【実施例1】
【0012】
図1は、場所情報配信システム1の全体構成を例示する図である。
図1に例示するように、場所情報配信システム1は、場所情報配信装置10と、携帯通信端末20とを有する。さらに、本実施例では、場所情報配信システム1は、コンテンツサーバ30と、登録用コンピュータ40とを有する。携帯通信端末20は、電波を用いて通信ネットワーク50に接続し、さらに通信ネットワーク50を介して、場所情報配信装置10及びコンテンツサーバ30に接続する。また、登録用コンピュータ40は、通信ネットワーク50を介して、場所情報配信装置10に接続する。
なお、通信ネットワーク40は、特に限定するものではなく、例えば、インターネット、携帯電話通信網、及びLAN(Local Area Network)などにより構成される。また、本図では、通信ネットワーク40に接続するための通信機器(モデムなど)は、省略されている。
【0013】
場所情報配信装置10は、CPU及び記憶媒体などを備えるコンピュータであり、場所情報配信プログラム100(
図2を用いて後述)を実行する。場所情報配信装置10は、格子状に区分けされた地図データ(
図3を用いて後述)を有し、区分けされてできた区画に、場所情報を関連付けて記憶媒体に格納している。ここで、区画とは、互いに重なり合わないように区分けされた地図上の領域である。場所情報配信装置10は、携帯通信端末20から、通信ネットワーク40を介して、この携帯通信端末20が存在する現在位置の座標(緯度経度など)を表わすデータ(以下、「現在位置データ」という。)を受信する。そして、場所情報配信装置10は、受信した現在位置データが表わす座標が含まれる区画に関連付けられている場所情報(
図4を用いて後述)を記憶媒体から取得し、取得した場所情報を携帯通信端末20に送信する。
なお、場所情報は、現在位置に関連付けされた情報であり、ユーザの利用目的などに応じて任意である。本実施例における場所情報には、コンテンツサーバ30において運用されているWebサイトにアクセスするためのURL又はIPアドレスが含まれる。ユーザは、コンテンツサーバ30において運用されているWebサイトにアクセスすることにより、現在位置に関連付けされた情報を入手することができる。
【0014】
携帯通信端末20は、この携帯通信端末20が存在する現在位置の座標を取得する。携帯通信端末20が現在位置の座標を取得する手段は、特に限定するものではない。例えば、携帯通信端末20は、GPS(Global Positioning System)機能などを用いて、この携帯通信端末20が存在する現在位置の座標を取得すればよい。次に、携帯通信端末20は、取得した現在位置の座標を、場所情報配信装置10に送信する。そして、携帯通信端末20は、場所情報配信装置10から、この携帯通信端末20が存在する現在位置に関連付けされた場所情報を取得する。
本実施例では、携帯通信端末20は、さらに、場所情報配信装置10から取得した場所情報に含まれるURL又はIPアドレスにより、コンテンツサーバ30において運用されているWebサイトにアクセスし、このWebサイトから現在位置に関連付けされた情報を取得する。
なお、携帯通信端末20は、少なくとも現在位置の座標を取得する機能、電波を用いて通信する機能、及びデータを表示する機能を有するものであればよく、例えば、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、又はノートパソコンなどである。
【0015】
コンテンツサーバ30は、Webサイトを運用し、このWebサイトにアクセスしてきた携帯通信端末20に現在位置に関連付けされた情報を含むWebページを送信する。なお、コンテンツサーバ30が配信する現在位置に関連付けされた情報は、テキスト、画像、又は音声などにより表わされる。コンテンツサーバ30は、例えば、それぞれの位置(区画)に関連する観光情報をWebサイトとして提供する。
【0016】
登録用コンピュータ40は、通信ネットワーク50を介して、場所情報配信装置10に場所情報を登録する。
本実施例では、登録用コンピュータ40は、場所情報配信装置10から配信されるWebページに従って、ユーザに、地図データの区画を選択させ、この区画に関連付ける場所情報を入力させる。登録用コンピュータ40は、ユーザにより選択された区画を表わす区画データと、ユーザにより入力された場所情報とを場所情報配信装置10に送信する。そして、場所情報配信装置10は、送信された区画データと場所情報とを受信し、受信した区画データが表わす地図データの区画に、同じく受信した場所情報を関連付けて記憶媒体に格納する。
