの温度センサの取付位置とが、記載されている。上記第2断熱材の低温用、高温用タンクのそれぞれに対向する部分には、それぞれ、低温用タンクへの温度センサの取付位置と、高温用タンクへの温度センサの取付位置とが、記載されている。
【0012】
このため、上記第1、上記第2断熱材の上記タンクに対する相対位置をどのように変更しても、第1、第2断熱材のそれぞれにおいて、低温用タンクに対向する部分には、低温用タンクへの温度センサの取付位置が、記載され、高温用タンクに対向する部分には、高温用タンクへの温度センサの取付位置が、記載されることになる。
【0013】
これによって、上記低温用、高温用タンクの設置後のメンテナンス時などにおいて、各タンクに温度センサを取り付ける場合、温度センサを各タンクの正確な位置に取り付けることができる。
【0014】
また、一実施形態の断熱構造では、上記第1断熱材と上記第2断熱材は、同一形状である。
【0015】
この実施形態の断熱構造によれば、上記第1断熱材と上記第2断熱材は、同一形状であるので、第1、第2断熱材を共通化できる。これにより、第1、第2断熱材のタンクへの取り付けの手間や、第1、第2断熱材のコストを低減できる。
【0016】
また、一実施形態の断熱構造では、
上記第1、上記第2断熱材のそれぞれは、
温度センサを上記低温用、上記高温用タンクに取り付けるための貫通孔と、
この貫通孔を塞ぐための蓋部と
を有する。
【0017】
この実施形態の断熱構造によれば、上記第1、上記第2断熱材のそれぞれは、貫通孔と蓋部とを有するので、温度センサをタンクに取り付けるとき、蓋部を外し、温度センサを貫通孔に通すことで、温度センサをタンクに容易に取り付けることができる。一方、貫通孔を蓋部で塞ぐことで、タンクの放熱を防止できる。
【0018】
また、一実施形態の貯湯ユニットでは、
ヒートポンプユニットと、
上記ヒートポンプユニットで加熱された温水を貯留する低温用タンクおよび高温用タンクと、
上記低温用、上記高温用タンクの周囲に配置される上記断熱構造と
を備える。
【0019】
この実施形態の貯湯ユニットによれば、上記断熱構造を有するので、上記低温用、高温用タンクの設置後のメンテナンス時などにおいて、各タンクに温度センサを取り付ける場合、温度センサを各タンクの正確な位置に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0020】
この発明の断熱構造および貯湯ユニットによれば、上記第1断熱材の低温用、高温用タンクのそれぞれに対向する部分には、それぞれ、低温用タンクへの温度センサの取付位置と、高温用タンクへの温度センサの取付位置とが、記載されている。上記第2断熱材の低温用、高温用タンクのそれぞれに対向する部分には、それぞれ、低温用タンクへの温度センサの取付位置と、高温用タンクへの温度センサの取付位置とが、記載されている。したがって、低温用、高温用タンクの設置後のメンテナンス時などにおいて、温度センサを各タンクの正確な位置に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態の給湯ユニットを示すブロック図である。
図2】貯湯ユニットの斜視図である。
図3】貯湯ユニットのケーシングと機能部品および配管などを外した状態を示す斜視図である。
図4】断熱構造の横断面図である。
図5】断熱構造の第1断熱材側からみた側面図である。
図6】断熱構造の第2断熱材側からみた側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0023】
図1は、この発明の給湯ユニットを示すブロック図である。図1に示すように、上記貯湯ユニットは、ヒートポンプユニット101と、このヒートポンプユニット101で加熱された温水を貯留する低温用タンク121および高温用タンク122とを備えている。
【0024】
上記低温用、上記高温用タンク121,122は、略円柱形状であり、例えばステンレスからなる。低温用タンク121の頂部と高温用タンク122の底部は、接続され、タンク121,122内の水温は、低温用タンク121の底部から頂部、続いて、高温用タンク122の底部から頂部に、順に、高くなっている。
【0025】
上記高温用タンク122内の温水は、蛇口103に供給されたり、暖房用循環ポンプ123で暖房端末104に供給されたりする。この暖房端末104に供給された温水は、暖房端末104で熱を放出して、低温用タンク121内に戻る。
【0026】
上記ヒートポンプユニット101は、冷媒回路を構成する蒸発器111、圧縮機112、凝縮器113および膨張弁114を有する。凝縮器113には、沸き上げ用循環ポンプ124によって低温用タンク121内の温水が供給される。これにより、上記温水は凝縮器113で加熱された後、高温用タンク122内へ戻る。このような温水の循環は、高温用タンク122内の温水が沸き上がるまで継続する。
【0027】
図2は、貯湯ユニットの斜視図を示す。図2に示すように、上記低温用、上記高温用タンク121,122は、互いに略平行に配置され、箱形のケーシング3に収納されている。このケーシング3の前面(図2の左側)下側には、作業用開口を覆うカバー4を取り付けている。ケーシング3の底部には、上記タンク121,122を支持する脚5を配置している。
【0028】
