【0088】
本発明の具体的実施態様を以下に列挙する。
(1)ヒトGM-CSFRαに対する単離された結合構造要素であって、GM-CSFRαへのGM-CSFの結合を阻害し、配列番号206に示すヒトGM-CSFRαの位置226-230のTyr-Leu-Asp-Phe-Glnの少なくとも1つの残基に結合する前記結合構造要素。
(2)表面プラズモン共鳴アッセイにおいて5nM以下の親和性(KD)でヒトGM-CSFRα細胞外ドメインに結合する、(1)記載の結合構造要素。
(3)抗体分子を含む、(1)または(2)記載の結合構造要素。
(4)1組の相補性決定領域CDR1、CDR2およびCDR3ならびにフレームワークを含む抗体VHドメインであって、前記1組の相補性決定領域が、アミノ酸配列配列番号3または配列番号173を有するCDR1、アミノ酸配列配列番号4を有するCDR2ならびに配列番号5;配列番号15;配列番号25;配列番号35;配列番号45;配列番号55;配列番号65;配列番号75;配列番号85;配列番号95;配列番号105;配列番号115;配列番号125;配列番号135;配列番号145;配列番号155;配列番号165;配列番号175;配列番号185;および配列番号195;からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するCDR3を含むかあるいは1個または2個のアミノ酸置換を有する前記1組のCDR配列を含む前記抗体VHドメインを含む、(3)記載の結合構造要素。
(5)相補性決定領域CDR1、CDR2およびCDR3ならびにフレームワークを含み、VH CDR3におけるKabat残基H97がSである抗体VHドメインを含む、(3)または(4)記載の結合構造要素。
(6)VH CDR3が以下の残基:
Kabat残基H95におけるV、N、AまたはL;
Kabat残基H99におけるS、F、H、P、TまたはW;
Kabat残基H100BにおけるA、T、P、S、VまたはH
の1以上をさらに含む、(5)記載の結合構造要素。
(7)Kabat残基H95がVである、(6)記載の結合構造要素。
(8)Kabat残基H99がSである、(6)または(7)記載の結合構造要素。
(9)Kabat残基H100BがAまたはTである、(6)〜(8)のいずれかに記載の結合構造要素。
(10)VH CDR3が、配列番号5、配列番号15、配列番号35、配列番号45、配列番号55、配列番号65、配列番号75、配列番号85、配列番号95、配列番号105、配列番号115、配列番号125、配列番号135、配列番号145、配列番号155、配列番号165、配列番号175、配列番号185および配列番号195からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する、(6)に記載の結合構造要素。
(11)VH CDR1におけるKabat残基H34がIである、(5)〜(10)のいずれかに記載の結合構造要素。
(12)VH CDR1がアミノ酸配列配列番号3を有する、(5)〜(11)のいずれかに記載の結合構造要素。
(13)VH CDR2がKabat残基H54におけるEおよび/またはKabat残基H57におけるIを含む、(5)〜(12)のいずれかに記載の結合構造要素。
(14)VH CDR2がアミノ酸配列配列番号4を有する、(5)〜(13)のいずれかに記載の結合構造要素。
(15)VHドメインフレームワークにおけるKabat残基H17がSである、(5)〜(14)のいずれかに記載の結合構造要素。
(16)相補性決定領域CDR1、CDR2およびCDR3ならびにフレームワークを含む抗体VLドメインを含む、(5)〜(15)のいずれかに記載の結合構造要素。
(17)VL CDR3が以下の残基:
Kabat残基L90におけるS、TまたはM;
Kabat残基L92におけるD、E、Q、S、MまたはT;
Kabat残基L96におけるS、P、IまたはV
の1以上を含む、(16)記載の結合構造要素。
(18)Kabat残基L90がSである、(17)記載の結合構造要素。
(19)Kabat残基L92がDまたはEである、(17)または(18)記載の結合構造要素。
(20)Kabat残基L95AがSである、(17)〜(19)のいずれかに記載の結合構造要素。
(21)Kabat残基L96がSである、(17)〜(20)のいずれかに記載の結合構造要素。
(22)VL CDR3が配列番号10、配列番号20、配列番号40、配列番号50、配列番号60、配列番号70、配列番号80、配列番号90、配列番号100、配列番号110、配列番号120、配列番号130、配列番号140、配列番号150、配列番号160、配列番号170、配列番号180、配列番号190および配列番号200からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する、(16)または(17)のいずれかに記載の結合構造要素。
(23)VL CDR1が、以下の残基:
Kabat残基27AにおけるS;
Kabat残基27BにおけるN;
Kabat残基27CにおけるI;
Kabat残基32におけるD;
の1以上を含む、(16)〜(22)のいずれかに記載の結合構造要素。
(24)VL CDR1がアミノ酸配列配列番号8を有する、(16)〜(23)のいずれかに記載の結合構造要素。
(25)VL CDR2が以下の残基:
Kabat残基51におけるN;
Kabat残基52におけるN;
Kabat残基53におけるK
の1以上を含む、(16)〜(24)のいずれかに記載の結合構造要素。
(26)VL CDR2がアミノ酸配列配列番号9を有する、(16)〜(25)のいずれかに記載の結合構造要素。
(27)Kabat残基H94がIである抗体VHドメインを含む、(3)〜(26)のいずれかに記載の結合構造要素。
(28)ヒトGM-CSFRαに対する単離された結合構造要素であって、GM-CSFRαへのGM-CSFの結合を阻害し、表面プラズモン共鳴アッセイにおいて5nM以下の親和性(KD)でヒトGM-CSFRα細胞外ドメインに結合する、前記結合構造要素。
(29)抗体分子を含む、(28)記載の結合構造要素。
(30)ヒトGM-CSFRαに対する単離された結合構造要素であって、GM-CSFRαへのGM-CSFの結合を阻害し、ヒトGM-CSFRαの細胞外ドメインとの結合に関して、以下:
VHドメイン配列番号2およびVLドメイン配列番号7;
VHドメイン配列番号12およびVLドメイン配列番号17;
VHドメイン配列番号22およびVLドメイン配列番号27;
VHドメイン配列番号32およびVLドメイン配列番号37;
VHドメイン配列番号42およびVLドメイン配列番号47;
VHドメイン配列番号52およびVLドメイン配列番号57;
VHドメイン配列番号62およびVLドメイン配列番号67;
VHドメイン配列番号72およびVLドメイン配列番号77;
VHドメイン配列番号82およびVLドメイン配列番号87;
VHドメイン配列番号92およびVLドメイン配列番号97;
VHドメイン配列番号102およびVLドメイン配列番号107;
VHドメイン配列番号112およびVLドメイン配列番号117;
VHドメイン配列番号122およびVLドメイン配列番号127;
VHドメイン配列番号132およびVLドメイン配列番号137;
VHドメイン配列番号142およびVLドメイン配列番号147;
VHドメイン配列番号152およびVLドメイン配列番号157;
VHドメイン配列番号162およびVLドメイン配列番号167;
VHドメイン配列番号172およびVLドメイン配列番号177;
VHドメイン配列番号182およびVLドメイン配列番号187;または
VHドメイン配列番号192およびVLドメイン配列番号197
から選択されるアミノ酸配列を有するVHドメインおよびVLドメインを有する抗体分子と競合するヒト抗体分子またはヒト化抗体分子を含む前記結合構造要素。
(31)ヒトGM-CSFRαに対する単離された結合構造要素であって、GM-CSFRαへのGM-CSFの結合を阻害し、1組の相補性決定領域HCDR1、HCDR2およびHCDR3ならびにフレームワークを含む抗体VHドメインを含む抗体分子を含み、前記1組の相補性決定領域がアミノ酸配列配列番号3または配列番号173を有するHCDR1、アミノ酸配列配列番号4を有するHCDR2ならびに配列番号5;配列番号15;配列番号25;配列番号35;配列番号45;配列番号55;配列番号65;配列番号75;配列番号85;配列番号95;配列番号105;配列番号115;配列番号125;配列番号135;配列番号145;配列番号155;配列番号165;配列番号175;配列番号185;および配列番号195からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するHCDR3を含む、前記結合構造要素。
(32)抗体分子がヒト抗体分子またはヒト化抗体分子である、(3)〜(27)のいずれかまたは(29)〜(31)のいずれかに記載の結合構造要素。
(33)VHドメインフレームワークがヒト生殖系列のVH1 DP5またはVH3 DP47フレームワークである、(32)記載の結合構造要素。
(34)VLドメインフレームワークがヒト生殖系列のVλ 1 DPL8、Vλ 1 DPL3またはVλ 6_6aフレームワークであるVLドメインを含む、(32)または(33)記載の結合構造要素。
(35)GM-CSFRαへのGM-CSFの結合を阻害し、配列番号52で示されるVHドメインのアミノ酸配列を有するVHドメインまたは1個もしくは2個のアミノ酸改変を有するそれらの変種および配列番号57で示されるVLドメインのアミノ酸配列を有するVLドメインまたは1個もしくは2個のアミノ酸改変を有するそれらの変種を含み、前記アミノ酸改変が置換、挿入および欠失からなる群から選択される、ヒトGM-CSFRαに対する単離された抗体分子。
(36)抗体分子がIgG4である、(3)〜(27)もしくは(29)〜(34)のいずれかに記載の結合構造要素または(35)記載の抗体分子。
(37)表面プラズモン共鳴アッセイにおいて1nM以下の親和性(KD)でヒトGM-CSFRα細胞外ドメインに結合する、(1)〜(36)のいずれかに記載の結合構造要素または抗体分子。