なお、区画データは、地図データにおける区画を特定する情報であればよく、特に限定するものではない。例えば、区画データは、地図データにおける座標により表わす。
【0017】
以上説明した場所情報配信システム1によれば、ユーザは、携帯通信端末20が電波を用いて通信ネットワーク50に接続できる場所であれば何処にいても、携帯通信端末20を操作するだけで、現在位置に関連付けされた情報を、いつでも容易に入手することができる。
【0018】
図2は、場所情報配信プログラム100の機能構成を例示する図である。
図2に例示するように、場所情報配信プログラム100は、データ送受信部102と、関連付け部104と、場所情報取得部110とを有する。また、場所情報配信プログラム100は、記憶媒体に格納されている地図データ106及び場所情報データベース(場所情報DB)108にアクセスする。なお、場所情報配信プログラム100は、場所情報配信装置10のハードウェア資源(CPU及び記憶媒体など)を用いて実行される。
【0019】
データ送受信部102(送信手段及び受信手段)は、携帯通信端末20又は登録用コンピュータ40との間で、通信ネットワーク50を介して、データを送受信する。
本実施例では、データ送受信部102は、Webサーバを実行し、携帯通信端末20又は登録用コンピュータ40において指定されたURL又はIPアドレスに応じて、所定のWebページ(
図7及び
図8を用いて後述)を、携帯通信端末20又は登録用コンピュータ40に送信する。また、データ送受信部102は、送信したWebページに入力されたデータを、携帯通信端末20又は登録用コンピュータ40から受信する。
【0020】
関連付け部104(関連付け手段)は、地図データ106を格子状に区分けし、区分けされてできた区画に場所情報を関連付ける。
本実施例では、関連付け部104は、データ送受信部102を介して、登録用コンピュータ40から区画データ及び場所情報を取得する。関連付け部104は、区画データが表わす座標が含まれる地図データ106の区画を算出する。関連付け部104は、算出した区画に割り当てられている区画ID(
図4を用いて後述)を、取得した場所情報に付加して場所情報DB108に格納する。
【0021】
場所情報取得部110(取得手段)は、データ送受信部102により受信された現在位置データが表わす座標が含まれる区画に、関連付け部104により関連付けられた場所情報を取得する。
本実施例では、場所情報取得部110は、データ送受信部102を介して、携帯通信端末20から現在位置データを受信する。場所情報取得部110は、受信した現在位置データが表わす座標が含まれる地図データ106の区画を算出する。場所情報取得部110は、算出した区画に割り当てられている区画IDを有する場所情報を、場所情報DB108から取得する。場所情報取得部110は、取得した場所情報を、データ送受信部102を介して、携帯通信端末20に送信する。
【0022】
図3は、地図データ106を例示する図である。
図3に例示するように、地図データ106は、任意縮尺の地図を表す。地図データ106が表わす地図は、格子状に区分けされている。この区分けされてできた一区画の大きさは、特に限定するものではないが、携帯通信端末20により取得される現在位置の座標の誤差を包含する範囲であることが好ましい。例えば、携帯電話のGPS機能の場合、現在位置の座標の誤差は、最大10m程度であるので、この場合の一区画の大きさは、25m四方であれば好適である。
また、格子状に区分けされた地図データ106の各区画には、区画IDが割り当てられている。
【0023】
図4は、場所情報DB108を例示する図である。
図4に例示するように、場所情報DB108は、データ項目として、区画IDと、ユーザIDと、URL/IPアドレスと、ボタン名とを有する。なお、場所情報DB108のデータ項目は、これらに限定するものではなく、少なくとも、地図データ106の区画を特定するデータと、現在位置に関連付けされた情報とを含んでいればよい。
以下、本実施例における場所情報DB108の各データ項目について説明する。
【0024】
