(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5665923
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】基本入出力システムがアップデート可能な電子装置及びアップデート方法
(51)【国際特許分類】
G06F 11/00 20060101AFI20150115BHJP
【FI】
G06F9/06 630A
【請求項の数】9
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-123551(P2013-123551)
(22)【出願日】2013年6月12日
(65)【公開番号】特開2014-130562(P2014-130562A)
(43)【公開日】2014年7月10日
【審査請求日】2013年6月12日
(31)【優先権主張番号】101150650
(32)【優先日】2012年12月27日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】502361706
【氏名又は名称】技嘉科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Giga−Byte Technology Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100106541
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 信和
(72)【発明者】
【氏名】林 火元
(72)【発明者】
【氏名】▲曽▼ 偉文
【審査官】
大塚 俊範
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−067229(JP,A)
【文献】
特開2005−258996(JP,A)
【文献】
特開2010−009474(JP,A)
【文献】
特開2007−274036(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基本入出力システム(Basic Input/Output System、BIOS)をアップデート可能な電子装置であって、
サーバーに電気的に接続し、且つ前記サーバーがアップデートプログラムを保存する前記電子装置において、BIOSと、インターネット接続モジュールと、切換装置と、前記サーバーに電気的に接続する検知モジュールと、を備え、
そのうち、前記BIOSは、BIOSプログラムを保存し、
前記インターネット接続モジュールは、前記サーバーに電気的に接続し、前記インターネット接続モジュールが接続プログラムを保存して前記サーバーに接続し、
前記BIOSは前記切換装置を通じて選択的に前記インターネット接続モジュールに電気的に接続し、
前記検知モジュールは前記サーバーが前記BIOSに適用する前記アップデートプログラムを保存することを検出した場合、前記検知モジュールが制御信号を前記切換装置に送信して、前記BIOSを、前記切換装置を通じて選択的に前記インターネット接続モジュールに電気的に接続させ、
前記インターネット接続モジュールが前記接続プログラムを通じて前記サーバーに接続し、前記インターネット接続モジュールがBIOSに適用するアップデートプログラムをダウンロードして前記BIOSにオーバーライトし、前記BIOSのプログラムをアップデートすることを特徴とする、BIOSをアップデート可能な電子装置。
【請求項2】
前記インターネット接続モジュールが前記サーバーの名称と/又はネットワークアドレスを保存していることを特徴とする請求項1に記載のBIOSをアップデート可能な電子装置。
【請求項3】
前記インターネット接続モジュールがシリアルペリフェラルインターフェースバス(SPIバス、Serial Peripheral Interface BUS)を更に備え、前記インターネット接続モジュールは前記SPIバスを経由して前記アップデートプログラムを前記BIOSにオーバーライトすることを特徴とする請求項1に記載のBIOSをアップデート可能な電子装置。
【請求項4】
前記電子装置は起動状態、睡眠状態、休眠状態、又はシャットダウン状態のいずれかの状態で、
前記BIOSプログラムのアップデートを行うことを特徴とする請求項1に記載のBIOSをアップデート可能な電子装置。
【請求項5】
BIOSと、インターネット接続モジュールと、切換装置と、検知モジュールと、を備え、サーバーに電気的に接続する電子装置に適用するBIOSのアップデート方法であって、
