(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、従来のベッド装置において、照明や空調や映像を調整して入眠を促進する場合、ベッド装置だけではなく、照明や空調等と連動させる必要があるため、部屋全体に関わる大規模な設備を設置したり、変更したりしなければならないという問題があった。更に、部屋全体に関わる大規模な設備が必要なため、例えば病院や介護施設といった複数の使用者が同一の部屋で使用する場合には利用出来ないという問題があった。
【0006】
また、圧刺激や振動を使用者に与える方法や、テレビ鑑賞と組み合わせた方法では、使用者によっては刺激が強すぎ、むしろ目が覚めてしまう場合がある。特に高齢者では、必ずしも快適に入眠を促進できていないといった問題があった。
【0007】
また、特許文献1のように、入眠したらベッドの角度を下げるといった製品の場合、もともとベッドを上げているのは使用者が作業をしやすい(例えば、テレビ鑑賞や読書等)、すなわち覚醒レベルを維持しやすい姿勢であり、姿勢の面からは入眠促進に適していない。就寝時のベッドの背上げ角度は、テレビが視聴できる程度まで上がっており、この角度では睡眠は妨げられてしまうため、入眠時には適していないといった問題点が生じていた。また、背上げ角度が大きいほど、背を下げる場合にベッドの背床部と、ベッドフレームに手を挟まれるリスクが高くなるという問題があった。
【0008】
上述した課題に鑑み、本発明が目的とするところは、大がかりな他の装置を利用することなく入眠を促進することにより、主観的な評価の高い、即ち使用者の快適な睡眠を確保可能なベッド装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題に鑑み、本発明のベッド装置は、
ベッドフレームと、
前記ベッドフレームに支持された背上げ駆動可能な背ボトムと、
前記背ボトムを上下揺動させる駆動部と、
前記背ボトムが、使用者が睡眠状態に入りやすい角度となる設定された第1の角度になるように駆動部を制御して背上げ制御を行う背上げ制御部と、
前記使用者の入眠状態を判定する入眠判定部と、
前記入眠判定部により、使用者が睡眠状態に入ったと判定された場合には、前記背
ボトムを第1の角度から
使用者の睡眠状態を維持しやすい角度となる第2の角度になるように駆動部を制御して背下げ制御を行う背下げ制御部と、
を備え、
前記制御部は、使用者が睡眠状態に入ったと判定された場合に背下げ制御を行う場合には、通常の背下げ制御と比較し、動作の開始時と終了時とは遅い速度にて駆動部が動作するように制御することを特徴とする。
【0010】
また、本発明のベッド装置には、使用者の体動を検出する体動検出装置が接続されており、
前記睡眠判定部は、前記体動検出装置により検出された使用者の体動に基づき、利用者が睡眠状態に入ったことを判定することを特徴とする。
【0011】
また、本発明のベッド装置は、時間を計測する計時部を更に有し、
前記睡眠判定部は、前記計時部により所定時間が経過した場合に使用者が睡眠状態に入ったと判定することを特徴とする。
【0012】
また、本発明のベッド装置において、前記第1の角度は、略4度以上略24度未満であり、かつ、第2の角度は略水平状態となる角度であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明のベッド装置において、前記制御部は、使用者が睡眠状態に入ったと判定された場合に背下げ制御を行う場合には、通常の背下げ制御と比較して遅い速度にて駆動部が動作するように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ベッドフレームと、ベッドフレームに支持された背上げ駆動可能な背ボトムと、背ボトムを上下揺動させる駆動部とを有したベッド装置において、使用者が睡眠状態に入ったと判定された場合には、ベッド背上げ部を第1の角度から第2の角度になるように駆動部を制御して背下げ制御を行うこととなる。これにより、使用者が就床から睡眠状態となるまでは、背上げ角度が入眠に最適な第1の角度となり、睡眠状態となると使用者が睡眠状態に最適な第2の角度となる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、本実施形態では、一例として、本発明におけるベッド装置を含む入眠促進システム1について説明する。