図3は、上記貯湯ユニットのケーシング3と機能部品および配管などを外した状態を示している。図3に示すように、上記タンク121,122の周囲全体を、断熱構造20で覆っている。断熱構造20は、第1断熱材21と第2断熱材22と前面断熱材25と天部断熱材26とカバー断熱材27と底部断熱材28とを有する。これらの断熱材21,22,25,26〜28は、発泡スチロールからなる発泡成形断熱材である。
【0029】
上記天部断熱材26は、上記タンク121,122の頂部を覆う。上記カバー断熱材27は、天部断熱材26の上面を覆う。上記底部断熱材28は、上記タンク121,122の底部を覆う。
【0030】
上記前面断熱材25は、上記第1、第2断熱材21,22に渡って取り付けられる。前面断熱材25には、(図示しない)電装品箱、機能部品および配管などが取り付けられる。ここで、機能部品とは、バルブ、熱交換器などであり、配管とは、冷媒配管、給水配管、給湯配管などである。
【0031】
図4は、上記断熱構造20の横断面を示している。図4に示すように、上記低温用タンク121は、上記高温用タンク122よりも、上記前面断熱材25側に配置される。ここで、タンク121,122に関して、前面断熱材25側を「前側」とよび、前面断熱材25の反対側を「後側」とよぶ。
【0032】
上記第1断熱材21は、タンク121,122を挟んだ一方の側方に配置される。上記第2断熱材22は、タンク121,122を挟んだ他方の側方に配置される。第1、第2断熱材21,22のタンク121,122に対する相対位置は、変更可能である。
【0033】
上記第1断熱材21は、断面半円弧形状の第1部分211および第2部分212を有し、第1部分211と第2部分212とは、接続されている。上記第2断熱材22は、断面半円弧形状の第1部分221および第2部分222を有し、第1部分221と第2部分222とは、接続されている。
【0034】
上記第1断熱材21と上記第2断熱材22は、同一形状である。つまり、第1断熱材21の第1部分211と第2断熱材22の第1部分221とは、同一形状であり、第1断熱材21の第2部分212と第2断熱材22の第2部分222とは、同一形状である。これにより、第1、第2断熱材21,22を共通化できて、第1、第2断熱材21,22のタンク121,122への取り付けの手間や、第1、第2断熱材21,22のコストを低減できる。
【0035】
上記第1断熱材21の第1部分211は、高温用タンク122に対向し、第1断熱材21の第2部分212は、低温用タンク121に対向している。上記第2断熱材22の第1部分221は、低温用タンク121に対向し、第2断熱材22の第2部分222は、高温用タンク122に対向している。
【0036】
図5は、上記断熱構造20の第1断熱材21側からみた側面図を示している。図5に示すように、上記第1断熱材21の第1、第2部分211,212には、それぞれ、低温用タンク121への温度センサの取付位置と、高温用タンク122への温度センサの取付位置とが、記載されている。
【0037】
具体的に述べると、上記第1部分211の側面には、上から下へ、順に、「ウシロ TH1」「マエ TH3」「ウシロ TH2」「マエ TH4」(以下、これらを位置表示とよぶ)と記載されている。
【0038】
ここで、「マエ」とは、前面断熱材25側の「前側」を指し、「ウシロ」とは、前面断熱材25の反対側の「後側」を指す。TH1〜TH4は、4つの温度センサを示す。TH1の温度センサは、タンク121,122内の水温の最も高い部分を検出するものであり、TH4の温度センサは、タンク121,122内の水温の最も低い部分を検出するものである。TH2の温度センサは、TH3の温度センサよりも、水温の高い部分を検出するものである。つまり、「マエ TH3」「マエ TH4」は、低温用タンク121への温度センサの取付位置を指し、「ウシロ TH1」「ウシロ TH2」は、高温用タンク122への温度センサの取付位置を指す。
【0039】
上記第1部分211には、上記位置表示の横側に、貫通孔21aを設けている。この貫通孔21aは、温度センサを高温用タンク122に取り付けるための孔であり、貫通孔21aから高温用タンク122の側面が露出している。貫通孔21aの内面には、リブ21cが設けられている。このリブ21cは、上記各位置表示の真横に設けられ、リブ21cの水平位置に合わせて、温度センサが取り付けられる。
【0040】
上記貫通孔21aには、(図3に示す)蓋部21bが着脱自在に取り付けられる。これにより、温度センサを高温用タンク122に取り付けるとき、蓋部21bを外し、温度センサを貫通孔21aに通すことで、温度センサを高温用タンク122に容易に取り付けることができる。一方、貫通孔21aを蓋部21bで塞ぐことで、高温用タンク122の放熱を防止できる。
【0041】
上記第1断熱材21の上記第2部分212にも、上記第1部分211と同様に、温度センサの取付位置を指す上記位置表示、上記貫通孔21aおよび上記蓋部21bが、設けられている。
【0042】
次に、上記第1断熱材21の上記位置表示に基づいて、温度センサをタンク121,122に取り付ける方法を説明する。
【0043】
