特許第5665904号(P5665904)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5665904並列コイル型永久磁石モータの故障検出方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5665904
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】並列コイル型永久磁石モータの故障検出方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H02P 21/00 20060101AFI20150115BHJP
   H02P 27/04 20060101ALI20150115BHJP
   H02P 23/00 20060101ALI20150115BHJP
【FI】
   H02P5/408 C
   H02P7/36 303S
【請求項の数】7
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2013-62116(P2013-62116)
(22)【出願日】2013年3月25日
(65)【公開番号】特開2014-117140(P2014-117140A)
(43)【公開日】2014年6月26日
【審査請求日】2013年3月25日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0141827
(32)【優先日】2012年12月7日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503257778
【氏名又は名称】コリア エレクトロニクス テクノロジ インスティチュート
(74)【代理人】
【識別番号】100092956
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 栄男
(74)【代理人】
【識別番号】100101018
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 正
(72)【発明者】
【氏名】チョン・インソン
(72)【発明者】
【氏名】チェ・ジュニョク
(72)【発明者】
【氏名】ク・ボングヮン
(72)【発明者】
【氏名】パク・ジュソン
(72)【発明者】
【氏名】キム・ジンホン
【審査官】 宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−050297(JP,A)
【文献】 Bon-Gwan Gu,lun-Hyuk Choi,In-Soung lung,A Dynamic Modeling and a Fault Detection Scheme of a PMSM under an Inter Tum Short,2012 IEEE Vehicle Power and Propulsion Conference, Oct. 9-12,2012, Seoul, Korea,米国,IEEE,2012年10月 9日,Oct. 9-12,2012,1074-1080
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 1/00−31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列コイル型が採択されたモータと;
前記モータの相電流を検出する電流検出部と;
前記電流検出部の検出電流ベクトルを基準として前記モータで発生する逆相(Negative Sequence)成分に対する電流補償値を算出する補償電流算出部と;
前記補償電流算出部で提供する電流補償値及び制御システムで提供する電流指令値を利用してインバータ制御のための制御信号を生成する正相(Positive Sequence)電流制御機と;
前記電流補償値及び前記制御システムで提供する電流指令値を利用して逆相成分除去のための信号を生成し、前記正相電流制御機に提供する逆相(Negative Sequence)電流制御機と;
前記正相電流制御機が提供する制御信号によるモータ動作信号を生成するインバータと;
前記逆相電流制御機の出力を、故障が発生した前記モータの特定相の特定スロットでの磁束変化及び特定相と同一相の他のスロットの誘導磁束変化量を適用した故障モデルを適用し、故障した相及び故障の程度を検出する故障検出部と;
前記故障した相及び故障の程度が適用された電流指令値を提供する制御システムと;を含み、
前記故障モデルの抵抗成分R
【数31】
であり、
前記故障モデルのインダクタンスL
【数32】
であり、