(38)表面プラズモン共鳴アッセイにおいて0.5nM以下の親和性(KD)でヒトGM-CSFRα細胞外ドメインに結合する、(37)記載の結合構造要素または抗体分子。
(39)7pMヒトGM-CSFを用いるTF-1細胞増殖アッセイにおいて60pM以下のIC50中和能を有する、(1)〜(38)のいずれかに記載の結合構造要素または抗体分子。
(40)7pMヒトGM-CSFを用いるTF-1細胞増殖アッセイにおいて10pM以下のIC50中和能を有する、(38)記載の結合構造要素または抗体分子。
(41)7pMヒトGM-CSFを用いるヒト顆粒球形態変化アッセイにおいて50pM以下のIC50中和能を有する、(1)〜(40)のいずれかに記載の結合構造要素または抗体分子。
(42)7pMヒトGM-CSFを用いるヒト顆粒球形態変化アッセイにおいて25pM以下のIC50中和能を有する、(41)記載の結合構造要素または抗体分子。
(43)1nMヒトGM-CSFを用いる単球TNFα放出アッセイにおいて100pM以下のIC50中和能を有する、(1)〜(42)のいずれかに記載の結合構造要素または抗体分子。
(44)(1)〜(43)のいずれかに記載の結合構造要素または抗体分子および薬学的に許容される賦形剤を含む組成物。
(45)(1)〜(43)のいずれかに記載の結合構造要素または抗体分子をコードする核酸配列を含む単離された核酸分子。
(46)(43)記載の核酸分子を含むin vitroの宿主細胞。
(47)(46)記載の宿主細胞を培養することを含む、(1)〜(43)のいずれかに記載の結合構造要素または抗体分子を製造する方法。
(48)結合構造要素を精製することをさらに含む、(47)記載の方法。
(49)ヒトGM-CSFRαに対する抗体分子を製造する方法において、HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含む親VHドメインのアミノ酸配列における1以上のアミノ酸の挿入、欠失または置換により、親VHドメインのアミノ酸配列変種であるVHドメインを得ることを含む前記方法であって、ここで
親VH CDR1はアミノ酸配列配列番号3を有し;
親VH CDR2はアミノ酸配列配列番号4を有し;
親VH CDR3は配列番号5;配列番号15;配列番号25;配列番号35;配列番号45;配列番号55;配列番号65;配列番号75;配列番号85;配列番号95;配列番号105;配列番号115;配列番号125;配列番号135;配列番号145;配列番号155;配列番号165;配列番号185;および配列番号195からなる群から選択されるアミノ酸配列を有し;あるいは、
親VH CDR1はアミノ酸配列配列番号173を有し、親VH CDR2はアミノ酸配列配列番号174を有し、親VH CDR3はアミノ酸配列配列番号175を有し;
場合によりこのように得られたVHドメインと1以上のVLドメインとを組み合わせて1以上のVH/VL組み合わせを得;
VHドメインまたは1つの若しくは複数のVH/VL組み合わせを試験してヒトGM-CSFRαに対する抗体分子を同定する前記方法。
(50)前記1以上のVLドメインが、LCDR1、LCDR2およびLCDR3を含む親VLドメインのアミノ酸配列における1以上のアミノ酸の挿入、欠失または置換によって得られ;
親VL CDR1はアミノ酸配列配列番号8を有し;
親VL CDR2はアミノ酸配列配列番号9を有し;
親VL CDR3は、配列番号10、配列番号20、配列番号30、配列番号40、配列番号50、配列番号60、配列番号70、配列番号80、配列番号90、配列番号100、配列番号110、配列番号120、配列番号130、配列番号140、配列番号150、配列番号160、配列番号170、配列番号180、配列番号190および配列番号200からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する、(49)記載の方法。
(51)ヒトGM-CSFRαへのヒトGM-CSFの結合を阻害する抗体分子の能力を試験することを含む、(49)または(50)記載の方法。
(52)抗体分子組成物を製造する方法であって、(49)〜(51)のいずれかに記載の方法を用いて抗体分子を得、少なくとも1つのさらなる成分を含む組成物に抗体分子を処方することを含む前記方法。
(53)炎症性、呼吸器または自己免疫状態または疾患の治療薬の製造における、(1)〜(43)のいずれかに記載の結合構造要素または抗体分子の使用。
(54)状態または疾患が、関節リウマチ、喘息、慢性閉塞性肺疾患、アレルギー反応、多発性硬化症、骨髄性白血病またはアテローム性動脈硬化症である、(53)記載の使用。
【実施例】
【0089】
実験の部
背景
ヒト抗体フラグメントは、繊維状バクテリオファージの表面にディスプレイされたレパートリーからin vitroで選択できる。この方法はファージディスプレイ法として知られ、ヒト抗体フラグメントを誘導する手段を提供する。この方法はヒト抗ヒト特異性を単離するために使用でき、特定の親和特性の抗体を誘導するのに合わせることができる。
【0090】
短いペプチドリンカーにより結合されたH鎖可変(VH)およびL鎖可変(VL)ドメインのみからなる抗体フラグメントは、抗原結合性を決定するために必要なすべての情報を含んでいる。このようなフラグメントは、一本鎖Fv(scFv)として知られている。ファージ表面にディスプレイされるとき、scFvは正しく折りたたまれ、かつ抗原に結合していることが示されている。この方法でヒトscFvの大きなレパートリーが構築され、薬剤候補としての開発のために個々のクローンを単離できる供給元を提供してきた。ついで、候補scFvは治療への適用のための全IgG(一般的にはヒトIgG)分子として再フォーマットされる。
【0091】
概要
ヒトGM-CSFRαに結合するファージの集団を濃縮するために、ヒト脾臓リンパ球由来のscFvファージディスプレイライブラリーの選択を行った。我々は、特徴を選択したscFv抗体を単離し、これらのscFvをIgG
4に変換した。種々のアッセイを用い、抗体のパネルを単離し、最適化し生殖系列化して治療抗体の適切な仕様を有するIgG4を製造した。
【0092】
配列表において抗体1、2および4〜20として配列が示される19抗体クローンは親抗体から誘導された。親は配列表において抗体3で示され、本明細書においては28G5とも呼ばれている。実験の部に記載されているように、一連の生物学的アッセイにおいて19クローンは特に優れた特性を示すとして選択され、抗体番号1、2および4〜20と呼んだ。
関節リウマチなどの疾患の炎症性の性質を反映するようにバイオアッセイを設計した。
例えば、好中球のその活性部位への動員に必要な形態変化、単球による炎症促進因子の放出および特定のシグナルに応じての炎症性細胞型の生存性増大などである。本抗体はこれらのアッセイにおいて強力な中和活性を示す。用いたアッセイ法の詳細なプロトコルは、"アッセイ材料および方法"と題する以下のセクションで提供されている。
【0093】
抗体リード化合物の単離
選択のために、大きな一本鎖FV(scFv)ヒト抗体ライブラリーを用いた。これは20名の健常ドナーからの脾臓リンパ球由来であり、ファージミドベクターにクローニングした。HEK293T細胞における受容体の精製タグ付き可溶性細胞外ドメインの過剰発現由来の精製GMCSF-Rαに対する一連の繰り返し選択サイクルにおいてファージディスプレイライブラリーからGM-CSFRαを認識するScFvを単離した。これは、本質的にVaughanら[102]に記載されているようにして行った。手短に言えば、ファージライブラリーへのビオチン化受容体の暴露に続いて、ファージに結合したタンパク質を、ストレプトアビジンを被覆した磁気ビーズで捕獲し、非結合ファージを洗い流した。ついでVaughanらによる記載に従って結合したファージをレスキュー(rescue)し、ついでこの選択プロセスを繰り返した。抗原濃度を減少させて選択を3ラウンド繰り返した。選択ラウンドのアウトプットからのscFvの代表的な部分をDNA配列決定にかけた。
【0094】
ファージディスプレイライブラリーからのこれらの最初の選択に続いて、精製GM-CSFRα細胞外ドメインに対するGM-CSFの結合を阻害することができるscFv抗体を発現しているファージを同定するために設計されたリガンド結合アッセイにおいて、特異なscFvのパネルを同定した。リガンド結合アッセイにおけるこれらのscFvの中和能は0.65〜3.3nMであった。
生化学的リガンド結合アッセイにおいて活性であった抗体を、GM-CSFで刺激されたTF-1細胞の増殖を阻害する抗体の能力をアッセイすることにより中和能を測定するTF-1増殖アッセイにおける生物活性について評価した。TF-1は、赤白血病患者から樹立されたヒト前骨髄性細胞株である。この細胞株は生存および増殖に関して因子依存性であり、ヒトGM-CSFでルーチンに維持される。GM-CSF依存性増殖の阻害は、分裂している細胞の新しく合成されたDNA中へのトリチウム化チミジンの取り込みの減少を測定することにより測定した。本アッセイにおいて、前記scFvのすべてが適度の効力を示し、IC50値は約180〜1200nMであった。
【0095】
最も強力なscFvクローンを、ヒトγ4H鎖定常ドメインおよびヒトλL鎖定常ドメインを有するヒトIgG4抗体分子として再構成した。Persic ら[100]に記載に従い、少しの改変を加えて、全IgG4抗体としての抗体の発現を可能にするために、最も強力なscFvクローンに対してベクターを構築した。HEK-EBNA293細胞との使用を容易にし、エピゾームの複製を可能にするために、oriPフラグメントをベクターに含めた。発現ベクターpEU8.1(+)の分泌リーダー配列とヒトγ4定常ドメインの間のポリリンカーにVH可変ドメインをクローニングした。発現ベクターpEU4.1(-)の分泌リーダー配列とヒトλ定常ドメインの間のポリリンカーにVL可変ドメインをクローニングした。HEK-EBNA293細胞を、H鎖およびL鎖を発現する構築物で同時トランスフェクトし、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーを用いて、馴化培地から全長抗体を精製した。精製抗体調製品を無菌濾過し、評価するまでリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中4℃で保存した。BCA法(Pierce)を用い、280nmでの吸光度を測定してタンパク質濃度を測定した。
