【課題を解決するための手段】
【0007】
最初に述べたようなタイプの吸収性失禁用品の場合には、次の発明によってこの目的は達成される。すなわちこの発明では、側方部の脚周りの開口領域を形成するために、後側側方部が、少なくとも股下領域に面する側で、長手方向に対して斜めまたは曲線状に延びるように形成され、さらに、後側側方部の各側方部脚周り開口領域が、長さ対幅の比R=A/Bが0.1〜0.4であり、また、更には後側側方部を形成する材料の引裂き伝搬抵抗Fmがおむつの長手方向で少なくとも4.0Nであり、脚部開口に近い止着手段の、後側側方部の股下部に面する下端からの間隔が、多くとも5.0cmである。この場合、R、Fm、Cは以下での更なる説明のように決定される。
【0008】
より詳細を以下で説明するように、側方部の輪郭の取り方だけでも、側方部の引裂き強度を大きく向上させる結果となる。それは、輪郭取りした形状の場合、本体の側端が、側方部に対する一種の引裂き端形成に不向きとなるからである。さらに、おむつを装着する際に、脚周り開口に近い止着手段を介して側方部へ導入される引張り力が、比較的大きな面積に亘って分散され、その結果、問題となる個所にかかる力がかなり低減される。問題となる個所というのは、側方部の下端と本体部分の後側側縁とが会する点である。
【0009】
脚周り開口領域の側方部の、長さ対幅の比R=A/Bが非常に小さくても、この問題に関して十分に顕著なプラスの効果をもたらす。ただし、Rの値が0.4より大きいと、失禁用使い捨ておむつのぴったりした着具合と装着快適性とを損ね、またそれ以上に、廃棄する切れ端の量を増やしてしまう。
【0010】
側方部を形成する材料の引裂き伝搬抵抗が僅かに4.0Nであっても、本発明の側方部の輪郭取りと組合わせることにより、止着手段を後側側方部の下端に非常に近く、つまり、多くとも5cmの場所に配置することが可能となることもわかった。本体部の長手方向側縁に沿って側方部が引裂かれるという前述のリスクは、止着手段が側方部下端から遠いほど減少することはわかったが、これは同時におむつ装着時の快適さにも関係していて、長手方向および幅方向に非常に長く延びている側方部を有するおむつを、人にぴったりした着具合で装着させようとすると、快適さを相当に損なうことになってしまう。止着手段が側方部の下端に非常に近い場合には、おむつをぴったりした着具合で装着することがはるかに容易となる。それは、止着手段を通して、側方部のほぼ全長に亘って引張り力をかけることが可能となるからである。驚くべきことに、請求項1に特定された特徴の組合せによって、本発明はこれまでに未知の問題点を解決する。本発明は更に、後側側方部の材料選択に高度の柔軟性をあたえる。その結果、装着感は快適であっても引張り強度が小さかった材料でも利用することが可能となる。
【0011】
長手方向に対して斜め、または曲線状に延びるように形成された側方部を有する、一般的なおむつは公知(国際公開第2009/015746(A1)号パンフレット)であるが、国際公開第2009/015746(A1)号パンフレットには本発明の根底にある問題点もその解決策のいずれも開示されていない。
【0012】
有利なことには、長手方向に対して斜め、または曲線状に延びるように形成された側方部の脚周り開口領域は、連続的または準連続的に案内された裁断工程、特には切断又は打ち抜きによって形成され、従って、連続的な縁が形成される。この場合、裁断工程の経路は、後側側方部、本体部、および前側側方部を通る。脚周り開口領域は、こうして、1回の連続的または準連続的裁断工程での縁の切断又は分離だけで形成され、これにより当然、失禁用使い捨ておむつが経済的に製造され、望ましくない縁が排除されることになる。
【0013】
この裁断工程において、後側側方部と本体部と前側側方部とで形成される一続きの切れ端は、いずれにしても工程から除去されなければならない。これは、独国特許出願公開第102008056220号明細書に記載の方法により、有利に遂行される。これに関し、独国特許出願公開第102008056220号明細書の開示内容が完全かつ明示的に引用される。
【0014】
好ましくは、後側側方部、および/または前側側方部から裁断される領域の長手方向の最大長さl
1、l
2は、20〜180mmであり、特に30〜100mmである。失禁用使い捨ておむつの長手方向における、本体部から裁断された切れ端の領域の長さl
3は、好ましくは110〜500mmであり、特に200〜450mmである。これに対し、本体部から裁断されるこの領域の幅方向の最大長さl
4は、むしろ小さくて、好ましくは5〜100mmであり、特に8〜70mmであり、更には特に10〜60mmである。
【0015】
この切れ端の幅方向の長さl
5は、特に150〜350mmであり、更には特に190〜300mmである。