【0017】
[1.全体構成]
図1は、本実施形態における入眠促進システム1の概略を示した図である。入眠促進システム1は、ベッド装置10の床部の上にマットレス20が載置されており、マットレス20に使用者Pが横たわっている。
【0018】
また、ベッド装置10の床部と、マットレス20との間に使用者Pの体動を検出するための体動検出装置30が載置される。使用者Pが就床すると、マットレス20を介して使用者Pの体動(振動)を体動検出装置30が検出し、ベッド装置10に送信される。そして、検出された体動(振動)に基づいて、活動量が算出され、当該活動量に基づいて使用者Pの睡眠状態が判定される。
【0019】
ここで、体動検出装置30は、本実施形態では厚さが薄くなるようにシート状に構成されている。これにより、ベッド装置10と、マットレス20の間に載置されたとしても、使用者Pに違和感を覚えさせることなく使用できることとなる。
【0020】
ここで、ベッド装置10の正面から見た模式図(断面図)を
図2に示す。
図2に示すように、ベッド装置10は、床部50がベッドフレーム60に支持されている。この床部50の上にマットレス20が載置されて、ベッド装置10が構成されている。
【0021】
そして、床部50は、背上げ部として構成される背床部52a及び背湾曲部52bと、腰床部52cと、膝上げ部として構成される膝床部52d及び膝湾曲部52eと、足床部52fとが順に連結されている。
【0022】
背床部52aと腰床部52cとは、湾曲可能な背湾曲部52bにより連結されており、膝床部52dと足床部52fとは、湾曲可能な膝湾曲部52eにより連結されている。また、腰床部52cは固定されている。
【0023】
背床部52aは、頭部側(
図2の左側)先端が持ち上がるように回動可能であり、また水平に戻るように逆に回動可能であり、背湾曲部52b側を中心として揺動する。膝床部52dは、膝湾曲部52e側先端が持ち上がるように回動すると共に、水平に戻るように逆回動し、腰床部52c側を中心として揺動する。
【0024】
背湾曲部52b及び膝湾曲部52eは、多数の棒材を相互に平行にすだれ状に配置し、各棒材間の間隔を変動可能に相互に連結したものである。背湾曲部52b及び膝湾曲部52eの全体で棒材の連結方向に伸縮すると共に、各棒材の連結方向に連続的にかつ滑らかに湾曲する。
【0025】
また、背上げ装置54は、背床部52aを持ち上げる装置であり、膝上げ装置56は膝床部52d及び足床部52fを持ち上げる装置である。これらの装置は、使用者の姿勢を変えるために床部を駆動させるための駆動装置として動作し、内蔵する電動モータやアクチュエータ等の力により、各床部が揺動することとなる。
【0026】
昇降装置62は、床部50を起伏可能にするために、
図2の2点鎖線で模式的に示した装置である。昇降装置62は、基台70に備えつけられており、例えば電動モータ等を利用することにより、床部50の高さを上下に変化させることができる。
【0027】
[2.機能構成]
続いて、ベッド装置10の機能構成について、
図3を用いて説明する。
図3に示すように、ベッド装置10は、制御部100に、駆動装置200と、挟まれ検出部300と、睡眠判定部400と、記憶部500と、操作部600と、計時部700とが接続されている。また、睡眠判定部400には、体動検出装置30が接続されている。
【0028】
制御部100は、ベッド装置10の全体を制御するための機能部である。制御部100は、記憶部500に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、例えばCPU(Central Process Unit)等により構成されている。
【0029】
駆動装置200は、ベッド装置10における各床部を駆動するための機能部であり、例えば電動アクチュエータにリンクが接続される事により実現されている。例えば、
図2における背上げ装置54である。
【0030】
ここで駆動装置200は、本実施形態において動作速度を段階的に変更できるものである。即ち、通常の動作モードと、通常の動作モードより遅いモードとが切り替え可能な駆動装置である。遅いモードの場合は、通常の動作モード時と比較して振動が少なく、かつ、動作音も小さいといった特徴がある。