前記電子装置における前記検知モジュールによって前記サーバーに接続する工程と、
前記検知モジュールは前記サーバーが前記BIOSに適用するアップデートプログラムを保存することを検出した場合、前記検知モジュールが対応して制御信号を前記切換装置に送信し、前記BIOSを、前記切換装置を通じて選択的に前記インターネット接続モジュールに電気的に接続する工程と、
前記インターネット接続モジュールによって接続プログラムを通じて前記サーバーに接続する工程と、
前記サーバーによって前記インターネット接続モジュールが前記BIOSに適用する前記アップデートプログラムをダウンロードする工程と、
前記インターネット接続モジュールによって前記アップデートプログラムを前記BIOSにオーバーライトすることで前記BIOSプログラムをアップデートする工程と、を含むことを特徴とするBIOSのアップデート方法。
【請求項6】
前記インターネット接続モジュールが前記アップデートプログラムを前記BIOSにオーバーライトして前記BIOSプログラムをアップデートする工程において、前記インターネット接続モジュールは前記アップデートプログラムのダウンロードを完了した後、前記アップデートプログラムを前記BIOSにオーバーライトすることを特徴とする請求項5に記載のBIOSのアップデート方法。
【請求項7】
前記インターネット接続モジュールが前記アップデートプログラムを前記BIOSにオーバーライトして前記BIOSプログラムをアップデートする工程において、前記インターネット接続モジュールは前記アップデートプログラムのダウンロードをすると同時に、ダウンロードをした部分を前記BIOSにオーバーライトすることを特徴とする請求項5に記載のBIOSのアップデート方法。
【請求項8】
前記電子装置における制御ユニットによって、前記BIOSにアップデート後の前記BIOSプログラムを実行させることを特徴とする請求項5に記載のBIOSのアップデート方法。
【請求項9】
前記電子装置は、起動状態、睡眠状態、休眠状態、又はシャットダウン状態のいずれかの状態で前記BIOSプログラムをアップデートすることを特徴とする請求項5に記載のBIOSのアップデート方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラムをアップデート可能な電子装置及びそのプログラムのアップデート方法に関する。特に、異なるシステムにおいて基本入出力システム(BIOS)をアップデートする電子装置及びそのBIOSのアップデート方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
電子システムにおいて、基本入出力システム(Basic Input/Output System、BIOS)は無くてはならないファームウェアである。BIOSは電子システムにおける最も基本的なソフトウェアコードを保存しているため、いずれの電子装置のハードウェアをロードする際にBIOSを通じて検知及び接続を行なう。その他に、BIOSは読出し専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)であって、その中に保存するソフトウェアコードは電子システムがクローズしても失われないため、電子装置が起動する場合、BIOSが保存しているプログラムコードを最初に読み出さなければならず、よって基本的ハード装置をロードする。
【0003】
通常のコンピュータシステムの起動プロセスを例とする。コンピュータ装置の電源をオンとした場合、主回路基板におけるホストコントローラは最初にBIOSを起動して電源オン後のパワーオンセルフテスト(Power-On Self Test、POST)を実行し、順番に電子システムの主要装置、例えばメモリ、ビデオカード、並びに標準装置、またはハードディスク、CD-ROM、シリアルポート、パラレルポート、ディスケットドライブなどの有無、又は異常の有無を検出する。コンピュータ装置に係る装置の異常が無いことを確認した後、BIOSはユーザーが設定したデフォルト値に従ってハードディスク或いはディスケットドライブに保存されているシステムファイルを読み出し、オペレーティングシステムプログラムをロードして起動プロセスを完了する。
【0004】
前述のように、BIOSが保存されているソフトウェアコードは電子装置における必要なプログラムコードであるため、BIOSにウイルスが入り込んだり、誤作動プロセスによってデータを破壊したりした場合、電子装置はBIOSを通じてシステムをロードすることができなくなる。そこで、電子装置は正常に起動できないような問題が生じる。また、電子装置の主回路基板を置換する場合、BIOSにおけるソフトウェアコードも併せてアップデートしなければならない。そうしなければ、電子装置が正常に起動できないような問題が生じ、製造業者に返送して点検するのが必要となるので、非常に煩雑で時間も費やされてユーザーを当惑させる。