【0016】
本発明の更なる改良において、後側側方部の脚周り開口領域の長さ対幅の比R=A/Bは、少なくとも0.15、好ましくは0.18〜0.35、特に好ましくは0.20〜0.32であることが提案される。
【0017】
本発明の更なる概念によれば、後側側方部の股下領域に面する下端からの止着手段の間隔Cは、多くとも4.0cmであり、好ましくは多くとも3.5cmであり、更に好ましくは多くとも3cmであり、更には特に少なくとも0.5cmである。
【0018】
後側側方部を形成する材料の坪量は、好ましくは14〜40g/m
2であり、特には16〜30g/m
2であり、更に特には17〜28g/m
2である。
【0019】
以下で詳細を説明する方法で測定され平均力Fmとして決定される、後側側方部を形成する材料の引裂き伝搬抵抗は、好ましくは少なくとも5.0Nであり、特に好ましくは少なくとも6.0Nであり、更に特に好ましくは少なくとも6.5Nである。ただし、好ましくは多くとも10.0Nである。
【0020】
以下で詳細を説明する方法で測定され平均ピーク力Fm.spとして決定される、後側側方部を形成する材料の引裂き伝搬抵抗は、好ましくは少なくとも5.5Nであり、特に好ましくは少なくとも6.0Nであり、非常に特に好ましくは少なくとも6.5Nであり、そして特に少なくとも7.0Nである。ただし、好ましくは多くとも12Nである。
【0021】
以下で詳細を説明する方法で測定され最大ピーク力Fspとして決定される、後側側方部を形成する材料の引裂き伝搬抵抗は、好ましくは少なくとも5.5Nであり、特に好ましくは少なくとも6.0Nであり、非常に特に好ましくは少なくとも6.5Nであり、特には少なくとも7.0Nである。ただし、好ましくは多くとも12Nである。
【0022】
本発明の更なる展開において、前側側方部にも、上記の後側側方部に対して記述したような、長さ対幅の比R、および/または坪量を与えることが有利であることが判明した。好ましくは、前側側方部は更に、後側側方部に対して記述したような引裂き伝搬抵抗Fmおよび/またはFm.spおよび/またはFspも有する。
【0023】
本発明の好適な実施形態によれば、前側および/または後側の側方部の内端と外端とは相互に平行になっている。より好ましくは、内端および/または外端が少なくとも部分的に、失禁用使い捨ておむつの長手方向に平行になっている。好ましくは、内端は外端よりも長手方向により大きな長さDを有している。
【0024】
前側および/または後側の側方部を不織布材料で形成することが有利であることも判明した。特に、熱可塑性ポリマをベースとする少なくとも1つの組成の成分を含むすべての不織布材料が好適である。不織布材料としては、PE、PP、PET、レーヨン、セルロース、PAの繊維、およびそれらの繊維の混合物を含むことができる。2成分および多成分の繊維もまた可能であり、有利である。特に、カード不織布、スパンボンド不織布、ウォータジェット加工不織布、SM不織布、SMS不織布、SMMS不織布、またはこれらの不織布の1つまたは複数の積層体などが有利である。ここで、Sはスパンボンド不織布層、Mはメルトブロー不織布層を表す。さらには、前側および/または後側の側方部を不織布とフィルムの積層体で形成することも可能であり、有利である。その場合、柔らかい面を体に当てるために、外側にフィルム成分、内側に不織布成分を配置するようにする。本発明のこの概念を展開して、前側および/または後側の側方部を不織布−フィルム−不織布の積層体で形成することは有利である。ここで、フィルム成分は2つの不織布成分の間にサンドイッチされた形で配置される。
【0025】
更には、吸収パッドの長手方向の端部の横の本体部に、長手方向に部品を有する第1の弾性要素を取り付けると有利であることが判明した。これらの弾性要素は正確に、いわば直線状に長手方向に延びることができ、また特に有利には、脚周り開口に沿うある輪郭に従って与えることができる。その場合、弾性要素は脚周り開口に沿う曲線経路を取る。本発明のこの概念の特別な発展形態において、弾性要素は側方部へは延びないで、その位置が本体部内にとどまるようになっている。更に、第2の弾性要素がおむつの本体部のウェブに取り付けられてもよい。この第2の弾性要素は、第1の長手方向に延びていて、特に起立したカフ要素として、それ自体が例えば欧州特許出願公開第0263720(A1)号明細書で公知である形状を成している。これらの好ましくは起立した第2の弾性要素は、おむつの本体部、すなわち吸収パッドの中心をある程度両側から囲む。それは、吸収パッドの縁部分または、吸収パッドの縁の内側または、吸収パッドの縁の外側の領域に設けられてもよい。これにより、失禁用使い捨ておむつの横漏れガードが形成される。
