(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
吊り戸棚41と隣接して壁面40に設置してある古いレンジフード43を、この古いレンジフード43よりも幅の狭い新しいレンジフードに交換するレンジフードの設置方法であって、
前記吊り戸棚41を残存して古いレンジフード43を取り外し、
前記既設の吊り戸棚41の側面41aに、長さ調整可能な縦塞ぎ部材4と長さ調整可能な横塞ぎ部材5で鉤形状の隙間塞ぎ部材を取り付け、
この隙間塞ぎ部材の縦塞ぎ部材4の長さを既設の吊り戸棚41の高さ寸法に対応して調整すると共に、前記横塞ぎ部材5の長さを既設の吊り戸棚41の奥行き寸法に対応して調整し、
この後に、新しいレンジフード47を、前記隙間塞ぎ部材と隣接して壁面40に設置するようにしたことを特徴とするレンジフードの設置方法。
吊り戸棚41と隣接して壁面40に設置してある古いレンジフード43を、この古いレンジフード43よりも幅の狭い新しいレンジフードに交換するレンジフードの設置方法であって、
前記吊り戸棚41を残存して古いレンジフード43を取り外し、
前記既設の吊り戸棚41の側面41aに、長さ調整可能な縦塞ぎ部材4と長さ調整可能な横塞ぎ部材5で鉤形状で、新しいレンジフードと同じ外観の隙間塞ぎ部材を取り付け、
この隙間塞ぎ部材の縦塞ぎ部材4の長さを新しいレンジフード47の高さ寸法に対応して調整すると共に、前記横塞ぎ部材5の長さを既設の吊り戸棚41の奥行き寸法に対応して調整し、
この後に、新しいレンジフード47を、前記隙間塞ぎ部材と隣接し、かつ新しいレンジフード47と隙間塞ぎ部材が高さ方向全長に亘って連続するように、壁面40に設置することを特徴とするレンジフードの設置方法。
前記隙間塞ぎ部材は、仮取り付けした状態で縦塞ぎ部材4、横塞ぎ部材5の長さを調整でき、この隙間塞ぎ部材を既設の吊り戸棚41の側面41aに仮取り付けした後に、縦塞ぎ部材4、横塞ぎ部材5の長さを、それぞれ調整して取り付けるようにした請求項1又は2記載のレンジフードの設置方法。
前記縦向き部1aは、表面板10と一対の取付板11,11で断面コ字型の長尺材で、前記横向き部1bは、底面板14と一対の取付板15,15で断面コ字型の長尺材で、
前記縦可動体2を、表面板20と一対の側面板21,21で、前記縦向き部1aの内側面に沿ってスライド可能に嵌まり合う断面コ字型の長尺材とし、
前記横可動体3を、底面板30と一対の側面板31,31で、前記横向き部1bの内側面に沿ってスライド可能に嵌まり合う断面コ字型の長尺材とした請求項4記載の隙間塞ぎ部材。
【背景技術】
【0002】
従来、システムキッチンを壁に沿って新設する場合、レンジフードと吊り戸棚を隣接して壁に設置することが一般的に行われている。
近年の吊り戸棚は、その寸法が標準化されており、高さ寸法は50cm、70cm、80cm、90cmが代表的で、奥行き寸法は略35cmとなっている。
一方、レンジフードは、火災予防条例等により調理機器と80cm以上離隔して設置する必要があるので、この80cm以上の離隔距離を確保するために、レンジフードと隣接する吊り戸棚としては、高さ寸法70cmのものを使用するのが一般的である。
【0003】
また、建物のリフォームの一環として、古いレンジフードを新しいレンジフードに交換することがある。
この場合、新しいレンジフードの幅が古いレンジフードの幅よりも広ければ、古いレンジフードと隣接して設置してある既設の吊り戸棚を撤去しなければならない。
しかし、古いレンジフードの幅よりも狭い幅のレンジフードを設置するのであれば、既設の吊り戸棚を撤去する必要がないが、既設の吊り戸棚と新しいレンジフードとの間に隙間が生じることがある。
例えば、古いレンジフードの幅が70cmで、新しいレンジフードの幅が60cmの場合には、新しいレンジフードと既設の吊り戸棚との間に10cmの隙間が生じることがある。