区画IDは、地図データ106の区画を特定するための情報である。区画IDは、数字、記号、及び文字などを組み合わせて表わされる。
【0025】
ユーザIDは、場所情報を登録したユーザを特定するための情報である。ユーザIDは、数字、記号、及び文字などを組み合わせて表わされる。
【0026】
URL/IPアドレスは、コンテンツサーバ30において運用されているWebサイトのアクセス先を表わす。
【0027】
ボタン名は、URL/IPアドレスが表わすWebサイトへのアクセスを促すボタン上に付される。ボタン名は、任意文字列で表わされる。
本実施例では、URL/IPアドレスとボタン名との組み合わせは、一区画IDに対して、複数関連付け可能となっている。
【0028】
図5は、登録処理S10を例示するフローチャートである。
図5に例示するように、ステップ100(S100)において、データ送受信部102は、登録画面(
図7を用いて後述)に、登録用コンピュータ40から接続があるか否かを判定する。場所情報配信プログラム100は、登録用コンピュータ40から接続がある場合は、S102に移行し、登録用コンピュータ40から接続がない場合は、S100に移行する。
【0029】
ステップ102(S102)において、データ送受信部102は、登録画面を、登録用コンピュータ40に送信する。
【0030】
ステップ104(S104)において、データ送受信部102は、登録画面を介して、登録用コンピュータ40から区画データ及び場所情報を受信したか否かを判定する。場所情報配信プログラム100は、登録用コンピュータから区画データ及び場所情報を受信した場合は、S106に移行し、登録用コンピュータから区画データ及び場所情報を受信していない場合は、S104に移行する。
【0031】
ステップ106(S106)において、関連付け部104は、S104にて受信した区画IDが表わす座標が含まれる地図データ106の区画を算出する。そして、関連付け部104は、算出した区画に割り当てられている区画IDを、取得した場所情報に付加する。
【0032】
ステップ108(S108)において、関連付け部104は、S106にて区画IDを付加した場所情報を、場所情報DB108に格納する。
【0033】
図6は、場所情報配信処理S20を例示するフローチャートである。
図6に例示するように、ステップ200(S200)において、データ送受信部102は、現在位置取得画面(
図8を用いて後述)に、携帯通信端末20から接続があるか否かを判定する。場所情報配信プログラム100は、携帯通信端末20から接続がある場合は、S202に移行し、携帯通信端末20から接続がない場合は、S200に移行する。
【0034】
ステップ202(S202)において、データ送受信部102は、現在位置取得画面を、携帯通信端末20に送信する。
【0035】
ステップ204(S204)において、データ送受信部102は、現在位置取得画面を介して、携帯通信端末20から現在位置データを受信したか否かを判定する。場所情報配信プログラム100は、携帯通信端末20から現在位置データを受信した場合は、S206に移行し、携帯通信端末20から現在位置データを受信していない場合は、S204に移行する。
【0036】
ステップ206(S206)において、データ送受信部102は、現在位置取得中画面(
図8を用いて後述)を、携帯通信端末20に送信する。
【0037】
ステップ208(S208)において、データ送受信部102は、携帯通信端末20からの現在位置データの受信が完了したか否かを判定する。場所情報配信プログラム100は、現在位置データの受信が完了した場合は、S210に移行し、現在位置データの受信が完了していない場合は、S206に移行する。
【0038】
ステップ210(S210)において、場所情報取得部110は、S208にて受信を完了した現在位置データが表わす座標が含まれる地図データ106の区画を算出する。そして、場所情報取得部110は、算出した区画に割り当てられている区画IDを有する場所情報を、場所情報DB108から取得する。
【0039】
ステップ212(S212)において、場所情報取得部110は、S210にて取得した場所情報を含む場所情報画面(
図8を用いて後述)を、携帯通信端末20に送信する。
【0040】
図7は、登録画面200を例示する図である。
図7に例示するように、登録画面200は、区画を選択させる地