【0031】
ここで、背上げ角度について、
図4を用いて説明する、
図4はベッド装置10の床部50を横から見た状態を模式的に示す図である。
図4(a)は背上げ部(背床部52a及び背湾曲部52b)が持ち上げられた状態を示す図である。すなわち、この水平位置から、背角度θ度持ち上げられた状態を示しており、この角度θを背上げ角度と呼ぶ。
【0032】
また、
図4(b)は、水平状態を示す図である。
図4(b)の水平状態は、背上げ部が他の床部と成す角度が略0度となっており、背上げ角度が0度の状態である。すなわち水平状態とは、使用者が「水平である」と感じる角度となる。
【0033】
挟まれ検出部300は、駆動装置200により床部が上下に揺動した場合に、ベッドフレームと床部との間に障害物が挟まれたことを検出する機能部である。例えばベッドフレーム60と、背床部52aとの間に、物や手が挟まれたことを検出し、制御部100に信号を出力する。制御部100は、駆動装置200に停止信号を出力することにより、駆動動作(背下げ動作)を停止させる。
【0034】
睡眠判定部400は、接続される体動検出装置30から使用者の体動情報を受信し、体動情報に基づいて使用者が睡眠状態にあるのか、覚醒状態にあるのかを判定するための機能部である。また、体動検出装置30は、使用者の体の動きを検出するための機能部であり、例えば振動センサ等により検出する。
【0035】
なお、本実施形態においては、睡眠判定部400は、外部に接続される体動検出装置30の体動情報に基づいて睡眠状態を判定するが、使用者の睡眠状態が判定出来る方法であればいずれの方法であってもよい。例えば、脈拍測定装置や、単なる圧力センサ等を用いて、使用者の睡眠状態を判定しても良い。
【0036】
記憶部500は、ベッド装置1の動作に必要な各種プログラムや、各種データが記憶されている機能部である。記憶部500は、例えば、半導体メモリや、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。
【0037】
また、記憶部500は、駆動装置200が各床部を制御する場合の角度(背上げ角度等)を記憶している。駆動装置200は、記憶部500に記憶された角度に基づいて各床部を制御しても良いし、予め出荷時に記憶されている角度になるように制御しても良い。
【0038】
操作部600は、利用者(使用者)からの操作を受け付けるための機能部である。一例としてリモートコントローラが接続されており、使用者等の入力操作によりベッド装置10が動作する。なお、操作部600は、例えば液晶ディスプレイや、LED等の表示装置(報知装置)を有する入力機器であったり、タッチパネルを有する入力機器であったりしても良い。
【0039】
計時部700は、時間を計るための機能である。例えば、使用者により設定された時間が経過したことを計測すると、計時信号を制御部100に出力する。制御部100は、計時信号が入力されると所定の処理を実行する。
【0040】
[3.実施例]
続いて、本実施形態における背下げ(睡眠促進の動作)に関する処理の流れについて、図を用いて実施例として説明する。
【0041】
[3.1 第1実施例]
まず第1実施例として、使用者が睡眠状態に入った(入眠した)か否かを判定するために体動検出装置30を用いる場合について
図5のフローチャートを用いて説明する。なお、この場合ベッド装置10は、計時部700を備えていなくても良い。
【0042】
まず、初期状態として背床部52aを第1の角度分だけ起こした背上げ状態とする(ステップS10)。即ち、本実施例の処理開始時において、背床部52aが第1の角度分だけ起き上がっていればよく、そのタイミングは例えば初期状態としてその角度となることとしても良いし、使用者により設定されることとしても良いし、使用者がベッド装置10(マットレス20)に就床した状態から、遷移することとしても良い。
【0043】
また、このときの背床部52aの背上げ角度は、好ましくは4度以上24度未満であり、最適な角度としては10度近傍である。この範囲であれば、予め設定されることとしても良いし、使用者が任意の角度を設定できることとしても良い。ただし、第1の角度としては25度を超えない範囲とする。
【0044】
