特許第5665962号(P5665962)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5665962ワイパアームの端部に設けられた結合エレメントをワイパブレードの接続エレメントにジョイント式に結合するためのアダプタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5665962
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】ワイパアームの端部に設けられた結合エレメントをワイパブレードの接続エレメントにジョイント式に結合するためのアダプタ
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/40 20060101AFI20150115BHJP
【FI】
   B60S1/40
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-500401(P2013-500401)
(86)(22)【出願日】2011年1月25日
(65)【公表番号】特表2013-523507(P2013-523507A)
(43)【公表日】2013年6月17日
(86)【国際出願番号】EP2011050929
(87)【国際公開番号】WO2011116995
(87)【国際公開日】20110929
【審査請求日】2012年9月25日
(31)【優先権主張番号】102010003269.7
(32)【優先日】2010年3月25日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ヘルムート デポント
【審査官】 木原 裕二
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−501906(JP,A)
【文献】 特開2010−018273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/00 − 1/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイパアームの端部に設けられた結合エレメント(86,102,120)をフラットビーム構造のワイパブレード(10)の接続エレメント(18)にジョイント式に結合するためのアダプタ(22)において、該アダプタ(22)が、ベースエレメント(24)を有しており、該ベースエレメント(24)が、2つの側壁(30)を有しており、両側壁(30)が、ワイパアームと反対の端面側では端面キャップ(26)によって互いに結合されていて、上縁部(64)の範囲ではウェブ(32)によって互いに結合されており、両側壁(30)は、さらに、ボス(34)によって互いに結合されており、ウェブ(32)からワイパアーム側の端面側に向かってばね舌片(38)が延びており、該ばね舌片(38)が、その自由端部に、外方に向けられたキー(40)を有しており、側壁(30)の、ワイパストリップ(16)に面した長手方向縁部にガイド異形部(50)が設けられており、キー(40)が、組付け時に、誤った組付けを阻止するロックエレメント(42)を操作しており、キー(40)が、そのワイパアーム側の端面側にロックエレメントとしてスライダ(42)を有しており、該スライダ(42)が、キー(40)を越えて側方に突出していて、側壁(30)の端縁部(44)に弾性的にガイドされていることを特徴とする、ワイパアームの端部に設けられた結合エレメントをワイパブレードの接続エレメントにジョイント式に結合するためのアダプタ。
【請求項2】
ガイド異形部(50)が、ワイパブレード(10)の長手方向(36)に延びる、外側にかつワイパアーム側の端面側に向かって開放したそれぞれ1つのガイド溝(52)と、ワイパブレード(10)の長手方向(36)に延びる、ワイパストリップ(16)に向かって突出したそれぞれ1つのガイドリブ(56)とを有しており、該ガイドリブ(56)に外向きに、側壁(30)の上縁部(64)に対して平行に延びるガイド面(54)が続いている、請求項1記載のアダプタ。
【請求項3】
キー(40)の出発位置において、スライダ(42)の、ワイパストリップ(16)に向けられた縁部が、側壁(30)の端縁部(44)に設けられた係止段部(46)に接触している、請求項1または2記載のアダプタ。
【請求項4】
キー(40)が、側壁(30)の上縁部(64)にまで操作方向(138)に押圧されている場合には、スライダ(42)が、ガイド溝(52)をワイパアーム側の端面側でカバーしている、請求項記載のアダプタ。
