(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5665957
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】タッチスクリーン一体型表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20150115BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20150115BHJP
【FI】
G06F3/041 320C
G06F3/041 320B
G06F3/041 320A
G06F3/041 330D
G06F3/044 E
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-258166(P2013-258166)
(22)【出願日】2013年12月13日
(65)【公開番号】特開2014-164752(P2014-164752A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2013年12月16日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0019167
(32)【優先日】2013年2月22日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】ファン, サンス
(72)【発明者】
【氏名】キム, テファン
【審査官】
西田 聡子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−205379(JP,A)
【文献】
特開2010−66952(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/041
G06F3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電極及び前記複数の電極に共通電圧を印加するディスプレイドライバICを含むパネル;
タッチスキャン信号を生成して前記ディスプレイドライバICに印加するタッチIC;
前記複数の電極を前記ディスプレイドライバICに第1方向に接続する複数の第1接続配線;及び
前記複数の電極それぞれと接続され、前記第1方向と反対方向である第2方向に延長されて前記パネルの終端に接している複数の第2接続配線を含み、
前記ディスプレイドライバICは、前記パネルの駆動モードに応じて前記複数の第1接続配線を通じて前記複数の電極に前記共通電圧または前記タッチスキャン信号を印加することを特徴とするタッチスクリーン一体型表示装置。
【請求項2】
前記パネルは表示領域と非表示領域に区分されており、前記複数の電極は前記表示領域に形成され、前記ディスプレイドライバICは前記非表示領域に形成されることを特徴とする請求項1に記載のタッチスクリーン一体型表示装置。
【請求項3】
前記ディスプレイドライバICは、前記パネルの駆動モードがディスプレイ駆動モードである場合は前記複数の電極に前記共通電圧を印加し、前記パネルの駆動モードがタッチ駆動モードである場合は前記複数の電極に前記タッチスキャン信号を印加することを特徴とする請求項1に記載のタッチスクリーン一体型表示装置。
【請求項4】
前記ディスプレイドライバICは、
前記共通電圧を生成する共通電圧生成部;
前記ディスプレイ駆動モードまたは前記タッチ駆動モードを示す同期信号を生成する同期信号生成部;
前記同期信号に応じて前記共通電圧生成部と前記複数の電極を接続したり、前記タッチICと前記複数の電極を接続するスイッチング部を含む請求項3に記載のタッチスクリーン一体型表示装置。
【請求項5】
前記タッチICは、
前記タッチスキャン信号を生成するタッチスキャン信号生成部;及び
前記タッチスキャン信号によるパネル内のタッチ入力位置を感知するタッチ感知部を含む請求項1に記載のタッチスクリーン一体型表示装置。
【請求項6】
複数の電極及びディスプレイドライバICを含むパネル;
タッチスキャン信号を生成して前記複数の電極に印加するタッチIC;
前記複数の電極を前記タッチICに第1方向に接続する複数の第1接続配線;及び
前記複数の電極それぞれと接続され、前記第1方向と反対方向である第2方向に延長されて前記パネルの終端に接している複数の第2接続配線を含み、
前記ディスプレイドライバICは上記タッチICに共通電圧を印加し、前記タッチICは前記パネルの駆動モードに応じて前記複数の第1接続配線を通じて前記複数の電極に前記共通電圧または前記タッチスキャン信号を印加することを特徴とするタッチスクリーン一体型表示装置。