図210と、ユーザIDを入力させる入力域220と、URL/パスワードを入力させる入力域230と、ボタン名を入力させる入力域240と、登録ボタン250と、キャンセルボタン260とから構成されるWebページである。
【0041】
ユーザは、地
図210から区画を選択する。ユーザは、選択した区画に関連付けるユーザID、URL/IPアドレス、及びボタン名を、それぞれの入力域220、230、及び240に入力する。そして、ユーザにより登録ボタン250が押下されると、登録画面200は、選択された区画を表わす区画データと、入力されたユーザID、URL/IPアドレス、及びボタン名を表わす場所情報とを、場所情報配信装置10に送信する。また、ユーザによりキャンセルボタン260が押下されると、登録画面200に入力された情報が全て消去される。
【0042】
図8は、携帯通信端末20における画面遷移を例示する図である。
図8に例示するように、携帯通信端末20における画面は、現在位置取得画面310、現在位置取得中画面320、場所情報画面330、及びコンテンツ画面340の順に遷移する。
【0043】
現在位置取得画面310は、携帯通信端末20が、場所情報配信装置10にアクセスして、最初に送信されるWebページである。現在位置取得画面310は、「現在位置を取得します」と表記されたボタン312を押下されると、携帯通信端末20に備わっているGPS機能などを用いて、現在位置の座標を取得するプログラムを携帯通信端末20に実行させる。携帯通信端末20は、実行したプログラムにより、現在位置の座標を取得すると、取得した現在位置の座標を表わす現在位置データを場所情報配信装置10に送信する。
【0044】
現在位置取得中画面320は、現在位置取得画面310にてボタン312を押下された後に表示されるWebページである。現在位置取得中画面320は、プログレスバー322により、携帯通信端末20における現在位置の座標の取得の進度を表わす。
【0045】
場所情報画面330は、場所情報配信装置10において取得された場所情報を含むWebページである。場所情報画面330は、場所情報に含まれるボタン名を付され、場所情報においてこのボタン名に関連付けられたURL/IPアドレスをリンク先として持つボタン332を表示する。
【0046】
コンテンツ画面340は、場所情報画面330にてボタン332を押下された後、コンテンツサーバ30から配信されるWebページである。コンテンツ画面340には、コンテンツサーバ30から配信される現在位置に関連付けされた情報が表示される。
【0047】
以上説明した場所情報配信システム1によれば、ユーザは、携帯通信端末20において文字入力の操作を必要とせず、クリックだけの簡単操作で、現在位置に関連付けされた情報を入手することができる。特に、本例の区画は、互いに重なり合うことがないため、配信すべき情報を一意に決定することができる。
また、場所情報配信システム1によれば、場所ごとに人を案内するための案内板などの設置が不要となる。例えば、観光地においては、ユーザは、携帯通信端末20を操作し、場所情報として配信される観光イドを見ながら、観光を楽しむことができる。また、例えば、店舗においては、ユーザは、携帯通信端末20を操作し、場所情報として配信される店舗及び取扱商品などの情報を見ながら、ショッピングを楽しむことができる。また、例えば、飲食店の順番待ちにおいては、ユーザは、場所情報として配信される着席可能通知により、順番が来たことを知ったり、さらに場所情報として配信されるアンケート調査などに応えて時間を潰すことができる。
また、場所情報は、この場所情報が関連付けられた地図データ106の区画に該当する場所に、ユーザが実際に行くことで、配信されるものである。このため、例えば、場所情報として現地限定の情報を配信すれば、客をその場所に呼び込む誘客効果が期待される。
また、場所情報配信システム1は、格子状に区分けされた地図データ106の各区画に、場所情報を関連付ける権利を、需要者に販売するビジネスを創出することができる。地図データ106の各区画は、現実の場所に応じて、さまざまな利用価値を有しているので、需要があると見込まれる。
【0048】
[変形例1]
図9は、場所情報配信プログラム400の機能構成を例示する図である。
図9に例示するように、場所情報配信プログラム400は、