【請求項5】
ガイド溝(52)とガイド面(54)との、端面キャップ(26)に向けられた端部に、側壁(30)を越えて側方に突出したストッパ(58;60)が設けられている、請求項2または4記載のアダプタ。
【請求項6】
ガイド溝(52)の下側のガイド部(140)が、側壁(30)を越えて側方に突出しており、ガイド面(54)に対応配置されたストッパ(60)が、ガイド溝(52)に対応配置されたストッパ(58)よりもさらに側方に突出している、請求項記載のアダプタ。
【請求項7】
アダプタ(22)が、ベースエレメント(24)のほかに、カバーキャップ(72)を有しており、該カバーキャップ(72)が、その両側壁(74)でベースエレメント(24)の側壁(30)を取り囲んでおり、カバーキャップ(72)の両側壁(74)が、1つの覆い壁(76)によって互いに結合されており、該覆い壁(76)が、そのワイパアーム側の端面側に切欠き(82)を有しており、該切欠き(82)が、組み付けられた状態において、その当接縁部(84)でキー(40)とばね舌片(38)との間の移行部に接触している、請求項1からまでのいずれか1項記載のアダプタ。
【請求項8】
カバーキャップ(72)の覆い壁(76)が、エンボス加工部(78)を有しており、側壁(74)が、支承開口(80)を有している、請求項記載のアダプタ。
【請求項9】
カバーキャップ(72)が、ワイパストリップ(16)に向けられた長手方向縁部に、ベースエレメント(24)のガイド異形部(50)と協働するガイドリブ(142)を有している、請求項または記載のアダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイパアームの端部に設けられた結合エレメントを、特にフラットビーム構造のワイパブレードの接続エレメントにジョイント式に結合するためのアダプタに関する。
【0002】
ドイツ連邦共和国実用新案第202005021307号明細書に基づき、種々異なるワイパアームに適した、フラットビーム構造のワイパブレードをジョイント式にもしくは回動自在に結合するための接続装置が公知である。この公知の接続装置は、1つまたはそれ以上の部材から成る少なくとも1つの接続エレメントを有している。この接続エレメントは、スプリングストリップの形の支持エレメントに固く、しかしながら、解離可能に取り付けられている。それぞれ1つのワイパアームとワイパブレードとの間には、アダプタが設けられている。このアダプタは、1つには、接続エレメントに対する接続可能性を有していて、もう1つには、多種のワイパアームのうちの1つに対する接続可能性もしくは各ワイパアームに固く結合されているかまたは各ワイパアームに一体成形されている結合エレメントに対する接続可能性を有している。結合エレメントの1つと、接続エレメントに相対回動不能に結合されたアダプタとの間またはアダプタの、接続エレメントに相対回動不能に結合された部材と、アダプタの、結合エレメントに相対回動不能に結合された部材との間には、ワイパブレードの長手方向に対して横方向に延びるジョイント軸線を有するジョイントが配置されている。したがって、ワイパアームの3種類の結合エレメントに対して、3種類のアダプタが形成される。
【0003】
接続装置は、フック状の端部もしくは結合エレメントを有するワイパアーム、公知のサイドロック原理に相応して、側方の支承ピンとブリッジとを備えた端部もしくは結合エレメントを有するワイパアーム、またはワイパブレードの上方にほぼ直線的に延びていて、トップロック原理により接続エレメントに結合されている端部もしくは結合エレメントを有するワイパアームに適している。
【0004】
ワイパブレードをワイパアームにジョイント式に結合するための別の接続装置が、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10347637号明細書に基づき公知である。この公知の接続装置では、金属薄板爪の形の接続エレメントが中間の長手方向ウェブを有している。この長手方向ウェブはワイパブレードの支持エレメントから離れる方向に向けられている。また、長手方向ウェブには、横方向に延びる旋回軸が相対回動不能に挿入されている。長手方向ウェブの両側に片持ち式に突出した旋回軸には、側方のばね舌片に配置された支承開口を備えたアダプタが旋回可能に支承されている。このアダプタは、プラスチックから製造されていて、金属薄板爪を外側から取り囲んでいて、ワイパアームに固く結合された、ワイパブレードに向かって開放した結合エレメントに係止エレメントと保持エレメントとによってクリップ留めされる。アダプタは、内側のガイドウェブによって金属薄板爪に側方でガイドされていて、側壁で遊びなしに結合エレメント内に挿入されている。このためには、アダプタの覆い壁に設けられたばね舌片の端部に設けられていて、組み付けられた状態で結合エレメントの覆い壁の嵌合係止孔内に係止するキーが働く。
