特許第5665060号(P5665060)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5665060流体動圧軸受アセンブリ及びそれを含むモータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5665060
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】流体動圧軸受アセンブリ及びそれを含むモータ
(51)【国際特許分類】
   F16C 17/10 20060101AFI20150115BHJP
   F16C 33/10 20060101ALI20150115BHJP
   H02K 7/08 20060101ALI20150115BHJP
【FI】
   F16C17/10 A
   F16C33/10 Z
   H02K7/08 A
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-152251(P2012-152251)
(22)【出願日】2012年7月6日
(65)【公開番号】特開2013-133935(P2013-133935A)
(43)【公開日】2013年7月8日
【審査請求日】2013年9月4日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0142690
(32)【優先日】2011年12月26日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】キム、ブム チョ
【審査官】 小川 克久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−139026(JP,A)
【文献】 特開平10−196641(JP,A)
【文献】 実開昭57−115427(JP,U)
【文献】 特開昭62−231922(JP,A)
【文献】 特開2001−103707(JP,A)
【文献】 特開2008−261397(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 17/10
F16C 33/10
H02K 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部材と、
前記固定部材との間に形成される軸受間隙にオイルが充填され、前記固定部材に相対回転する回転部材と
を含み、
前記固定部材と前記回転部材とが互いに対向して軸受間隙が形成される部分には、前記固定部材及び前記回転部材のうち少なくとも一つに、前記回転部材の回転駆動時に流体動圧を形成するための、回転軸方向に並ぶ一対のラジアル動圧溝が形成され、
前記一対のラジアル動圧溝の間には、前記固定部材及び前記回転部材のうち少なくとも一つに、前記回転軸方向の一方側または他方側に流体をポンピングするための補助溝を備え
前記一対のラジアル動圧溝の間には、前記固定部材及び前記回転部材のうち少なくとも一つに、前記固定部材と前記回転部材との軸受間隙が他の部分より広く形成されることで流体圧力が相対的に低くなる溝形状のリザーバ部が備えられ、
前記補助溝は、前記リザーバ部のみに形成されるか、または前記リザーバ部と対向する相対部材のうち前記リザーバ部と対向する部分のみに形成される流体動圧軸受アセンブリ。
【請求項2】
前記補助溝はスパイラル状または螺旋状に備えられる請求項1に記載の流体動圧軸受アセンブリ。
【請求項3】
前記補助溝は、前記回転部材の回転によって、前記回転軸方向の前記一方側及び前記他方側のうち、前記一対のラジアル動圧溝が全体として流体をポンピングする方向に流体をポンピングするように備えられる請求項1または2に記載の流体動圧軸受アセンブリ。
【請求項4】
前記補助溝は周方向に沿って備えられる請求項1からの何れか1項に記載の流体動圧軸受アセンブリ。
【請求項5】
シャフトと、
前記シャフトが回転可能に挿入され、前記シャフトとの間に形成される軸受間隙にオイルが充填されるスリーブと
を含み、
前記スリーブと前記シャフトとが互いに対向して軸受間隙が形成される部分には、前記スリーブ及び前記シャフトのうち少なくとも一つに、前記シャフトの回転駆動時に流体動圧を形成するための、回転軸方向に並べられた一対のラジアル動圧溝が形成され、
前記一対のラジアル動圧溝の間には、前記スリーブ及び前記シャフトのうち少なくとも一つに、前記回転軸方向の一方側または他方側に流体をポンピングするための補助溝を備え
前記一対のラジアル動圧溝の間には、前記シャフト及び前記スリーブのうち少なくとも一つに、前記シャフトと前記スリーブとの軸受間隙が他の部分より広く形成されることで流体圧力が相対的に低くなる溝形状のリザーバ部が備えられ、
前記補助溝は、前記リザーバ部のみに形成されるか、または前記リザーバ部と対向する相対部材のうち前記リザーバ部と対向する部分のみに形成される流体動圧軸受アセンブリ。
【請求項6】
ベース部材に直接または間接的に固設されるシャフトと、
前記シャフトに回転可能に設けられ、前記シャフトとの間に形成される軸受間隙にオイルが充填されるスリーブと
を含み、