ここで、Pは、ポール数(pole number)であり、P/2は、ポールペアの数(Pole pair number)、L、Lは、モータが正常状態であるときの各相の自己インダクタンス(Self inductance)、漏れインダクタンス(Leakage inductance)であり、Rは、相抵抗成分、xは、故障したポール(Pole)の故障がないコイルの比率であり、γは、特定相のスロットで同一相の残りの他のポールペア(Pole pair)の結合係数(coupling factor)、ここで、Rは、接触抵抗成分であることを特徴とする並列コイル型永久磁石モータの故障検出を支援するシステム。
【請求項2】
前記補償電流算出部は、
3相電流を2相同期座標系に転換した後、逆相成分補償のための電圧補償値を算出することを特徴とする請求項1に記載の並列コイル型永久磁石モータの故障検出を支援するシステム。
【請求項3】
前記故障検出部は、
前記逆相電流制御機の出力をフィルタリングし、フィルタリングされた信号を基盤とする電圧値及び前記故障モデルを利用して前記故障した相及び故障程度を算出することを特徴とする請求項1に記載の並列コイル型永久磁石モータの故障検出を支援するシステム。
【請求項4】
短絡による故障電流i
【数33】
であり、
ここで、
【数34】
【数35】
ここで、
【数36】
【数37】
【数38】
【数39】
【数40】
【数41】
【数42】
【数43】
【数44】
【数45】
【数46】
であり
前記電圧値は、
【数47】
であることを特徴とする請求項4に記載の並列コイル型永久磁石モータの故障検出を支援するシステム。
【請求項5】
並列コイル型モータをあらかじめ定義された電流指令値を基盤として駆動する段階と;
前記モータの相電流ベクトルを検出する段階と;
前記相電流ベクトルを基盤として前記モータの逆相(Negative Sequence)成分除去のための電流補償値を算出する段階と;
前記電流補償値を逆相(Negative Sequence)電流制御機に提供する段階と;
前記逆相電流制御機の出力と、故障が発生した並列コイル型モータの特定相の特定スロット及び前記特定相と同一相の他のスロットの誘導磁束変化量を適用した故障モデルを利用して前記並列コイル型モータの故障した相及び故障の程度を算出する段階と;
前記算出された故障した相及び故障程度を適用した電流指令値を適用する適用段階と;を含み、
前記算出する段階で、
前記故障モデルの抵抗成分R
【数31】
であり、
前記故障モデルのインダクタンスL
【数32】
であり、
ここで、Pは、ポール数(pole number)であり、P/2は、ポールペアの数(Pole pair number)、L、Lは、モータが正常状態であるときの各相の自己インダクタンス(Self inductance)、漏れインダクタンス(Leakage inductance)であり、Rは、相抵抗成分、xは、故障したポール(Pole)の故障がないコイルの比率であり、γは、特定相のスロットで同一相の残りの他のポールペア(Pole pair)の結合係数(coupling factor)、ここで、Rは、接触抵抗成分であることを特徴とする並列コイル型永久磁石モータの故障検出方法。
【請求項6】
前記算出する段階は、
前記逆相電流制御機の出力をロウパスフィルタを利用してフィルタリングした電圧値を基盤として前記モータの故障した相及び故障程度を算出することを特徴とする請求項5に記載の並列コイル型永久磁石モータの故障検出方法。
【請求項7】
前記適用段階は、
前記故障した相及び前記故障程度を基盤として前記モータの速度及び相電流の量を調節し、過電流発生を抑制する段階;
を含むことを特徴とする請求項6に記載の並列コイル型永久磁石モータの故障検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、永久磁石電動機に関し、特に並列コイル型永久磁石モータの固定子コイルが短絡されて発生する故障を数学的なモデルを基盤として故障が発生した相とその量を検出することができるように支援する並列コイル型永久磁石モータの故障検出方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、電動機の構造は、固定子と回転子の構造よりなる。小型の場合、固定子は、主に永久磁石を使用し、回転子には、コイルを巻き取り、これに電流を流して電磁石になるようにして、固定子と回転子との相互作用により回転するようになっている。この際、回転子が回動する状態でも続いて給電することができるようにする構造となっていることがブラシ(brush)部分である。
【0003】
しかし、最近、半導体の発達に伴い、回転子には、永久磁石を使用し、固定子には、コイルを巻き取り、これに電源を供給する方式が適用されている。このような方式は、固定子を順次に磁化させることによって、まるで固定子が回動することのように作用するようになり、固定子に磁気的に対応する回転子が回転するようになる。このような電動機を永久磁石型同期モータ(Permanent Magnet Synchronous Motor;PMSM)と言う。前記PMSM電動機は、回転子が永久磁石になり、外部電源によらずに磁束が発生するので、電力消耗を最小化し、全体システムの効率向上を期待することができる。
