特許第5665435号(P5665435)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5665435
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】車両用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/46 20060101AFI20150115BHJP
   A47C 7/54 20060101ALI20150115BHJP
【FI】
   B60N2/46
   A47C7/54 D
【請求項の数】9
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2010-196450(P2010-196450)
(22)【出願日】2010年9月2日
(65)【公開番号】特開2012-51492(P2012-51492A)
(43)【公開日】2012年3月15日
【審査請求日】2013年9月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100111109
【弁理士】
【氏名又は名称】城田 百合子
(74)【代理人】
【識別番号】100089934
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 淳一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100092945
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 千秋
(72)【発明者】
【氏名】伊澤 啓史
(72)【発明者】
【氏名】竹内 亮
(72)【発明者】
【氏名】木澤 豊
【審査官】 宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭61−031250(JP,U)
【文献】 特開平09−065951(JP,A)
【文献】 特開平09−119425(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00 − 2/72
A47C 7/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アームレストを、起立した格納姿勢と座席シートの上面上方の所定高さに位置する使用姿勢との間、取付軸中心に回動自在に背凭シートに取付け、前記アームレストのアームレストフレームと背凭フレームの取付ブラケットとの間に、前記アームレストを格納姿勢に保持する保持機構を設け、該保持機構は、前記取付ブラケットの所定部分に当接して前記アームレストと共に移動する当接支持部材により構成し
前記アームレストフレームと前記背凭フレームの前記取付ブラケットとの間に、前記アームレストフレームに設けたガイドピンと、該ガイドピンが移動する前記取付ブラケットに設けたガイド溝とにより構成した前記アームレストの移動を案内するガイド機構を設け、
前記ガイド溝は、前記取付軸を中心とする円弧形状に形成され、
前記当接支持部材は、前記取付ブラケットの縦板部の所定部分に当接する当接支持部を有し、
該当接支持部は、前記ガイドピン側に設けた先端側当接支持部と、前記取付軸側に設けた基部側当接支持部とを有し、
前記先端側当接支持部は、前記ガイド溝の前記取付軸中心に対する径方向外側に設けられていることを特徴とする車両用シート。
【請求項2】
請求項1において、前記当接支持部材は、前記ガイドピンに挿通する取付用の挿通孔を有して構成され
前記当接支持部は、前記挿通孔の周囲に形成した車両用シート。
【請求項3】
求項1または2において、前記当接支持部材は所定長さを有する板状部材により形成し、該当接支持部材の一端に前記ガイドピンを取付け、該当接支持部材の他端を前記取付軸に回動自在に取付けた車両用シート。
【請求項4】
請求項1または2において、前記当接支持部材は所定長さを有する板状部材により形成し、前記当接支持部材の先端に前記ガイドピンを取付ける挿通孔を設け、前記当接支持部材の基部に前記取付軸を取付ける取付孔を設け、前記挿通孔と前記取付孔の間の前記当接支持部材に前記当接支持部を設けた車両用シート。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項において、前記当接支持部材は、前記取付ブラケットの前記縦板部を基準に内外一対設け、記縦板部に当接する前記当接支持部を各当接支持部材に設け、該各当接支持部は内外方向から前記縦板部を挟持する構成とした車両用シート。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項において、前記取付ブラケットの内側の前記ガイドピンにはフランジ状の受部を設け、前記ガイドピンには取付用螺子孔を設け、該取付用螺子孔に前記取付ブラケットの外側からボルトを螺合させ、該ボルトの外周部分または前記ガイドピンが前記ガイド溝内を移動する構成とし、前記取付ブラケットの外側の前記ボルトの外周または前記ガイドピンの外周には前記当接支持部材を前記取付ブラケットの縦板部に押し付けるバネ手段を設けた車両用シート。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項において、前記当接支持部材は、前記取付ブラケットの縦板部を基準に内外一対設け、内側の前記当接支持部材の取付孔には外側に突出する筒部を形成し、該筒部の外周には第1係合部を形成し、外側の前記当接支持部材には前記第1係合部が係合する第2係合部を設けた車両用シート。