前記スリーブと前記シャフトとが互いに対向して軸受間隙が形成される部分には、前記スリーブ及び前記シャフトのうち少なくとも一つに、前記スリーブの回転駆動時に流体動圧を形成するための、回転軸方向に並べられた一対のラジアル動圧溝が形成され、
前記一対のラジアル動圧溝の間には、前記スリーブ及び前記シャフトのうち少なくとも一つに、前記回転軸方向の一方側または他方側に流体をポンピングするための補助溝を備え
前記一対のラジアル動圧溝の間には、前記シャフト及び前記スリーブのうち少なくとも一つに、前記シャフトと前記スリーブとの軸受間隙が他の部分より広く形成されることで流体圧力が相対的に低くなる溝形状のリザーバ部が備えられ、
前記補助溝は、前記リザーバ部のみに形成されるか、または前記リザーバ部と対向する相対部材のうち前記リザーバ部と対向する部分のみに形成される流体動圧軸受アセンブリ。
【請求項7】
固定部材と、前記固定部材との間に形成される軸受間隙にオイルが充填され、前記固定部材に相対回転する回転部材と、を含み、前記固定部材と前記回転部材とが互いに対向して軸受間隙が形成される部分には、前記固定部材及び前記回転部材のうち少なくとも一つに、前記回転部材の回転駆動時に流体動圧を形成するための、回転軸方向に並べられた一対のラジアル動圧溝が形成され、前記一対のラジアル動圧溝の間には、前記固定部材及び前記回転部材のうち少なくとも一つに、前記回転軸方向の一方側または他方側に流体をポンピングするための補助溝を備え、前記一対のラジアル動圧溝の間には、前記固定部材及び前記回転部材のうち少なくとも一つに、前記固定部材と前記回転部材との軸受間隙が他の部分より広く形成されることで流体圧力が相対的に低くなる溝形状のリザーバ部が備えられ、前記補助溝は、前記リザーバ部のみに形成されるか、または前記リザーバ部と対向する相対部材のうち前記リザーバ部と対向する部分のみに形成される流体動圧軸受アセンブリと、
前記固定部材または回転部材の外側方向に結合し、回転駆動力を発生させるためのコイルが巻線されるコアを備えるステータと、
前記ステータに対して回転可能に前記回転部材に固定され、前記コイルと対面するマグネットが一面に装着されるハブと、を含むスピンドルモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体動圧軸受アセンブリ及びそれを含むモータに関する。
【背景技術】
【0002】
情報保存装置の一つであるハードディスクドライブ(HDD;Hard Disk Drive)は、記録再生ヘッド(read/write head)を用いてディスクに保存されているデータを再生したり、ディスクにデータを記録する装置である。
【0003】
このようなハードディスクドライブは、ディスクを駆動させるためのディスク駆動装置を必要とし、上記ディスク駆動装置には小型のモータが用いられる。
【0004】
小型のモータには流体動圧軸受アセンブリが利用されており、上記流体動圧軸受アセンブリの回転部材と固定部材との間を一定間隔で離隔して軸受間隙を形成する。上記軸受間隙にはオイルが充填され、上記オイルから生じる流体圧力で回転部材を支持するようになる。
【0005】
一方、固定部材と回転部材とが互いに対向して軸受間隙が形成される部分には、固定部材及び回転部材のうち少なくとも一つに回転部材の回転駆動時に流体動圧を形成するための上部及び下部ラジアル動圧溝が形成される。
【0006】
この場合、上記上部及び下部ラジアル動圧溝において、全体的な流体のポンピング方向が決まらなければならない。このため、何れか一方の動圧溝の軸方向長さがより長くなければならないため、十分な軸受スパンが確保できない可能性がある。これにより、スピンドルモータの軸受剛性が影響を受けるようになり、モータの性能において問題が生じる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】日本公開特許公報第2007−107622号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の問題点を解消するためのものであって、上部及び下部ラジアル動圧溝の間に流体を一方向にポンピングするための手段をさらに備えることにより、上部及び下部ラジアル動圧溝の役割を補完して軸受スパンの長さを長く形成し、モータの回転剛性が向上されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施例による流体動圧軸受アセンブリは、固定部材と、上記固定部材との間に形成される軸受間隙にオイルが充填され、上記固定部材に相対回転する回転部材と、を含み、上記固定部材と上記回転部材とが互いに対向して軸受間隙が形成される部分には、上記固定部材及び上記回転部材のうち少なくとも一つに、上記回転部材の回転駆動時に流体動圧を形成するための上部及び下部ラジアル動圧溝が形成され、上記上部及び下部ラジアル動圧溝の間には、上記固定部材及び上記回転部材のうち少なくとも一つに、上部または下部に流体をポンピングするための補助溝を備えることができる。
【0010】
本発明の一実施例による流体動圧軸受アセンブリにおいて、上記補助溝はスパイラル状または螺旋状に備えられることができる。
【0011】
本発明の一実施例による流体動圧軸受アセンブリにおいて、上記補助溝は、上記回転部材の回転によって上記上部及び下部ラジアル動圧溝により形成される流体動圧の合力方向に流体をポンピングするように備えられることができる。