【0004】
前述のように、レンジフードを交換する際に、既設の吊り戸棚とレンジフードとの間に隙間が生ずる場合には、特許文献1,2に開示されたように、フィラーと呼ばれる隙間塞ぎ部材を用いて吊り戸棚とレンジフードとの間の隙間を塞ぐことが考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、古いレンジフードが設置されていたスペースにレンジフードと隙間塞ぎ部材を、どのようにして設置するかが問題である。
しかも、前述したようにレンジフードを交換する場合には、古いレンジフードと隣接して設置してある既設の吊り戸棚をそのままとするが、その既設の吊り戸棚の高さ寸法、奥行き寸法は一定ではない。
特に、既設の吊り戸棚が前述した標準寸法ではなかったり、特別に注文して製作した吊り戸棚である場合には、その既設の吊り戸棚の高さ寸法、奥行き寸法がまちまちで一定ではない。
【0007】
このように、既設の吊り戸棚の高さ寸法、奥行き寸法が一定でないから、前述のように既設の吊り戸棚とレンジフードとの間の隙間を隙間塞ぎ部材で塞ぐようにした場合に、既設の吊り戸棚の高さ寸法、奥行き寸法が異なると、前述のレンジフードと既設の吊り戸棚との間の隙間を完全に塞ぐことができない。
このことを解消してレンジフードと既設の吊り戸棚との間の隙間を完全に塞ぐためには、既設の吊り戸棚の高さ寸法、奥行き寸法に合致した大きさの隙間塞ぎ部材を必要とするから、大きさの異なる数多くの隙間塞ぎ部材を準備しなければならず、コスト高となってしまう。
【0008】
本発明の目的は、古いレンジフードが設置されていたスペースに、新しいレンジフードと隙間塞ぎ部材を、既設の吊り戸棚の高さ寸法、奥行き寸法が異なる場合、又は既設の吊り戸棚の奥行き寸法、新しいレンジフードの高さ寸法が異なる場合でも隙間なく、簡単に設置できるようにしたレンジフードの設置方法及び、その設置方法に用いる隙間塞ぎ部材とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1のレンジフードの設置方法は、吊り戸棚41と隣接して壁面40に設置してある古いレンジフード43を、この古いレンジフード43よりも幅の狭い新しいレンジフードに交換するレンジフードの設置方法であって、
前記吊り戸棚41を残存して古いレンジフード43を取り外し、
前記既設の吊り戸棚41の側面41aに、長さ調整可能な縦塞ぎ部材4と長さ調整可能な横塞ぎ部材5で鉤形状の隙間塞ぎ部材を取り付け、
この隙間塞ぎ部材の縦塞ぎ部材4の長さを既設の吊り戸棚41の高さ寸法に対応して調整すると共に、前記横塞ぎ部材5の長さを既設の吊り戸棚41の奥行き寸法に対応して調整し、
この後に、新しいレンジフード47を、前記隙間塞ぎ部材と隣接して壁面40に設置するようにしたことを特徴とするレンジフードの設置方法である。
【0010】
本発明の第2のレンジフードの設置方法は、吊り戸棚41と隣接して壁面40に設置してある古いレンジフード43を、この古いレンジフード43よりも幅の狭い新しいレンジフードに交換するレンジフードの設置方法であって、
前記吊り戸棚41を残存して古いレンジフード43を取り外し、
前記既設の吊り戸棚41の側面41aに、長さ調整可能な縦塞ぎ部材4と長さ調整可能な横塞ぎ部材5で鉤形状で、新しいレンジフードと同じ外観の隙間塞ぎ部材を取り付け、
この隙間塞ぎ部材の縦塞ぎ部材4の長さを新しいレンジフード47の高さ寸法に対応して調整すると共に、前記横塞ぎ部材5の長さを既設の吊り戸棚41の奥行き寸法に対応して調整し、
この後に、新しいレンジフード47を、前記隙間塞ぎ部材と隣接し、かつ新しいレンジフード47と隙間塞ぎ部材が高さ方向全長に亘って連続するように、壁面40に設置することを特徴とするレンジフードの設置方法である。