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項において、前記アームレストフレームの左右何れか一方側に前記保持機構を設け、該保持機構を設けていない側の前記取付ブラケットの前記ガイド溝と取付孔に前記ガイドピンおよび前記取付軸を夫々挿通して所定位置に位置させた状態で、前記保持機構を設けた側の前記ガイドピンおよび前記取付軸の端部が、前記取付ブラケットの内側の所定位置に位置するように設定し、前記保持機構を設ける側の前記ガイドピンおよび前記取付軸の端部には螺子孔を夫々設け、前記保持機構を設ける側の前記ガイドピンおよび前記取付軸の夫々の端部に前記取付ブラケットの外側より移動側係止部材および固定側係止部材を夫々螺合させて取付けた車両用シート。
【請求項9】
アームレストを、起立した格納姿勢と座席シートの上面上方の所定高さに位置する使用姿勢との間、取付軸を中心に回動自在に背凭シートに取付け、前記アームレストのアームレストフレームと背凭フレームの取付ブラケットとの間に、前記アームレストを格納姿勢に保持する保持機構を設け、該保持機構は、前記取付ブラケットの所定部分に当接して前記アームレストと共に移動する当接支持部材により構成し、
前記アームレストフレームと前記背凭フレームの前記取付ブラケットとの間に、前記アームレストフレームに設けたガイドピンと、該ガイドピンが移動する前記取付ブラケットに設けたガイド溝とにより構成した前記アームレストの移動を案内するガイド機構を設け、前記当接支持部材は、前記ガイドピンに設けた移動当接支持部材と、前記取付軸に設けた固定当接支持部材とに分割構成し、前記移動当接支持部材と固定当接支持部材の何れか一方または両方に、前記取付ブラケットの縦板部の所定部分に当接する当接支持部を設けた車両用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、アームレストは、起立した格納姿勢と座席シートの上面上方に位置する使用姿勢との間取付軸中心に回動自在にアームレストを背凭シートに取付けた構成は、公知である(特許文献1)。
前記公知例は、係合ピンとガイド溝によりアームレストの回動を案内し、前方荷重が作用すると、バネ弾力に抗して係合ピンに係合体を係合させて、アームレストを起立させた格納姿勢に保持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−228886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例は、格納状態で所定以上の前方荷重が掛って、係合体が係合ピンに係合ロックする構成であるため、係合体とバネ等の部材が必要であり、構成が複雑で、組立・取付が面倒であるという課題がある。
また、格納状態で所定以上の荷重(慣性)が掛かって始めて、係合体が係合ロックするので、通常時格納位置に保持できない課題がある。
また、公知例は、前方荷重により移動中の係合ピンに係合体を係合させる構成のため、荷重発生初期から移動開始する係合ピンに対して、所定の荷重が掛かって始めて移動開始する係合体の移動が遅れ、格納位置の保持の確実性が低いという課題がある。
本願は、アームレスト4を保持する構成を工夫することにより、部品点数を少なくし、組立・取付を容易にしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、アームレストを、起立した格納姿勢と座席シートの上面上方の所定高さに位置する使用姿勢との間、取付軸中心に回動自在に背凭シートに取付け、前記アームレストのアームレストフレームと背凭フレームの取付ブラケットとの間に、前記アームレストを格納姿勢に保持する保持機構を設け、該保持機構は、前記取付ブラケットの所定部分に当接して前記アームレストと共に移動する当接支持部材により構成し、前記アームレストフレームと前記背凭フレームの前記取付ブラケットとの間に、前記アームレストフレームに設けたガイドピンと、該ガイドピンが移動する前記取付ブラケットに設けたガイド溝とにより構成した前記アームレストの移動を案内するガイド機構を設け、前記ガイド溝は、前記取付軸を中心とする円弧形状に形成され、前記当接支持部材は、前記取付ブラケットの縦板部の所定部分に当接する当接支持部を有し、該当接支持部は、前記ガイドピン側に設けた先端側当接支持部と、前記取付軸側に設けた基部側当接支持部とに分割構成され、前記先端側当接支持部は、前記ガイド溝の前記取付軸中心に対する径方向外側に設けられていることを特徴とする車両用シートに係るものである。
請求項の発明は、記当接支持部材は、前記ガイドピンに挿通する取付用の挿通孔を有して構成され、前記当接支持部は、前記挿通孔の周囲に形成した車両用シートに係るものである。
請求項の発明は、前記当接支持部材は所定長さを有する板状部材により形成し、該当接支持部材の一端に前記ガイドピンを取付け、該当接支持部材の他端を前記取付軸に回動自在に取付けた車両用シートに係るものである。
請求項の発明は、前記当接支持部材は所定長さを有する板状部材により形成し、前記当接支持部材の先端に前記ガイドピンを取付ける前記挿通孔を設け、前記当接支持部材の基部に前記取付軸を取付ける取付孔を設け、前記挿通孔と前記取付孔の間の前記当接支持部材に前記当接支持部を設けた車両用シートに係るものである。
