特許第5665881号(P5665881)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5665881
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】機械的な燃焼機関冷却材ポンプ
(51)【国際特許分類】
   F01P 5/10 20060101AFI20150115BHJP
   F16C 35/067 20060101ALI20150115BHJP
   F16C 35/07 20060101ALI20150115BHJP
   F16C 35/063 20060101ALI20150115BHJP
   F16C 19/18 20060101ALI20150115BHJP
【FI】
   F01P5/10 B
   F16C35/067
   F16C35/07
   F16C35/063
   F16C19/18
【請求項の数】9
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-548359(P2012-548359)
(86)(22)【出願日】2010年8月24日
(65)【公表番号】特表2013-516578(P2013-516578A)
(43)【公表日】2013年5月13日
(86)【国際出願番号】EP2010062331
(87)【国際公開番号】WO2011082841
(87)【国際公開日】20110714
【審査請求日】2012年9月10日
(31)【優先権主張番号】10150437.1
(32)【優先日】2010年1月11日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】311013845
【氏名又は名称】ピールブルグ パンプ テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Pierburg Pump Technology GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−ミシェル デュラン
(72)【発明者】
【氏名】ピエール ラナンジェ
(72)【発明者】
【氏名】ローラン フィニドリ
【審査官】 川口 真一
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−108595(JP,U)
【文献】 実開平02−034792(JP,U)
【文献】 特開2002−155893(JP,A)
【文献】 特開2004−150300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01P 5/10
F16C 19/18
F16C 35/063
F16C 35/067
F16C 35/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関のための冷却材をポンピングするための機械的な燃焼機関冷却材ポンプ(10;10′)であって、
半径方向で支持された回転可能なロータ軸(18)に設けられたポンプホイール(20)と、
半径方向で支持されかつ燃焼機関によって駆動される回転可能な駆動ホイール(32)と、
ロータ軸(18)を駆動ホイール(32)に固定された形式で接続するための手段とを有し、
第1のころ軸受(26;26′)が、前記ロータ軸(18)及び前記駆動ホイール(32)のうちの一方を直接に半径方向で支持しており、前記第1のころ軸受に、ポンプフレーム体(12)に直接に固定された別個の軸受外輪(50)が設けられている形式のものにおいて、
第1のころ軸受(26;26′)の外輪(50)を押付力によって軸方向にポンプフレーム体(12)の横方向の面に対して隙間なく押し付ける別個の軸受固定構造(52;52′)を有し、軸受固定構造(52)がポンプフレーム体(12)に直接に固定されており、
前記軸受固定構造(52;52′)は、少なくとも最低限の弾性を有しており、