【0012】
本発明の一実施例による流体動圧軸受アセンブリにおいて、上記上部及び下部ラジアル動圧溝の間には、上記固定部材及び上記回転部材のうち少なくとも一つに、上記固定部材と上記回転部材との軸受間隙が他の部分より広く形成されるように溝形状のリザーバ部が備えられ、上記補助溝は上記リザーバ部に形成されることができる。
【0013】
本発明の一実施例による流体動圧軸受アセンブリにおいて、上記上部及び下部ラジアル動圧溝の間には、上記固定部材及び上記回転部材のうち少なくとも一つに、上記固定部材と上記回転部材との軸受間隙が他の部分より広く形成されるように溝形状のリザーバ部が備えられ、上記補助溝は上記リザーバ部と対向するように相対部材に備えられることができる。
【0014】
本発明の一実施例による流体動圧軸受アセンブリにおいて、上記補助溝は、上記軸受間隙が形成される部分のうち流体圧力が相対的に低く形成される部分に備えられることができる。
【0015】
本発明の一実施例による流体動圧軸受アセンブリにおいて、上記補助溝は、周方向に沿って備えられることができる。
【0016】
本発明の他の実施例による流体動圧軸受アセンブリは、シャフトと、上記シャフトが回転可能に挿入され、上記シャフトとの間に形成される軸受間隙にオイルが充填されるスリーブと、を含み、上記スリーブと上記シャフトとが互いに対向して軸受間隙が形成される部分には、上記スリーブ及び上記シャフトのうち少なくとも一つに、上記シャフトの回転駆動時に流体動圧を形成するための上部及び下部ラジアル動圧溝が形成され、上記上部及び下部ラジアル動圧溝の間には、上記スリーブ及び上記シャフトのうち少なくとも一つに、上部または下部に流体をポンピングするための補助溝を備えることができる。
【0017】
本発明のさらに他の実施例による流体動圧軸受アセンブリは、ベース部材に直接または間接的に固設されるシャフトと、上記シャフトに回転可能に設けられ、上記シャフトとの間に形成される軸受間隙にオイルが充填されるスリーブと、を含み、上記スリーブと上記シャフトとが互いに対向して軸受間隙が形成される部分には、上記スリーブ及び上記シャフトのうち少なくとも一つに、上記スリーブの回転駆動時に流体動圧を形成するための上部及び下部ラジアル動圧溝が形成され、上記上部及び下部ラジアル動圧溝の間には、上記スリーブ及び上記シャフトのうち少なくとも一つに、上部または下部に流体をポンピングするための補助溝を備えることができる。
【0018】
本発明の一実施例によるスピンドルモータは、固定部材と、上記固定部材との間に形成される軸受間隙にオイルが充填され、上記固定部材に相対回転する回転部材と、を含み、上記固定部材と上記回転部材とが互いに対向して軸受間隙が形成される部分には、上記固定部材及び上記回転部材のうち少なくとも一つに、上記回転部材の回転駆動時に流体動圧を形成するための上部及び下部ラジアル動圧溝が形成され、上記上部及び下部ラジアル動圧溝の間には、上記固定部材及び上記回転部材のうち少なくとも一つに、上部または下部に流体をポンピングするための補助溝を備える流体動圧軸受アセンブリと、上記固定部材または回転部材の外側方向に結合し、回転駆動力を発生させるためのコイルが巻線されるコアを備えるステータと、上記ステータに対して回転可能に上記回転部材に固定され、上記コイルと対面するマグネットが一面に装着されるハブと、を含むことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明を用いると、スピンドルモータの軸受スパンの長さを十分に確保することができるため、スピンドルモータの回転性能を向上させることができる。
【0020】
さらに、モータの構成に簡単な動圧溝を追加することにより、モータの性能を著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施例によるモータを示す概略断面図である。
図2】本発明の一実施例によるモータの一構成であるスリーブの断面斜視図である。
図3】本発明の他の実施例によるモータを示す概略断面図である。
図4】本発明の他の実施例によるモータの一構成であるシャフトの斜視図である。
図5】本発明の実施例によるモータを用いるディスク駆動装置の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳細に説明する。但し、本発明の思想は提示される実施例に制限されず、本発明の思想を理解する当業者は同一の思想の範囲内で他の構成要素の追加、変更、削除等によって、退歩的な他の発明や本発明の思想の範囲内に含まれる他の実施例を容易に提案することができ、これも本発明の思想の範囲内に含まれる。
【0023】
また、本発明を説明するにあたり、係わる公知機能あるいは構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にする可能性があると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0024】
図1は本発明の一実施例によるモータを示す概略断面図であり、図2は本発明の一実施例によるモータの一構成であるスリーブの断面斜視図である。