TF-1増殖アッセイにおいて、再フォーマットしたIgGを公知のマウス抗体2B7と比較した。本アッセイにおいて、前記IgG4は活性を保持または獲得し、IC50値は6〜約1600nMであった。
【0096】
炎症性疾患において、作用部位への好中球の動員には好中球の形態変化が必要である。GM-CSFへの顆粒球の暴露後に血液から単離された顆粒球の形態の変化を測定するために蛍光表示式細胞分取(FACS)を用いてこの生物学的反応をまねするためにヒト顆粒球形態変化アッセイが設計された。GM-CSFへの好中球の形態変化反応を阻害する抗GM-CSFRαIgG4抗体の能力を評価した。選択されたクローンのIC50値は約15〜350nMであった。代表的な抗体である28G5は、カニクイザル顆粒球形態変化アッセイにおいてカニクイザルGMCSF-Rを中和し、IC50は約5nMであった。公知のマウス抗体2B7もまた、カニクイザル受容体へのGM-CSFの結合からもたらされる生物学的反応を中和することができた。
ついで本抗体の受容体結合親和性をBIAcoreを用いて測定し、32〜377nMのKD計算値を得た。
【0097】
最適化
28G5の効力を改善する目的で最適化プログラムを開始した。VHまたはVL CDR3のランダム変異導入を行った抗体ライブラリーを作製した。全CDRを包含するために2つの6アミノ酸ブロックにおいて各CDR3をランダム化し、ライブラリーH1(VH CDR3における6aaのN末端ブロック)、H2(VH CDR3における6aaのC末端ブロック)、L1(VL CDR3における6aaのN末端ブロック)およびL2(VL CDR3における6aaのC末端ブロック)を作製した。得られたライブラリーを、ヒトGM-CSFRαへの結合に関して繰り返し選択サイクルにかけた。次に、この選択プロセスから単離されたクローンを、変異H鎖CDR3および変異L鎖CDR3の両方を有するscFvを含む組み合わせたファージライブラリーを構築するために用いた。これらのライブラリーも同じ選択手順にかけた。
最適化プロセスの各段階において、28G5および受容体を用いるエピトープ競合アッセイを用いて、GM-CSF受容体への28G5IgG4の結合を阻害することができるscFvを同定し、ついでTF-1増殖アッセイにおいて下記のように評価した。
28G5のH鎖CDR3配列のランダム変異導入後に、TF-1アッセイにおいて適度の中和能を有するscFvのパネルが同定された。大部分の効力改良はVH CDR3の3'末端がランダム化された場合に得られた。
28G5のL鎖CDR3配列のランダム変異導入後に、TF-1アッセイにおいて適度の中和能を有するscFvのパネルを同定した。すべての効力改良はVL CDR3の3’末端がランダム化された場合に得られた。
【0098】
H鎖およびL鎖CDR3のランダム変異導入ライブラリーの組み合わせ後に、TF-1増殖アッセイにおいて親scFv28G5以上に改善された効力を有するscFvsのパネルが同定された。親28G5の>60000倍の効力改良を有するScFvが単離された。ライブラリーのすべての組み合わせは改善されたscFv、すなわちH1/L1、H1/L2、H2/L1、H2/L2をもたらした。L1ライブラリーからは改善されたscFvは単離されなかったので、このことは特に興味が持たれる。
28G5の最適化中に同定した19scFvのパネルを再フォーマットし、前述の方法を用いてIgG4として発現した。このパネルは、抗体クローン1、2および4〜20から構成された。このパネルにおける最も強力なクローンのいくつかは、組み合わせたHおよびL CDR3変異ライブラリーから得られた。このパネルにおけるIgG4抗体を、TF-1増殖アッセイにおいてそれらの活性に関して評価し、公知のマウス抗体2B7と比較した。本アッセイにおいて、すべての最適化したIgG4は2B7よりも強力であった。この場合、2B7は約1.6nMのIC50計算値を有し、一方で前記クローンは約1pm〜約1100pMのIC50計算値を有していた。データを以下の表1に示すが、概略は次のとおりである:
IC50<1500pM (抗体1、2および4〜20)
IC50<300pM (抗体1、2、4〜12および14〜20)
IC50<60pM (抗体1、2、4〜6、8〜11、14および16〜20)
IC50<10pM (抗体1、5、6、11および20)。
【0099】
図3は、TF-1増殖アッセイにおいて、公知の抗体2B7と比較した、本発明の2つの代表的抗体である抗体1および抗体6のアンタゴニスト能を示す。
BIAcore 2000 System (Pharmacia Biosensor)を用いて、リード化合物を最適化したIgG4のいくつかと組換え精製タグ付きGM-CSF受容体細胞外ドメインとの相互作用の速度論的パラメータを評価した。抗体の親和性は大きく改善され、KD計算値は0.127nM〜約5nMであった。データを表2に示す。結合速度および解離速度の両方において改良が得られた。GM-CSFRαの可溶性細胞外ドメインに対するIgG4の親和性とそれらのTF-1アッセイにおける性能との間の相関は大変よく、ピアソン係数は0.85(p<0.0001)であった。比較として、2B7のKDを別に算出し、約7nMであることが示された。
28G5の最適化中に同定されたIgG4抗体をヒト顆粒球形態変化アッセイで評価し、公知のマウス抗体2B7と比較した。本アッセイで評価した抗体のすべて(抗体1、2、5、6、9〜11、16および20)は大変強力であり、7.8〜90pMのIC50を有していた。これらの中で、抗体1、2、5、6、9、16および20は50pM未満のIC50を有し、抗体1、2、6、16および20は25pM未満のIC50を有していた。我々の抗体は2B7よりも強力であった。2B7は477pMのIC50を有していた。データを表3に示す。
図4は、ヒト顆粒球形態変化アッセイにおける、公知の抗体2B7と比較した、本発明の2つの代表的抗体である抗体1および抗体6のアンタゴニスト能を示す。
28G5の最適化中に同定されたIgG4抗体をカニクイザル顆粒球形態変化アッセイで評価した。前記抗体のすべてはカニクイザル受容体ばかりでなくヒト受容体でのGM-CSFの活性を中和することができ、前記抗体のすべては2B7よりも強力であった。2B7が26pMのIC50を有していたのに対し、本パネルからの代表的抗体(抗体6、抗体1および抗体2)は、それぞれ1.73、2.03および3.2pMのIC50値を有していた。
【0100】
28G5の最適化中に同定されたIgG4のパネルを、単球TNFα放出アッセイにおけるそれらの中和能に関して評価した。本アッセイは、GM-CSFで処理したとき、ヒト単球からの炎症促進因子であるTNFαの放出を阻害する能力を試験する。抗体1、2、5、6、9および10を試験し、すべてが本アッセイにおいて活性であり、その受容体部位でのGM-CSFの作用を完全に中和できた(約43〜139のIC50)。一方、333nMの濃度での2B7は、GM-CSFにより引き起こされるTNFα放出の50%阻害を達成できたのみであり、このことは、本アッセイにおいてこの抗体が部分阻害剤であるにすぎないことを示唆している。
図5は、単球TNFα放出アッセイにおける、公知の抗体2B7と比較した本発明の2つの代表的抗体のアンタゴニスト能を示す。データを表4に示すが、概略は次のとおりである:
<150pM (抗体番号1、2、5、6、9&10)
<110pM (抗体番号1、2、5、6&9)
<100pM (抗体番号1、5、6&9)。
【0101】
炎症性疾患の顕著な特徴は、特定のシグナルに応じての炎症性細胞型の生存性増大である。顆粒球はGM-CSFの存在下でより長く生存できるので、28G5の最適化中に単離されたIgG4抗体のこの反応を阻害する能力を顆粒球生存アッセイで評価した。リード化合物の最適化からの抗GM-CSFRα IgG4のすべてが本アッセイにおいて活性であり、代表的中和能(IC50)は7.0〜843.7pMであった。このことは公知のマウス抗体2B7とは対照的であり、2B7は83nMの濃度まで完全に不活性であった。
図6は、顆粒球生存アッセイにおける、公知の抗体2B7と比較しての、本発明の2つの代表的抗体である抗体1および抗体6のアンタゴニスト能を示す。
【0102】
図3〜6に示すように、これらのデータは、公知のマウス抗体2B7と比較して我々の抗体がかなり異なる特性を有していることを示している。例えば、本発明の代表的抗体は、顆粒球生存アッセイおよびTF-1増殖アッセイにおける、7pM GM-CSFで刺激される顆粒球生存およびTF-1増殖をそれぞれ阻害したが、一方、2B7は顆粒球生存を阻害しなかったが、TF-1増殖を阻害した(我々の抗体よりもより低い程度ではあったが)。このデータは、本発明の結合構造要素が、公知の抗GM-CSFRα抗体と比較してより高い親和性とGM-CSF-Rを介した種々の生物学的作用を阻害する改善された能力を有していることを示している。
導き出された28G5およびその誘導体のアミノ酸配列を、VBASEデータベースにおける公知のヒト生殖系列配列に対してアラインメントし、配列類似性により最も近い生殖系列を同定した。28G5およびその誘導体のVHドメインに対して最も近い生殖系列はVH1 DP5であると同定された。28G5VHは、フレームワーク領域内でVH1-24(DP5)生殖系列からの14変異を有する。VLドメインに対する最も近い生殖系列は、Vλ 1VL1-e(DPL8)であり、これはフレームワーク領域内で、生殖系列からの5変異のみを有する。28G5およびその誘導体のフレームワーク領域は部位特異的突然変異誘発により生殖系列に復帰され、天然ヒト抗体に完全に一致した。1つを除くすべてのアミノ酸を生殖系列に変換でき、抗体効力においてわずかの変化だけが認められた。H鎖の位置94(Kabat番号付けを用いて、Kabatら1971)におけるアミノ酸イソロイシンは、活性の完全な消失なしには生殖系列トレオニンと交換できなかった。従って、生殖系列からのこの単一の変異は抗体フレームワーク領域中に維持された。