【0005】
尚、電子装置を正常に動作できるように、電子装置の主回路基板、例えば前述の処理ユニットなどの備品を置換する場合、電子装置におけるBIOSはそれに応じて新たなソフトウェアコードをアップデートすると共に電子装置の異なる機能に対応するためBIOSのソフトウェアコードも対応してアップデートしなければならない。従って、BIOSを定期的にアップデートすることは必要となる。
【0006】
然しながら、BIOSは電子装置が起動している状態のみアップデートが行える。更に、BIOSがソフトウェアをアップデートする場合、余分に記億装置を用いてアップデートプログラムをダウンロードして保存することによってBIOSのアップデートを行う。そこで、現在の通常の電子装置は起動している状態のみBIOSをアップデートでき、また余分に記億装置を用いてアップデートプログラムをダウンロードして保存しないとBIOSをアップデートできない問題点がある。結果、ユーザーに使用上の不便さを感じさせるため、この問題点を解決する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】台湾特許第360077号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような問題点に鑑み、本発明は、異なるシステムの状態でBIOSをアップデート可能な電子装置及びそのBIOSのアップデート方法を提供し、従来のBIOSにウイルスが入り込んだり、誤作動プロセスによってデータを破壊したり、電子装置の主回路基板が処理ユニットを置換したりする場合、電子装置はBIOSを通じてシステムをロードすることができないため、電子装置は正常に起動できないような問題を解決する。
【0009】
尚、本発明は、従来のBIOSがソフトウェアをアップデートする場合、余分に記億装置を用いてアップデートプログラムをダウンロードして保存することによってBIOSをアップデートする問題を解決すると同時に、目下通常の電子装置は起動している状態のみでBIOSをアップデートできる問題も解決するため、ユーザーの使用上の不便さを解消する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明はBIOSをアップデート可能な電子装置を開示する。電子装置はアップデートプロセスを保存しているサーバーに電気的に接続する。電子装置はBIOS、インターネット接続モジュール、及び切換装置を含む。BIOSはBIOSプログラムを保存しており、インターネット接続モジュールは、サーバーに電気的接続するように接続プログラムを保存する。BIOSは切換装置を通じて選択的にインターネット接続モジュールに電気的接続する。そのうち、電子装置はBIOSをアップデートする場合、切換装置がBIOSをガイトしてインターネット接続モジュールに電気的接続し、前記インターネット接続モジュールが接続プログラムを通じてサーバーに接続し、インターネット接続モジュールがBIOSに適用するアップデートプログラムをダウンロードしてBIOSにオーバーライトしてBIOSプログラムをアップデートする。
【0011】
前述の電子装置に対応して、本発明はもう一つのBIOSのアップデート方法を開示する。BIOSプログラムを選択する工程、切換装置によってBIOSをガイドしてインターネット接続モジュールに電気的に接続する工程、接続プログラムを通じてインターネット接続モジュールがサーバーに接続する工程、インターネット接続モジュールがサーバーからBIOSに適用するアップデートプログラムをロードする工程、及びインターネット接続モジュールがBIOSにアップデートプログラムをオーバーライトしてBIOSプログラムをアップデートする工程を含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明の効果は、電子装置におけるBIOSをアップデートする必要がある場合、電子装置は切換装置によってBIOSをガイドしてインターネット接続モジュールに電気的接続し、インターネット接続モジュールは接続プログラムを通じてサーバーに接続し、対応してBIOSに適用するアップデートプログラムをダウンロードしてBIOSにオーバーライトしてBIOSプログラムをアップデートできる。従って、電子装置におけるBIOSにはウイルスが入り込んだり、誤作動プロセスによってデータを破壊したりした場合であっても、電子装置の主回路基板の処理ユニットを置換する場合であっても、対応してBIOSプログラムをアップデートする際に、前述の工程を通じてBIOSプログラムのアップデートプロセスを完了することによって、電子装置に正常にBIOSをロードして動作させる。
