(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5665464
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】ウィンドウオープン方法及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/048 20130101AFI20150115BHJP
G06F 3/0481 20130101ALI20150115BHJP
【FI】
G06F3/048 655C
G06F3/048 655A
G06F3/048 657A
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-222768(P2010-222768)
(22)【出願日】2010年9月30日
(65)【公開番号】特開2012-79027(P2012-79027A)
(43)【公開日】2012年4月19日
【審査請求日】2013年9月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】311012169
【氏名又は名称】NECパーソナルコンピュータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084250
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 靖
【審査官】
海江田 章裕
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2009/113588(WO,A1)
【文献】
特開2010−086149(JP,A)
【文献】
特開平06−044001(JP,A)
【文献】
特開2005−276163(JP,A)
【文献】
特開2010−205018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048
G06F 3/0481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに設けられた複数のモニタのうち、1つのモニタの画面上にファイルを起動して表示するためのウィンドウオープン方法であって、
前記複数のモニタのうち、所望の1つのモニタの画面上にファイルがドロップされた場合に、前記ファイルのウィンドウを当該画面上に表示するウィンドウオープンステップと、
キーボードに設けられた所定のキーが押されたか否かを判断するキー判断ステップと、を有し、
前記ウィンドウオープンステップは、
前記ファイルを前記画面上にドロップする処理が行われ、かつ、前記所定のキーが押されたと判断した場合には、前記ファイルのウィンドウを前記画面上にオープンする処理を停止し、かつ、前記画面上へのドロップのみを行う、ことを特徴とするウィンドウオープン方法。
【請求項2】
複数のモニタと、
前記複数のモニタの画面上でカーソル操作が可能な操作手段とを有するコンピュータにおいて、前記複数のモニタのうち、所望の1つのモニタの画面上にファイルのウィンドウを表示するためのウィンドウオープン方法であって、
前記操作手段による操作に応じて、前記複数のモニタのうち、所望の1つのモニタの画面上のファイルをカーソルにより仮想的に掴んでドラッグを行い、前記ファイルを前記複数のモニタのうちの任意の画面上にドロップする処理を行うドラッグアンドドロップ処理ステップと、
前記ファイルが前記任意の画面上にドロップする処理が行われた場合には、前記ファイルのウィンドウを前記任意の画面上にオープンして起動するウィンドウオープンステップと、
キーボードに設けられた所定のキーが押されたか否かを判断するキー判断ステップと、を有し、
前記ウィンドウオープンステップは、
前記ファイルを任意のモニタの画面上にドロップする処理が行われ、かつ、前記所定のキーが押されたと判断した場合には、前記ファイルのウィンドウを前記任意のモニタの画面上にオープンする処理を停止し、かつ、前記ファイルを前記任意のモニタの画面上へのドロップのみを行う、ことを特徴とするウィンドウオープン方法。
【請求項3】
複数のモニタを備え、前記複数のモニタのうち、1つのモニタの画面上にファイルを起動して表示する情報処理装置であって、
前記複数のモニタのうち、所望の1つのモニタの画面上にファイルがドロップされた場合に、前記ファイルのウィンドウを当該画面上に表示するウィンドウオープン手段と、
キーボードに設けられた所定のキーが押された否かを判断するキー判断手段と、を有し、
前記ウィンドウオープン手段は、