【0004】
このような永久磁石電動機の形態は、回転子と固定子の配置形態によって区分することができる。特に回転子の表面に永久磁石を付着する形態のSPM(SPM;Surface-Mounted Permanent Magnet Motor)は、磁石が円筒シャフトの表面に付着し、正弦波逆起電力を発生させ、電気子コイルに正弦波電流を印加すれば、常時一定のトークを発生する。
【0005】
一方、従来の電動機構造において固定子のコイルは、隣接するコイルと短絡しないように絶縁体が取り囲む形態で提供される。ところが、コイルを取り囲む絶縁体は、モータの使用によって老化するか、モータ内に誘起される一定の電源やスパークなどによって損傷される場合がたまに発生するようになる。これにより、コイルを取り囲む絶縁体が剥がれて、コイルが外部に露出することとなり、露出したコイルは、隣合う他の露出したコイルと電気的に短絡を起こす問題がある。このようなコイル短絡の問題を解決するために、従来は、単純にモータの初期動作を基準として一定のレベルの出力が発揮されない場合のみを基準として検出したので、モータの正確な故障発生の原因を把握することができず、それによる適切なモータ制御の実行が難しい問題があった。ここで、従来の故障検出方法は、一定の基準レベルを実験的に適用する形態なので、故障検出方法においても非常に多い偏差と誤差を有する問題があり、これを減らすために、さらに多い実験的データ獲得が要求されるので、それによる多くの努力と経費が要求されるという問題もあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、モータの固定子巻線の絶縁体が破壊されて内部コイル間にお互いに短絡されて発生する故障を容易に且つ精密に検出することができ、故障の程度と故障発生の相を正確に検出し、故障に対する分析を容易に行うことができる並列コイル型永久磁石モータの故障検出方法及びシステムを提供することにある。
【0007】
また、本発明の他の目的は、内部短絡による故障電流の量を推定し、適切な制限を通じてさらに安定的なモータ制御運転点を基準としてモータ動作を制御することができるように支援する並列コイル型永久磁石モータの故障検出方法及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施例によるモータシステムは、並列コイル型が採択されたモータと、前記モータの相電流を検出する電流検出部と、前記電流検出部の検出電流ベクトルを基準として前記モータで発生する逆相(Negative Sequence)成分に対する電流補償値を算出する補償電流算出部と、前記補償電流算出部で提供する電流補償値及び前記制御システムで提供する電流指令値を利用してインバータ制御のための制御信号を生成する正相(Positive Sequence)電流制御機と、前記電流補償値及び前記制御システムで提供する電流指令値を利用して逆相成分除去のための信号を生成し、前記正相電流制御機に提供する逆相(Negative Sequence)電流制御機と、前記正相電流制御機が提供する制御信号によるモータ動作信号を生成するインバータと、前記逆相電流制御機の出力を故障が発生した前記モータの特定相の特定スロットでの磁束変化及び特定相と同一相の他のスロットの誘導磁束変化量を適用した故障モデルを適用し、故障した相及び故障の程度を検出する故障検出部と、前記故障した相及び故障の程度が適用された電流指令値を提供する制御システムとを含むことを特徴とする並列コイル型永久磁石モータの故障検出を支援するシステムの構成を開示する。
【0009】
ここで、前記補償電流算出部は、3相電流を2相同期座標系に転換した後、逆相成分補償のための電流補償値を算出する。
【0010】
前記故障モデルの抵抗成分Rは、数式1に示すとおりであり、
【0011】
【数1】
【0012】
前記故障モデルのインダクタンスLは、
【0013】
【数2】
【0014】
であることを特徴とし、ここで、Pは、ポール数(pole number)であり、P/2は、ポールペアの数(Pole pair number)、L、Lは、モータが正常状態であるときの各相の自己インダクタンス(Self inductance)、漏れインダクタンス(Leakage inductance)であり、Rは、相抵抗成分、xは、故障したポール(Pole)の故障がないコイルの比率であり、γは、誘導磁束の変化量、ここで、Rは、接触抵抗成分である。
【0015】
前記故障検出部は、前記逆相電流制御機の出力をフィルタリングして、フィルタリングされた信号を基盤とした電圧値及び前記故障モデルを利用して前記故障した相及び故障程度を算出する。
【0016】
ここで、前記短絡による故障電流iは、
【0017】
【数3】
【0018】
であり、ここで、
【0019】
【数4】
【0020】
【数5】
【0021】
であり、
