特許第5665526号(P5665526)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サイデック株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5665526
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】被運搬板状物品の搬送用トレイ
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/48 20060101AFI20150115BHJP
   B65D 85/00 20060101ALI20150115BHJP
   B65D 81/107 20060101ALI20150115BHJP
   B65D 81/07 20060101ALI20150115BHJP
【FI】
   B65D85/48
   B65D85/00 F
   B65D81/04
   B65D81/10 Z
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2010-284724(P2010-284724)
(22)【出願日】2010年12月21日
(65)【公開番号】特開2012-131527(P2012-131527A)
(43)【公開日】2012年7月12日
【審査請求日】2013年8月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】596026578
【氏名又は名称】サイデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄
(74)【代理人】
【識別番号】100108017
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 貞男
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100166110
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 裕二
(72)【発明者】
【氏名】菅原 真一
(72)【発明者】
【氏名】今泉 卓朗
(72)【発明者】
【氏名】鷲尾 哲史
【審査官】 藤井 眞吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−359343(JP,A)
【文献】 特開2005−178839(JP,A)
【文献】 特開2005−053493(JP,A)
【文献】 特開2010−120692(JP,A)
【文献】 特開2009−040431(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/48
B65D 81/07
B65D 81/107
B65D 85/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する縦杆部および対向する横杆部を軽量金属で構成されたフレーム枠と、前記フレーム枠に囲まれる内域に被運搬板状物品を支持する支持部材と、前記フレーム枠の内周に前記支持部材が取付けられる支持片とを備える被運搬板状物品の搬送用トレイにおいて、 前記支持部材が、(a)幅方向に膨出部の外側下端に前記フレーム枠の前記支持片に取付可能に設けられた水平な取付板部と、(b)前記膨出部の内側には被運搬板状物品の外縁部が当接して移動が規制可能に設けられた立壁部と、(c)前記立壁部の内側に可撓可能に連設される弾性凹部と、(d)前記弾性凹部の内側に水平板部を介して被運搬板状物品を載置可能に突設された載置突部と、で構成されている
ことを特徴とする被運搬板状物品の搬送用トレイ。
【請求項2】
前記支持部材が、真空成型された合成樹脂シートで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の被運搬板状物品の搬送用トレイ。
【請求項3】
前記支持部材が、前記縦杆部と前記横杆部との交差する前記フレーム枠の隅角部に取付られるように、平面視略L字状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の被運搬板状物品の搬送用トレイ。
【請求項4】
前記支持部材が、対向する前記縦杆部、または対向する前記横杆部に取付られるように、平面視略板状に形成されていることを特徴とする請求項1−3の何れかに記載の被運搬板状物品の搬送用トレイ。
【請求項5】