前記ファイルを前記画面上にドロップする処理が行われ、かつ、前記所定のキーが押されたと前記キー判断手段により判断された場合には、前記ファイルのウィンドウを前記画面上にオープンする処理を停止し、かつ、前記画面上へのドロップのみを行う、ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
複数のモニタと、
前記複数のモニタの画面上でカーソル操作が可能な操作手段と、を備え、
前記複数のモニタのうち、所望の1つのモニタの画面上にファイルのウィンドウを表示する情報処理装置であって、
前記操作手段による操作に応じて、前記複数のモニタのうち、所望の1つのモニタの画面上のファイルをカーソルにより仮想的に掴んでドラッグを行い、前記ファイルを前記複数のモニタのうちの任意の画面上にドロップする処理を行うドラッグアンドドロップ処理手段と、
前記ファイルが任意のモニタの画面上にドロップする処理が行われた場合には、前記ファイルのウィンドウを前記任意のモニタの画面上にオープンして起動するウィンドウオープン手段と、
キーボードに設けられた所定のキーが押されたか否かを判断するキー判断手段と、
を有し、
前記ウィンドウオープン手段は、
前記ファイルを任意のモニタの画面上にドロップする処理が行われ、かつ、前記所定のキーが押されたと前記キー判断手段により判断された場合には、前記ファイルのウィンドウを前記任意のモニタの画面上にオープンする処理を停止し、かつ、前記ファイルを前記任意のモニタの画面上へのドロップのみを行う、ことを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチディスプレイでも利用可能なウィンドウオープン方法
及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マルチモニタ使用時に、ファイルのアイコンをクリックしてファイルを起動させた場合、プライマリのモニタ、もしくは前回終了時の表示モニタでファイルを起動させ、その後、表示したいモニタヘウィンドウをドラッグしていた。
【0003】
特許文献1には、マルチディスプレイでのアプリケーションソフトウエア起動方法について、「マルチディスプレイシステム」が報告されている。
詳しくは、従来のマルチディスプレイシステムでは、希望するモニタでファイルを起動表示させたい場合、一度アイコンをダブルクリックし、ファイルを起動させた後に、開いたウィンドウをドラッグして実際に使用したいモニタの画面上にドラッグして表示させることが必要になる。
このため、たとえば2つのウィンドウW1、W2を用いて作業を行う場合、ファイルを起動後にウィンドウをW1に表示をさせてから、W2に表示させたいウィンドウをW2にドラッグしてW2に表示させるという作業が必要となる場合があり、順を追った複数の操作が必要となり、利便性を損なっている。
【0004】
一方、アプリケーションソフトウェアによっては、アプリケーションソフトウェアのウィンドウ内に子ウィンドウを開いてデータファイルを表示する、MDI(Multiple Document Interface)を採用するものがある。このようなアプリケーションソフトウェアでは、既にそのアプリケーションソフトウェアのウィンドウが起動されているときにデータファイルのアイコンに起動操作を行うと、新たなウィンドウを開くことなく既存のウィンドウの子ウィンドウとしてそのデータファイルが開かれる。
このようなアプリケーションソフトウェアのデータファイルを、複数ディスプレイのそれぞれに開いたウィンドウで表示しようとすると、まずアプリケーションソフトウェアの起動操作を所望のウィンドウ数だけ繰り返し、次に開いたウィンドウを所望のディスプレイに移動させ、さらにそれぞれのウィンドウごとに、例えばドラッグアンドドロップ操作などによって、開くデータファイルを指定する、という3段階での操作が必要となるため、利便性を損なっているといった問題があった。
また、従来のマルチディスプレイ環境では、アイコンへの操作によってウィンドウを開くとき、プライマリディスプレイや前回終了時のディスプレイに表示されるので、表示されるディスプレイを選択できないといった問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−164988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、マルチモニタ使用時、表示したい所望のモニタ上でファイルを簡単な操作で起動することが切望されている。
本発明は、マルチモニタ使用時、1アクションの簡単な操作で表示したいモニタ上でファイルのウィンドウを表示することができる
ようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する
本発明の一態様は、コンピュータに設けられた複数のモニタのうち、1つのモニタの画面上にファイルを起動して表示するためのウィンドウオープン方法であって、前記複数のモニタのうち、所望の1つのモニタの画面上にファイルがドロップされた場合に、前記ファイルのウィンドウを当該画面上に表示するウィンドウオープンステップ