【0025】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施例によるモータ100は、シャフト111及びスリーブ112を含む流体動圧軸受アセンブリ110と、ハブ121を含むロータ120と、コイル132が巻線されるコア131を含むステータ130と、を含むことができる。
【0026】
流体動圧軸受アセンブリ110は、シャフト111、スリーブ112、ストッパ111a及びハブ121を含むことができ、上記ハブ121は、後述するロータ120を構成するものであると同時に、上記流体動圧軸受アセンブリ110を構成するものであることができる。
【0027】
まず、方向に関する用語を定義すると、軸方向は図1を参照して、上記シャフト111を基準として上下方向を意味し、半径方向外側及び内側方向は上記シャフト111を基準として上記ハブ121の外側端方向または上記ハブ121の外側端を基準として上記シャフト111の中心方向を意味する。
【0028】
尚、以下の説明において、回転部材はシャフト111、ハブ121を含むロータ120、これに装着されるマグネット125などを含んで回転する部材であり、固定部材は上記回転部材を除いた残りの部材であり、スリーブ112、ステータ130、ベースなどのように上記回転部材に相対的に固定されている部材である。
【0029】
また、オイルの界面で外部との連通路は、オイル界面でモータの外部と連結される通路を意味し、上記連通路を介して空気が出入りすることができる。
【0030】
上記スリーブ112は、上記シャフト111の上端が軸方向上側に突出されるように上記シャフト111を支持することができる。上記スリーブ112は、Cu−Fe系合金粉末またはSUS系粉末を焼結して形成することができる。但し、これに限定するものではなく、多様な方式で製造することができる。
【0031】
ここで、上記シャフト111は、上記スリーブ112の軸孔と微小間隙を有するように挿入され軸受間隙Cの役割をし、上記軸受間隙にはオイルが充填される。上記シャフト111の外径及び上記スリーブ112の内径のうち少なくとも一つに上下に備えられるラジアル動圧溝114により、ロータ120の回転をスムーズに支持することができる。
【0032】
上記ラジアル動圧溝114は、上記スリーブ112の軸孔の内部である上記スリーブ112の内側面に形成され、上記シャフト111の回転時、上記シャフト111が上記スリーブ112と所定間隔で離隔された状態でスムーズに回転するように圧力を形成させる。
【0033】
但し、上記ラジアル動圧溝114は、上述したように上記スリーブ112の内側面に形成されることに限定されず、上記シャフト111の外径部に形成されることも可能であり、その数も制限されないということを明らかにしておく。
【0034】
上記ラジアル動圧溝114は、ヘリングボーン状、スパイラル状及び螺旋状のうち何れか一つであることができ、ラジアル動圧を発生させる形状であればその形状は制限されない。
【0035】
上記スリーブ112には、スリーブ112の上部と下部とを連通するように形成される循環孔117が備えられ、流体動圧軸受アセンブリ110内部のオイルの圧力を分散させて平衡を維持させることができ、上記流体動圧軸受アセンブリ110の内部に存在する気泡などが循環によって排出されるように移動させることができる。
【0036】
ここで、上記スリーブ112の下端には、上記シャフト111の下端部に半径方向外側に突出されるように備えられるストッパ111aが備えられ、ストッパ111aが上記スリーブ112の下端面に係止されてシャフト111及びロータ120の浮上を制限することができる。
【0037】
一方、本発明の一実施例において、固定部材に該当する上記スリーブ112の内周面または回転部材に該当する上記シャフト111の外周面には、少なくとも一つの補助溝116が備えられることができる。勿論、上記補助溝116は、上下に備えられる上記ラジアル動圧溝114の間に備えられることができる。但し、ラジアル動圧溝114が備えられる部材に補助溝116がさらに備えられたり、ラジアル動圧溝114が備えられていない部材に備えられることができる。上記補助溝116は、スパイラル状または螺旋状に備えられることができる。図面には補助溝116がスリーブ112に備えられることのみが図示されたが、上述したように、これに限定するものではない。
【0038】
また、上記補助溝116は、上記シャフト111の回転によって上記上部及び下部ラジアル動圧溝114により形成される流体動圧の合力方向に流体をポンピングするために備えられることができる。
【0039】
図2に示されたように、スピンドルモータは流体軸受を活用する。通常、回転の安定性のために上下に一対のラジアル動圧溝114を備え、二つの流体軸受が形成されるようにすることができる。但し、流体動圧軸受を用いるモータの場合は、回転部材が一定高さに浮上して底板(本実施例ではカバー部材113)と接触しない状態で回転されるようにしなければならないため、持続的に流体を軸方向下側にポンピングしなければならない。
【0040】