【0022】
【数6】
【0023】
【数7】
【0024】
【数8】
【0025】
【数9】
【0026】
【数10】
【0027】
【数11】
【0028】
【数12】
【0029】
【数13】
【0030】
【数14】
【0031】
【数15】
【0032】
【数16】
【0033】
前記電圧値は、
【0034】
【数17】
【0035】
である。
【0036】
本発明は、また、並列コイル型モータをあらかじめ定義された電流指令値を基盤として駆動する段階と、前記モータの電流ベクトルを検出する段階と、前記電流ベクトルを基盤として前記モータの逆相(Negative Sequence)成分除去のための電流補償値を算出する段階と、前記電流補償値を逆相(Negative Sequence)電流制御機に提供する段階と、前記逆相電流制御機の出力と、故障が発生した並列コイル型モータの特定相の特定スロット及び前記特定相と同一相の他のスロットの誘導磁束変化量を適用した故障モデルを利用して前記並列コイル型モータの故障した相及び故障の程度を算出する段階と、前記算出された故障した相及び故障程度を適用した電流指令値を適用する適用段階とを含むことを特徴とする並列コイル型永久磁石モータの故障検出方法の構成を開示する。
【0037】
ここで、前記算出する段階は、前記逆相電流制御機の出力をロウパスフィルタを利用してフィルタリングした電圧値を基盤として前記モータの故障した相及び故障程度を算出する。
【0038】
前記適用段階は、前記故障した相及び前記故障程度を基盤として前記モータの速度及び相電流の量を調節し、過電流の発生を抑制する段階を含むことができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明の並列コイル型永久磁石モータの故障検出方法及びシステムによれば、本発明は、モータの故障をモータの形態とパラメータ(Parameter)のみを基準として容易に検出することができるように支援し、モータの故障検出を、試験を通じて行うものでなく、モデルを基準として行うので、多様なモータに対して故障算出機能をさらに容易に適用することができる。
【0040】
また、本発明は、モータ故障電流を推定することができ、モータの故障が拡大されない方式を基盤として運転することができるように支援する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1図1は、本発明の実施例による故障モデル適用並列コイル型永久磁石電動機の構造を概略的に示すブロック図である。
図2図2は、図1の永久磁石電動機の形態をさらに詳しく示す回路図である。
図3図3は、本発明の永久磁石電動機構造のうちモータを概略的に示す図である。
図4図4は、故障が発生したモータの駆動解釈のための等価モデルを示す図である。
図5図5は、本発明の実施例による故障モデル適用並列コイル型永久磁石電動機の故障検出方法を説明するための図である。
図6図6は、本発明の故障モデルの実際の正確度を説明するための図である。
図7図7は、本発明の故障モデルの実際の正確度を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明による好ましい実施例を添付の図面を参照して詳しく説明する。下記の説明では、本発明の実施例による動作を理解するのに必要な部分だけが説明され、その他の部分の説明は、本発明の要旨を不明にしないように省略されることに留意しなければならない。
【0043】
以下で説明される本明細書及び請求範囲に使用された用語や単語は、一般的な意味や辞書的な意味に限定して解釈すべきものではなく、発明者は自分の発明を最も最善の方法で説明するために用語の概念として適切に定義することができるという原則に即して本発明の技術的思想に相当する意味と概念として解釈されなければならない。したがって、本明細書に記載された実施例と図面に示された構成は、本発明の最も好ましい実施例に過ぎないもので、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替することができる多様な均等物と変形例があり得ることを理解しなければならない。
【0044】
図1は、本発明の実施例による永久磁石電動機の構成を概略的に示すブロック図であり、図2は、本発明の永久磁石電動機の構成をさらに詳しく示す図である。また、図3は、本発明の永久磁石電動機構成のうちモータの外観を概略的に示す図であり、図4は、本発明の並列コイル型モータの等価モデルを示す図である。
【0045】
図1図4を参照すれば、本発明の永久磁石電動機10は、並列コイル型モータ100、インバータ400、電流検出部500、正相(Positive Sequence)電流制御機200、逆相(Negative Sequence)電流制御機300、補償電流算出部600及び故障検出部700の構成を含むことができる。また、本発明の永久磁石電動機10は、故障検出部700で検出された故障程度を適用し、電流指令値を提供することができる制御システムの構成をさらに含むことができる。