【請求項7】
前記パネルは表示領域と非表示領域に区分されており、前記複数の電極は前記表示領域に形成され、前記ディスプレイドライバICは前記非表示領域に形成されることを特徴とする請求項6に記載のタッチスクリーン一体型表示装置。
【請求項8】
前記タッチICは、前記パネルの駆動モードがディスプレイ駆動モードである場合は前記複数の電極に前記共通電圧を印加し、前記パネルの駆動モードがタッチ駆動モードである場合は前記複数の電極に前記タッチスキャン信号を印加することを特徴とする請求項7に記載のタッチスクリーン一体型表示装置。
【請求項9】
前記タッチICは、
前記タッチスキャン信号を生成するタッチスキャン信号生成部;
前記タッチスキャン信号によるパネル内のタッチ入力位置を感知するタッチ感知部;及び
前記パネルの駆動モードに応じて前記ディスプレイドライバICと前記複数の電極を接続したり、前記タッチスキャン信号生成部及び前記タッチ感知部と前記複数の電極を接続するスイッチング部を含む請求項8に記載のタッチスクリーン一体型表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関するものであって、より具体的にはタッチスクリーン一体型表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タッチスクリーンは液晶表示装置(Liquid Crystal Display)、電界放出表示装置(Field Emission Display, FED)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel, PDP)、EL表示装置(Electroluminescence Device, EL)、電気泳動表示装置などのような画像表示装置に設けられ、使用者が画像表示装置を見ながらタッチスクリーン内のタッチセンサを加圧して(押す、または、触れる)、所定の情報を入力する入力装置の一種である。
【0003】
上述した表示装置に用いられるタッチスクリーンはその構造によってアドオン型(add−on type)、オンセル型(on−cell type)及びインセル型(in−cell type)に区分される。アドオン型は表示装置とタッチスクリーンを個別に製造した後、表示装置の上板にタッチスクリーンを接着する方式である。オンセル型は表示装置の上部ガラス基板表面にタッチスクリーンを構成する素子を直接形成する方式である。インセル型は表示装置内部にタッチスクリーンを内蔵して表示装置の薄型化を達成し耐久性を高めることができる方式である。
【0004】
しかし、アドオン型タッチスクリーンは表示装置上に完成されたタッチスクリーンが装着される構造であるため厚みがあり、表示装置の輝度が下がり視認性が低下する問題がある。また、オンセル型タッチスクリーンは表示装置の上面に別途のタッチスクリーンが形成された構造であって、アドオン型より厚さを減らすことはできるが、依然としてタッチスクリーンを構成する駆動電極と感知電極及びこれらを絶縁するための絶縁層によって全体の厚さや工程数が増加し、製造コストが増加する問題があった。
【0005】
一方、インセル型タッチスクリーンは耐久性の向上と薄型化が可能であるという点でアドオン型やオンセル型のタッチスクリーンによって発生する問題を解決できるという長所がある。このようなインセル型タッチスクリーンは光学式及び静電容量方式のタッチスクリーンに区分することができる。
【0006】
光学式タッチスクリーンは表示装置の薄膜トランジスタ(TFT)アレイ基板に光感知層を形成し、バックライトユニットからの光や赤外光を用いて、触れられた部分に存在する物体から反射された光を感知する方式である。しかし、光学式タッチスクリーンは周囲環境が暗い場合には比較的安定した駆動性能を示すが、周囲環境が明るい場合には反射された光よりも強い光がノイズとして作用するようになる。実際の接触によって反射される光の強度は非常に低いため、外部が少しだけ明るくても接触の感知にエラーが発生しうるためである。特に、光学式タッチスクリーンは、周囲環境が太陽光に対して露出されている場合には光の強度が非常に高いため、場合によっては接触を感知することができない場合も発生しうるという問題がある。
【0007】
静電容量方式タッチスクリーンは自己キャパシタンス方式(self capacitance type)と相互キャパシタンス方式(mutual capacitance type)に区分することができる。相互キャパシタンス方式タッチスクリーンは共通電極を分割し、これを駆動電極と感知電極に分けて駆動電極と感知電極の間に相互キャパシタンス(mutual capacitance)が形成されるようにすることによって、接触時に発生する相互キャパシタンスの変化量を測定して接触を感知する方法である。
