特許第5665870号(P5665870)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5665870
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】ZnO系バリスタ組成物
(51)【国際特許分類】
   H01C 7/10 20060101AFI20150115BHJP
【FI】
   H01C7/10
【請求項の数】5
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2012-526658(P2012-526658)
(86)(22)【出願日】2010年8月26日
(65)【公表番号】特表2013-503474(P2013-503474A)
(43)【公表日】2013年1月31日
(86)【国際出願番号】KR2010005747
(87)【国際公開番号】WO2011025283
(87)【国際公開日】20110303
【審査請求日】2012年3月28日
(31)【優先権主張番号】10-2009-0079746
(32)【優先日】2009年8月27日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2009-0129211
(32)【優先日】2009年12月22日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】506321528
【氏名又は名称】アモテック・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホン ヨンウ
(72)【発明者】
【氏名】シン ヒョスン
(72)【発明者】
【氏名】ヨ ドンフン
(72)【発明者】
【氏名】ノ サンソブ
(72)【発明者】
【氏名】ホン キョンピョ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ジュンファン
【審査官】 ▲吉▼澤 雅博
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第94/009499(WO,A1)
【文献】 特開2009−021301(JP,A)
【文献】 特開平07−201532(JP,A)
【文献】 特開2007−099532(JP,A)
【文献】 特開昭63−016601(JP,A)
【文献】 特開昭60−107802(JP,A)
【文献】 特開昭59−082704(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 35/00−35/22
C04B 35/447−35/457
C04B 35/547−35/553
C04B 35/622
C04B 35/626−35/632
H01C 7/02−7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Bi、SbおよびPr11を含有せず、組成物に含まれる総金属原子を基準としてZn35〜96.485at%、Ca0.2〜30at%、Co0.2〜5at%、Cr0.05〜3at%、La0.05〜3at%およびMg3〜30at%を含み、Siが添加されていないことを特徴とする、ZnO系バリスタ組成物。
【請求項2】
組成物に含まれる総金属原子を基準としてAl0.005〜0.01at%をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のZnO系バリスタ組成物。
【請求項3】
Zrが組成物に含まれる総金属原子を基準として0.01〜0.1at%でさらに添加されることを特徴とする、請求項1に記載のZnO系バリスタ組成物。
【請求項4】
ZnはZnOが添加され、CaはCaCO及びCaOの中から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせが添加され、MgはMgO及びMgCOの中から選ばれる1種または2種以上の組み合わせが添加され、CrはCrが添加され、LaはLaが添加されることを特徴とする、請求項1に記載のZnO系バリスタ組成物。
【請求項5】