図2の場所情報配信プログラム100にオークション実施部412を追加した構成となっている。
【0049】
オークション実施部412は、格子状に区分けされた地図データ106の区画を対象にして、オークションを実施する。
本変形例では、オークション実施部412は、データ送受信部102を介して、登録用コンピュータ40を操るユーザからのオークション参加を受け付け、さらにオークション期間、オークション参加を受け付けたユーザ(入札者)からの金額入力を受け付ける。オークション期間が経過した後、オークション実施部412は、落札者を決定し、落札者となったユーザに落札したことを知らせる案内を、電子メールなどにより通知する。落札者からの入金を確認した後、オークション実施部412は、落札者に場所情報を登録するためのユーザIDを、電子メールなどにより通知する。そして、オークション実施部412は、落札された地図データ106の区画に割り当てられている区画IDに、落札者に通知したユーザIDを関連付けて、場所情報DB108に格納する。なお、落札者からの入金を確認する手段は、特に限定するものではない。例えば、オークション実施部412は、銀行システムと連携し、指定口座に落札者からの入金があったか否かを確認してもよい。
【0050】
本変形例では、関連付け部104は、落札された区画に関連付けて、場所情報を場所情報DB108に格納するとき、格納する場所情報に含まれるユーザIDと、既に場所情報DB108に格納されている場所情報(格納する場所情報と同じ区画IDを有する)に含まれるユーザIDとが合致するか否かを判定する。そして、ユーザIDが一致した場合のみ、関連付け部104は、落札された区画に関連付ける場所情報を、場所情報DB108に格納する。これにより、落札者のみが、落札した区画に、場所情報を関連付けることができるようになる。
【0051】
図10は、オークション処理S30を例示するフローチャートである。
図10に例示するように、ステップ300(S300)において、データ送受信部102は、オークション画面(
図11を用いて後述)に、登録用コンピュータ40から接続があるか否かを判定する。場所情報配信プログラム400は、登録用コンピュータ40から接続がある場合は、S302に移行し、登録用コンピュータ40から接続がない場合は、S300に移行する。
【0052】
ステップ302(S302)において、データ送受信部102は、オークション画面を、登録用コンピュータ40に送信する。
【0053】
ステップ304(S304)において、オークション実施部412は、オークション画面を介して、登録用コンピュータ40からオークション参加を受け付けたか否かを判定する。場所情報配信プログラム400は、オークション参加を受け付けた場合は、S306に移行し、オークション参加を受け付けていない場合は、S304に移行する。
【0054】
ステップ306(S306)において、オークション実施部412は、オークション画面を介して、登録用コンピュータ40から金額入力があったか否かを判定する。場所情報配信プログラム400は、金額入力があった場合は、S308に移行し、金額入力がない場合は、S306に移行する。
【0055】
ステップ308(S308)において、オークション実施部412は、オークション期間が経過したか否かを判定する。場所情報配信プログラム400は、オークション期間が経過した場合は、S312に移行し、オークション期間が経過していない場合は、S310に移行する。
【0056】
ステップ310(S310)において、オークション実施部412は、オークション画面を介して、登録用コンピュータ40から継続して金額入力があるか否かを判定する。場所情報配信プログラム400は、継続して金額入力がある場合は、S306に移行し、継続して金額入力がない場合は、終了する。
【0057】
ステップ312(S312)において、オークション実施部412は、最高額を入力した登録用コンピュータ40のユーザを落札者に決定する。
【0058】
ステップ314(S314)において、オークション実施部412は、落札者に落札したことを知らせる案内を、電子メールなどにより通知する。
【0059】
ステップ316(S316)において、オークション実施部412は、落札者からの入金を確認したか否かを判定する。場所情報配信プログラム400は、落札者からの入金を確認した場合は、S318に移行し、落札者からの入金を確認していない場合は、S316に移行する。