【0103】
抗GM-CSFRα抗体の2つである抗体6および抗体1の完全pA
2分析をTF-1増殖アッセイにおいて行った。この系においてこれらの抗体は極めて強力なアンタゴニストであることをこのデータは裏付けている。pA
2計算値は、それぞれ-11.3±0.2および-11.0±0.2である(
図1)。
抗GM-CSFRα抗体の1つである抗体6の完全pA
2分析をヒトおよびカニクイザル顆粒球形態変化アッセイにおいて行った。これらの系においてこの抗体は極めて強力なアンタゴニストであることをこのデータは裏付けている。ヒトおよびカニクイザルアッセイにおけるpA
2計算値はそれぞれ-10.58および-10.78である(
図2)。
GM-CSFは、半固体寒天アッセイにおいて、造血前駆細胞の顆粒球およびマクロファージコロニーへの分化を促進する。従って、親和性成熟抗体6および抗体1、親mAb抗体3(28G5)ならびに陰性対照(CAT001)を、コロニー形成アッセイにおいて、末梢血由来の前駆細胞を用いるこのGM-CSF比活性に拮抗するそれらの能力を評価した。親和性成熟代表的mAbは共に、ヒトGM-CSFに媒介されるin vitro造血コロニー形成の強力な阻害剤であったことを
図7に示すデータは明らかにしている。
親和性成熟mAbに関しては、おおよそのIC50値は0.08μg/ml(抗体6)および0.25μg/ml(抗体1)であった。興味あることに、公知のマウス抗体2B7は、本アッセイにおいて66nMの濃度までほとんど阻害活性を有さないと思われた。
【0104】
対照実験において、予想されたように、SCF+IL-3+G-CSFの組み合わせに媒介されるコロニー形成に対してこの親和性成熟mAbは効果を示さず、サイトカインの非存在下でコロニー形成はごくわずかであった(<4コロニー/培養)。huGM-CSFRα特異的mAb拮抗活性のin vivo分析については、トランスジェニックhuGM-CSFR発現が骨髄由来造血細胞に限定され、それにより内因性受容体の発現プロフィールにより似ているキメラ動物を作製するために、ヒトGM-CSFRのαおよびβ鎖の療法を発現しているトランスジェニック(Tg)マウスからの野生型マウスへの骨髄の移植を用いることができる。これらのTgキメラマウスにおいて、huGM-CSFの投与は脾臓質量の増加と循環血液単球のマージナリゼーション(marginalisation)を引き起こす。親和性成熟抗体6および陰性対照mAb CAT001を、これらのGM-CSF媒介in vivo反応に拮抗するそれらの能力に関して評価した。用量応答分析に関して、500ng huGM-CSFを1日2回4日間、6群の5匹のTgキメラマウスの皮下に投与し(1〜4日目)、第7番目の対照群である5匹の動物にPBSのみを投与した。6群のうち4群のhuGM-CSF投与動物に、D.0に、16mg/kg、5.3mg/kg、1.78mg/kgまたは0.59mg/kgで試験mAb(抗体6)を投与し、5番目の群のhuGM-CSF投与動物にD.0に16mg/kgで対照CAT001を投与した。
図8に示される結果は、対照PBSと比較して、huGM-CSFの投与は、著しい脾臓質量の増加および循環血液単球の減少を引き起こしたことを明らかにしている。予想されたように、16mg/kg対照CAT001の投与は、脾臓質量の増加または血液単球の減少のいずれにも効果を示さなかった。対照的に、試験mAb抗体6の投与後に明らかな用量応答効果が示された(16mg/kgでこの抗体は脾臓質量の増加をなくし、mAb0.59mg/kgでは、効果は明らかではあったが大きく低下したので)。IC50は、およそ0.59mg/kg〜1.78mg/kgと思われる。GM-CSFにより引き起こされる循環単球の減少に関して、同様な結果が観察された。試験mAb抗体6の16mg/kgでの投与は減少をなくし、一方でmAbの0.59mg/kgでの投与はこの反応に関してほんの少ししか影響を示さなかった。これらのデータは、抗GM-CSFRα抗体がin vivoでのヒトGM-CSFRαのアンタゴニストであることを示している。
【0105】
これらの抗GM-CSFRa抗体の抗炎症性をさらに調べるために、末梢血単核細胞サイトカイン放出アッセイで抗体6を評価した。本アッセイにおいて、ドナーに応じてTNFαおよびIL-6は内因的に放出されうる。本アッセイにおいて、GM-CSFはまた細胞により外因的に加えられるよりもむしろ内因的に産生され、従って本アッセイにおいて観察される結果は、天然内因性GM-CSFのその受容体への結合の生物学的作用の阻害を表す。
図9に示すように、抗体6の投与後、これらの両方のサイトカインは用量依存的に阻害された。これらの抗体は天然GM-CSFの活性を阻害することができ、GM-CSFによる情報伝達を阻害することにより、IL-6およびTNFaなどの重要な炎症性サイトカインを阻害する事ができることをこれらのデータは示している。IL-6およびTNFaは共に多くの炎症性徴候、例えば関節リウマチに関係していると考えられている。
さらにまた、抗体6でのこの結果に基づいて、抗体1〜20のそれぞれは、抗体1〜20のすべてがGM-CSFRaの同じ領域に結合すると考えられることから、本アッセイにおいて同様に阻害を示すと予期することができる。
【0106】
抗原認識にとって重要な残基のマッピングおよび配列分析
どの位置が通常リガンド結合のために保存され、どの位置が抗体中でリガンド結合活性を維持するにもかかわらず可変であるかを同定するするために、我々は、生殖系列抗体6scFv配列における残基の位置の可変性を測定した。
抗原結合性に寄与する位置は、VLドメインにおけるKabat残基27A、27B、27C、32、51、52、53、90、92および96であり、VHドメインにおけるKabat残基17、34、54、57、95、97、99および100Bであると推定された。
抗原結合性に重要と推定される7つの位置(H95、H97、H99、H100B、L90、L92およびL96)を同定した。次いで我々は、28G5抗体最適化プロセス中に単離された160変種の配列のこれらの位置における残基を分析し、そのすべてはTF-1増殖アッセイにおいて最小5倍の効力改善を示した。
これらの位置のそれぞれおよびL95Aにおいて観察された種々のアミノ酸(可能な20の中から)を以下の表5のデータに要約する。28G5および/または抗体6に存在するアミノ酸に位置が強く保存されている場合、これはこれらのアミノ酸が抗原を結合させるために重要であるよい証拠である。例えば、以下の位置における残基は強く保存されている:H97、H100B、L90、L92。
【0107】
方法
親和性成熟および生殖系列抗体6scFvをコードするDNA配列を、本質的に引用文献[101]に記載されているようにしてリボソームディスプレイフォーマットに変換した。ランダム点変異を含む変種574D04配列のライブラリーを作製するために、製造業者のプロトコル(BD Bioscience)中の変異率の高い条件(1,000bpにつき7.2変異)を用いて抗体6配列に変異導入PCR法を行った。このライブラリーをリボソーム上で発現させ、精製タグ付きGM-CSFRαと共にインキュベートし、結合を生じさせた。タグをつけたGM-CSFRαに結合できる変種を捕捉し、タンパク質G(Dynal)を被覆した常磁性ビーズを用いて除去した。集団中に残った非結合変種を、引用文献[102]に記載されている大きなヒト抗体ファージディスプレイライブラリーから前もって誘導され、抗体6scFvに結合する事が知られている4つのビオチン化抗イディオタイプ抗体のプールに加えた。ビオチン化抗イディオタイプ抗体に結合している変種をストレプトアビジンビーズで捕捉し、非結合変種を洗い流した。引用文献[101]の一般的方法に従って、リボソームディスプレイによる選択のこのプロセスをさらに2ラウンド繰り返した。
【0108】
選択アウトプットからの変種の代表的な部分をファージミドベクターにクローニングし、Edwards BM et al (2003) Journal of Molecular Biology Vol 334:103に記載されている方法と同じ方法を用いて、scFv変種をファージ上に発現させ、ELISAで試験した。精製タグ付きGM-CSFRαへの結合を示さなかったそれらの変種を、選択に用いる4つの抗イディオタイプ抗体のプールへの結合に関して試験した。抗イディオタイプ結合アッセイにおいて、抗体6scFv以上の結合を示す変種の配列を決定し、配列を分析して高頻度の変異を示す位置を見いだした。
【0109】
VH鎖には486配列、VL鎖には451配列を用いた変種集団の平均変異率はVHまたはVL鎖に対して3.05アミノ酸であることが見いだされた。変異のホットスポットに関してそれらを分析し、scFvに沿って、変異の頻度をそれらの位置と関連させてプロットした。VHおよびVLについて少なくとも1つのCDR変異を有し、かつVHおよびVLについて4未満の変異を有するクローンに対して焦点を合わせて分析を行った。123VHおよび148VL配列のこのパネルから、5%以上の変異頻度を有するものとしてホットスポットを定義した。
リボソームディスプレイのネガティブ選択法を用いて、抗原結合性に重要な推定上の位置として抗体6のVH CDR3およびVL CDR3内の7つの位置を明らかにした。ついで全VH CDR3およびVL CDR3配列を無作為化しより高い親和性に関して選択する28G5抗体最適化プロセス中に単離された160配列変種について分析を行った。すべての配列(抗体6を含めて)は、TF-1増殖アッセイにおいて最小5倍の効力改善を示した。
【0110】
線状エピトープの決定
我々は、それぞれがGM-CSFR-αの細胞外部分からのアミノ酸配列の短い領域に相当する2442ペプチドに対して、PEPSCAN法を用いて抗体6および公知の抗体2B7をスクリーニングした。すべてのペプチドに対する各抗体の結合シグナルを平均して平均バックグラウンドシグナルを得、各ペプチドに関してシグナル/バックグラウンド比を算出した。抗体6および2B7の両方に対して、4倍以上のシグナル/バックグラウンド比を特異的な正のシグナルとして数えた。特異的な正のシグナルを与えるペプチドの配列を保存された結合モチーフに関して分析し、抗体6は、成熟ヒトGM-CSFRαの残基226-230に対応するYLDFQモチーフに選択的に結合し、2B7抗体は成熟ヒトGM-CSFRαの残基278-281に対応するDVRIモチーフに選択的に結合する事が見出された。成熟受容体に対するアミノ酸配列の番号付けは配列番号206に記載されている。