と、キーボードに設けられた所定のキーが押されたか否かを判断するキー判断ステップと、を有し、前記ウィンドウオープンステップは、前記ファイルを前記画面上にドロップする処理が行われ、かつ、前記所定のキーが押されたと判断した場合には、前記ファイルのウィンドウを前記画面上にオープンする処理を停止し、かつ、前記画面上へのドロップのみを行う、ことを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決する本発明の別の一態様は、複数のモニタと、前記複数のモニタの画面上でカーソル操作が可能な操作手段とを有するコンピュータにおいて、前記複数のモニタのうち、所望の1つのモニタの画面上にファイルのウィンドウを表示するためのウィンドウオープン方法であって、前記操作手段による操作に応じて、前記複数のモニタのうち、所望の1つのモニタの画面上のファイルをカーソルにより仮想的に掴んでドラッグを行い、前記ファイルを前記複数のモニタのうちの任意の画面上にドロップする処理を行うドラッグアンドドロップ処理ステップと、前記ファイルが前記任意の画面上にドロップする処理が行われた場合には、前記ファイルのウィンドウを前記任意の画面上にオープンして
起動するウィンドウオープンステップと
、キーボードに設けられた所定のキーが押されたか否かを判断するキー判断ステップと、を有し、前記ウィンドウオープンステップは、前記ファイルを任意のモニタの画面上にドロップする処理が行われ、かつ、前記所定のキーが押されたと判断した場合には、前記ファイルのウィンドウを前記任意のモニタの画面上にオープンする処理を停止し、かつ、前記ファイルを前記任意のモニタの画面上へのドロップのみを行う、ことを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決する本発明のさらに別の一態様は、複数のモニタを備え、前記複数のモニタのうち、1つのモニタの画面上にファイルを起動して表示する情報処理装置であって、前記複数のモニタのうち、所望の1つのモニタの画面上にファイルがドロップされた場合に、前記ファイルのウィンドウを当該画面上に表示するウィンドウオープン手段と、キーボードに設けられた所定のキーが押された否かを判断するキー判断手段と、を有し、前記ウィンドウオープン手段は、前記ファイルを前記画面上にドロップする処理が行われ、かつ、前記所定のキーが押されたと前記キー判断手段により判断された場合には、前記ファイルのウィンドウを前記画面上にオープンする処理を停止し、かつ、前記画面上へのドロップのみを行う、ことを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決する本発明のさらに別の一態様は、複数のモニタと、前記複数のモニタの画面上でカーソル操作が可能な操作手段と、を備え、前記複数のモニタのうち、所望の1つのモニタの画面上にファイルのウィンドウを表示する情報処理装置であって、前記操作手段による操作に応じて、前記複数のモニタのうち、所望の1つのモニタの画面上のファイルをカーソルにより仮想的に掴んでドラッグを行い、前記ファイルを前記複数のモニタのうちの任意の画面上にドロップする処理を行うドラッグアンドドロップ処理手段と、前記ファイルが前記任意の画面上にドロップする処理が行われた場合には、前記ファイルのウィンドウを前記任意の画面上にオープンして起動するウィンドウオープン手段と、キーボードに設けられた所定のキーが押されたか否かを判断するキー判断手段と、を有し、前記ウィンドウオープン手段は、前記ファイルを任意のモニタの画面上にドロップする処理が行われ、かつ、前記所定のキーが押されたと前記キー判断手段により判断された場合には、前記ファイルのウィンドウを前記任意のモニタの画面上にオープンする処理を停止し、かつ、前記ファイルを前記任意のモニタの画面上へのドロップのみを行う、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、マルチモニタ使用時、1アクションで表示したいモニタ上でファイルのウィンドウを表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係るファイル起動装置に適用可能なパーソナルコンピュータの構成について説明するためのブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るファイル起動装置の動作概要について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照して、本発明の実施形態に係るファイル起動装置に適用可能なパーソナルコンピュータの構成について説明する。