請求項1のバリスタ組成物から製造されることを特徴とする、ZnO系バリスタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バリスタ組成物に係り、特に、酸化亜鉛(ZnO)を主成分として含むZnO系バリスタ組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
バリスタの材料組成系のうち、ZnO−Bi系材料またはZnO−Pr系材料から形成されたZnO系バリスタは、SiC系バリスタ又はSrTiO系バリスタに比べて電圧非線形性に優れ且つサージ(serge)電流耐量が良好であるため、サージ電流から電子機器を保護する能力に優れてサージ防護素子の材料として多用されている。
【0003】
前記ZnO−Bi系バリスタは、Bi、Sb、Mn、Co、Ni、Cr、ガラスフリット(glass frit)、Al、Kなどの成分から構成される。ところが、前記Bi成分はESD(Electro-Static Discharge)耐性が弱いため、これを含むZnO−Bi系バリスタもESD特性が良くないという欠点を持つ。また、前記Sb成分は発癌物質として分類されて濃度が規制されているため、これを含むZnO−Bi系バリスタも製造が不自由であるという欠点を持つ。また、ZnO−Pr系バリスタは、電圧非線形性は良好であるが、ZnO−Bi系バリスタに比べて漏れ電流が大きいという欠点があり、貴金属系列の原料であるPr系成分を含んでおり高温焼結(1200℃以上)が要求され、高価の成分(Pdなど)を多量使用するので製造コストが高いという欠点がある。
【0004】
一方、最近、電子機器の軽薄短小化及び高機能化に伴う電子部品の表面実装化(SMD、Surface-Mount Device)及び小型化によって高密度実装が急速に行われている。SMD化した電子製品において、回路の信号速度は数百MHz〜数GHzなので、このような速い信号速度では信号遅延を防止するためにバリスタの静電容量を相当低めなければならず、必要に応じては1pF以下に低める必要性もある。
【0005】
ZnO型バリスタの場合、数百に至る高い比誘電率を持つので、小さい静電容量を有するためには電極面積を相当減少させなければならない。ところが、小さい静電容量を有するように電極面積を減少させると、サージ抵抗が減少する結果をもたらし、バリスタ製造工程も相当複雑になる。よって、低誘電率を持つZnO型バリスタ組成物の必要性が台頭している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来の技術の上述した問題を解決するためのもので、その目的は、バリスタのESD(Electro-Static Discharge)特性に否定的な影響を及ぼすBi、環境規制成分としてのSbおよび高温焼結が要求されて製造コストの上昇を引き起こすPr系成分を代替する新規成分から構成され、バリスタに要求される非線形性などの全般的な物性に優れるうえ、特に小さい静電容量を有しながら低いクランプ(clamping)電圧を確保することが可能なバリスタ組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、Bi、SbおよびPr11を含有せず、Ca、Co、Cr及びLaを含み、Mgを選択的に含むことを特徴とする、ZnO系バリスタ組成物を提供する。
【0008】
前記ZnO系バリスタ組成物は、組成物に含まれる総金属原子を基準として、Zn35〜98at%、Ca0.2〜30at%、Mg0〜30at%、Co0.2〜5at%、Cr0.05〜3at%及びLa0.05〜3at%を含むことができる。
【0009】
また、本発明は、前記のバリスタ組成物から製造されたZnO系バリスタを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のバリスタ組成物は、バリスタに要求される物性、例えば非線形係数、クランプ電圧比、サージ吸収能などに優れるうえ、特にBiを含まないため優れたESD特性を提供する。また、環境規制成分としてのSbを含まないため、優れた作業安全性を提供し、高温焼結が要求されて製造コストの上昇を引き起こすPr系成分を含まないため、バリスタの製造コストを低めることができる。特に、本発明のバリスタ組成物は、小さい静電容量を有しながら低いクランプ電圧を有することができるため、信号速度が数百MHz〜数GHzの電子製品においても信号遅延を引き起こさないバリスタを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施例1〜4で製造されたZnO系バリスタの特性を評価したグラフを示す。