前記フレーム枠に囲まれる内域に両端が取付けられる中棧が、上向きに開口した第1保持溝を有する側面扁平な台形をなす物品支持部と、前記物品支持部に連設されて下向きに開口した第2保持溝を有した側面逆台形をなす支持部と、により構成され、
前記第1保持溝が側面扁平な台形に設けられ、
前記第2保持溝が側面扁平な逆台形に設けられ、
前記第1保持溝には側面扁平な台形の緩衝部材が嵌着され、かつ
前記第2保持溝には、側面逆台形の緩衝部材が嵌着されている
ことを特徴とする請求項1−4の何れかに記載の被運搬板状物品の搬送用トレイ。
【請求項6】
前記中棧の両端が、前記フレーム枠の前記縦杆部と前記横杆部との中程にねじで固定されることを特徴とする請求項に記載の被運搬板状物品の搬送用トレイ。
【請求項7】
前記中棧が、前記フレーム枠の対向する縦杆部、または、前記フレーム枠の対向する横杆部にねじで固定されることを特徴とする請求項に記載の被運搬板状物品の搬送用トレイ。
【請求項8】
前記フレーム枠の縦杆部と横杆部とは、底面視L字状のコーナ金具を介して厚み方向にねじで固定されていることを特徴とする請求項1−7の何れかに記載の被運搬板状物品の搬送用トレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は被運搬板状物品の搬送用トレイに関し、ガラス板、例えば太陽光発電に用いるソーラーモジュール、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)等の大型ガラス板、また、その製造中間製品、さらにはアルミニウム板等の面積が大きく自重による撓みが大きな金属薄板よりなる被運搬板状物品の大型化に対応して搬送用トレイの全体的な厚さを薄くして被運搬板状物品の製品輸送効率の向上をはかるものである。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置の表示ディスプレイは、通常、相互に対向して配置される一対のディスプレイ用ガラス基板の間に液晶を封入することにより形成されている。このような表示ディスプレイを工場において製造する場合には、ディスプレイ用のガラス基板が、表示パネルの製造工場に運搬される。ガラス基板は、液晶表示装置の表示パネルに限らず、各種表示装置の表示ディスプレイの製造にも使用されている。
【0003】
また、表示ディスプレイとするために、ガラス基板の表面に電極等が形成された状態の表示ディスプレイの半製品がある。
【0004】
近時、各種の表示パネルには、厚さが0.7mm以下のガラス基板が使用されるようになっている。また、表示ディスプレイの大型化にともなって、製造工場に搬入されるガラス基板も大型化しており、一辺が1.3m以上の長方形状のガラス基板も工場に搬入されるようになっている。
【0005】
このような大きな面積で薄いガラス基板が撓んで隣接するガラス基板同士が接触して破損するするおそれがあるので、各ガラス基板が撓むことにより相互に接触しないような間隔をあけて配置する必要がある。
【0006】
さらに、一辺の長さが1.3m以上の大きな面積のガラス基板は、1枚当たりの重量が、5Kg程度と重く、ガラス基板が、20枚以上になると、作業員1人の人力により運搬できないという問題がある。
【0007】
ところで、従来、例えばガラス基板を収納する基板収納トレイが提案されている。この基板収納トレイは、アルミニウムのような軽量金属にて形成される枠部材が平面視長方形又は方形に組み付けられたフレーム枠と、前記フレーム枠に囲まれる内域にガラス板、または面積が大きく自重による撓みが大きな金属薄板よりなる板状の物品を支持する合成樹脂発泡体よりなる支持部材と、を備え、前記枠部材の内周には、厚み方向の上面および下面から略1/3ほどの高さに上部挟着片と、下部挟着片とが突設され、この上部挟着片と、下部挟着片とにより前記支持部材の一側に突設された枠係合部を挟着させていた。そして、合成樹脂発泡体よりなる従来の支持部材の厚さは、例えば数mm程度であった(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−137868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載された従来の被運搬板状物品の搬送用トレイに使用される支持部材は、合成樹脂発泡体により形成されているので、ガラス板等の被運搬板状物品に対する緩衝性を発揮するのに、ある程度の厚さに形成され、しかも比較的大型の製品にならざるを得なかった。そして、被運搬板状物品を支持した搬送用トレイを幾段にも積み重ねて運搬するのに製品輸送効率が低かった。
【0010】
また、合成樹脂発泡体よりなる上記支持部材は、被運搬板状物品を支持するのに充分な適度の剛性と、適切の柔軟度のものを製作するのは容易ではなかった。さらには、支持部材をフレーム枠に取付けるのに、多くの時間と手間を必要とし、取付強度も充分とは言えず、構造堅牢であるとは言えなかった。