【0008】
しかし、相互キャパシタンス方式タッチスクリーンは接触の感知時に発生する相互キャパシタンスが非常に小さい一方、表示装置を構成するゲートラインとデータライン間の寄生容量(parasitic capacitance)は非常に大きいため、触れられた位置を正確に感知することが困難であるという問題がある。また、相互キャパシタンス方式タッチセンサは共通電極上にタッチ駆動のための多数のタッチ駆動ラインとタッチ感知のための多数のタッチ感知ラインを形成しなければならないため、非常に複雑な配線構造が必要となるという問題がある。
【0009】
また、相互キャパシタンス方式タッチスクリーンは接触を感知するためにタッチ駆動ラインとタッチ感知ラインを個別にスキャンしなければならないため、総スキャン数はタッチ駆動ラインの数とタッチ感知ラインの数を乗じた値になる。例えば、タッチ駆動ラインとタッチ感知ラインがそれぞれ10本である小型表示装置用タッチスクリーンにおいても少なくとも100回以上のスキャンをしなければならない。タッチスクリーンが内蔵されたインセル型タッチスクリーンの場合、非常に短時間でタッチ駆動をしなければならないため非常に小さいサイズの表示装置でのみ適用することが可能であるという制限があった。
【0010】
従って、上述した種類のタッチセンサによる問題を解決できる自己キャパシタンス方式(self capacitance type)のインセル型(in−cell type)のタッチスクリーン一体型表示装置が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上述した従来の問題を解決するためのものであって、タッチ感知素子を表示装置の内部に形成して厚さを低下させ、耐久性を向上させた自己キャパシタンス方式インセル型タッチスクリーン一体型表示装置を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した目的を達成するための本発明の一実施例によるタッチスクリーン一体型表示装置は、複数の電極及び前記複数の電極に共通電圧を印加するディスプレイドライバICを含むパネル;タッチスキャン信号を生成して前記ディスプレイドライバICに印加するタッチIC;前記複数の電極を前記ディスプレイドライバICに第1方向に接続する複数の第1接続配線;及び前記複数の電極それぞれと接続され、前記第1方向と反対方向である第2方向に延長されて前記パネルの終端に接している複数の第2接続配線を含み、前記ディスプレイドライバICは、前記パネルの駆動モードに応じて前記複数の第1接続配線を通じて前記複数の電極に前記共通電圧または前記タッチスキャン信号を印加することを特徴とする。
【0013】
上述した目的を達成するための本発明の一実施例によるタッチスクリーン一体型表示装置は、複数の電極及びディスプレイドライバICを含むパネル;タッチスキャン信号を生成して前記複数の電極に印加するタッチIC;前記複数の電極を前記タッチICに第1方向に接続する複数の第1接続配線;及び前記複数の電極それぞれと接続され、前記第1方向と反対方向である第2方向に延長されて前記パネルの終端に接している複数の第2接続配線を含み、前記ディスプレイドライバICは前記タッチICに共通電圧を印加し、前記タッチICは前記パネルの駆動モードに応じて前記複数の第1接続配線を通じて上記複数の電極に上記共通電圧または前記タッチスキャン信号を印加することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の多様な実施例によると、接触を感知するためのタッチ感知素子を表示装置の内部に形成することによって厚さを低下し、耐久性を向上させることができる。
【0015】
本発明の多様な実施例によると、接触を感知するためのタッチ駆動ラインとタッチ感知ラインを個別に構成する必要がないため、信号ラインの数を減らすことによって配線構造を簡単にすることができ、総スキャン数を減らすことができる。
【0016】
本発明の多様な実施例によると、複数の電極を1つに連結する接続配線を備えることによってタッチ感知素子の弱い静電気特性を補償することができ、これによって歩留まりの向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施例によるタッチスクリーン一体型表示装置の構成を示した図面である。
【
図2】本発明の一実施例によるディスプレイドライバICとタッチICの接続関係を詳細に示した図面である。