【0013】
また、本発明に係る電子装置におけるBIOSは切換装置にガイドされて直接にインターネット接続モジュールに電気的接続する。前記インターネット接続モジュールは接続プログラムを通じてサーバーに接続し、適用するアップデートプログラムをダウンロードしてBIOSにオーバーライトすることによってBIOSプログラムのアップデートプロセスを行う。すると、電子装置は起動、睡眠、休眠、又はシャットダウンなどの異なる状態でBIOSのプログラムをアップデートできるため、ユーザーの使用上の不便さを解消でき、電子装置が起動状態でアップデートに失敗して正常に動作できない不具合も避けられる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係る電子装置及びサーバーを示した図である。
【
図2】実施例1に係る電子装置及びサーバーを示したブロック図である。
【
図3】本発明に係る実施例1と実施例3とにおけるBIOSのアップデート方法の実施形態1を示した工程図である。
【
図4】本発明に係る実施例1から実施例3におけるBIOSのアップデート方法の実施形態2を示した工程図である。
【
図5】本発明に係る実施例2における電子装置及びサーバーを示したブロック図である。
【
図6】本発明に係る実施例2におけるBIOSのアップデート方法の実施形態1を示した工程図である。
【
図7】本発明に係る実施例3における電子装置及びサーバーを示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の特徴、実施例及び効果について、本発明の最良の形態として図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
(実施例)
本発明において四つの実施例を含んだBIOSをアップデート可能な電子装置及びそのBIOSのアップデート方法を開示し、各々を説明する。
【0017】
図1及び
図2を参照する。実施例1においては、BIOSのアップデートが可能な電子装置10を開示する。BIOSのアップデートが可能な電子装置10はサーバー20に電気的に接続しており、該サーバー20は電子装置10の製造業者がユーザーにファームウェアアップデートファイルをダウンロードするサービスを提供するソフトウェアサーバー、又は第三者が配布したユーザーにファームウェアアップデートファイルをダウンロードするサービスを提供するミラーサーバーを含むが、この限りでない。サーバー20はアップデートプログラムを保存し、該アップデートプログラムが電子装置10におけるBIOSプログラムのファームウェアアップデートファイルに適用し、より新しいバージョンの完全なBIOSプログラムのファームファイル、又はより新しいバージョンのBIOSプログラムの部分的なファームファイルを含み、係る技術に熟達する者はインターネット環境或いはシステムニーズに基づいて異なるアップデートファイルの種類を採用できるが、この限りでない。
【0018】
本実施例において、本発明に係る電子装置10は、制御ユニット101、BIOS102、切換装置103、インターネット接続モジュール104、及びキー105を備える。前記制御ユニット101は電子装置10のオペレーティングシステムをロードして電子装置10の動作を制御する。前述の制御ユニット101は異なる電子装置10に対応して異なる様式がある。例をすると、電子装置10はデスクトップパソコンであれば、制御ユニット101は中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)又はグラフィクスプロセシングユニット(Graphic Processing Unit)であってもよいが、または、電子装置10はセットトップボックスであれば、制御ユニット101は嵌め込み式1チップ上のシステム(System-on-a-chip)であってもよいが、この限りでない。
【0019】
更に、電子装置10におけるBIOS102はBIOSプログラムを保存し、切換装置103は制御ユニット101、BIOS102及びインターネット接続モジュール104に電気的に設置し、BIOS102が切換装置103によって制御ユニット101とインターネット接続モジュール104との間に選択的に電気的に接続し、インターネット接続モジュール104はサーバー20に電気的に接続する。