【0026】
本発明の発展例において、失禁用使い捨ておむつを人の体に所望通りに固定するために、止着手段を、少なくとも本体部の外面と前側側方部の外面の両方に取り外し自在に固定することができるようになっている。この止着手段と前側側方部の外面との間の保持力は、好ましくは止着手段と本体部の外面との間の保持力よりも大きい。これにより、使用者は殆どの場合止着手段を前側側方部に固定する。特に機械的止着補助具である止着手段と本体部の外面との間の、腹上保持力として求められる保持力は、好ましくは20〜57N/25mm、特に25〜50N/25mmである。更に、止着手段と前側領域側方部の外面との間の腹上保持力は、好ましくは58〜90N/25mm、特に60〜80N/25mmである。更に、止着手段と後側側方部の外面との間の腹上保持力は、止着手段と前側側方部の外面との間の腹上保持力よりも小さい方が有利であることがわかっている。これによりまた、使用者は殆どの場合止着手段を前側側方部に固定する。本発明の記述において、腹上保持力は、国際公開第2008049546(A1)号パンフレットに記載の試験方法により測定される。
【0027】
失禁用使い捨ておむつの本体部の外面は、少なくともいくつかの領域で、ただし特には全表面積に亘って、不織布材料で形成されることが好ましい。これによって、失禁用使い捨ておむつに、“織物のような”感触が与えられる。このような場合、本体部の背面シートを不織布とフィルムの積層体で形成し、不織布層を外面にして、フィルム層を吸収パッドに向かう内面に来るようにして、不織布層で本体部の外面を形成するようにすることが有利である。こうすることにより、本体の液体不透過性と、おむつの肌に優しい性質の両方が確保される。次に、この不織布−フィルム積層体のフィルム層は、液体は通さないが好ましくは通気性を有する単層または多層のフィルムで形成されることが望ましい。この時、前側および/または後側側方部の通気性は、失禁用使い捨ておむつの背面シートを形成する、不織布とフィルムの積層体の通気性よりも高くすることが好ましい。
【0028】
有利なことには、後側側方部は、前側側方部とは、材料の種類、坪量、通気性、密度、伸縮性、止着力、表面積、厚さ、および色から成る群から選択される基本的性質のうち、少なくとも1つ、特に少なくとも2つ、更には特に少なくとも3つ、また更には特に少なくとも4つに関して異なっている。これに関し、国際公開第2009015746号明細書の開示内容が明示的に引用される。
【0029】
本発明の発展例では、前側および/または後側の側方部の長さ、つまりおむつの長手方向への最大長さが、少なくとも10cmであり、特に少なくとも15cmであり、更には特に少なくとも18cmであり、更には特に少なくとも22cmであり、そして更には特に長くとも45cmであることが有利であることがわかっている。失禁用使い捨ておむつの全長は、50〜120cmであり、特に60〜110cmであり、更には特に70〜110cmであることが有利である。本発明の発展例では、前側および/または後側の側方部の幅、つまりおむつの本体部の側縁の外へ出ている側方部の最大長さが、10〜40cmであり、特に12〜30cmであり、更には特に13〜25cmであることが有利であることがわかっている。好ましくは、前側側方部は、後側側方部と同じ幅である。
【0030】
本発明は失禁用使い捨ておむつの製造方法にも関する。失禁用使い捨ておむつの両側に脚周り開口領域の輪郭を形成するために、既に止着手段が設けられている後側側方部と本体部と前側側方部とに対する連続的または準連続的に案内された裁断工程がそれぞれの側に対して別々に実行されて、除去されるべき切れ端が、後側側方部と本体部と前側側方部から一続きとなって形成され、結果として、後側側方部の下端からの止着手段の間隔Cが形成される。
【0031】
本方法の発展例では、切れ端は、ピン状、こぶ状、鉤状またはとげ状の機械要素が表面から突出している転写ロールによって、把持され、除去される。
【0032】
好ましくは、切れ端を把持するために、さらに、転写ロールにおいて負圧の補助手段が利用される。
【0033】
本発明による方法は更に有利に展開されて、切れ端の幅方向の長さl
5(
図6参照)は150〜350mmであり、特に190〜300mmである。好ましくは本体部から裁断される切れ端の領域の長手方向の長さl
3は、110〜500mmであり、特に200〜450mmである。更に好ましくは、本体部から裁断される切れ端の領域の幅方向の長さl
4は、5〜100mmであり、特に8〜70mmであり、更には特に10〜60mmである。更に好ましくは、後側および/または前側の側方部から裁断される領域の長手方向の最大長さl
1、l
2は、20〜180mmであり、特に30〜100mmである。