請求項の発明は、前記当接支持部材は、前記取付ブラケットの縦板部を基準に内外一対設け、記縦板部に当接する前記当接支持部を各当接支持部材に設け、該各当接支持部は内外方向から前記縦板部を挟持する構成とした車両用シートに係るものである。
請求項の発明は、前記取付ブラケットの内側の前記ガイドピンにはフランジ状の受部を設け、前記ガイドピンには取付用螺子孔を設け、該取付用螺子孔に前記取付ブラケットの外側からボルトを螺合させ、該ボルトの外周部分または前記ガイドピンが前記ガイド溝内を移動する構成とし、前記取付ブラケットの外側の前記ボルトの外周または前記ガイドピンの外周には前記当接支持部材を前記取付ブラケットの縦板部に押し付けるバネ手段を設けた車両用シートに係るものである。
請求項の発明は、前記当接支持部材は、前記取付ブラケットの縦板部を基準に内外一対設け、内側の前記当接支持部材の取付孔には外側に突出する筒部を形成し、該筒部の外周には第1係合部を形成し、外側の前記当接支持部材には前記第1係合部が係合する第2係合部を設けた車両用シートに係るものである。
請求項の発明は、前記アームレストフレームの左右何れか一方側に前記保持機構を設け、該保持機構を設けていない側の前記取付ブラケットの前記ガイド溝と取付孔に前記ガイドピンおよび前記取付軸を夫々挿通して所定位置に位置させた状態で、前記保持機構を設けた側の前記ガイドピンおよび前記取付軸の端部が、前記取付ブラケットの内側の所定位置に位置するように設定し、前記保持機構を設ける側の前記ガイドピンおよび前記取付軸の端部には螺子孔を夫々設け、前記保持機構を設ける側の前記ガイドピンおよび前記取付軸の夫々の端部に前記取付ブラケットの外側より移動側係止部材および固定側係止部材を夫々螺合させて取付けた車両用シートに係るものである。
請求項の発明は、アームレストを、起立した格納姿勢と座席シートの上面上方の所定高さに位置する使用姿勢との間、取付軸を中心に回動自在に背凭シートに取付け、前記アームレストのアームレストフレームと背凭フレームの取付ブラケットとの間に、前記アームレストを格納姿勢に保持する保持機構を設け、該保持機構は、前記取付ブラケットの所定部分に当接して前記アームレストと共に移動する当接支持部材により構成し、前記アームレストフレームと前記背凭フレームの前記取付ブラケットとの間に、前記アームレストフレームに設けたガイドピンと、該ガイドピンが移動する前記取付ブラケットに設けたガイド溝とにより構成した前記アームレストの移動を案内するガイド機構を設け、前記当接支持部材は、前記ガイドピンに設けた移動当接支持部材と、前記取付軸に設けた固定当接支持部材とに分割構成し、前記移動当接支持部材と固定当接支持部材の何れか一方または両方に、前記取付ブラケットの縦板部の所定部分に当接する当接支持部を設けた車両用シートに係るものである。
【発明の効果】
【0006】
本願発明では、保持機構の当接支持部材が取付ブラケットの所定部分に当接してアームレストを格納姿勢に保持でき、アームレストの格納姿勢の保持構成を簡素に構成でき、製造組立を容易にでき、安価に提供できる。
本願発明では、当接支持部材をガイドピンに取付けているので、当接支持部材をアームレストと共に移動させる構成を簡素に構成でき、製造組立を容易にでき、安価に提供できる。
本願発明では、当接支持部材の当接支持部を縦板部に当接させるので、当接支持部材をアームレストと共に移動させる構成を簡素に構成でき、製造組立を容易にでき、安価に提供できる。
本願発明では、当接支持部材は、少なくとも、ガイドピンに挿通する取付用の挿通孔の周囲に当接支持部を設ければよく、構成を簡素にして、安価に保持機構を提供できる。
本願発明では、当接支持部材は、ガイドピンに設けた移動当接支持部材と、取付軸に設けた固定当接支持部材とにより分割構成しているので、構成を簡素にして、安価に保持機構を提供できる。
本願発明では、当接支持部材を所定長さの板状部材により形成しているので、ガイドピンと取付軸に取付けることができ、当接支持部材をアームレストと共に移動させる構成を簡素に構成でき、製造組立を容易にでき、安価に提供できる。
本願発明では、当接支持部材の挿通孔と取付孔の間に当接支持部を設けているので、当接支持部材をアームレストと共に移動させる構成を簡素に構成でき、製造組立を容易にでき、安価に提供できる。
本願発明では、取付ブラケットの縦板部を基準に内外一対の当接支持部材を設けているので、当接支持部と取付ブラケットの縦板部との当接面積を大きくでき、しかも、一対の当接支持部材の当接支持部により取付ブラケットの縦板部を挟持しているので、当接支持部による接触抵抗を大きくできて、アームレストを格納姿勢に強固に保持できる。
本願発明では、当接支持部材を縦板部に押し付けるバネ手段を設けているので、当接支持部材による接触抵抗の強さを調節でき、接触抵抗を最適にして、アームレストの姿勢変化に対する操作力の軽減と格納姿勢の保持との両立を実現することができる。
本願発明では、当接支持部材による縦板部の挾持状態を仮止めして保持でき、組立を頗る容易にできる。
本願発明では、アームレストの取付スペースが小さい場合でも、容易に取付けが可能となり、設置場所の選択の自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】車両用シートの斜視図。
図2】アームレストフレームの斜視図。
図3】ガイド機構および保持機構の部分の斜視図。
図4】保持機構を設けていない側のガイド機構の斜視図。
図5】ガイド機構および保持機構の部分の断面図。
図6】ガイド機構および保持機構の他の実施例の斜視図。