【0011】
前述の第1・第2のレンジフードの設置方法においては、前記隙間塞ぎ部材は、仮取り付けした状態で縦塞ぎ部材4、横塞ぎ部材5の長さを調整でき、この隙間塞ぎ部材を既設の吊り戸棚41の側面41aに仮取り付けした後に、縦塞ぎ部材4、横塞ぎ部材5の長さを、それぞれ調整して取り付けるようにすることができる。
【0012】
このようにすれば、縦塞ぎ部材4、横塞ぎ部材5の長さを、既設の吊り戸棚41の高さ寸法、奥行き寸法に対応した長さに簡単で、正確に調整できる。
【0013】
本発明の隙間塞ぎ部材は、縦向き部1aと横向き部1bで鉤形状の本体1と、
前記縦向き部1aに縦方向にスライド可能に設け、かつ任意の位置で固定できるようにした縦可動体2と、
前記横向き部1bに横方向にスライド可能に設け、かつ任意の位置で固定できるようにした横可動体3を備え、
前記縦向き部1aと縦可動体2で長さ調整可能な縦塞ぎ部材4とし、
前記横向き部1bと横可動体3で長さ調整可能な横塞ぎ部材5としたことを特徴とする隙間塞ぎ部材である。
【0014】
本発明の隙間塞ぎ部材は、前記縦向き部1aは、表面板10と一対の取付板11,11で断面コ字型の長尺材で、前記横向き部1bは、底面板14と一対の取付板15,15で断面コ字型の長尺材で、
前記縦可動体2を、表面板20と一対の側面板21,21で、前記縦向き部1aの内側面に沿ってスライド可能に嵌まり合う断面コ字型の長尺材とし、
前記横可動体3を、
底面板30と一対の側面板31,31で、前記横向き部1bの内側面に沿ってスライド可能に嵌まり合う断面コ字型の長尺材とした隙間塞ぎ部材とすることができる。
【0015】
このようにすれば、本体1を取り付けた状態で、縦向き部1a、横向き部1bに対して縦可動体2、横可動体3をスムーズにスライドして縦塞ぎ部材4、横塞ぎ部材5の長さを調整できる。
【0016】
本発明の隙間塞ぎ部材は、前記縦向き部1aの一対の取付板11に長孔12と取付用穴13をそれぞれ形成し、前記縦可動体2の一対の側面板21に共締め用穴22を形成し、
前記横向き部1bの一対の取付板15に長孔16と取付用穴17をそれぞれ形成し、前記横可動体3の一対の側面板31に共締め用穴33を形成し、
前記各取付用穴から取付ねじを既設の吊り戸棚41の側面41aに螺合して本体1を取り付け
前記各共締め用穴22,33から取付ねじ6を各長孔12,16を挿通して既設の吊り戸棚41の側面41aに螺合して縦向き部1aと縦可動体2を固定し、横向き部1bと横可動体3を固定するようにした隙間塞ぎ部材とすることができる。
【0017】
このようにすれば、縦向き部1aと縦可動体2を共通の取付ねじで固定できると共に、横向き部1bと横可動体3を共通の取付ねじで固定できる。
しかも、隙間塞ぎ部材を左右勝手違いに取り付けできる。
【0018】
本発明のレンジフードは、吊り戸棚41と隣接して壁面40に設置してある古いレンジフード43を、この古いレンジフード43よりも幅の狭い新しいレンジフードに交換したレンジフードであって、
前記既設の吊り戸棚41の側面41aに、新しいレンジフードの外観と同じ外観の隙間塞ぎ部材が取り付けられ、
前記隙間塞ぎ部材は、縦向き部1aと横向き部1bで鉤形状の本体1と、
前記縦向き部1aに縦方向にスライド可能に設け、かつ任意の位置で固定できるようにした縦可動体2と、
前記横向き部1bに横方向にスライド可能に設け、かつ任意の位置で固定できるようにした横可動体3を備え、
前記縦向き部1aと縦可動体2で長さ調整可能な縦塞ぎ部材4とし、
前記横向き部1bと横可動体3で長さ調整可能な横塞ぎ部材5とし、
前記新しく取り付けるレンジフードは、フード本体47aと、下幕板52の背面側に上幕板53を上下スライド可能に取り付けた高さ調整できる幕板47cを備え、