【
図3】本発明の他の実施例によるタッチスクリーン一体型表示装置の構成を示した図面である。
【
図4】本発明の他の実施例によるディスプレイドライバICとタッチICの接続関係を詳細に示した図面である。
【
図5】本発明の多様な実施例によるタッチスクリーン一体型表示装置のディスプレイ駆動とタッチ駆動に関する信号のタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、添付される図面を参照しながら本発明の多様な実施例について詳細に説明する。
【0019】
一方、以下では、説明の便宜上本発明の複数の実施例によるタッチスクリーン一体型表示装置の一例として液晶表示装置(LCD)が記載されている。しかし、本発明はこれに限定されずに、電界放出表示装置、プラズマディスプレイパネル、EL表示装置、電気泳動表示装置など多様な表示装置に適用されることができる。また、液晶表示装置の一般的な構成に関する説明は省略することにする。
【0020】
図1は、本発明の一実施例によるタッチスクリーン一体型表示装置の構成を示した図面であり、
図2は、本発明の一実施例によるディスプレイドライバICとタッチICの接続関係を詳細に示した図面である。
【0021】
本発明の一実施例によるタッチスクリーン一体型表示装置は
図1に示すように、ディスプレイドライバIC200を含んでいるパネル100及びタッチIC300を含む。
【0022】
まず、パネル100はタッチスクリーン(図示せず)が内蔵されている表示領域110とディスプレイドライバIC200が形成されている非表示領域120に区分されており、ここで、タッチスクリーンは使用者が触れた位置を感知するものであって、特に、本発明に適用されるタッチスクリーンはディスプレイ駆動及びタッチ駆動を時間的に分割して駆動する自己キャパシタンス方式のインセル型タッチスクリーンである。
【0023】
パネル100は2枚の基板間に液晶層が形成されるように構成することができる。この場合、パネル100の下部基板には複数のゲートライン、ゲートラインと交差する複数のデータライン、データラインとゲートラインの交差部に形成されるピクセル、各ピクセル内に形成された複数のTFT(Thin Film Transistor)が配置される。ここで、ピクセルは、データラインとゲートラインの交差構造によってマトリックス型に配置される。
【0024】
また、パネル100は複数の電極111と複数の接続配線130、140を含んでいる。
【0025】
ここで、複数の電極111はパネル100の表示領域110内に形成され、複数のピクセル電極と重なるように形成されている。即ち、複数の電極111はピクセル毎に形成されているものではなく、表示領域110において複数のピクセルと重なるように形成されている。
【0026】
このような電極110はディスプレイ駆動期間の間は各ピクセル内に形成されているピクセル電極とともに液晶を駆動する共通電極として動作し、タッチ駆動期間の間はタッチIC300から印加されるタッチスキャン信号によって、触れられた位置を感知するタッチ電極として動作する。
【0027】
複数の接続配線は複数の第1接続配線130及び複数の第2接続線140に区分されており、複数の第1接続配線130は複数の電極をディスプレイドライバIC200に第1方向に接続し、複数の第2接続配線140は複数の電極それぞれと接続され、第1方向と反対方向である第2方向に延長されている。
【0028】
例えば、
図1に示すように、複数の第1接続配線130は複数の電極111とディスプレイドライバIC200を接続し、ディスプレイドライバIC200から出力された共通電圧及びタッチスキャン信号がそれぞれの配線を通じて複数の電極111に印加されるようになっている。
【0029】
特に、複数の第2接続配線140はパネル100とパネル100の終端で接するようになっていてもよい。
【0030】
このように、複数の第2接続配線140がパネル100の終端でパネルと接している場合、次のような効果を確認できる。例えば、第2接続配線140なしでただ複数の第1接続配線130がディスプレイドライバIC200と接続されている場合、 複数の第1接続配線130はディスプレイドライバIC200に付着される以前には全てフローティング(floating)状態になるため静電気に非常に弱い。これを解決するために、パネルの上部、即ち、ディスプレイドライバIC200の付着と反対方向に、複数の第2接続配線140を複数の電極それぞれに追加に接続した後パネル100の終端に接するように接続すると、複数の第1接続配線130で発生できる静電気不良を防止できる。ここで上述したパネルの終端にはショートバー(Shorting bar)が形成されていることができ、この場合複数の第2接続配線140はパネルの終端でショートバーに接続されるようになる。