【0060】
ステップ318(S318)において、オークション実施部412は、落札者に場所情報を登録するためのユーザIDを、電子メールなどにより通知する。
【0061】
図11は、オークション画面500を例示する図である。
図11に例示するように、オークション画面500は、区画を選択させる地
図510と、入札参加ボタン520と、キャンセルボタン530とから構成されるWebページである。
【0062】
ユーザは、地
図510から区画を選択する。このとき、地
図510の下に、選択された区画を対象にしたオークションの状況が表示される。ユーザは、選択した区画を対象にしたオークションに参加する場合は、入札参加ボタン520を押下する。そして、入札参加ボタン520が押下された後、ユーザは、入札金額を入力することができるようになる。また、オークションを止める場合は、ユーザは、キャンセルボタン530を押下する。
【0063】
以上説明した構成及び動作によれば、場所情報配信システム1は、利用価値が高い地図データ106の区画に対して、オークションを実施することできる。
【0064】
[変形例2]
上記実施例の地図データ106の区画は、場所情報に含まれる言語、利用層、利用シーン、又は利用時間などにより、さらに階層分けされることができる。なお、言語は、携帯通信端末20に配信される場所情報に含まれる言語の種別を表わす。例えば、言語は、日本語、英語、又は中国語などを表わす。また、利用層は、携帯通信端末20が存在する場所の高度を表わす。例えば、利用層は、地下又は地上何階であるかなどを表わす。また、利用シーンは、携帯通信端末20を利用しているときの場面を表わす。例えば、利用シーンは、観光、買い物、仕事、又は災害などを表わす。また、利用時間は、携帯通信端末20を利用しているときの時間帯を表わす。例えば、利用時間は、早朝、午前、正午、午後、又は深夜などを表わす。
この場合、場所情報配信装置10における関連付け部104(関連付け手段)は、地図データ106の区画を、言語、利用層、利用シーン、又は利用時間などにより、階層分けしてできた階層に、場所情報を関連付けて記憶媒体に格納する。携帯通信端末20は、現在位置データ以外に、さらに言語、利用層、利用シーン、又は利用時間などを取得し、取得した言語、利用層、利用シーン、又は利用時間などを表わすデータ(以下、「付加データ」という。)を場所情報配信装置10に送信する。場所情報配信装置10におけるデータ送受信部102(受信手段)は、携帯通信端末20から、現在位置データと、付加データとを受信する。場所情報配信装置10における場所情報取得部110(取得手段)は、受信した現在位置データが表わす座標が含まれる地図データ106の区画において、同じく受信した付加データが表わす言語、利用層、利用シーン、又は利用時間などに該当する階層に、関連付け部104により関連付けられた場所情報を取得する。場所情報配信装置10におけるデータ送受信部102(送信手段)は、場所情報取得部110により取得された場所情報を携帯通信端末20に送信する。
なお、携帯通信端末20が言語、利用層、利用シーン、又は利用時間を取得する手段は、特に限定するものではない。例えば、携帯通信端末20は、言語又は利用時間であれば、携帯通信端末20にインストールされているOS(Operating System)の環境から取得することができるし、利用層であれば、高度計測も可能なGPS機能を用いて取得することができるし、利用シーンであれば、ユーザに選択させて取得することができる。
【0065】
以上説明した構成及び動作によれば、場所情報配信システム1は、地図データ106の区画を階層分けすることにより、一区画を、利用目的などに応じて、場所情報配信のために効率的に幅広く利用させることができる。
また、例えば、災害時においては、利用シーンの切り替えにより、災害場所に位置するユーザに、場所情報として避難情報を配信するなど、場所情報配信システム1は、ユーザにおける場面に応じて、臨機応変に対応することができる。
【0066】
[変形例1]
上記実施形態では、コンテンツサーバ30は、場所情報配信装置10から送信された場所情報に対応する観光情報を携帯情報端末20に配信する形態を具体例として説明したが、これに限定されるものではない。以下、変形例を説明する。
