(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ネットワーク接続されたカラオケ演奏端末がそれぞれ設置された複数のカラオケルームにおいて、利用者のパーソナル携帯端末を用いて選曲予約を行わせると共に、利用者がカラオケルームを移動する際に、移動前のカラオケルームに設置されたカラオケ演奏端末における選曲予約情報を、移動先のカラオケルームに設置されたカラオケ演奏端末で利用することが可能なシステムであって、演奏端末識別情報表示手段と、演奏端末識別情報取得手段と、選曲指示情報送信手段と、選曲指示情報転送手段と、予約管理手段と、選曲待避情報送信手段と、選曲待避情報転送手段と、利用者別選曲予約情報待避手段と、移動先情報送信手段と、移動先情報転送手段と、選曲予約情報移行手段と、
を備え、
前記演奏端末識別情報表示手段は、前記カラオケ演奏端末を識別するための演奏端末識別情報を、表示装置の表示画面に表示させ、
前記演奏端末識別情報取得手段は、前記パーソナル携帯端末において、前記表示された演奏端末識別情報を取得してメモリに記憶させ、
前記選曲指示情報送信手段は、前記記憶された演奏端末識別情報と、前記パーソナル携帯端末の利用者を識別するための利用者識別情報と、前記パーソナル携帯端末の選曲機能により選曲された楽曲の楽曲IDとからなる選曲指示情報を、当該パーソナル携帯端末の通信網を介して中継サーバへ送信し、
前記選曲指示情報転送手段は、前記中継サーバにおいて、少なくとも、受信した任意の選曲指示情報に含まれる利用者識別情報及び楽曲IDを、当該選曲指示情報に含まれる演奏端末識別情報を有するカラオケ演奏端末に転送し、
前記予約管理手段は、前記選曲指示情報に含まれる利用者識別情報及び楽曲IDを受信したカラオケ演奏端末において、当該利用者識別情報及び楽曲IDからなる選曲予約情報を予約待ち行列にて管理し、
前記選曲待避情報送信手段は、任意のパーソナル携帯端末から再生停止指示入力が行われた場合に、当該パーソナル携帯端末のメモリに記憶された演奏端末識別情報と、当該パーソナル携帯端末の利用者識別情報と、再生停止指示とからなる選曲待避情報を、当該パーソナル携帯端末の通信網を介して中継サーバへ送信し、
前記選曲待避情報転送手段は、前記中継サーバにおいて、受信した選曲待避情報を、当該選曲待避情報に含まれる演奏端末識別情報を有するカラオケ演奏端末に転送し、
前記利用者別選曲予約情報待避手段は、選曲待避情報を受信した前記カラオケ演奏端末において、当該選曲待避情報に含まれる利用者識別情報に対応付けられた選曲予約情報を予約待ち行列から待避させ、
前記移動先情報送信手段は、前記再生停止指示を出力したパーソナル携帯端末において、前記演奏端末識別情報取得手段により、所定時間内に新たなカラオケ演奏端末の演奏端末識別情報が取得された場合に、新たに取得された新演奏端末識別情報と、当該パーソナル携帯端末の利用者識別情報とからなる移動先情報を、当該パーソナル携帯端末の通信網を介して中継サーバへ送信し、
前記移動先情報転送手段は、前記中継サーバにおいて、受信した移動先情報に含まれる利用者識別情報を、当該移動先情報に含まれる新演奏端末識別情報を有するカラオケ演奏端末に転送し、
前記選曲予約情報移行手段は、移動前の前記カラオケ演奏端末で予約待ち行列から待避されている選曲予約情報を、前記移動先情報を受信した新演奏端末識別情報を有するカラオケ演奏端末に移行させる、
ことを特徴とするパーソナル携帯端末を用いたカラオケ選曲システム。
前記移動先情報転送手段は、任意の選曲待避情報を受信すると、当該選曲待避情報を記憶し、任意の移動先情報を受信すると、当該選曲待避情報に含まれる利用者識別情報と、当該移動先情報に含まれる利用者識別情報の一致を確認し、両者が一致した場合に、前記移動先情報に当該移動前のカラオケ演奏端末の演奏端末識別情報を含ませる、
ことを特徴とする請求項1に記載のパーソナル携帯端末を用いたカラオケ選曲システム。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナル携帯端末、特に携帯電話が多機能化され、様々なウェブサイトの閲覧や、コンテンツのダウンロード等を行うことができるようになってきた。また、このようなパーソナル携帯端末の普及はめざましく、一人一台を所有していると言っても過言ではない。また、現在普及しているカラオケ演奏端末では、選曲予約を行う際に専用のリモコン装置を利用しているが、アプリケーションソフトをインストールすることによりカラオケリモコン装置として使用することが可能なパーソナル携帯端末も開発されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載された技術は、携帯電話機を活用して、従来よりも簡単かつ軽快にリクエスト曲の検索や予約を行えるようにした通信カラオケ演奏端末に関するものであり、携帯電話機は、キーパネル、液晶ディスプレイ、携帯電話網を介して目次サーバと通信する手段、カラオケ演奏端末に向けてIrDA信号を送出する手段を備えている。そして、携帯電話機からの発呼に目次サーバが応答して通話状態になると、携帯電話機から利用者の個人IDと個人別目次の検索条件が目次サーバに通知される。目次サーバは、携帯電話機から通知された個人ID及び検索条件に基づいて該当する個人別目次データを検索し、検索結果である楽曲名と楽曲IDを携帯電話機に伝達する。携帯電話機は受信した楽曲名を一覧表示し、利用者の操作入力により特定された楽曲IDをIrDA信号により送出する。
【0004】
したがって、このような機能を用いることにより、カラオケ利用者は、カラオケ店に備え付けられた専用のリモコン装置を使用することなく、自ら所持しているパーソナル携帯端末を用いて選曲予約操作を行うことができる。特に、多人数でカラオケを楽しんでいる場合には、リモコン装置を使い回す必要がなくなり、利用者が各自所望するタイミングで選曲予約操作を行うことができるという利点がある。
【0005】
