特許第5665636号(P5665636)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5665636幼児用トイレブース及び幼児用トイレブースの改修方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5665636
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】幼児用トイレブース及び幼児用トイレブースの改修方法
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/12 20060101AFI20150115BHJP
【FI】
   E04H1/12 301
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-91916(P2011-91916)
(22)【出願日】2011年4月18日
(65)【公開番号】特開2012-225012(P2012-225012A)
(43)【公開日】2012年11月15日
【審査請求日】2013年7月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(72)【発明者】
【氏名】中川 昌美
【審査官】 土屋 真理子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−200889(JP,A)
【文献】 実開平06−001519(JP,U)
【文献】 特開2000−345723(JP,A)
【文献】 特開2009−091896(JP,A)
【文献】 実開平02−118059(JP,U)
【文献】 特開平6−26218(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 1/12
E04B 2/74
E03D 11/00
A47D 13/00 − 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
後および左右の各面を構成する壁または板と、出入口である開口部が形成されることで左右に一直線状に分割される前面板とがトイレ囲繞部材として構成される幼児用のトイレブースであって、該トイレブース内に配された一つの便器が前記出入口から見えないように目隠しするためのスクリーンパネルを、便器が後側に対向する状態で出入口よりも後側に偏倚させて設けて、出入口から左右に分割してスクリーンパネルを左右に避ける二つの動線で前記一つの便器に至るように構成するにあたり、該スクリーンパネルは天井面までには至らない長さのものとし、該スクリーンパネルを、前記動線Aと平面視で交差する部位である架け渡し部がスクリーンパネルの上端よりも高位で天井面までには至らないが大人の出入を妨げないように配された支持部材を介して前記トイレ囲繞部材のうち何れか一つ以上の箇所に支持したことを特徴とする幼児用トイレブース。
【請求項2】
前記スクリーンパネルを、前記出入口および分割した二つの動線Aと平面視で交差する部位である三つの架け渡し部がスクリーンパネルの上端よりも高位で天井面までには至らないが大人の出入を妨げないように配された支持部材を介して前記左右に分割された前面板同士およびスクリーンパネルと前面板とのあいだの支持をしたことを特徴とする請求項1記載の幼児用トイレブース。
【請求項3】
支持部材は、スクリーンパネルには左右方向間隙を存して少なくとも2箇所で連結されるものとし、前記トイレ囲繞部材には、前記支持部材のスクリーンパネル連結位置に対して前後方向同位置、およびスクリーンパネルの左右方向延長位置に対して前後方向にズレ、かつスクリーンパネルの支持部材連結位置よりも左右方向外方にズレた位置のなかから選択された少なくとも2箇所で連結されていることを特徴とする請求項1または2記載の幼児用トイレブース。
【請求項4】
支持部材は、スクリーンパネルおよび/またはトイレ囲繞部材の縦面を通って床面にまで至るように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載の幼児用トイレブース。
【請求項5】
支持部材は、上下方向を向いていてスクリーンパネルの左右両側縁に固着され、上端部が前後方向を向いていて左右前面板の上方にまで至る逆L字状をした左右一対のパネル支持部と、左右両脚部と跨部とを有した冂字形に形成され、両脚部の下端が取付け座を介して前記左右前面板の上端縁に固着され、跨部に前記左右パネル支持部の上前端が固着された前面板側支持部と、前記左右パネル支持部間に複数本が介装される補強骨とによって構成されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1記載の幼児用トイレブース。
【請求項6】
前面板側支持部に動物の頭部を模った前面パネルを取り付けたことを特徴とする請求項記載の幼児用トイレブース。
【請求項7】