【0031】
次に、ディスプレイドライバIC200はパネル100の駆動モードに応じて、複数の第1接続配線130を通じて複数の電極111に共通電圧を印加したり、タッチスキャン信号を印加する。
【0032】
即ち、パネル100の駆動モードがディスプレイ駆動モードであるときは、ディスプレイドライバIC200は複数の電極に共通電圧を印加することでパネル100がディスプレイ駆動を行うようにし、パネルの駆動モードがタッチ駆動モードであるときは、ディスプレイドライバIC200は複数の電極にタッチスキャン信号を印加することでパネル100がタッチ駆動を行うようにする。
【0033】
特に、パネルの駆動モードがタッチ駆動モードの場合には、ディスプレイドライバIC200はパネル100内の電極を複数のグループに分割してタッチスキャン信号をグループ毎に順次印加するようになっていてもよい。
【0034】
例えば、パネル100の電極が2つのグループに分割されている場合、ディスプレイドライバIC200はディスプレイ駆動モードの間はパネル100の全ての電極に共通電圧を印加し、タッチ駆動モードの間はタッチスキャン信号を第1グループと第2グループに順次印加するようになっていてもよい。
【0035】
また、ディスプレイドライバIC200は
図2に示されたように、複数の電極111を共通電極またはタッチ電極として駆動させるためのものであって、共通電圧生成部210、同期信号生成部220及びスイッチング部230を含んで構成するようになっていてもよい。
【0036】
共通電圧生成部210は共通電圧Vcomを生成してスイッチング部230に共通電圧Vcomを印加する。即ち、パネルの駆動モードがディスプレイ駆動モードであるときは、映像出力のために複数の電極に印加される共通電圧Vcomを生成し、スイッチング部230に共通電圧Vcomをに印加する。
【0037】
同期信号生成部220は、ディスプレイ駆動モードまたはタッチ駆動モードを示す同期信号を生成する。
【0038】
例えば、ディスプレイ駆動モードまたはタッチ駆動モードに応じて共通電圧生成部210で生成された共通電圧Vcomがスイッチング部230を通じて複数の電極111に印加されるようにしたり、タッチスキャン信号が複数の電極111に印加されるようにする同期信号を生成する。
【0039】
スイッチング部230は同期信号に応じて共通電圧生成部210と複数の電極111を接続したり、タッチIC300と複数の電極111を接続するようになっている。
【0040】
例えば、複数のスイッチング部230は共通電圧生成部210またはタッチIC300と複数の電極111を接続することができ、同期信号生成部220の同期信号がディスプレイ駆動モードを指示する同期信号である場合には共通電圧生成部210と複数の電極111を接続し、同期信号がタッチ駆動モードを指示する同期信号である場合にはタッチIC300と複数の電極111を接続するようになっていてもよい。
【0041】
最後に、タッチIC300はディスプレイドライバIC200を通じて複数の電極111にタッチスキャン信号を印加させた後、電極のキャパシタンスの変化を検出して、各電極に対する接触の有無を決定するようになっている。
【0042】
例えば、
図2に示されたように、本発明の一実施例によるタッチIC300は接触の感知のために複数の電極に供給されるタッチスキャン信号を生成するタッチスキャン信号生成部310を含むようになっていてもよい。タッチスキャン信号はタッチ駆動電圧であってもよく、上記タッチ駆動電圧はディスプレイ駆動のためにパネル100の複数の電極に印加される共通電圧よりも大きい値を有するようになっていてもよい。この場合、タッチ駆動電圧は共通電圧と同じ電圧を低レベル電圧として有し、それより大きい電圧を高レベル電圧として有するようになっていてもよい。ここで、タッチスキャン信号生成部310はディスプレイドライバIC200のスイッチング部230を通じて複数の電極111と接続されている。
【0043】
また、タッチIC300はパネル100内の複数の電極111からタッチスキャン信号に応じてタッチ感知信号を受信して接触座標を演算し、使用者による接触入力位置を感知するタッチ感知部(320)を含むようになっていてもよい。演算された接触座標は表示装置のシステム部に送信され、パネル100で発生する使用者による接触座標を感知するのに使用されるようになっていてもよい。
【0044】
ここで、タッチ感知部320はディスプレイドライバIC200内のスイッチング部230を通じて複数の電極111と接続されている。