前記隙間塞ぎ部材の縦向き部1aの縦方向の長さが、前記フード本体47aから下幕板52の上端面52aまでの高さ寸法と同一で、その縦向き部1aの上端面と下幕板52の上端面52aが同一高さで、一直線状に連続し、
前記隙間塞ぎ部材の縦塞ぎ部材4の長さは新しいレンジフードの高さ寸法に対応して調整され、前記横塞ぎ部材5の長さは既設の吊り戸棚41の奥行き寸法に対応して調整されていることを特徴とするレンジフードである。
【0019】
このようにすれば、新しく取り付けたレンジフードと隙間塞ぎ部材が連続した一体物のような外観となるから、見栄えが良い。
【発明の効果】
【0020】
本発明の第1のレンジフードの設置方法によれば、古いレンジフードが設置されていたスペースに、新しいレンジフードと隙間塞ぎ部材を、既設の吊り戸棚の高さ寸法、奥行き寸法が異なる場合でも隙間なく、簡単に設置することができる。
【0021】
本発明の第2のレンジフードの設置方法によれば、古いレンジフードが設置されていたスペースに、新しいレンジフードと隙間塞ぎ部材を、新しいレンジフードの高さ寸法、既設の吊り戸棚の奥行き寸法が異なる場合でも隙間なく、簡単に設置できる。
しかも、新しいレンジフードと隙間塞ぎ部材が一体に連続したように見えるので、見栄えが良い。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明のレンジフードの設置方法に用いる隙間塞ぎ部材の実施の形態を
図1、
図2に基づいて説明する。
前記隙間塞ぎ部材は、本体1と、縦可動体2と、横可動体3を備えている。
前記本体1は、縦向き部1aと横向き部1bで鉤形状である。
前記縦向き部1aに前記縦可動体2を縦方向にスライド可能で、かつ任意の位置で固定できるように設けることで、長さ調整可能な縦塞ぎ部材4としてある。
前記本体1の横向き部1bに前記横可動体3を横方向にスライド可能で、かつ任意の位置に固定できるように設けることで、長さ調整可能な横塞ぎ部材5としてある。
該横塞ぎ部材5と前記縦塞ぎ部材4で鉤形状の隙間塞ぎ部材としてある。
【0024】
このようであるから、縦塞ぎ部材4の長さを調整することで隙間塞ぎ部材の縦方向(垂直方向)の長さを調整でき、横塞ぎ部材5の長さを調整することで隙間塞ぎ部材の横方向(水平方向)の長さを調整できる。
したがって、吊り戸棚の高さ寸法、奥行き寸法に対応した大きさの隙間塞ぎ部材とすることができる。
【0025】
前記本体1の縦向き部1aは、所定の幅と長さを有する表面板10と、この表面板10の幅方向両側縁に設けた一対の取付板11,11で断面コ字型の長尺形状で、その一対の取付板11には縦方向(長手方向)の長孔12がそれぞれ形成されていると共に、縦方向下部寄りに取付用穴13がそれぞれ形成されている。
前記取付用穴13は上部小径穴13aと、この上部小径穴13bと連続した下部大径穴13bを有している。
【0026】
前記本体1の横向き部1bは、所定の幅と長さを有し、前記前面板10と連続した底面板14と、この底面板14の幅方向両側縁に設けた一対の取付板15,15で断面コ字型の長尺形状で、その一対の取付板15には横方向(長手方向)の長孔16がそれぞれ形成されていると共に、横方向手前寄り(縦向き部1a寄り)に取付用穴17がそれぞれ形成されている。
この実施の形態の本体1は、所定の幅と長さを有する板材を、その幅方向両側縁を折り曲げて断面コ字型の長尺形状とし、その折り曲げた部分に長孔12,16、取付用穴13,17を形成し、その長手方向中間部を切除して不連続とし、その不連続部分から90度に折り曲げて前述した縦向き部1aと横向き部1bを有する鉤形状としてある。
【0027】
前記縦可動体2は表面板20と、その表面板20の幅方向両側縁に設けた一対の側面板21,21で断面コ字型の長尺形状で、その一対の側面板21の下部寄りに共締め用穴22が形成され、上部寄りに一対の取付用穴23が縦方向(長手方向)に間隔を置いて形成してある。
