【実施例】
【0167】
[0125] 以下の実施例は、本発明をさらに例示するが、当然ながら、その範囲を制限するものと決して解釈してはならない。
実施例1
[0126] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である(1R,3R,4S,5R)−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−1,4−ジヒドロキシ−6−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−7−オンの合成について記載する。
【0168】
【化45】
【0169】
[0127] 文献(Elliot et al., 1981, J. Chem. Soc. Perkin Trans 1, 1782-1789)に記載の方法に従って、150mLのトルエン中の
(−)−キナ酸(9.6g,0.05ミリモル)、p−トルエンスルホン酸一水和物(500mg)(p−TosOH)より上記の化合物を製造した。この溶液を12時間穏やかに還流させて、溶媒を真空で濃縮した。得られた残渣を75mLのN,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶かして、氷浴中で冷却した。イミダゾール(12.9g,0.185モル)に続いて、tert−ブチルジメチルシリルクロリド(TBDMS−Cl)(8.68g,0.057モル)を加えた。この混合物を0℃で0.5時間、そして室温で1時間撹拌した。この混合物を水へ注いで、生成物を酢酸エチル(EtOAc)によって抽出した。有機層を水で数回洗浄して、無水硫酸マグネシウム(MgSO
4)で乾燥させた。蒸発乾固の後で、得られた生成物を石油エーテル/EtOAcより再結晶させて、4.9gの表題生成物を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.88 (1H, t, J = 5.4 Hz), 3.98 (1H, t, J = 4.4 Hz), 3.89 (1H, ddd, J = 11.7, 7.3, 4.4 Hz), 2.97 (1H, s), 2.85 (1H, s), 2.63 (1H, d, J = 11.7 Hz), 2.30 (1H, ddd, J = 11.2, 5.8, 2.4 Hz), 2.06-1.94 (2H, m), 0.90 (9H, s), 0.097 (6H, s)。
【0170】
実施例2
[0128] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である(1R,3R,5R)−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−1−ヒドロキシ−6−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−4,7−ジオンの合成について記載する。
【0171】
【化46】
【0172】
[0129] 文献(Glebocka et al., J. Med. Chem., 2006, 49, 2909-2920)に記載の方法に従って、表題化合物を以下のように製造した。実施例1の生成物(8.95g,0.03モル)を225mLの塩化メチレン(CH
2CH
2)中のデス・マーチン試薬、ペルヨージナン試薬(14.8g,0.0345モル)の撹拌懸濁液へ加えた。室温で18時間撹拌後、これを水へ注いだ。生成物をEtOAcで抽出して、EtOAc層を水で数回洗浄し、MgSO
4で乾燥させてから、蒸発乾固させた。結晶性の生成物(8.0g)を収率93.2%で入手した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.74 (1H, d, J = 6.3 Hz), 4.54 (1H, dd, J = 10.7, 9.3 Hz ), 2.96 (1H, s), 2.86 (1H, ddd, J = 12.7, 6.8, 3.9 Hz), 2.55 (1H, ddd, J = 15.2, 6.4, 2.4 Hz), 2.42 (1H, d, J = 12.2 Hz), 2.16 (1H, dd, J = 12.2, 10.2 Hz), 0.90 (9H, s), 0.14 (3H, s), 0.044 (3H, s)。
【0173】
実施例3A
[0130] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である、酢酸(1R,3R,5R)−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4,7−ジオキソ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イルの合成について記載する。
【0174】
【化47】
【0175】
[0131] 実施例2(7.0g,24.5ミリモル)の52mLの無水ピリジン溶液へ無水酢酸(24mL)を加えた。室温で3時間撹拌後、次いでこれを水へ注いで、生成物をEtOAcで抽出した。EtOAc層を飽和炭酸水素ナトリウム(NaHCO
3)、飽和硫酸銅(CuSO
4)、及び水で洗浄してから、MgSO
4で乾燥させた。これを蒸発乾固させて、油性の残渣を得た。この油性の残渣を石油エーテル/EtOAc(4:1)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。最終的に、6.84gの生成物を結晶形態として収率85.1%で単離した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.81 (1H, d, J = 6.8 Hz), 4.58 (1H, dd, J = 10.3, 8.8 Hz), 3.56 (1H, ddd, J = 12.2, 6.8, 3.9 Hz), 2.66 (1H, ddd, J = 12.2, 8.8, 3.9 Hz), 2.32 (1H, d, J = 12.2 Hz), 2.29 (1H, dd, J = 12.2, 10.3 Hz), 2.17 (3H, s), 0.90 (9H, s), 0.14 (3H, s), 0.045 (3H,s)。
【0176】
実施例3B
[0132] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である、酢酸(1R,3R,5R)−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4−メチレン−7−オキソ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−1−イルの合成について記載する。
【0177】
【化48】
【0178】
[0133] 臭化メチルホスホニウム(3.93g,0.011モル)の168mLの無水テトラヒドロフラン(THF)溶液へ0℃でn−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M,4.4mL,0.01モル)を窒素下で撹拌しながら滴下した。この混合物を20℃で20分間撹拌してから−70℃まで冷却した。上記化合物(実施例3A,2.80g,8.54ミリモル)の96mLのTHF溶液をシリンジより加えた。この混合物を−40℃〜約−50℃で2時間撹拌した。この反応混合物へ1%塩酸(22g)、塩水、60mLのEtOAc、40mLのベンゼン、20mLのジエチルエーテル(Et
2O)、20mLの飽和NaHCO
3、及び20mLの水を加えた。この反応混合物を室温で18時間激しく撹拌した。有機層を分離させ、塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させて、蒸発乾固させた。この化合物を石油エーテル/EtOAc(9:1)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(428mg)を収率30.7%で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.32 (1H, s) 5.22 (1H, s), 5.20 (1H, s), 4.49 (1H, dd, J = 9.8, 7.8 Hz), 3.41 (1H, ddd, J = 10.7, 6.4, 3.0 Hz), 2.44 (1H, ddd, J = 11.7, 7.3, 2.9 Hz), 2.24-2.09 (2H, m), 2.20 (3H, s), 0.98 (9H, s), 0.15 (6H, s)。
【0179】
実施例4
[0134] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である(1R,3R,5R)−5−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−1−(ヒドロキシメチル)−4−メチレンシクロヘキサン−1,3−ジオールの合成について記載する。
【0180】
【化49】
【0181】
[0135] 実施例3Bの生成物(1.24g,3.43ミリモル)の25mLの無水エチルアルコール(EtOH)撹拌溶液へ0℃でホウ水素化ナトリウム(1.30g,34.3ミリモル)を加えて、この混合物を0℃で1時間、約6℃で10時間、そして室温で2時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液を加えた後で、この反応混合物を塩水へ注いだ。生成物をエーテルとCH
2Cl
2で数回抽出した。集めた抽出物を塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させて、蒸発乾固させた。この化合物をヘキサン/EtOAc(2:8)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(0.5g)を収率50.6%で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.14 (1H, t, J = 1.4 Hz), 4.98 (1H, s), 4.85 (1H, s), 4.80 (1H, s, br), 4.67 (1H, t, J = 3.2 Hz), 3.43 (1H, d, J = 11.0 Hz), 3.33 (1H, t, J = 7.3 Hz), 2.25 (2H, ddd, J = 11.9, 5.0, 2.3 Hz), 2.14 (1H, dt, J = 14.2, 2.8 Hz), 1.73 (1H, br), 1.54 (1H, dd, J = 14.2, 2.8 Hz), 0.89 (9H, s), 0.12 (3H, s), 0.087 (3H, s)。
【0182】
実施例5
[0136] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である(3R,5R)−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−ヒドロキシ−4−メチレンシクロヘキサノンの合成について記載する。
【0183】
【化50】
【0184】
[0137] 実施例4の生成物(650mg,2.26ミリモル)の50mLのメタノール溶液へ過ヨウ素酸ナトリウム−飽和水(13mL)を0℃で加えた。0℃で1時間撹拌後、この反応混合物を塩水へ注いで、生成物をEtOAcとEt
2Oで抽出した。集めた有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させて、蒸発乾固させた。残渣をヘキサン/EtOAc(7:3)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(542mg)を収率93.7%で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.24 (2H, d, J = 1.0 Hz), 4.77 (1H, dd, J = 6.4, 5.9 Hz), 4.71 (1H, dd, J = 6.4, 5.4 Hz), 2.77 (1H, ddd, J = 14.6, 4.9, 1.4 Hz), 2.67 (1H, ddd, J = 14.2, 4.4, 1.4 Hz) 2.51 (1H, ddd, J = 6.8, 2.9, 1.4 Hz), 2.47 (1H, ddd, J = 7.3, 3.4, 1.5 Hz) 0.87 (9H, s), 0.080 (3H, s), 0.060 (3H, s)。
【0185】
実施例6
[0138] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である((3R,5R)−3,5−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4−メチレンシクロヘキサノン)の合成について記載する。
【0186】
【化51】
【0187】
[0139] 実施例5(178mg,0.694ミリモル)の5mLのCH
2Cl
2溶液へ−50℃で2,6−ルチジン(190μL,1.62ミリモル)とtert−ブチルジメチルシリル−O−トリフレート(332μL,1.42ミリモル)を加えた。これを−50℃で5分間、そして−15℃で30分間撹拌した。この反応混合物へベンゼンと水を加えて、この混合物を水へ注いだ。生成物をベンゼンで抽出して、有機層を飽和CuSO
4で洗浄し、MgSO
4で乾燥させてから、蒸発乾固させた。ヘキサン/EtOAc(95:5)で溶出させるシリカゲルを使用することによって精製を行って、123mgの表題化合物を収率46.6%で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.16 (2H, s), 4.70-4.67 (2H, m), 2.64 (2H, ddd, J = 14.2, 4.4, 1.4Hz), 2.45 (2H, ddd, J = 14.2, 7.3, 2.0 Hz), 0.88 (18H, s), 0.068 (6H, s), 0.050 (6H, s)。
【0188】
実施例7
[0140] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である2−((3R,5R)−3,5−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4−メチレンシクロヘキシリデン)酢酸メチルの合成について記載する。
【0189】
【化52】
【0190】
[0141] ジイソプロピルアミン(0.72mL,5.10ミリモル)の10mLのTHF溶液へn−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M溶液、1.95mL,4.88ミリモル)を−78℃で撹拌しながら加えた。次いで、(トリメチルシリル)酢酸メチル(0.85mL,5.18ミリモル)を加えた。15分間撹拌後、THF中の実施例6の生成物(218mg,0.59ミリモル)を加えて、この混合物を−78℃で2時間撹拌した。この反応物を湿ったエーテルの添加によってクエンチして、塩水へ注いだ。これをEt
2Oとベンゼンで抽出した。集めた有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させて、真空で濃縮した。シリカゲルを使用してヘキサン/EtOAc(50:1)で溶出させることによって精製を行って、175mgの表題化合物を収率69.6%で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.74 (1H, s), 4.99 (2H, s), 4.48 (2H, dd, J = 10.3, 5.4 Hz), 3.68 (3 H, s), 3.06 (1H, dd, J = 13.7, 6.8 Hz), 2.98 (1H, dd, J = 13.2, 4.0 Hz), 2.47 (1H, dd, J = 12.7, 3.9 Hz), 2.25 (1H, dd, J = 12.7, 7.3 Hz), 0.88 (9H, s), 0.86 (9H, s), 0.072 (3H, s), 0.061 (3H, s), 0.035 (6H, s)。
【0191】
実施例8
[0142] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である(2−((3R,5R)−3,5−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4−メチレンシクロヘキシリデン)エタノール)の合成について記載する。
【0192】
【化53】
【0193】
[0143] 実施例7(100mg,0.234ミリモル)の6mLのトルエン/CH
2Cl
2(2:1)溶液へDIBAL−H(トルエン中1.0M溶液、2.4mL,2.4ミリモル)を−78℃、アルゴン下でゆっくり加えた。−78℃で1時間撹拌後、この混合物へ酒石酸カリウムナトリウム(2M,14mL)、塩酸(2M,14mL)、及び水(18mL)を加えた。この反応混合物をベンゼンとEt
2Oで希釈した。有機層を分離させ、希釈したNaHCO
3と塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させて、真空で濃縮した。この粗製の材料をヘキサン/Et
2O(95:5)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、50mgの表題化合物を収率85.9%で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.69 (1H, t, J = 7.4 Hz), 5.05 (1H, s), 4.95 (1H, s), 4.48 (1H, t, J = 4.4 Hz), 4.37 (1H, dd, J = 8.8, 4.9 Hz), 4.17 (1H, ddd, J = 11.7, 7.3, 3.4 Hz), 4.07-4.01 (1H, m), 2.51 (1H, dd, J = 13.2, 5.4 Hz), 2.45 (1H, dd, J = 12.2, 4.4 Hz), 2.22 (1H, dd, J = 14.2, 3.4 Hz), 2.12 (1H, dd, J = 12.2, 8.8 Hz), 0.90 (9H, s), 0.87 (9H, s), 0.073 (6H, s), 0.068 (6H, s)。
【0194】
実施例9
[0144] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である(1R,3R)−5−(2−(ジフェニルホスホリル)エチリデン)−2−メチレン−1,3−(ジtert−ブチルジメチルシリルオキシ)−シクロヘキサンの合成について記載する。
【0195】
【化54】
【0196】
[0145] 実施例8(50mg,0.2ミリモル)の2mLのTHF溶液へn−ブチルリチウム(n−BuLi,ヘキサン中2.5M,50μL,0.2ミリモル)を0℃、アルゴン下で加えた。上記の溶液へ2mLのTHF中の新たに再結晶させたp−トルエンスルホニルクロリド(tos−Cl,40.1mg,0.21ミリモル)を加えた。この混合物を0℃で5分間撹拌した。ジフェニルホスフィン(71μL,0.38ミリモル)の5mLのTHF溶液へn−BuLi(ヘキサン中2.5M溶液,160μL,0.4ミリモル)をアルゴン下で慎重に加えた。この赤味がかった溶液を上記の溶液へ加えて、橙色が残存するまで撹拌した。0℃でさらに40分間撹拌後、水(2.1mL)を加えた。溶媒を真空で濃縮して、残渣を3mLのCH
2Cl
2に溶かした。過酸化水素(10%溶液、1.5mL)を0℃で加えて、この混合物を1時間撹拌した。分離させた有機層を冷水、亜硫酸ナトリウム、及び水で洗浄した。蒸発乾固の後で、この粗製の材料を石油エーテル/EtOAc(85:15)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、89mgの表題化合物を収率78.5%で入手した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.76-7.68 (4H, m), 7.54-7.50 (2H,m), 7.48-7.44 (4H, m), 5.35 (1H, dd, J = 14.2, 6.8 Hz), 4.92 (2H, d, J = 12.7 Hz), 4.34 (2H, dd, J = 10.8, 4.9 Hz), 3.24-3.03 (2H, m), 2.33 (1H, dt, J = 12.7, 2.9 Hz), 2.08 (1H, ddd, J = 12.7, 7.8, 4.4 Hz), 2.02 (2H, d, J = 4.4Hz), 0.86 (18H, s), 0.016 (6H, s), 0.007 (3H, s), -0.004 (3H, s)。
【0197】
実施例10
[0146] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である((1R,3R)−5−((E)−2−(1−(1−((S)−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,3−ジメチルブトキシ)エチル)−7α−メチルジヒドロ−1H−インデン−4(2H,5H,6H,7H,7αH)−イリデン)エチリデン)−2−メチレンシクロヘキサン−1,3−ジイル)ビス(オキシ)ビス(tert−ブチルジメチルシラン)の合成について記載する。
【0198】
【化55】
【0199】
[0147] 実施例9(20mg,0.0343ミリモル)のTHF溶液へtert−BuLi(ペンタン中1.6M,25μL,0.04ミリモル)を−78℃、アルゴン下でゆっくり加えた。この混合物を−78℃で20分間撹拌した。0.2mLのTHF中の実施例29の化合物(16mg,0.04ミリモル)をゆっくり加えた。この混合物を−78℃で3時間、そして約6℃で16時間撹拌した。この混合物へEtOAcと水を加えた。有機層を分離させ、塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させて、蒸発乾固させた。この粗製の材料を、石油エーテル/Et
2O(100:1)を使用する分取用薄層クロマトグラフィー(分取用TLC)によって精製して、10mgの表題化合物を収率37.6%で入手した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.23 (1H, d, J = 11.2 Hz), 5.81 (1H, d, J = 11.2 Hz), 4.97 (1H, s), 4.92 (1H, s), 4.42 (2H, dd, J = 8.8, 3.9 Hz), 3.51 (1H, dd, J = 8.8, 3.0 Hz), 3.25-3.19 (2H, m), 2.83 (1H, d, J = 13.2 Hz), 2.51 (1H, dd, J = 13.2, 5.9 Hz), 2.46 (1H, dd, J = 12.7, 4.4 Hz), 2.33 (1H, dd, J = 12.7, 2.5 Hz), 2.22-2.13 (2H, m), 2.01 (1H, t, J = 9.8 Hz), 1.78-1.10 (10H, m), 1.20 (3H, s), 1.12 (3H, s), 1.06 (3H, d, J = 5.8 Hz), 0.95 (3H, d, J = 6.8 Hz), 0.90 (9H,s), 0.86 (9H, s), 0.85 (9H, s), 0.55 (3H, s), 0.080 (3H, s), 0.069 (6H, s), 0.065 (3H, s), 0.049 (3H, s), 0.025 (3H, s)。