図7】同拡大図。
図8】同断面図。
図9】ガイド機構および保持機構の他の実施例の斜視図。
図10】同拡大図。
図11】同断面図。
図12】ガイド機構および保持機構の他の実施例の斜視図。
図13】同拡大図。
図14】同断面図。
図15】ガイド機構および保持機構の他の実施例の斜視図。
図16】同拡大図。
図17】同断面図。
図18】ガイド機構および保持機構の他の実施例の斜視図。
図19】同拡大図。
図20】当接支持部材の斜視図。
図21】同断面図。
図22】同断面図。
図23】ガイド機構および保持機構の他の実施例の断面図。
図24】同拡大図。
図25】保持機構を設けていない側のガイド機構の斜視図。
図26】同断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施例を図面により説明すると、1は車両用等のシート、2は座席シート、3は座席シート2に傾斜角度調節自在に設けた背凭シート、4は背凭シート3に設けたアームレストである。
アームレスト4は、背凭シート3に設けた凹部10内に格納される格納姿勢と座席シート2の上面上方に位置する使用姿勢との間取付軸11中心に回動自在に取付ける(図1)。
前記アームレスト4は、任意形状のアームレストフレーム12を、左右方向の前記取付軸11により前記背凭シート3の背凭フレーム13に設けた取付ブラケット15に回転自在に軸装する(理解を容易にするため、左右等の方向を示して説明するが、これにより構成が限定されることはない)。
【0009】
アームレストフレーム12と取付ブラケット15の間には、アームレスト4の回動を案内しかつ格納姿勢または使用姿勢に保持するガイド機構16を設ける(図2)。
ガイド機構16は、前記アームレストフレーム12側に左右一対設けたガイドピン20と、前記左右の取付ブラケット15の所定位置に夫々形成したガイド溝21とにより構成する。ガイドピン20はガイド溝21内を移動自在の構成とする。ガイド溝21は取付軸11中心の略円弧形状に形成する。ガイド溝21の内周のうちの下部には、アームレスト4の格納時にガイドピン20が当接する格納姿勢当接面22を形成する(図3図4)。ガイド溝21の内周のうちの上部には、アームレスト4の使用状態でガイドピン20が当接する使用姿勢当接面23を形成する。
【0010】
しかして、アームレストフレーム12と取付ブラケット15の間には、少なくとも、アームレスト4が背凭シート3に設けた凹部10内に格納された状態を、保持する保持機構25を設ける。
保持機構25は、前記取付ブラケット15の縦板部26に当接したときに生じる所定の接触(摩擦)抵抗によりアームレスト4の格納状態を保持する当接支持部材27を有して構成する。当接支持部材27は、少なくとも、前記ガイドピン20に取付ける。当接支持部材27には、前記縦板部26の所定部分に当接して支持する当接支持部28を設ける。
当接支持部材27は、前記ガイドピン20に挿通する取付用の挿通孔29を設ける。前記当接支持部28は前記挿通孔29の周囲に形成する。
【0011】
即ち、当接支持部材27は、前記ガイド溝21より大きい幅を有して形成し、ガイド溝21よりはみ出た部分の当接支持部28を縦板部26の所定箇所に当接させて、所定の接触抵抗を発生させる。
したがって、当接支持部材27の当接支持部28は、アームレスト4の格納姿勢と使用姿勢との姿勢変化に伴って、通常、取付軸11中心に回動し、アームレスト4を回動操作しないとき、当接支持部28と縦板部26との間の接触抵抗により、アームレスト4を格納姿勢に保持する。
また、前記ガイドピン20は所謂軸形状に形成し、取付ブラケット15の内側のガイドピン20にはフランジ状の受部49を設け、受部49と縦板部26との間に当接支持部材27を挟持させ、当接支持部材27の当接支持部28を縦板部26の内面に当接させる。
【0012】
前記ガイドピン20には取付用螺子孔47を設け、取付用螺子孔47にボルト48を螺合させる。
ボルト48と取付ブラケット15の外面との間にはワッシャ50Aの他にバネワッシャ50B等のバネ手段を設け、ボルト48により取付ブラケット15の内面と受部49との間の間隔を変更調節可能とし、摩擦力を最適にして、アームレスト4の姿勢変化に対する操作力の軽減と格納姿勢の保持との両立を実現する。
前記保持機構25は、前記アームレスト4の左右両側に設けてもよいが、左右何れか一方に設ければよく、保持機構25を設けていない側の前記取付軸11の端部には、係合溝40を形成し、取付ブラケット15の取付孔41に設けたブッシュ42より外側に位置させ、このブッシュ42に係止部材43を係止させる(図4)。
【0013】
即ち、左右の取付ブラケット15の左右間隔よりも、取付軸11の両端は外側に位置するので、保持機構25を設けていない側(図2において右側)の一方の取付ブラケット15のガイド溝21と取付孔41の夫々に一方の取付軸11とガイドピン20とを挿通し、次に、アームレストフレーム12を更に保持機構25を設けていない側(図2において右側)に寄せて、アームレストフレーム12の他方側(左側)の取付軸11の端部を取付ブラケット15の内側に位置させ、次に、アームレストフレーム12を保持機構25を設けた側(左側)の取付ブラケット15に向けて移動させ、ガイドピン20および取付軸11をガイド溝21と取付孔41の夫々に挿通させて、取付ける。
【0014】