従って、図2に図示されたヘリングボーン状のラジアル動圧溝114のうち上部ラジアル動圧溝の上部羽根(114a、斜線に形成される羽根のうち軸方向上側のもの)のポンピング力がもっとも強く形成されるようにしなければならず、通常、羽根の長さをもっとも長く形成してこれを解決している。このような理由から、上部ラジアル動圧溝114の上部羽根114aと下部羽根114bとが接する角部分の軸受中心114cが軸方向下側に移動されるしかないため、軸受スパン(上部ラジアル動圧溝の軸受中心と下部ラジアル動圧溝の軸受中心との間の距離)の長さが多少短くなる。
【0041】
しかし、上部ラジアル動圧溝と下部ラジアル動圧溝との間に補助溝116をさらに備えて流体のポンピングを補完すると、上部ラジアル動圧溝の上部羽根の長さが多少短くなっても、モータの性能発現において問題とならないため軸受スパンの長さが長くなることができる。これによりモータの軸受剛性が強くなるため、回転部材の安定した回転が可能で、モータの性能が向上されることができる。
【0042】
一方、上記上部及び下部ラジアル動圧溝114の間には、上記スリーブ112及び上記シャフト111のうち少なくとも一つに、上記スリーブ112と上記シャフト111との軸受間隙が他の部分より広く形成されるように、溝形状のリザーバ部115が備えられることができる。この場合、上記補助溝116は上記リザーバ部115または上記リザーバ部115と対向する相対部材に備えられることができる。図面には上記リザーバ部115がスリーブ112の内周面に周方向に備えられることが図示されたが、これに限定するものではなく、上記リザーバ部はシャフト111の外周面に周方向に備えられることができる。
【0043】
また、上記補助溝116は、上記軸受間隙が形成される部分のうち流体圧力が相対的に低く形成される部分に備えられることができる。その代表的な例が上述のリザーバ部115に該当する。上記補助溝116は、流体のポンピングを補助する役割をするものであり、ポンピング力が過度に高くなることは好ましくないため、流体圧力が比較的低く形成されてポンピング力が一定水準以上に高くならないようにすることができる。
【0044】
一方、上記スリーブ112の軸方向下部には、間隙を維持した状態で上記スリーブ112と結合し、上記間隙にオイルを収容するカバー部材113が結合されることができる。
【0045】
上記カバー部材113は、上記スリーブ112との間の間隙にオイルを収容し、それ自体で上記シャフト111の下面を支持する軸受としての機能をすることができる。
【0046】
ハブ121は、シャフト111と結合し、上記シャフト111と連動して回転する回転部材として流体動圧軸受アセンブリ110を構成するものであると同時に、ロータ120を構成することができるため、以下、ロータ120において詳細に説明する。
【0047】
ロータ120は、ステータ130に対して回転可能に備えられる回転構造物であり、後述するコア131と一定間隔を置いて互いに対応する環状のマグネット125を外周面に備えるハブ121を含むことができる。
【0048】
換言すれば、上記ハブ121は、上記シャフト111に結合されて上記シャフト111と連動して回転する回転部材であることができる。
【0049】
ここで、上記マグネット125は周方向にN極、S極が交互に着磁され、一定強さの磁気力を発生させる永久磁石として備えられることができる。
【0050】
また、上記ハブ121は、シャフト111の上端に固定されるようにする第1円筒状壁部122と、上記第1円筒状壁部122の端部から半径方向外側に延長形成される円板部123と、上記円板部123の半径方向外側の端部から下向きに突出される第2円筒状壁部124と、を含むことができ、上記第2円筒状壁部124の内周面には上記マグネット125が結合されることができる。
【0051】
上記ハブ121は、上記スリーブ112の上側外側部と対応するように軸方向下側に延長形成される周壁部126を備えることができる。
【0052】
また、上記周壁部126の内周面はテーパ状に形成され、上記スリーブ112の外側面との間隔が軸方向下部に向かって次第に広くなるようにして、オイルのシールを容易にすることができる。また、上記スリーブ112の外周面をテーパ状に形成して、オイルのシールを容易にすることもできる。
【0053】
ステータ130は、コイル132と、コア131と、ベース部材133と、を含むことができる。
【0054】
換言すれば、上記ステータ130は、電源が印加される際に一定の大きさの電磁気力を発生させるコイル132と、上記コイル132が巻線される複数個のコア131と、を備える固定構造物である。
【0055】
上記コア131は、パターン回路が印刷された印刷回路基板(不図示)が備えられるベース部材133の上部に固定配置され、上記巻線コイル132と対応するベース部材133の上面には、上記巻線コイル132を下部に露出させるために一定サイズのコイル孔が複数個貫通形成されることができる。また、上記巻線コイル132は、外部電源が供給されるように上記印刷回路基板(不図示)と電気的に連結されることができる。
【0056】
上記ベース部材133には、上記スリーブ112の外周面が固定され、上記コイル132が巻線されるコア131が挿入されることができ、上記ベース部材133の内面または上記スリーブ112の外面に接着剤を塗布して組み立てられることができる。
【0057】
図3は本発明の他の実施例によるモータを示す概略断面図であり、図4は本発明の他の実施例によるモータの一構成であるシャフトの斜視図である。