【0200】
実施例11
[0148] 本実施例は、本発明の一態様における、(1R,3R)−5−((E)−2−((3αS,7αS)−1−((R)−1−((S)−3−ヒドロキシ−2,3−ジメチルブトキシ)エチル)−7α−メチルジヒドロ−1H−インデン−4(2H,5H,6H,7H,7αH)−イリデン)エチリデン)−2−メチレンシクロヘキサン−1,3−ジオール(Vida−5)の合成について記載する。
【0201】
【化56】
【0202】
[0149] 実施例10の生成物(20mg,0.0258ミリモル)とフッ化トリ(n−ブチル)アンモニウム(518mg,1.55ミリモル)を5mLのTHFに溶かして、この混合物を窒素下、室温で18時間撹拌した。この混合物を塩水へ注いで、生成物をEtOAcで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させて、蒸発乾固させた。この粗製の材料を、Et
2Oを使用する分取用薄層クロマトグラフィー(分取用TLC)によって精製して、10mgの表題化合物を収率59.7%で入手した。MS: m/z (%) 455 (19) [M + Na]
+, 315 (34), 297 (100), 279 (49), 149 (56), 74 (91), 59 (43)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.36 (1H, d, J = 11.2 Hz), 5.86 (1H, d, J = 11.2 Hz), 5.10 (2H, d, J = 6.4 Hz), 4.52-4.42 (2H, m), 3.77 (1H, dd, J = 9.8, 4.4 Hz), 3.70 (1H, s, br), 3.32 (1H, dd, J = 9.3, 5.4 Hz), 3.27 (1H, dd, J = 9.8, 5.9 Hz), 2.84 (1H, dd, J = 13.7, 4.9 Hz), 2.81 (1H, dd, J = 10.8, 3.9 Hz), 2.57 (1H, dd, J = 13.2, 3.9 Hz), 2.35-2.27 (2H, m), 2.14 (1H, d, J = 12.2 Hz), 2.03 (1H, t, J = 8.3 Hz), 1.81-1.41 (10H, m), 1.24 (3H, s), 1.16 (3H, s), 1.13 (3H, d, J = 5.9 Hz), 1.00 (3H, d, J = 7.3 Hz), 0.57 (3H, s)。
【0203】
実施例12
[0150] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である(4R,8R)−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−8−ヒドロキシスピロ[2.5]オクタン−6−オンの合成について記載する。
【0204】
【化57】
【0205】
[0151] 実施例5(888mg,3.47ミリモル)の10mLのトルエン溶液へ窒素下、−40℃〜−20℃でジエチル亜鉛(トルエン中1M溶液、8.33mL,8.33ミリモル)を加えた。10分間撹拌後、CH
2I
2(0.67mL,8.33ミリモル)を加えて、0℃で3時間撹拌した。この混合物を飽和塩化アンモニウムで処理して、生成物をEt
2Oで抽出した。このエーテル性の溶液を飽和塩化アンモニウムで洗浄し、MgSO
4で乾燥させて、濾液を蒸発乾固させた。これを石油エーテル/EtOAc(5:1)で溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、870mgの表題化合物を収率92.8%で入手した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.02 (1H, dd, J = 7.8, 4.4 Hz), 3.81 (1H, dd, J = 5.4, 4.4 Hz), 2.70-2.63 (2H, m), 2.45 (1H, ddd, J = 14.2, 5.9, 1.5 Hz), 2.40 (1H, ddd, J = 13.7, 7.8, 1.0 Hz), 0.89-0.78 (1H, m), 0.83 (9H, s), 0.69-0.64 (1H, m), 0.63-0.58 (1H, m), 0.49-0.44 (1H, m), 0.017 (6H, s)。
【0206】
実施例13
[0152] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である(4R,8R)−4,8−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)スピロ[2.5]オクタン−6−オンの合成について記載する。
【0207】
【化58】
【0208】
[0153] 実施例6に記載の方法によって表題化合物を収率91.3%で製造した。この化合物をさらに精製も特性決定もせずに次の反応に使用した。
実施例14
[0154] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である2−((4R,8R)−4,8−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)スピロ[2.5]オクタン−6−イリデン)酢酸メチルの合成について記載する。
【0209】
【化59】
【0210】
[0155] 実施例7に記載の方法によって表題化合物を収率52.4%で製造した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.71 (1H, s), 3.75 (1H, dd, J = 7.3, 3.7 Hz), 3.68 (3H, s), 3.62 (1H, t, J = 5.5 Hz), 2.99 (2H, d, J = 4.6 Hz), 2.44 (1H, dd, J = 13.8, 3.7, 0.9 Hz), 2.20 (1H, dd, J = 12.4, 7.3, 0.9 Hz), 0.85 (9H, s), 0.84 (9H, s), 0.58-0.50 (2H, m), 0.45-0.33 (2H, m), 0.044 (3H, s), 0.024 (3H, s), 0.009 (3H, s), 0.004 (3H, s)。
【0211】
実施例15A
[0156] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である2−((4R,8R)−4,8−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)スピロ[2.5]オクタン−6−イリデン)エタノールの合成について記載する。
【0212】
【化60】
【0213】
[0157] 実施例8に記載の方法によって表題化合物を収率90.1%で製造した。この化合物をさらに精製も特性決定もせずに次の反応に使用した。
実施例15B
[0158] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である(4R,8R)−6−(2−(ジフェニルホスホリル)エチリデン)−4,8−(ジtert−ブチルジメチルシリルオキシ)−スピロ[2.5]オクタンの合成について記載する。
【0214】
【化61】
【0215】
[0159] 実施例8に記載の方法によって表題化合物を収率90.1%で製造した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.77-7.68 (4H, m), 7.55-7.50 (2H, m), 7.49-7.43 (4H, m), 5.29 (1H, dd, J = 14.6, 6.8 Hz), 3.57 (1H, dd, J = 6.9, 3.2 Hz), 3.52 (1H, dd, J = 6.9, 3.7Hz), 3.23-3.02 (2H, m), 2.30 (1H, dt, J = 12.8, 2.8 Hz), 2.10-2.01 (2H, m), 1.92 (1H, dd, J = 12.4, 6.4 Hz), 0.83 (9H, s), 0.81 (9H, s), 0.47-0.40 (2H, m), 0.36-0.25 (2H, m), -0.019 (3H, s), -0.032 (3H, s), -0.037 (3H, s), -0.041 (3H, s)。
【0216】
実施例16
[0160] 本実施例は、本発明の一態様における、((4R,8R)−6−((E)−2−(1−(1−(3−エチル−3−(トリエチルシリルオキシ)ペンチルオキシ)エチル)−7α−メチルジヒドロ−1H−インデン−4(2H,5H,6H,7H,7αH)−イリデン)エチリデン)スピロ[2.5]オクタン−4,8−ジイル)ビス(オキシ)ビス(tert−ブチルジメチルシラン)の合成について記載する。
【0217】
【化62】
【0218】
[0161] 実施例9及び10に記載の方法によって、実施例9の化合物を実施例15Bに置き換え、実施例28の化合物を実施例34に置き換えることによって、表題化合物を製造した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.18 (1H, d, J = 10.8 Hz), 5.81 (1H, d, J = 11.2 Hz), 3.75 (1H, dd, J = 7.4, 3.0 Hz), 3.63 (1H, dd, J = 16.6, 8.3 Hz), 3.51-3.44 (1H, m), 3.31-3.22 (2H, m), 2.83 (1H, d, J = 12.7 Hz), 2.46-2.35 (3H, m), 2.17-2.11 (2H, m), 2.01 (2H, t, J = 9.3 Hz), 1.78-1.40 (8H, m), 1.36-1.29 (2H, m), 1.21 (4H, q, J = 7.3 Hz), 1.08 (3H, d, J = 5.4 Hz), 0.94 (9H, t, J = 7.8 Hz), 0.89-0.80 (6H, m), 0.847 (18H, s), 0.60-0.54 (1H, m), 0.57 (6H, q, J = 7.8 Hz), 0.56 (3H, s), 0.47-0.40 (2H, m), 0.28-0.24 (1H, m), 0.067 (6H, s), 0.042 (3H, s), 0.028 (3H, s)。
【0219】
実施例17
[0162] 本実施例は、本発明の一態様における、(4R,8R)−6−((E)−2−((1S,7αS)−1−((R)−1−(3−エチル−3−ヒドロキシペンチルオキシ)エチル)−7α−メチルジヒドロ−1H−インデン−4(2H,5H,6H,7H,7αH)−イリデン)エチリデン)スピロ[2.5]オクタン−4,8−ジオール(Vida−10)の合成について記載する。
【0220】
【化63】
【0221】
[0163] 実施例11に記載の方法によって表題化合物を製造した。96mgの実施例16より32mgの表題化合物を収率58.7%で得た。MS: m/z (%) 483 (40) [M + Na]
+, 301 (100), 293 (26), 267 (9), 122 (33)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.32 (1H, d, J = 11.0 Hz), 5.85 (1H, d, J = 11.0 Hz), 3.79 (1H, dd, J = 12.8, 9.2 Hz), 3.73 (1H, d, J = 4.2 Hz), 3.54 (1H, s), 3.46-3.37 (1H, m), 3.33 (1H, s), 3.28-3.22 (1H, m), 2.78 (2H, t, J = 15.3 Hz), 2.56 (1H, d, J = 12.8 Hz), 2.30-2.23 (2H, m), 2.12 (1H, d, J = 12.8 Hz), 2.01 (2H, t, J = 8.6 Hz), 1.83-1.37 (10H, m), 1.32-1.21 (6H, m), 1.12 (3H, d, J = 5.5 Hz), 0.85 (4H, q, J = 6.7 Hz), 0.71-0.65 (1H, m), 0.60-0.51 (2H, m), 0.55 (3H, s), 0.44-0.38 (1H, m)。
【0222】
実施例18A
[0164] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である、6−((1R)−1−((E)−4−(2−((4R,8R)−4,8−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)スピロ[2.5]オクタン−6−イリデン)エチリデン)−7α−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)エトキシ)−3−エチルヘキサン−3−オールの合成について記載する。
【0223】
【化64】
【0224】
[0165] 実施例9及び10に記載の方法によって表題化合物を製造した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.18 (1H, d, J = 11.0 Hz), 5.81 (1H, d, J = 11.5 Hz), 3.75 (1H, dd, J = 7.76, 3.64 Hz), 3.59-3.52 (1H, m), 3.48 (1H, s, br), 3.31-3.21 (3H, m), 2.82 (1H, d, J = 12.8 Hz), 2.45-2.34 (3H, m), 2.16-2.12 (2H, m), 2.08-1.98 (2H, m), 1.75-1.23 (16H, m), 1.09 (3H, d, J = 5.5 Hz), 0.84 (18H, s), 0.84 (6H, t, J = 8.3 Hz), 0.58-0.51 (1H, m), 0.55 (3H, s), 0.45-0.40 (2H, m), 0.28-0.22 (1H, m), 0.04 (3H, s), 0.02 (3H, s), 0.00 (6H, s)。
【0225】
実施例18B
[0166] 本実施例は、本発明の一態様における、(4R,8R)−6−((E)−2−((1S,7αS)−1−((R)−1−(4−エチル−4−ヒドロキシヘキシルオキシ)エチル)−7α−メチルジヒドロ−1H−インデン−4(2H,5H,6H,7H,7αH)−イリデン)エチリデン)スピロ[2.5]オクタン−4,8−ジオール(Vida−20)の合成について記載する。
【0226】
【化65】
【0227】
[0167] 実施例11に記載の方法によって、実施例9の化合物を実施例15Aに置き換え、実施例28の化合物を実施例37に置き換えることによって、表題化合物を製造した。MS: m/z (%) 497 (27) [M + Na]
+, 421 (7), 311 (98), 293 (100), 267 (12), 122 (8)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.34 (1H, d, J = 11.4 Hz), 5.86 (1H, d, J = 11.4 Hz), 3.74 (1H, dd, J = 8.2, 4.1 Hz), 3.59-3.54 (2H, m), 3.31-3.19 (2H, m), 2.82 (1H, dd, J = 12.4, 4.1 Hz), 2.78 (1H, dd, J = 13.3, 3.7 Hz), 2.57 (1H, dd, J = 13.3, 3.2 Hz), 2.29 (1H, dd, J = 13.3, 2.8 Hz), 2.27 (1H, d, J = 13.3 Hz), 2.16 (1H, d, J = 12.4 Hz), 2.03 (1H, t, J = 9.6 Hz), 1.80-1.41 (17H, m), 1.33 (1H, td, J = 13.3, 4.1 Hz), 1.21-1.14 (1H, m), 1.09 (3H, d, J = 6.0 Hz), 0.55 (3H, t, J = 7.4 Hz), 0.85 (3H, t, J = 7.8 Hz), 0.71-0.66 (1H, m), 0.62-0.54 (2H, m), 0.56 (3H, s), 0.44-0.40 (1H, m)。
【0228】
実施例19
[0168] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である1−(1−ヒドロキシプロパン−2−イル)−7α−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−4−オールの合成について記載する。
【0229】
【化66】
【0230】
[0169] Sardina et al. (1986, J. Org. Chem., 51(8): 1264-1269) に記載の手順に従って、ビタミンD2より表題化合物を製造した。撹拌子、ガス送り込み管、及びガス排出管を取り付けた2Lの3つ首乾燥フラスコをアルゴンでパージした。このフラスコ中へビタミンD2(20g,0.05モル)、600mLのCH
2Cl
2、200mLのメタノール、300mgのNaHCO
3を入れた。この溶液を−78℃まで冷却した。この混合物にオゾンを2日間泡立てて通した。その後、オゾン試験が陰性を示すまで、この混合物をアルゴンで泡立てた。ホウ水素化ナトリウム(10g,0.275モル)を加えて、この混合物をそのまま室温へ一晩温めた。この混合物へ1M塩酸(200mL)を加えた。CH
2Cl
2を使用して、水層より抽出した。集めた有機層を塩水(100mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて、蒸発乾固させた。得られたシロップを石油エーテル及びEtOAc(3:1)で溶出させるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(8.0g)を白色の固形物として収率75%で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.09 (1H, d, J = 2.4 Hz), 3.64 (1H, dd, J = 10.8, 3.4 Hz), 3.38 (1H, dd, J = 10.3, 6.4 Hz), 1.99 (1H, dt, J = 13.7, 3.0 Hz), 1.90-1.77 (3H, m), 1.64-1.40 (5H, m), 1.40-1.25 (3H, m), 1.22-1.14 (1H, m), 1.03 (3H, d, J = 6.4 Hz), 0.96 (3H, s)。
【0231】
実施例20
[0170] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体であるトリエチル(7α−メチル−1−(1−(トリエチルシリルオキシ)プロパン−2−イル)オクタヒドロ−1H−インデン−4−イルオキシ)シランの合成について記載する。
【0232】
【化67】
【0233】
[0171] 実施例19(6g,0.028モル)の200mLのTHF溶液へ−78℃で2,6−ルチジン(15.14g,0.14モル)に続いてシリル−O−p−トルエンスルホン酸トリエチル(16.4g,0.062モル)を加えた。20分の撹拌後、この混合物へ100mLの水を加えて、この反応物を室温へ温めた。この化合物をEtOAc(200mLx2)で抽出し、有機層をNa
2SO
4で乾燥させて、蒸発乾固させた。残渣をシリカゲルプラグに通過させ、石油エーテルで溶出させて、表題化合物(10g)をオイルとして収率80%で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.03 (1H, d, J = 2.4 Hz), 3.61 (1H, dd, J = 9.3, 3.4 Hz), 3.19 (1H, dd, J = 9.3, 8.3 Hz), 1.96 (1H, dt, J = 12.7, 2.5 Hz), 1.87-1.47 (4H, m), 1.43-1.00 (8H, m), 1.00-0.89 (24H, m), 0.61-0.49 (12H, m)。
【0234】
実施例21
[0172] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である2−(7α−メチル−4−(トリエチルシリルオキシ)オクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロパナールの合成について記載する。
【0235】
【化68】
【0236】
[0173] ジメチルスルホキシド(DMSO,5.26g,0.27モル)の10mLのCH
2Cl
2溶液へ塩化オキサリル(4.28g,0.054モル)を−60℃で加えた。2分後、予冷した実施例20(11.9g,0.027モル)をカニューレより加えて、この混合物を−60℃で1時間撹拌した。この混合物へトリエチルアミン(15mL)を加えて、この溶液をそのまま室温へ温めた。水を加えて、生成物をCH
2Cl
2(3x50mL)で抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥させて、蒸発乾固させた。この粗製の材料を石油エーテル/EtOAc(30:1)で溶出させるフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(7g)を収率80%で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.56 (1H, d, J = 3.0 Hz), 4.06 (1H, d, J = 2.4 Hz), 2.40-2.31 (1H, m), 1.92-1.74 (3H, m), 1.73-1.50 (3H, m), 1.47-1.32 (4H, m), 1.30-1.14 (2H, m), 1.05 (3H, d, J = 6.9 Hz), 0.99-0.91 (12H, m), 0.56 (6H, q, J = 8.3 Hz)。
【0237】
実施例22
[0174] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である、1−(7α−メチル−4−(トリエチルシリルオキシ)オクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)エタノンの合成について記載する。
【0238】
【化69】
【0239】
[0175] 実施例21の生成物(6.6g,0.02モル)とモルホリン(5.3g,0.06モル)を200mLのトルエン中で一晩加熱し、この間に生じる水を共沸的に除去した。この混合物を真空で濃縮して、200mLのアセトニトリルに再び溶かした。この混合物へ塩化第一銅(CuCl,500mg)を加えた後で、酸素を泡立てて8時間通した。不溶性の材料を濾過によって除去して、濾液を蒸発乾固させた。この粗生成物を石油エーテル/EtOAc(100:1)で溶出させるフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(2.5g)をオイルとして収率38.7%で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.07 (1H, d, J = 2.4 Hz), 2.47 (1H, t, J = 8.8 Hz), 2.25-2.14 (1H, m), 2.09 (3H, s), 2.01 (1H, dt, J = 11.7, 3.0 Hz), 1.84 (1H, ddt, J = 26.9, 11.0, 3.9 Hz), 1.75-1.67 (2H, m), 1.65-1.54 (1H, m), 1.50-1.35 (5H, m), 0.94 (9H, t, J = 7.8 Hz), 0.85 (3H, s), 0.55 (6H, q, J = 7.8 Hz)。