図1に示すように、パーソナルコンピュータは、モニタ10a、10b、パーソナルコンピュータ本体(以下、PCという)11、キーボード12、マウス13を備えている。
PC11は、内部にCPUやメモリやストレージデバイスを備えた制御部、グラフィックスコントローラ、VRAM等を内蔵している。また、PC11には、入力デバイスとして、キーボード12及びマウス13が接続されている。
モニタ10a、10bは、PC11に接続された2台のディスプレイからなるマルチモニタ構成となっている。なお、モニタを2台用いる実施形態を示したが、モニタを3台以上用いてもよい。
【0014】
モニタ10a、10bは、例えば1280×1024、2560×2048等の解像度の画面を有し、画面上には1つ以上のウィンドウが表示される。ウィンドウ表示については、PC11のストレージデバイスにインストールされているWindows(登録商標) OSと、そのOSの管理下で実行されるプログラムによって制御される。
【0015】
マウス13は、モニタ10a、10bのいずれかの画面に表示されたカーソルを、その操作に応じて移動させる装置である。マウス13は、X軸用ローラ及びY軸用ローラを有し、各ローラの回転量からX軸方向及びY軸方向への移動距離を求め、座標位置データを制御部に送出する。なお、制御部は、マウス13から受信した座標位置データをカーソル座標として、モニタ10a、10bのそれぞれの画面エリアを含む十分な範囲の仮想座標空間においてOSにより管理する。
上記マウス13に代わって、カーソル移動やドラッグ&ドロップ操作が可能なトラックボールやタッチパッド等のポインティングデバイスを用いてもよい。
【0016】
モニタ10aの画面下方のタスクバーには、常駐ツールとしてウィンドウオープンツールのアイコン14が表示されている。このウィンドウオープンツールは、制御部によりOSの管理下で常駐起動することとする。
【0017】
次に、
図2に示すフローチャートを参照して、本発明の実施形態に係るウィンドウオープン装置の基本的な動作について説明する。なお、
図2に示すステップS10〜S55は、ウィンドウオープンツールの特徴的な処理を示しており、OSの管理下で制御部により実行される。
【0018】
いま、例えば、ユーザがマウス13を用いてスタートメニューを右クリックし、「エクスプローラ」ボタンをダブルクリックすると、モニタ11a(モニタA)またはモニタ11b(モニタB)上にライブラリが表示される。このライブラリにはドキュメントライブラリやピクチャライブラリ等が保存されている。ここで、ユーザがマウス13を用いてドキュメントライブラリをクリックすると、複数のファイルが表示される。
そして、ユーザがマウス13を用いてドキュメントライブラリ内の所望のファイルをドラッグし、モニタ11a(モニタA)またはモニタ11b(モニタB)上の所望の位置にカーソルを移動した後、このファイルをドラッグし、ドロップしたこととする。また、ファイルのドロップと同時に、キーボード12に設けられた「Shift」キーを押したことも想定する。
なお、ドラッグアンドドロップ(drag and drop)とは、マウスボタンを押したままアイコンを移動させ(ドラッグ)、マウスボタンを離す(ドロップ)という一連の操作のことをいう。
Windows(登録商標) OSやMac(登録商標) Osでは、選択したファイルを任意のフォルダの位置までドラッグし、そこでドロップすることで、ファイルの移動やコピーが行える。
【0019】
上記のようなマウス操作が行われた際に、ウィンドウオープンツールがどのように動作するかについて、以下に説明する。
上述したように、ウィンドウオープンツールは、前もってストレージデバイスにインストールしてあり、制御部により実行されるOSにより管理されており、ユーザのマウス操作により起動される。
【0020】
まず、ステップS10では、制御部はファイルのアイコンがドラッグされたか否かを判断する。すなわち、制御部はマウス13に対するドラッグ操作を検出して、ファイルのアイコンがドラッグされたか否かを判断する。ファイルのアイコンがドラッグされた場合にはステップS15に進む。
次いで、ファイルのアイコンがドラッグされた場合に、ステップ15では、制御部はファイルのアイコンがドロップされたか否かを判断する。すなわち、制御部はマウス13に対するドロップ操作を検出して、ファイルのアイコンがドロップされたか否かを判断する。ファイルのアイコンがドロップされた場合にはステップS20に進む。
【0021】
次いで、ファイルのアイコンがドロップされた場合に、ステップ20では、制御部はモニタ11a(モニタA)上にドロップされたか否かを判断する。モニタ11a上にドロップされていない場合には、ステップS40に進む。