【0046】
このような構成を有する本発明の永久磁石電動機10は、並列コイル型モータ100の駆動によって形成される電源を検出し、検出された電源を基盤として並列コイル型モータ100と関連した数学的モデルを構築するように支援することができる。この過程で、永久磁石電動機10は、あらかじめ設計された故障モデルを利用して並列コイル型モータ100の固定子に異常、例えば短絡(Turn short)が発生したか否かを確認するように支援することができる。特に本発明の永久磁石電動機10は、並列コイル型モータ100のモデルから誘導された故障モデルを利用して数式的にその形態をあらかじめ判別することができるように支援し、並列コイル型モータ100の故障だけでなく、故障程度、故障が発生した相を判別することができるように支援する。
【0047】
並列コイル型モータ100は、インバータ400で提供される制御信号によってモータ動作を行う構成である。このような並列コイル型モータ100は、図3に示されるように、固定子110と回転子120を含むよう構成することができる。
【0048】
回転子120は、固定子110の中心に配置され、且つ固定子110に対向して一定の方向に回転することができるように固定子110から一定の間隔で離隔された形態で配置されることができる。このような回転子120は、中心に配置される回転軸と、前記回転軸を取り囲み、一定の幅を有する回転子鉄芯部と、回転子鉄芯部の外壁から回転子鉄芯部に延長して突出する突起部と、前記回転子鉄芯部の外壁に付着する第1極性の永久磁石とを含んで構成することができる。
【0049】
固定子110は、多数個のスロットが一定の間隔を持って配置され、全体的に中央が空いた一定の厚さを有する円筒形の形状に設けられる。ここで、固定子110は、電動機の外周部を構成し、一定の厚さの円筒形に形成されることができ、円筒形の内部は、回転子120が配置されることができる空間に対応するように形成されることができる。このような固定子110は、鉄製のように磁路が形成されることができる物質で形成されることができる。特に固定子110は、鉄製で形成された多数個のスロットと、スロットそれぞれに一定の回数でコイルが巻き取られて形成される。このような固定子110は、回転子120に配置される第1極性の永久磁石から一定の間隔で離隔された形状に配置することができる。前記固定子110に形成されるスロットのコイルには、外部から順次に電流を供給することができる。これにより、固定子110の各スロットは、順次に電磁石の役目を行うようになり、内部に配置された回転子120が電磁石に変更される固定子110のスロットによって回転するようになる。特に第1極性の永久磁石129が固定子110の各スロットと一定の磁路を形成することによって、一定の方向に回転することができる。
【0050】
前述したように、固定子110に含まれたコイルは、固定子コアのスロットに巻き取られている構造となっている。このコイルの外表面には、絶縁体で取り囲まれていて、互いに隣合うコイルの間に短絡が発生しないようになっている。しかし、時間が経つにつれて高電圧と熱に起因して該絶縁体の絶縁成分効果が弱化され、隣合うコイルの間に短絡(Turn Short)が発生するようになる。短絡が発生すれば、並列コイル型モータ100の性能が劣化し、短絡されたコイルが1つの回路を形成し、磁石と固定子110の磁束によって大電流が誘起発生する。発生した大電流は、銅損(Copper loss)を発生させて熱の発生を深化させ、近いコイルの絶縁成分破壊を徐々に深化させるようになり、そのため、並列コイル型モータ100が動作できない程度に破壊されるか、火事が発生することができる。本発明の永久磁石電動機10は、短絡によるコイルの電気的変化を数学的にモデリングし、当該数学的モデルを基礎として並列コイル型モータ100のどんな相がある程度の故障を発生させているかを一層簡単に且つ容易に行うように支援することができる。
【0051】
並列コイル型モータ100は、3相がバランス(Balanced)されたインピーダンスと逆起電力を有しているように設計される。ここで、短絡が発生する場合、短絡が発生した相においてのみインピーダンスと逆起電力が低くなり、短絡されたコイルは、独立的な回路を構成する。このような故障が発生したとき、並列コイル型モータ100を駆動すれば、電流または電圧でアンバランス(unbalance)が発生するようになり、一般3相の特性とは異なって、逆相が発生するようになる。逆相は、正相の反対方向の回転角速度を有するものであって、正相が並列コイル型モータ100の回転方向に回転磁界を形成すれば、逆相は、反対方向に回転磁界を形成する。これにより、正相の立場では、逆相の回転磁界が回転速度の2倍外乱と見えるようになる。ここで、逆相は、3相であるa、b、c順次に形成された正相と反対に、a、c、bの順に形成される成分であって、数学的にb相とc相の位相が異なるように具現される。正相及び逆相は、下記の数式18及び数式19で示すことができる。