しかしながら、上述した従来の技術は、携帯電話機のようなパーソナル携帯端末の赤外線通信機能を用いて、リモコン装置の機能を発揮させようとするものであり、赤外線通信方式は複数種類が存在する。したがって、パーソナル携帯端末を用いてカラオケ楽曲の選曲予約を行う際には、当該パーソナル携帯端末がカラオケ演奏端末の赤外線通信方式に対応していなければならない。また、赤外線通信機能により選曲予約を行うには、カラオケ演奏端末の赤外線受信装置が、パーソナル携帯端末の赤外線送信装置から発信される赤外線信号を受信することが必要であり、利用者の着座位置によっては赤外線通信を行うことができない場合もある。
【0006】
この点、カラオケ演奏端末は、インターネット回線等の通信回線を介してカラオケサーバと通信することができるようになっている。そこで、パーソナル携帯端末からの選曲予約データを、携帯電話網及びインターネット回線を介してカラオケ演奏端末に送信すれば、赤外線通信機能を用いることなくパーソナル携帯端末を選曲予約用のリモコン装置として使用することができる。
【0007】
ところで、大人数のグループでカラオケルームを利用する場合に、当初は全員で一つのカラオケルームを利用し、その後、歌唱するカテゴリ毎に部屋を移動することが考えられる。例えば、大人数のグループで親交を深めるために、まず収容人員の多い部屋(大部屋)を利用して全員でカラオケを楽しみ、その後、アニメソング、演歌等のように各利用者の趣向に合わせてグループの一部が他のカラオケルーム(小部屋)へ移動する場合がある。一方、カラオケルームの利用状況によって収容人員の多い部屋(大部屋)が空いていない場合に、とりあえずグループを分割して複数のカラオケルーム(小部屋)を利用してカラオケを楽しみ、収容人員の多い部屋(大部屋)が空いた時点で、小部屋を利用していた各グループが当該大部屋に移動してカラオケを楽しむ場合もある。
【0008】
このようにカラオケルームを移動した場合には、既に選曲予約を行っていたにもかかわらず、移動先のカラオケルームで再度選曲予約操作を行わなければならないため、利用者にとって煩わしく感じることがあった。このため、カラオケルームを移動した場合であっても、移動先のカラオケ演奏端末において、移動前に行った選曲予約情報を引き継ぐことが可能な技術が開示されている(特許文献2、特許文献3参照)。特許文献2及び特許文献3に記載された技術は、移動前のカラオケ演奏端末における選曲予約情報をカラオケリモコン装置に記憶させ、あるいは移動前のカラオケ演奏端末から移動先のカラオケ演奏端末に選曲予約情報を送信することにより、移動前に行った選曲予約情報を移動先で引き継ぐようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したように、現在では、カラオケ利用者が各自所持する携帯電話等のパーソナル携帯端末を利用してカラオケ選曲を行うことができ、このようなカラオケ選曲システムにおいてもカラオケルームの移動に伴う選曲予約情報の引き継ぎを行いたいとの要望がある。
【0011】
しかし、上述した特許文献2、特許文献3等に記載され従来の技術は、カラオケ利用者が各自所持する携帯電話等のパーソナル携帯端末を利用してカラオケ選曲を行うことを想定していないため、これらの技術をそのまま適用することはできない。すなわち、パーソナル携帯端末を利用してカラオケ選曲を行うためには、パーソナル携帯端末の識別情報と、当該パーソナル携帯端末を用いて選曲を行う利用者の識別情報と、カラオケ演奏端末の識別情報とを関連付けて管理する必要がある。したがって、パーソナル携帯端末を利用してカラオケ選曲を行うためには、特有の技術を用いなければならず、その上で、カラオケルームの移動に伴う選曲予約情報の引き継ぎを行うための工夫が必要である。
【0012】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、カラオケ演奏端末がそれぞれ設置された複数のカラオケルームにおいて、利用者のパーソナル携帯端末を用いて選曲予約を行わせると共に、利用者がカラオケルームを移動する際に、移動前のカラオケルームに設置されたカラオケ演奏端末における選曲予約情報を、移動先のカラオケルームに設置されたカラオケ演奏端末で利用することが可能なシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のパーソナル携帯端末を用いたカラオケ選曲システムは、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明のパーソナル携帯端末を用いたカラオケ選曲システムは、ネットワーク接続されたカラオケ演奏端末がそれぞれ設置された複数のカラオケルームにおいて、利用者のパーソナル携帯端末を用いて選曲予約を行わせると共に、利用者がカラオケルームを移動する際に、移動前のカラオケルームに設置されたカラオケ演奏端末における選曲予約情報を、移動先のカラオケルームに設置されたカラオケ演奏端末で利用することが可能なシステムであって、演奏端末識別情報表示手段と、演奏端末識別情報取得手段と、選曲指示情報送信手段と、選曲指示情報転送手段と、予約管理手段と、選曲待避情報送信手段と、選曲待避情報転送手段と、利用者別選曲予約情報待避手段と、移動先情報送信手段と、移動先情報転送手段と、選曲予約情報移行手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0014】
演奏端末識別情報表示手段は、カラオケ演奏端末を識別するための演奏端末識別情報を、表示装置の表示画面に表示させるための手段である。演奏端末識別情報取得手段は、パーソナル携帯端末において、表示された演奏端末識別情報を取得してメモリに記憶させるための手段である。選曲指示情報送信手段は、パーソナル携帯端末のメモリに記憶された演奏端末識別情報と、当該パーソナル携帯端末の利用者を識別するための利用者識別情報と、当該パーソナル携帯端末の選曲機能により選曲された楽曲の楽曲IDとからなる選曲指示情報を、当該パーソナル携帯端末の通信網を介して中継サーバへ送信するための手段である。
【0015】
選曲指示情報転送手段は、中継サーバにおいて、少なくとも、受信した任意の選曲指示情報に含まれる利用者識別情報及び楽曲IDを、当該選曲指示情報に含まれる演奏端末識別情報を有するカラオケ演奏端末に転送するための手段である。予約管理手段は、選曲指示情報に含まれる利用者識別情報及び楽曲IDを受信したカラオケ演奏端末において、当該利用者識別情報及び楽曲IDからなる選曲予約情報を予約待ち行列にて管理するための手段である。