後および左右の各面を構成する壁または板と、出入口である開口部が形成されることで左右に一直線状に分割される前面板とがトイレ囲繞部材として構成される幼児用のトイレブースの改修方法であって、前記出入口を開閉する既存の戸体を取り外した後、該トイレブース内に配された一つの便器が前記出入口から見えないように目隠しすることにはなるが、天井面までには至らない長さのスクリーンパネルを、便器が後側に対向する状態で出入口よりも後側に偏倚させて設けて出入り口から左右に分割してスクリーンパネルを左右に避ける二つの動線で前記一つの便器に至るようにした状態で、該スクリーンパネルを、前記動線と平面視で交差する部位である架け渡し部がスクリーンパネルの上端よりも高位で天井面までには至らないが大人の出入を妨げないように配された支持部材を介して前記トイレ囲繞部材のうち何れか一つ以上の箇所に支持したことを特徴とする幼児用トイレブースの改修方法。
【請求項8】
前記スクリーンパネルを、前記出入口および分割した二つの動線と平面視で交差する部位である架け渡し部がスクリーンパネルの上端よりも高位で天井面までには至らないが大人の出入を妨げないように配された支持部材を介して前記左右に分割された前面板同士およびスクリーンパネルと左右の前面板とのあいだの支持をしたことを特徴とする請求項7記載の幼児用トイレブースの改修方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幼稚園、保育園等の保育施設の幼児用トイレブースや、公共施設、ショッピングセンター、サービスエリア等の大人用トイレの一角に設置する幼児用トイレブース及び幼児用トイレブースの改修方法の技術分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、幼稚園や保育園等に設置される幼児用のトイレブースとして、一般的な大人用のトイレブースに比べて壁や扉の高さを低くすることで、教員や保育士等が必要に応じてブース外からブース内の幼児の様子を見ることができるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、特にトイレトレーニング中の幼児にとって、ドアの開閉や鍵の施錠、解錠等の操作は煩わしいものであり、教員等にとっても、ドアや鍵があると、世話がしにくい、閉じ込められたりする等のトラブルが発生しても迅速な対応がしにくいといった問題があった。
【0003】
そこで、トイレブースから扉をなくし、さらにプライバシーに配慮するため、ブース出入口の壁を互い違い状に配置することで、通常の視線では内部が視認できないようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。このトイレブースは扉がないため、必要に応じて教員等が容易に内部に入ることができ、さらに壁の高さを低めに設置することで、教員等はブースの外側から内部を視認することができるようにしている。
また、前面の出入口を開口し、該出入口より後側(奥側)に偏倚させた位置に壁体を設け、該壁体に便器を取り付けることで、左右どちらからでも出入りすることができるようにしたものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平2−118059号公報
【特許文献2】特開2005−200889号公報
【特許文献3】特開2000−27470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献2に記載されるような出入口の壁を互い違い状に配置したトイレブースは、長さの異なる専用の壁材(板材)が複数必要であり、壁材を湾曲させたものは該壁体の製造に手間やコストが更にかかるといった問題がある。
さらに、このようなトイレブースを、ショッピングセンターやサービスエリア等の一般用トイレの一角に後から設置したい場合、大きなレイアウト変更が必要になる等、既存施設への大規模な改修工事が必要になってコストや時間がかかってしまうといった問題がある。
しかも、このようなトイレブースは、ブース出入口の壁が互い違い状に配置されているため、使用者である幼児が、出入口の壁が互い違い状になっていることを十分認識できず、該出入口の壁にぶつかってしまうといった問題もある。
また、特許文献3に記載されるような出入口より後側(奥側)に偏倚させた位置に壁体を独立して設けたものは、該壁体を床面から天井面に亘って設けているため、天井面での改修が必要であるが、天井面は高所であるため作業性に劣ることになって既存設備からの簡単な改修が難しいといった問題がある。