【0011】
本発明は、搬送用トレイの全体的な厚さを薄くして被運搬板状物品の製品輸送効率の向上をはかる被運搬板状物品の搬送用トレイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の請求項1に記載の発明は、対向する縦杆部および対向する横杆部を軽量金属で構成されたフレーム枠と、前記フレーム枠に囲まれる内域に被運搬板状物品を支持する支持部材と、前記フレーム枠の内周に前記支持部材が取付けられる支持片とを備える被運搬板状物品の搬送用トレイにおいて、
前記支持部材が、(a)幅方向に膨出部の外側下端に前記フレーム枠の前記支持片に取付可能に設けられた水平な取付板部と、(b)前記膨出部の内側には被運搬板状物品の外縁部が当接して移動が規制可能に設けられた立壁部と、(c)前記立壁部の内側に可撓可能に連設される弾性凹部と、(d)前記弾性凹部の内側に水平板部を介して被運搬板状物品を載置可能に突設された載置突部と、で構成されている
ことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記支持部材が、真空成型された合成樹脂シートで構成されていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、前記支持部材が、前記縦杆部と前記横杆部との交差する前記フレーム枠の隅角部に取付られるように、平面視略L字状に形成されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1−3の何れかにおいて、前記支持部材が、対向する前記縦杆部、または対向する前記横杆部に取付られるように、平面視略板状に形成されていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1−4の何れかにおいて、前記フレーム枠に囲まれる内域に両端が取付けられる中棧が、上向きに開口した第1保持溝を有する側面扁平な台形をなす物品支持部と、前記物品支持部に連設されて下向きに開口した第2保持溝を有した側面逆台形をなす支持部と、により構成され、
前記第1保持溝が側面扁平な台形に設けられ、
前記第2保持溝が側面扁平な逆台形に設けられ、
前記第1保持溝には側面扁平な台形の緩衝部材が嵌着され、かつ
前記第2保持溝には、側面逆台形の緩衝部材が嵌着されている
ことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項6に記載の発明は、請求項において、前記中棧の両端が、前記フレーム枠の前記縦杆部と前記横杆部との中程にねじで固定されることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項7に記載の発明は、請求項において、前記中棧が、前記フレーム枠の対向する縦杆部、または、前記フレーム枠の対向する横杆部にねじで固定されることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項8に記載の発明は、請求項1−7の何れかにおいて、前記フレーム枠の縦杆部と横杆部とは、底面視L字状のコーナ金具を介して厚み方向にねじで固定されることをとする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、対向する縦杆部および対向する横杆部を軽量金属で構成されたフレーム枠と、前記フレーム枠に囲まれる内域に被運搬板状物品を支持する支持部材と、前記フレーム枠の内周に前記支持部材が取付けられる支持片とを備える被運搬板状物品の搬送用トレイにおいて、前記支持部材が、幅方向に膨出部の外側下端に前記フレーム枠の前記支持片に取付可能に設けられた水平な取付板部と、前記膨出部の内側には被運搬板状物品の外縁部が当接して移動が規制可能に設けられた立壁部と、前記立壁部の内側に可撓可能に連設される弾性凹部と、前記弾性凹部の内側に水平板部を介して被運搬板状物品を載置可能に突設された載置突部と、で構成されているので、前記支持部材が真空成型された合成樹脂シートにより厚さが薄く、かつ小形に成型され、適度の剛性、柔軟度が発揮され、被運搬板状物品を支持した搬送用トレイを幾段にも積み重ねて運搬するという製品輸送効率が高くなる。また、合成樹脂シートの板厚を変更することで容易に強度、および剛性が変更されて柔軟性の調整が容易に行える。さらには、支持部材をフレーム枠に取付けるのに、簡単な取扱いにて作業効率良く、取付強度も充分に取付けることができ、支持部材は構造堅牢になる。
【0021】