【0016】
選曲待避情報送信手段は、任意のパーソナル携帯端末から再生停止指示入力が行われた場合に、当該パーソナル携帯端末のメモリに記憶された演奏端末識別情報と、当該パーソナル携帯端末の利用者識別情報と、再生停止指示とからなる選曲待避情報を、当該パーソナル携帯端末の通信網を介して中継サーバへ送信するための手段である。選曲待避情報転送手段は、中継サーバにおいて、受信した選曲待避情報を、当該選曲待避情報に含まれる演奏端末識別情報を有するカラオケ演奏端末に転送するための手段である。
【0017】
利用者別選曲予約情報待避手段は、選曲待避情報を受信したカラオケ演奏端末において、当該選曲待避情報に含まれる利用者識別情報に関連付けられた選曲予約情報を予約待ち行列から待避させるための手段である。移動先情報送信手段は、再生停止指示を出力したパーソナル携帯端末において、演奏端末識別情報取得手段により、所定時間内に新たなカラオケ演奏端末の演奏端末識別情報が取得された場合に、新たに取得された新演奏端末識別情報と、当該パーソナル携帯端末の利用者識別情報とからなる移動先情報を、当該パーソナル携帯端末の通信網を介して中継サーバへ送信するための手段である。
【0018】
移動先情報転送手段は、中継サーバにおいて、受信した移動先情報に含まれる利用者識別情報を、当該移動先情報に含まれる新演奏端末識別情報を有するカラオケ演奏端末に転送するための手段である。選曲予約情報移行手段は、移動前のカラオケ演奏端末で予約待ち行列から待避されている選曲予約情報を、移動先情報を受信した新演奏端末識別情報を有するカラオケ演奏端末に移行させるための手段である。
【0019】
また、本発明のパーソナル携帯端末を用いたカラオケ選曲システムは、上述した構成に加えて、パーソナル携帯端末は、移動前のカラオケ演奏端末の演奏端末識別情報を記憶し、移動先情報送信手段は、移動先情報に当該移動前のカラオケ演奏端末の演奏端末識別情報を含ませて中継サーバへ送信する構成とすることが可能である。
【0020】
また、本発明のパーソナル携帯端末を用いたカラオケ選曲システムは、上述した構成に加えて、移動先情報転送手段は、任意の選曲待避情報を受信すると、当該選曲待避情報を記憶し、任意の移動先情報を受信すると、当該選曲待避情報に含まれる利用者識別情報と、当該移動先情報に含まれる利用者識別情報の一致を確認し、両者が一致した場合に、移動先情報に当該移動前のカラオケ演奏端末の演奏端末識別情報を含ませる構成とすることが可能である。
【0021】
このような構成からなるパーソナル携帯端末を用いたカラオケ選曲システムでは、予めパーソナル携帯端末を用いてモバイルWWWサーバにアクセスし、所定のカラオケ演奏端末に対応する選曲用アプリケーションソフトをダウンロードし、この選曲用アプリケーションソフトを当該パーソナル携帯端末にインストールすることにより、パーソナル携帯端末を用いて選曲予約操作を行うことができるようになる。
【0022】
そして、パーソナル携帯端末を用いて選曲予約を行う際に、演奏端末識別情報表示手段の機能により、利用者が利用するカラオケ演奏端末の演奏端末識別情報を表示装置の表示画面に表示させ、演奏端末識別情報取得手段の機能により、表示された演奏端末識別情報を取得してメモリに記憶させる。これにより、選曲予約操作を行うパーソナル携帯端末とカラオケ演奏端末とを関連付けることができる。
【0023】
選曲が行われると、選曲指示情報送信手段の機能により、パーソナル携帯端末のメモリに記憶された演奏端末識別情報(カラオケ演奏端末の固有ID、IPアドレス、MACアドレス等)と、当該パーソナル携帯端末の利用者を識別するための利用者識別情報(携帯端末のUDID、利用者ID等)と、当該パーソナル携帯端末の選曲機能により選曲された楽曲の楽曲IDとからなる選曲指示情報を、当該パーソナル携帯端末の通信網(携帯電話網及びインターネット)を介して中継サーバへ送信する。中継サーバでは、選曲指示情報転送手段の機能により、受信した任意の選曲指示情報に含まれる利用者識別情報及び楽曲IDを、当該選曲指示情報に含まれる演奏端末識別情報を有するカラオケ演奏端末に転送する。選曲指示情報を受信したカラオケ演奏端末では、予約管理手段の機能により、予約待ち行列を作成して、受信した利用者識別情報及び楽曲IDからなる選曲予約情報を管理する。
【0024】
そして、利用者がカラオケルームを移動する際に、当該利用者が選曲予約操作に用いているパーソナル携帯端末から再生停止指示が入力されると、選曲待避情報送信手段の機能により、当該パーソナル携帯端末のメモリに記憶された演奏端末識別情報と、当該パーソナル携帯端末の利用者識別情報と、再生停止指示とからなる選曲待避情報を、当該パーソナル携帯端末の通信網(携帯電話網及びインターネット)を介して中継サーバへ送信する。中継サーバでは、選曲待避情報転送手段の機能により、受信した選曲待避情報を、当該選曲待避情報に含まれる演奏端末識別情報を有するカラオケ演奏端末に転送する。
【0025】
選曲待避情報を受信したカラオケ演奏端末では、選曲予約情報待避手段の機能により、受信した選曲待避情報に含まれる利用者識別情報に関連付けられた選曲予約情報を予約待ち行列から待避させる。これにより、カラオケルームを移動する利用者について、その選曲予約情報が予約待ち行列から待避(削除)され、それ以降、当該利用者IDを含んで予約された楽曲は演奏されない。この際、例えば、予約待ち行列から待避(削除)された選曲予約情報に基づいて、待避予約待ち行列を作成する。
【0026】
利用者が新たなカラオケルームに移動し、再生停止指示を出力したパーソナル携帯端末の識別情報取得手段の機能により、新たなカラオケ演奏端末の演奏端末識別情報が取得されると、移動先情報送信手段の機能により、新たに取得された新演奏端末識別情報と、当該パーソナル携帯端末の利用者識別情報とからなる移動先情報を、当該パーソナル携帯端末の通信網(携帯電話網及びインターネット)を介して中継サーバへ送信する。この際、パーソナル携帯端末では、移動前のカラオケ演奏端末の演奏端末識別情報を記憶しておき、移動先情報送信手段の機能により、移動前のカラオケ演奏端末の演奏端末識別情報を移動先情報に含ませて中継サーバへ送信してもよい。このような機能を用いることにより、選曲予約情報移行手段において、移動前のカラオケ演奏端末の演奏端末識別情報を取得することができる。