そして、表面板20、側面板21が前記縦向き部1aの表面板10、取付板11の内側面にスライド可能に接し、縦可動体2は本体1の縦向き部1a内に縦方向にスライド可能に嵌まり合っている。
このとき、前記共締め用穴22から取付ねじ6を挿入して長孔12から突出するようにしてある。
【0028】
前記横可動体3は底面板30と、その底面板30の幅方向両側縁に設けた一対の側面板31,31と、この一対の側面板31と底面板30とに連続した端面板32で断面コ字型の長尺形状で、その一対の側面板31に共締め用穴33と第1取付用穴34が形成してあると共に、端面板32には第2取付用穴35と第3取付用穴36が幅方向に間隔を置いて形成してある。
そして、底面板30、側面板31が前記横向き部1bの底面板14、側面板15の内側面にスライド可能に接し、横可動体3は本体1の横向き部1b内に横方向にスライド可能に嵌まり合っている。
このとき、前記共締め用穴33から取付ねじ6を挿入して長孔16から突出するようにしてある。
この実施の形態の縦可動体2、横可動体3は所定の幅と長さを有する板材を折り曲げ加工して製作してある。
【0029】
前述のように、本体1の縦向き部1aの内側面に縦可動体2がスライド可能に嵌まり合い、横向き部1bの内側面に横可動体3がスライド可能に嵌まり合っているので、縦可動体2、横可動体3を本体1に対してスムーズにスライドして長さ調整できる。
しかも、後述するように本体1を吊り戸棚の側面に取り付けた後に、縦横可動体2,3を移動して長さ調整できるから、隙間塞ぎ部材の縦塞ぎ部材4、横塞ぎ部材5の長さを、吊り戸棚の高さ寸法、奥行き寸法に対応して簡単で、確実に調整できる。
さらに、一対の取付板11,15、一対の側面板21,31の一方を取り付けるので、隙間塞ぎ部材を左右勝手違いに取り付けできる。
この実施の形態の本体1、縦可動体2、横可動体3は、後述する新しいレンジフードの材料と同じ材料、例えば同じ鋼板を用いている。
また、後述するように、幅70cmの古いレンジフードを幅60cmの新しいレンジフードと交換するのに用いる隙間塞ぎ部材としてあるので、その隙間塞ぎ部材の幅は95mm、縦方向の長さ調整範囲は445mm〜750mm、横方向の長さ調整範囲は275mm〜350mmとしてある。
【0030】
前述した隙間塞ぎ部材を用いて壁面に設置してある古いレンジフードを新しいレンジフードに交換するには、まず、既設の吊り戸棚を残存して古いレンジフードを取り外す。この古いレンジフードの取り外しの手順は従来と同様である。
次に、古いレンジフードが設置してあったスペースを利用し、既設の吊り戸棚の側面に隙間塞ぎ部材の本体1を固定する。
この状態で、縦可動体2をスライドして縦塞ぎ部材4の長さを既設の吊り戸棚の高さ寸法に対応した長さに調整し、横可動体3をスライドして前記壁面に接して横塞ぎ部材5の長さを既設の吊り戸棚の奥行き寸法に対応した長さに調整する。
【0031】
この後に、新しいレンジフードを前記壁面に、前記隙間塞ぎ部材と隣接して設置することで、既設の吊り戸棚の側面と新しいレンジフードとの間に隙間が生じないようにする。
このようであるから、既設の吊り戸棚の高さ寸法、奥行き寸法が異なる場合でも、新しいレンジフードを隙間が生じることなく簡単に設置できる。
【0032】
次に、古いレンジフードを新しいレンジフードに交換する実施の形態を説明する。
図3に示すように、建物の壁面40には吊り戸棚41が設置してある。
この吊り戸棚41と壁面40のコーナー部42との間に古いレンジフード43が設置してある。この古いレンジフードの幅H1は広い。例えば70cmである。
前記吊り戸棚41の上面、レンジフード43の上面と天井44とは離隔し、その間には覆い板45が取り付けてある。