【0052】
【数18】
【0053】
【数19】
【0054】
ここで、fap、fbp、fcpは、3相正相の数学的表現であり、fan、fbn、fcnは、3相逆相の数学的表現になることができる。上記に示されたように、正相と逆相との位相差が逆順に表示される。逆相が発生する成分は、制御の方式によって異なるが、モータの相電流または電圧で発生する。
【0055】
本発明では、モータのabc座標から同期d−q座標系(Synchronous reference frame)にモデルを全体誘導し、数式モデルを基盤として故障の量、故障した相を判別することができように支援する。
【0056】
【数20】
【0057】
上記数式20は、abc座標でモータの磁束方程式である。A−相で、x(故障した相、故障したポールペア(Pole pair)で良好なコイルの比率)程度の故障が発生したと仮定した場合であり、並列コイル型モータ100のモデルは、2N極であるとき、3Nスロットを有する集中巻方式を仮定したものである。上記数式3で、R及びLは、次の数式21のように表現することができる。
【0058】
【数21】
【0059】
また、図4に示された本発明の並列コイル型モータ100の等価モデルにおいて電流値は、次の数式22を満たす。
【0060】
【数22】
【0061】
数式22のv、v、vは、モータの相電圧を示し、fは、コイル短絡が発生して形成された閉(closed)回路を表示する。Pは、ポールの数(pole number)であり、P/2は、ポールペアの数(Pole pair number)である。L、Lは、モータが正常状態であるときの各相の自己インダクタンス(Self inductance)、漏れインダクタンス(Leakage inductance)であり、Rは、相抵抗成分である。iは、コイルに短絡が発生した状態でスロットのコイル電流であり、iは、残りのスロットの電流の和である。並列コイル型では、同一サイズの電圧vが印加されるが、内部並列電流は、各スロットの状態によって変わるので、コイル短絡によってターン数が減少し、短絡されたコイルとカップリングされたiと正常な他のスロットの電流とは異なるようになるので、独立的な変数として選定することができる。
【0062】
は、短絡(Turn short)されながら発生した接触抵抗成分であり、γは、特定相のスロットで同一相の残りの他のポールペア(Pole pair)の結合係数(coupling factor)である。γは、バランスされた正常状態の並列コイル型モータ100では適用されないが、コイル短絡が発生した場合、当該モデルの正確性を高めることができる。すなわち並列コイル型モータ100が多極で構成される場合、1相の1コイルスロットで発生する磁束に変化が発生する場合、遠くある同じ相のコイルスロットに発生する磁束に影響を与えるようになる。例えば、1相の1コイルスロットで発生する磁束が減少すれば、遠くある同じ相のコイルスロットに伝達される磁束の量が少なくなる。これにより、多極の並列コイル型モータ100では、従来の単純等価モデルで多様な状態を表現しにくい。そのため、バランスされた正常状態では、前述した量の偏差に対する考慮が不要であるが、コイル短絡が発生し、独立的な回路ループが生成される場合、コイル短絡によって形成された独立的な回路ループが既存の正常状態を維持する同一相のコイルとカップリング(Coupling)され、影響を受けるようになるので、本発明においてγを利用してこれを補正する。すなわち本発明の故障検出部700は、多相及び多極を有するモータにおいて特定相のコイル短絡によって発生した磁束低減量をインダクタンス算出に適用するように支援する。
【0063】
数式3で、電流i、i、iを補償電流算出部600を利用して逆相電流がないように電流値を構成した後、逆相電流制御機300に適用すれば、次の数式6のようなバランス電流を正相電流制御機200に適用した後、適用された信号をインバータ400に印加することができる。
【0064】
【数23】
【0065】
数式20に数式23の電流を印加し、i、i電流と同期座標系d−q座標系に変換すれば、次の数式24〜30のような結果を得ることができる。
【0066】
【数24】
【0067】
【数25】
【0068】
【数26】
【0069】
【数27】
【0070】
【数28】
【0071】
【数29】
【0072】
【数30】
【0073】