【0027】
中継サーバでは、移動先情報転送手段の機能により、受信した移動先情報に含まれる利用者識別情報を、当該移動先情報に含まれる新演奏端末識別情報を有するカラオケ演奏端末に転送する。この際、移動先情報転送手段は、任意の選曲待避情報を受信した際に、当該選曲待避情報を記憶しておくように機能させることが可能である。このような機能を持たせると、移動先情報転送手段は、任意の移動先情報を受信すると、当該選曲待避情報に含まれる利用者識別情報と、当該移動先情報に含まれる利用者識別情報の一致を確認し、両者が一致した場合に、移動先情報に当該移動前のカラオケ演奏端末の演奏端末識別情報を含ませる。このような機能を用いることにより、選曲予約情報移行手段において、移動前のカラオケ演奏端末の演奏端末識別情報を取得することができる。
【0028】
そして、選曲予約情報移行手段の機能により、移動前のカラオケ演奏端末で予約待ち行列から待避されている選曲予約情報を、移動先のカラオケ演奏端末に移行する。移動先のカラオケ演奏端末では、移行された選曲予約情報に基づいて、予約管理手段による選曲予約管理が行われる。
【発明の効果】
【0029】
本発明のパーソナル携帯端末を用いたカラオケ選曲システムによれば、パーソナル携帯端末を選曲予約用リモコン装置として利用することができるばかりでなく、利用者がカラオケルームを移動する際に、移動前のカラオケルームに設置されたカラオケ演奏端末における当該利用者の選曲予約情報を、移動先のカラオケルームに設置されたカラオケ演奏端末で利用することが可能となる。
【0030】
すなわち、利用者がカラオケルームを移動する際に、選曲予約操作を行ったパーソナル携帯端末を用いて、選曲予約情報を待避させるための操作を行うと、当該カラオケルームに設置されたカラオケ演奏端末における当該利用者の選曲予約情報を一時的に待避させることができる。そして、新たなカラオケルームに移動した後に、再度、カラオケ演奏端末とパーソナル携帯端末との関連付けが行われると、移動前に待避させていた選曲予約情報を、移動先のカラオケ演奏端末に自動的に取り込むことができるので、既に済ませている選曲予約操作を改めてやり直す必要がなくなり、利用者の手間を省くことができる。
【0031】
特に、本発明のパーソナル携帯端末を用いたカラオケ選曲システムによれば、利用者毎に選曲予約情報を移行することができるため、グループの一部の利用者が他のカラオケルームに移動する際に、上述した効果を好適に発揮することができる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照して、本発明のパーソナル携帯端末を用いたカラオケ選曲システム(以下、カラオケ選曲システムと略記する)の実施形態について説明する。
図1〜
図5は本発明の実施形態に係るカラオケ選曲システムを示すもので、
図1はカラオケ選曲システムの機能説明図、
図2はカラオケ選曲システムのブロック図、
図3は中継サーバのブロック図、
図4は利用者管理テーブルの説明図、
図5は予約待ち行列及び待避予約待ち行列の説明図である。
【0034】
<カラオケ選曲システムの概要>
本発明の実施形態に係るカラオケ選曲システムは、利用者が所有するパーソナル携帯端末を用いて、カラオケ演奏端末における選曲を行うことが可能なシステムにおいて、例えば、大人数のグループでカラオケ店に来店し、当初は全員を収容できるカラオケルームにおいてカラオケを楽しみ、その後、一部の利用者がカラオケルームを移動する場合に、既に行っている選曲予約操作を利用者毎に再度行うことなく、カラオケルームを移動できるようにした技術である。
【0035】
なお、本実施形態では、任意のカラオケ演奏端末において選曲予約を許可するためのキーコードを所定時間が経過する毎に発行し、選指示情報に有効な当該キーコードが含まれている場合のみに選曲予約を行うことができるようになっているが、キーコードの照合を行わないシステムにおいても、本発明を適用することができるのは勿論である。
【0036】
以下の説明において、プログラムとは、RAM等に記憶され、CPU等のハードウェアで実行されることにより、その機能を発揮するソフトウエアだけではなく、同等の機能を発揮することが可能な論理回路も含む概念である。
【0037】
本実施形態のカラオケ選曲システム10は、
図1に示すように、演奏端末識別情報表示手段69と、演奏端末識別情報取得手段51と、選曲指示情報送信手段52と、選曲指示情報転送手段22と、予約管理手段68と、選曲待避情報送信手段53と、選曲待避情報転送手段23と、利用者別選曲予約情報待避手段72と、移動先情報送信手段54と、移動先情報転送手段24と、選曲予約情報移行手段73とを備えている。本実施形態では、演奏端末識別情報表示手段69、予約管理手段68、利用者別選曲予約情報待避手段72、選曲予約情報移行手段73は、カラオケ演奏端末30(カラオケ本体31)の構成要素となっており、演奏端末識別情報取得手段51、選曲指示情報送信手段52、選曲待避情報送信手段53、移動先情報送信手段54は、パーソナル携帯端末50の構成要素となっており、選曲指示情報転送手段22、選曲待避情報転送手段23、移動先情報転送手段24は、中継サーバ20の構成要素となっている。なお、各手段の帰属先は上述した例に限られず、各手段の機能を発揮することができれば、どのような装置の構成要素としてもよい。各手段の機能については、後に詳述する。
【0038】
<カラオケ選曲システム>
本発明の実施形態に係るカラオケ選曲システム10は、
図3に示すように、中継サーバ20と複数のカラオケ演奏端末30とが通信ネットワーク(本実施形態では、インターネット40)を介して相互に接続されている。さらに、各カラオケ店には複数のカラオケルームが設けられており、各カラオケルームにはそれぞれカラオケ演奏端末30が設置されている。各カラオケ店では、
図2に示すように、複数のカラオケ演奏端末30がLAN接続されており、各カラオケ演奏端末30は、LAN上に設置されたルータ60を介して通信ネットワーク(インターネット40)に接続されている。通信ネットワークは、公衆電話回線、専用電話回線、光通信回線、LAN等を用いることができるが、ネットワークに対する第三者の侵入やデータの傍聴及び改竄が困難であるとともに、帯域を独占せずに安価な通信網であるという点で、インターネット40により構成されるVPNを利用することが好ましい。