【0045】
以下では、本発明のタッチスクリーン一体型表示装置の他の実施例に関して
図3及び
図4を詳細に説明する。
【0046】
図3は、本発明のタッチスクリーン一体型表示装置の他の実施例の構成を示した図面であり、
図4は、本発明の他の実施例によるディスプレイドライバICとタッチICの接続関係を詳細に示した図面である。
【0047】
本発明の一実施例によるタッチスクリーン一体型表示装置は
図3に示されたように、ディスプレイドライバIC200を含んでいるパネル100及びタッチIC300を含む。
【0048】
まず、パネル100はタッチスクリーン(図示せず)が内蔵されている表示領域110とディスプレイドライバIC200が形成されている非表示領域120に区分されており、ここで、タッチスクリーンは使用者が触れた位置を感知するものであって、特に本発明に適用されるタッチスクリーンはディスプレイ駆動及びタッチ駆動を時間的に分割して駆動する自己キャパシタンス式のインセル型タッチスクリーンである。
【0049】
パネル100は2枚の基板間に液晶層が形成されるように構成することができる。この場合、パネル100の下部基板には複数のゲートライン、ゲートラインと交差する複数のデータライン、データラインとゲートラインの交差部に形成される複数のピクセル、各ピクセル内に形成された複数のTFT(Thin Film Transistor)が配置される。ここで、ピクセルは、データラインとゲートラインの交差構造によってマトリックス型に配置される。
【0050】
また、パネル100は複数の電極111と複数の接続配線130、140を含んでいる。
ここで、複数の電極111はパネル100の表示領域110に形成されて複数のピクセル電極と重なるように形成されている。即ち、複数の電極111はピクセル毎に形成されているものではなく、表示領域110において複数のピクセルと重なるようにに形成されている。
【0051】
このような電極110はディスプレイ駆動期間の間は各ピクセル内に形成されているピクセル電極とともに液晶を駆動する共通電極として動作し、タッチ駆動期間の間はタッチIC300から印加されるタッチスキャン信号によって、触れられた位置を感知するタッチ電極として動作する。
【0052】
複数の接続配線は複数の第1接続配線130及び複数の第2接続配線140に区分されており、複数の第1接続配線130は複数の電極をタッチIC300に第1方向に接続し、複数の第2接続配線140は複数の電極それぞれと接続され、第1方向と反対方向である第2方向に延長されている。
【0053】
例えば、
図3に示すように、複数の第1接続配線130は複数の電極111とタッチIC300を接続し、タッチIC300から出力された共通電圧及びタッチスキャン信号がそれぞれの配線を通じて複数の電極111に印加されるようになっている。
【0054】
特に、複数の第2接続配線140はパネル100とパネル100の終端で接するようになっていてもよい。
【0055】
このように、複数の第2接続配線140がパネル100の終端でパネルと接している場合、次のような効果を確認できる。例えば、第2接続配線140なしでただ複数の第1接続配線130がタッチIC300と接続されている場合、 複数の第1接続配線130はタッチIC300に付着される以前には全てフローティング(floating)状態になるため静電気に非常に弱い。これを解決するために、パネルの上部、即ち、タッチIC300の付着と反対方向に、複数の第2接続配線140を複数の電極それぞれに追加に接続した後パネル100の終端に接するように接続すると、複数の第1接続配線130で発生できる静電気不良を防止できる。ここで上述したパネルの終端にはショートバー(Shorting bar)が形成されていることができ、この場合複数の第2接続配線140はパネルの終端でショートバーに接続されるようになる。
【0056】
次に、ディスプレイドライバIC200は
図4に示すように、共通電圧を生成してタッチIC300に印加する共通電圧生成部210を含むようにしてもよい。
【0057】
ここで、共通電圧生成部210は共通電圧Vcomを生成してタッチIC300に共通電圧Vcomを印加する。即ち、パネル100の駆動モードがディスプレイ駆動モードであるときは、映像出力のために複数の電極に印加される共通電圧Vcomを生成してタッチIC300に共通電圧Vcomを印加する。
【0058】
最後に、タッチIC300はパネル100の駆動モードに応じて複数の第1接続配線130を通じて複数の電極111に共通電圧またはタッチスキャン信号を印加する。
【0059】