また、本発明の請求項2に記載の発明によれば、請求項1において、前記支持部材が、真空成型された合成樹脂シートで構成されているので、前記支持部材が、真空成型により、厚さが薄く、かつ小形に成型され、適度の剛性、柔軟度が発揮され、被運搬板状物品を支持した搬送用トレイを幾段にも積み重ねて運搬することができ、製品輸送効率が高くなる。
【0022】
また、本発明の請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2において、前記支持部材が、前記縦杆部と前記横杆部との交差する前記フレーム枠の隅角部に取付られるように、平面視略L字状に形成されているので、縦杆部と横杆部とが交差するフレーム枠の隅角部に取付けられた平面視略L字状に形成された支持部材により被運搬板状物品の平面視長方形または平面視方形の四隅は支持される。
【0023】
また、本発明の請求項4に記載の発明によれば、請求項1−3の何れかにおいて、前記支持部材が、対向する前記縦杆部、または対向する前記横杆部に取付られるように、平面視略板状に形成されているので、対向する縦杆部と、対向する横杆部とに取付けられた平面視略板状に形成された支持部材により被運搬板状物品の縁部は支持される。
【0024】
また、本発明の請求項5に記載の発明によれば、請求項1−4の何れかにおいて、前記フレーム枠に囲まれる内域に両端が取付けられる中棧が、上向きに開口した第1保持溝を有する側面扁平な台形をなす物品支持部と、前記物品支持部に連設されて下向きに開口した第2保持溝を有した側面逆台形をなす支持部と、により構成され、前記第1保持溝が側面扁平な台形に設けられ、
前記第2保持溝が側面扁平な逆台形に設けられ、前記第1保持溝には側面扁平な台形の緩衝部材が嵌着され、かつ前記第2保持溝には、側面逆台形の緩衝部材が嵌着されているので、アルミニウムのような軽量金属にて形成される中棧としての補強用部材の上面に、緩衝材としの支持部材を被せる構成の特許文献1に記載された従来の基板収納トレイに較べて本発明の中棧は、押出成形が可能で、厚さが薄くなり、結局、搬送用トレイ全体の厚さが薄くなり、有効にクリアランスを確保して製品輸送効率が向上される。しかも、製作が容易になり、製作コストは安価になる。
【0025】
そして、中棧の物品支持部に上向きに開口した第1保持溝内に嵌着された緩衝材の上面にガラス基板等の被運搬板状物品が載置されるので、被運搬板状物品は、がたつきやわれを生ずることなく支持される。しかも、中棧の支持部に下向きに開口した第2保持溝内に嵌着された他の緩衝材の下方部により下段に積み重ねられている搬送用トレイの被運搬板状物品が瞬間的に中棧に接触されるのが防止されるため、傷付いたり、われが防止される。
【0026】
また、側面扁平な台形をなす前記物品支持部に設けた第1保持溝と、側面逆台形をなす支持部に設けた第2保持溝とにそれぞれ緩衝材は嵌着されるので、これらの緩衝材は不用意に抜け出すことはなく、構造堅牢に取付けることができる。
【0027】
また、本発明の請求項6に記載の発明によれば、請求項において、前記中棧の両端が、前記フレーム枠の前記縦杆部と前記横杆部との中程にねじで固定されているので、フレーム枠の前記縦杆部と前記横杆部との略中程に両端がねじ固定された中棧により最低限の本数で、被運搬板状物品を安定に載置することができる。また、フレーム枠の前記縦杆部と前記横杆部との中程に中棧の両端がねじで固定されるので、搬送用トレイ全体の剛性が向上され、大きな強度が発揮される。
【0028】
また、本発明の請求項7に記載の発明によれば、請求項において、前記中棧が、前記フレーム枠の対向する縦杆部、または、前記フレーム枠の対向する横杆部にねじで固定されるので、中棧が最低限の本数で、被運搬板状物品を安定に載置することができる。
【0029】
また、本発明の請求項8に記載の発明によれば、請求項1−7の何れかにおいて、前記フレーム枠の縦杆部と横杆部とは、底面視L字状のコーナ金具を介して厚み方向にねじで固定されているので、フレーム枠の縦杆部と横杆部とは、取付位置の位置決めが容易になり、底面視L字状のコーナ金具により何等他の部品に邪魔されることなく、迅速かつ確実にねじ固定され、作業能率は向上する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は本発明の被運搬板状物品の搬送用トレイに隅角部用の支持部材5Aを取付けた状態の実施形態を示す部分切欠平面図である。
図2図2は本発明の被運搬板状物品の搬送用トレイに他の支持部材5Bを取付けた状態の実施形態を示す部分切欠平面図である。
図3図3は同じく図1のA−A拡大矢視図である。
図4図4は同じく図1のB−B拡大矢視図である。