図2】実施例1及び2で製造されたZnO系バリスタのSEMイメージである。
図3】本発明の実施例10〜14で製造されたZnO系バリスタの特性を評価したグラフを示す。
図4】本発明の実施例15〜19で製造されたZnO系バリスタの特性を評価したグラフを示す。
図5】本発明の実施例20〜24で製造されたZnO系バリスタの特性を評価したグラフを示す。
図6】本発明の実施例25〜29で製造されたZnO系バリスタの特性を評価したグラフを示す。
図7】本発明の実施例25、37〜39及び41で製造されたZnO系バリスタのI−Vカーブを示す。
図8】本発明の実施例35〜41で製造されたZnO系バリスタのIZI(Ω)−Freq.グラフを示す。
図9】本発明の実施例44及び47〜51で製造されたZnO系バリスタのI−Vカーブを示す。
図10】本発明の実施例44及び47〜51で製造されたZnO系バリスタのIZI(Ω)−Freq.グラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、Bi、Sb及びPr11を含有せず、Ca、Co、Cr及びLaを含み、Mgを選択的に含むことを特徴とする、ZnO系バリスタ組成物に関するものである。
【0013】
前記ZnO系バリスタ組成物は、組成物に含まれる総金属原子を基準として、Zn35〜98at%、Ca0.2〜30at%、Mg0〜30at%、Co0.2〜5at%、Cr0.05〜3at%及びLa0.05〜3at%を含むことができる。
【0014】
前記ZnO系バリスタ組成物の構成成分のうち、Mgは選択的に含まれる。よって、前記Mgの組成比において、「0」はMgが含まれない場合を意味する。
【0015】
前記ZnO系バリスタ組成物において、Caが0.2〜30at%で含まれる場合、バリスタ組成物に要求される全般的な物性に優秀になり、特に優れた非線形性を示す組成物を得ることができる。また、小さい静電容量を有しながら低いクランプ電圧を有する組成物を得ることも可能となる。
【0016】
Caの添加形態であるCaCOおよび/またはCaCOは、ZnOとの反応物を生成せず、粒内に捕獲されるか粒界に大部分分布する。Caが粒界に分布する場合、非線形性を改善する成分としてのCoOx、CrOx、LaOxによって誘導される界面状態密度が粒界に効果的に形成されることにより、非線形性が大きく改善される。
【0017】
前記においてCaが0.2at%未満で含まれると、Ca添加効果を得ることができず、Caが30at%を超過すると、相対的にZnの含量が減少して組成物の焼結がよく行われないので焼結密度が低下し、バリスタの全体的な物性も低下する場合がある。
【0018】
前記ZnO系バリスタ組成物にMgが含まれる場合、バリスタ組成物に要求される全般的な物性が優秀になり、特に、小さい静電容量を有しながらも低いクランプ電圧を持つ組成物を得ることができる。
【0019】
Mgの添加形態であるMgO及び/又はMgCOは自体誘電率が9.8と8.1であって、ZnOと固溶体(solid solution)を形成しながら添加量に応じて効果的に誘電率を低めるうえ、非線形性は低下させない機能を発揮する。
【0020】
ところが、Mgが30at%を超過すると、相対的にZnの含量が減少して組成物の焼結がよく行われず、焼結密度が低下し、バリスタの物性も低下する場合がある。
【0021】
前記ZnO系バリスタ組成物において、Coが0.2〜5at%で含まれる場合、非線形性に優れた組成物が得られる。前記において、Coが0.2at%未満で含まれると、Co添加効果を得ることができず、5at%を超過すると、漏れ電流の増加、非線形性の低下及びZnO自体の比抵抗の増加が招来されてバリスタ特性が悪くなる場合がある。
【0022】
前記ZnO系バリスタの組成物において、Crが0.05〜3at%で含まれる場合、比抵抗の観点で優れた組成物が得られる。前記においてCrが0.05at%未満で含まれると、Cr添加効果を得ることができず、3at%超過で含まれると、非線形性の低下および漏れ電流の増加が招来されるおそれがある。