【0058】
図3及び図4を参照すると、本発明の他の実施例によるスピンドルモータ200は、ベース部材210と、下部スラスト部材220と、シャフト230と、スリーブ240と、ロータハブ250と、上部スラスト部材260と、を含んで構成されることができる。
【0059】
ここで、流体動圧軸受アセンブリは、シャフト230、スリーブ240、上、下部スラスト部材220、260及びロータハブ250を含む構成であることができる。
【0060】
ここで、まず、方向に関する用語を定義すると、軸方向は図3を参照して、上、下方向、即ちシャフト230の下部側から上部側に向かう方向またはシャフト230の上部側から下部側に向かう方向を意味し、半径方向は図3を参照して、左、右方向、即ちシャフト230からロータハブ250の外周面に向かう方向またはロータハブ250の外周面からシャフト230に向かう方向を意味し、周方向は回転中心から所定距離で離隔する半径を有する円の円周に沿って回転される方向を意味する。
【0061】
尚、以下の説明において、回転部材はスリーブ240、ロータハブ250及びこれに装着されるマグネット280などを含んで回転する部材であり、固定部材は上記回転部材を除いた残りの部材であり、シャフト230、上、下部スラスト部材220、260及びベース部材210などのように上記回転部材に相対的に固定されている部材である。
【0062】
ベース部材210は、ロータハブ250とともに所定空間を形成するように装着溝212を備えることができる。また、ベース部材210は、軸方向上部側に延長形成され、外周面にステータコア202が設けられる結合部214を備えることができる。
【0063】
また、結合部214の外周面には、ステータコア202が載置されて設けられるように載置面214aが備えられ、結合部214に載置されたステータコア202は上記のベース部材210の装着溝212の上部に配置されることができる。
【0064】
シャフト230はベース部材210に固設される。即ち、シャフト230の下端部がベース部材210に形成された設置孔210aに挿入されるように設けられることができる。また、シャフト230の下端部は、ベース部材210の内部面と接着剤または/及び熔接によって接合されることができる。これにより、シャフト230が固定されることができる。
【0065】
一方、シャフト230は、以下に説明する上部及び下部スラスト部材260、220、ベース部材210とともに固定部材、即ち、ステータに含まれる構成であることができる。
【0066】
シャフト230の上面には、蓋部材(不図示)を固設するための結合手段、例えば、ネジが締結されるネジ部が備えられることができる。
【0067】
スリーブ240はシャフト230に回転可能に設けられることができる。このために、スリーブ240は、シャフト230が挿入される貫通孔に備えられる軸受部を備えることができる。一方、スリーブ240がシャフト230に設けられる場合、スリーブ240の内周面とシャフト230の外周面とは所定間隔で離隔配置されて軸受間隙Bを形成し、この軸受間隙Bに潤滑流体が充填される。
【0068】
尚、上記スリーブ240は、以下に説明する上部及び下部スラスト部材260、220が収納される上部及び下部溝部を備えることができる。上記上部及び下部溝部は、それぞれ溝部底面及び溝部側壁によって形成されることができる。本実施例における溝部底面という用語は、上記溝部において軸方向と垂直に形成される面を意味し、溝部側壁は上記軸方向と平行に形成される面を意味する。
【0069】
また、スリーブ240の内部面には、スリーブ240の回転時、軸受間隙Bに充填された潤滑流体を媒介として流体動圧を発生させるためのラジアル動圧溝241が形成されることができる。即ち、ラジアル動圧溝241は図3に図示されたように、上部と下部に備えられることができる。
【0070】
但し、ラジアル動圧溝は、スリーブ240の内部面に形成される場合に限定されず、シャフト230の外周面に形成されることもでき、ヘリングボーン状、スパイラル状、螺旋状などの多様な形状に備えられることができる。
【0071】
また、上記スリーブ240は、上記スリーブ240の上部溝部と下部溝部とを連通する循環孔247をさらに備えることができる。上記循環孔247は、軸受間隙Bの潤滑流体に含まれた気泡を外部に排出することができ、潤滑流体の循環を容易にすることができる。
【0072】
一方、本発明の他の実施例において、固定部材に該当する上記シャフト230の外周面または回転部材に該当する上記スリーブ240の外周面には、少なくとも一つの補助溝233が備えられることができる。勿論、上記補助溝233は、上下に備えられる上記ラジアル動圧溝241の間に備えられることができる。但し、ラジアル動圧溝241が備えられる部材に補助溝233がさらに備えられたり、ラジアル動圧溝241が備えられていない部材に備えられることができる。上記補助溝233は、スパイラル状または螺旋状に備えられることができる。図面には補助溝233がシャフト230に備えられることのみが図示されたが、上述したように、これに限定するものではない。
【0073】