前記軸受固定構造(52,52′)が、第1のころ軸受(26,26′)を収容する円筒形部分(58;58′)と、該円筒形部分(58;58′)の遠位軸方向端部から半径方向内方へ突出し、前記外輪(50)に対して前記押付力を与える軸受固定リング(60;60′)と、前記円筒形部分(58)の近位端部から半径方向外方へ突出し、ポンプフレーム体(12)の横方向環状平面に固定された取付けフランジ(61;61′)とを備えた1つの薄板金体(56;56′)であることを特徴とする、内燃機関のための冷却材をポンピングするための機械的な燃焼機関冷却材ポンプ(10;10′)。
【請求項2】
ポンプフレーム体(12)に、第1のころ軸受(26,26′)の外輪(50)をポンプフレーム体(12)において半径方向でセンタリングするための軸受センタリング構造(54)が設けられている、請求項1記載の機械的な燃焼機関冷却材ポンプ(10,10′)。
【請求項3】
前記接続するための手段が、駆動ホイール(32)とのロータ軸(18)の永久接続を成しており、第1のころ軸受(26)はロータ軸(18)と直接に係合させられている、請求項1又は2記載の機械的な燃焼機関冷却材ポンプ(10,10′)。
【請求項4】
前記ロータ軸(18)を形成しかつ駆動ホイール(32)と直接に係合させられた一つのロータ体(62)が設けられている、請求項記載の機械的な燃焼機関冷却材ポンプ(10)。
【請求項5】
前記ロータ体(62)が、1つの薄板金片から形成されており、駆動ホイール(32)が、ロータ体(62)に固定された別個の部材である、請求項記載の機械的な燃焼機関冷却材ポンプ(10)。
【請求項6】
前記接続するための手段が、電磁石(38)によって作動させられる摩擦クラッチ(40)であり、第1のころ軸受(26′)が駆動ホイール(32′)と直接に係合させられており、ロータ軸(18′)が、駆動ホイール(32′)の円筒形ロータ部分(66)に第2のころ軸受(28)によって直接に支持されている、請求項1又は2記載の機械的な燃焼機関冷却材ポンプ(10′)。
【請求項7】
前記電磁石(38)が、軸方向で第1のころ軸受(26′)よりも遠位に配置されたリングコイル(64)である、請求項記載の機械的な燃焼機関冷却材ポンプ(10′)。
【請求項8】
前記第2のころ軸受(28)が、第1のころ軸受(26′)の半径方向内方に配置されている、請求項又は記載の機械的な燃焼機関冷却材ポンプ(10′)。
【請求項9】
前記電磁石(38)が、軸受固定構造(52′)に固定されている、請求項からまでのいずれか1項記載の機械的な燃焼機関冷却材ポンプ(10′)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関のための冷却材をポンピングするための機械的な燃焼機関冷却材ポンプに関する。
【0002】
機械的な冷却材ポンプには、ポンプホイールと、ころ軸受によって半径方向及び軸方向で支持された回転可能なロータ軸とが設けられている。ころ軸受の軸受外輪は、通常、定置のポンプフレーム体の円筒形部分に圧入されている。機械的な冷却材ポンプが摩擦クラッチによって切換え可能であるならば、回転可能な駆動ホイールを支持するために別のころ軸受が設けられている。駆動ホイールが、定置のポンプフレーム体によって直接に支持されているならば、ころ軸受の外輪は、ポンプフレーム体の円筒形部分に圧入されている。
【0003】
ポンプフレーム体の円筒形部分へのころ軸受の軸受外輪の圧入は、対応する部材の極めて正確に製造された円筒形の圧入面を要求する。さらに加えて、固定作業も複雑である。
【0004】
本発明の課題は、容易にかつ費用対効果高く製造しかつ組み立てることができる機械的な燃焼機関冷却材ポンプを提供することである。
【0005】
前記課題は、請求項1の特徴を有する機械的な冷却材ポンプによって解決される。
【0006】
請求項1は、切換え可能な機械的な冷却材ポンプと、切換え可能でない機械的な冷却材ポンプとに関する。ポンプホイールは、半径方向及び軸方向で支持された回転可能なロータ軸に設けられている。回転可能な駆動ホイールは、燃焼機関によって駆動され、同様に半径方向及び軸方向で支持されている。冷却材ポンプが切換え可能でないならば、ポンプホイール及び駆動ホイールは両方とも第1のころ軸受によって直接に支持されている。冷却材ポンプが摩擦クラッチによって切換え可能であるならば、駆動ホイールは、第1のころ軸受によって直接にポンプフレーム体に支持することができ、ポンプホイールロータ軸は、第2のころ軸受によって直接に駆動ホイールに支持することができる。この場合、ポンプホイールは、第1のころ軸受によって間接的にのみポンプフレーム体に支持されている。