【0023】
前記ZnO系バリスタ組成物において、Laが0.05〜3at%で含まれる場合、比抵抗の観点で優れた組成物が得られる。前記においてLaが0.05at%未満で含まれると、La添加効果を得ることができず、3at%を超過すると、非線形性が低下し、漏れ電流が増加するという問題が発生しうる。
【0024】
前記ZnO系バリスタ組成物は、組成物に含まれる総金属原子を基準として、Zn89〜98at%、Ca0.2〜10at%、Co0.2〜5at%、Cr0.05〜3at%、及びLa0.05〜3at%を含むことができる。この場合、Mgは0〜10.5at%で含まれ得る。前記において、Zn、Ca、Co、Cr及びLaはそれぞれZn92〜98at%、Ca0.2〜4at%、Co0.2〜2.5at%、Cr0.05〜1at%及びLa0.05〜0.5at%で含まれることがさらに好ましい。前述したような組成物を持つバリスタ組成物は、特に非線形特性とクランピング(clamping)特性を大きく向上させることができるので、高性能ZnOバリスタの製造に好ましく使用できる。
【0025】
前記ZnO系バリスタ組成物は、組成物に含まれる総金属原子を基準として、Zn35〜98at%、Ca0.2〜30at%、Mg1〜30at%、Co0.2〜5at%、Cr0.05〜3at%及びLa0.05〜3at%を含むことができる。さらに好ましくは、Zn45〜97at%、Ca0.2〜30at%、Mg1〜30at%、Co0.2〜2.5at%、Cr0.05〜1at%及びLa0.05〜0.5at%を含むことができる。前述したような組成物は、特に小さい静電容量を有しながら低いクランプ電圧を有するバリスタの製造に好ましく使用できる。
【0026】
本発明のZnO系バリスタ組成物は、組成物の全体原子量を基準としてAl0.005〜0.2at%をさらに含むことができる。
【0027】
また、本発明のZnO系バリスタ組成物は、前記成分の他に、組成物に含まれる総金属原子を基準として他の金属原子を0.01〜30at%の範囲でさらに含むことができる。前記他の金属原子としてはMn、Zr、Li、Na、K、Gaなどを挙げることができ、これらは1種単独で或いは2種以上が共に含まれ得る。
【0028】
本発明のZnO系バリスタ組成物に、ZnとしてZnOが添加され、CaとしてはCaCO、CaOなどよりなる群から選ばれる1種または2種以上の組み合わせが添加でき、MgとしてはMgO及びMgCOの中から選ばれる1種または2種以上の組み合わせが添加でき、CoとしてはCo、CoOなどよりなる群から選ばれる1種または2種以上の組み合わせが添加でき、CrとしてはCrなどよりなる群から選ばれるいずれかが添加でき、LaはLaなどよりなる群から選ばれるいずれかが添加できる。
【0029】
本発明は、前記バリスタ組成物から製造されたZnO系バリスタを提供し、前記ZnO系バリスタを含むことを特徴とする電気素子も提供する。
【0030】
本発明のZnO系バリスタ組成物を用いて製造されるZnO系バリスタは、Bi、SbおよびPr11を含まず、組成物に含まれる総金属原子を基準として、Zn35〜98at%、Ca0.2〜30at%、Mg0〜30at%、Co0.2〜5at%、Cr0.05〜3at%及びLa0.05〜3at%を含むZnO系バリスタ組成物を粉砕、および、か焼(calcination)して、か焼粉末を製造する段階と、前記か焼粉末にバインダーを入れて成形した後、焼結する段階と、前記焼結体に電極を塗布し、パッケージ処理を施す段階とを含んで製造できる。前記製造方法は、新規な組成を使用すること以外は、当該分野における公知の方法を採用して実施することができる。
【実施例】
【0031】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明する。ところが、下記の実施例は、本発明をさらに具体的に説明するためのもので、本発明の範囲を限定するものではない。下記の実施例は本発明の範囲内において当業者によって適切に修正、変更できる。
【0032】
(実施例1:積層型バリスタの製造)