【0240】
実施例23
[0176] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である1−(4−ヒドロキシ−7α−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)エタノンの合成について記載する。
【0241】
【化70】
【0242】
[0177] 実施例22の生成物(2.5g,8.04ミリモル)の200mLのTHF溶液へフッ化テトラ(n−ブチル)アンモニウム(10.5g,0.04モル)を加えた。次いで、これを5時間撹拌して、この混合物を真空で濃縮した。この粗生成物を石油エーテル/EtOAc(4:1)で溶出させるシリカゲルプラグによって精製して、表題化合物を定量的な収率で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.13 (1H, d, J = 1.0 Hz), 2.50 (1H, t, J = 8.8 Hz), 2.28-2.18 (1H, m), 2.11 (3H, s), 2.08-2.03 (1H, m), 1.91-1.78 (2H, m), 1.74-1.41 (7H, m), 0.88 (3H, s)。
【0243】
実施例24
[0178] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である、酢酸1−アセチル−7α−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−4−イルの合成について記載する。
【0244】
【化71】
【0245】
[0179] 実施例23の生成物(1.3g,6.6ミリモル)を40mLのCH
2Cl
2に溶かして、0℃まで冷却した。N,N−ジメチルアミノピリジン(24.4mg,0.2ミリモル)、ピリジン(1.15g,14.5ミリモル)、無水酢酸(1.35g,13.2ミリモル)を加えて、室温へ温めながら3時間撹拌した。この混合物を真空で濃縮した後で、粗生成物を石油エーテル/EtOAc(10:1)で溶出させるフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(1.4g)をオイルとして収率93.3%で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.18 (1H, d, J = 2.4 Hz), 2.50 (1H, t, J = 8.8 Hz), 2.22-2.14 (1H, m), 2.12 (3H, s), 2.09-2.05 (1H, m), 2.04 (3H, s), 1.89 (1H, dd, J = 14.2, 2.0 Hz), 1.80-1.42 (8H, m), 0.83 (3H, s)。
【0246】
実施例25
[0180] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である(S)−2−メチル−3−(トリメチルシリルオキシ)プロパン酸メチルの合成について記載する。
【0247】
【化72】
【0248】
[0181] 3−ヒドロキシ−(2S)−メチル−n−プロパン酸メチル(シグマ・アルドリッチ社、2.1g,17.8ミリモル)をCH
2Cl
2に溶かした。Et
3N(2.7g,26.7ミリモル)と塩化トリメチルシリル(2.1g,19.6ミリモル)を加えて、2時間撹拌した。この反応混合物を0℃まで冷却した後で、この混合物へ飽和NaHCO
3と水を加えた。生成物をCH
2Cl
2で抽出し、Na
2SO
4で乾燥させて、蒸発乾固させた。この粗生成物をヘキサン/EtOAc(20:1)で溶出させるフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(2.2g)をオイルとして収率65.1%で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 3.77 (1H, dd, J = 9.8, 6.8 Hz), 3.68 (3H, s), 3.60 (1H, dd, J = 9.8, 5.9 Hz), 2.69-2.61 (1H, m), 1.14 (3H, d, J = 7.3 Hz), 0.094 (9H, s)。
【0249】
実施例26
[0182] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である(2S)−3−(1−(4−アセトキシ−7α−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)エトキシ)−2−メチルプロパン酸メチルの合成について記載する。
【0250】
【化73】
【0251】
[0183] 実施例24の生成物(1.4g,5.88ミリモル)と実施例25の生成物(1.45g,7.65ミリモル)を−78℃まで冷却した40mLのCH
2Cl
2に溶かした。トリメチルシリル−O−トリフレート(1.3g,5.88ミリモル)を加えて、−78℃で1時間撹拌した。トリエチルシラン(682mg,5.88ミリモル)を加えた後で、この混合物をそのまま室温まで温めて、さらに4時間撹拌した。飽和NaHCO
3溶液を慎重に加えて、水で希釈した。生成物をCH
2Cl
2で抽出し、有機層をMgSO
4で乾燥させて、蒸発乾固させた。この粗生成物を石油エーテル/EtOAc(10:1)で溶出させるフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(917mg)をオイルとして収率45.9%で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.15 (1H, s), 3.68 (3H, s), 3.56 (1H, dd, J = 8.8, 4.9 Hz), 3.40 (1H, t, J = 8.8 Hz), 3.32-3.25 (1H, m), 2.78-2.65 (1H, m), 2.04 (3H, s), 2.07-1.98 (1H, m), 1.85-1.81 (1H, m), 1.76-1.60 (3H, m), 1.52-1.17 (8H, m), 1.14 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.10 (1H, d, J = 2.9 Hz), 1.05 (3H, d, J = 5.8 Hz), 0.86 (3H, s)。
【0252】
実施例27
[0184] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である1−(1−((S)−3−ヒドロキシ−2,3−ジメチルブトキシ)エチル)−7α−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−4−オールの合成について記載する。
【0253】
【化74】
【0254】
[0185] 臭化メチルマグネシウム(19.3mL,27ミリモル)の20mLのTHFの冷却溶液へ実施例26の生成物(917mg,2.7ミリモル)を窒素下で加えた。一晩撹拌後、この反応混合物を塩化アンモニウム水溶液に続いて水でクエンチした。生成物をEtOAcで抽出し、有機層をMgSO
4で乾燥させて蒸発乾固させて、表題化合物(790mg)を収率98.3%で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.09 (1H, d, J = 2.4 Hz), 3.77 (1H, dd, J = 9.8, 4.4 Hz), 3.73 (1H, s, br) 3.32 (1H, dd, J = 9.3, 5.8 Hz), 3.31-3.25 (1H, m), 2.13 (1H, d, J = 13.7 Hz), 1.81-1.77 (2H, m), 1.75-1.65 (2H, m), 1.56-1.30 (7H, m), 1.24 (3H, s), 1.20-1.18 (1H, m), 1.16 (3H, s), 1.11 (3H, d, J = 6.4 Hz), 1.01 (3H, d, J = 7.3 Hz), 0.96 (3H, s)。
【0255】
実施例28
[0186] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である、1−(1−((S)−3−ヒドロキシ−2,3−ジメチルブトキシ)エチル)−7α−メチルヘキサヒドロ−1H−インデン−4(2H)−オンの合成について記載する。
【0256】
【化75】
【0257】
[0187] 実施例27の生成物(790mg,2.65ミリモル)の20mLのCH
2Cl
2溶液へデス・マーチン試薬(1.57g,3.7ミリモル)を加えた。この混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物へ飽和NaHCO
3とNa
2S
2O
3を加えて、生成物をCH
2Cl
2で抽出した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させて、真空で濃縮した。この粗生成物を石油エーテル/EtOAc(40:1)で溶出させるフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(545mg)をオイルとして収率69.5%で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 3.80 (1H, dd, J = 9.8, 4.4 Hz), 3.51 (1H, s, br) 3.32 (1H, dd, J = 9.3, 5.4 Hz), 3.26 (1H, ddd, J = 15.2, 9.3, 5.9 Hz), 2.47 (1H, dd, J = 11.2, 7.3 Hz), 2.34-2.18 (3H, m), 2.07-1.99 (1H, m), 1.95-1.83 (1H, m), 1.81 1.68 (4H, m), 1.61-1.53 (2H, m), 1.25 (3H, s), 1.23-1.20 (1H, m), 1.17 (3H, s), 1.15 (3H, d, J = 5.8 Hz), 1.03 (3H, d, J = 7.3 Hz), 0.66 (3H, s)。
【0258】
実施例29
[0188] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である1−(1−((S)−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,3−ジメチルブトキシ)エチル)−7α−メチルヘキサヒドロ−1H−インデン−4(2H)−オンの合成について記載する。
【0259】
【化76】
【0260】
[0189] 出発材料として実施例5の代わりに実施例27を使用する以外は実施例6に記載の方法に従って、表題化合物を製造した。63.4%の収率を観測した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 3.49 (1H, dd, J = 8.8, 3.0 Hz), 3.26 (1H, t, J = 8.8 Hz), 3.25-2.18(1H, m), 2.46 (1H, dd, J = 11.2, 7.3 Hz), 2.31-2.18 (3H, m), 1.93-1.82 (1H, m), 2.02-1.94 (1H, m), 1.80-1.69 (3H, m), 1.68-1.62 (1H, m), 1.57-1.52 (3H, m), 1.20 (3H, s), 1.12 (3H, s), 1.07 (3H, d, J = 5.9 Hz), 0.95 (3H, d, J = 6.8 Hz), 0.85 (9H, s), 0.64 (3H, s), 0.069 (6H, s)。
【0261】
実施例30
[0190] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である3−ヒドロキシプロパン酸メチルの合成について記載する。
【0262】
【化77】
【0263】
[0191] 50mLのメタノールへナトリウム(115mg,0.005モル)を慎重に加えた。上記の溶液へ3−ヒドロキシ−n−プロピオン酸(Acros 社、7.2g,0.1モル)をシリンジより加えた。この反応混合物を50℃で一晩撹拌した。この混合物を蒸発乾固させた後で、この粗生成物を石油エーテル/EtOAc(0:1)で溶出させるフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(7.5g)をオイルとして収率72.1%で得た。この化合物をさらに精製も特性決定もせずに次の反応に使用した。
【0264】
実施例31
[0192] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である3−(トリメチルシリルオキシ)プロパン酸メチルの合成について記載する。
【0265】
【化78】
【0266】
[0193] 実施例25に記載の手順を使用して、表題化合物を製造した。出発材料として実施例24の代わりに実施例30を使用した。64.6%の収率を観測した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 3.87 (2H, t, J = 6.8 Hz), 3.69 (3H, s), 2.55 (2H, t, J = 6.4 Hz), 0.115 (9H, s)。
【0267】
実施例32
[0194] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である3−(1−(4−アセトキシ−7α−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)エトキシ)プロパン酸メチルの合成について記載する。
【0268】
【化79】
【0269】
[0195] 実施例26に記載の手順を使用して、実施例25の生成物を実施例31に置き換えることによって表題化合物を製造して、80.3%の表題生成物を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.15 (1H, s), 3.84-3.78 (1H, m), 3.69 (3H, s), 3.56-3.49 (1H, m), 3.35-3.29 (1H, m), 2.63-2.50 (2H, m), 2.04 (3H, s), 1.83 (1H, d, J = 12.2 Hz), 1.70-1.62 (2H, m), 1.50-1.24 (7H, m), 1.16-1.10 (2H, m), 1.07 (3H, d, J = 5.5 Hz), 0.88 (3H, s)。
【0270】
実施例33A
[0196] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である1−(1−(3−エチル−3−ヒドロキシペンチルオキシ)エチル)−7α−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−4−オールの合成について記載する。
【0271】
【化80】
【0272】
[0197] 実施例28に記載の手順を使用して、実施例27の生成物を実施例32に置き換えることによって、表題化合物を製造した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.09 (1H, d, J = 2.9 Hz), 3.80 (1H, td, J = 9.2, 4.4 Hz), 3.43 (1H, dt, J = 8.8, 5.4 Hz), 3.36 (1H, s, br), 3.28 (1H, ddd, J = 12.2, 10.3, 5.9 Hz), 2.10 (1H, dt, J = 12.2, 1.5 Hz), 1.85-1.75 (2H, m), 1.75-1.29 (13H, m), 1.22-1.13 (2H, m), 1.11 (3H, d, J = 5.8 Hz), 0.95 (3H, s), 0.87 (3H, t, J = 7.4 Hz), 0.85 (3H, t, J = 7.3 Hz)。
【0273】
実施例33B
[0198] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である1−(1−(3−エチル−3−ヒドロキシペンチルオキシ)エチル)−7α−メチルヘキサヒドロ−1H−インデン−4(2H)−オンの合成について記載する。
【0274】
【化81】
【0275】
[0199] 実施例28に記載の手順を使用して、実施例26の生成物を実施例33Aに置き換えることによって表題化合物を製造して、71.3%の表題生成物を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 3.82 (1H, td, J = 9.3, 4.4 Hz), 3.42 (1H, dt, J = 9.3, 4.9 Hz), 3.25 (1H, ddd, J = 11.8, 9.3, 5.9 Hz), 3.16 (1H, s), 2.46 (1H, dd, J = 11.2, 7.4 Hz), 2.30-2.17 (3H, m), 2.06-1.99 (1H, m), 1.95-1.42 (11H, m), 1.28-1.16 (2H, m), 1.14 (3H, d, J = 5.9 Hz), 0.87 (3H, t, J = 7.3 Hz), 0.86 (3H, t, J = 7.4 Hz), 0.65 (3H, s)。
【0276】
実施例34
[0200] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である1−(1−(3−エチル−3−(トリエチルシリルオキシ)ペンチルオキシ)エチル)−7α−メチルヘキサヒドロ−1H−インデン−4(2H)−オンの合成について記載する。
【0277】
【化82】
【0278】
[0201] 実施例6に記載の手順を使用して、実施例5の生成物を実施例33Bに置き換え、tert−ブチルジメチルシリルクロリド(TBDMSクロリド)を塩化トリエチルシリルに置き換えることによって表題化合物を製造して、71.3%の表題生成物を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 3.69-3.63 (1H, m), 3.30-3.23 (2H, m), 2.47 (1H, dd, J = 10.8, 6.8 Hz), 2.30-2.18 (3H, m), 2.04-1.95 (1H, m), 1.95-1.83 (1H, m), 1.79-1.66 (5H, m), 1.53-1.41 (4H, m), 1.41-1.13 (3H, m), 1.10 (3H, d, J = 5.8 Hz), 0.94 (9H, t, J = 7.8 Hz), 0.84 (6H, t, J = 7.3 Hz), 0.65 (3H, s), 0.58 (6H, q, J = 7.8 Hz)。
【0279】
実施例35A
[0202] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である4−ヒドロキシブタン酸メチルの合成について記載する。
【0280】
【化83】
【0281】
[0203] 実施例30に記載の手順を使用して、3−ヒドロキシ−n−プロピオン酸を4−ヒドロキシ−n−酪酸(SinopharmChemical Reagent 社)に置き換えることによって表題化合物を製造して、87.6%の表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 3.69 (2H, t, J = 6.1 Hz), 3.69 (3H, s), 2.45 (2H, t, J = 6.8 Hz), 1.93-1.86 (2H, m)。
【0282】
実施例35B
[0204] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である4−(トリメチルシリルオキシ)ブタン酸メチルの合成について記載する。
【0283】
【化84】
【0284】
[0205] 実施例25に記載の手順を使用して、実施例25の出発材料を実施例35Aの生成物に置き換えることによって表題化合物を製造して、71.3%の表題生成物を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 3.67 (3H, s), 3.61 (2H, t, J = 6.4 Hz), 2.39 (2H, t, J = 7.8 Hz), 1.88-1.81 (2H, m), 0.113 (9H, s)。
【0285】
実施例36
[0206] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である4−(1−(4−アセトキシ−7α−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)エトキシ)ブタン酸メチルの合成について記載する。
【0286】
【化85】
【0287】
[0207] 実施例26に記載の手順を使用して、実施例25の生成物を実施例35Aに置き換えることによって表題化合物を製造して、71.8%の表題生成物を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.15 (1H, d, J = 2.4 Hz), 3.68 (3H, s), 3.59-3.53 (1H, m), 3.30-3.21 (2H, m), 2.41 (2H, t, J = 7.3 Hz), 2.04 (3H, s), 1.91-1.81 (2H, m), 1.74-1.61 (3H, m), 1.54-1.29 (7H, m), 1.21-1.08 (2H, m), 1.05 (3H, d, J = 6.4 Hz), 0.89 (3H, s)。
【0288】
実施例37
[0208] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である1−(1−(4−エチル−4−ヒドロキシヘキシルオキシ)エチル)−7α−メチルヘキサヒドロ−1H−インデン−4(2H)−オンの合成について記載する。
【0289】
【化86】
【0290】
[0209] 実施例27及び28に記載の手順を使用して、実施例26の生成物を実施例36に置き換えることによって表題化合物を製造して、69.9%の表題生成物を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 3.58 (1H, dd, J = 14.7, 5.9 Hz), 3.30-3.20 (2H, m), 2.47 (1H, dd, J = 10.7, 7.3 Hz), 2.31-2.18 (3H, m), 2.03-1.95 (1H, m), 1.94-1.84 (1H, m), 1.81-1.69 (3H, m), 1.63-1.52 (3H, m), 1.51-1.44 (5H, m), 1.31-1.14 (3H, m), 1.10 (3H, d, J = 5.9 Hz), 0.86 (6H, t, J = 7.4 Hz), 0.65 (3H, s)。