続いて、睡眠状態に入ったか否かを判定する(ステップS12)。これは、体動検出装置30から検出された体動信号により、睡眠判定部400は睡眠状態を判定する。例えば、所定時間において検出された体動情報に基づき、睡眠状態に入った(入眠した)と判定する。
【0045】
睡眠状態に入った場合(ステップS12;Yes)、背下げ動作処理が開始される(ステップS14)。ここで、背下げ動作は、第1の角度から、第2の角度まで通常の背下げ速度より遅い速度(遅い動作モード)にて背下げ動作が行われる。例えば、第1の角度として「10度」、第2の角度として「0度」(水平状態)まで背下げする場合、通常であればおよそ3秒で背下げ動作をさせるところ、本実施例においてはおよそ10秒間かけて背下げ動作を行う。
【0046】
そして、背下げ動作が終了したら(背上げ角度が第2の角度となった場合には)、本実施例の処理を終了する(ステップS16;Yes)。
【0047】
このように、本実施例によれば、睡眠状態に入る前は、睡眠状態に入りやすい第1の角度に背上げされており、使用者が睡眠状態に遷移すると、今度は睡眠を維持しやすい第2の角度に遷移することとなる。したがって、使用者にとって主観的に「寝心地の良い」ベッド装置を提供することが可能となる。
【0048】
また、睡眠状態に遷移したか否かの判定を体動検出装置30を利用することにより、より正確な睡眠状態を判定し、背下げ動作を行うタイミングを判定することができる。
【0049】
また、背下げ動作の速度を、通常の動作速度より遅い速度で動作させることにより使用者に対して刺激を少なくするだけでなく、動作音等をより抑えることが可能となり、使用者を覚醒させないといった効果が期待できる。
【0050】
なお、背下げ動作処理については、背下げをさせる制御(速度)を一定としても良いし、動作の開始と終了時には更に遅くするような制御を行っても良い。例えば、
図6(a)は、時間t1から時間t2にかけて、10度から0度まで一定速度にて背上げ角度を小さくしている。それに対し、
図6(b)は、時間t1から時間t2にかけて、動作の開始時である時間t1近傍、及び動作終了時の時間t2近傍では更に速度を遅くしている。これにより、背下げ動作の開始時と終了時との振動を抑えることができ、動作開始時に使用者を覚醒させることなく、睡眠状態を維持させることができる。
【0051】
[3.2 第2実施例]
続いて第2実施例について説明する。第2実施例は、使用者が睡眠状態に入ったか否かを判定するために、計時部700を用いる場合について説明する。なお、この場合は体動検出装置30は接続されていなくても良く、体動検出装置30を載置する必要は無いこととなる。
【0052】
図7は第2実施例の動作を表すフローチャートである。第2実施例は、
図5で示した第1実施例の処理において、ステップS12をステップS20に置き換えた構成であり、同一の処理には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0053】
すなわち、第2実施例においては、計時部700において、所定時間になったか否かを判定する(ステップS20)。そして、所定時間経過した場合、使用者は睡眠状態に入ったとみなし(ステップS20;Yes)、背下げ動作処理が開始される(ステップS14)。
【0054】
これは、使用者が睡眠状態に遷移する時間を把握している場合に、予め設定することとする。例えば、就床してから15分位で睡眠状態に遷移することが解っている場合、「15分」後に背下げ動作処理が開始されることとなる。なお、この時間については、予め設定されていても良いが、使用者が設定することが好ましい。
【0055】
このように、第2実施例によれば、体動検出装置等を用いることなく、所定時間経過後には自動的に背下げ動作処理が開始される。第1実施例と比較すると、装置構成を簡単に、かつ、コストを下げることができる。
【0056】
[4.主観評価]
本発明のベッド装置について、十分に説明して同意を得た24〜34歳の頻繁にいびきをかかない健常者12名(内女性2名)に対して主観評価(入眠感評価尺度の測定等)を行った。
【0057】
なお、入眠感評価尺度とは、入眠感調査票による回答結果から算出される標準化された得点である。入眠感調査票は以下の9項目からなる両極4件法の標準化された調査票で信頼性と妥当性とが検証されている。
【0058】
Q1:布団に入ってから眠るまでの時間は短かった?