【0007】
言い換えれば、第1のころ軸受は常にポンプの回転可能な部分を直接にポンプフレーム体に支持している。回転可能な部分はロータ軸であることができるか又は駆動ホイールであることができる。
【0008】
ロータ軸を、結合手段によって、回転可能に固定された形式で駆動ホイールと永久に又は非永久に結合することができる。結合手段は、堅い構造であることができるか又はクラッチ、例えば摩擦クラッチであることができる。
【0009】
第1のころ軸受には、ポンプフレーム体に直接に固定された別個の外輪が設けられている。外輪を軸方向にポンプフレーム体に対して隙間なく押し付ける別個の軸受固定構造が設けられている。軸受固定構造自体は、固定手段によってポンプフレーム体に直接に固定されている。第1のころ軸受の外輪は、ポンプフレーム体に圧入されているのではなく、軸方向に大きな押付力でポンプフレーム体の適切な横方向の面に対して押し付けられている。その結果、軸受固定構造は、少なくとも最低限弾性でなければならない。
【0010】
正確な圧入可能な部材はもはや不要であるので、それぞれの部材の製造コストはよりコスト集中的でなくなる。少なくとも1つの圧入プロセスを回避することができ、これにより、組立ては著しく単純化される。圧入結合とは対照的に、ポンプフレーム体における固定構造の固定は、解離可能であることができる。第1のころ軸受のためには、より廉価な既製の標準的なころ軸受を使用することができる。
【0011】
一般的に、軸受固定構造には、ポンプフレーム体において第1のころ軸受を正確にセンタリングするためのセンタリング手段を設けることができる。好適には、ポンプフレーム体には、ポンプフレーム体において第1のころ軸受の外輪を半径方向でセンタリングするための軸受センタリング構造を設けることができる。センタリング構造は、3つ以上のセンタリング突起、センタリングリング、センタリング切欠等によって実現することができる。
【0012】
好適な実施形態によれば、軸受固定構造は、第1のロータ軸受を収容する円筒形部分を備えた1つの薄板金体であり、円筒形部分の遠位軸方向端部から半径方向内方へ突出した軸受固定リングと、円筒形部分の近位端部から半径方向外方へ突出した取付けフランジとを備える。薄板金体は、極めて費用対効果高く製造することができ、所要の弾性特性が提供されている。軸受固定構造の形状は、底部における中央開口と、ポンプフレーム体に取り付けられる外方フランジリングとを備えたポットと同じである。
【0013】
好適には、ロータ軸と駆動ホイールとを接続する接続手段は永久接続であり、第1のころ軸受がロータ軸に直接に係合させられている。冷却材ポンプは切換え可能でない。好適な実施形態によれば、ロータ軸を形成しかつ駆動ホイールと直接に係合させられた1つのロータ体が提供されている。ロータ体は、薄板金体であることができるか又は中実材料から製造することができる。
【0014】
発明の好適な実施形態によれば、ロータ軸を駆動ホイールに接続する接続手段は、電磁石によって作動させられる摩擦クラッチである。この構成において、第1のころ軸受は、駆動ホイールと直接に係合させられており、駆動ホイールを直接に支持している。ロータ軸は、第2のころ軸受によって駆動ホイールの円筒形ロータ部分に直接に支持されている。冷却材ポンプは切換え可能である。摩擦クラッチは、冷却材ポンプの遠位端部に配置することができるのに対し、ポンプホイールは、冷却材ポンプの別の遠位端部に配置することができる。
【0015】
好適には、電磁石は、軸方向で第1のころ軸受よりも遠位に配置された定置の円形のリングコイルである。これは、極めてコンパクトな配列であり、比較的大きな半径方向延在範囲を有するリングコイルをできるだけクラッチ機構の近くに配置することを可能にする。
【0016】
好適には、電磁石リングコイルは、軸受固定構造に直接に固定されており、これにより、軸受固定構造は第2の関連する機能を有する。
【0017】
発明の図面の2つの実施形態をより詳細に図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】切換え可能でない燃焼機関冷却材ポンプの長手方向断面図である。
図2】切換え可能な燃焼機関冷却材ポンプの長手方向断面図である。
【0019】