【0020】
前述したように、インターネット接続モジュール104をサーバー20に接続するために、インターネット接続モジュール104は接続プログラム、及びサーバー20のメインフレーム名称、ネットワークアドレスなどの情報を保存している。すなわち、インターネット接続モジュール104の内蔵の接続プログラム及びサーバー20に係るメインフレーム情報によって、電子装置10は制御ユニット101を通じない状態でいでいずれのプログラムをロードする場合、インターネット接続モジュール104を通じてサーバー20に接続してBIOS102のアップデートと保守を行う。また、インターネット接続モジュール104がシリアルペリフェラルインターフェースバス1041(Serial Peripheral Interface BUS, SPIバス)を更に備え、インターネット接続モジュール104はSPIバス1041を経由してサーバー20のダウンロードしたアップデートプログラムをBIOS102にオーバーライトして、BIOSのアップデートプロセスを完了する。
【0021】
尚、本発明に係るキー105は電子装置10に設置し、切換装置103に電気的接続している。本実施例において、サーバー20に接続し、その後のアップデートプログラムをダウンロード及びオーバーライトし、プログラムをアップデートする工程を行うために、キー105はユーザーに始動されることで、切換装置103を触発してBIOS102をガイドしてインターネット接続モジュール104に電気的接続する。注目すべき点は、本発明に係る電子装置10がシステムの起動、睡眠、休眠、又はシャットダウンなどのいずれかの状態であっても、ユーザーはBIOS102のプログラムのアップデートを操作できるため、キー105が電子装置10のケースに設置され、且つキー105は電子装置10の給電装置から直接に給電をすることを選択でき、制御ユニット101に管理されないことにある。従って、ユーザーは電子装置10が起動しているか否かに影響を受けず、いずれの状態でBIOS102のアップデートプログラムを実行できる。
【0022】
前述したように、
図3を参照するとともに、
図1及び
図2も参考する。ユーザーが前述の電子装置10を通じてBIOS102のアップデートを実行する方法については、更に二つの実施形態を後述の通り示し、それぞれ説明をする。
【0023】
実施形態1においては、ユーザーがキー105を押すことによって電子装置10のBIOS102のプログラムを始動させる。本実施形態は起動状態、睡眠状態、休眠状態、又はシャットダウン状態などのいずれかの状態であっても実施できる。また、制御ユニット101が起動しているか否かにもかかわらず、電子装置10が電力供給状態S0〜S5のいずれかの状態であってもキー105を押せばBIOS102のアップデートプロセスを始動させる。
【0024】
従って、ユーザーは電子装置10に対して本発明に係るBIOS102のアップデート方法を実施する場合、電子装置10が起動、睡眠、休眠、又はシャットダウンのいずれかの状態(S101)で、かつ切換装置103が初期化してBIOS102をガイドして制御ユニット101に電気的接続する。ユーザーはBIOSプログラムを選択してアップデートを行う(S105)際に、ユーザーが電子装置10におけるキー105(S110)を押すことで、キー105を始動して切換装置103を触発してBIOS102をガイドしてインターネット接続モジュール104に電気的に接続させる。
【0025】
次に、電子装置10におけるインターネット接続モジュール104が前述の接続プログラム及び内蔵のメインフレーム名称、ネットワークアドレスなどの情報でアップデートプログラムを保存しているサーバー20(S120)に接続し、インターネット接続モジュール104がサーバー20でBIOS102に適用するアップデートプログラムを自動的に検索し、インターネット接続モジュール104がBIOS102に適用するアップデートプログラム(S125)を選択してダウンロードし、インターネット接続モジュール104を用いてBIOS102(S130)にアップデートプログラムをオーバーライトすることで電子装置10にBIOSプログラム(S135)をアップデートさせる。
【0026】
注目すべき点は、工程S125及び工程S130において、アップデートプログラムのダウンロード及びBIOS102にアップデートプログラムのオーバーライトが、選択的に以下の二つのプロセスを通じてアップデートプログラムのダウンロード及びオーバーライトを行うことにある。
【0027】