Q2:眠りにつくとき、夢を見た?
Q3:なかなか寝付けなかった?
Q4:いつ眠りについたかわからない?
Q5:布団に入るとすぐ強い眠気に誘われた?
Q6:眠りにつくまで、寝返りが多かった?
Q7:眠りにつくまで、うとうとしている状態が多かった?
Q8:布団に入るとすぐに眠りに入った?
Q9:いったん眠ってもすぐ目が覚めた?
【0059】
そして、それぞれの問いに対し、「非常にあてはまる」「あてはまる」「あてはまらない」「全くあてはまらない」という4つの選択肢から1つを回答させる。
【0060】
また、測定条件としては、測定夜及び測定前夜はほぼ同じ睡眠時間を確保するようにし、自宅での夜間の睡眠を評価した。このとき、ベッド装置の背上げ角度を0度、10度、20度、30度の4条件につき、ランダムに各対象者に4夜施行した。なお、電動ベッド装置及びマットレスはパラマウントベッド社製のものを利用した。
【0061】
以下の得点を主観評価に用いた。
・OSA睡眠調査票による因子別得点:
起床時眠気、入眠と睡眠維持、夢み、疲労回復、睡眠時間
・入眠感調査票による入眠感評価尺度
【0062】
そして、解析方法としては、反復測定のある一元配置分散分析を行い、背上げ角度条件との間はTukey法にて解析を行った。なお、解析対象は、上述の12名のうち、個人内の平均総就床時間からの差が185分の測定夜があった1名を除外し、11名を解析対象とした。なお、背上げ角度の条件間で総就床時間に統計学的な差は認められなかった。
【0063】
表1に主観評価の結果を示す。
【表1】
表1の主観評価を示した表であり、「起床時眠気」「入眠と睡眠維持」「夢み」「疲労回復」「睡眠時間」「入眠感評価尺度」につき、統計的に算出されたポイントを示している。
【0064】
このポイントは高い方が効果の高いことを示している。この表1によれば、使用者の主観評価としては、「入眠感評価尺度」を見ると、10度付近で最も数値が高くなっており。20度を超えるとポイントが低くなっている。すなわち、0度(水平状態)のときと比較し、10度のときの方が主観的に入眠しやすい(寝付きがよい)ということを読み取ることができる。これは、「入眠と睡眠維持」のポイントを見ても読み取ることができる。しかし、背上げ角度が20度を超えると、「入眠感評価尺度」も「入眠と睡眠維持」のどちらもポイントは低くなってしまう傾向が読み取れる。
【0065】
他方、「起床時眠気」「疲労回復」「睡眠時間」については0度(水平状態)のときが最もポイントが高くなっている。これにより、就床してから睡眠状態に遷移する前(入眠時)には、背上げ角度は20度未満にすることにより、多くの使用者にとって入眠しやすいベッド装置を提供することとなる。更に好ましくは10度近傍にすることにより、使用者の体格、ベッド装置の設置場所や温度といった環境等が異なっていても、多くの使用者にとって、満足度の高い睡眠状態となるようなベッド装置を適用することができる。
【0066】
さらに、使用者が睡眠状態に移行したら、背上げ角度を水平状態(略0度)とすることにより、使用者にとって安定した睡眠状態を維持することが可能となる。従って、最も効率良く、かつ、質の良い睡眠と使用者が感じることとなる。
【0067】
[5.変形例]
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
【0068】
また、上述の実施形態においては、睡眠状態に入る場合について説明したが、更に組み合わせて起床時(覚醒時)についても制御を行うこととしても良い。
【0069】
例えば、起床時には、背上げ角度を第1の角度まで制御する。背床部52aが背上げされることにより、睡眠状態からの覚醒を促すことが可能となる。
【0070】
また、上述の実施形態においては、ベッド装置の背上げ(背下げ)動作に電動モータやアクチュエータを利用することとして説明したが、背上げ(背下げ)動作が実現可能な装置であれば、他の方法(例えば、エアーマット等を利用して背上げ(背下げ)を行う方法)であっても良いことは勿論である。