【0039】
<中継サーバ>
中継サーバ20は、
図3に示すように、利用者管理手段21、選曲指示情報転送手段22、選曲待避情報転送手段23、移動先情報転送手段24、利用者管理テーブル25を備えている。なお、図示しないが、中継サーバ20は、上述した手段の他に、複数のカラオケ演奏端末30との間でデータの送受信を行うと共に、データを所定の記憶装置に記憶するための基本的なサーバ機能を備えている。また、中継サーバ20を独立したサーバとして構築するのではなく、カラオケ楽曲の配信を行うホストサーバに中継サーバ20としての機能を持たせてもよい。また、利用者情報の管理を中継サーバ20で行うのではなく、利用者情報管理サーバ等の独立した他のサーバに行わせてもよいし、各カラオケ演奏端末30あるいは各カラオケ店にそれぞれ設置された管理サーバにおいて利用者情報を管理してもよい。
【0040】
<利用者管理手段>
利用者管理手段21は、
図4に示すように、利用者毎に、パーソナル携帯端末50を識別するための携帯端末IDと、当該パーソナル携帯端末50を用いて選曲を行う利用者の利用者IDとを対応付けて、利用者管理テーブル25にて管理するためのプログラムからなる。すなわち、予約管理手段68では、利用者管理テーブル25を作成して利用者情報を管理する。利用者管理テーブル25は、各利用者が選曲予約操作に使用するパーソナル携帯端末50の携帯端末IDと、利用者の利用者IDとを対応付けた利用者情報からなるデータテーブルである。この利用者管理テーブル25を参照することにより、パーソナル携帯端末50を用いて選曲予約操作を行った利用者の利用者IDを認識することができる。利用者管理テーブル25には、上述した基本情報の他に、利用者に関する各種の属性情報を格納することができる。
【0041】
<選曲指示情報転送手段>
選曲指示情報転送手段22は、少なくとも、パーソナル携帯端末50から受信した任意の選曲指示情報に含まれる利用者識別情報55c及び楽曲ID55bを、当該選曲指示情報に含まれる演奏端末識別情報55aを有するカラオケ演奏端末30に転送するためのプログラムからなる。なお、利用者識別情報55cとは、パーソナル携帯端末50のUDID(携帯端末ID)、利用者ID等、利用者を識別することが可能な情報である。
【0042】
また、パーソナル携帯端末50から送信されてくる利用者識別情報55cがパーソナル携帯端末50のUDID(携帯端末ID)である場合に、選曲指示情報転送手段22では、利用者管理テーブル25を参照して携帯端末IDに対応付けられた利用者IDを取得し、利用者ID及び楽曲ID55bをカラオケ演奏端末30に転送してもよい。また、カラオケ演奏端末30から中継サーバ20にアクセスして、利用者管理テーブル25を参照して携帯端末IDに対応付けられた利用者IDを取得してもよい。なお、本実施形態では、利用者識別情報55c及び楽曲IDと共に、キーコード(入力キーコード)をカラオケ演奏端末30に転送する。演奏端末識別情報55aは、例えば、カラオケ演奏端末30を一意に識別することが可能な、IPアドレス、デバイスID、MACアドレスや、これらを組み合わせた情報からなる。
【0043】
<選曲待避情報転送手段>
選曲待避情報転送手段23は、任意のパーソナル携帯端末50から受信した選曲待避情報を、当該選曲待避情報に含まれる演奏端末識別情報55aを有するカラオケ演奏端末30に転送するためのプログラムからなる。すなわち、利用者がカラオケルームを移動する際に、当該利用者が選曲予約操作に用いているパーソナル携帯端末50から再生停止指示が入力されると、当該パーソナル携帯端末50から選曲待避情報が送信されてくるため、選曲待避情報転送手段23は、この選曲待避情報を所定のカラオケ演奏端末30に転送する。
【0044】
<移動先情報転送手段>
移動先情報転送手段24は、再生停止指示を出力したパーソナル携帯端末50から受信した移動先情報に含まれる利用者識別情報55cを、当該移動先情報に含まれる新演奏端末識別情報55aを有するカラオケ演奏端末30に転送するためのプログラムからなる。すなわち、利用者がカラオケルームを移動し、新たなカラオケ演奏端末30を利用とした場合に、移動先情報転送手段24の機能により、当該利用者の利用者識別情報55cを、移動先の新演奏端末識別情報55aを有するカラオケ演奏端末30に転送することにより、移動先のカラオケ演奏端末30において、カラオケルームを移動した利用者の利用者識別情を取得することができる。
【0045】
また、移動先情報転送手段24は、任意の選曲待避情報を受信すると、当該選曲待避情報を記憶し、任意の移動先情報を受信すると、当該選曲待避情報に含まれる利用者識別情報55cと、当該移動先情報に含まれる利用者識別情報55cの一致を確認し、両者が一致した場合に、移動先情報に当該移動前のカラオケ演奏端末30の演奏端末識別情報55aを含ませる機能を持たせることが可能である。移動先情報転送手段24がこのような機能を有している場合には、選曲予約情報移行手段73において、移動前のカラオケ演奏端末30の演奏端末識別情報55aを取得することができる。
【0046】
<カラオケ演奏端末>
カラオケ演奏端末30は、
図2に示すように、カラオケ本体31、スピーカ32、マイクロホン33、表示装置34、ミキシングアンプ35を備えている。なお、本実施形態に係るカラオケ演奏端末30は、パーソナル携帯端末50を選曲予約用のリモコン装置として利用するが、パーソナル携帯端末50を用いない利用者のために、専用のカラオケリモコン装置36を備えていることが好ましい。また、本実施形態では、カラオケリモコン装置36に付帯する入出力表示装置(図示せず)は、演奏端末識別情報55a等を表示するための表示装置として機能させてもよい。
【0047】
<カラオケ本体>
カラオケ本体31は、
図2に示すように、ネットワーク送受信手段61、中央制御手段62、ROM63、RAM64、HDD65、ローカル送受信手段66、キーコード発行手段67、予約管理手段68、演奏端末識別情報表示手段69、音楽再生制御手段70、映像再生制御手段71、利用者別選曲予約情報待避手段72、選曲予約情報移行手段73を備えている。