保持機構25は、前記当接支持部材27が取付ブラケット15に当接している接触抵抗によりアームレスト4を格納位置に保持する構成であればよいが、図6図8では、前記当接支持部材27は、縦板部26の外面と内面とに当接するように、内外一対設け、一対の当接支持部材27により取付ブラケット15の縦板部26を左右両側から挟持する構成とすると、一層、確実に、アームレスト4を格納姿勢に保持する。
即ち、前記当接支持部材27は、内側の当接支持部材27Aと外側の当接支持部材27Bとを、夫々内外一対設け、内側の当接支持部材27Aと外側の当接支持部材27Bの夫々に設けた当接支持部28により取付ブラケット15の縦板部26を内外(左右)の両側から挟持する。
【0015】
また、内外一対の内側当接支持部材27Aと外側当接支持部材27Bの夫々に当接支持部28を設ける場合、受部49を内側当接支持部材27Aの内面に当接させ、ボルト48と外側当接支持部材27Bとの間に前記バネワッシャ50B等のバネ手段を設け、ボルト48により内側当接支持部材27Aと外側当接支持部材27Bとの間の間隔を変更調節可能となって、摩擦力を最適にして、アームレスト4の姿勢変化に対する操作力の軽減と格納姿勢の保持との両立を実現する。
しかして、図9図11は、保持機構25の他の実施例を示し、前記当接支持部材27は、前記ガイドピン20に設けた移動当接支持部材27Eとし、該移動当接支持部材27Eの他に、前記取付軸11に固定当接支持部材27Fを設ける。
【0016】
固定当接支持部材27Fは、所定径を有するフランジ部30に前記取付軸11に挿通する取付用の取付孔31を設け、該取付孔31以外の部分のフランジ部30に当接支持部28を設ける。
また、固定当接支持部材27Fは、縦板部26の左右何れか一方側に設ければよいが(図9図11)、図12図14のように、両側に設けてもよい。
以上のように、理解を容易にするため、当接支持部材27は、設置箇所によって、個別に図示して説明しているが、固定当接支持部材27Fを、縦板部26を挟持するように一対設けると、内側固定当接支持部材27A(F)と外側固定当接支持部材27B(F)となり、内側固定当接支持部材27A(F)と外側固定当接支持部材27B(F)の夫々に、当接支持部28を設けるので、前記移動当接支持部材27Eの所定部分に形成した先端側当接支持部28Eと、前記フランジ部30に形成した基部側当接支持部28Fとなって、前記先端側当接支持部28Eと基部側当接支持部28Fを夫々内外に一対設けると、内側先端側当接支持部28E(A)および内側基部側当接支持部28F(A)と、外側先端側当接支持部28E(B)および外側基部側当接支持部28F(B)とにより、最大4カ所に設けることができる(図2図14)。
【0017】
なお、設置箇所および設置数は任意である。
即ち、前記当接支持部材27は、前記ガイドピン20に設けた内側当接支持部材27Aと外側当接支持部材27Bの夫々を移動当接支持部材27E(内側移動当接支持部材27A(E)と外側移動当接支持部材27B(E))とし、単独または一対の移動当接支持部材27Eの他に、前記取付軸11に固定当接支持部材27Fを設け、
この固定当接支持部材27Fを、縦板部26を挟持するように一対設けると、内側固定当接支持部材27A(F)と外側固定当接支持部材27B(F)となる。
また、図示されていない、例えば、縦板部26の外側のみに当接支持部材27を設けてもよい。
しかして、図15図17は、保持機構25の他の実施例を示し、前記当接支持部材27が、図2図14の実施例の移動当接支持部材27Eと固定当接支持部材27Fとを一体状にして形成している。
【0018】
したがって、当接支持部材27は取付軸11とガイドピン20を結ぶ板状部材により形成することになり、当接支持部材27の所定位置に前記当接支持部28を形成する。
即ち、当接支持部材27の基部には、前記取付軸11に挿通する取付孔31を設け、当接支持部材27の先端には前記ガイドピン20に挿通する挿通孔29を設ける。
前記ガイドピン20には取付用螺子孔47を設け、取付用螺子孔47にボルト48を螺合させる。
即ち、ボルト48と取付ブラケット15の外面との間にはワッシャ50Aの他にバネワッシャ50B等のバネ手段を設け、ボルト48により取付ブラケット15の内面と受部49との間の間隔を変更調節可能とし、摩擦力を最適にして、アームレスト4の姿勢変化に対する操作力の軽減と格納姿勢の保持との両立を実現する。
【0019】
当接支持部材27には、少なくとも、当接支持部材27の前記挿通孔29の周囲所定部分に先端側当接支持部28Eを形成する。図20では、先端側当接支持部28Eの他に、前記取付軸11を中心とする周囲の当接支持部材27の部位に基部側当接支持部28Fを形成している。
また、前記当接支持部材27は、縦板部26の外面と内面とに当接するように、内外一対設けてもよく、一対の当接支持部材27の内側当接支持部材27Aの当接支持部28と外側当接支持部材27Bの当接支持部28により取付ブラケット15の縦板部26を挟持する構成としている。
【0020】
このように、内外一対の内側当接支持部材27Aと外側当接支持部材27Bの夫々に当接支持部28を設けた場合、受部49を内側当接支持部材27Aの内面に当接させ、ボルト48と外側当接支持部材27Bとの間に前記バネワッシャ50B等のバネ手段を介在させ、ボルト48により内側当接支持部材27Aと外側当接支持部材27Bとの間の間隔を変更調節可能とし、内側当接支持部材27Aと外側当接支持部材27Bとが所定圧力を有して縦板部26を挟持する構成としている。