図5図5は同じく図1のC−C拡大矢視図である。
図6図6は同じく図1のD−D拡大矢視図である。
図7図7は同じく図1のE−E拡大矢視図である。
図8図8はフレーム枠の隅角部に取付ける場合の本実施形態を構成する支持部材の一例を示す拡大平面図である。
図9図9は同じく拡大側面図である。
図10図10は同じく拡大平面図である。
図11図11図8のF−F矢視図である。
図12図12図8のG−G矢視図である。
図13図13図8のH−H矢視図である。
図14図14図8のI−I矢視図である。
図15図15図8のJ−J矢視図である。
図16図16図8のK−K矢視図である。
図17図17図8のL−L矢視図である。
図18図18図8のM−M矢視図である。
図19図19図8のN−N矢視図である。
図20図20は本発明のフレーム枠の中間部に取付ける場合の本実施形態を構成する他の支持部材の一例を示す拡大平面図である。
図21図21図20のO−O矢視図である。
図22図22図20のP−P矢視図である。
図23図23図20のQ−Q矢視図である。
図24図24図20のR−R矢視図である。
図25図25は底面図である。
図26図26は側面図である。
図27図27は本発明のフレーム枠の中間部に取付ける場合の本実施形態を構成する他の支持部材の他例を示す拡大平面図である。
図28図28図27のS−S矢視図である。
図29図29図27のT−T矢視図である。
図30図30図27のU−U矢視図である。
図31図31図27のV−V矢視図である。
図32図32は底面図である。
図33図33は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面に従って本発明の実施の最良の形態により、本発明の詳細を説明する。
【0032】
本実施形態は、対向する縦杆部2,2および対向する横杆部3,3を軽量金属で構成されたフレーム枠1と、前記フレーム枠1に囲まれる内域に被運搬板状物品4を支持する形状が異なる2種の支持部材5A,5Bと、前記フレーム枠1の内周に前記支持部材5A,5Bが取付けられる支持片6とを備える被運搬板状物品4の搬送用トレイWである点は特許文献1に記載の従来の基板収納トレイと同様である。
【0033】
しかしながら、本実施形態では、前記支持部材5A,5Bが、図1図2図4図7図8図20図27に示すように幅方向Xに膨出部5aの外側下端に前記フレーム枠1の前記支持片6に取付可能に設けられた水平な取付板部5bと、前記膨出部5aの内側には被運搬板状物品4の外縁部4aが当接して移動が規制可能に設けられた立壁部5cと、前記立壁部5cの内側に可撓可能に連設される弾性凹部5dと、前記弾性凹部5dの内側に水平板部5eを介して被運搬板状物品4を載置可能に突設された載置突部5fと、で構成されている。
【0034】
前記フレーム枠1は、本実施形態では、図示するように平面視長方形に組付けられたものでも良いし、または、図には示さないが平面視方形に組付けられたものでもよい。図4図5図7に示されるように、前記フレーム枠1が、外側に設けられる上部プレート部7と、前記上部プレート部7の内端に設けられた縦状の立壁部8と、前記立壁部8の下端内側に支持部材5A,5Bを固着するために突設された前記支持片6とで構成されている。
【0035】
被運搬板状物品4としては、例えばガラス板、例えば太陽光発電に用いるソーラーモジュール、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)等の大型ガラス板、また、その製造中間製品、さらにはアルミニウム板等の面積が大きく自重による撓みが大きな金属薄板がある。
【0036】
前記支持部材5A,5Bが、真空成型された合成樹脂シートで構成されている。このうち、前記支持部材5Aが、図1図8に示すように、前記縦杆部2と前記横杆部3との交差する前記フレーム枠1の隅角部に取付けるように、平面視略L字状に形成されている。
【0037】
また、前記支持部材5Bが、図2図20図27に示すように、対向する前記縦杆部2,2、または対向する前記横杆部3,3に取付られるように、平面視略板状に形成されている。そして、図20と、図27とに示す平面視略板状の支持部材5Bは、それらの幅および長さを異にして構成されている。5bは、前記取付板部5bを支持片6に固定するために取付板部5bに設けられた孔であり、リベットRを前記孔5bに打設することにより、取付板部5bは支持片6に取付けられる。
【0038】