これに対し、図11に参考例として示すように、前記特許文献3の出入口よりも後側(奥側)に偏倚させた位置に、左右パネル支持部100a、bを天井面101まで至らせた支持部材100を用いてスクリーンパネル7を床面と天井面101とのあいだで突っ張るようにすることも考えられるが、このものも天井面の改修が必要となるため大掛かりな作業が強いられることになって既存設備からの簡単な改修が難しいといった問題があり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、後および左右の各面を構成する壁または板と、出入口である開口部が形成されることで左右に一直線状に分割される前面板とがトイレ囲繞部材として構成される幼児用のトイレブースであって、該トイレブース内に配された一つの便器が前記出入口から見えないように目隠しするためのスクリーンパネルを、便器が後側に対向する状態で出入口よりも後側に偏倚させて設けて、出入口から左右に分割してスクリーンパネルを左右に避ける二つの動線で前記一つの便器に至るように構成するにあたり、該スクリーンパネルは天井面までには至らない長さのものとし、該スクリーンパネルを、前記動線Aと平面視で交差する部位である架け渡し部がスクリーンパネルの上端よりも高位で天井面までには至らないが大人の出入を妨げないように配された支持部材を介して前記トイレ囲繞部材のうち何れか一つ以上の箇所に支持したことを特徴とする幼児用トイレブースである。
請求項2の発明は、前記スクリーンパネルを、前記出入口および分割した二つの動線Aと平面視で交差する部位である三つの架け渡し部がスクリーンパネルの上端よりも高位で天井面までには至らないが大人の出入を妨げないように配された支持部材を介して前記左右に分割された前面板同士およびスクリーンパネルと前面板とのあいだの支持をしたことを特徴とする請求項1記載の幼児用トイレブースである。
請求項の発明は、支持部材は、スクリーンパネルには左右方向間隙を存して少なくとも2箇所で連結されるものとし、前記トイレ囲繞部材には、前記支持部材のスクリーンパネル連結位置に対して前後方向同位置、およびスクリーンパネルの左右方向延長位置に対して前後方向にズレ、かつスクリーンパネルの支持部材連結位置よりも左右方向外方にズレた位置のなかから選択された少なくとも2箇所で連結されていることを特徴とする請求項1または2記載の幼児用トイレブースである。
請求項の発明は、支持部材は、スクリーンパネルおよび/またはトイレ囲繞部材の縦面を通って床面にまで至るように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載の幼児用トイレブースである。
請求項の発明は、支持部材は、上下方向を向いていてスクリーンパネルの左右両側縁に固着され、上端部が前後方向を向いていて左右前面板の上方にまで至る逆L字状をした左右一対のパネル支持部と、左右両脚部と跨部とを有した冂字形に形成され、両脚部の下端が取付け座を介して前記左右前面板の上端縁に固着され、跨部に前記左右パネル支持部の上前端が固着された前面板側支持部と、前記左右パネル支持部間に複数本が介装される補強骨とによって構成されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1記載の幼児用トイレブースである。
請求項の発明は、前面板側支持部に動物の頭部を模った前面パネルを取り付けたことを特徴とする請求項記載の幼児用トイレブースである。
請求項の発明は、後および左右の各面を構成する壁または板と、出入口である開口部が形成されることで左右に一直線状に分割される前面板とがトイレ囲繞部材として構成される幼児用のトイレブースの改修方法であって、前記出入口を開閉する既存の戸体を取り外した後、該トイレブース内に配された一つの便器が前記出入口から見えないように目隠しすることにはなるが、天井面までには至らない長さのスクリーンパネルを、便器が後側に対向する状態で出入口よりも後側に偏倚させて設けて出入り口から左右に分割してスクリーンパネルを左右に避ける二つの動線で前記一つの便器に至るようにした状態で、該スクリーンパネルを、前記動線と平面視で交差する部位である架け渡し部がスクリーンパネルの上端よりも高位で天井面までには至らないが大人の出入を妨げないように配された支持部材を介して前記トイレ囲繞部材のうち何れか一つ以上の箇所に支持したことを特徴とする幼児用トイレブースの改修方法である。
請求項の発明は、前記スクリーンパネルを、前記出入口および分割した二つの動線と平面視で交差する部位である架け渡し部がスクリーンパネルの上端よりも高位で天井面までには至らないが大人の出入を妨げないように配された支持部材を介して前記左右に分割された前面板同士およびスクリーンパネルと左右の前面板とのあいだの支持をしたことを特徴とする請求項7記載の幼児用トイレブースの改修方法である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明とすることにより、幼児のプライバシーを保護するスクリーンパネルを容易に設置することができる。
請求項の発明とすることにより、スクリーンパネルの揺れや衝撃に対する安定性を高めることができる。
請求項4、5の発明とすることにより、強度の高いスクリーンパネルとすることができる。
請求項の発明とすることにより、幼児が親しみやすいトイレブースとすることができる。