【0048】
<中央制御手段>
中央制御手段62は、カラオケ本体31を総合的に制御するための手段であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM63等に記憶されたプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
【0049】
<ROM/RAM>
ROM63は、カラオケ本体31を構成する各機器を制御するためのプログラムデータや数値データを記憶するための機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。また、RAM64は、プログラムや各種データを一時的に記憶する一時記憶領域として機能するもので、例えば半導体メモリ等で構成される。本実施形態では、RAM64に、予約待ち行列64a、待避予約待ち行列64b、キーコード発行手段67で発行したキーコード64c(発行キーコード)が記憶されるようになっている。
【0050】
<予約待ち行列/待避予約待ち行列>
予約待ち行列64aは、
図5に示すように、選曲予約されたカラオケ楽曲について、演奏順に楽曲IDを並べて構成したデータテーブルである。待避予約待ち行列64bは、
図5に示すように、任意のパーソナル携帯端末50に再生停止指示が入力された場合に作成されるデータテーブルであり、当該パーソナル携帯端末50の利用者識別情報55cに対応付けられた選曲予約情報を予約待ち行列64aから削除して、削除したデータに基づいて待避予約待ち行列64bを作成する。なお、予約待ち行列64a及び待避予約待ち行列64bは、楽曲IDの他に、楽曲名、選曲者等のデータを含んでいてもよい。
【0051】
<HDD>
HDD65は、大容量記憶装置として機能するもので、楽曲データベース65a及び映像データベース65bが格納されている。なお、HDD65に替えて、あるいはHDD65と共に、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶装置を用いてもよい。
【0052】
<楽曲データベース/映像データベース>
楽曲データベース65aは、演奏制御データ(MIDI(登録商標)データ)及び歌詞描出データが同期されて構成される楽曲データについて、楽曲IDと対応付けてそれぞれ構成したデータベースである。演奏制御データは、各楽曲の演奏を制御するためのデジタルデータであり、歌詞描出データは演奏に同期した歌詞文字の表示タイミングデータ及び色変わりデータを含んでいる。映像データベース65bは、演奏されるカラオケ楽曲に対応した背景映像を、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに対応させた映像ファイルとして所定数格納したデータである。
【0053】
<送受信手段>
ローカル送受信手段66は、カラオケ本体31とカラオケリモコン装置36との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。本実施形態では、赤外線通信により、カラオケ本体31とカラオケリモコン装置36との間でデータの送受信が行われる。ネットワーク送受信手段61は、カラオケ本体31と中継サーバ20との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。本実施形態では、カラオケ店において、複数のカラオケ演奏端末30がLAN接続されており、各カラオケ演奏端末30は、LAN上に設置されたルータ60を介してインターネット40と接続されている。
【0054】
<キーコード発行手段>
キーコード発行手段67は、カラオケ演奏端末30において、パーソナル携帯端末50を用いた選曲予約を許可するためのキーコードを所定時間が経過する毎に発行するためのプログラムからなる。すなわち、キーコードは、所定時間が経過する毎に新たに発行される。キーコードは、例えば、4桁の数字や、これをバーコード化した2次元バーコードからなる。発行したキーコード64cは、発行キーコードとして、RAM64に記憶される。
【0055】
<予約管理手段>
予約管理手段68は、中継サーバ20から受信した利用者識別情報55c及び楽曲ID55bからなる選曲予約情報を予約待ち行列64aにて管理するためのプログラムからなる。また、予約管理手段68は、移動前のカラオケ演奏端末30で予約待ち行列64aから待避されている選曲予約情報(待避予約待ち行列64b)を取得した場合に、当該取得した選曲予約情報に基づいて予約待ち行列64aを作成する機能を有している。
【0056】
<利用者別選曲予約情報待避手段>
利用者別選曲予約情報待避手段72は、中継サーバ20から選曲待避情報を受信すると、当該選曲待避情報に含まれる利用者識別情報55cに関連付けられた選曲予約情報を予約待ち行列64aから待避させるためのプログラムからなる。すなわち、利用者別選曲予約情報待避手段72は、利用者がカラオケルームを移動する際に、各利用者のパーソナル携帯端末50から入力された再生停止指示に基づいて、当該パーソナル携帯端末50の利用者識別情報55cに関連付けられた選曲予約情報を予約待ち行列64aから待避させて(削除して)、待避予約待ち行列64bを作成する。
【0057】
<選曲予約情報移行手段>
選曲予約情報移行手段73は、移動前のカラオケ演奏端末30で予約待ち行列64aから待避されている選曲予約情報(待避予約待ち行列64b)を、移動先情報を受信した新演奏端末識別情報を有するカラオケ演奏端末30に移行させるためのプログラムからなる。すなわち、選曲予約情報移行手段73は、利用者が新たなカラオケルームに移動すると、移動先情報を受信した新演奏端末識別情報を有するカラオケ演奏端末30に対して、移動前の演奏端末識別情報を有するカラオケ演奏端末30で予約待ち行列64aから待避されている選曲予約情報(待避予約待ち行列64b)を移行させる。そして、予約管理手段68では、取得した選曲予約情報に基づいて選曲予約管理が行われる。
【0058】
なお、選曲予約情報移行手段73をカラオケ演奏端末30の構成要素とするのではなく、中継サーバ20や、各カラオケ店に設置された管理サーバの構成要素としてもよい。これにより、選曲予約情報の移行処理を、カラオケ演奏端末30の外部から指示して実行させることができる。