前述した数式を適用するにあたって、故障がない並列コイル型モータ100には、xが1になる。故障がない並列コイル型モータ100の正相同期座標系において並列コイル型モータ100の電流成分をDCの形態に制御することができる。一方、故障が発生すれば、逆相が数式のように発生するので、逆相に対する電流補償値を補償電流算出部600が算出し、算出された電流補償値を逆相電流制御機300に適用した後、逆相電流制御機300の出力値を正相電流制御機200の出力値に適用するように支援することができる。特に故障検出部700は、補償電流算出部600で算出された電流補償値が提供された逆相電流制御機300の出力信号をフィルタリングし、当該信号を前述した数式に適用し、故障した相の位置、すなわちxを把握することができるようにする。故障した相とxの量を把握すれば、iの電流の量を制限することができる速度と相電流の量を調節し、過電流による並列コイル型モータ100がこれ以上絶縁破壊が進行されないようにすることができる運転点を探すことができる。このために、故障検出部700は、故障値に関する情報を制御システムに提供することができる。
【0074】
前記インバータ400は、前記モータ110に一定の電源、例えば3相電圧を提供する構成である。このようなインバータ400は、電流制御機で生成されて提供される3相電流を受信し、当該電流に対応する制御信号を生成し、インバータ電圧を発生させて並列コイル型モータ100に提供する。特にインバータ400が生成する信号は、並列コイル型モータ100の短絡発生による特定相の故障状態を補償するための制御信号を生成し、生成された信号を並列コイル型モータ100に提供することができる。この際、インバータ400に提供される信号は、故障検出部700で検出した故障した相及び故障の程度が適用された電流指令値に該当する信号及び逆相成分を除去するように設計された電流補償値が適用された値とすることができる。
【0075】
正相電流制御機200は、並列コイル型モータ100の駆動のためにあらかじめ定義された電流指令値に対応する信号を生成し、生成された信号をインバータ400に提供する構成である。この過程で正相電流制御機200は、補償電流算出部600から並列コイル型モータ100の短絡によって発生した故障補償値を提供され、当該故障補償値を電流指令値に適用し、インバータ400に提供する信号を生成する。特に正相電流制御機200は、故障検出部700が検出した故障した相及び故障の程度が適用された電流指令値を制御システムから伝達され、逆相電流制御機300から出力された出力値を電流指令値に適用した後、これをインバータ400に提供するように支援することができる。これにより、本発明の正相電流制御機200は、並列コイル型モータ100の短絡が発生しても、当該短絡によるエラーを最小化する電流値に該当する信号を生成及び提供するように支援する。
【0076】
逆相電流制御機300は、並列コイル型モータ100の動作で発生した逆相成分を最小化するように算出された電流補償値及び制御システムが提供する電流指令値を適用した出力値を算出する構成である。逆相電流制御機300が算出した値は、故障検出部700に提供することができ、また、正相電流制御機200に提供することができる。
【0077】
電流検出部500は、インバータ400から並列コイル型モータ100に提供される信号または並列コイル型モータ100の駆動による信号を検出する構成である。電流検出部500は、並列コイル型モータ100に提供される3相電流信号または3相電圧信号を検出し、検出された信号を補償電流算出部600に提供する。特に電流検出部500は、並列コイル型モータ100の動作による3相電流信号をセンシングし、これを補償電流算出部600に提供することができる。この際、検出される電流検出部500は、それぞれ3相を区分することができる各位置での電流センシング値であり、これは、電流ベクトルとして表現することができる。
【0078】
補償電流算出部600は、電流検出部500が検出した電流ベクトル値を利用して電流指令値による電流補償値を算出し、これを正相電流制御機200及び逆相電流制御機300に提供する構成である。補償電流算出部600は、電流検出部500が検出した3相の電流信号を2相のd−q同期座標系に転換し、フィルタリングを行った後、極座標系適用のための回転フェーザを適用し、d−q 2相の同期座標系信号を算出することができる。この過程で、補償電流算出部600が算出する電流補償値は、逆相成分を除去するための値として算出される。
【0079】
故障検出部700は、逆相電流制御機300が正相電流制御機200に提供する信号をフィルタリングし、DC成分で構成し、これを数式に適用するように支援する構成であって、故障発生によるd−q同期座標系電圧を提供する構成である。この際、故障検出部700は、故障が発生した相でのインダクタンスを数学的に考慮するようになり、特に特定相の特定スロットで発生した磁束が同一相の他のスロットに与える影響を考慮するように算出されることができる。すなわち故障検出部700は、数式4で示すL適用において同一相の他のスロットの磁束変化を考慮することによって、当該並列コイル型モータ100で発生する逆相電流制御値をさらに精密に算出することができ、これにより、並列コイル型モータ100の短絡による影響を最小化する形態の並列コイル型モータ100の駆動を可能に支援することができる。これにより、故障検出部700は、逆相電流制御機300の出力及び前述した数式を利用して構成された故障モデルを基盤として故障が発生した並列コイル型モータ100でのx値を確認することができるように支援する。