【0291】
実施例38
[0210] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である((1R,3R)−5−((E)−2−(1−(1−(3−エチル−3−(トリエチルシリルオキシ)ペンチルオキシ)エチル)−7α−メチルジヒドロ−1H−インデン−4(2H,5H,6H,7H,7αH)−イリデン)エチリデン)−2−メチレンシクロヘキサン−1,3−ジイル)ビス(オキシ)ビス(tert−ブチルジメチルシラン)の合成について記載する。
【0292】
【化87】
【0293】
[0211] 表題化合物を実施例9及び10に記載の方法によって収率27.3%で製造した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.23 (1H, d, J = 11.2 Hz), 5.82 (1H, d, J = 11.2 Hz), 4.97 (1H, s), 4.92 (1H, s), 4.45-4.43 (2H, m), 3.67-3.59 (1H, m), 3.31-3.23 (2H, m), 2.83 (1H, d, J = 11.7 Hz), 2.51 (1H, dd, J = 13.7, 6.3 Hz), 2.46 (1H, dd, J = 13.7, 5.4 Hz), 2.33 (1H, dd, J = 13.7, 3.4 Hz), 2.21-2.13 (2H, m), 2.02 (1H, t, J = 9.3 Hz), 1.80-1.51 (11H, m), 1.47 (4, q, J=7.3 Hz), 1.09 (3H, d, J = 5.8Hz), 0.94 (9H, t, J = 7.8 Hz), 0.90 (9H, s), 0.87 (9H, s), 0.84 (6H, t, J = 7.3 Hz), 0.58 (6H, q, J = 7.8 Hz), 0.56 (3H, s), 0.081 (3H, s), 0.067 (3H, s), 0.050 (3H, s), 0.026 (3H, s)。
【0294】
実施例39
[0212] 本実施例は、本発明の一態様における、(1R,3R)−5−((E)−2−((1S,3αS,7αS)−1−((R)−1−(3−エチル−3−ヒドロキシペンチルオキシ)エチル)−7α−メチルジヒドロ−1H−インデン−4(2H,5H,6H,7H,7αH)−イリデン)エチリデン)−2−メチレンシクロヘキサン−1,3−ジオール(Vida−11)の合成について記載する。
【0295】
【化88】
【0296】
[0213] 表題化合物を実施例11に記載の方法によって収率58.7%で製造した。MS: m/z (%) 469 (27) [M + Na]
+, 315 (40), 297 (100), 279 (54), 149 (8)。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 6.36 (1H, d, J = 11.2 Hz), 5.86 (1H, d, J = 11.2 Hz), 5.10 (2H, d, J = 7.8 Hz), 4.50-4.44 (2H, m), 3.80 (1H, td, J = 9.2, 4.5 Hz), 3.44-3.39 (1H, m), 3.30 (1H, s, br), 3.29-3.23 (1H, m), 2.82 (2H, td, J = 13.2, 4.5 Hz), 2.57 (1H, dd, J = 13.4, 3.9 Hz), 2.35-2.27 (2H, m), 2.12 (1H, d, J = 12.7 Hz), 2.02 (1H, t, J = 9.5 Hz), 1.90-1.41 (13H, m), 1.39-1.10 (2H, m), 1.13 (3H, d, J = 6.0 Hz), 0.86 (6H, t, J = 7.4 Hz), 0.56 (3H, s)。
【0297】
実施例40
[0214] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である6−(1−((E)−4−(2−((3R,5R)−3,5−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4−メチレンシクロヘキシリデン)エチリデン)−7α−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)エトキシ)−3−エチルヘキサン−3−オールの合成について記載する。
【0298】
【化89】
【0299】
[0215] 表題化合物を実施例9及び10に記載の方法によって収率15.8%で製造した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.22 (1H, d, J = 11.0 Hz), 5.82 (1H, d, J = 11.0 Hz), 4.97 (1H, s), 4.92 (1H, s), 4.44-4.36 (2H, m), 3.56 (1H, dd, J = 14.6, 6.1 Hz), 3.28 (1H, dd, J = 9.8, 5.5 Hz), 3.25-3.18 (1H, m), 2.83 (1H, d, J = 11.6 Hz), 2.53-2.41 (2H, m), 2.37-2.30 (1H, m), 2.24-2.11 (2H, m), 2.02 (1H, t, J = 9.8 Hz), 1.79-1.10 (13H, m), 1.47 (4H, q, J = 4.3 Hz), 1.09 (3H, d, J = 5.5 Hz), 0.892 (9H, s), 0.86 (9H, s), 0.85 (6H, t, J = 7.3 Hz), 0.55 (3H, s), 0.076 (3H, s), 0.060 (3H, s), 0.046 (3H, s), 0.021 (3H, s)。
【0300】
実施例41
[0216] 本実施例は、本発明の一態様における、(1R,3R)−5−((E)−2−((1S,7αS)−1−((R)−1−(4−エチル−4−ヒドロキシヘキシルオキシ)エチル)−7α−メチルジヒドロ−1H−インデン−4(2H,5H,6H,7H,7αH)−イリデン)エチリデン)−2−メチレンシクロヘキサン−1,3−ジオール(Vida−21)の合成について記載する。
【0301】
【化90】
【0302】
[0217] 表題化合物を実施例9〜11に記載の方法によって収率40.9%で製造した。MS: m/z (%) 483 (55) [M + Na]
+, 315 (34), 297 (100), 279 (45), 149 (13), 122 (37)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.37 (1H, d, J = 11.0 Hz), 5.87 (1H, d, J = 11.0 Hz), 5.10 (2H, d, J = 6.7 Hz), 4.57-4.42 (2H, m), 3.57 (1H, dd, J = 8.6, 6.1 Hz), 3.33-3.17 (2H, m), 2.89-2.77 (2H, m), 2.58 (1H, dd, J = 13.4, 3.7 Hz), 2.36-2.27 (2H, m), 2.24-2.14 (1H, m), 2.06-2.01 (2H, m), 1.86-1.10 (12H, m), 1.49 (4H, q, J = 7.3 Hz), 1.09 (3H, d, J = 6.1 Hz), 0.85 (6H, t, J = 7.4 Hz), 0.56 (3H, s)。
【0303】
実施例42
[0218] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である1−((R)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブトキシ)エチル)−7α−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−4−オールの合成について記載する。
【0304】
【化91】
【0305】
[0219] 臭化メチルマグネシウム(19.7mL,28ミリモル、5当量モル)の20mLのTHFの冷却(0℃)溶液へ実施例32(1.8g,5.5ミリモル)を窒素下で加えた。この混合物を3時間撹拌した。この反応物を塩化アンモニウム水溶液と水の添加によってクエンチした。生成物をEtOAcで抽出し、有機層をMgSO
4で乾燥させ、蒸発乾固させて、表題化合物(1.1g)を透明なオイルとして収率70.1%で得た。この化合物をさらなる精製も特性決定もせずに次の反応に使用した。
【0306】
実施例43
[0220] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である1−((R)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブトキシ)エチル)−7α−メチルヘキサヒドロ−1H−インデン−4(2H)−オンの合成について記載する。
【0307】
【化92】
【0308】
[0221] 実施例28の製造に記載の方法によって、実施例27の生成物を実施例42に置き換えることによって、表題化合物を収率89.1%で製造した。この化合物をさらなる精製も特性決定もせずに次の反応に使用した。
【0309】
実施例44
[0222] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である7α−メチル−1−(1−(3−メチル−3−(トリエチルシリルオキシ)ブトキシ)エチル)ヘキサヒドロ−1H−インデン−4(2H)−オンの合成について記載する。
【0310】
【化93】
【0311】
[0223] 実施例43(980mg,3.45ミリモル)の冷却(−78℃)THF(20mL)溶液へ2,6−ルチジン(1.85g,17.3ミリモル)とトリエチルシリル−O−トリフレート(TESOTf,1.64g,6.21ミリモル)を加えた。得られた溶液を−78℃で5分間撹拌してから、0℃へ30分間温めた。次いで、これをCH
2Cl
2で抽出し、MgSO
4で乾燥させて、蒸発乾固させた。残渣を石油エーテル/EtOAc(20:1)で溶出させるフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(900mg,65.7%)を透明なオイルとして得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 3.72 (1H, dd, J = 16.5, 8.2 Hz), 3.35-3.23 (2H, m), 2.47 (1H, t, J = 8.2 Hz), 2.29-2.18 (3H, m), 2.03-1.95 (1H, m), 1.94-1.88 (1H, m), 1.74-1.70 (5H, m), 1.63-1.53 (3H, m), 1.24 (3H, s), 1.22 (3H, s), 1.10 (3H, d, J = 5.5 Hz), 0.94 (9H, t, J = 7.8 Hz), 0.65 (3H, s), 0.56 (6H, q, J = 7.8 Hz)。
【0312】
実施例45
[0224] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である((4R,8R)−6−((E)−2−(7α−メチル−1−(1−(3−メチル−3−(トリエチルシリルオキシ)ブトキシ)エチル)ジヒドロ−1H−インデン−4(2H,5H,6H,7H,7αH)−イリデン)エチリデン)スピロ[2.5]オクタン−4,8−ジイル)ビス(オキシ)ビス(tert−ブチルジメチルシラン)の合成について記載する。
【0313】
【化94】
【0314】
[0225] 実施例15Aの化合物(240mg,0.4ミリモル)を10mLのTHFに溶かして、アルゴン下で−78℃まで冷却した。この撹拌混合物へtert−ブチルリチウム(ペンタン中1.6M,0.33mL,0.52ミリモル)をゆっくり加えた。この反応混合物を−78℃で20分間撹拌した。次いで、この混合物へ2mLのTHF中の実施例44の生成物(160mg,0.4ミリモル)を加えた。−78℃で3時間、そして6℃で16時間撹拌後、EtOAcと水を加えた。有機層を分離させ、塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させて、真空で濃縮した。この粗製の材料を石油エーテル/Et
2O(50:1)で溶出させる分取用薄層クロマトグラフィーによって精製して、92mgの表題化合物を収率29.7%で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.19 (1H, d, J = 11.0 Hz), 5.82 (1H, d, J = 11.4 Hz), 3.77-3.73 (1H, m), 3.71-3.60 (1H, m), 3.48 (1H, t, J = 5.5 Hz), 3.35-3.23 (2H, m), 2.83 (1H, d, J = 12.4 Hz), 2.46-2.35 (3H, m), 2.17-2.12 (2H, m), 2.01 (1H, t, J = 9.6 Hz), 1.78-1.69 (3H, m), 1.66-1.52 (6H, m), 1.48-1.30 (2H, m), 1.23 (3H, s), 1.21 (3H, s), 1.09 (3H, d, J = 6.0 Hz), 0.94 (9H, t, J = 7.8 Hz), 0.85 (18H, s), 0.59-0.53 (1H, m), 0.56 (6H, q, J = 7.8 Hz), 0.56 (3H, s), 0.47-0.39 (2H, m), 0.18-0.24 (1H, m), 0.069 (3H, s), 0.045 (3H, s), 0.029 (3H, s), 0.009 (3H, s)。
【0315】
実施例46
[0226] 本実施例は、本発明の一態様における、(4R,8R)−6−((E)−2−((1S,7αS)−1−((R)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルブトキシ)エチル)−7α−メチルジヒドロ−1H−インデン−4(2H,5H,6H,7H,7αH)−イリデン)エチリデン)スピロ[2.5]オクタン−4,8−ジオール(Vida−1)の合成について記載する。
【0316】
【化95】
【0317】
[0227] 実施例11に記載の方法によって表題化合物を製造した。92mgの実施例45を出発材料として、23mgの表題化合物を収率44%で得た。MS: m/z (%) 455 (36) [M + Na]
+, 397 (10), 311 (67), 293 (100), 267 (26), 122 (45)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.33 (1H, d, J = 11.0 Hz), 5.86 (1H, d, J = 11.0 Hz), 3.88-3.81 (1H, m), 3.74 (1H, dd, J = 8.2, 4.1 Hz), 3.61 (1H, s, br), 3.55 (1H, dd, J = 5.5, 3.7 Hz), 3.48-3.43 (1H, m), 3.31-3.24 (1H, m), 2.93 (1H, t, J = 7.8 Hz), 2.83-2.74 (2H, m), 2.57 (1H, dd, J = 13.3, 2.8 Hz), 2.33-2.24 (2H, m), 2.12 (1H, d, J = 12.8 Hz), 2.02 (1H, t, J = 9.6 Hz), 1.89 (1H, ddd, J = 14.2, 9.6, 5.0 Hz), 1.80-1.48 (8H, m), 1.45-1.29 (1H, m), 1.24 (3H, s), 1.23 (3H, s), 1.14 (3H, d, J = 5.5 Hz), 0.97 (1H, t, J = 7.3 Hz), 0.73-0.66 (1H, m), 0.62-0.54 (2H, m), 0.56 (3H, s), 0.44-0.40 (1H, m)。
【0318】
実施例47
[0228] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である1−((R)−1−((S)−2,3−ジメチル−3−(トリエチルシリルオキシ)ブトキシ)エチル)−7α−メチルヘキサヒドロ−1H−インデン−4(2H)−オンの合成について記載する。
【0319】
【化96】
【0320】
[0229] 実施例44の製造に記載の方法より、実施例42の生成物を実施例28に置き換えることによって、表題化合物を収率62.3%で製造した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 3.50 (1H, dd, J = 8.3, 2.3 Hz), 3.28-3.17 (2H, m), 2.46 (1H, dd, J = 11.0, 8.3 Hz), 2.34-2.17 (3H, m), 2.04-1.83 (2H, m), 1.83-1.64 (4H, m), 1.63-1.51 (3H, m), 1.20 (3H, s), 1.11 (3H, s), 1.07 (3H, d, J = 6.0 Hz), 0.95 (3H, d, J = 7.8 Hz), 0.94 (9H, t, J = 7.8 Hz), 0.64 (3H, s), 0.57 (6H, q, J = 7.8 Hz)。
【0321】
実施例48
[0230] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である(4R,8R)−6−((E)−2−(1−((R)−1−((S)−3−tert−ブチルジメチルヒドロキシ−2,3−ジメチルブトキシ)エチル)−4,8−(ジtert−ブチルジメチルシリルオキシ)−7α−メチルジヒドロ−1H−インデン−4(2H,5H,6H,7H,7αH)−イリデン)エチリデン)スピロ[2.5]オクタンの合成について記載する。
【0322】
【化97】
【0323】
[0231] 実施例45に記載の方法によって、実施例15Aの生成物を実施例47に置き換えて、表題化合物を収率40%で製造した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.19 (1H, d, J = 11.5 Hz), 5.82 (1H, d, J = 11.4 Hz), 3.76 (1H, dd, J = 7.8, 3.7 Hz), 3.52 (1H, dd, J = 8.7, 3.2 Hz), 3.49 (1H, t, J = 5.0 Hz), 3.26-3.21 (2H, m), 2.83 (1H, d, J = 11.9 Hz), 2.44-2.36 (3H, m), 2.19-2.13 (2H, m), 2.01 (1H, t, J = 9.6 Hz), 1.78-1.48 (8H, m), 1.33-1.24 (2H, m), 1.20 (3H, s), 1.12 (3H, s), 1.06 (3H, d, J = 6.0 Hz), 0.96 (3H, d, J = 6.0 Hz), 0.95 (9H, t, J = 7.8 Hz), 0.86 (18 H, s), 0.60-0.54 (1H, m), 0.57 (6H, q, J = 7.8 Hz), 0.56 (3H, s), 0.47-0.41 (2H, m), 0.29-0.24 (1H, m), 0.076 (3H, s), 0.051 (3H, s), 0.036 (3H, s), 0.014 (3H, s)。
【0324】
実施例49
[0232] 本実施例は、本発明の一態様における、(4R,8R)−6−((E)−2−((3αS,7αS)−1−((R)−1−((S)−3−ヒドロキシ−2,3−ジメチルブトキシ)エチル)−7α−メチルジヒドロ−1H−インデン−4(2H,5H,6H,7H,7αH)−イリデン)エチリデン)スピロ[2.5]オクタン−4,8−ジオール(Vida−4)の合成について記載する。
【0325】
【化98】
【0326】
[0233] 表題化合物を実施例11に記載の方法によって製造した。63mgの実施例48を出発材料として、25mgの表題化合物を収率70.1%で得た。MS: m/z (%) 469 (18) [M + Na]
+, 429 (8), 411 (13), 311 (86), 293 (100), 267 (26)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.29 (1H, d, J = 11.0 Hz), 5.84 (1H, d, J = 11.4 Hz), 3.74 (1H, dd, J = 9.2, 4.1 Hz), 3.71 (1H, dd, J = 8.3, 4.1 Hz), 3.51 (1H, dd, J = 5.9, 3.6 Hz), 3.30 (1H, dd, J = 9.2, 5.5 Hz), 3.25 (1H, dd, J = 9.6, 5.9 Hz), 2.80-2.70 (2H, m), 2.54 (1H, dd, J = 13.3, 2.8 Hz), 2.22-2.27 (2H, m), 2.11 (1H, d, J = 12.8 Hz), 1.99 (1H, t, J = 9.2 Hz), 1.79-1.41 (9H, m), 1.35-1.24 (1H, m), 1.22 (3H, s), 1.13 (3H, s), 1.11 (3H, d, J = 6.0 Hz), 0.98 (3H, d, J = 6.9 Hz), 0.70-0.62 (1H, m), 0.587-0.511 (2H, m), 0.55 (3H, s), 0.41-0.36 (1H,)。
【0327】
実施例50
[0234] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である(4R,8R)−6−((E)−2−((1S,7αS)−1−((R)−1−(4−エチル−4−ヒドロキシヘキシルオキシ)エチル)−7α−メチルジヒドロ−1H−インデン−4(2H,5H,6H,7H,7αH)−イリデン)エチリデン)スピロ[2.5]オクタン−4,8−ジイル)ビス(オキシ)ビス(tert−ブチルジメチルシラン)の合成について記載する。
【0328】
【化99】
【0329】
[0235] 実施例45に記載の方法によって、実施例44の生成物を実施例37に置き換えることによって、表題化合物を製造した。実施例37(65mg,0.2ミリモル)と実施例15B(120mg,0.2ミリモル)を使用して、16mgの表題化合物を収率11.4%で得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.18 (1H, d, J = 11.0 Hz), 5.81 (1H, d, J = 11.5 Hz), 3.75 (1H, dd, J = 7.76, 3.64 Hz), 3.59-3.52 (1H, m), 3.48 (1H, s, br), 3.31-3.21 (3H, m), 2.82 (1H, d, J = 12.8 Hz), 2.45-2.34 (3H, m), 2.16-2.12 (2H, m), 2.08-1.98 (2H, m), 1.75-1.23 (16H, m), 1.09 (3H, d, J = 5.5 Hz), 0.84 (18H, s), 0.84 (6H, t, J = 8.3 Hz), 0.58-0.51 (1H, m), 0.55 (3H, s), 0.45-0.40 (2H, m), 0.28-0.22 (1H, m), 0.04 (3H, s), 0.02 (3H, s), 0.00 (6H, s)。