【0059】
<音楽再生制御手段>
音楽再生制御手段70は、楽曲IDに基づいて楽曲データベース65aから抽出された演奏制御データに基づいて、音源データをデジタル再生すると共にアナログ変換してミキシングアンプ35に出力するための電子回路である。上述したように、ミキシングアンプ35は、マイクロホン33から入力された歌唱者の歌唱音声信号と、音楽再生制御手段70から送出される演奏音声信号とをミキシングすると共に、アンプ機能により増幅してスピーカ32より出力させるための装置である。
【0060】
<映像再生制御手段>
映像再生制御手段71は、カラオケ楽曲の演奏中に、映像データベース65bから抽出した背景映像データと、楽曲データベース65aに含まれる歌詞描出データ(テロップデータ)とを、当該カラオケ楽曲の演奏データに同期させて表示装置34に出力するためのプログラムからなる。
【0061】
<演奏端末識別情報表示手段>
演奏端末識別情報表示手段69は、カラオケ演奏端末30を識別するための演奏端末識別情報55aを、表示装置34の表示画面に表示させるためのプログラムからなる。すなわち、演奏端末識別情報表示手段69は、カラオケ演奏端末30を識別するための演奏端末識別情報55aを2次元バーコード化して、表示装置34の表示画面に表示させる。なお、演奏端末識別情報55aを表示させる表示装置34は、カラオケ楽曲に関連した背景映像や歌詞テロップ等を表示するための表示装置34であってもよいし、カラオケリモコン装置36に付帯した入出力表示装置(図示せず)であってもよい。また、表示装置34の表示画面に演奏端末識別情報55aを表示する際に所定のアルゴリズムで暗号化し、所定桁数の数字として表示してもよい。
【0062】
さらに、本実施形態では、キーコード発行手段67により発行したキーコードを、演奏端末識別情報55aと共に2次元バーコード化して、表示装置34の表示画面に表示させているが、演奏端末識別情報55aとキーコードとを別個に表示させてもよい。
【0063】
<マイクロホン>
マイクロホン33は、歌唱音声の入力を行うための装置である。マイクロホン33から入力された歌唱音声信号はミキシングアンプ35に入力され、音楽再生制御手段70から送出される演奏音声信号とミキシングされると共に増幅されてスピーカ32へ出力される。
【0064】
<表示装置>
表示装置34は、カラオケ楽曲に関連した背景映像や歌詞テロップ等を表示するための装置で、例えば、液晶ディスプレイ等により構成される。
【0065】
<パーソナル携帯端末>
パーソナル携帯端末50は、データ通信機能を用いて、モバイルWWWサーバ90に格納された選曲用アプリケーションソフト91をダウンロードし、この選曲用アプリケーションソフト91をインストールすることにより、選曲予約機能を持たせることができる。パーソナル携帯端末50に選曲用アプリケーションソフト91をインストールすると、パーソナル携帯端末50は、楽曲検索手段56として機能するプログラムを備えて選曲を行うことができるようになる。また、パーソナル携帯端末50は、演奏端末識別情報取得手段51として機能するプログラム、選曲指示情報送信手段52として機能するプログラム、移動先情報送信手段54として機能するプログラム、メモリ55を備えている。メモリ55には、演奏端末識別情報55a、選曲した楽曲の楽曲ID55b、利用者識別情報55c、キーコード55dが記憶される。
【0066】
パーソナル携帯端末50と携帯電話網80を介して接続されるモバイルWWWサーバ90には、選曲用アプリケーションソフト91及び選曲用楽曲索引データベース92が格納されており、パーソナル携帯端末50が備える楽曲検索手段56の機能により、選曲用楽曲索引データベース92を参照して楽曲を検索することができる。なお、選曲用楽曲索引データベース92をモバイルWWWサーバ90に格納するのではなく、パーソナル携帯端末50にダウンロードして、ローカルで楽曲検索を行ってもよい。
【0067】
<楽曲検索手段/選曲用楽曲索引データベース>
楽曲検索手段56は、利用者の指示に基づき、選曲用楽曲索引データベース92を参照して楽曲を検索するためのプログラムからなる。選曲用楽曲索引データベース92は、カラオケ演奏端末30で演奏に供されるカラオケ楽曲について、その属性情報を記述したデータベースであり、例えば、楽曲ID・曲名・歌手名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル区分・デュエット曲か否かなど、種々の属性情報がこれに含まれている。
【0068】
<演奏端末識別情報取得手段>
演奏端末識別情報取得手段51は、表示装置34の表示画面に表示された演奏端末識別情報55aを取得して、メモリ55に記憶させるためのプログラムからなる。上述したように、表示装置34の表示画面には、2次元バーコード化された演奏端末識別情報55aが表示されるので、演奏端末識別情報取得手段51は、パーソナル携帯端末50に付帯したバーコード読取装置(図示せず)を用いて演奏端末識別情報55aを取得することができる。なお、演奏端末識別情報55aが所定桁数の数字からなる場合には、表示装置34の表示画面を目視した利用者が、パーソナル携帯端末50に付帯したテンキー等を用いて、当該数字を入力することにより、演奏端末識別情報55aを取得してもよい。また、演奏端末識別情報55aと共にキーコード55dが2次元バーコードとして表示されている場合には、このキーコード55dも同時に取得することができる。
【0069】
<選曲指示情報送信手段>
選曲指示情報送信手段52は、メモリ55に記憶された演奏端末識別情報55aと、当該パーソナル携帯端末50の利用者を識別するための利用者識別情報55c(例えば、携帯端末IDや利用者ID)と、当該パーソナル携帯端末50の選曲機能により選曲された楽曲の楽曲ID55bとからなる選曲指示情報を、当該パーソナル携帯端末50の通信網(携帯電話網80及びインターネット40)を介して中継サーバ20へ送信するためのプログラムからなる。すなわち、選曲指示情報送信手段52は、楽曲検索手段56の機能により楽曲検索が行われ、予約すべき楽曲が選曲されると、メモリ55に記憶された演奏端末識別情報55aと、利用者識別情報55cと、選曲された楽曲の楽曲ID55bとからなる選曲指示情報を、携帯電話網80及びインターネット40を介して中継サーバ20へ送信する。この際、選曲指示情報にキーコード55dを含ませることが好ましい。