【0111】
PEPSCAN法(ペプチド結合スキャン)
GMCSF由来の配列を有する大部分オーバーラップする15-mer合成ペプチドを合成し、前述の[103]ように、クレジットカードフォーマットミニPEPSCANカード(3ulウェルの455ウェルプレート)を用いてスクリーニングした。PEPSCANベースのエンザイムイムノアッセイ(ELISA)で、各ペプチドへの抗体の結合を試験した。共有結合されたペプチドを含有する455ウェルクレジットカードフォーマットポリプロピレンカードをサンプルと共にインキュベートした(例えば5%ウマ血清(v/v)および5%卵白アルブミン(w/v))および1%Tween80を含むPBS溶液、あるいは軽いブロッキング条件では、4%ウマ血清(v/v)および1%Tween80を含むPBS溶液に1/1000に希釈した、10ug/mlの抗体または血清(4℃、終夜))。洗浄後、ペプチドを抗抗体ペルオキシダーゼと共にインキュベートし(希釈度1/1000、例えばウサギ-抗マウスペルオキシダーゼ、Dako)(1時間、25℃)、続いて、洗浄後、ペルオキシダーゼ基質である2,2'-アジノ-ジ-3-エチルベンゾチアゾリンスルホナート(ABTS)および2ul/ml 3%H2O2を加えた。1時間後、発色を測定した。CCD-カメラおよび画像処理システムによりELISAの発色を定量した。セットアップは、CCD-カメラおよび55mmレンズ(Sony CCD ビデオカメラ XC-77RR, Nikon マイクロニッコール 55 mm f/2.8レンズ )、カメラアダプター (Sony Camara adaptor DC-77RR)および画像処理ソフトウェアパッケージ Optimas 、バージョン 6.5 (Media Cybernetics, Sylver Spring, MD 20910, U.S.A.)からなる。Optimasはコンピュータシステムを用いる。
【0112】
アッセイ材料および方法
生化学的リガンド結合アッセイ
精製scFv調製品は、WO01/66754[104]に記載されているように製造した。精製scFv調製品のタンパク質濃度は、BCA法[105]を用いて測定した。PBSで2.5μg/mlに希釈した抗ヒトIgG4を、50μl/ウェルで、終夜4℃でFluoronunc(登録商標)96ウェルマイクロタイタープレートにコーティングした。PBS/0.1%ツイーン20 300μl/ウェルでプレートを3回洗浄し、ついで3%BSAを含むPBS溶液300μl/ウェルを用いて、室温で1時間ブロッキングした。プレートをPBS/0.1%ツイーン20 300μl/ウェルで再度3回洗浄し、1%BSA/PBSで62.5ng/mlに希釈したヒトGM-CSFRα50μlを各ウェルに加え、室温1時間プレートをインキュベートした。前述のように3回洗浄した後、サンプル物質25μlを各ウェルに加え、ついで1%BSA/PBSで2nMに希釈したビオチン化GM-CSF25μlを加えた。全結合を明らかにするために、緩衝液のみをサンプル物質として用いた。非特異的結合を明らかにするために、1%BSAで100nMに希釈した非標識GM-CSFをサンプル物質として用いた。プレートを室温で1時間インキュベートし、ついで前述のように3回洗浄した。DELFIA(登録商標)アッセイ緩衝液で100ng/mlに希釈したユーロピウム標識ストレプトアビジン(PerkinElmer)50μlをプレートの各ウェルに加え、室温で30〜60分インキュベートし、ついでDELFIA(登録商標)洗浄用緩衝液で7回洗浄した。DELFIA(登録商標)エンハンスメント溶液50μl/ウェルをプレートに加え、プレートリーダーを用いて615nmでサンプルを読み取った。
【0113】
TF-1増殖アッセイ
R&D Systemsから入手し、RPMI1640、10%FBS、1mMピルビン酸ナトリウムおよび4ng/ml GM-CSFで継続的に維持したTF-1細胞を、アッセイ培地(RPMI1640、5%FBS、1mMピルビン酸ナトリウム)で3回洗浄することにより飢餓状態におき、アッセイ培地に再懸濁し、37℃、5%CO
2で7〜24時間インキュベートした。ついで細胞をアッセイ培地に1x10
5/mlで再懸濁し、96ウェル平底組織培養プレートの各ウェルに100μl加えた。アッセイ培地に希釈する前に、原液サンプルを無菌濾過することにより試験サンプルを調製した。ついで細胞の各ウェルに試験物質50μlを加え、これらを37℃、5%CO
2で45〜60分間インキュベートした。ついで、アッセイ培地でEC
80値に希釈したGM-CSF(またはGM-CSFのいくつかのバッチに対して0.4ng/ml)50μlを各ウェルに加え、加湿チャンバー中、37℃、5%CO
2で16時間プレートをインキュベートした。これは最終濃度7pMのGM-CSFに相当する。細胞の増殖を測定するために、アッセイ培地で5.0μCi/mlに希釈した
3H-チミジン20μlをプレートの各ウェルに加え、37℃、5%CO
2で4時間±30分プレートをインキュベートした。ついでプレートハーベスターを用いて、96ウェルGF/C Unifilter(登録商標)プレート上に細胞を採取し、洗浄した。フィルタープレートの各ウェルにMicroScint20(登録商標)50μl加えた後、プレートをシールしてトップカウントプレートリーダーでカウントした。
【0114】
ヒト顆粒球形態変化アッセイ
ヒトバフィーコート(輸血管理室からのヒト血液パック)を、等容量の3%デキストランT-500を含む0.9%NaCl溶液に混合した。ついでこの混合物を、界面が形成されるまで直立位置でインキュベートした。上層を採取し、ヒストパック1.077密度勾配の上部に層状に重ね、ついで400gで40分間遠心分離し、ブレーキを用いずに止まらせた。この勾配の上層を除き、顆粒球ペレットを残した。ペレット中に残っている赤血球を、細胞を20mlの氷水に30秒間再懸濁することにより溶解し、続いて氷冷した1.8%塩化ナトリウムを直ちに加えた。ついで細胞を1200rpmで再ペレット化し、アッセイ培地(RPMI1640、10%FBS、100u/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、25mM HEPES)に1x10
6/mlで再懸濁した。ついで96ウェル平底組織培養プレートの各ウェルに細胞100μlを加えた。原液サンプルを無菌濾過し、必要に応じてアッセイ培地で希釈して、試験サンプルを調製した。
【0115】
ついで、リード化合物の単離のために、細胞に試験サンプル50μlを加え、37℃、5%CO
2で45〜60分間プレートをインキュベートした。これは最終濃度7pMのGM-CSFに相当する。ついで、アッセイ培地で0.4ng/mlに希釈したGM-CSF50μlを各ウェルに加え、加湿チャンバー中、37℃、5%CO
2で4時間インキュベートした。
リード化合物の最適化のために、濾過し、アッセイ培地で希釈したIgG4を、アッセイ培地で0.4ng/mlに希釈した等容量の GM-CSFを混合した。これは最終濃度 7 pMの GM-CSFに相当する。ついで抗体/GM-CSF混合物100μlを各ウェルに加えた。ついでこれを、加湿 チャンバー中、37℃、 5% CO2で3時間インキュベートした。
冷ホルムアルデヒドを最終濃度1.25%まで加え、細胞を終夜4℃で固定した。フローサイトメトリーにより2000〜5000イベント/ウェルを分析した。ついで各サンプルに関する前方散乱(FSC)の幾何平均をCellQuestを用いて導いた。幾何平均を算出するとき、無関係な集団(例えば死細胞/破片)を除外するために細胞をゲートで制御した。
【0116】
カニクイザル顆粒球形態変化アッセイ
GM-CSFでの刺激後にカニクイザル顆粒球の形態変化を測定するアッセイで抗体を評価した。カニクイザル全血から顆粒球を精製し、本質的にヒト顆粒球形態変化アッセイに記載されているようにしてアッセイを行った。
【0117】
バイオセンサー分析を用いる結合親和性データ
scFvおよびIgG4と組換え受容体との相互作用の速度論的パラメータを評価するためにBIAcore 2000 System (Pharmacia Biosensor)を用いた。このバイオセンサーは、表面プラズモン共鳴の光学効果を利用して、検体分子とデキストランマトリックスに共有結合したリガンド分子との相互作用から生じる表面濃度の変化を調べる。典型的には、自由溶液中の検体種は結合リガンド上を経過し、任意の結合は局所SPRシグナルの増加として検出される。これに続いて、洗浄の期間があり、洗浄中、検体種の解離はSPRシグナルの減少として観察され、その後残った検体はリガンドから取り除かれ、この手順がいくつかの異なる検体濃度で繰り返される。結合リガンドの絶対結合能または速度論プロフィールのいずれもが大きく変わらないことを確かめるために、通例、実験中一連の対照が用いられる。検体サンプルの主な希釈剤および解離相溶媒として、典型的には、hepes緩衝生理食塩水(HBS-EP)が用いられる。実験データは、時間に対する共鳴単位(resonance unit)(SPRシグナルに直接に対応する)で記録される。共鳴単位は、結合した検体のサイズおよび量に直接に比例する。ついで、解離相(解離速度単位s
-1)および会合相(会合速度単位M
-1s
-1)に速度定数を帰属するためにBIAevaluationソフトウェアパッケージを用いることができる。ついでこれらの図から会合および解離親和定数の算出が可能となる。
【0118】