【0330】
実施例51
[0236] 本実施例は、本発明の一態様における、(4R,8R)−6−((E)−2−((1S,7αS)−1−((R)−1−(4−エチル−4−ヒドロキシヘキシルオキシ)エチル)−7α−メチルジヒドロ−1H−インデン−4(2H,5H,6H,7H,7αH)−イリデン)エチリデン)スピロ[2.5]オクタン−4,8−ジオール(Vida−20)の合成について記載する。
【0331】
【化100】
【0332】
[0237] 実施例50の生成物(64mg,0.091ミリモル)とフッ化テトラ(n−ブチル)アンモニウム(10mL)より、実施例11に記載の手順に従って、表題化合物を製造した。従って、20mgの表題化合物を収率46.3%で入手した。MS: m/z (%) 497 (27) [M + Na]
+, 421 (7), 311 (98), 293 (100), 267 (12), 122 (8)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.34 (1H, d, J = 11.4 Hz), 5.86 (1H, d, J = 11.4 Hz), 3.74 (1H, dd, J = 8.2, 4.1 Hz), 3.59-3.54 (2H, m), 3.31-3.19 (2H, m), 2.82 (1H, dd, J = 12.4, 4.1 Hz), 2.78 (1H, dd, J = 13.3, 3.7 Hz), 2.57 (1H, dd, J = 13.3, 3.2 Hz), 2.29 (1H, dd, J = 13.3, 2.8 Hz), 2.27 (1H, d, J = 13.3 Hz), 2.16 (1H, d, J = 12.4 Hz), 2.03 (1H, t, J = 9.6 Hz), 1.80-1.41 (17H, m), 1.33 (1H, td, J = 13.3, 4.1 Hz), 1.21-1.14 (1H, m), 1.09 (3H, d, J = 6.0 Hz), 0.55 (3H, t, J = 7.4 Hz), 0.85 (3H, t, J = 7.8 Hz), 0.71-0.66 (1H, m), 0.62-0.54 (2H, m), 0.56 (3H, s), 0.44-0.40 (1H, m)。
【0333】
実施例52
[0238] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体であるピバル酸(S)−2−((1R,3αR,4S,7αR)−4−ヒドロキシ−7α−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロピルの合成について記載する。
【0334】
【化101】
【0335】
[0239] 実施例19の化合物(1.57g,6.7ミリモル)を10mLのCH
2Cl
2と5mLのピリジンに溶かし、この溶液を0℃まで冷却して、0.94mLの塩化ピバロイルを5分にわたり滴下した。得られた混合物を0℃で4時間撹拌してから、周囲温度へ一晩温めた。この反応物を水でクエンチして、この混合物を、浴を周囲温度未満に維持して真空で濃縮した。この粗製の材料をエーテルと0.5N HCl水溶液の間で分配して、有機相を0.5N HCl水溶液に次いで塩水で洗浄して、Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を真空で除去し、残渣をヘキサン中10%〜20% EtOAcの勾配で溶出させる Analogix IntelliFlash 280 でのクロマトグラフィーによって精製した。生成物(1.25g=収率63%)を白色の固形物として単離した。
【0336】
実施例53
[0240] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体であるピバル酸(S)−2−((1R,3αR,7αR)−7α−メチル−4−オキソオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロピルの合成について記載する。
【0337】
【化102】
【0338】
実施例52の化合物(1.1g,3.7ミリモル)を5mLのCH
2Cl
2に溶かして0℃まで冷却し、4.1gのジクロム酸ピリジニウム(PDC)に続いて30mgのp−トルエンスルホン酸ピリジニウム(PPTS)を加えた。得られた混合物を0℃で8時間撹拌して、さらに1.8gのPDCと20mgのPPTSを加えて、この混合物をそのまま周囲温度へ一晩温めた。この混合物をエーテルで希釈して、Celiteのパッドに通して濾過し、エーテル洗浄を続けた。濾液を1N HCl水溶液で洗浄してから、シリカゲルのプラグに通して濾過した。この粗生成物をヘキサン中10%〜15% EtOAcの勾配で溶出させる Analogix IntelliFlash 280 でのクロマトグラフィーによって精製した。表題化合物を無色のオイルとして単離した。収量1.0g,収率94%。
【0339】
実施例54
[0241] 本実施例は、本発明の一態様における、19−ノル−1α,3−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−メチレン−23−オキサ−24−オキソ−25−メチルビタミンD3の合成について記載する。
【0340】
【化103】
【0341】
[0242] 以下の合成は、暗くしたフード内で実施した。実施例9の化合物(0.75g,1.3ミリモル)を実施例53の化合物(0.66g,2.2ミリモル)と混合して、得られた混合物を5mLのトルエンとともに2回共沸させることによって乾燥させた。THF(10mL)を加えて、この溶液を−78℃まで冷却した。LiHMDSの溶液(THF中1M;2.0mL)を滴下すると、20分で退色する黄色〜橙色を生成した。この溶液をこの温度で2.2時間撹拌した。この反応物を10mLの1N NH
4Cl水溶液の添加によってクエンチして、この混合物をEtOAcで抽出した。この有機抽出物を塩水で洗浄して、Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を真空で除去して、残渣をヘキサン中0%〜20% EtOAcの勾配で溶出させる Analogix IntelliFlash 280 でのクロマトグラフィーによって精製した。表題化合物(0.53g,収率63%)を0.34gの未反応ケトンとともに無色のオイルとして単離した。
【0342】
実施例55
[0243] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である(S)−2−((1R,3αS,7αR,E)−4−(2−((3R,5R)−3,5−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4−メチレンシクロヘキシリデン)エチリデン)−7α−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロパン−1−オールの合成について記載する。
【0343】
【化104】
【0344】
[0244] 以下の合成は、暗くしたフード内で実施した。成分Eの化合物(0.53g,0.80ミリモル)を8mLのエーテルに溶かして、−78℃まで冷却した。水素化アルミニウムリチウム(LAH)のTHF溶液(1.0M,4mL,5当量)を加えて、この混合物を10分間撹拌してから、0℃まで50分間温めた。この反応物を、EtOAcに続くロシェル塩の慎重な添加によってクエンチした。2時間撹拌後、この混合物をEtOAcで抽出し、有機抽出物を塩水で洗浄して、Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を真空で除去すると、白色の固形物(0.46g=収率100%)が残った。
【0345】
実施例56
[0245] 本実施例は、本発明の一態様における、(1R,3R)−5−((E)−2−((1R,3αS,7αR)−7α−メチル−1−((S)−1−フェノキシプロパン−2−イル)ジヒドロ−1H−インデン−4(2H,5H,6H,7H,7αH)−イリデン)エチリデン)−2−メチレンシクロヘキサン−1,3−ジオール(Vida−36)の合成について記載する。
【0346】
【化105】
【0347】
[0246] 以下の合成は、暗くしたフード内で実施した。実施例55の化合物(16mg,0.028ミリモル)を2mLのトルエン中の8mgのフェノールと20mgのトリフェニルホスフィン(TPP)に続いて、18mgのアゾジカルボン酸ジ(tert−ブチル)ベンジル(DBAD)と混合した。この混合物をアルゴンでパージして、85℃で4時間加熱した。真空での溶媒除去後、残渣をヘキサン中0%〜5% EtOAcの勾配で溶出させる Analogix IntelliFlash 280 でのクロマトグラフィーによって精製した。この生成物(6mg)を1.5mLのTHF中1N TBAFに溶かした。周囲温度で3時間撹拌後、この反応混合物をEtOAcと水の間で分配した。有機相を塩水で洗浄して、Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を真空で除去して、残渣をヘキサン中25%〜45% EtOAcの勾配で溶出させる Analogix IntelliFlash 280 でのクロマトグラフィーによって精製した。生成物(4mg)を無色のオイルとして単離した。
【0348】
実施例57
[0247] 本実施例は、本発明の一態様における、(4R,8R)−6−((E)−2−(1−((R)−1−(3−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)フェノキシ)プロパン−2−イル)−7α−メチルジヒドロ−1H−インデン−4(2H,5H,6H,7H,7αH)−イリデン)エチリデン)スピロ[2.5]オクタン−4,8−ジオール(Vida−57)の合成について記載する。
【0349】
実施例57−A
[0248] 本実施例は、本発明の一態様における、(1R,3αR,7αR)−7a−メチル−1−((R)−1−(トリエチルシリルオキシ)プロパン−2−イル)オクタヒドロ−1H−インデン−4−オールの合成について記載する。
【0350】
【化106】
【0351】
[0249] (1R,3αR,7αR)−1−((R)−1−ヒドロキシプロパン−2−イル)−7α−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−4−オール(0.2g,0.94ミリモル)の10mLの無水CH
2Cl
2溶液へ40% NEt
3溶液(0.26mL)、DMAP(18mg,0.15ミリモル)に続いてTESCl(0.22g,1.42ミリモル)を室温で加える。この溶液を周囲温度で1時間撹拌してから、飽和NH
4Cl溶液(15mL)でクエンチする。この混合物をCH
2Cl
2で抽出して、集めた有機相を飽和NH
4Cl溶液で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過して、濃縮して、無色のオイル(0.37g)を得る。この粗生成物をさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0352】
実施例57−B
[0250] 本実施例は、本発明の一態様における、(1R,3αR,7αR)−7a−メチル−1−((R)−1−(トリエチルシリルオキシ)プロパン−2−イル)ヘキサヒドロ−1H−インデン−4(2H)−オンの合成について記載する。
【0353】
【化107】
【0354】
[0251] (1R,3αR,7αR)−7a−メチル−1−((R)−1−(トリエチルシリルオキシ)プロパン−2−イル)オクタヒドロ−1H−インデン−4−オール(実施例57−A)をCH
2Cl
2(10mL)に溶かしてから、PCC(1.41ミリモル)を加える。2時間撹拌後、この反応混合物を飽和NH
4Cl溶液でクエンチして、この混合物をEtOAcで抽出する。集めた有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過して、濃縮する。得られた残渣をシリカゲルカラムでクロマトグラフ処理して、ケトン(268mg,87%)を得る。
1H-NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 0.60 (q, 6H, J = 4.4 Hz), 0.66 (s, 3H), 0.93 (d, 3H, J = 2.4 Hz), 0.98 (t, 9H, J = 2.8 Hz), 1.25-1.70 (m, 5H), 1.80-2.10 (m, 6H), 2.20-2.30 (m, 2H), 2.40-2.50 (m, 1H), 3.35-3.45 (m, 1H), 3.60-3.70 (m, 1H)。
【0355】
実施例57−C
[0252] 本実施例は、本発明の一態様における、2−((4R,8R)−4,8−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)スピロ[2.5]オクタン−6−イリデン)酢酸メチルの合成について記載する。
【0356】
【化108】
【0357】
[0253] DIPEA(72ml,0.7ミリモル)の無水THF(1mL)撹拌溶液へn−BuLi(0.29ml,ヘキサン中2.5M)を−78℃で加える。この混合物を−78℃で10分間撹拌して、無水THF(1.5ml)中のMe
3SiCH
2CO
2Et(115mg,0.7ミリモル)を加える。この混合物を−78℃で30分間撹拌する。(4R,8R)−4,8−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)スピロ[2.5]オクタン−6−オン(実施例57−B,100mg,0.27ミリモル)を−78℃で滴下する。この反応混合物を−78℃で40分間撹拌し、飽和NH
4Cl溶液(10ml)と塩水(50ml)へ注ぎ、酢酸エチルで抽出し、塩水で洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)させて、蒸発させてオイル(92mg)を得る。
1H-NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 0.05 (s, 12H), 0.37-0.60 (m, 4H), 0.88 (s, 18H), 1.29 (t, 3H, J = 6 Hz), 2.23-2.43 (m, 2H), 2.97-3.07 (m, 2H), 3.62-3.63 (d, 1H, J = 3.2 Hz), 3.80-3.81 (d, 1H, J = 4 Hz), 5.74 (s, 1H)。
【0358】
実施例57−D
[0254] 本実施例は、本発明の一態様における、2−((4R,8R)−4,8−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)スピロ[2.5]オクタン−6−イリデン)エタノールの合成について記載する。
【0359】
【化109】
【0360】
[0255] 2−((4R,8R)−4,8−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)スピロ[2.5]オクタン−6−イリデン)酢酸メチル(実施例57−C,89mg,0.22ミリモル)のトルエン(1mL)及びDCM(1ml)撹拌溶液へDIBALH(2.1ml,トルエン中1.0M)を加える。この反応混合物を45分間撹拌し、飽和NH
4Cl溶液(10ml)、0.1N HCl溶液、及び塩水へ注ぎ、酢酸エチルで抽出し、塩水で洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)させ、蒸発させて、オイル(500mg)を得る。このオイルをクロマトグラムゲルカラムによって精製して、46mg(収率77%)の固形物を得る。
【0361】
実施例57−E
[0256] 本実施例は、本発明の一態様における、2−(2−((4R,8R)−4,8−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)スピロ[2.5]オクタン−6−イリデン)エチルスルホニル)ベンゾ[d]チアゾールの合成について記載する。
【0362】
【化110】
【0363】
[0257] ベンゾ[d]チアゾール−2−チオール(37mg,0.22ミリモル)及びPPh
3(146mg,0.55ミリモル)のDCM撹拌溶液へDCM中の2−((4R,8R)−4,8−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)スピロ[2.5]オクタン−6−イリデン)エタノール(実施例57−D,46mg,0.11ミリモル)を加えてから、DIAD(115mg,0.55ミリモル)を滴下する。この反応混合物を0℃で1時間撹拌してから濃縮して、黄色のオイルを得る。このオイルをエタノールに溶かして、30% H
2O
2と(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O(20mg)を室温で加えた。この反応混合物を室温で3時間撹拌する。次いで、これを飽和NaHCO
3溶液でクエンチして、酢酸エチルで抽出する。この酢酸エチル層を塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発させて、25mgの白色の固形物を得る。
1H-NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 0.05 (s, 12H), 0.30-0.49 (m, 4H), 0.85 (s, 18H), 2.07-2.11 (m, 2H), 2.21-2.40 (m, 2H), 3.56 (d, 1H, J = 3.6 Hz), 3.63 (d, 1H, J = 3.6 Hz), 4.24-4.33 (m, 2H), 5.36 (s, 1H), 7.62-7.66 (m, 2H), 8.03 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 8.24 (d, 1H, J = 8 Hz)。
【0364】
実施例57−F
[0258] 本実施例は、本発明の一態様における、((4R,8R)−6−((E)−2−((1R,3αS,7αR)−7α−メチル−1−((R)−1−(トリエチルシリルオキシ)プロパン−2−イル)ジヒドロ−1H−インデン−4(2H,5H,6H,7H,7αH)−イリデン)エチリデン)スピロ[2.5]オクタン−4,8−ジイル)ビス(オキシ)ビス(tert−ブチルジメチルシラン)の合成について記載する。
【0365】
【化111】
【0366】
[0259] 50mLの2首フラスコへ2−(2−((4R,8R)−4,8−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)-スピロ[2.5]オクタン−6−イリデン)エチルチオ)ベンゾ[d]チアゾール(実施例57−E,0.6g,1.01ミリモル)と乾燥THFを窒素雰囲気下で加える。この溶液を−78℃まで冷却する。この溶液へTHF中のNaHMDS(1.0M,1ミリモル)を滴下する。次いで、(1R,3αR,7αR)−7α−メチル−1−((R)−1−(トリエチルシリルオキシ)プロパン−2−イル)ヘキサヒドロ−1H−インデン−4(2H)−オン(360mg,1.1ミリモル)を加える。−78℃で1時間の撹拌後、この反応物を室温まで温めて、1時間撹拌する。この混合物を飽和NH
4Cl溶液でクエンチして、EtOAcで抽出する。有機相を集めて塩水で洗浄し、NaSO
4で乾燥させて、真空で濃縮する。シリカゲルカラムでの精製によって、150mg(純度80%)の表題生成物を無色のオイルとして得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 0.08 (m, 21H), 0.60 (m, 6H), 0.63 (s, 3H), 0.90 (s, 18H), 0.88-2.51 (m, 20H), 3.33 (t, 1H, J = 7.8 Hz), 3.73 (dd, 1H, J = 10.0, 4.4 Hz), 4.42 (m, 2H), 4.96 (d, 2H, J = 4.4 Hz), 6.12 (d, 1H, J = 10.8 Hz), 6.31 (d, 1H, J = 11.2 Hz)。
【0367】
実施例57−G
[0260] 本実施例は、本発明の一態様における、(2R)−2−((1R,3αS,7αR,E)−4−(2−((4R,8R)−4,8−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)スピロ[2.5]オクタン−6−イリデン)エチリデン)−7α−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロパン−1−オールの合成について記載する。
【0368】
【化112】
【0369】
[0261] ((4R,8R)−6−((E)−2−((1R,3αS,7αR)−7α−メチル−1−((R)−1−(トリエチルシリルオキシ)プロパン−2−イル)ジヒドロ−1H−インデン−4(2H,5H,6H,7H,7aH)−イリデン)エチリデン)スピロ[2.5]オクタン−4,8−ジイル)ビス(オキシ)ビス(tert−ブチルジメチルシラン)(実施例57−G,200mg,0.45ミリモル)のTHF溶液へTBAF(0.45ミリモル)を窒素雰囲気下で加えて、この混合物を室温で3.5時間撹拌する。この混合物を濃縮して、この粗生成物をショートゲルカラムで精製して、90mgの表題生成物を無色のオイルとして得る。この粗生成物をさらに精製せずに次の工程に使用する。
【0370】
実施例57−H
[0262] 本実施例は、本発明の一態様における、4−メチルベンゼンスルホン酸(2R)−2−((1R,3αS,7αR,E)−4−(2−((4R,8R)−4,8−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)スピロ[2.5]オクタン−6−イリデン)エチリデン)−7α−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロピルの合成について記載する。
【0371】
【化113】
【0372】
[0263] (2R)−2−((1R,αS,7αR,E)−4−(2−((4R,8R)−4,8−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)スピロ−[2.5]オクタン−6−イリデン)エチリデン)−7α−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロパン−1−オール(実施例57−G,195mg,0.33ミリモル)のDCM溶液へ10℃でNEt
3(166mg,1.65ミリモル)、DMAP(100mg,0.097モル)を加えてから、TsCl(191mg,1ミリモル)を加える。この混合物を25℃で一晩撹拌する。次いで、この反応溶液をDCMで希釈して、飽和NaHCO
3水溶液を加えることによってクエンチする。この混合物を室温で20分間撹拌してから、分離させる。有機相を塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて、真空で濃縮する。この粗生成物を精製して、表題化合物(192mg)を無色のオイルとして得る。