プロセス1:電子装置10にBIOSプログラムのアップデートを完了するために、インターネット接続モジュール104はBIOS102に適用するアップデートプログラムを最初にダウンロードする。アップデートプログラムのダウンロードを全て完了した後、BIOS102にアップデートプログラムをオーバーライトする。該利点は、インターネット接続モジュール104が全てのアップデートプログラムのダウンロード完了を検知してからオーバーライトとアップデートの工程を行うことである。よって、アップデートプログラムの不完全なダウンロード、又はダウンロードするとともにオーバーライトする途中、ネットワークの切断で電子装置10におけるBIOSのアップデートに失敗する不具合を避け、BIOS102の安定性を維持する。
【0028】
プロセス2:インターネット接続モジュール104がアップデートプログラムをダウンロードすると同時に、ダウンロードが完了した部分をBIOS102にオーバーライトする。すなわち、アップデートプログラムのダウンロードとBIOS102とにアップデートプログラムのオーバーライトを同時に行う。該利点は、ダウンロードとオーバーライトを同時に行うため、BIOS102のアップデートに係る効率を向上させる。また、これらの動作は自動的に行い、電子装置10におけるシステムの動作に影響を与えないため、電子装置10が起動している状態でのアップデートに適用することにある。
【0029】
前述のアップデートプログラム及びBIOS102のオーバーライトのプロセスは本発明の開示に制限されない。係る技術に熟達する者はシステムニーズに対応して変更或いは調整できるが、この限りでない。
【0030】
上述の工程において、ユーザーはキー105を始動することによって電子装置10を、インターネット接続モジュール104を通じてサーバー20に接続させて適用するアップデートプログラムをダウンロードする。インターネット接続モジュール104は前段落で記述したように、SPIバス1041を通じてサーバー20がダウンロードしたアップデートプログラムをBIOS102にオーバーライトして、BIOS102のアップデートを完了する。本実施形態におけるBIOS102のアップデートが制御ユニット101を通じる必要はないため、電子装置10が起動状態でアップデートに要する時間を要し、またアップデートに失敗してクラッシュする恐れを避けるように、ユーザーは電子装置10が睡眠状態、休眠状態、又はシャットダウン状態でBIOS102のアップデートを行うことができ、更にユーザー対して操作の便利性を向上させる。
【0031】
また、実施形態2において、ユーザーは制御ユニット101を通じて電子装置10にBIOS102のアップデートプロセスを行うように命令する。本実施形態において、制御ユニット101を通じなければならないため、電子装置10が起動している状態で、且つ制御ユニット101も起動しており、すなわち、電力供給モードS0の状態のみで本実施形態におけるアップデート工程を行うことができる。
【0032】
本実施形態については、
図4を参照するとともに、
図1及び
図2も参考する。ユーザーは制御ユニット101を通じて電子装置10にBIOS102のアップデートを行うように命令する場合、電子装置10は起動状態(S201)である。ユーザーがアップデートしようとするBIOSプログラム(S205)を選択し、電子装置10が制御ユニット101によって切換装置103にBIOS102をガイドしてインターネット接続モジュール104に電気的接続するように命令し(S210)、インターネット接続モジュール104を通じてサーバー20に接続し(S215)、アップデートプログラムをダウンロードし(S220)、BIOS102にオーバーライトし(S225)、BIOSプログラムをアップデートする(S230)。この工程は、実施形態1と同様である。前段落で記述の係る内容と対応する図を参考し、ここで省略する。
【0033】
よって、実施例1において、アップデートプロセスを完了するために、ユーザーは、キー105を始動することによって電子装置10のBIOS102を触発する実施形態1の様式を選択できる。或いは、制御ユニット101を通じて電子装置10にBIOS102のアップデートを行う実施形態2の様式を選択できる。
【0034】
実施例2について、
図1及び