IgG4がアミンによりプロテインA表面に非共有結合的に捕獲される単一のアッセイを用いてIgG4の親和性を測定した。ついで、組換え精製タグ付きGM-CSF受容体細胞外ドメインの一連の100〜6.25nM希釈液をIgG4上に順次通過させた。濃度(Bradford)および予測される翻訳後非修飾成熟ポリペプチド質量(39.7kDa)を用いて受容体のモル濃度を算出した。2つの異なるデータセットのそれぞれを同一フォーマットで分析した。会合および解離速度の同時広域計算にあわせた1:1 langmuirモデルを用い、Rmax値を広域に合わせて対照セル補正データにフィッティング処理を行った。全体の実験中に安定に残っている捕捉された量を確認するために、各サイクル中に捕捉されたIgG4レベルを評価した。さらに、ベースラインドリフトの補正が必要かどうかを決定するために、IgG4の解離速度を評価した。しかしながら、両方のプロテインA相互作用は、十分に再現性があり、安定であることが判明した。データの妥当性は算出されたχ2およびT値(パラメータ値/オフセット)により制約され、それぞれ<2および>100でなければならなかった。
【0119】
精製タグ付きGM-CSFRα細胞外ドメインの産生
マウスIL-3シグナル配列を含むヒトGM-CSF受容体α細胞外ドメイン(配列番号205、成熟GM-CSF Rのアミノ酸1-298を示す)をコードする配列を組み込み、N末端精製タグを組み込んだpEFBOS発現ベクター[106]を用いて、組換えN末端タグをつけたGM-CSF受容体細胞外ドメイン(ECD)ポリペプチドを製造した。標準手順を用い、pEFBOSベクターを用いてCHO細胞内でタグをつけたECDポリペプチドを発現させた。このポリペプチドは、精製GM-CSFRα細胞外ドメインまたはGM-CSFRαの可溶性細胞外ドメインとも呼ぶことができる。
任意の適切な精製タグを用いることができ、例えばFlagペプチド(DYKDDDE-配列番号204)、Fc、ビオチンまたはHisタグを用いることができる。任意の適切な技術を用いて精製を行うことができ、例えばFlagタグをつけたECDポリペプチド(配列番号203)はM2アフィニティークロマトグラフィーカラムで精製し、FLAGペプチドで溶出することができる。
【0120】
単球TNFα放出アッセイ
単球の精製(Monocyte Isolation Kit - Miltenyi Biotec - 130-053-301):
ヒストパック1.077密度勾配(Sigma、Cat. No.1077-1)の上部にヒトバフィーコート(輸血管理室からのヒト血液パック)を層状に重ね、400xgで40分間細胞を遠心分離した。遠心機を停止するとき、ブレーキをかけなかった。ついで界面からPBMC細胞を採取した。細胞をPBSで洗浄し、300xgで10分間ペレット化し、ついで氷水20mlで15秒間再縣濁することにより残った赤血球を溶解し、次に直ちに氷冷した1.8%NaClを加えた。ついで1200rpmで5分間細胞をペレット化し、MACS緩衝液(PBS、2mM EDTA)600μlに再懸濁した。キットで提供されるFc阻止試薬200μlを細胞に加え、混合した後、ハプテン-抗体カクテル(キットでも提供される)200μlを加え、混合した。ついで4℃で15分間細胞をインキュベートし、次にMACS緩衝液50mlで2回洗浄した。細胞ペレットをMACS緩衝液600μlに再懸濁し、ついでFc阻止試薬200μlを加え、混合し、次にMACS抗ハプテンマイクロビーズ200μlを加え、混合した。細胞を4℃で45分間インキュベートし、ついでMACS緩衝液50mlで洗浄し、MACS緩衝液500μlに再懸濁した。MACS緩衝液3mlで洗浄して単一のカラム(Miltenyi Biotec130-042-401)を調製し、ついで細胞浮遊液をカラムに加えた。濃縮単球画分として溶出液を回収した。カラムをMACS緩衝液2x3mlで洗浄し、溶出液を回収した。標準的なフローサイトメトリー法を用い、抗CD14-PEで染色することにより単球の純度をチェックした。最後に、アッセイ培地(RPMI1640、10%FCS、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン)に4x10
6/mlで細胞を再懸濁した。
【0121】
単球の刺激:
Costar96ウェル平底組織培養プレートの各ウェルに細胞50μlを加えた。150μg/ml rhIFNγ(R&D systyems)25μlを全ウェルに加えた。濾過し、アッセイ培地で希釈したIgG4をアッセイ培地で56ng/ml(4nM)に希釈した等容量のGM-CSFと混合した。これは最終濃度1nMのGM-CSFに相当する。ついで抗体/GM-CSF混合物75μlを各ウェルに加えた。対照には、GM-CSFのみのウェルまたはGM-CSFおよび抗体なしのウェルを用いた。ついで、加湿チャンバー中、37℃、5%CO
2で18時間プレートをインキュベートした。ついで上清を採取し、ELISAによりTNF-αレベルを試験した。
【0122】
TNFα ELISA (R&D Systems ELISA Development System DY210):
PBS中4μg/mlの捕捉用抗体100μlを用い、Fluoronunc Immunosorb ELISAプレートを室温で終夜被覆した。ついでプレートをPBS/0.1%ツイーンで3回洗浄し、3%Marvelを含むPBS溶液300μl/ウェルを用い、室温で1時間ブロックした。PBS/0.1%ツイーンでプレートを3回洗浄した。アッセイプレートからの上清100μlをELISAプレートに移し、アッセイ培地で希釈したTNF-αの滴定を対照ウェルに加えた。室温で2時間プレートをインキュベートし、ついでPBS/0.1%ツイーンで4〜5回洗浄した。1%Marvel/PBSで300ng/mlに希釈した検出抗体100μlをプレートの各ウェルに加え、プレートを室温でさらに2時間インキュベートし、ついでPBS/0.1%ツイーンで4〜5回洗浄した。ストレプトアビジン-ユーロピウム(PerkinElmer1244-360)をDELFIAアッセイ緩衝液 (PerkinElmer 4002-0010)で1:1000に希釈し、100μl/ウェルで加え、ついで室温で45分間インキュベートした。ついでプレートをDELFIA洗浄用緩衝液で7回洗浄し、ついでエンハンスメント溶液(PerkinElmer4001-0010)100μl/ウェルを加え、プレートリーダーにより615nmで読み取った。
【0123】
顆粒球生存アッセイ
好中球活性化アッセイ(形態変化アッセイ)のために記載したようにヒトバフィーコートから細胞を精製し、アッセイ培地(RPMI-1640 Glutamax、10%FBS、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン)で洗浄し、アッセイ培地に1x10
6/mlで再懸濁した。Costar96ウェル平底組織培養プレートの各ウェルに細胞100μlを加えた。濾過した抗体原液をアッセイ培地で希釈し、0.4ng/mlの等容量のGM-CSFで混合した。これは最終濃度7pMのGM-CSFに相当する。対照ウェルは培地単独またはGM-CSF単独を含んでいた。ついでプレート上の各ウェルに試験サンプル/GM-CSF混合物100μlを加え、加湿チャンバー中、37℃/5%CO
2で68時間細胞をインキュベートした。各ウェルにAlamarBlue20μlを加え、加湿チャンバー中、37℃/5%CO
2でさらに24時間プレートをインキュベートした。ついでプレートリーダーを用い、560nmおよび590nmでプレートを読み取った。
【0124】
TF-1増殖アッセイならびにヒトおよびカニクイザル顆粒球形態変化アッセイにおける抗GM-CSFRα抗体のpA
2分析
競合的アンタゴニストの親和性を定量するための主な薬理学的ツールはシルド(Schild)分析である。このアプローチを用いることにより、機能アッセイにおけるアンタゴニストの親和性を予測するためのシステムに独立した手段である。この方法は、アンタゴニスト濃度およびその親和性は、アゴニスト反応の拮抗作用を決定するという概念に基づいている。拮抗作用は定量でき、アンタゴニストの濃度は既知であるため、アンタゴニストの親和性は定量できる。この拮抗作用は、用量比(DR)と呼ばれる、アンタゴニストのありなしで測定したアゴニストの等活性濃度(equiactive concentration)の比を測定することにより定量される。
【0125】
単一濃度の結合構造要素の存在下でのアゴニストのEC50に対する本結合構造要素の非存在下でのアゴニスト(一般的にはGM-CSF)のEC50の比を取ることにより用量比を算出できる。ついでlog(DR-1)として表される用量比をlog[結合構造要素]に対する線状回帰に用いてシルド回帰を行うことができる。従って、結合構造要素のすべての濃度に対して対応するDR値が存在し、これらはlog[結合構造要素]に対するlog(DR-1)の回帰としてプロットされる。拮抗作用が競合的であれば、シルド方程式に従ってlog(DR-1)およびlog[結合構造要素]間に線状相関が存在する。シルド方程式は次のとおりである。
Log(DR-1)=log[A]-log K
A
これらの条件下で、縦座標に関するゼロの値は、x軸の切片を与え、ここでlog[a]=log K
Aである。従って、log(DR-1)=0を生じる結合構造要素の濃度は、本結合構造要素受容体複合体の平衡解離定数であるlog K
Aに等しい。これは、受容体を含むすべての細胞システムに対して正確であるべき、結合構造要素親和性の定量化と独立したシステムである。
【0126】
KA値は対数プロットから得られるため、それらは対数正規分布に従う。この特定の濃度の負の対数は、経験的にpA
2と呼ばれ、アゴニスト用量応答曲線の2倍シフトを生じるアンタゴニストの濃度のことである。アンタゴニスト能は、以下の方程式からの用量比に対して単一の値を生じるアンタゴニストの単一の濃度からのpA
2を算出することにより定量できるpA
2=log(DR-1)-log[a]
(式中、[a]は、もとの最大未満の応答を誘発するアゴニスト濃度を2倍にするのを必要にさせるアンタゴニストのモル濃度であり、DR(用量比)は、アンタゴニストのありなしで測定される、アゴニストの等活性濃度の比を測定することにより定量される)。
pA
2は用量応答アッセイデータから算出できる。
【0127】
コロニー形成アッセイにおける血球前駆細胞のin vitroでのGM-CSF媒介分化の阻害
標準的な臨床管理の一部として前駆細胞動員およびアフェレーシスを受けたドナーから造血前駆細胞に富む末梢血単核細胞を得た。サンプルは同定せず、細胞は、使用前に冷凍保存はしなかった。最終濃度10ng/mlのヒトGM-CSFの存在下で、半固体寒天[107]中、5x10