請求項の発明とすることにより、既存のトイレブースから容易に改修してスクリーンパネルを設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第一の実施の形態におけるトイレブースの斜視図である。
図2】(A)、(B)、(C)はそれぞれ、第一実施例におけるトイレブースの正面図、縦断面図、平面図である。
図3】第一の実施の形態におけるスクリーンパネルの取り付け方を表す斜視図である。
図4】第二の実施の形態におけるスクリーンパネルの斜視図である。
図5】第三の実施の形態におけるスクリーンパネルの斜視図である。
図6】(A)、(B)はそれぞれ、第四の実施の形態におけるトイレブースの正面図、スクリーンパネルの斜視図であり、(C)、(D)はそれぞれ、第五の実施の形態におけるトイレブースの正面図、スクリーンパネルの斜視図である。
図7】(A)、(B)、(C)はそれぞれ、第六の実施の形態におけるトイレブースの正面図、縦断面図、平面図である。
図8】(A)、(B)、(C)はそれぞれ、第七の実施の形態例におけるトイレブースの正面図、縦断面図、平面図である。
図9】(A)、(B)、(C)はそれぞれ、第八の実施の形態におけるトイレブースの正面図、縦断面図、平面図である。
図10】(A)、(B)、(C)はそれぞれ、第九の実施の形態におけるトイレブースの正面図、縦断面図、平面図である。
図11】(A)、(B)、(C)はそれぞれ、参考例を示したトイレブースの正面図、縦断面図、平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の第一の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1は幼児用のトイレブースであって、該トイレブース1は、後面側の壁(躯体壁)2、左右の側面板(仕切り板)3、4、左右に分割された前面板(仕切り板)5a、5bで構成されるトイレ囲繞部材で囲繞され、平面視において略矩形状をしたものとして形成されるが、該左右前面板5a、5bは幅方向同一直線上に位置するものであって、該左右前面板5a、5bの左右対向間には出入口Sである開口部が形成されている。さらに、前記トイレブース1には便器6が、着座したときに出入口S方向を見る向きで前記壁2に取り付けられている。因みに出入口Sの幅は幼児は勿論、大人も出入りしやすい寸法であることが望ましく、例えば560mm程度である。
【0010】
そして、前記出入口Sと便器6との間には、横からの通常視ではトイレブース1の外部から内部を視認できないよう、該開口した出入口Sの目隠しの役割を果たすスクリーンパネル(つい立)7が設けられているが、該スクリーンパネル7は後述するように、支持部材8によって左右前面板5a、5bに取り付け支持されている。そして、該スクリーンパネル7及び支持部材8によって、トイレブースのドアの代わりとなるアーチスクリーン9が構成されている。なお、該スクリーンパネル7は、本実施の形態においては縦長の矩形状の板材によって構成され、下端7aは床面にまで至るが上端は天井面までには至らず、その大きさは、目隠しの役割を果たすのに十分であり、かつ、出入しやすい動線が確保できる程度であることが好ましく、具体的には、高さは幼児が立ったときに頭が隠れる高さ以上であって大人の目線以下(例えば1200mm程度)、幅は便器6の幅以上であるが前記出入口Sの寸法よりは狭い寸法(例えば300mm程度)であって、出入口Sに対して便器6側に偏倚していて大人も出入りできる寸法(例えば370mm程度)だけ奥まっていることが望ましい。
【0011】
前記支持部材8は、本実施の形態ではパイプ材によって構成されているが、逆L字状をし、上下方向を向く上下パイプ部8aは下端が床面にまで至ると共に前記スクリーンパネル7の左右両側縁に固着され、前後方向を向く前後パイプ部8bの前端は左右前面板5a、5b位置にまで至る左右一対のパネル支持部8c、8dと、略冂字状をし、両脚部8eの下端が取付け座8fを介して左右前面板5a、5bの上端縁に固着され、跨部8gに前記左右パネル支持部8c、8dのパイプ部8bの上前端が固着された前面板側支持部8hと、前記左右パネル支持部8c、8d間に複数本が介装される補強骨8iとによって構成されている。
【0012】
このように、支持部材8は、スクリーンパネル7の支持部材連結位置7b、7cにおいて、スクリーンパネル7をあいだに挟むことで左右方向間隙を存する状態でスクリーンパネル7に連結され、さらに、スクリーンパネル7の左右方向延長位置よりも前方向(入口方向)にズレ、かつ、左右前面板5a、5bに対して、スクリーンパネルの支持部材連結位置7b、7cよりも左右方向外方にズレた位置に取付け座8fを介して固着するように構成されている。
つまり、スクリーンパネル7の設置位置と支持部材8の固定位置が前後に位置ズレし、さらに、支持部材両足部8e間の左右幅が、支持部材連結位置7b、7c間の幅以上のものとして構成されており、アーチスクリーン9への揺れや衝撃に対しても安定した状態を維持できるようになっている。