【0033】
図4に示すように、古いレンジフード43を取り外し、前述した既設の吊り戸棚41の側面41aと壁面40のコーナー部42との間を新しいレンジフードを取り付けるスペース46とする。このスペース46は幅H1である。
この状態で、前記既設の吊り戸棚41の側面41aに前述した隙間塞ぎ部材を、前記スペース46を利用して次のようにして取り付ける。このとき、既設の吊り戸棚41の側面41aが不燃処理していなければ、不燃処理する。例えば、不燃材を側面41aに取り付ける。
【0034】
まず、
図5に示すように既設の吊り戸棚41の側面41aにおける前面41b寄りで底面41c寄りのコーナー部近くに仮取付用の取付ねじ7を仮固定し、本体1を手で持ち、その縦向き部1aの一方の取付板11に形成した取付用穴13の小部大径穴13bを取付ねじ7の頭部(座)に挿通してねじ部を上部小径穴13aに引掛け、本体1を仮想線で示すように仮取り付けする。
【0035】
この状態で、
図5、
図6に示すように本体1の縦向き部1aの表面板10、横向き部1bの底面板30を、既設の吊り戸棚41の前面41b、底面41cに合わせ、前記取付ねじ7を本締めして固定すると共に、横向き部1bの一方の取付板15の取付用穴17から取付ねじ8を既設の吊り戸棚41の側面41aに螺合して本体1を取り付ける。
【0036】
図7に示すように、本体1の縦向き部1aに縦可動体2を嵌め込み、その縦可動体2をスライドして縦塞ぎ部材4を、新しいレンジフードの高さ寸法に対応した長さに調整し、一方の側面板21の共締め用穴22から取付ねじ6を長孔12を挿通して既設の吊り戸棚41の側面41aに螺合し、縦向き部1aと縦可動体2を既設の吊り戸棚41の側面41aに共通の取付ねじ6で固着して取り付ける。
この実施の形態では、縦可動体2は既設の吊り戸棚41の上面41dよりも上方に突出し、覆い板45の下面に接するようにしてある。つまり、隙間塞ぎ部材の縦塞ぎ部材4は新しいレンジフードの高さ寸法に合わせた長さとしてある。
前記一方の側面板21の取付用穴23が既設の吊り戸棚41の上面41dよりも上方であるから、その取付用穴23に挿入した取付ねじ8を覆い板45の端面に螺合する。
【0037】
図8に示すように、本体1の横向き部1bに横可動体3を嵌め込み、その横可動体2をスライドして壁面40に当接し、一方の側面板31の共締め用穴33から前記取付ねじ6を長孔16を挿通して既設の吊り戸棚41の側面41aに螺合し、横向き部1bと横可動体3を既設の吊り戸棚41の側面41aに共通の取付ねじ6で固着して取り付ける。
前記一方の側面板31の第1取付用穴34から取付ねじ8を既設の吊り戸棚41の側面41aに螺合して固着し、端面板32の第3取付用穴36(既設の吊り戸棚41の側面41aから遠い方の取付用穴)から取付ねじ9を壁面40に螺合して固着する。
これによって、隙間塞ぎ部材の横塞ぎ部1bの長さは、既設の吊り戸棚41の奥行き寸法と合致し、その吊り戸棚41の前面41bから壁面40までに亘って横塞ぎ部材1bを取り付けできる。
【0038】
前述のように、既設の吊り戸棚41の側面41aに隙間塞ぎ部材を取り付けることで、
図9に示すように、新しいレンジフードを設置するスペースの幅H2は、H2<H1となる。例えば、60cmとなる。
【0039】
図10に示すように、前述した隙間塞ぎ部材と壁面40のコーナー部42との間の幅H2のスペースに、新しいレンジフード47を、隙間塞ぎ部材の縦塞ぎ部材4と高さを合わせて設置する。
この新しいレンジフード47の幅は、古いレンジフード43の幅よりも小さく、例えば60cmの幅であるので、新しいレンジフード47と既設の吊り戸棚41との間には隙間が生じるが、前述のように取り付けた隙間塞ぎ部材によって前述の隙間が閉塞される。