図5を参照する。本発明に係るBIOSをアップデート可能な電子装置10は実施例1と類似しているが、異なる点は本実施例における電子装置10がキー105の代わりに検知モジュール106を用いることにある。検知モジュール106はサーバー20に電気的に接続し、BIOS102に適用するアップデートプログラムをサーバー20が保存するかを定期的に検知する。検知モジュール106はBIOS102に適用するアップデートプログラムをサーバー20が保存することを検出した場合、検知モジュール106は制御信号を切換装置103に送信し、切換装置103を触発し、BIOS102をガイドしてインターネット接続モジュール104(S210)に電気的接続し、その後のBIOSプログラムのアップデートプロセスを行う。
【0035】
注目すべき点は、本発明に係る電子装置10が起動状態、休眠状態、睡眠状態、又はシャットダウン状態など、いずれかの状態であってもユーザーは操作できる。BIOS102のアップデートを行うため、検知モジュール106は実施例1におけるキー105と類似しており、電子装置10における給電装置からの電力供給を選択でき、制御ユニット101による電力管理に制限されないことにある。従って、ユーザーはいずれの状態で電子装置10が起動しているか否かに影響を受けず、BIOS102のアップデートプログラムを実行できる。
【0036】
前述した通り、
図6を参照するとともに、
図1及び
図5も参考する。ユーザーは前述した電子装置10を通じてBIOS102をアップデートする方法は実施例1と類似している。同様に二つの実施形態を開示し、後述の通り、それぞれ説明をする。
【0037】
実施形態1においては、電子装置10における検知モジュール106は一回的、又は定期的にBIOS102に適用するアップデートプログラムをサーバー20が保存するかを検知することによってアップデートを行うかを判断する。本実施形態において、電子装置10が起動状態、睡眠状態、休眠状態、又はシャットダウン状態に制限されず、いずれの状態でも実施できる。また、制御ユニット101が起動しているか否かにもかかわらず、電子装置10が電力供給状態S0〜S5のいずれかの状態では検知モジュール106を通じてBIOS102のアップデートプロセスを始動させる。
【0038】
従って、電子装置10が起動状態、睡眠状態、休眠状態、又はシャットダウン状態のいずれかの状態(S301)で、電子装置10が検知モジュール106によってサーバー20(S305)に接続し、検知モジュール106がBIOS102に適用するアップデートプログラムをサーバー20が保存するかを検知する。検知モジュール106がBIOS102に適用するアップデートプログラムをサーバー20が保存したことを検出した場合、検知モジュール106が対応して制御信号を切換装置103に送信し(S315)、切換装置103の触発によりBIOS102をガイドしてインターネット接続モジュール104に電気的に接続する(S320)。その後、インターネット接続モジュール104が接続プログラムを通じてサーバー20に接続し(S325)、サーバー30からBIOS102に適用するアップデートプログラムを選択、ダウンロードし(S330)、インターネット接続モジュール104を用いてBIOS102にアップデートプログラムをオーバーライトする(S335)。BIOSプログラムをアップデートする工程は実施例1の実施形態1(S120〜S135)と類似しており、該ダウンロード及びオーバーライトのプロセスも実施例1の実施形態1と類似しており、該二つのプロセスでの実行を選択できる。実施例1を参考し、ここで省略する。
【0039】
実施形態2において、電子装置10も制御ユニット101を通じてBIOS102のアップデートプロセスを行うように命令する。該プロセスは実施例1の実施形態2と類似しており、実施例1における実施形態2に係る説明、及び
図1〜
図3を参考にし、ここで省略する。
【0040】
注目すべき点は、本実施形態において、制御ユニット101を通じて電子装置10にBIOS102のアップデートプロセスを行うように命令するアップデート方法は、電子装置10が起動状態であり、且つ制御ユニット101も起動している。すなわち、電力供給モードS0の状態のみで本実施形態におけるアップデート工程を行うことができることである。
【0041】
よって、実施例2において、ユーザーはBIOS102のアップデート工程を行うために検知モジュール106を通じて適用するアップデートプログラムをサーバー20が保存するかを検知する実施形態1に係る方法を選択できる。或いは、前述のアップデート工程を完了するために制御ユニット101を通じて電子装置10にBIOS102のアップデートを行うように命令する、実施形態2に係る方法を選択できる。
【0042】
実施例3について、
図1及び