また、当接支持部材27の内側当接支持部材27Aと外側当接支持部材27Bの夫々の基部には、前記取付軸11に挿通する取付用の取付孔31を設け、取付孔31に取付軸11を挿通して回動自在に取付けるが、前記内側の内側当接支持部材27Aの取付孔31には、外側に突出する筒部52を形成し、筒部52を外側当接支持部材27Bの取付孔31に圧入させ、内側当接支持部材27Aと外側当接支持部材27Bとの先端側が所定圧力を有して縦板部26を挟持する構成とし、取付を容易にしている。
【0021】
また、内側当接支持部材27Aの筒部52の外端には閉塞板部53を設ける。前記筒部52には取付軸11の端部を所定圧力により圧入して固定させる。
前記取付ブラケット15の縦板部26の外側の筒部52の外周には外側当接支持部材27Bの取付孔31Bを挿通嵌合させる。
しかして、図18図22は、保持機構25の他の実施例を示し、前記当接支持部材27を、移動当接支持部材27Eと固定当接支持部材27Fとを一体状に形成すると共に、前記一対の当接支持部材27のうち内側の内側当接支持部材27Aの取付孔31には外側に突出する筒部52を形成し、該筒部52の外周には係合部55を形成する。係合部55は外側当接支持部材27Bの取付孔31内に設けた係合部56に係合させ、内側当接支持部材27Aと外側当接支持部材27Bとによる取付ブラケット15の縦板部26の挾持状態を保持し、内側当接支持部材27Aと外側当接支持部材27Bの取付を容易にする。
【0022】
また、図12図14の実施例でも、前記当接支持部材27の内外一対の固定当接支持部材27Fのうち内側の内側の固定当接支持部材27Fの取付孔31に外側に突出する筒部52を設け、該筒部52の外周には係合部55を形成してもよく、外側の固定当接支持部材27Fの取付孔31内に設けた係合部56に係合させ、取付ブラケット15の縦板部26の挾持状態を保持し、内側当接支持部材27Aと外側当接支持部材27Bの取付を容易にする。
【0023】
しかして、図23図26は、保持機構25の他の実施例を示し、アームレストフレーム12の左右何れか一方である、例えば、左側に保持機構25を設け(図23において右側)、保持機構25を設けていない反対側(図23において左側)の右方の取付ブラケット15のガイド溝21と取付孔41に左方のガイドピン20および取付軸11を挿通させて所定位置に位置させた状態で、ガイドピン20および取付軸11の左端が、前記右側の取付ブラケット15の内側所定位置となるように設定し、ガイドピン20および取付軸11の左端には螺子孔(図示省略)を設け、該螺子孔に右側の取付ブラケット15の外側より固定側係止部材60(ボルト48)と移動側係止部材61を夫々螺合させて取付ける。
そのため、アームレスト4の取付スペースが小さい場合でも、容易に取付けが可能となる。
【0024】
この場合、前記当接支持部材27の構成は、任意であり、前記当接支持部材27は、前記ガイドピン20に設けた移動当接支持部材27Eと、固定当接支持部材27Fとに分割した構成、または、移動当接支持部材27Eと固定当接支持部材27Fとを一体状に形成した構成、あるいは、内側当接支持部材27Aおよび外側当接支持部材27Bの内外一対設けた構成でもよく、上記各実施例を組み合わせたものでもよい。
【0025】
また、前記取付軸11とガイドピン20の構成も、任意であり、単に、軸形状に形成してもよいが、受部49を取付軸11とガイドピン20の夫々に設け、取付軸11とガイドピン20の夫々にバネワッシャ50B等のバネ手段を介在させ、固定側係止部材60(ボルト48)と移動側係止部材61により内側当接支持部材27Aと外側当接支持部材27Bとの間の間隔を変更調節可能とする構成にすると、アームレスト4の取付を容易にするだけでなく、アームレスト4の保持の確実性も向上させられて、好適である。
【0026】
(実施例の作用)
アームレスト4は、背凭シート3に設けた凹部10内に格納される格納姿勢と座席シート2の上面上方所定位置に位置する使用姿勢との間取付軸11中心に回動自在に取付けているので、アームレスト4の先端を持って、一方の姿勢から取付軸11中心に回動させると、他方の姿勢となる。
アームレスト4は、背凭シート3に設けた凹部10内に格納される格納姿勢と座席シート2の上面上方に位置する使用姿勢との間取付軸11中心に回動自在に、アームレスト4のアームレストフレーム12を背凭フレーム13の取付ブラケット15に取付け、アームレストフレーム12と取付ブラケット15の間には、アームレスト4の回動を案内するガイド機構16を設けているから、ガイド機構16により一方の姿勢から他方の姿勢へ案内する。
【0027】
ガイド機構16は、アームレストフレーム12に左右一対設けたガイドピン20を有して構成し、ガイドピン20は、取付ブラケット15に設けたガイド溝21に係合させ、ガイド溝21は取付軸11中心の円弧形状に形成し、ガイド溝21の内周のうちの下部に格納姿勢当接部22を形成しているので、アームレスト4を起立させて背凭シート3の凹部10内に格納させると、ガイドピン20がガイド溝21の格納姿勢当接部22に当接して、回動停止する。
ガイド溝21の内周のうちの上部には使用姿勢当接面23を形成しているので、アームレスト4を凹部10から引き出して取付軸11中心に下方させると、ガイドピン20がガイド溝21の使用姿勢当接面23に当接して、回動停止させ、アームレスト4を使用状態で保持する。
【0028】
アームレストフレーム12と取付ブラケット15の間には、少なくとも、アームレスト4を格納姿勢に保持する保持機構25を設けているから、保持機構25により凹部10内に格納されるアームレスト4を格納姿勢に保持する。