例えば、場所情報配信装置10は、洪水又は地震などの災害が発生した場合に、現在位置の座標に基づいて、避難場所を示す情報を、コンテンツサーバ30により配信されているコンテンツに割り込んで表示させる。より具体的には、ユーザが携帯情報端末20でリロードを要求すると、場所情報配信装置10は、リロード要求時に、洪水又は地震などの災害が発生している場合に、強制的に、現在位置の座標に「最も近い避難場所への経路」をコンテンツとして配信する。コンテンツの配信は、場所情報配信装置10が直接行ってもよいし、災害情報専用のコンテンツサーバが行ってもよい。また、洪水や高潮などが発生した場合、場所情報配信装置10は、ユーザの現在位置の座標及び高度に基づいて、災害情報(避難場所など)を配信すべき区画を決定し、決定された区画に存在するユーザにのみ、避難場所までの経路などを通知してもよい。
【0067】
また、場所情報配信装置10は、ユーザがバス停でアクセスし、目的地を入力すると、現在位置の座標に対応する区画から、入力された目的地に対応する区画までの経路を検索し、検索結果情報(例えば、バス及び徒歩(乗換を含む)の経路)をユーザに提供してもよい。さらには、バス内にも携帯通信端末20を搭載することで、場所情報配信装置10は、バスの現在位置を把握し、バス停で待つユーザにバスの位置情報を提供してもよい。さらには、場所情報配信装置10は、位置情報の過去履歴を保存しておくことにより、道路の込み具合や到達予想時刻などを判定又は算出し、ユーザに提供してもよい。
【0068】
また、道路陥没、水道管破裂などの破損を発見した住民などが静止画を携帯通信端末20で撮影し、場所情報配信装置10に添付送信すると、場所情報配信装置10は、携帯通信端末20の現在位置の座標に基づいて区画を特定し、特定された区画に対応する送信先に、添付されていた静止画データを、発生場所、発生時刻及び発生状況などと共に、送信するように構成してもよい。
【0069】
また、場所情報配信装置10は、それぞれの区画に対して、複数のコンテンツを関連付けておき、確率によって、区画に対応する複数のコンテンツのうちの一つを配信させるように構成してもよい。すなわち、携帯通信端末20が現在位置を送信すると、表示確率によって違うコンテンツが配信される。各区画に関連付けられるコンテンツは、例えばゲームコンテンツとコマーシャルコンテンツであり、所定の確率で、これらのいずれか一方が配信される。
【0070】
また、場所情報配信装置10は、携帯通信端末20又はデスクトップコンピュータで表示されている地図のスケール(縮尺)に応じて、区画のサイズ(25m→100m→500mなど)を変化させ、それぞれの区画サイズに対して、コンテンツを関連付けるように構成してもよい。すなわち、表示される地図のスケールに応じて、各区画のサイズ及びこれらに関連付けられるコンテンツが異なる。例えば、コンテンツサーバ30により配信されるWebコンテンツを階層化しておき、場所情報配信装置10は、地図のスケールと、Webコンテンツの階層とを関連付けておき、かつ、スケールの地図上の各区分と、それぞれのスケールに対応する階層のWebコンテンツとを関連付けておく。これにより、例えば、25mのスケールの地図でリンクされたコンテンツのトピックスが、それより大きな区分で表記できる。
【0071】
[その他変形例]
上記実施例の場所情報は、URL/IPアドレス及びボタン名を含んだが、これを現在位置に関連付けされた情報を表わすテキスト、画像、又は音声などに置き換えてもよい。この場合、携帯通信端末20は、コンテンツサーバ30にアクセスすることなく、場所情報配信装置10から場所情報を取得するだけで済む。
また、上記実施例では、携帯情報端末20の現在位置に関連付けされた情報を提供する形態を説明したが、コンピュータ上に表示された地図上の所定位置が指定された場合に、指定された位置を上記実施例の現在位置として動作させてもよい。例えば、コンピュータは、ウェブブラウザなどで地図を表示し、表示された地図上の所定の位置で、クリック操作を検知すると、クリック操作に対応する座標を場所情報配信装置10に送信し、場所情報配信装置10は、送信された座標が含まれる区画に関連付けられたURL又はIPアドレスをコンピュータに返信し、コンピュータは、場所情報配信装置10から送信されたURL又はIPアドレスに基づいて、コンテンツサーバ30にリダイレクトして、情報を取得し表示する。