まず、上記第1部分211の位置を確認すると、第1部分211は、前面断熱材25の反対側の後側に位置する。これにより、第1部分211の位置表示のうち、「ウシロ」と記載された表示を選択する。つまり、二点鎖線の楕円で囲った「ウシロ TH1」「ウシロ TH2」を選択する。そして、この「ウシロ TH1」「ウシロ TH2」の真横の位置に、温度センサを取り付ける。したがって、温度センサを高温用タンク122の正確な位置に取り付けることができる。
【0044】
続いて、上記第2部分212の位置を確認すると、第2部分212は、前面断熱材25側の前側に位置する。これにより、第2部分212の位置表示のうち、「マエ」と記載された表示を選択する。つまり、二点鎖線の楕円で囲った「マエ TH3」「マエ TH4」を選択する。そして、この「マエ TH3」「マエ TH4」の真横の位置に、温度センサを取り付ける。したがって、温度センサを低温用タンク121の正確な位置に取り付けることができる。
【0045】
図6は、上記断熱構造20の第2断熱材22側からみた側面図を示している。図6に示すように、上記第2断熱材22の第1、第2部分221,222には、それぞれ、低温用タンク121への温度センサの取付位置と、高温用タンク122への温度センサの取付位置とが、記載されている。
【0046】
具体的に述べると、図5の上記第1断熱材21と同様に、上記第1、第2部分221,222のそれぞれの側面には、上から下へ、順に、「ウシロ TH1」「マエ TH3」「ウシロ TH2」「マエ TH4」(位置表示とよぶ)と記載されている。
【0047】
また、上記第1、第2部分221,222のそれぞれに、図5と同様に、貫通孔22a、リブ22cおよび(図示しない)蓋部が、設けられている。
【0048】
次に、上記第2断熱材22の上記位置表示に基づいて、温度センサをタンク121,122に取り付ける方法を説明する。
【0049】
まず、上記第1部分221の位置を確認すると、第1部分221は、前面断熱材25側の前側に位置する。これにより、第1部分221の位置表示のうち、「マエ」と記載された表示を選択する。つまり、二点鎖線の楕円で囲った「マエ TH3」「マエ TH4」を選択する。そして、この「マエ TH3」「マエ TH4」の真横の位置に、温度センサを取り付ける。したがって、温度センサを低温用タンク121の正確な位置に取り付けることができる。
【0050】
続いて、上記第2部分222の位置を確認すると、第2部分222は、前面断熱材25の反対側の後側に位置する。これにより、第2部分222の位置表示のうち、「ウシロ」と記載された表示を選択する。つまり、二点鎖線の楕円で囲った「ウシロ TH1」「ウシロ TH2」を選択する。そして、この「ウシロ TH1」「ウシロ TH2」の真横の位置に、温度センサを取り付ける。したがって、温度センサを高温用タンク122の正確な位置に取り付けることができる。
【0051】
上記構成の断熱構造20によれば、上記第1、上記第2断熱材21,22の上記タンク121,122に対する相対位置をどのように変更しても、第1、第2断熱材21,22のそれぞれにおいて、低温用タンク121に対向する部分には、低温用タンク121への温度センサの取付位置が、記載され、高温用タンク122に対向する部分には、高温用タンク122への温度センサの取付位置が、記載されることになる。
【0052】
これによって、上記低温用、高温用タンク121,122の設置後のメンテナンス時などにおいて、各タンク121,122に温度センサを取り付ける場合、温度センサを各タンク121,122の正確な位置に取り付けることができる。
【0053】
具体的に述べると、図5に示す第1断熱材21側で、温度センサを予めタンク121,122に取り付けた状態で、貯湯ユニットが生産出荷されたとする。そして、この貯湯ユニットを現地で設置したとき、第1断熱材21側に壁が対向すると、メンテナンス時、温度センサを確認できない問題がある。
【0054】
そこで、作業者は、図6に示す第2断熱材22側で、新たに温度センサをタンク121,122に取り付ける必要がある。このとき、作業者は、第2断熱材22に記載された取付位置(上記位置表示)に基づいて、温度センサをタンク121,122の正確な位置に取り付けることができる。
【0055】
なお、この発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態では、第1断熱材21の第1、第2部分211,212は、接続されていたが、第1部分211と第2部分212とを分割してもよい。また、第2断熱材22についても同様である。このとき、第1断熱材21の第1、第2部分211,212と第2断熱材22の第1、第2部分221,222とが、全て、タンク121,122に対する相対位置を、変更可能としてもよい。
【0056】
上記実施形態では、第1断熱材21と第2断熱材22を同一形状としたが、同一形状でなくてもよい。例えば、第1断熱材21の第1、第2部分211,212を分割構造とし、第2断熱材22の第1、第2部分221,222を一体構造としてもよい。もちろん、この逆の構成であってもよい。
【符号の説明】
【0057】
3 ケーシング
20 断熱構造
21 第1断熱材
21a 貫通孔
21b 蓋部
21c リブ
211 第1部分
212 第2部分
22 第2断熱材
22a 貫通孔
22c リブ
221 第1部分
222 第2部分
101 ヒートポンプユニット
121 低温用タンク
122 高温用タンク
図1
図2
図3
図4
図5
図6