【0013】
さらに、図2(C)に示すように、平面視したときに、支持部材8のうちトイレブース1内へ出入するときの動線Aと交差する部位である前面板側支持部跨部8gおよび前記左右パネル支持部8c、8dの前後パイプ部8bが、離間したもの同士のあいだを架け渡す架け渡し部(アーチ部)を構成している。そして、該架け渡し部の下を人が通ることになるが、この架け渡し部の高さを、天井面までは至らないが、トイレブース1への大人の出入を妨げないような高所(日本人の成人男性の平均身長よりも高所)に配し、例えば、床面から2000mm程度の高さに設定されている。これにより、スクリーンパネル7は床面と前面板5a、5bで支持され、かつスクリーンパネル7の上側からトイレブース内を大人が見通せる低いものでありながら、大人が通るのに十分な高さを確保したアーチスクリーン9とすることができる。
なお、スクリーンパネル7の下端部は、図示しないボルト等で床面に固着させることで強度を高め、スクリーンパネル7自体に衝撃が与えられた場合であっても、傾いたり、倒れたりすることなく安定した状態を維持できるように構成されている。
【0014】
因みに、アーチスクリーン9をトイレブースに組付ける手法として、例えば図3に示すように、予め、前記スクリーンパネル7と支持部材8とを組付けた状態とし、これを取付け座8fを左右前面板5a、5bの上端縁に固着させることで、新設のトイレブースに設置できることは勿論、既存のトイレブースから戸体を取り外した後にアーチスクリーン9を設置することができるように設定されている。
【0015】
叙述の如く構成された本発明の第一の実施の形態において、スクリーンパネル7は、出入口Sに対して便器6側に奥まった状態で該便器6を隠すようにして支持部材8を介して左右前面板5a、5bに取付けられるため、幼児がドアの開閉や施錠、解錠に手間取ることなくトイレブース1に出入りすることができ、閉じ込められたりする等のトラブル発生の惧れがない。しかも、スクリーンパネル7がトイレブース内部、特に便器6への視界を遮るように設置されているため、トイレを使用している幼児のプライバシーを守ることができる。
さらに、支持部材8に設けられる取付け座8fを左右前面板5a、5bに固定してスクリーンパネル7を取付けることでアーチスクリーン9を設置することができるため、既存のトイレブースであっても左右前面板5a、5bや天井面に大きな改修が必要なく容易に設置することができる。
しかも、支持部材8の袴部8gの上下長さを左右前面板5a、5bに応じて調節するだけで、様々な壁高さのトイレにアーチスクリーン9を設置することができ、例えば、既存の戸体付きのトイレブースから、戸体を外してアーチスクリーン9を取り付けることで、容易に本発明の幼児用トイレブース1へ改修することが可能である。
さらにまた、前記架け渡し部である支持部材8の前面板側支持部跨部8gおよび前後パイプ部8bを、大人がトイレブース1に出入するのを妨げないような高所に配したため、大人が該支持部材8の下を通る際に、無理に屈んだりする必要がなくて、幼児の世話をする大人がトイレブース1内に入りやすいものとなっている。
【0016】
また、前記スクリーンパネル7は、第一の実施の形態においては矩形状のものを用いたが、これに限定されることはなく、トイレブース外部からの視認を遮るのに十分な大きさを確保できるものであれば、幼児が親しみやすい形状、例えば上部を円弧状にしたり、動物や乗り物等を模った形状にしてもよく、また図柄を描いてもよい。
【0017】
尚、本発明は前記第一の実施の形態に限定されるものでなく、図4に示す第二の実施の形態のように、前面板側支持部8hに、例えば動物の頭部を模った前面パネル10を取り付けたアーチスクリーン11とすることもできる。
このようにすることで、幼児にとって親しみやすいトイレとすることができるだけでなく、幼児用のトイレブースであることが幼児にも大人にも視覚的に分かりやすいものとなり、例えばサービスエリア等の大人用トイレの一角にこのような幼児用トイレブースを設ける場合、幼児をトイレブースに迅速に誘導することができる。
【0018】
また、図5に示す第三の実施の形態のように、パイプ式の支持部材を用いることなく、板材のみで形成することもできる。この実施の形態において、スクリーンパネル12は、上側支持部13と一体形成されて略T字状をし、前面パネル14は中央部を∩状に切り欠いた∩状切欠き部14aとし、前記上側支持部13と前面パネル14は、長方形の平板状に形成された支持部材である天面板15を介して、図示しない螺子等の固着手段によって上端部で接続されたアーチスクリーン16として形成されている。
このものにおいて、上側支持部13、前面パネル14の∩状切欠き部14a、天面板15で、トイレブース1内へ出入するときの動線Aと交差する部位である架け渡し部を構成しているが、該架け渡し部は、大人が架け渡し部の下を通る際に妨げとならないような高所に配されている。