【0373】
実施例57−I
[0264] 本実施例は、本発明の一態様における、2−(3−((2R)−2−((1R,3αS,7αR,E)−4−(2−((4R,8R)−4,8−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)スピロ[2.5]オクタン−6−イリデン)エチリデン)−7α−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロポキシ)フェニル)プロパン−2−オールの合成について記載する。
【0374】
【化114】
【0375】
[0265] NaH(60%,23mg,0.58ミリモル)のDMF(2mL)懸濁液へ3−(2−ヒドロキシプロパン−イル)−フェノール(100mg,0.672ミリモル)を窒素雰囲気下で加える。この混合物を室温で1時間撹拌する。この溶液へ4−メチルベンゼンスルホン酸(2R)−2−((1R,3αS,7αR,E)−4−(2−((4R,8R)−4,8−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)スピロ[2.5]オクタン−6−イリデン)エチリデン)−7α−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロピル(実施例57−H,57mg,0.07ミリモル)を加える。この混合物を室温で一晩撹拌してから、水でクエンチして、DCMで抽出する。この有機相を集めて塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて、真空で濃縮する。ショートカラムでの精製によって、表題化合物(43mg)を無色のオイルとして得る。
【0376】
実施例57−J
[0266] 本実施例は、本発明の一態様における、(4R,8R)−6−((E)−2−(1−((R)−1−(3−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)フェノキシ)プロパン−2−イル)−7α−メチルジヒドロ−1H−インデン−4(2H,5H,6H,7H,7αH)−イリデン)エチリデン)スピロ[2.5]オクタン−4,8−ジオール(Vida−57)の合成について記載する。
【0377】
【化115】
【0378】
[0267] 2−(3−((2R)−2−((1R,3αS,7αR,E)−4−(2−((4R,8R)−4,8−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)スピロ[2.5]オクタン−6−イリデン)エチリデン)−7α−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロポキシ)フェニル)プロパン−2−オール(実施例57−I,43mg,0.06ミリモル)のMeOH溶液へCSA(800mg)を加えて、この混合物を室温で8時間撹拌する。次いで、この混合物を水でクエンチし、DCMで抽出して、真空で濃縮する。精製によって、表題化合物(23mg)を無色のオイルとして得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 0.73 (s, 3H), 1.09 (d, 3H, J = 6.8Hz), 1.58 (s, 6H), 1.29-2.62 (m, 20H), 4.01(d, 1H, J = 3.6 Hz), 4.50 (m, 2H), 5.12 (d, 2H, J = 3.2 Hz), 6.19 (d, 1H, J = 11.6 Hz), 6.53 (d, 1H, J = 11.6 Hz), 6.78 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.06 (m, 2H), 7.26 (m, 2H)。
13C-NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 13.31 (C18), 17.23 (C21), 24.02 (C15), 26.26 (C16), 27.28 (C9), 31.74 (C26,27), 35.68 (C20), 36.88 (C10), 39.17 (C12), 40.02 (C4), 46.45-46.55 (C13), 51.72 (C17), 55.87 (C14), 71.21 (C3), 71.56 (C1), 71.99 (C25), 72.58 (C22), 107.78 (C28), 111.26 (C31), 112.13 (C19), 116.59 (C7), 119.72 (C29), 125.23 (C6), 129.19 (C30), 131.18 (C8), 142.00 (C5), 150.87 (C24), 152.01 (C2), 159.24 (C23)。
【0379】
実施例58
[0268] 本実施例は、本発明の一態様における、(1R,3R)−5−((E)−2−(1−((R)−1−(3−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)フェノキシ)プロパン−2−イル)−7α−メチルジヒドロ−1H−インデン−4(2H,5H,6H,7H,7αH)−イリデン)エチリデン)−2−メチレンシクロヘキサン−1,3−ジオール(Vida−37)の合成について記載する。
【0380】
【化116】
【0381】
[0269] 実施例63の化合物(34mg,0.048ミリモル)とMeOH(2mL)を含有する溶液へDowex 50WX4樹脂(200mg)を加えた。この混合物を室温で4時間撹拌した。この混合物を濾過して、濾過ケークをMeOHで洗浄した。有機相を集めて濃縮した。残渣を分取用TLC(PE/EA=2/1)によって精製して、表題生成物(12mg,67%)を得た。1H-NMR(400 MHz, CDCl3): δ 0.73 (s, 3H), 1.09 (d, 3H, J = 6.8Hz), 1.58 (s, 6H), 1.29-2.62 (m, 20H), 4.01(d, 1H, J = 3.6 Hz), 4.50 (m, 2H), 5.12 (d, 2H, J = 3.2 Hz), 6.19 (d, 1H, J = 11.6 Hz), 6.53 (d, 1H, J = 11.6 Hz), 6.78 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 7.06 (m, 2H), 7.26 (m, 2H)。13C-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 13.31 (C18), 17.23 (C21), 24.02 (C15), 26.26 (C16), 27.28 (C9), 31.74 (C26,27), 35.68 (C20), 36.88 (C10), 39.17 (C12), 40.02 (C4), 46.45-46.55 (C13), 51.72 (C17), 55.87 (C14), 71.21 (C3), 71.56 (C1), 71.99 (C25), 72.58 (C22), 107.78 (C28), 111.26 (C31), 112.13 (C19), 116.59 (C7), 119.72 (C29), 125.23 (C6), 129.19 (C30), 131.18 (C8), 142.00 (C5), 150.87 (C24), 152.01 (C2), 159.24 (C23)。
【0382】
実施例59A
[0270] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である2−(3−((2R)−2−((1R,7αR,E)−4−(2−((3R,5R)−3,5−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4−メチレンシクロヘキシリデン)エチリデン)−7α−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロピルチオ)フェニル)プロパン−2−オールの合成について記載する。
【0383】
【化117】
【0384】
[0271] NaH(60%,15.6mg,0.39ミリモル)のDMF(1mL)懸濁液へ2−(3−メルカプトフェニル)プロパン−2−オール(70mg,0.42ミリモル)をN
2雰囲気下で加えた。この混合物を室温で1時間撹拌した。この溶液へ実施例62の化合物(90mg,0.12ミリモル)を加えた。この混合物を室温で一晩撹拌してから、水(20mL)でクエンチして、AcOEt(20mLx3)で抽出した。この有機相を集め、塩水(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて、真空で濃縮した。シリカゲルカラム(石油エーテル/AcOEt=20/1)での精製によって、表題化合物(77mg,86%)を無色のオイルとして得た。
1H-NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 0.02-0.10 (m, 12H) 0.63 (s, 3H), 0.85-0.95 (m, 18 H), 1.08 (d, 3H, J = 6.4 Hz), 1.25-2.70 (m, 24 H), 2.72-2.82 (m, 1H), 3.24-3.31 (m, 1H), 4.05 (d, 1H, J = 2 Hz), 4.40 (d, 2H, J = 4.8 Hz), 4.96 (d, 2H, J = 3.2 Hz), 6.12 (d, 1H, J = 11.2 Hz), 6.29 (d, 1H, J = 11.2 Hz), 7.22-7.31 (m, 3H), 7.50 (d, 1H, J = 1.6 Hz)。
【0385】
実施例59B
[0272] 本実施例は、本発明の一態様における、(1R,3R)−5−((E)−2−(1−((R)−1−(3−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)フェニルチオ)プロパン−2−イル)−7α−メチルジヒドロ−1H−インデン−4(2H,5H,6H,7H,7αH)−イリデン)エチリデン)−2−メチレンシクロヘキサン−1,3−ジオール(Vida−43)の合成について記載する。
【0386】
【化118】
【0387】
[0273] 実施例59Aからの化合物(70mg,0.09ミリモル)のMeOH(2mL)溶液へ+(−)カンファースルホン酸(CSA)(72mg,0.155ミリモル)を加えて、この混合物を室温で4時間撹拌し、飽和NaHCO
3水溶液(20mL)でクエンチして、AcOEt(20mLx3)で抽出した。有機相を集めて、塩水(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて、真空で濃縮した。残渣を分取用TLC(石油エーテル/AcOEt=2/1)によって精製して、表題生成物(29mg,60%)を得た。
1H-NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 0.63 (s, 3H), 1.08 (d, 3H, J = 6.4Hz), 1.25-1.26 (m, 4 H), 1.58 (s, 6H), 1.92-2.72 (m, 16H), 2.78 (d, 1H, J = 4 Hz), 3.24 (d, 1H, J = 8 Hz), 4.47 (d, 2H, J = 3.6 Hz), 5.09 (d, 1H, J = 2.8 Hz), 6.17 (d, 1H, J = 7.2 Hz), 6.50 (d, 1H, J = 11.2 Hz), 7.22-7.19 (m, 3H), 7.50 (s, 1H)。
13C-NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 13.29 (C18), 18.87 (C21), 24.02 (C15,11), 26.17 (C16), 27.11 (C9), 31.71 (C26, 27), 35.15 (C20), 36.84 (C10), 39.13 (C12), 40.49 (C22), 41.15 (C4), 46.48-46.53 (C13), 54.15 (C14), 55.78 (C17), 71.16 (C3), 71.48 (C1), 72.51 (C25), 107.81 (C19), 119.82 (C7), 121.96 (C28), 125.07 (C29), 125.30 (C31), 127.29 (C6), 128.69 (C30), 131.37 (C8), 137.46 (C23), 141.70 (C5), 149.82 (C24), 151.96 (C2)。
【0388】
実施例60
[0274] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である((1R,3R)−5−((E)−2−((1R,3αS,7αaR)−7α−メチル−1−((R)−1−(トリエチルシリルオキシ)プロパン−2−イル)ジヒドロ−1H−インデン−4(2H,5H,6H,7H,7αH)−イリデン)エチリデン)−2−メチレンシクロヘキサン−1,3−ジイル)ビス(オキシ)ビス(tert−ブチルジメチルシラン)の合成について記載する。
【0389】
【化119】
【0390】
[0275] 50mLの2首フラスコへ2−(2−((3R,5R)−3,5−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4−メチレンシクロヘキシリデン)エチルスルホニル)ベンゾ[d]チアゾール(実施例64,0.434g,0.75ミリモル)、(1R,3αR,7αR)−7α−メチル−1−((R)−1−(トリエチルシリルオキシ)プロパン−2−イル)ヘキサヒドロ−1H−インデン−4(2H)−オン(実施例69,268mg,0.825ミリモル)、及び乾燥THF(5mL)を窒素雰囲気下で加えた。この溶液を−78℃まで冷却した。次に、この溶液へTHF中のNaHMDS(1.0M,0.75mL,0.75ミリモル)を滴下した。1時間後、この添加が完了して、この溶液を−78℃で2時間撹拌してから室温まで温めて、15時間撹拌した。この混合物を飽和NH
4Cl溶液(20mL)でクエンチして、EtOAc(20mLx2)で抽出した。この有機相を集めて塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて、真空で濃縮した。シリカゲルカラム(石油エーテル/EtOAc=100/1)での精製によって、91mgの表題生成物(17%,純度80%)を無色のオイルとして得た。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 0.08 (m, 21 H), 0.60 (m, 6H), 0.63 (s, 3H), 0.90 (s, 18H), 0.88-2.51 (m, 20H), 3.33 (t, 1H, J = 7.8 Hz), 3.73 (dd, 1H, J = 10.0, 4.4 Hz), 4.42 (m, 2H), 4.96 (d, 2H, J = 4.4 Hz), 6.12 (d, 1H, J = 10.8 Hz), 6.31 (d, 1H, J = 11.2 Hz)。
【0391】
実施例61
[0276] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である(R)−2−((1R,3αS,7αR,E)−4−(2−((3R,5R)−3,5−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4−メチレンシクロヘキシリデン)エチリデン)−7α−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロパン−1−オールの合成について記載する。
【0392】
【化120】
【0393】
[0277] 実施例60の化合物(91mg,0.14ミリモル)のTHF(4mL)溶液へフッ化テトラブチルアンモニウム(0.28ミリモル)を窒素雰囲気下で加えて、この混合物を、実施例60の化合物が消費されるまで、室温で3.5時間撹拌した。この反応混合物を濃縮し、この粗生成物を分取用TLC(PE/AcOEt=10/1)で精製して、51mgの表題生成物を無色のオイルとして得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 0.24-0.96 (m, 12H), 0.70 (s, 3H), 0.91 (s, 18H), 1.01 (d, 3H, J = 6.8 Hz), 1.27-2.52 (m, 18H), 3.52 (m, 1H), 3.75 (m, 1H), 4.41 (m, 2H), 4.96 (d, 2H, J = 5.6 Hz), 6.13 (d, 1H, J = 10.2 Hz), 6.31 (d, 1H, J = 10.2 Hz)。
【0394】
実施例62
[0278] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である4−メチルベンゼンスルホン酸(R)−2−((1R,3αS,7αR,E)−4−(2−((3R,5R)−3,5−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4−メチレンシクロヘキシリデン)エチリデン)−7α−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロピルの合成について記載する。
【0395】
【化121】
【0396】
[0279] 実施例61の化合物(56mg,0.097ミリモル)のCH
2Cl
2(2mL)溶液へEt
3N(870mg,2.82ミリモル)、N,N−ジメチルアミノピリジン(10mg,0.097モル)を加えてから、塩化p−トルエンスルホニル(360mg,1.96ミリモル)を10℃で加えて、この混合物を25℃で一晩撹拌した。この反応溶液をCH
2Cl
2(20mL)で希釈して、飽和NaHCO
3水溶液(20mL)を加えることによってクエンチした。この混合物を室温で20分間撹拌してから、分離させた。この有機相を塩水(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて、真空で濃縮した。この粗製の材料を分取用TLC(石油エーテル/EtOAc=40/1)で精製して、表題化合物(49mg,70%)を無色のオイルとして得た。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 0.21-0.96 (m, 12H), 0.53 (s, 3H), 0.94 (s, 18H), 0.87-2.51 (m, 20H), 2.49 (s, 3H), 3.86 (t, 1H, J = 9.6 Hz), 4.15 (d, 1H, J = 9.6 Hz), 4.40 (m, 2H), 4.96 (d, 2H, J = 4.4 Hz), 6.11 (d, 1H, J = 10.8 Hz), 6.27 (d, 1H, J = 11.2 Hz), 7.35 (d, 2H, J = 8.4 Hz), 7.80 (d, 2H, J = 8.0 Hz)。
【0397】
実施例63
[0280] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である2−(3−((R)−2−((1R,3αS,7αR,E)−4−(2−((3R,5R)−3,5−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4−メチレンシクロヘキシリデン)エチリデン)−7α−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロポキシ)フェニル)プロパン−2−オールの合成について記載する。
【0398】
【化122】
【0399】
[0281] NaH(60%,25.5mg,0.638ミリモル)のDMF(1mL)懸濁液へ3−(2−ヒドロキシプロパン−イル)−フェノール(実施例65,100mg,0.672ミリモル)を窒素雰囲気下で加えた。この混合物を室温で1時間撹拌した。この溶液へ実施例62の化合物(49mg,0.067ミリモル)を加えた。この混合物を室温で一晩撹拌してから、水(20mL)でクエンチして、AcOEt(20mLx3)で抽出した。この有機相を集めて塩水(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて、真空で濃縮した。シリカゲルカラム(石油エーテル/AcOEt=20/1)での精製によって、表題化合物(35mg,67%)を無色のオイルとして得て、13mgの実施例62を回収した。
1H-NMR: δ 0.24-0.97 (m, 12H), 0.71 (s, 3H), 0.92 (s, 18H), 1.10 (d, 3H, J = 6.8 Hz), 1.60 (s, 3H), 1.20-2.21 (m, 18 H), 3.80 (m, 1H), 4.03 (m, 1H), 4.43 (m, 2H), 4.97 (d, 2H, J = 4.8 Hz), 6.15 (d, 1H, J = 10.2 Hz), 6.31 (d, 1H, J = 10.2 Hz), 6.79 (d, 1H, J = 7.8 Hz), 7.08 (m, 1H), 7.29 (m, 1H)。
【0400】
実施例64
[0282] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である(2−(2−((3R,5R)−3,5−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4−メチレンシクロヘキシリデン)エチルスルホニル)ベンゾ[d]チアゾール)の合成について記載する。
【0401】
【化123】
【0402】
[0283] ベンゾ[d]チアゾール−2−チオール(187mg,1.12ミリモル)及びトリフェニルホスフィン(294mg,1.12ミリモル)のCH
2Cl
2(5ml)撹拌溶液へCH
2Cl
2(2ml)中の実施例8の化合物(280mg,0.70ミリモル)を0℃で加えてから、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD,0.28ml,0.98ミリモル)を0℃で滴下した。この反応混合物を0℃で1時間撹拌してから濃縮して、粗製の材料(1.2g)を黄色の油状残渣として得た。
【0403】
[0284] この油状残渣をエタノール(10ml)に溶かして、30% H
2O
2(1ml)と(NH
4)
6Mo
7O
24・4H
2O(200mg)を0℃で加えた。この反応混合物を室温で3時間撹拌した。この反応物を飽和NaHCO
3溶液(50ml)でクエンチし、酢酸エチル(50mlx3)で抽出し、塩水(50mlx2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて蒸発させて、オイル(1.2g)を得た。このオイルをクロマトグラムゲルカラム(石油エーテル/EtOAc:50:1 100ml,石油エーテル/EtOAc:25:1 100ml)によって精製して、純粋な表題化合物(313mg,2工程の収率:77%)を白色の固形物として得た(Ono et al., 2003, J Org Chem 68: 7407-7415)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 0.05-0.08 (m, 12H), 0.88-0.9 (m, 18H), 2.122-2.184 (m, 3H), 2.391-2.434 (dd, 1H, J = 12.8, 4.8 Hz), 4.24 (dd, 1H, J = 6.8 Hz), 4.34-4.4 (m, 3H), 4.93 (d, 2H, J = 14.4 Hz), 5.42 (s, 1H), 7.61-7.67 (m, 2H), 8.01 (d, 1H), 8.25 (d, 1H)。