このようであるから、70cm幅の古いレンジフードを60cm幅の新しいレンジフードと交換した場合に、そのレンジフードと既設の吊り戸棚との間に隙間が生じないようにできる。
【0040】
この実施の形態では、新しいレンジフード47は、フード本体47aと、横幕板47bと幕板47cを備え、そのフード本体47aと幕板47cが既設の吊り戸棚41の前面41b(前面板10,20)よりも室内側に張り出すが、横幕板47bによって隙間が生じることがないようにできる。
なお、新しいレンジフード47の取り付けは、通常のレンジフードの取り付けと同様な手順であるから、詳細な説明を省略する。
【0041】
このように、新しいレンジフードの高さ寸法、既設の吊り戸棚41の奥行き寸法が異なる場合には、縦可動体2、横可動体3をスライドして縦塞ぎ部材4、横塞ぎ部材5の長さをその寸法に対応して調整すれば良く、レンジフードの交換現場で隙間塞ぎ部材を加工する作業が不要で、レンジフードの交換作業時間を短縮できるから、簡単に新しいレンジフードを設置できる。
【0042】
図10に示すように、前記横幕板47bは下横幕板50と、この下横幕板50の背面側に上下スライド可能に取り付けられた上横幕板51で高さ調整できるようにしてある。
前記幕板47cは下幕板52と、この下幕板52の背面側に上下スライド可能に取り付けられた上幕板53で高さ調整できるようにしてある。
このようであるから、新しいレンジフード47の高さ寸法を古いレンジフード43の高さ寸法に合わせることができる。
例えば、フード本体47aの下面を古いレンジフード43の下面と同一位置としてフード本体47aを壁面40に取り付け、そのフード本体47aに下横幕板50、下幕板52を取り付けた状態で、上横幕板51、上幕板53を上下にスライドして新しいレンジフード47の高さ寸法を古いレンジフード43の高さ寸法に合わせ、上横幕板51、上幕板53を固定する。
【0043】
前記フード本体47aから下幕板52までの高さ寸法は、隙間塞ぎ部材の本体1の縦向き部1aの縦方向の長さと同一で、その下幕板52の上端面52aと縦向き部1aの上端面(表面板10の上端面10a)が同一高さで一直線状に連続するから、見栄えが良い。
【0044】
また、前記隙間塞ぎ部材の各部材は新しいレンジフードと同一の材料、例えば鋼板によって製作され、隙間塞ぎ部材の外観と新しいレンジフードの外観が同一であるから、その隙間塞ぎ部材は新しいレンジフードと連続した一体物のように見え、外観の見栄えが良い。
なお、隙間塞ぎ部材を新しいレンジフードの材料と異なる材料によって製作し、その表面板10,20、底面板14,30の表面を、新しいレンジフードの表面と同じ外観となるようにしても良い。例えば、隙間塞ぎ部材、少なくとも表面板10,20、底面板14,30をレンジフードと同じ塗装をして同じ外観とする。
要するに、隙間塞ぎ部材の外観をレンジフードの外観と同じにすれば良い。
【0045】
前述の実施の形態では新しいレンジフード47の前面が既設の吊り戸棚41の前面41bよりも室内側に突出しているので、縦塞ぎ部材4の前面を既設の吊り戸棚41の前面41bに合わせたが、新しいレンジフード47の前面が既設の吊り戸棚41の前面41bよりも奥に引き込む場合には、縦塞ぎ部材4の前面を新しいレンジフードの前面に合わせる。
【0046】
また、前述した新しいレンジフード47を既設の吊り戸棚41の側面41aと連続して設置する場合には、その隙間塞ぎ部材を壁面40のコーナー部42に取り付ける。
【0047】
また、新しいレンジフード47を、既設の吊り戸棚41の側面41aと新しいレンジフード47との間、その新しいレンジフードとコーナー部42との間にそれぞれ隙間が生じるように設置する場合には、既設の吊り戸棚41の側面41a、壁面40のコーナー部42に隙間隠し部材をそれぞれ取り付ける。
この場合には、隙間塞ぎ部材の幅寸法を半分とする。