4単核細胞を培養した。試験親和性成熟ヒトmAbsおよび公知のマウス抗体2B7を寒天培地に10、5、1、0.5、0.1または0.05μg/mlの最終濃度で加えた。親ヒトmAb28G5およびイソタイプ適合陰性対照ヒトmAbであるCAT001を単一濃度10μg/mlで評価した。対照目的で、mAbについても、SCF、IL-3およびG-CSFの組み合わせで刺激されるコロニー形成を遮断するそれらの能力(Crokerら、2004)ならびにサイトカインの非存在下でのコロニー形成に対するそれらの影響を評価した。37℃、大気中10%C0
2で14日間インキュベートした後、コロニー形成(>40細胞の凝集体)を評価した。グルタルアルデヒドでコロニーを固定し、35Xの倍率で解剖顕微鏡を用いて計数した。
【0128】
ヒトGM-CSFRαβトランスジェニックマウスにおけるin vivoGM-CSF生物活性の阻害
MHCクラスIプロモーターの調節下にあるヒトGM-CSFRのαおよびβ鎖の両方を発現しているトランスジェニック(Tg)マウスが作製され、huGM-CSFの投与に対するin vivo脾臓および血球反応が記載されている[108]。huGM-CSFRα特異的mAb拮抗活性のin vivo分析のために、Tgマウスから野生型マウスマウスへの骨髄移植を、トランスジェニックhuGM-CSFRαβ発現が骨髄由来造血細胞に限定され、それにより内因性受容体の発現プロフィールと良く似るキメラ動物を作製するために使用できる。これらのhuGM-CSFRαβTgキメラマウスにおいて、huGM-CSFの投与により脾臓質量の増加と循環血液単球のマージナリゼーションが引き起こされる。
【0129】
Tgキメラマウスの作製:
ドナーTgマウスから大腿骨および脛骨を取り除き、無菌PBS+3%仔牛胎児血清(FCS)で骨髄を流し出した。ついで23G針で骨髄間質を抜き取り、単一の細胞浮遊液を得、ついで冷PBS+3%FCSで細胞を1回洗浄し、ステンレススチールメッシュを通過させた。ついで0.168M塩化アンモニウム緩衝液中での溶菌により赤血球を除去し、次にリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)+3%FCSで2回以上細胞を洗浄し、ついで再度ステンレススチールメッシュを通過させた。さらに死細胞および細胞残滓を取り除くために、FCSクッションで懸濁液を遠心分離した。生存細胞をペレットで回収し、PBSで1回洗浄し、2.5x10
7/mlでPBSに再懸濁した。5〜8週齢レシピエントC57/BL6マウスを、3時間離して550Radで2回、致死量放射線照射した。0.2ml細胞浮遊液(すなわち5x10
6細胞/マウス)をレシピエントマウスに静脈内(i.v)注射し、続いて、フード付ボックス内で0.02Mネオマイシンを含む飲料水で3週間飼育した。6週間後に、huGMCSFRαおよびβ鎖に特異的なmAbを用いて、末梢血のFACS分析により再構成を評価した。
【0130】
GM-CSF処理およびそれに続くTgキメラマウスの分析:
Tgキメラマウスに、1日2回4日間皮下(s.c)経路でhuGM-CSF500ngを投与した。5匹のマウスの抗体拮抗活性群の分析のために、GM-CSF処理の開始の1日前に腹腔内(i.p)経路で特定の投与量のmAb(以下を参照)を投与した。5日目に、ADVIA(登録商標)Hematology System(Bayer Diagnostics)を用いて、循環白血球集団、特に血液単球の分析のために0.2mlの血液を採血した。ついで動物を犠牲にし、脾臓を除去して質量を測定した。
【0131】
ヒトのヒト末梢血単核細胞から内因的に発現されるヒトTNFaおよびIL-6の阻害
ヒトバフィーコート(輸血管理室からのヒト血液パック)をヒストパック1.077密度勾配(Sigma、Cat No.1077-1)の上部に層状に重ね、400xgで40分間細胞を遠心分離した。遠心機を止めるとき、ブレーキをかけなかった。界面からPBMC細胞を採取した。細胞をPBSで洗浄し、300xgで10分間ペレット化し、残った赤血球を氷水20mlに15秒間再縣濁することにより溶解し、ついで氷冷した1.6%NaClを直ちに加えた。ついで1200rpmで5分間細胞をペレット化し、10%FBS/RPMIおよび1%ペニシリン-ストレプトマイシンを含む10mlに再懸濁した。ついで5x10
6/mlに細胞を希釈した。各ウェルに細胞110μlを分配し(5.5x10
5/ウェル)、37℃、5%CO
2で1時間細胞を沈殿させた。単一の最終濃度対照として以下の試薬を加えた:PHA(5μg/ml)、LPS(25μg/ml)、GM-CSF(10ng/ml)およびイソタイプ対照(50μg/ml)。抗体6を加えて、5倍希釈系列で最終出発濃度50μg/mlにした。ついで37℃、5%CO
2で72時間プレートをインキュベートした。72時間後、上清を採取し、以下のR&D ELISA キット(hTNF-a R&D Duoset ELISA development system DY210 および hIL-6 R&D Duoset ELISA development system DY206)を用いて、TNFa およびIL-6のレベルを算出した。ELISAは供給業者の推奨に従って行った。
【0132】
表1.28G5の最適化から単離されたIgG4非生殖系列抗体による、GM-CSFにより引き起こされるTF-1細胞増殖の阻害。増加する濃度のIgG4抗体の存在下、単一濃度のGM-CSFでTF-1細胞の増殖を引き起こした。トリチウム化チミジンの取り込みを測定し、抗体のIC50値を算出した。データはn≧3を表す。SEM(標本平均の標準誤差)を示す。
【0133】
【0134】
表2.8G5の最適化中に単離された抗GM-CSFRαIgG4非生殖系列抗体の速度論的解析。プロテインAを被覆したチップの表面にIgG4抗体を固定化し、一連の精製タグ付きGM-CSFRαECD希釈液をIgG4上に通過させた。物質移動を考慮したLangmuir 1:1同時k
a k
dを用いてデータにフィッティング処理を行った。
【0135】
抗体9および11のデータは2相性であった。
【0136】
表3.28G5の最適化中単離されたIgG4非生殖系列抗体による、ヒト顆粒球のGM-CSFにより引き起こされる形態変化の阻害。増加する濃度のIgG4抗体の存在下、単一濃度のGM-CSFでヒト顆粒球を処理した。フローサイトメトリーを用いて顆粒球の形態変化を測定し、抗体のIC50値を算出した。
【0137】
【0138】
表4.GM-CSFにより引き起こされる単球からのTNFα放出の阻害。増加する濃度のIgG4非生殖系列抗体の存在下、単一濃度のGM-CSFでヒト単球を処理した。ELISAでTNFαの放出を測定し、抗体のIC50値を算出した。
【0139】
【0140】
【表1】
【0141】
配列表の鍵
添付の配列表において、親クローンおよび最適化したパネルからの19クローンを含む20抗体クローンについて核酸およびアミノ酸(“PRT”)配列を記載した。抗体は、Ab1からAb20まで番号付けした。親クローンは抗体3であり、配列番号21〜30および配列番号211〜212で表される。
以下のリストにより、示された分子の配列が記載されている配列番号が識別される(nt=ヌクレオチド配列;aa=アミノ酸配列)。
1 抗体 01 VH nt
2 抗体 01 VH aa
3 抗体 01 VH CDR1 aa
4 抗体 01 VH CDR2 aa
5 抗体 01 VH CDR3 aa
6 抗体 01 VL nt
7 抗体 01 VL aa
8 抗体 01 VL CDR1 aa
9 抗体 01 VL CDR2 aa
10 抗体 01 VL CDR3 aa
11 抗体 02 VH nt
12 抗体 02 VH aa
13 抗体 02 VH CDR1 aa
14 抗体 02 VH CDR2 aa
15 抗体 02 VH CDR3 aa
16 抗体 02 VL nt
17 抗体 02 VL aa
18 抗体 02 VL CDR1 aa
19 抗体 02 VL CDR2 aa
20 抗体 02 VL CDR3 aa
21 抗体 03 VH nt
22 抗体 03 VH aa
23 抗体 03 VH CDR1 aa
24 抗体 03 VH CDR2 aa
25 抗体 03 VH CDR3 aa
26 抗体 03 VL nt
27 抗体 03 VL aa
28 抗体 03 VL CDR1 aa
29 抗体 03 VL CDR2 aa
30 抗体 03 VL CDR3 aa
31 抗体 04 VH nt
32 抗体 04 VH aa
33 抗体 04 VH CDR1 aa
34 抗体 04 VH CDR2 aa
35 抗体 04 VH CDR3 aa
36 抗体 04 VL nt
37 抗体 04 VL aa
38 抗体 04 VL CDR1 aa
39 抗体 04 VL CDR2 aa
40 抗体 04 VL CDR3 aa
41 抗体 05 VH nt
42 抗体 05 VH aa
43 抗体 05 VH CDR1 aa
44 抗体 05 VH CDR2 aa
45 抗体 05 VH CDR3 aa
46 抗体 05 VL nt
47 抗体 05 VL aa
48 抗体 05 VL CDR1 aa
49 抗体 05 VL CDR2 aa
50 抗体 05 VL CDR3 aa
51 抗体 06 VH nt
52 抗体 06 VH aa
53 抗体 06 VH CDR1 aa
54 抗体 06 VH CDR2 aa
55 抗体 06 VH CDR3 aa
56 抗体 06 VL nt
57 抗体 06 VL aa
58 抗体 06 VL CDR1 aa
59 抗体 06 VL CDR2 aa
60 抗体 06 VL CDR3 aa
61 抗体 07 VH nt
62 抗体 07 VH aa
63 抗体 07 VH CDR1 aa
64 抗体 07 VH CDR2 aa
65 抗体 07 VH CDR3 aa
66 抗体 07 VL nt
67 抗体 07 VL aa
68 抗体 07 VL CDR1 aa
69 抗体 07 VL CDR2 aa
70 抗体 07 VL CDR3 aa