図1及び図2は、内燃機関のために及び内燃機関に、冷却材、例えば水をポンピングするための機械的な燃焼機関冷却材ポンプ10,10′を示している。図2は、2つの独立して回転可能なロータを接続するクラッチ40を有する切換え可能な冷却材ポンプ10′を示している。図1は、1つのロータを有する切換え可能でない冷却材ポンプ10を示している。
【0020】
図1及び図2に示された両ポンプ実施形態には、ポンプフレーム体12に直接に固定された別個の外輪50を有する第1のころ軸受26;26′が設けられている。それぞれの第1のころ軸受26;26′の外輪50は、別個の軸受固定構造52;52′によってポンプフレーム体12にそれぞれ固定されている。軸受固定構造52;52′は、第1のころ軸受26;26′の外輪50を軸方向にポンプフレーム体12に対して隙間なく押し付けている。軸受固定構造52;52′は、ポンプフレーム体12の横方向環状平面に直接に固定されている。
【0021】
両実施形態の軸受固定構造52:52′は、1つの薄板金体56;56′から形成されており、第1のころ軸受26;26′を収容した円筒形部分58;58′と、この円筒形部分58;58′の遠位軸方向端部、つまりポンプフレーム体12から遠い方の端部から半径方向内方に突出した軸受固定リング60:60′と、円筒形部分58の近位端部、つまりポンプフレーム体12に近い方の端部から半径方向外方に突出した取付けフランジ61;61′とが設けられている。固定構造薄板金体56は、軸方向である程度の弾性を有し、これにより、外輪50の固定は機械的な不正確さに関して許容度を持つ。
【0022】
ポンプフレーム体12には、第1のころ軸受26;26′の外輪50を半径方向でセンタリングする軸受センタリング構造54が設けられている。軸受センタリング構造54は、関連する半径方向締付力を加えることなく第1のころ軸受26;26′の外輪50を中心位置へ強制する4つのセンタリング突起70によって実現されている。センタリング突起70の軸方向長さは、軸受外輪50の軸方向長さの4分の1よりも小さい。
【0023】
図1の冷却材ポンプ10には、ロータ軸18に固定されたポンプホイール20が設けられている。ロータ軸18は、薄板金から、1つのロータ体62によって形成されている。ロータ体62は、ポンプホイール20を別個の駆動ホイール32に直接に接続するものであって、接続手段を形成している。駆動ホイール32は、内燃機関によって駆動される駆動ベルトによって駆動される。
【0024】
第1のころ軸受26は、軸受外輪50と、別個の軸受内輪68と、これらの間の転動体とを有する。軸受内輪68に、ロータ軸18の外側円筒面が圧入されている。ロータ軸18とハウジング12との間の環状の隙間は、軸シール24によってシールされている。
【0025】
図1の冷却材ポンプ10とは対照的に、図2の切換え可能な冷却材ポンプ10′には、ポンプホイール20を駆動ホイール32′に接続するための接続手段としての摩擦クラッチ40が設けられている。したがって、冷却材ポンプ10′には、2つの独立して回転する構造体と、第2のころ軸受28とが設けられている。
【0026】
第1のころ軸受26′は、駆動ホイール32′の円筒形ロータ66を支持している。第2のころ軸受28は、駆動ホイール32′の円筒形ロータ66にロータ軸18を支持している。第1のころ軸受26′の軸受内輪は、駆動ホイール32′の円筒形ロータ部分66の一体の部分である。
【0027】
第2のころ軸受28の軸受外輪は、駆動ホイール32′の円筒形ロータ部分66の面によって一体に形成されている。第2のころ軸受28の軸受内輪は、ロータ軸18によって一体に形成されている。第1のころ軸受26′の軸方向長さは、第2のころ軸受28の軸方向長さよりも小さい。
【0028】
機械的な摩擦クラッチ40には、ロータ軸18によって支持された軸方向にシフト可能な摩擦リング42と、駆動ホイール32′の横方向環状面によって形成された向き合った摩擦リング44とが設けられている。U字形の駆動ホイール32′によって包囲された環状のキャビティの中には、定置の電磁石38が配置されており、この電磁石38は、軸方向で軸受固定構造52′に取り付けられている。
【0029】
電磁石38は、電磁石38が直流電流(DC)によって励磁された時にトロイダルな電磁界を発生する環状の励磁コイル64から成る。電磁石38が励磁されると、クラッチ40は係合させられる。
図1
図2