【0070】
<移動先情報送信手段>
移動先情報送信手段54は、再生停止指示を出力したパーソナル携帯端末50において、演奏端末識別情報取得手段51により、所定時間内に新たなカラオケ演奏端末30の演奏端末識別情報55aが取得された場合に、新たに取得された新演奏端末識別情報と、当該パーソナル携帯端末の利用者識別情報55cとからなる移動先情報を、当該パーソナル携帯端末50の通信網(携帯電話網80及びインターネット40)を介して中継サーバ20へ送信するためのプログラムからなる。すなわち、移動先情報送信手段54は、利用者が新たなカラオケルームに移動して、新たなカラオケ演奏端末30とパーソナル携帯端末50とが関連付けられると、新たに取得された新演奏端末識別情報と、当該パーソナル携帯端末50の利用者識別情報55cとからなる移動先情報を、当該パーソナル携帯端末50の通信網(携帯電話網80及びインターネット40)を介して中継サーバ20へ送信する。
【0071】
また、パーソナル携帯端末50において、移動前のカラオケ演奏端末30の演奏端末識別情報55aを記憶しておき、移動先情報送信手段54は、移動先情報に当該移動前のカラオケ演奏端末30の演奏端末識別情報55aを含ませて中継サーバ20へ送信する機能を持たせてもよい。移動先情報送信手段54にこのような機能を持たせることにより、選曲予約情報移行手段73において、移動前のカラオケ演奏端末30の演奏端末識別情報55aを取得することができる。
【0072】
<選曲予約>
次に、
図1を参照して、本実施形態のカラオケ選曲システム10における選曲予約について説明する。本実施形態のカラオケ選曲システム10では、
図1に示すように、パーソナル携帯端末50において、選曲指示情報送信手段52の機能により、メモリ55に記憶された演奏端末識別情報55aと、選曲された楽曲の楽曲ID55bと、利用者識別情報55cとからなる選曲指示情報を、携帯電話網80及びインターネット40を介して、中継サーバ20に送信する。中継サーバ20では、選曲指示情報転送手段22の機能により、受信した任意の選曲指示情報に含まれる利用者識別情報55c及び楽曲ID55bを、当該選曲指示情報に含まれる演奏端末識別情報55aを有するカラオケ演奏端末30に転送する。
【0073】
選曲指示情報を受信したカラオケ演奏端末30では、予約管理手段68の機能により、予約待ち行列64aを作成して、受信した利用者識別情報55c及び楽曲ID55bからなる選曲予約情報を管理する。
【0074】
なお、本実施形態では、中継サーバ20から転送されてきた選曲指示情報に含まれるキーコード55d(入力キーコード)と、カラオケ演奏端末30で管理しているキーコード(発行キーコード64c)とを照合し、入力キーコードと発行キーコード64cとが一致している場合には、受信した楽曲IDに基づく選曲予約を行わせ、入力キーコードと発行キーコード64cとが一致しない場合には、受信した楽曲IDに基づく選曲予約を行わせない。これにより、有効なキーコードを用いなければ、パーソナル携帯端末50を用いた選曲予約を行うことができないので、悪戯等による選曲予約を排除して、正規の選曲予約操作が混乱することを防止することが可能となる。
【0075】
<選曲予約情報の移行>
利用者がカラオケルームを移動する場合には、選曲待避情報送信手段53の機能により、各利用者のパーソナル携帯端末50から入力された再生停止指示に基づいて、当該パーソナル携帯端末50のメモリ55に記憶された演奏端末識別情報55aと、当該パーソナル携帯端末50の利用者識別情報55cと、再生停止指示とからなる選曲待避情報を、当該パーソナル携帯端末50の通信網(携帯電話網80及びインターネット40)を介して中継サーバ20へ送信する。中継サーバ20では、選曲待避情報を当該選曲待避情報に含まれる演奏端末識別情報55aを有するカラオケ演奏端末30に転送する。そして、選曲待避情報を受信したカラオケ演奏端末30では、選曲予約情報待避手段73の機能により、パーソナル携帯端末50の利用者識別情報55cを含む選曲予約情報を予約待ち行列64aから待避させる。なお、待避させた選曲予約情報に基づいて待避予約待ち行列64bが作成される。この動作により、カラオケルームを移動する利用者毎に、その選曲予約情報が予約待ち行列64aから待避(削除)され、それ以降、当該利用者IDを含んで予約された楽曲は演奏されない。
【0076】
そして、利用者が新たなカラオケルームに移動し、再生停止指示を出力したパーソナル携帯端末50の演奏端末識別情報取得手段51の機能により、所定時間内に新たなカラオケ演奏端末30の演奏端末識別情報55aがメモリ55に記憶されると、移動先情報送信手段54の機能により、新たに取得された演奏端末識別情報55aと、当該パーソナル携帯端末50の利用者識別情報55cとからなる移動先情報を、当該パーソナル携帯端末50の通信網(携帯電話網80及びインターネット40)を介して中継サーバ20へ送信する。
【0077】
中継サーバ20では、移動先情報転送手段24の機能により、受信した移動先情報に含まれる利用者識別情報55cを、当該移動先情報に含まれる新たな演奏端末識別情報55aを有するカラオケ演奏端末30に転送する。そして、選曲予約情報移行手段73の機能により、移動前のカラオケ演奏端末30で予約待ち行列64aから待避されている選曲予約情報(待避予約待ち行列64b)を、移動先情報を受信した新らたな演奏端末識別情報55aを有するカラオケ演奏端末30に移行させる。移動先情報を受信した新たな演奏端末識別情報55aを有するカラオケ演奏端末30では、予約管理手段68の機能により、移行されてきた選曲予約情報に基づく選曲予約管理が行われる。
【0078】
<他の実施形態>
本発明のパーソナル携帯端末50を用いたカラオケ選曲システム10及びその周辺装置を構成する機器や手段は上述したものに限定されず、その利用目的に応じて、必要な機器や手段のみの構成としたり、適宜他の機器や手段を付加したりすることができる。また、各手段をそれぞれ別個のものとして構成するのではなく、複数の機能を統合した手段として構成してもよい。