71 抗体 08 VH nt
72 抗体 08 VH aa
73 抗体 08 VH CDR1 aa
74 抗体 08 VH CDR2 aa
75 抗体 08 VH CDR3 aa
76 抗体 08 VL nt
77 抗体 08 VL aa
78 抗体 08 VL CDR1 aa
79 抗体 08 VL CDR2 aa
80 抗体 08 VL CDR3 aa
81 抗体 09 VH nt
82 抗体 09 VH aa
83 抗体 09 VH CDR1 aa
84 抗体 09 VH CDR2 aa
85 抗体 09 VH CDR3 aa
86 抗体 09 VL nt
87 抗体 09 VL aa
88 抗体 09 VL CDR1 aa
89 抗体 09 VL CDR2 aa
90 抗体 09 VL CDR3 aa
91 抗体 10 VH nt
92 抗体 10 VH aa
93 抗体 10 VH CDR1 aa
94 抗体 10 VH CDR2 aa
95 抗体 10 VH CDR3 aa
96 抗体 10 VL nt
97 抗体 10 VL aa
98 抗体 10 VL CDR1 aa
99 抗体 10 VL CDR2 aa
100 抗体 10 VL CDR3 aa
101 抗体 11 VH nt
102 抗体 11 VH aa
103 抗体 11 VH CDR1 aa
104 抗体 11 VH CDR2 aa
105 抗体 11 VH CDR3 aa
106 抗体 11 VL nt
107 抗体 11 VL aa
108 抗体 11 VL CDR1 aa
109 抗体 11 VL CDR2 aa
110 抗体 11 VL CDR3 aa
111 抗体 12 VH nt
112 抗体 12 VH aa
113 抗体 12 VH CDR1 aa
114 抗体 12 VH CDR2 aa
115 抗体 12 VH CDR3 aa
116 抗体 12 VL nt
117 抗体 12 VL aa
118 抗体 12 VL CDR1 aa
119 抗体 12 VL CDR2 aa
120 抗体 12 VL CDR3 aa
121 抗体 13 VH nt
122 抗体 13 VH aa
123 抗体 13 VH CDR1 aa
124 抗体 13 VH CDR2 aa
125 抗体 13 VH CDR3 aa
126 抗体 13 VL nt
127 抗体 13 VL aa
128 抗体 13 VL CDR1 aa
129 抗体 13 VL CDR2 aa
130 抗体 13 VL CDR3 aa
131 抗体 14 VH nt
132 抗体 14 VH aa
133 抗体 14 VH CDR1 aa
134 抗体 14 VH CDR2 aa
135 抗体 14 VH CDR3 aa
136 抗体 14 VL nt
137 抗体 14 VL aa
138 抗体 14 VL CDR1 aa
139 抗体 14 VL CDR2 aa
140 抗体 14 VL CDR3 aa
141 抗体 15 VH nt
142 抗体 15 VH aa
143 抗体 15 VH CDR1 aa
144 抗体 15 VH CDR2 aa
145 抗体 15 VH CDR3 aa
146 抗体 15 VL nt
147 抗体 15 VL aa
148 抗体 15 VL CDR1 aa
149 抗体 15 VL CDR2 aa
150 抗体 15 VL CDR3 aa
151 抗体 16 VH nt
152 抗体 16 VH aa
153 抗体 16 VH CDR1 aa
154 抗体 16 VH CDR2 aa
155 抗体 16 VH CDR3 aa
156 抗体 16 VL nt
157 抗体 16 VL aa
158 抗体 16 VL CDR1 aa
159 抗体 16 VL CDR2 aa
160 抗体 16 VL CDR3 aa
161 抗体 17 VH nt
162 抗体 17 VH aa
163 抗体 17 VH CDR1 aa
164 抗体 17 VH CDR2 aa
165 抗体 17 VH CDR3 aa
166 抗体 17 VL nt
167 抗体 17 VL aa
168 抗体 17 VL CDR1 aa
169 抗体 17 VL CDR2 aa
170 抗体 17 VL CDR3 aa
171 抗体 18 VH nt
172 抗体 18 VH aa
173 抗体 18 VH CDR1 aa
174 抗体 18 VH CDR2 aa
175 抗体 18 VH CDR3 aa
176 抗体 18 VL nt
177 抗体 18 VL aa
178 抗体 18 VL CDR1 aa
179 抗体 18 VL CDR2 aa
180 抗体 18 VL CDR3 aa
181 抗体 19 VH nt
182 抗体 19 VH aa
183 抗体 19 VH CDR1 aa
184 抗体 19 VH CDR2 aa
185 抗体 19 VH CDR3 aa
186 抗体 19 VL nt
187 抗体 19 VL aa
188 抗体 19 VL CDR1 aa
189 抗体 19 VL CDR2 aa
190 抗体 19 VL CDR3 aa
191 抗体 20 VH nt
192 抗体 20 VH aa
193 抗体 20 VH CDR1 aa
194 抗体 20 VH CDR2 aa
195 抗体 20 VH CDR3 aa
196 抗体 20 VL nt
197 抗体 20 VL aa
198 抗体 20 VL CDR1 aa
199 抗体 20 VL CDR2 aa
200 抗体 20 VL CDR3 aa
201 GM-CSFRα 線状 残基 配列
202 ヒト GM-CSFRαの完全長 アミノ酸配列
203 FLAGタグをつけた ヒト GM-CSFRα 細胞外ドメイン
204 FLAG ペプチド
205 ヒト GM-CSFRα 細胞外ドメインのアミノ酸配列
206 成熟 GM-CSFRα
207 抗体 1 VL nt
208 抗体 1 VL aa
209 抗体 2 VL nt
210 抗体 2 VL aa
211 抗体 3 VL nt
212 抗体 3 VL aa
213 抗体 4 VL nt
214 抗体 4 VL aa
215 抗体 5 VL nt
216 抗体 5 VL aa
217 抗体 6 VL nt
218 抗体 6 VL aa
219 抗体 7 VL nt
220 抗体 7 VL aa
221 抗体 8 VL nt
222 抗体 8 VL aa
223 抗体 9 VL nt
224 抗体 9 VL aa
225 抗体 10 VL nt
226 抗体 10 VL aa
227 抗体 11 VL nt
228 抗体 11 VL aa
229 抗体 12 VL nt
230 抗体 12 VL aa
231 抗体 13 VL nt
232 抗体 13 VL aa
233 抗体 14 VL nt
234 抗体 14 VL aa
235 抗体 15 VL nt
236 抗体 15 VL aa
237 抗体 16 VL nt
238 抗体 16 VL aa
239 抗体 17 VL nt
240 抗体 17 VL aa
241 抗体 18 VL nt
242 抗体 18 VL aa
243 抗体 19 VL nt
244 抗体 19 VL aa
245 抗体 20 VL nt
246 抗体 20 VL aa
247 抗体 6 VH nt
248 抗体 6 VH aa
249 抗体 6 VL nt
250 抗体 6 VL aa
251 VH FR1 aa
252 VH FR2 aa
253 VH FR3 aa
254 VH FR4 aa
255 VL FR1 aa
256 VL FR2 aa
257 VL FR3 aa
258 VL FR4 aa
【0142】
抗体1〜20のVLドメインヌクレオチド配列は、配列番号6、16、26、36、46、56、66、76、86、96、106、116、126、136、146、156、166、176、186および196において3'末端に示されるgcgコドンを含まない。それに対応して、VLドメインのアミノ酸配列は、配列番号7、17、27、37、47、57、67、77、87、97、107、117、127、137、147、157、167、177、187および197において、それぞれC末端Ala残基(残基113)を含まない。Ala113残基および対応するgcgコドンは抗体1〜20において発現されなかった。記載された配列と生殖系列遺伝子セグメント、特にJL2との比較は、Ala残基および対応するgcgコドンはVLドメインの一部を形成しないことを示している。
発現されたscFvおよびIgG配列において、位置112におけるGly残基は存在しなかった。しかしながら、この残基はVLドメインのフレームワーク4領域を形成するヒト生殖系列jセグメント配列、例えばJL2には存在しない。Gly残基はVLドメインの一部ではないと考えられる。
【0143】
IgGのL鎖を発現するために、VLドメインをコードするエクソン1、CLドメインをコードするエクソン2およびエクソン1とエクソン2を分離しているイントロンを含む、抗体L鎖をコードするヌクレオチド配列を得た。通常、細胞のmRNAプロセシング機構によりイントロンが除去され、エクソン1の3'末端とエクソン2の5'末端が結合される。従って、前記ヌクレオチド配列を有するDNAがRNAで発現されたとき、エクソン1とエクソン2が継ぎ合わされた。スプライスしたRNAの翻訳により、VLおよびCLドメインを含むポリペプチドが産生される。スプライシング後、位置112におけるGlyは、VLドメインフレームワーク4配列の最後の塩基(g)およびCLドメインの最初の2つの塩基(gt)によりコードされる。
抗体1〜20のVLドメイン配列は前述の配列番号186〜246である。VLドメインヌクレオチド配列は最後のコドンとしてctaで終了し、Leuは対応するVLドメインのアミノ酸配列における最後のアミノ酸残基である。
配列番号51、52、56、57、216および217に示される生殖系列VHおよびVLドメイン配列に加えて、抗体6の非生殖系列VHおよびVLドメイン配列を配列番号247〜250に示す。
【0144】
引用文献
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