このようにすることで、パイプ式の支持部材を用いずにアーチスクリーン16を形成することができるため、デザインの統一を図ることができ、意匠性に優れたトイレブースとすることができる。
また、前記前面パネル14の中央切り欠き部分を第二の実施の形態と同様、例えば動物の頭部を模ったものとすることもできる。
【0019】
さらに、図6(A)、(B)に示す第四の実施の形態、(C)、(D)に示す第五の実施の形態のように、上側支持部17と天面板18をアーチ状に湾曲させ、スクリーンパネル12、上側支持部17、天面板18を一体形成することもできる。本実施の形態において、前面パネル19、20は第二の実施の形態、第三の実施の形態と同様に、動物を模ったり、∩状に切り欠いたりしたものを用いている。
このようにすることで、柔らかい印象のトイレブースとすることができ、幼児が明るい気持ちで該トイレブースを使用することができるようになる。
【0020】
さらにまた、図7に示す第六の実施の形態のように、支持部材21の前面板側支持部21aの脚部21bを、トイレ囲繞部材である左右前面板5a、5bの縦面から床面まで至らせ、該前面板側支持部21a(脚部21b)を、取付け部材22を介して固着させるようにすることもできる。
このものにおいて、支持部材21のうち、平面視においてトイレブース内へ出入する動線Aと交差する部位が架け渡し部を構成しており、該架け渡し部は大人の出入を妨げないような高所に配されている。
そして、既存のトイレブースを改修してアーチスクリーン9を取り付ける場合、各トイレ囲繞部材の形状や高さに応じた支持部材を用意する必要があるが、本第六の実施の形態のように構成することで、部品を共通化、汎用化することができ、例えば、前面板側支持部21aを前面板5a、5bの高さに応じた支持部材21を用意する必要がなくなって、様々な形態のトイレに対応することができる。これにより、既存トイレブースへの改修が容易であるだけでなく、部品の共通化によって製造コストを削減することができる。しかもこのものは、前面板5a、5bの板面に直接固着させるため、強度をより十分なものとすることができる。
【0021】
また、図8に示す第七の実施の形態のように、支持部材23を、円柱ポール状の左右パネル支持部23a、23bの上端部にスクリーンパネル7側よりも左右前面板5a、5b側の方が幅広となるように形成した前面板側支持部23cを固着させるようにすることもできる。
このものにおいて、支持部材23のうち、平面視においてトイレブース内へ出入する動線Aと交差する部位である左右パネル支持部23a、23bの上端部分及び前面板側支持部23cが架け渡し部を構成し、該架け渡し部は大人の出入を妨げないような高所に配されている。
なお、本第七の実施の形態では、該前面板側支持部23cは、前記第六の実施の形態のように床面まで脚部23dを至らせて左右前面板5a、5bのトイレブース1の内側面から取付け部材24を介して固着させているが、前記第一の実施の形態のように取付け座を用いて左右前面板5a、5bに固着させる構成としてもよい。
そして、このように構成することで、前面板側支持部23cは先端(出入口)方向が広がった八字形状となるため、支持力がより強くなって安定性が向上する。
【0022】
またさらに、図9に示す第八の実施の形態のように、支持部材25の支持部25aを取付け部材26を介して、左右側面板3、4に固着させるようにすることもできる。
また、図10に示す第九の実施の形態のように、支持部材27の支持部27aを取付け部材28を介して、後面側の壁2に固着させることも可能である。
そして、第八の実施の形態の支持部25a、第九の実施の形態の支持部27aは、それぞれ大人の出入を妨げないような高所に配される架け渡し部を構成している。
【0023】
このように、アーチスクリーンの支持部材を固着させる場所を、各トイレブースの位置や形状に応じて適宜選択することができるため、既存のトイレブースを容易に改修することができる。
【0024】
なお、支持部材による支持数や連結位置は、前記各実施の形態のものに限定されることはなく、支持部材の支持数としては、3箇所、4箇所等、適宜の支持数とすることができ、また支持部材のトイレ囲繞部材への連結位置としては、スクリーンパネルの左右方向延長位置よりも前後方向にズレ、かつスクリーンパネルの支持部材連結位置よりも左右方向外方にズレた位置のなかから適宜選択された位置、例えば左右一対のパネル支持部が前後逆方向に配されたクランク状にしたものとすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、保育園や幼稚園等に設置される幼児用トイレブースの技術分野に利用することができる。
【符号の説明】
【0026】
1 トイレブース
5a、5b 左右前面板
7 スクリーンパネル
7b、7c 支持部材連結位置
8 支持部材
8h 前面板側支持部
9 アーチスクリーン
S 出入口
図1
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