図7を参照する。本発明に係るBIOSをアップデート可能な電子装置10が、実施例1におけるキー105と実施例2における検知モジュール106との組み合わせを開示する。すなわち、本実施例において、電子装置10が3種類のBIOS102のアップデートを行う実施形態は開示される。実施形態1は、実施例1における実施形態1と類似している。ユーザーがキー105を始動することで切換装置103を触発し、BIOS102をガイドしてインターネット接続モジュール104に電気的に接続し、その後のアップデート工程を行う。実施形態2は、実施例1における実施形態2と類似している。電子装置10が切換装置103にBIOS102をガイドしてインターネット接続モジュール104に電気的に接続するように命令する。実施形態3は、実施例2における実施形態1と類似している。検知モジュール106を通じて適用するアップデートプログラムをサーバー20が保存するかを検知して、その後のアップデート工程を行うかを判断する。詳細は実施例1及び実施例2に開示したもの及び対応する図を各々参照し、ここで省略する。
【0043】
よって、実施例3においては、ユーザーはアップデート工程を完了するためにキー105を始動して電子装置10にBIOS102のアップデートをさせる実施形態1に係る方法を選択でき、検知モジュール106を通じて適用するアップデートプログラムをサーバー20が保存するかを検知してBIOS102のアップデート工程を行う実施形態2に係る方法を選択できる、或いは制御ユニット101を通じて電子装置10にBIOS102のアップデートを行うように命令して前述のアップデート工程を完了する実施形態3に係る方法を選択できる。そこで、本実施例は実施例1と実施例2の利点を兼備しており、BIOS102のアップデート方法に関する選択をユーザーにより多く提供している。尚、電子装置10が起動、睡眠、休眠、又はシャットダウンしている状態に応じて異なるBIOS102のアップデート方法が採用でき、前述の二つの実施例に比較すると、ユーザーに使用上の便利さを大いに提供することは明らかになる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
前述した三つの実施例に係る電子装置において、キー、制御ユニット、またはサーバーを検知する検知モジュールのいずれかを通じることを選択して切換装置の触発によりBIOSをガイドしてインターネット接続モジュールに電気的に接続する。従って、電子装置におけるBIOSのアップデートを行う必要がある場合、切換装置はBIOSをガイドしてインターネット接続モジュールに電気的に接続し、インターネット接続モジュールが接続プログラムを通じてサーバーに接続し、インターネット接続モジュールが対応してBIOSに適用するアップデートプログラムをダウンロードしてBIOSにオーバーライトをした後、BIOSのプログラムのアップデートができる。
【0045】
従って、BIOSにウイルスが入り込んだ、または誤作動プロセスによってデータを破壊した場合など、電子装置の主回路基板の置換に対応してBIOSプログラムをアップデートする必要がある場合、電子装置はBIOSを正常にロードし、電子装置が正常に動作するために、前述の工程によってBIOSのアップデートプロセスを完了できる。
【0046】
尚、本発明に係る電子装置のBIOSは切換装置を通じてガイドされ、インターネット接続モジュールに直接電気的に接続され、インターネット接続モジュールが接続プログラムを通じてサーバーに接続し、適用するアップデートプログラムをダウンロードしてBIOSにオーバーライトすることで、BIOSのアップデートプロセスを行う。従って、電子装置が起動、睡眠、休眠、又はシャットダウンなどの異なる状態で、制御ユニットが起動しているか否かにもかかわらず、BIOSのプログラムを即時にアップデートできるため、電子装置の起動時にアップデートを行うのに要する時間を短縮してユーザーの使用上の不便さを軽減する。また、電子装置が起動状態でアップデートに失敗したため正常に動作できない等の不具合を回避して電子装置におけるシステムの安定性を向上する。
【0047】
本発明に係る実施例を上述のように開示したが、本発明は前記実施例に制限されない。係る技術に熟達する者はその要旨を逸脱しない範囲において、記述された形状、構成、特徴及び数量などの修正が可能であることは勿論であって、本発明の技術的範囲は、本明細書における特許請求の範囲により定義される。
【符号の説明】
【0048】
10 … 電子装置
101 … 制御ユニット
102 … 基本入出力システム(BIOS)
103 … 切換装置
104 … インターネット接続モジュール
1041 … シリアルペリフェラルインターフェースバス(SPI BUS)
105 … キー
106 … 検知モジュール
20 … サーバー