保持機構25は、取付ブラケット15の所定部分(縦板部26)に当接して所定の接触抵抗を発生させる当接支持部材27を有して構成しているので、凹部10内に格納されているアームレスト4に、アームレスト4を取付軸11中心に前方回動させる荷重(慣性等)が作用すると、当接支持部材27が取付ブラケット15に当接しているときの接触抵抗によりアームレスト4を格納姿勢に保持する。
【0029】
即ち、当接支持部材27はアームレスト4と共に移動する部分に設けているので、凹部10内に格納されているアームレスト4に、アームレスト4を取付軸11中心に前方回動させる荷重(慣性等)が作用すると、当接支持部材27が取付ブラケット15に当接していることにより発生している接触抵抗によりアームレスト4の回動開始を停止させて、アームレスト4を格納姿勢に保持する。
したがって、当接支持部材27と取付ブラケット15との接触抵抗より、大きい操作力により、アームレスト4の姿勢変更操作を行う。
【0030】
当接支持部材27と取付ブラケット15との接触抵抗は、当接支持部材27に設けた当接支持部28を取付ブラケット15に当接させて発生させるので、アームレスト4の姿勢変更操作は容易で円滑に行える。
当接支持部28は、移動するアームレスト4と共に移動する当接支持部材27の所定部分に設けているので、簡単な構成で当接支持部材27と取付ブラケット15との接触抵抗による保持を実現する。
保持機構25の当接支持部材27はガイドピン20に取付け、当接支持部材27には当接支持部28を設けているので、当接支持部28を取付ブラケット15の縦板部26に当接させて、アームレスト4を格納姿勢に保持する。
【0031】
当接支持部材27は、ガイドピン20を挿通する取付用の挿通孔29を有し、挿通孔29の周囲の当接支持部材27に当接支持部28を設けているので、挿通孔29の周囲の当接支持部28が縦板部26に当接してアームレスト4を格納姿勢に保持する。
即ち、当接支持部材27は、前記ガイド溝21より大きい幅を有して形成しているので、縦板部26のガイド溝21よりはみ出た部分の当接支持部28が縦板部26の所定部分に当接して、アームレスト4を格納姿勢に保持する。
【0032】
ガイドピン20は所謂軸形状に形成し、取付ブラケット15の内側のガイドピン20にはフランジ状の受部49を設け、受部49と縦板部26との間のガイドピン20に当接支持部材27を挟持させ、当接支持部材27の当接支持部28を縦板部26の内面に当接させ、ボルト48と取付ブラケット15の外面との間にバネワッシャ50B等のバネ手段を設けているので、ガイドピン20の取付用螺子孔47にボルト48を螺合させると、ボルト48のねじ込み度合いによって取付ブラケット15の内面と受部49との間の間隔を変更調節可能となって、摩擦力を最適にして、アームレスト4の姿勢変化に対する操作力の軽減と格納姿勢の保持との両立を実現する。
【0033】
保持機構25の当接支持部材27は、縦板部26の外面と内面とに当接するように、内外一対設け、一対の当接支持部材27により取付ブラケット15の縦板部26を挟持する構成としているので、縦板部26の左右両側面で生じる抵抗でアームレスト4を保持でき、保持の確実性を向上させられる。
即ち、前記当接支持部材27は、内側の当接支持部材27Aと外側の当接支持部材27Bとを、夫々内外一対設けているので、内側の当接支持部材27Aと外側の当接支持部材27Bの夫々に設けた当接支持部28により取付ブラケット15の縦板部26を内外(左右)の両側から挟持する。
【0034】
しかして、図9図11の保持機構25の他の実施例では、前記当接支持部材27は、前記ガイドピン20に設けた移動当接支持部材27Eとし、該移動当接支持部材27Eの他に、前記取付軸11に固定当接支持部材27Fを設けており、固定当接支持部材27Fは所定径を有するフランジ部30に前記取付軸11に挿通する取付用の取付孔31を設け、該取付孔31以外の部分のフランジ部30に当接支持部28を設けているので、当接支持部28と縦板部26との接触面積が拡大して、アームレスト4の保持の確実性を向上させられる。
固定当接支持部材27Fは、所定径を有するフランジ部30に前記取付軸11に挿通する取付用の取付孔31を設け、該取付孔31以外の部分のフランジ部30に当接支持部28を設けているので、取付孔31の周囲のフランジ部30の当接支持部28が縦板部26に当接する。
【0035】
したがって、固定当接支持部材27Fを、縦板部26を挟持するように一対設けると、内側固定当接支持部材27A(F)と外側固定当接支持部材27B(F)となり、内側固定当接支持部材27A(F)と外側固定当接支持部材27B(F)の夫々に、当接支持部28を設けるので、前記移動当接支持部材27Eの所定部分に形成した先端側当接支持部28Eと、前記フランジ部30に形成した基部側当接支持部28Fとなって、内側移動当接支持部材27A(E)と外側移動当接支持部材27B(E)と、内側固定当接支持部材27A(F)と外側固定当接支持部材27B(F)との夫々の当接支持部28が縦板部26に当接する。
【0036】
しかして、図15図17の保持機構25の他の実施例では、当接支持部材27を、取付軸11に対する移動当接支持部材27Eと固定当接支持部材27Fとが一体状に形成されており、当接支持部材27は取付軸11とガイドピン20を結ぶ板状部材により形成しているので、当接支持部材27の当接支持部28を取付ブラケット15の縦板部26に当接させる。