【0080】
図5は、本発明の実施例による並列コイル型永久磁石モータの故障検出方法を説明するための図である。
【0081】
図5を参照すれば、S101段階で、正相電流制御機200は、あらかじめ定義された電流指令値によってインバータ400の制御信号を生成し、生成された制御信号をインバータ400に提供する。
【0082】
次に、インバータ400は、S103段階で、正相電流制御機200の出力を基盤として並列コイル型モータ100の動作のための制御信号を生成し、生成された制御信号を並列コイル型モータ100に提供し、並列コイル型モータ100の動作を行うことができる。
【0083】
一方、電流検出部500は、S105段階で、並列コイル型モータ100の動作による電流ベクトルを検出し、検出された電流ベクトルを補償電流算出部600に提供する。これにより、補償電流算出部600は、S107段階で、電流ベクトルを基盤として逆相成分を除去するために電流補償値を算出する。
【0084】
補償電流検出部600で電流補償値が算出されれば、S109段階で、当該電流補償値は、逆相電流制御機300及び正相電流制御機200に提供される。この際、故障検出部700は、S111段階で、逆相電流制御機300から出力された逆相成分の故障値の検出を磁束方程式に適用することによって、故障が発生した相と故障程度を検出するように支援する。このために、故障検出部700は、短絡が発生した特定相と当該相での故障程度を適用する故障モデルを正相電流成分に逆相電流成分を適用した磁束方程式を利用して構成することができる。特に故障検出部700は、故障が発生した特定相の特定スロットで発生する磁束変化だけでなく、同一相の磁束変化によって誘導される同一相の他のスロットで発生する磁束変化値を適用することができる誘導磁束変化量γを磁束方程式のインダクタンスに適用するように支援する。これにより、本発明の故障検出部700は、並列コイル型モータ100で発生する実際逆相成分をさらに精密に且つ詳細に故障モデルに適用することによって、故障モデルに最適化されたモータ速度と相電流の量を調節することができるように支援することができる。故障検出部700で検出された故障値は、電流指令値を提供する制御システムに提供され、制御システムは、当該故障値を適用した電流指令値を算出し、正相電流制御機200及び逆相電流制御機300に提供することができる。
【0085】
図6及び図7は、本発明の実施例による故障モデル適用によるモデル正確度を示す図であり、特に図6は、FEM解釈を用いたモデル正確度を確認するためのものであり、6極9スロット並列コイル型モータ(正格18Vrms)、x=0.6666(1スロットに33%のコイル短絡発生時)を基準として測定した値である。図6の当該グラフは、逆相電圧出力を示すもので、特にx軸は、Vde−、y軸は、Vqe−値である。図7は、i電流正確度を示すものである。

【0086】
図6及び図7に示すように、本発明の故障モデルは、逆相電圧出力とi電流測定が実際状況と非常に類似に検出されることが分かる。特に本発明の故障モデルは、数学的に算出され計算される形態なので、多様なモータに対してさらに容易に且つ簡便に適用することができる。
【0087】
以上で説明したように、本発明の実施例による並列コイル型永久磁石モータの故障検出方法及びこれを支援するシステムは、並列コイル型モータ100の短絡による故障発生を数学的に構成した故障モデルを通じて支援し、実際故障発生時に短絡が発生した相及び同一相の他のスロットの磁束変化を考慮してさらに正確な故障した相及び故障の程度を算出することができるように支援する。これにより、本発明の故障した相及び故障の程度に相当する正確な電流指令値及び逆相電流補償値を適用することによって、並列コイル型モータ100での損傷が追加的に発生しない適切な運転点の算出及び駆動が可能となるように支援することができる。
【0088】
以上、本発明をいくつかの好ましい実施例を使用して説明したが、これら実施例は、例示的なものであって、限定的なものではない。このように本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者なら本発明の思想と添付の特許請求範囲に提示された権利範囲から逸脱することなく、均等論によって多様な変化と修正を行うことができることを理解することができる。
【符号の説明】
【0089】
10 永久磁石電動機
100 並列コイル型モータ
200 正相(Positive Sequence)電流制御機
300 逆相(Negative Sequence)電流制御機
400 インバータ
500 電流検出部
600 補償電流検出部
700 故障検出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7