【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1による装置を通じて達成される。
【0009】
具体的には、目的は、加熱室内に挿入されてその内部で移動することが可能なように設計されている、スクレーパフレームと、スクレーパフレームまたは装置が移動するときに、スクレーパ要素によって、残留物が加熱室の少なくとも側壁および/または天井において除去され得るようにスクレーパフレーム上に配置された、少なくとも1つのスクレーパ要素とを含む、炉の、特に焼結炉の加熱室または充填室の残留物を除去するための装置を通じて、達成される。
【0010】
本発明の本質的な態様は、焼結すべき製品、すなわち実際の充填物と同様に、装置(スクレーパ)は、装置が多額の費用をかけずに加熱室内を押し進められることが可能なように、移動可能であることからなる。これは個別の経路において行われるが、しかし場合により、焼結プロセスまたはそのような処理の間、充填物と一緒であってもよい。
【0011】
スクレーパ要素を備える装置(すなわちスクレーパ)は、処理されるべき加熱室表面に沿ってスクレーパ要素が通過するという点において、望ましくない堆積物を確実に除去する。このため、困難で時間のかかる洗浄手順は回避され得る。装置によって、必要なクリアランスゾーンは定期的に一掃され、結果的に炉内を通る充填物のスムーズな搬送となる。さらに、装置は、加熱室内の雰囲気を浄化するための物質で満たされることが可能である。このため、黒鉛フェルト廃棄物は炉内に導入される可能性があり、二酸化ケイ素に含まれる酸素を結合および変換して、一酸化炭素(CO)を形成する。
【0012】
第一の好適な実施形態においてスクレーパフレームは、炉の運搬要素による装置の運搬のために押し板上に取り付けられることが可能なように設計されており、したがって加熱室内において移動可能である。押し板は好ましくは、炉内を通じて充填物を押し進めるために使用されるものに対応する。このため、炉の運搬手段も装置上で使用されることが可能であり、洗浄費用が最低限に抑えられる。通例、運搬手段として案内路が設けられる。
【0013】
別の好適な実施形態において、スクレーパフレームは、2つの側壁要素、後壁要素、および上部要素を含む、箱要素として設計される。従来の充填物の搬送にも使用される上述の押し板は、ここではスクレーパフレームの床要素の役割を果たす。スクレーパフレームの寸法は好ましくは、押し板の寸法にほぼ対応するように選択される。こうして、一種の「灰器」が提供される。
【0014】
原理的には、当然ながら、自身の床要素を備える箱要素を設計し、その後配置全体を押し板上に取り付けることも、可能である。
【0015】
箱要素は、箱要素の使用時に提供される前側に、箱要素の内部に残留物を取り込むための開口部を有しており、この開口部は好ましくは前側全体にわたって延在する。言い換えると、箱要素は好ましくは、掻き落とされた残留物が箱要素内に落ちることが可能なように、その前側が開口している。
【0016】
一実施形態は、加熱室の側壁および/または天井の方向にこれを超えて突き出している、箱要素の前側のスクレーパ要素が、少なくとも1つの側壁要素および/または上部要素上に配置される(簡単に言うと:スクレーパ要素が外向きに突き出している)ことを、規定する。ここで、「前側」という用語は、押し方向における前方側を意味する。そこに配置されたスクレーパ要素はこうして、単純なやり方で加熱室の内壁と接触させられることが可能である。
【0017】
スクレーパ要素は、加熱室または充填室の内壁の方向に、スクレーパフレームを超えて、または箱要素を超えて(すなわちその断面を超えて)、好ましくはおよそ5mmだけ突き出している。言い換えると、スクレーパ要素を有する装置の領域は、加熱室の内壁の方向に湾曲しているか、または領域が側壁要素または上部要素に対してこの方向にずれている。
【0018】
堆積物におけるスクレーパ要素の確実な係合を保証するために、スクレーパ要素は、たとえば側壁要素および/または上部要素を超えて、好ましくは0°から20°の角度で、特に好ましくは5°から15°の角度で、このように突き出している。このため、箱要素自体は、炉の壁と接触して歪曲することが防止されている。
【0019】
好ましくは、スクレーパ要素は、側壁要素および/または上部要素の前面の
斜面として設計され、
斜面は、開口部の開口断面が拡大されるように続いている。
斜面は、たとえば、スクレーパ要素が配置される側壁要素または上部要素に対して、5°から50°の角度、好ましくは30°または45°の角度を有する。
【0020】
本発明によれば、スクレーパ要素は好ましくは、側壁要素および/または上部要素上の切刃としてその全長にわたって延在することが、規定される。このため、壁の比較的大きい領域が対象となり得る。
【0021】
炉の壁が1つの経路において可能な限り完璧に望ましくない堆積物を含まないようにするために、スクレーパ要素または切刃は、いずれの場合も各側壁要素上および上部要素上に有利に配置される。
【0022】