即ち、パネルの駆動モードがディスプレイ駆動モードであるときは、タッチIC300はディスプレイドライバIC200から送信された共通電圧を複数の電極111に印加してパネル100がディスプレイ駆動を行うようにし、パネル100の駆動モードがタッチ駆動モードであるときは、タッチIC300は生成されたタッチスキャン信号を複数の電極に印加してパネル100がタッチ駆動を行うようにする。
【0060】
特に、パネル100の駆動モードがタッチ駆動モードの場合には、タッチIC300はパネル100内の電極を複数のグループに分割してタッチスキャン信号をグループ毎に順次印加するようになっていてもよい。
【0061】
例えば、パネル100の電極が2つのグループに分割されている場合、タッチIC300はディスプレイ駆動モードの間はパネル100の全ての電極に共通電圧を印加し、タッチ駆動モードの間はタッチスキャン信号を第1グループと第2グループに順次印加するようになっていてもよい。
【0062】
タッチIC300は複数の電極111にタッチスキャン信号を印加させた後、電極111のキャパシタンスの変化を検出して各電極に対する接触の有無を決定するようになっている。
【0063】
例えば、
図4に示されたように、本発明の一実施例によるタッチIC300は接触を感知するためにパネル100の複数の電極に供給されるタッチスキャン信号を生成するタッチスキャン信号生成部310を含むようになっていてもよい。タッチスキャン信号はタッチ駆動電圧であってもよく、上記タッチ駆動電圧はディスプレイ駆動のためにパネル100の複数の電極に印加される共通電圧よりも大きい値を有するようになっていてもよい。この場合、タッチ駆動電圧は共通電圧と同じ電圧を低レベル電圧として有し、それより大きい電圧を高レベル電圧として有するようになっていてもよい。ここで、タッチスキャン信号生成部310はスイッチング部330を通じて複数の電極111と接続されている。
【0064】
また、タッチIC300はパネル100内の複数の電極111からタッチスキャン信号に応じてタッチ感知信号を受信して接触座標を演算し、使用者による接触入力位置を感知するタッチ感知部320を含むようになっていてもよい。演算された接触座標は表示装置のシステム部に伝達され、パネル100で発生する使用者による接触座標を感知するために使用されるようになっていてもよい。
【0065】
ここで、タッチ感知部320はスイッチング部330を通じて複数の電極111と接続されている。
【0066】
スイッチング部330はパネル100の駆動モードに応じてディスプレイドライバIC200内の共通電圧生成部210と複数の電極111を接続したり、タッチスキャン信号生成部310及びタッチ感知部320と複数の電極111を接続するようになっている。
【0067】
上述したようなタッチスクリーン一体型表示装置の多様な駆動方法に関して
図5を参照しながら説明する。
【0068】
図5は、本発明の多様な実施例によるタッチスクリーン一体型表示装置のディスプレイ駆動とタッチ駆動に関する信号のタイミング図である。
【0069】
まず、
図5に示すように、1フレーム間において、パネル100の駆動モードがディスプレイ駆動モードの場合には共通電圧を複数の電極に印加することによりパネル100はディスプレイ駆動を行うようになり、パネル100の駆動モードがタッチ駆動モードの場合にはタッチスキャン信号を複数の電極に印加することによりパネルはタッチ駆動を行うようになる。
【0070】
本発明の属する技術分野の当業者は上述した本発明がその技術的思想や必須的特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施できるということを理解することができる。
【0071】
したがって、以上で記述した実施例は全ての面で例示されたものであり、限定的でないものと理解すべきである。本発明の範囲は、上記の詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲により表れるものであり、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその等価概念から導き出される全ての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0072】
100 パネル
110 表示領域
111 電極
120 非表示領域
130 第1接続配線
140 第2接続配線
200 ディスプレイドライバIC
210 共通電圧生成部
220 同期信号生成部
230 スイッチング部
300 タッチIC
310 タッチスキャン信号生成部
320 タッチ感知部
330 スイッチング部