また、上記補助溝233は、上記スリーブ240の回転により、上記上部及び下部ラジアル動圧溝241によって形成される流体動圧の合力方向に流体をポンピングするために備えられることができる。
【0074】
スピンドルモータは流体軸受を活用するようになり、通常、回転の安定性のために上下に一対のラジアル動圧溝241を備えて、二つの流体軸受が形成されるようにすることができる。但し、流体動圧軸受を用いるモータの場合は、回転部材が一定高さに浮上して底板(本実施例ではベース部材210)と接触しない状態で回転されるようにしなければならないため、持続的に流体を軸方向下側にポンピングしなければならない。
【0075】
このため、ヘリングボーン状のラジアル動圧溝241を例に取ると、上部ラジアル動圧溝の上部羽根(斜線に形成される羽根のうち軸方向上側のもの)のポンピング力がもっとも強く形成されるようにしなければならず、通常、羽根の長さをもっとも長く形成してこれを解決している。このような理由から、上部ラジアル動圧溝の上部羽根と下部羽根(斜線に形成される羽根のうち軸方向下側のもの)とが接する角部分の軸受中心が軸方向下側に移動されるしかないため、軸受スパン(上部ラジアル動圧溝の軸受中心と下部ラジアル動圧溝の軸受中心との間の距離)の長さが多少短くなる。
【0076】
しかし、上部ラジアル動圧溝と下部ラジアル動圧溝との間に補助溝233をさらに備えて流体のポンピングを補完すると、上部ラジアル動圧溝の上部羽根の長さが多少短くなっても、モータの性能発現において問題とならないため軸受スパンの長さが長くなることができる。これによりモータの軸受剛性が強くなるため、回転部材の安定した回転が可能で、モータの性能が向上されることができる。
【0077】
一方、上記上部及び下部ラジアル動圧溝241の間には、上記スリーブ240及び上記シャフト230のうち少なくとも一つに、上記スリーブ240と上記シャフト230との軸受間隙が他の部分より広く形成されるように、溝形状のリザーバ部231が備えられることができる。この場合、上記補助溝233は上記リザーバ部231または上記リザーバ部231と対向する相対部材に備えられることができる。図面には上記リザーバ部231がシャフト230の外周面に周方向に備えられることが図示されたが、これに限定するものではなく、上記リザーバ部はスリーブ240の内周面に周方向に備えられることができる。
【0078】
また、上記補助溝233は、上記軸受間隙が形成される部分のうち流体圧力が相対的に低く形成される部分に備えられることができる。その代表的な例が上述のリザーバ部231に該当する。上記補助溝233は、流体のポンピングを補助する役割をするものであり、ポンピング力が過度に高くなることは好ましくないため、比較的流体圧力が低く形成されてポンピング力が一定水準以上に高くならないようにすることができる。
【0079】
ロータハブ250は、スリーブ240に結合されてスリーブ240と連動して回転される。
【0080】
ロータハブ250は、スリーブ240が内部に挿入配置される挿入部252aが形成されたロータハブボディー252と、ロータハブボディー252の端から延長形成され、内部面にマグネットアセンブリ280が装着される装着部254と、装着部254の端から半径方向外側に向かって延長形成される延長部256と、を備えることができる。
【0081】
一方、ロータハブボディー252の内部面は、スリーブ240の外部面に接合されることができる。即ち、スリーブ240の接合面にロータハブボディー252の内部面が接着剤または/及び熔接によって接合されることができる。また、圧入結合も可能である。
【0082】
これにより、ロータハブ250の回転時、スリーブ240がロータハブ250とともに回転されることができる。
【0083】
また、装着部254は、ロータハブボディー252から軸方向下側に向かって延長形成され、装着部254の内部面にはマグネットアセンブリ280が固設されることができる。
【0084】
一方、マグネットアセンブリ280は、装着部254の内部面に固設されるヨーク282と、ヨーク282の内周面に設けられるマグネット284と、で構成されることができる。
【0085】
ヨーク282は、マグネット284からの磁場がステータコア202に向かうようにして、磁束密度を増加させる役割をする。一方、ヨーク282は、円形の環状を有することができ、マグネット284から発生する磁場による磁束密度を向上させるために、一端部が折り曲げられた形状を有するように形成されることができる。
【0086】
マグネット284は環状を有することができ、周方向に沿ってN極、S極が交互に着磁され、一定強さの磁場を発生させる永久磁石であることができる。
【0087】
一方、マグネット284は、コイル201が巻線されるステータコア202の先端に対向配置され、コイル201が巻線されたステータコア202との電磁気的相互作用により、ロータハブ250を回転させるための駆動力を発生させる。
【0088】
即ち、コイル201に電源が供給されると、コイル201が巻線されたステータコア202とこれに対向配置されるマグネット284との電磁気的相互作用により、ロータハブ250を回転させる駆動力が発生し、これにより、ロータハブ250がスリーブ240と連動して回転されることができる。
【0089】