主成分としてのZnO粉末93.7843g(Zn96.6at%)、CaCO4.7022g(Ca2.0at%)、Co0.9487g(Co1.0at%)、Cr0.1796g(Cr0.2at%)およびLa0.3851g(La0.2at%)を秤量し、前記秤量物を、前記秤量物の重量の3倍に相当するイオン交換水と共に部分安定化ジルコニア(PSZ)が含まれたボールミルに投入して混合し、粉砕した。その後、脱水、乾燥処理を行って造粒粉を製造し、得られた造粒粉を大気中で700℃の温度で2時間、か焼処理し、充分に粉砕して、か焼粉末を製造した。
【0033】
次いで、か焼粉末に有機バインダーとしてBM2(SEKISUI社製)およびBM−SZ(SEKISUI社製)、有機可塑剤としてジオクチルフタレート(DOP)、有機溶剤としてトルエンおよびエタノールを所定量添加し、湿式粉砕してセラミックシート形成用スラリーを製造した。
【0034】
その後、ドクターブレード法を用いて、このスラリーをPETフィルム(ポリエチレンテレフタレート)上に厚さ約25μmのシート状に形成した後、所定の寸法に切断して多数のセラミックシートを形成した。
【0035】
続いて、Pdペーストを前記セラミックシートの表面にスクリーン印刷し、各セラミックシートの一端面から延伸し、他端はセラミックシート上に位置するように長方形に電極パターンを形成した。このように電極パターンが形成されたセラミックシートを積層し、これら積層されたセラミックシートを、電極パターンが形成されていないセラミックシート(保護層)に挿入し、圧着することにより、積層体を形成した。
【0036】
前記得られた積層体を縦1.6mm、横0.8mmに切断してZr匣鉢(Saggar)に収容し、空気中で400℃の温度で脱バインダー処理を施した後、空気中で1200℃の温度で3時間焼成してセラミック焼結体を製作した。その後、Agペーストを用意し、Agペーストをセラミック焼結体の両端に塗布した後、800℃の温度で焼付処理し、外部電極を形成して積層型バリスタを製作した。
【0037】
前記の方法で製作されたバリスタ素子のバリスタ電圧V1mA、非直線指数αおよび電気的誘電損失係数tanδなどを測定した。結果を図1に示す。前記で製造されたセラミックシートのSEMイメージを図2に示す。
【0038】
図1から確認されるように、本発明のバリスタ組成物は、非線形性に優れるうえ、バリスタ電圧が高く、誘電損失係数も適正の値を示して優れた特性を示した。特に、Caが2.0at%で含まれる場合、非線形係数が100と非常に高い値を示した。
【0039】
(実施例2〜4:積層型バリスタの製造)
パウダー組成を下記表1のように変更したこと以外は、前記実施例1と同様にして積層型バリスタを製作した。
【0040】
【表1】
【0041】
前記の方法で製作されたバリスタ素子のバリスタ電圧V1mA、非直線指数αおよび電気的誘電損失係数tanδなどを測定した。結果を図1に示す。前記で製造されたセラミックシートのSEMイメージを図2に示す。
【0042】
(実施例5〜9:積層型バリスタの製造)
パウダー組成を下記表2のように変更したこと以外は、前記実施例1と同様にして積層型バリスタを製作した。
【0043】
【表2】
【0044】
前記の方法で製作されたバリスタ素子のバリスタ電圧V1mAや非直線指数α、漏れ電流、密度などを測定した。結果を下記表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】
前記表3から確認されるように、本発明のバリスタ組成物は、非線形性に優れるうえ、バリスタ電圧が高く、漏れ電流も低い値を示し、密度も高くて優れた特性を示した。
【0047】
(実施例10〜14:積層型バリスタの製造)
パウダー組成を下記表4のように変更したこと以外は、前記実施例1と同様にして積層型バリスタを製作した。
【0048】
【表4】
【0049】
前記の方法で製作されたバリスタ素子のバリスタ電圧V1mA、非直線指数α、電気的誘電損失係数tanδ、比抵抗などを測定した。結果を図3に示す。図3から確認されるように、本発明のバリスタ組成物は、非線形性に優れるうえ、誘電損失係数および比抵抗値も適正の値を示して優れた特性を示した。
【0050】
(実施例15〜19:積層型バリスタの製造)
パウダー組成を下記表5のように変更したこと以外は、前記実施例1と同様にして積層型バリスタを製作した。
【0051】
【表5】
【0052】