【0404】
実施例65
[0285] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である3−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)フェノールの合成について記載する。
【0405】
【化124】
【0406】
[0286] 1−(3−ヒドロキシフェニル)エタノン(7.4g,54ミリモル)の無水THF(300mL)溶液へ0℃で塩化メチルマグネシウムのTHF溶液(40mL,119ミリモル)を窒素下にシリンジよりゆっくり加えた。この反応混合物を室温で18時間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)は、約30%の出発材料が残っていることを示した。この反応混合物を2時間還流させると、TLCは、ほとんどの出発材料が消費されていることを示した。この反応混合物を0℃まで冷却して、飽和NH
4Cl水溶液(20mL)に続いて1M HCl(120mL)でクエンチした。この水溶液をEtOAc(50mLx3)で抽出した。集めた有機相を塩水(200mLx2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下に濃縮して、酢酸エチル/石油エーテル(10%〜約25%)を溶出液として使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、(3.6g,43.9%)を黄色の固形物として得た。
1H NMR: δ 1.59(s, 3H), 6.74-6.76 (m, J = 8Hz, 1H), 6.99-7.01 (d, J = 8Hz, 1H), 7.08 (d, J = 2Hz, 1H), 7.20-7.24 (m, J = 16Hz, 1H)。
【0407】
実施例66
[0287] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である(1R,3αR,7αR)−1−((S)−1−ヒドロキシプロパン−2−イル)−7α−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−4−オールの合成について記載する。
【0408】
【化125】
【0409】
[0288] 火炎乾燥させた250mLの3つ首フラスコへ300mg(3.6ミリモル)の重炭酸ナトリウム、50.0mLの無水メタノール、50.0mLの無水CH
2Cl
2、そしてエルゴカルシフェロール((+)ビタミンD
2,3.0g,7.6ミリモル)を順に入れた。この溶液をO
3(O
2 5g/h)で処理し、室温で4〜5時間、一定速度で撹拌した。次いで、固体のホウ水素化ナトリウム(2.5g,64ミリモル)を10分の時間にわたり少量ずつ水浴に加えると、出発材料の完全な消失がTLCによって観測された。得られた反応混合物を4N塩酸でクエンチし、EtOAc(3x30mL)で抽出し、MgSO
4で乾燥させ、濾過して、真空で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(30% EtOAc/石油エーテル)による精製によって、8.10g(3.8ミリモル)の表題化合物を収率50%で得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl
3):δ 0.98 (s, 3H), 1.05 (d, 3H, J = 6.4 Hz), 1.2 (d, 2H, J = 10.4 Hz), 1.36-1.82 (m,12H), 1.85 (d, 1H, J = 3.6 Hz), 3.38-3.42 (dd, 1H, J = 10.4, 6.8 Hz), 3.64-3.67 (dd, 1H, J = 10.4,3.6Hz), 4.10 (d, 1H, J = 2.4 Hz)。
【0410】
実施例67
[0289] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である(2S)−2−((1R,3αR,7αR)−4−ヒドロキシ−7α−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロパナールの合成について記載する。
【0411】
【化126】
【0412】
[0290] 窒素下で、塩化p−トルエンスルホニル(446mg,2.33ミリモル)、40% Et
3N溶液(0.6mL)中の4−(ジメチルアミノ)−ピリジン(DMAP,25.86mg,0.21ミリモル)、及びCH
2Cl
2(2mL)の混合物に実施例66の生成物(450mg,THF(2mL)中2.12ミリモル)を加えた。この反応混合物を室温で4〜5時間撹拌した。この反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム(10mL)でクエンチして、生成物をCH
2Cl
2(15mL)で抽出した。この有機相を飽和NH
4Cl溶液(10mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させて、真空で濃縮した。得られた残渣をDMSO(10mL)に溶かしてNaHCO
3(0.89g,10.6ミリモル)を加え、この混合物を窒素下、150℃で30分間加熱してから、室温まで速やかにクエンチした。水(50mL)に続いてCH
2Cl
2(50mL)を加えた。水相をCH
2Cl
2(3x30mL)で抽出して、集めた有機相を水(20mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過して、真空で濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(20% EtOAc/石油エーテル)でクロマトグラフ処理して、表題化合物(0.31g)を収率70%で得た。
【0413】
実施例68
[0291] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である(1R,3αR,7αR)−1−((R)−1−ヒドロキシプロパン−2−イル)−7α−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−4−オールの合成について記載する。
【0414】
【化127】
【0415】
[0292] 実施例67の生成物(0.28g,1.34ミリモル)のCH
2Cl
2(10mL)溶液に水酸化テトラ−n−ブチルアンモニウム(0.43g,0.67ミリモル)加えて、得られた溶液を25℃で16時間撹拌してから、水(10mL)でクエンチした。この有機相を水(10mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させて、真空で濃縮した。得られた残渣をメタノール(10mL)に溶かしてから、固体のホウ水素化ナトリウム(0.10g,2.63ミリモル)を10分の時間にわたり加えた。この混合物を飽和塩化アンモニウム溶液(10mL)でクエンチして、生成物をEtOAc(50mL)で抽出した。この有機相を飽和塩化アンモニウム溶液(20mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過して、真空で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムでのクロマトグラフィー(9.1% EtOAc/石油エーテル)によって精製して、表題化合物(96.59mg)を収率34%で得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl
3):δ 0.97-0.988 (m, 6H), 1.23-1.87 (m, 16H), 3.49 (d, 1H, J = 7.2 Hz), 3.72 (d, 1H, J = 3.6 Hz), 4.11 (d, 1H, J = 2.4 Hz)。
【0416】
実施例69
[0293] 本実施例は、本発明の一態様における、式(I)の化合物の中間体である((1R,3αR,7αR)−7α−メチル−1−((R)−1−(トリエチルシリルオキシ)プロパン−2−イル)ヘキサヒドロ−1H−インデン−4(2H)−オン)の合成について記載する。
【0417】
【化128】
【0418】
[0294] 実施例68の生成物(0.2g,0.94ミリモル)の10mLの無水CH
2Cl
2溶液へ、40% Et
3N溶液(0.26mL)、DMAP(18mg,0.15ミリモル)に続いて塩化トリエチルシリル(TESCl,0.22g,1.42ミリモル)を室温で加えた。この溶液を室温で1時間撹拌してから、飽和塩化アンモニウム溶液(15mL)でクエンチした。この混合物をCH
2Cl
2(3x20mL)で抽出して、集めた有機相を飽和塩化アンモニウム溶液(15mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過して濃縮して、無色のオイル(0.37g)を得た。このオイルをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0419】
[0295] この残留オイルをCH
2Cl
2(10mL)に溶かしてから、デス・マーチンペルヨージナン(0.60g,1.41ミリモル)を加えた。窒素下、室温で2時間撹拌後、この反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液(20mL)でクエンチして、この混合物をEtOAc(3x20mL)で抽出した。集めた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過して、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム(4.8% EtOAc/石油エーテル)でクロマトグラフ処理して、表題化合物(268mg)を収率87%で得た。CD5-TESの
1H-NMR (400 MHz,CDCl
3):
δ 0.600 (q, 6H, J = 4.4 Hz), 0.661 (s, 3H), 0.930 (d,3H, J = 2.4 Hz), 0.982 (t, 9H, J = 2.8 Hz), 1.25-1.70 (m, 5H), 1.80-2.10 (m, 6H), 2.20-2.30 (m, 2H), 2.40-2.50 (m, 1H), 3.35-3.45 (m, 1H), 3.60-3.70 (m, 1H)。
【0420】
実施例70
[0296] 本実施例は、本発明の一態様における、(4R,8R)−6−((E)−2−(1−((R)−1−(3−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)フェニルチオ)プロパン−2−イル)−7a−メチルジヒドロ−1H−インデン−4(2H,5H,6H,7H,7aH)−イリデン)エチリデン)スピロ[2.5]オクタン−4,8−ジオール(Vida−58)の合成について記載する。
【0421】
【化129】
【0422】
実施例70−A
[0297] 本実施例は、本発明の一態様における、2−(3−((2R)−2−((1R,3aS,7aR,E)−4−(2−((4R,8R)−4,8−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)スピロ[2.5]オクタン−6−イリデン)エチリデン)−7a−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロピルチオ)フェニル)プロパン−2−オールの合成について記載する。
【0423】
【化130】
【0424】
[0298] NaH(60%,13mg,0.32ミリモル)のDMF懸濁液へ2−(3−メルカプトフェニル)プロパン−2−オール(60mg,0.3ミリモル)を窒素雰囲気下で加える。この混合物を室温で1時間撹拌する。この溶液へ4−メチルベンゼンスルホン酸(2R)−2−((1R,3aS,7aR,E)−4−(2−((4R,8R)−4,8−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)スピロ[2.5]オクタン−6−イリデン)エチリデン)−7a−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロピル(実施例57−H,52mg,0.07ミリモル)を加える。この混合物を室温で一晩撹拌してから、水でクエンチして、DCMで抽出する。この有機相を集めて塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて、真空で濃縮する。ショートカラムでの精製によって、表題化合物(46mg)を無色のオイルとして得る。
【0425】
実施例70−B
[0299] 本実施例は、実施例15Bの生成物と3−(2−メチル−2−ヒドロキシ−エチル)−フェニルメルカプタンより実施例56に記載の手順に従って製造される、表題化合物の合成について記載する。
【0426】
【化131】
【0427】
[0300] 2−(3−((2R)−2−((1R,3aS,7aR,E)−4−(2−((4R,8R)−4,8−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)スピロ[2.5]オクタン−6−イリデン)エチリデン)−7a−メチルオクタヒドロ−1H−インデン−1−イル)プロピルチオ)フェニル)プロパン−2−オール(実施例70−A,46mg,0.06ミリモル)のMeOH溶液へCSA(800mg)を加えて、この混合物を室温で8時間撹拌する。これを水でクエンチし、DCMで抽出してから、真空で濃縮する。精製によって、表題化合物(21mg)を無色のオイルとして得る。
1H NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 0.63 (s, 3H), 1.08 (d, 3 H, J = 6.4Hz), 1.25-1.26 (m, 4H), 1.58 (s, 6H), 1.92-2.72 (m, 16H), 2.78 (d, 1H, J = 4 Hz), 3.24 (d, 1H, J = 8 Hz), 4.47 (d, 2H, J = 3.6 Hz), 5.09 (d, 1H, J = 2.8 Hz), 6.17 (d, 1H, J = 7.2 Hz), 6.50 (d, 1H, J = 11.2 Hz), 7.22-7.19 (m, 3H), 7.50 (s, 1H)。
13C-NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 13.29 (C18), 18.87 (C21), 24.02 (C15,11), 26.17( C16), 27.11 (C9), 31.71 (C26,27), 35.15 (C20), 36.84 (C10), 39.13 (C12), 40.49 (C22), 41.15(C4), 46.48-46.53 (C13), 54.15 (C14), 55.78 (C17), 71.16 (C3), 71.48 (C1), 72.51 (C25), 107.81 (C19), 119.82 (C7), 121.96(C28), 125.07 (C29), 125.30 (C31), 127.29 (C6), 128.69 (C30), 131.37 (C8), 137.46 (C23), 141.70 (C5), 149.82 (C24), 151.96 (C2)。
【0428】
[0301] 表1に、以下の実施例71〜81の化合物を本明細書に記載の対応する様々な中間体より製造した。
【0429】
【表1-1】
【0430】
【表1-2】
【0431】
【表1-3】
【0432】
実施例82
[0302] 本実施例は、本発明の一態様における、様々な式(I)の化合物の最大吸収波長と消衰係数の決定について説明する。
【0433】
[0303] 該化合物の最大吸収波長(OD
max)及び消衰係数を決定するために、各化合物を脱イオン水及びエタノールの50:50(容量)溶液において100μMで希釈して、分光光度計によって走査する。
【0434】
[0304]
図1は、分光光度計スキャンからの典型的な吸光度プロファイルの結果を示す。この結果は、Vida−5の最大吸収波長(OD
max)が253nmであって、消衰係数が48360であることを示す。表2は、選択した化合物のOD
max及び消衰係数の要約を示す。
【0435】
【表2】
【0436】
生物学的アッセイ
[0305] 該化合物の生体活性について、培養細胞と動物モデルをともに使用して評価した。
【0437】
[0306] 現行では、化合物の in vivo での高カルシウム血症の副作用プロファイルを信頼し得るほどに予測できることを示した in vitro アッセイはない。故に、血清カルシウムを上昇させるその潜在能力を判定するために、正常マウスを使用して化合物を評価した。PTH抑制も、正常マウスで判定した。
【0438】
[0307] いくつかの化合物を、CYP24A1誘導について、HL−60前骨髄球性白血病細胞とヒト冠動脈平滑筋細胞(HCASMC)の一次培養で試験した。CYP24A1がVDREをそのプロモーター領域に有することにより、VDRの特異的な標的遺伝子であることは、十分に記述されている(Meyer et al., 2007, J Biol Chem 282: 22344-22352)。CYP24A1を誘導する化合物は、VDRシグナル伝達経路を誘起することでその活性を発現する。VDRを誘導する化合物の効果は、HCASMCでも試験した。免疫応答を調節することへの化合物の適格性を評価するために、化合物について、CD14発現を誘導する効果をHL−60で試験した。血栓症を治療することへの化合物の適格性を評価するために、トロンボモジュリン及びトロンボスポンジン−1を調節する化合物の効果もHCASMCで試験した。
【0439】
[0308] 血清カルシウム及びPTH抑制に対する化合物の効果も、5/6腎摘出尿毒症ラット(確立された腎不全の動物モデル)において評価した。カルシトリオール、パリカルシトール、及びドキセルカルシフェロールに関する公知の文献からは、CKDの二次性副甲状腺機能亢進症の治療のために、これらの薬物のPTH抑制用量及び高カルシウム血症効果に関する臨床有用性について、5/6腎摘出ラットモデルによって十分に予測できることが示されている。例えば、パリカルシトールは、この尿毒症ラットにおいて、カルシトリオールの約3倍の治療指数を示す(Slatopolsky et al., 1998, Am J Kidney Dis 32 (2 Suppl 2): S40-7)。尿毒症ラットのデータに類似して、臨床試験は、パリカルシトールがカルシトリオールよりPTHを抑制する効力が約3倍少なくて、血清カルシウムを上昇させる効力が10倍少なく、それ故に、パリカルシトールは、カルシトリオールより3〜4倍広い治療指数(「効力」対「高カルシウム血症の副作用」)を有するとみなされている(Martin et al., 2001, Am J Kidney Dis, 38 (5 Suppl 5): S34-40)。
【0440】
[0309] タンパク尿、内皮機能不全(Ochodnicky et al., 2006, J. Nephrol 19: 246-258)、及び左心室肥大(Curtis et al., 2005, Cardiol Clin 23: 275-284)を有するCKD患者と同様に、5/6腎摘出ラットは、タンパク尿,重篤な内皮機能不全、及び左心室肥大を発症する。従って、このラットは、タンパク尿と心臓血管系のパラメータに対する化合物の効力を評価するのに有用である。
【0441】
[0310] これらの活性評価のそれぞれについて、以下に詳しく記載する。
実施例83
[0311] 本実施例は、ヒトHL−60前骨髄球性白血病細胞においてCYP24A1及びCD14の発現を誘導する、本発明の態様における、式(I)の化合物の能力について説明する。
【0442】
[0312] ヒトHL−60前骨髄球性白血病細胞において、化合物を試験してCYP24A1及びCD14の発現を誘導するその潜在能力を評価する。HL−60細胞を、20%熱不活性化牛胎児血清を補充したIMDMにおいて、加湿した5%CO
2−95%空気の存在下、37℃で培養する。細胞を6ウェルプレートへ蒔いて、試験薬剤で24時間処理する。細胞を1mLのトリアゾールの添加で溶解させて、製造業者のプロトコールに従ってRNAを調製する。
【0443】
[0313] リアルタイム逆転写PCRをフォワード及びリバースPCRプライマーと、CYP24A1又はCD14のために特異的に設計した250nMのTaqMan
TMプローブを用いて実施する。データ獲得の後で、CYP24A1又はCD14のmRNA発現レベルをGAPDH mRNAレベルにより標準化する。
図2A及び2Bは、典型的なCYP24A1(
図2A)及びCD14(
図2B)発現試験の結果を示す。この結果は、Vida−5がCYP24A1及びCD14の発現を強力に誘導し、EC
50(半最大有効濃度)値がそれぞれ5.6及び4.1nMであることを示す。
【0444】
[0314] 表3は、HL−60細胞におけるCYP24A1及びCD14の発現を誘導することに関する、選択化合物のEC
50値の要約を示す。この結果は、試験化合物がVDRを活性化して、CYP24A1のようなVDR標的遺伝子の調節をもたらすことを示す。
【0445】
【表3】
【0446】
実施例84
[0315] 本実施例は、本発明の態様に従う化合物による、正常マウスでの高カルシウム血症の副作用プロファイルについて説明する。この正常マウスモデルは、化合物の高カルシウム血症の副作用プロファイルを評価するのに簡便で迅速な方法である。同時に、血清PTHに関するデータを採取することができる。
【0447】
[0316] 18〜20gの雄性C57/BLマウスに、試験薬剤を、100μl/マウス(指定の濃度)で1日1回、3日連続の腹腔内投薬、又は10ml/kgで1日1回、5日間、強制経口投薬する。最終投薬から24時間後に、ケタミン/キシラジンで動物を麻酔後、大動脈より血液を採取した。QuantiChrom カルシウムアッセイキット、及び/又は Roche Hitachi 912 Chemistry Analyzer を使用して、総血清カルシウムを測定した。血清PTHは、PTHイムノアッセイを使用して測定した。ビヒクル対照は、腹腔内投薬での5%エタノール/95%プロピレングリコールの100μl/マウス、又は強制経口投薬での20%ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの10ml/kgであった。
【0448】
[0317] 血清化学データでは、群平均±SEMを提示する。ビヒクル及び化合物処置群の間の差は、片側ANOVAに続くダンネット事後検定を使用して評価する。
図3A及び3Bは、典型的な強制経口投薬試験(n=4〜9/群)からの結果を示す。
図4は、典型的な腹腔内投薬試験からの結果を示す。
【0449】
[0318] このモデルは、血清カルシウムの有意な増加を誘導する化合物の効果を判定するのに簡便な方法である。それはまた、血清PTHレベルを減少させることに対する化合物の効果を示す。
図3Aに示すように、Vida−5は、血清カルシウムを5μg/kgで上昇させ始めるが、