上部スラスト部材260はシャフト230の上端部に固設され、スリーブ240の上部溝部側壁とともに上部気液界面F3を形成する。上部スラスト部材260は、内部面がシャフト230に接合される内側面262と、上記上部スラスト部材260の半径方向外側に備えられ、上記上部溝部側壁とともに気液界面を形成する外側面264と、を含むことができる。ここで、上記外側面264は、上部側の外径が下部側の外径より小さく形成される上部傾斜部261に備えられることができる。
【0090】
一方、上部スラスト部材260の底面または上部スラスト部材260の底面に対向配置されるスリーブ240の上部溝部底面のうち少なくとも一つには、スラスト動圧を発生させるためのスラスト動圧溝が形成されることができる。本発明において、上記スラスト動圧溝は、上記スリーブ240に循環孔247が備えられていない場合には、半径方向に備えられる全ての方式のスラスト動圧溝を含む。例えば、半径方向に一つまたは二つ以上が備えられる場合を全て含む。一方、本発明において、上記スリーブ240に循環孔247が備えられる場合には、上記循環孔247を基準に半径方向内側に備えられるスラスト動圧溝のみを意味することができる。
【0091】
また、上部スラスト部材260の上部には、軸受間隙Bに充填される潤滑流体が上部側に漏れることを防止するシール部材として上部キャップ291が備えられることができる。上記上部キャップ291は、上記上部溝部を軸方向上部で仕上げることにより、上記上部溝部を介して潤滑流体が飛散して漏れることを防止する役割をすることができる。即ち、上記上部キャップ291は、スリーブ240の上部溝部側壁に圧入または接着剤結合方式により固定されることができ、シャフト230が上部に突出されるように備えられる上部キャップ291の軸孔とシャフト230との間隙の間隔を狭く形成することにより、蒸発された潤滑流体を含む空気が外部に流出されることを抑制し、軸受間隙Bに充填される潤滑流体の減少を抑制することができる。
【0092】
下部スラスト部材220はシャフト230の下端部に固設され、スリーブ240の下部溝部側壁とともに下部気液界面F4を形成する。下部スラスト部材220は、内部面がシャフト230に接合される内側面222と、下部スラスト部材220の半径方向外側に備えられ、上記下部溝部側壁とともに気液界面を形成する外側面224と、を含むことができる。ここで、上記外側面224は、下部側の外径が上部側の外径より小さく形成される下部傾斜部221に備えられることができる。
【0093】
一方、下部スラスト部材220の上面または下部スラスト部材220の上面に対向配置されるスリーブ240の下部溝部底面のうち少なくとも一つには、スラスト動圧を発生させるためのスラスト動圧溝が形成されることができる。本発明において、上記スラスト動圧溝は、上記スリーブ240に循環孔247が備えられていない場合には、半径方向に備えられる全ての方式のスラスト動圧溝を含む。例えば、半径方向に一つまたは二つ以上が備えられる場合を全て含む。一方、本発明において、上記スリーブ240に循環孔247が備えられる場合には、上記循環孔247を基準に半径方向内側に備えられるスラスト動圧溝のみを意味することができる。
【0094】
また、下部スラスト部材220の下部には、軸受間隙Bに充填される潤滑流体が下部側に漏れることを防止するシール部材として下部キャップ293を備えることができる。上記下部キャップ293は、上記下部溝部を軸方向上部で仕上げることにより、上記下部溝部を介して潤滑流体が飛散して漏れることを防止する役割をすることができる。即ち、上記下部キャップ293は、スリーブ240の下部溝部側壁に圧入または接着剤結合方式により固定されることができ、シャフト230が下部に突出されるように備えられる下部キャップ293の軸孔とシャフト230との間隙の間隔を狭く形成することにより、蒸発された潤滑流体を含む空気が外部に流出されることを抑制し、軸受間隙Bに充填される潤滑流体の減少を抑制することができる。
【0095】
図5を参照すると、本発明によるモータ100、200が装着された記録ディスク駆動装置800はハードディスク駆動装置であり、モータ100、200と、ヘッド移送部810と、ハウジング820と、を含むことができる。
【0096】
上記モータ100、200は、上記で説明した本発明のモータの特徴を全て有し、記録ディスク830を搭載することができる。
【0097】
上記ヘッド移送部810は、上記モータ100、200に搭載された記録ディスク830の情報を検出するヘッド815を、検出しようとする記録ディスクの面に移送させることができる。
【0098】
ここで、上記ヘッド815は上記ヘッド移送部810の支持部817上に配置されることができる。
【0099】
上記ハウジング820は、上記モータ100、200と上記ヘッド移送部810とを収容する内部空間を形成するために、モータ搭載プレート822と、上記モータ搭載プレート822の上部を遮蔽するトップカバー824と、を含むことができる。
【符号の説明】
【0100】
100 スピンドルモータ
110 流体動圧軸受アセンブリ
120 ロータ
130 ステータ
200 スピンドルモータ
210 ベース部材
220 下部スラスト部材
230 シャフト
240 スリーブ
250 ロータハブ
260 上部スラスト部材
図1
図2
図3
図4
図5