前記フレーム枠1の対向する辺間、または隣接する辺間に両端が固着される中棧9が、前記軽量金属にて形成されて図6に示されるように上向きに開口した第1保持溝10Aを有する物品支持部10と、下向きに開口した第2保持溝11Aを有する支持部11と、で構成されている。前記第1保持溝10Aには、前記被運搬板状物品4を支持可能に側面扁平な台形をなす緩衝材12が嵌着され、前記第2保持溝11Aには、側面逆台形をなす他の緩衝材12′が嵌着されることにより、その下方部が積み重ねられる下段の搬送用トレイWの対応部位に支持されるようになっている。
【0039】
前記中棧9が、前記フレーム枠1の前記縦杆部2と前記横杆部3との中程に両端がねじN1で固定される。すなわち、フレーム枠1の隅角個所に前記中棧9はかすがいに両端が固定される。
【0040】
前記フレーム枠1の前記縦杆部2,2と前記横杆部3,3とは、図1図2に示すように、底面視L字状のコーナ金具13を介して厚み方向PからねじN2で、固定される。
【0041】
本発明の被運搬板状物品の搬送用トレイの実施形態は以上の構成からなり、被運搬板状物品4を搬送用トレイWにて支持するための支持部材5A,5Bが、合成樹脂シートを真空成型することにより形成されるとともに、前記支持部材5A,5Bが、図4図7に示すように、幅方向Xに膨出部5aの外側下端に前記フレーム枠1の前記支持片6に取付可能に設けられた水平な取付板部5bと、前記膨出部5aの内側には、ガラス板、例えば太陽光発電に用いるソーラーモジュール、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)等の大型ガラス板、また、その製造中間製品、さらにはアルミニウム板等の面積が大きく自重による撓みが大きな金属薄板等よりなる被運搬板状物品4の外縁部4aが当接して移動が規制可能に設けられた立壁部5cと、前記立壁部5cの内側に可撓可能に連設される弾性凹部5dと、前記弾性凹部5dの内側に水平板部5eを介して被運搬板状物品4を載置可能に突設された載置突部5fと、により構成されているので、前記支持部材5A,5Bが真空成型された合成樹脂シートにより、厚さが薄く、かつ小形に成型され、適度の剛性、柔軟度が発揮されることにより、被運搬板状物品4を支持した搬送用トレイWを幾段にも積み重ねて運搬することができ、製品輸送効率が高くなる。
【0042】
また、前記支持部材5A,5Bが、真空成型された合成樹脂シートにより構成されるので、合成樹脂シートの板厚を変更することで、支持部材5A,5Bは、その強度、および剛性、柔軟度を容易に調整し、適度のものが得られ、製作は合成樹脂発泡体により成型される従来のものに較べて容易で製作日数は短期になり、修正も容易で精度が高いものが得られ、資材費も必要最小限で済む。しかも真空成型に要する金型自体、安価に製作することができる。
【0043】
しかも、前記支持部材5A,5Bが、真空成型された合成樹脂シートにより構成されるので、合成樹脂発泡体により成型される従来のものに較べて真空成型品よりなる本実施形態の支持部材5A,5Bによりガラス基板による被運搬板状物品4への転写物発生の可能性は少なく、表面が滑らかで汚れが付き難く、またゴミや汚れは除去し易い。
【0044】
そして、真空成型品としての支持部材5A,5Bをフレーム枠1に取付けるのには、リベットRを支持部材5A,5Bの取付板部5bに設けられた前記孔5bに打設することにより、取付板部5bはアルミニウムのような軽量金属により成型されたフレーム枠1の支持片6に剛性と強度を発揮し、簡単な取扱いにて作業効率良く、取付強度も充分に取付けることができ、構造堅牢な仕上がりになる。
【0045】
また、前記支持部材5Aが、図1図8に示すように、アルミニウムのような軽量金属により成型されたフレーム枠1の前記縦杆部2と前記横杆部3との交差する前記フレーム枠1の隅角部に取付られるように、平面視略L字状に形成されているので、縦杆部2と横杆部3とが交差するフレーム枠1の隅角部の支持片6,6に取付けられた平面視略L字状をなす支持部材5Aの載置突部5fに載置された被運搬板状物品4の四隅は下方への垂れ下がりが防止される程度に支持される。この際、支持部材5Aには、弾性凹部5dが形成されているので、弾性凹部5dの可撓性により、載置突部5f上に載置された被運搬板状物品4は弾性を発揮するように支持される。
【0046】
また、前記支持部材5Bが、図2図20図27に示すように、対向する前記縦杆部2,2、または対向する前記横杆部3,3に取付られるように、平面視略板状に形成されているので、対向する縦杆部2,2と、対向する横杆部3,3との内側に突設された支持片6に取付けられた平面視略板状に形成された支持部材5Bの載置突部5fに被運搬板状物品4の縁部4aは支持される。
【0047】
そして、搬送用トレイWの平面視L字状の支持部材5Aと、平面視略板状の支持部材5Bと、における載置突部5f上に被運搬板状物品4を載置した搬送用トレイWを数段積み重ねることにより、上段の搬送用トレイWにおける前記弾性凹部5dの下面が下段の搬送用トレイWの被運搬板状物品4を弾力的に押圧することにより、運搬中に被運搬板状物品4が跳ね上がって損傷を受けるのが防止される。