なお、制御部は、マウス13から受信した座標位置データをカーソル座標として、モニタ10a、10bのそれぞれの画面エリアに対応する仮想座標空間の範囲内にカーソル座標が存在するか否かを判断することで、ファイルのアイコンがドロップされたモニタを特定する。
次いで、モニタ11a上にドロップされた場合には、ステップS25では、制御部はモニタ11a上へのドロップと同時に、キーボード12に設けられた「Shift」キーが押されたか否かを判断する。
次いで、モニタ11a上へのドロップと同時に、「Shift」キーが押されたことが検出された場合には、ステップS35では、制御部はモニタ11a上のカーソル付近にファイルのアイコンを移動する。
このように、ファイルのアイコンを移動してドロップすると同時に、「Shift」キーを押すことで、ファイルのオープン機能を一時的に停止させ、ファイルのアイコンの移動のみを実現することができる。
【0022】
他方、モニタ11a上へのドロップを検出した場合に、「Shift」キーが押されていないときに、ステップS30では、制御部はモニタ11a上のカーソル付近にファイルのウィンドウをオープンする。
ここで、ファイルには、どのアプリケーションプログラムのファイルであるかを認識するための識別子が備えてあり、制御部はOS管理下において、ファイルを指定したとき、どのアプリケーションプログラムのファイルであるかを識別子により調べ、このアプリケーションプログラムを起動して、指定されたファイルのウィンドウをオープンする。
このようにして、マルチモニタ使用時に1アクションの簡単な操作で表示したいモニタ上でファイルのウィンドウを表示することができ、マルチモニタ上で複数ウィンドウを使用する際の利便性を向上することができる。
【0023】
次いで、ファイルのアイコンがドロップされた場合に、ステップ20において、モニタ11a(モニタA)上にドロップされていないと判断したときは、ステップS40では、制御部はモニタ11b(モニタB)上にドロップされたか否かを判断する。
次いで、モニタ11b上にドロップされた場合には、ステップS45では、制御部はモニタ11b上へのドロップと同時に、キーボード12に設けられた「Shift」キーが押されたか否かを判断する。
次いで、モニタ11b上へのドロップと同時に、「Shift」キーが押されたことが検出された場合には、ステップS55では、制御部はモニタ11b上のカーソル付近にファイルのアイコンを移動する。
このように、ファイルのアイコンを移動してドロップすると同時に、「Shift」キーを押すことで、ファイルのオープン機能を一時的に停止させ、ファイルのアイコンの移動のみを実現することができる。
【0024】
他方、モニタ11b上へのドロップを検出した場合に、「Shift」キーが押されていないときに、ステップS50では、制御部はモニタ11b上のカーソル付近にファイルのウィンドウをオープンする。
このようにして、マルチモニタ使用時に1アクションの簡単な操作で表示したいモニタ上でファイルのウィンドウを表示することができ、マルチモニタ上で複数ウィンドウを使用する際の利便性を向上することができる。
【0025】
以上のように、本実施形態に係るウィンドウオープン装置であるウィンドウオープンツールを用いてファイルのウィンドウを表示することで、従来のように順を追った複数の操作を行う必要がなく、マルチモニタ使用時に1アクションの簡単な操作で表示したいモニタ上でファイルのウィンドウを表示することができ、マルチモニタ上で複数ウィンドウを使用する際の利便性を向上することができる。
【0026】
本実施形態のファイル起動装置は、マウスやタッチパッドのようなモニタと別体のポインティングデバイスの操作によってファイルのアイコンがドロップされた、すなわちファイルのアイコンの選択状態を維持するボタン押下操作が終了したときに、その終了した時点でポインタが存在していたモニタの画面上にファイルのウィンドウをオープンするよう構成されている。
ポインティングデバイスが一体となったモニタ、例えばタッチパネルディスプレイを複数備える装置では、モニタの画面へのタッチがアイコンの選択操作となるため、あるモニタの画面上でドラッグを開始されたアイコンを、選択状態を維持したまま別のモニタの画面までドラッグしてドロップする操作をすることができない。そこで、アイコンをドラッグしているポインタが別のモニタと隣接するモニタの外縁に所定以上の速度で到達した後に選択状態が終了したことを隣接する別のモニタの画面へのドロップ操作と見做して、別のモニタの画面上へファイルのウィンドウをオープンするように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、パーソナルコンピュータ、PDA、スマートフォン等のマルチモニタ環境下で利用できる。
【符号の説明】
【0028】
10a、10b モニタ
11 パーソナルコンピュータ本体
12 キーボード
13 マウス