装置の特に単純な製造方法のため、スクレーパ要素は、側壁要素および/または上部要素と一体に形成され、好ましくはスクレーパフレームまたは箱要素と同じ材料で作られる。
【0023】
あるいは、箱要素上に実装可能な独立した部品としてスクレーパ要素を提供することも、可能である。スクレーパ要素はこのように、交換可能であって、様々な材料を用いて提供されることが可能である。
【0024】
一実施形態において、箱要素の安定のため、側壁要素の間に、これらに対して実質的に平行に、
仕切要素が配置される。箱要素はこのように、たとえば2つの部屋に分割される。箱要素の寸法に応じて、複数の安定壁が設けられてもよい。
【0025】
側壁要素は、少なくとも箱要素の前側で、押し板から上部要素に向かう方向にテーパ状となるように設計されることが可能である。言い換えると、上部要素は、押し板を部分的にのみ覆う(後退する)。このように設計された箱要素の開口部は、掻き取られた残留物が箱要素内の床要素(押し板)上に落ちる際の、取り込みを可能にする。
【0026】
箱要素の内容物排出を容易にするために、一実施形態において、少なくとも1つの引き出し要素が、開口部を通じて箱要素内に挿入されることが可能である。引き出し要素はその後、押し板上に収まり、こうして残留物の箱要素内への取り込みを可能にする。箱要素からの残留物の除去のため、引き出し要素は好ましくは、スクレーパフレームまたは箱要素から完全に取り出され、空にされることが可能である。
【0027】
箱要素が
仕切要素を備えて構成されている場合、引き出し要素は、いずれの場合も側壁と
仕切要素との間に配置されることが可能である。複数の
仕切要素については、複数の引き出し要素が相応に提供される。
【0028】
上部要素もまた上側に、残留物の箱要素内への取り込みのため、少なくとも1つの開口部を有することができる。洗浄プロセスの間に装置上に落下する堆積物粒子はこのように、箱要素内に直接取り込まれることが可能である。
【0029】
好ましくは、箱要素の個別の要素、すなわち側壁要素、後壁要素、上部要素、および
仕切要素は、ボルト、リベット、もしくは差し込み接続によって、または接着もしくは溶接接続などによって、互いに接続される。箱要素自体もその後同様に、これらの接続タイプのうちの1つによって、押し板上に取り付けられることが可能である。これにより、装置の高い安定性を保証する。
【0030】
好ましくは、箱要素は、その外部形状において少なくとも部分的に加熱室の内部形状と実質的に対応するように、設計される。箱要素はこのように、実質的に立方体の形状で、通常充填物よりも幾分大きい寸法で、設計されることが可能である。1つまたは複数のスクレーパ要素は、加熱室の内壁まで正確に案内されることが可能である。
【0031】
あるいは、箱要素は、前側から後壁要素に向かう方向にテーパ状となって、すなわち漏斗または台形の形状で、設計されることが可能である。この構成を用いて、スクレーパフレーム自体の歪曲が、確実に防止されることが可能である。
【0032】
押し板は、箱要素の反対側に向いている下側に、炉の運搬要素の案内要素上に装置を載置するための溝を有する。装置は充填物のように炉内を案内されるように意図されているので、このために炉内に配置された運搬要素、すなわち、たとえば案内路またはコンベヤベルトが、使用されることが可能である。運搬要素上の装置の適切な位置決めは、溝に係合する案内要素によって実現される。
【0033】
有利なことに、箱要素およびスクレーパ要素は黒鉛で作られている。スクレーパ要素が独立した部品として提供される場合には、これは異なる材料(たとえば、黒鉛よりも硬い材料)で作られてもよい。このため、スクレーパ要素(切断要素または切刃も)は、たとえば鋼などで作られて提供されることが可能であり、これはその後箱要素に取り付けられる。このために、ボルト接続(上述のタイプの接続参照)もまた、考えられるであろう。
【0034】
好適な実施形態において、スクレーパフレームは、残留物の除去中に加熱室内で詰まりが発生した場合に装置が破壊されることが可能なように、側壁要素のうちの1つに、後壁要素上に、
仕切要素上に、および/または上部要素上に、少なくとも1つの所定の破壊点を有する。言い換えると、(1つまたは複数のスクレーパ要素が炉内残留物と係合している間に)特定の所定応力がスクレーパフレームまたは装置上に作用するかまたはこれが超過されるとすぐに、スクレーパフレームが崩壊し、炉内のフレームの詰まりが防止される。あるいは、洗浄プロセスまたは焼成プロセスが中断するか、または少なくとも妨害される。所定の破壊点は、たとえば、壁要素の壁厚を減少させる溝として、設けられることが可能である。
【0035】
適切に、所定の破壊点を備えるスクレーパフレームを用いて、スクレーパフレームの破損部品の除去のための装置が使用される。言い換えると、破壊された「スクレーパ」が排除され得るように、残留物を除去するための装置の後ろで、いわゆる「エンプティプッシャ(empty pusher)」が、加熱室を通じて案内されなければならない。
【0036】
本発明のその他の実施形態は、従属請求項に現れる。
【0037】
以下において、本発明の例示的実施形態が、図面を参照して詳細に説明される。