【0048】
また、被運搬板状物品4は、支持部材5A,5Bの膨出部5aの内側に設けた立壁部5cに、被運搬板状物品4の外縁部4aが当接して不用意に移動されるのが規制される。
【0049】
また、本実施形態の搬送用トレイWでは、前記フレーム枠1に囲まれる内域に両端が取付けられる中棧9が、側面扁平な台形をなす物品支持部10と、前記物品支持部10に連設された側面逆台形をなす前記支持部11とにより構成されているので、アルミニウムのような軽量金属にて形成される中棧としての補強用部材の上面に、緩衝材としての支持部材を被せる構成の特許文献1に記載された従来の基板収納トレイに較べて本実施形態の中棧9は、押出成形が可能で、薄形になり、しかも、前記支持部材5A,5B自体は真空成型されることにより薄型に成型され、支持部材5A,5Bの取付けは前述のようにフレーム枠1の支持片6にリベットRを用いて鋲着されるため、結局、搬送用トレイW全体の厚さは薄くなり、被運搬板状物品4との間に有効にクリアランスを確保して製品輸送効率が向上される。しかも、中棧9自体の製作が容易になり、製作コストは安価になる。
【0050】
この際、本実施形態1の搬送用トレイWでは、図1図2図6に示すように、前記中棧9が、前記フレーム枠1の前記縦杆部2と前記横杆部3との中程に両端がねじN1で固定されることにより、フレーム枠1の隅角個所に前記中棧9はかすがいに両端は固定されるので、フレーム枠1の前記縦杆部2と前記横杆部3との中程に両端がねじで固定された中棧9により、フレーム枠1は構造堅牢に強固になり、最低限のフレーム枠1の4つの隅角個所において取付けられる4本の中棧9により、被運搬板状物品4は安定に載置される。また、フレーム枠1の前記縦杆部2と前記横杆部3との中程に中棧9の両端がねじN1で固定されるので、搬送用トレイW全体の剛性が向上され、大きな強度が発揮される。
【0051】
そして、中棧9の物品支持部10に上向きに開口した第1保持溝10A内に嵌着された緩衝材12の上面にガラス基板等の被運搬板状物品4が載置されるので、被運搬板状物品4は、がたつきやわれを生ずることなく支持される。しかも、中棧9の支持部11に下向きに開口した第2保持溝11A内に嵌着された他の緩衝材12′の下方部により下段に積み重ねられている搬送用トレイWの被運搬板状物品4が瞬間的に中棧9に接触されるのが防止され、傷付いたり、われが防止される。
【0052】
また、側面扁平な台形をなす前記物品支持部10に設けた第1保持溝10Aと、支持部11に設けた側面逆台形の第2保持溝11Aとに、それぞれ緩衝材12,12′は嵌着されるので、これらの緩衝材12,12′は第1保持溝10Aと第2保持溝11Aから不用意に抜け出すことはなく、構造堅牢に取付けることができる。
【0053】
また、前記フレーム枠1の前記縦杆部2,2と前記横杆部3,3とは、底面視L字状のコーナ金具13を介して厚み方向PからねじN2を用いてねじ固定されるので、フレーム枠1の縦杆部2,2と横杆部3,3とは、取付位置の位置決めが容易になり、底面視L字状のコーナ金具13により何等他の部品に邪魔されることなく、迅速かつ確実にねじで固定されて組付けが行われ、作業能率は向上する。
【0054】
また、上記説明の搬送用トレイWでは、図示するように、前記中棧9が、前記フレーム枠1の前記縦杆部2と、前記横杆部3との中程に、両端がねじN1で、固定されることにより、フレーム枠1の隅角個所に前記中棧9は、かすがいに両端は固定される場合につき代表的に説明しているが、前記中棧9が、前記フレーム枠1の対向する前記縦杆部2,2、または対向する前記横杆部3,3にねじ固定される場合も、中棧9が最低限の本数で、被運搬板状物品4を安定に載置することができ、製品輸送効率が向上されるとともに、搬送用トレイWの厚さは薄くなり、構造堅牢な搬送用トレイWを形成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、本発明は、搬送用トレイの全体的な厚さを薄くして被運搬板状物品の製品輸送効率の向上をはかるという用途・機能に適する。
【符号の説明】
【0056】
1 フレーム枠
2 縦杆部
3 横杆部
4 被運搬板状物品
5A 支持部材
5B 支持部材
6 支持片
7 上部プレート
8 立壁部
9 中棧
10 物品支持部
11 支持部
12 緩衝材
12′ 緩衝材
13 コーナ金具
A 搬送用トレイ
R リベット
P 厚み方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33