図3Bに示すように、PTHを0.05μg/kgで抑制し始める。Vida−1は、血清Caを0.01μg/kg(腹腔内投薬)で上昇させ始める。
図4に示すように、血清Caを上昇させることにおいて、Vida−4は、Vida−1より少なくとも100倍弱い。Vida−11とVida−21は、血清Caを0.1μg/kg(腹腔内投薬)で上昇させ始める。Vida−5、Vida−10、及びVida−20は、血清Caを1μg/kg(腹腔内投薬)で上昇させ始める。Vida−37が血清Caを10μg/kg(腹腔内投薬)で上昇させ始めるのに対し、Vida−36、Vida−43、Vida−57、及びVida−58は、血清Caを10μg/kg(腹腔内投薬)で上昇させない。
【0450】
実施例85
[0319] 本実施例は、本発明の一態様に従う化合物のヒト血管細胞に対する効果を検討する目的のために、選択化合物を試験するヒト冠動脈平滑筋細胞の使用について説明する。
【0451】
[0320] 化合物をHCASMCの初代培養で試験して、CYP24A1及びVDRの発現を誘導するその潜在能力を評価した。
[0321] HCASMCの初代培養を、平滑筋増殖培地:SmGM−2(5.5mMグルコース、5% FBS、50μg/ml ゲンタマイシン、50ng/ml アンホテリシン−B、5μg/ml インスリン、2ng/ml hFGF、及び0.5ng/ml hEGFを含有する)で、加湿した5%CO
2−95%空気の存在下、37℃で増殖させた。細胞を80%より高い集密度まで増殖させて、5回以内の継代で使用した。
【0452】
[0322] 細胞を6ウェルプレートへ蒔いて、試験薬剤で24時間処理した。細胞を1mLのトリアゾールの添加で溶解させて、製造業者のプロトコールに従ってRNAを調製した。
【0453】
[0323] リアルタイム逆転写PCRをフォワード及びリバースPCRプライマーと、CYP24A1又はVDRのために特異的に設計した0.1mMのTaqMan
TMプローブを用いて実施した。データ獲得の後で、CYP24A1又はVDRのmRNA発現レベルをGAPDH mRNAレベルにより標準化した。
図5Aは、典型的なCYP24A1発現試験からの結果を示す。群平均±STDEV(標準偏差)を提示する。この結果は、Vida−5がCYP24A1発現を強力に誘導し、EC
50が2.9nMであることを示す。
図5Bは、典型的なVDR発現試験からの結果を示す。この結果は、Vida−5がVDR発現を強力に誘導し、EC
50が1.3nMであることを示す。
【0454】
[0324] 表4は、CYP24A1及びVDRを誘導することにおける、選択化合物のEC
50値の要約を示す。
【0455】
【表4】
【0456】
実施例86
[0325] 本実施例は、5/6腎摘出尿毒症ラット中の血清クレアチニン、BUN、PTH、リン、及びカルシウムに対する本発明の一態様に従う選択化合物の効果について説明する。
【0457】
[0326] 雄性スプリーグ・ドーリー5/6ラットの腎摘出を既報(Slatopolsky et al., 1998, Am J Kidney Dis 32: S40-47)のように、標準的な2工程外科切除法(出発時の体重:約200グラム)を使用して実施した。対照としてシャム手術ラットを使用した。このラットに1.13%カルシウムと0.94%リンを含有する食餌を与えた。2回目の手術から6週後、処置をビヒクル(5%エタノール+95%プロピレングリコール、0.4ml/kg)又は試験薬剤で、腹腔内注射(i.p.)によって週3回、2週間にわたり施した(n≧12/群)。最終投薬から24時間後、後眼窩の静脈血をPTHと他のエンドポイントの測定のために採取した。
【0458】
[0327] 化学分析機(LX−20,ベックマン)によってカルシウム、血清リン、クレアチニン、及び血中尿素窒素(BUN)の濃度を測定した。血清PTHは、ラットのインタクト副甲状腺ホルモン(i−PTH)ELISAキットを使用して測定した。血清化学データでは、群平均±SEMを提示する。t検定を使用して、ベースライン6W(処置前、術後6週)と8W(術後8週、化合物処置の2週後)の間の差を解析した。
【0459】
[0328]
図6A及び6Bは、血清クレアチニン及び血中尿素窒素(BUN)の結果に対するVida−5の効果を示す。血清クレアチニン及びBUNのレベルは、術後6週のシャムラットに比較して、すべての5/6腎摘出(NX)ラットで有意かつ一様に上昇した。より低い4用量のVida−5での処置は、血清クレアチニンに有意な影響を及ぼさなかったが、最高用量では、血清クレアチニンを低下させた。Vida−5はまた、より高い2用量(0.16及び0.64μg/kg)でBUNを低下させた。
【0460】
[0329]
図7A及び7Bは、異なる3用量のVida−11を用いた2週間の処置が、血清クレアチニンにもBUNにも用量依存性の効果を及ぼさなかったことを示す。
[0330]
図8A及び8Bは、Vida−5を試験した5用量で、血清リン(P)及びカルシウム(Ca)を上昇させるのに有意な影響を及ぼさなかったことを示す。
【0461】
[0331]
図9A及び9Bは、Vida−11が、血清Caを用量依存的に上昇させたが、血清Pには有意な効果を示さなかったことを示す。
[0332]
図10A及び10Bは、血清PTHの結果を示す。Vida−5(
図10A)とVida−11(
図10B)は、試験した用量で、PTHレベルを用量依存的に有意に抑制する。
【0462】
[0333] Vida−10についても、5/6NX尿毒症ラットで試験した。Vida−10は、血清クレアチニン、BUN、又はリンに有意に影響を及ぼさなかった。Vida−10とVida−11は、互いに異なる血漿カルシウム上昇プロファイルを有する。より具体的に言えば、Vida−10は、血清Caを上昇させる点ではVida−11より少なくとも64倍弱い(
図11A)が、PTHを抑制する点では約16倍弱い(
図11B)。
【0463】
[0334] 5/6NX尿毒症ラットにおいて、Vida−5は、血清PTHを0.004μg/kgで抑制し始めるが、血清Caは、0.64μg/kgでも上昇させない。Vida−10は、血清PTHを0.16μg/kgで抑制し始めるが、血清Caは、0.64μg/kgでも上昇させない。Vida−11は、0.01μg/kgで血清PTHを抑制するが、血清Caも上昇させる。文献によれば、カルシトリオールは、血清PTHを8ng/ラット(約0.02μg/kg)で抑制し始めて,血清Caを4ng/ラット(約0.01μg/kg)で上昇させる(Slatopolsky et al., 1998, Am J Kidney Dis 32(2 Suppl 2): S40-7)。CKD患者の二次性副甲状腺機能亢進症の治療においてこの群で最良とみなされているパリカルシトールは、尿毒症ラットにおいて、血清PTHを8ng/ラット(約0.02μg/kg)で抑制し始めて、血清Caを25ng/ラット(約0.0625μg/kg)0.083μg/kgで上昇させる(Slatopolsky et al., 1998, Am J Kidney Dis 32(2 Suppl 2): S40-7)。別の試験では、尿毒症ラットにおいて、パリカルシトールは、0.083μg/kgで血清PTHを抑制し始めて血清Caを上昇させる(Noonan et al., 2008, Nephrol Dial Transplant 23:3824-3830)。この高カルシウム血症の副作用は、この群の化合物がより広い治療適応症へ適用されるときの重要な制限項目である。
【0464】
実施例87
[0335] 本実施例は、5/6腎摘出尿毒症ラットにおいて内皮機能を検査するための生物学的アッセイについて説明する。
【0465】
[0336] 5/6(亜全摘)腎摘出ラットを使用する実験条件は、上記した通りであった。最終投薬から24時間後、動物を屠殺して、内皮機能の定量のために大動脈組織を採取した。
【0466】
[0337] ラットをペントバルビタールナトリウム(腹腔内、35mg/kg)で麻酔した。胸大動脈を冷たい改良クレブス溶液(以下参照)に切除して、3mmの大動脈リングを、5%CO
2−95%O
2(37℃でpH7.4)で平衡化した改良クレブス溶液(NaCl 6.9169,KCl 0.3499,NaHCO
3 2.0998,MgSO
4 0.2901,KH
2PO
4 0.1604,CaCl
2 0.2663,グルコース 1.9994,EDTA 0.026を含有:(g/L))において、0.5グラムの静止張力の下で10mLの組織浴中に懸垂させた。フェニレフリン(PE,3μM)の添加と、合間の10分のウォッシュアウトによって大動脈を感作(sensitized)させた。大動脈は、PE(3μM)により予め収縮させた後、内皮依存性の血管拡張薬であるアセチルコリン(ACh)を3〜5分間隔で半対数増分(10
−9モル/L〜10
−4。5モル/L)において加えて、AChの効果がプラトーに達する時間を測定した。60分のウォッシュアウトの後で、大動脈をPE(3μM)で予め収縮させて、引き続き、内皮非依存性の血管拡張薬であるナトリウムニトロプルシッド(SNP;10
−9モル/L〜10
−6モル/L)で、3〜5分間隔で処置して、その効果がプラトーに達する時間を測定した。BL−420F データ獲得及び解析システムでデータを記録した。
【0467】
[0338] ACh及びSNP誘発性の弛緩をPE誘発プレ収縮からの弛緩(%)として計算した。両側ANOVAに続くボンフェローニ事後検定を使用して、血管機能における差を判定した。
図12Aは、Vida−5で2週の処置が、アセチルコリン誘発性の内皮依存性の弛緩において用量依存性の改善をもたらしたことを示す。比較として、
図12Bは、Vida−5が、試験した用量で、ナトリウムニトロプルシッド(SNP)誘発性の内皮非依存性の弛緩に対して有意な影響を及ぼさなかったことを示す。SNPは、一酸化窒素の供給源として働き、内皮非依存性の経路を介して弛緩を誘発する。
【0468】
[0339]
図13A及び13Bは、Vida−11も、アセチルコリン誘発性の内皮依存性の弛緩において用量依存性の改善をもたらしたことを示す。Vida−11も、試験した用量で、SNP誘発性の弛緩に対して有意な影響を及ぼさなかった。
【0469】
[0340]
図14は、Vida−10が、アセチルコリン誘発性の内皮依存性の弛緩において用量依存性の改善をもたらしたことを示す。0.16及び0.64μg/kgのVida−10での処置は、アセチルコリン誘発性の内皮依存性の弛緩をシャムレベルまで戻して改善した。Vida−10も、試験した用量で、SNP誘発性の弛緩に対して有意な影響を及ぼさなかった。
【0470】
[0341] Vida−11は、PTHを抑制する点でより強力であるが、Vida−10は、内皮機能を改善する点でより強力である。これらの結果は、Vida−5、Vida−10、及びVida−11が、内皮機能を改善する点で強力であることを示す。Vida−5、Vida−10、及びVida−11は、異なる血清Ca及びPTHプロファイルを明示するので、この結果はまた、内皮機能を改善することに対する化合物の効果が血清Ca及びPTHに対するその効果とは無関係であることを示す。
【0471】
実施例88
[0342] 本実施例は、5/6腎摘出尿毒症ラットにおいて左心室肥大を検査する生物学的アッセイについて説明する。
【0472】
[0343] 5/6(亜全摘)腎摘出ラットを使用する実験条件は、上記の通りであった。最終投薬から24時間後、ラットをペントバルビタールナトリウム(35mg/kg,腹腔内)で麻酔した。この動物を頚椎脱臼によって屠殺した。心臓を取って、冷たい生理食塩水で洗浄した。残留した生理食塩水を濾紙で拭った後で、新鮮なまま切除した心臓及び左心室の重量を測定して、左心室重量対体重の比(LVW/BW)及び/又は左心室重量対心臓重量の比(LVW/HW)を計算した。その後、この左心室を速やかに液体窒素の中へ入れて、組織学及び/又は免疫組織化学の分析用に保存した。
【0473】
[0344] 心筋細胞の形態を検査するために、左心室組織を4%ホルムアルデヒド−リン酸塩−緩衝化生理食塩水(pH7.4)溶液に一晩固定した。この試料をロウに埋め込んで、4μm切片へ切断した。この切片をヘマトキシリン−エオジンで染色して、顕微鏡下で検査した。
【0474】
[0345] 心筋細胞の直径を決定するために、既報の方法に従った(Xiang et al., 2005, Am J Physiol Endocrinol Metab 288: E125-132)。左心室の切片をFITC標識化コムギ胚芽アグルチニン(1:5希釈)で、室温で2時間染色してから、蛍光顕微鏡下で検査して、筋細胞の膜を可視化した。細胞の縦断面での2つの形質膜の間の距離を筋細胞の直径として測定することによって、心筋細胞の相対的な大きさを定量した。この測定は、ImageJソフトウェアを使用して行った。左心室スライドの5〜10の顕微鏡視野より無作為に選択した30個の細胞よりデータを得た。
【0475】
[0346] 群平均±SEMを提示する。t検定、片側ANOVAに続くダンネット事後検定、又は両側ANOVAに続くボンフェローニ事後検定を使用して、シャム、ビヒクル、及び処置動物の間の差を評価した。ヒトのCKD状態に類似して、5/6(亜全摘)腎摘出ラットは、左心室肥大を発症することが知られている(Wolf et al., 2000, Journal of Cardiovascular Pharmacology 36: S348-350)。左心室肥大の発症を評価するために、数匹の動物を処置前に屠殺した。
【0476】
[0347]
図15A及び15Bは、腎切除術から8週後に、Vida−5が、試験した用量で、LVW/BW及びLVW/HWを低下させることに用量依存性の効果をもたらしたことを示す。
【0477】
[0348]
図16A及び16Bは、Vida−11がLVW/BWをより低い2つの用量で低下させたが、0.16μg/kgでは低下させなかったという、混合した結果をこの化合物が示したことを表す。これらの試験からは血清Ca、P、及びPTHのようなすべての他のパラメータも採取して対照として用いたが、その数値は、上記のものと同様であった。Vida−11は、Vida−5よりずっと高カルシウム血症性であるので、LVHを低下させることに対するVida−11の効果が高カルシウム血症によって一部損なわれたいう可能性がある。
【0478】
[0349]
図17は、Vida−10が、LVW/BWを低下させることに用量依存性の効果をもたらしたことを示す。Vida−10は、0.16及び0.64μg/kgで、血清Caに対して影響を及ぼさなかったが、LVW/BWを有意に低下させた。この試験では、Vida−5(0.04g/kg)にロサルタン(0.025mg/ml、飲料水中)を加えて、Vida−5(0.04g/kg)単独と比較したが、その結果は、Vida−5が0.04g/kgで、ロサルタン(アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト)の追加有り又は追加無しで、LVW/BWを完全に正常化することを示した。
【0479】
[0350]
図18A、18B、18C、及び18Dは、NX−ビヒクル処置動物では、心筋細胞の形態によって実証されるように、心筋細胞が顕著に肥大傾向であったことを示す。Vida−5は、0.01μg/kgで心筋細胞の形態を改善して、Vida−5は、0.16μg/kgで、心筋細胞の形態をほとんどシャムレベルへ戻すまでに回復させた。これらの結果は、Vida−5での処置がNX尿毒症ラットの左心室肥大状態を改善するというLVW/BW及びLVW/HWの結果を追認するものである。
【0480】
[0351] 左心室の切片をFITC標識化コムギ胚芽アグルチニンで染色して心筋細胞の直径を決定して、その結果を
図19に示す。Vida−5は、0.01〜0.64μg/kgの用量で、心筋細胞の直径を有意に低下させた。
【0481】
実施例89
[0352] 本実施例は、式(I)の化合物又はその塩を含む、5/6腎摘出尿毒症ラットにおけるタンパク尿の処置について説明する。
【0482】
[0353] 5/6(亜全摘)腎摘出ラットを使用する実験条件は、上記の通りであった。尿タンパク排出は、2つの時点(初回投薬前24時間と最終投薬後24時間)の24時間の時間にわたる代謝ケージでの尿回収によって定量した。各動物を代謝ケージに入れて、24時間の尿を回収した。ビューレット法(Morozova and Baryshnikova, 1991, Lab Delo 2: 23-5)によって、尿タンパク濃度を定量した。尿タンパク濃度と24時間の間に産生された総尿量とを掛けることによって、1日あたりの総タンパク排出量を計算した。
【0483】
[0354] 群平均±SEMを提示する。t検定を使用して、処置の前と後の差を評価した。片側ANOVAに続くダンネット事後検定を使用して、シャム、ビヒクル、及び処置動物の間の差を評価した。
【0484】
[0355]
図20A及び20Bは、タンパク濃度(mg/ml)と1日あたりの総タンパク排出量がNXビヒクル群で有意に上昇したことを示す。Vida−5とVida−11は、試験した用量で、処置前と処置後を比較するとき、タンパク尿を有意に低下させた。この結果は、式(I)の化合物がタンパク尿の治療に有用であることを示す。加えて、Vida−5とVida−11は、異なる血清Caプロファイルを明示するので、この結果はまた、タンパク尿を改善することに対する化合物の効果が血清Caに対するその効果とは無関係であることを示す。
【0485】
実施例90
[0356] 本実施例は、式(I)の化合物又はその塩を含む、ヒト平滑筋細胞中のトロンボスポンジン−1及びトロンボモジュリン等の血栓症マーカーの調節について説明する。
【0486】
[0357] ヒト冠動脈平滑筋細胞(HCASM)をVida−5又はVida−11と様々な濃度で48時間インキュベートしてから、50μlのSDS−PAGE試料緩衝液に可溶化させた。ビシンコニン酸タンパクアッセイによって、各試料中のタンパク含量を定量した。4〜12%のNuPAGEゲルを用いたSDS−PAGEによって試料を分離させて、ウェスタンブロッティングのためにタンパク質をフッ化ポリビニリデン膜へ電気泳動で移した。この膜をリン酸緩衝化生理食塩水−Tween20(PBS−T)中5%無脂肪ドライミルクを用いて、25℃で1時間処理してから、PBS−T中のマウス抗トロンボスポンジン−1モノクローナル抗体(2,000倍希釈)又はマウス抗TMモノクローナル抗体(2,000倍希釈)とともに4℃で一晩インキュベートした。
【0487】
[0358] この膜をPBS−Tで洗浄して、西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗マウス抗体とともに25℃で1時間インキュベートした。次いで、この膜をアマーシャムのECLプラスウェスタンブロッティング検出試薬とともにインキュベートした。Alpha Innotech 造影システムの Multiimage II によって特異的なバンドを可視化した。Spot Denso を使用して、バンド強度を定量化した。
【0488】
[0359] トロンボスポンジン−1(THBS1)は、細胞対細胞の相互作用及び細胞対マトリックスの相互作用を媒介する接着性の糖タンパク質である。THBS1は、フィブリノゲン、フィブロネクチン、ラミニン、V型コラーゲン、及びインテグリンα−V/β−1へ結合することができて、血小板凝集、血管新生、及び腫瘍形成において種々の役割を担うことが示されている。損傷血管やステント誘発性の新生内膜では、血管壁におけるTHBS1発現が有意に増加している(Sajid et al., 2001, J. Investig. Med. 49: 398-406; Zohlnhofer et al., 2001, Circulation 103: 1396-1402)。トロンボモジュリン(TM)は、トロンビンの細胞表面受容体として機能している単量体の膜貫通タンパク質である。トロンビンがTMへ結合すると、コンホメーション変化を受けて、基質特異性が変化し、プロテインCを活性化する。正常な状況下では、血栓症に関与する、THBS1及びTMのような上記因子の多くは、専ら内皮細胞上に局在している。しかしながら、血管損傷は、しばしば、これら因子の発現パターンの変化をもたらす。例えば、ヒトとマウスの両方のアテローム硬化性の血管では、内皮細胞においてTMの発現が顕著に減少していることが示されて、進行性アテローム動脈硬化症のような病理学的状態の下では、SMCがTMの主な供給源になり得ることが示されている(Yoshii et al., 2003, Med. Electron. Microsc. 36: 165-172; Tohda et al., 1998, Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol. 18: 1861-1869)。
【0489】
[0360]
図21Aは、Vida−5とVida−21によって、トロンボスポンジン−1タンパク質が平滑筋細胞中で有意に低下したことを示す。
図21Bは、Vida−5とVida−21によって、トロンボモジュリンタンパク質が平滑筋細胞中で増加したことを示す。
【0490】
[0361] 本明細書に引用される刊行物、特許出願、及び特許を含めて、すべての参考文献は、各参考文献が参照により組み込まれると個別にかつ具体的に示されるのと同程度で、また、その全体が本明細書で説明されるのと同程度で、参照により本明細書に組み込まれる。
【0491】
[0362] 本発明について記載する文脈における(特に、以下の特許請求の範囲の文脈における)、不定冠詞「a」及び「an」及び定冠詞「the」の用語と同様の指示語の使用は、本明細書において他に示さなければ、又は文脈によって明らかに矛盾していなければ、単数と複数の両方が含まれると解釈されたい。「〜を含んでなる(comprising)」、「〜を有する(having)」、「〜が含まれる(including)」、及び「〜を含有する(containing)」という用語は、他に示さなければ、制限のない用語として解釈されたい(即ち、「〜が含まれるが、〜に限定されない」ことを意味する)。本明細書の数値の範囲の列挙は、本明細書において他に示さなければ、その範囲に該当するそれぞれ別々の値を個別に言及することの簡略法として役立つことを単に企図して、それぞれ別々の値は、本明細書に個別に引用されるかのように、本明細書へ組み込まれる。本明細書に記載されるすべての方法は、本明細書で他に示さなければ、又は文脈により他の点で明らかに矛盾しなければ、任意の好適な順序で実施することもできる。本明細書に提供するありとあらゆる実施例、又は例示の言語(例えば、「〜等/〜のような(such as)」)の使用は、本発明をより明らかにすることを単に企図するのであって、特許請求の範囲に記載されなければ、本発明の範囲に制限を設けるものではない。明細書中のどの言語も、本発明の実施に必須なものとして、特許請求の範囲に記載されないエレメントを示すと解釈してはならない。
【0492】
[0363] 本明細書には、本発明を行うのに本発明者に知られた最良の形式を含めて、本発明の好ましい態様が記載されている。当業者には、上述の記載を読めば、この好ましい態様の変形形態が明らかになるかもしれない。本発明者は、当業者がそのような変形形態を適正なものとして利用することを期待して、本発明者は、本明細書に具体的に記載したのとは別の方法で本発明が実施されると考える。従って、本発明には、準拠法によって許容されるように、添付の特許請求の範囲において引用される主題のすべての変更形態及び均等物が含まれる。さらに、本発明には、本明細書で他に示さなければ、又は文脈により他の点で明らかに矛盾しなければ、上記のエレメントのあらゆる組合せが、そのすべての可能な変形形態において含まれる。