また、当接支持部材27の基部には、取付軸11に挿通する取付用の取付孔31を設けているので、取付孔31を取付軸11に挿通させて、当接支持部材27を取付軸11中心にアームレスト4と共に回動するように取付ける。
保持機構25は、取付ブラケット15の縦板部26の所定部分に当接して所定の接触抵抗により支持する当接支持部材27を有して構成しているので、凹部10内に格納されているアームレスト4に、アームレスト4を取付軸11中心に前方回動させる荷重(慣性等)が作用すると、当接支持部材27と縦板部26との当接面の接触抵抗によりアームレスト4を格納姿勢に保持する。
【0037】
当接支持部材27の当接支持部28は、挿通孔29に対する当接支持部材27の長さ方向の所定部分の当接支持部材27の部位に形成した先端側当接支持部28Eと、前記取付軸11を中心とする周囲の当接支持部材27に形成した基部側当接支持部28Fとにより構成しているので、当接支持部材27の先端側当接支持部28Eと基部側当接支持部28Fとが取付ブラケット15の縦板部26に当接してアームレスト4を保持する。
当接支持部材27は、縦板部26を基準に内外一対設け、各当接支持部材27の当接支持部28により縦板部26の外面と内面の夫々に当接させているので、当接支持部28と取付ブラケット15の縦板部26との当接面積を大きくでき、アームレスト4を格納姿勢に強固に保持する。
【0038】
また、一対の当接支持部材27の当接支持部28により取付ブラケット15の縦板部26を挟持しているので、当接支持部28による接触抵抗を大きくし、アームレスト4を格納姿勢に強固に保持する。
また、一対の当接支持部材27のうち内側の内側当接支持部材27Aの取付孔31には、外側に突出する筒部52を形成し、筒部52の外端には閉塞板部53を設けているので、取付ブラケット15の取付孔41に内側当接支持部材27Aの筒部52を圧入嵌合させ、この筒部52の外周に外側当接支持部材27Bの取付孔31を挿通嵌合させ、筒部52に取付軸11の端部を挿入固定させる(図7図10図16図19)。
そのため、組立が容易になる。
【0039】
しかして、図12図26の保持機構25の実施例では、当接支持部材27の一対のうちの内側の固定当接支持部材27Fおよび一対の当接支持部材27のうち内側の内側当接支持部材27Aの取付孔31には、外側に突出する筒部52を形成し、該筒部52の外周には係合部55を形成し、係合部55には外側当接支持部材27Bの取付孔31B内に設けた合部56を係合させているので、内側当接支持部材27Aと外側当接支持部材27Bとによる取付ブラケット15の縦板部26の挾持状態を仮止めして保持し、組立を容易にする。
【0040】
しかして、図23図26の保持機構25の他の実施例では、保持機構25を設けていない側の取付ブラケット15のガイド溝21と取付孔41に左方のガイドピン20および取付軸11を挿通させて所定位置に位置させた状態で、保持機構25を設けた側のガイドピン20および取付軸11の端部が、前記右側の取付ブラケット15の内側所定位置となるように設定しているので、まず、保持機構25を設けていない側の取付ブラケット15のガイド溝21と取付孔41にガイドピン20および取付軸11を挿通させ、次に、ガイドピン20および取付軸11の端部を、取付ブラケット15の内側所定位置となるように位置させ、ガイドピン20および取付軸11の端部のに取付ブラケット15の外側より固定側係止部材60(ボルト48)と移動側係止部材61を夫々螺合させて取付ける。
【0041】
そのため、アームレスト4の取付スペースが小さい場合でも、容易に取付けが可能となる。特に、左右方向の取付スペースが小さい場合、ガイドピン20および取付軸11と取付ブラケット15との取付作業を可能にでき、好適である。を
また、上記において、保持機構25がアームレスト4を格納姿勢に保持すると説明しているが、当接支持部材27を取付ブラケット15に当接させる構成とすれば、凹部10から引き出したアームレスト4が使用状態に至るまでの間でも、保持機構25は作用させることができ、アームレスト4が自重に加えて何らかの荷重が作用しても、直ぐに、下方回動させず、格納姿勢から使用姿勢の間の所定位置で停止させられる。
【0042】
そのため、格納姿勢と使用姿勢との間でも、不用意なアームレスト4の変位を防止する作用も期待できる。
なお、理解を容易にするため、各図の当接支持部28に細点を付しているが、これにより構成は限定されない。
また、実施例では、理解を容易にするため、ガイド溝21を取付軸11の後側に形成した例を基準に前後・上下等の方向を具体的に説明しているが、ガイド溝21を取付軸11の前側に形成してもよく、前後・上下等の方向の記載によって、構成は限定されない。
【符号の説明】
【0043】
1…車両用シート、2…座席シート、3…背凭シート、4…アームレスト、10…凹部、11…取付軸、12…アームレストフレーム、13…背凭フレーム、15…取付ブラケット、16…ガイド機構、20…ガイドピン、21…ガイド溝、22…格納姿勢当接部、23…使用姿勢当接部、25…保持機構、26…縦板部、27…当接支持部材、28…当接支持部、29…挿通孔、30…フランジ部、31…取付孔、40…係合溝、41…取付孔、42…ブッシュ、43…係止部材、45…側板、46…横軸、47…取付用螺子孔、48…ボルト、49…受部、50A…ワッシャ、50B…バネワッシャ、52…筒部、53…閉塞板部、55…係合部、56…係合部、60…固定側係止部材、61…移動側係止部材。
図1
図2
図3
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