前記の方法で製作されたバリスタ素子のバリスタ電圧V1mA、非直線指数α、電気的誘電損失係数tanδ、比抵抗などを測定した。結果を図4に示す。図4から確認されるように、本発明のバリスタ組成物は、非線形性、誘電損失係数および比抵抗値などにおいて好ましい値を示した。
【0053】
(実施例20〜24:積層型バリスタの製造)
パウダー組成を下記表6のように変更したこと以外は、前記実施例1と同様にして積層型バリスタを製作した。
【0054】
【表6】
【0055】
前記の方法で製作されたバリスタ素子のバリスタ電圧V1mA、非直線指数α、電気的誘電損失係数tanδ、比抵抗などを測定した。結果を図5に示す。図5から確認されるように、本発明のバリスタ組成物は、Alが少量で含有されたときにも、非線形性、漏れ電流および比抵抗などにおいて好ましい値を示した。
【0056】
(実施例25〜29:積層型バリスタの製造)
パウダー組成を下記表7のように変更したこと以外は、前記実施例1と同様にして積層型バリスタを製作した。
【0057】
【表7】
【0058】
前記の方法で製造されたバリスタ素子のバリスタ電圧V1mA、非直線指数α、電気的誘電損失係数tanδ、比抵抗などを測定した。結果を図6に示す。図6から確認されるように、本発明のバリスタ組成物は、Zrが少量で含有されたときにも、非線形性、漏れ電流および比抵抗などにおいて好ましい値を示した。
【0059】
(実施例30〜34:積層型バリスタの製造)
焼結温度と焼結時間を下記表8のように変更したこと以外は、前記実施例1と同様にして積層型バリスタを製作した。
【0060】
【表8】
【0061】
前記表8から確認されるように、本発明のバリスタ組成物は、1200℃で3時間焼結する場合に密度、電圧、非線形性および漏れ電流の観点で最も好ましい特性を示した。
【0062】
(実施例35〜51:積層型バリスタの製造)
パウダー組成を下記表9のように変更し、製造されたスラリーをPETフィルム(ポリエチレンテレフタレート)上に厚さ約33μmのシート状に形成したこと以外は、前記実施例1と同様にして積層型バリスタを製作した。
【0063】
【表9】
【0064】
前記の方法で製作されたバリスタ素子の相対密度、バリスタ電圧V1mA、漏れ電流IL、非線形指数α、誘電率ε、ZnOの比抵抗ρを測定した。結果を下記表10に示す。
【0065】
【表10】
【0066】
前記表10から確認されるように、本発明のバリスタ組成物から製造されたバリスタは、密度が高く、バリスタ電圧も高く、漏れ電流が小さく、比抵抗も適正の値を示すことを確認した。特に、非線形性に優れる(図7参照)うえ、組成によって非常に低い誘電率を持つので、電極の面積に拘ることなく小さい静電容量を有するバリスタを製造することができることを確認した。
【0067】
本発明において、バリスタの高電流特性とクランプ電圧特性を向上させ得る度合いを見計らうことが可能な方法としては、ZnO粒子の比抵抗を測定する方法を挙げることができる。図8及び図10にはRF impedance/Material Analyzer(Agilent E4991A)を用いて1MHz〜3GHzの範囲でIZIを測定して示した。前記グラフにおいて、IZIの最低値がZnO粒子の抵抗を示し、この値が低いほど優れた特性を示す。図8及び図10に示すように、本発明におけるZnO粒子の比抵抗は全体的に優れた特性を示した。
【0068】
(実施例52:積層型バリスタの製造)
パウダー組成を下記表11のように変更し、製造されたスラリーをPETフィルム(ポリエチレンテレフタレート)上に厚さ約20μmのシート状に形成し、焼結温度を1180℃にしたこと以外は、前記実施例1と同様にして積層型バリスタを製作した。
【0069】
【表11】
【0070】
前記で製造されたバリスタの電気的特性及びESD特性を通常の方法で評価した。その結果を下記表12及び表13に示す。
【0071】
【表12】
【0072】
【表13】
【0073】
前記試験結果より、本発明のバリスタ組成物は、既存のBi系組成に比べて電気的特性及びESD耐性に優れるうえ、EDS印加後の変化率が3%以下と安定的であることを確認することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10