【0005】
発明の開示
本発明に係るアダプタによれば、該アダプタが、ベースエレメントを有しており、該ベースエレメントが、2つの側壁を有しており、両側壁が、ワイパアームと反対の端面側では端面キャップによって互いに結合されていて、上縁部の範囲ではウェブによって互いに結合されており、両側壁は、さらに、ボスによって互いに結合されており、ウェブからワイパアーム側の端面側にばね舌片が延びており、該ばね舌片が、その自由端部に、外方に向けられたキーを有しており、側壁の、ワイパストリップに面した長手方向縁部にガイド異形部が設けられている。
【0006】
本発明に係るアダプタの有利な態様によれば、ガイド異形部が、長手方向に延びる、外側にかつワイパアーム側の端面側に向かって開放したそれぞれ1つのガイド溝と、長手方向に延びる、ワイパストリップに向かって突出したそれぞれ1つのガイドリブとを有しており、該ガイドリブに外向きに、側壁の上縁部に対して平行に延びるガイド面が続いている。
【0007】
本発明に係るアダプタの有利な態様によれば、キーが、組付け時に、誤った組付けを阻止するロックエレメントを操作している。
【0008】
本発明に係るアダプタの有利な態様によれば、キーが、そのワイパアーム側の端面側にロックエレメントとしてスライダを有しており、該スライダが、キーを越えて側方に突出していて、側壁の端縁部に弾性的に可撓性にガイドされている。
【0009】
本発明に係るアダプタの有利な態様によれば、キーの出発位置において、スライダの、ワイパストリップに向けられた縁部が、側壁の端縁部に設けられた係止段部に接触している。
【0010】
本発明に係るアダプタの有利な態様によれば、キーが、側壁の上縁部にまで操作方向に押圧されている場合には、スライダが、ガイド溝を端面側でカバーしている。
【0011】
本発明に係るアダプタの有利な態様によれば、ガイド溝とガイド面との、端面キャップに向けられた端部に、側壁を越えて側方に突出したストッパが設けられている。
【0012】
本発明に係るアダプタの有利な態様によれば、ガイド溝の、ワイパストリップに向けられたガイド部が、側壁を越えて側方に突出しており、これによって、ガイド面に対応配置されたストッパが、ガイド溝に対応配置されたストッパよりもさらに側方に突出している。
【0013】
本発明に係るアダプタの有利な態様によれば、アダプタが、ベースエレメントのほかに、カバーキャップを有しており、該カバーキャップが、その側壁でベースエレメントの側壁を取り囲んでおり、カバーキャップの側壁が、1つの覆い壁によって互いに結合されており、該覆い壁が、そのワイパアーム側の端面側に切欠きを有しており、該切欠きが、組み付けられた状態において、当接縁部でキーの前方の縁部に接触している。
【0014】
本発明に係るアダプタの有利な態様によれば、カバーキャップの覆い壁が、エンボス加工部を有しており、側壁が、支承開口を有している。
【0015】
本発明に係るアダプタの有利な態様によれば、カバーキャップが、ワイパストリップに向けられた長手方向縁部に、ベースエレメントのガイド異形部と協働するガイドリブを有している。
【0016】
本発明によれば、アダプタのベースエレメントが2つの側壁を有している。両側壁は、ワイパアームと反対の端面側では端面キャップによって互いに結合されていて、上縁部の範囲では、中間部材として形成されたウェブによって互いに結合されている。さらに、両側壁の間には、これら両側壁を同じく互いに結合するボスが配置されている。ウェブから、ベースエレメントのワイパアーム側の端面側に向かって、ばね舌片が延びている。このばね舌片はその自由端部に、外方に向けられたキーを有している。さらに、側壁の、ワイパストリップに面した長手方向縁部には、ガイド異形部が設けられている。
【0017】
ワイパブレードの接続エレメントに旋回可能に結合されたベースエレメントには、1種類のカバーキャップまたは2種類の結合エレメントを固く、しかしながら、解離可能に結合することができる。このために、有利には、ガイド異形部が、それぞれ長手方向に延びる、外側にかつワイパアーム側の端面側に向かって開放したガイド溝と、このガイド溝の下方で同じく長手方向に延びる、ワイパストリップに向かって突出したガイドリブとを有している。このガイドリブには、外側に向かって、側壁の上縁部に対して平行に延びるガイド面が続いている。
【0018】
カバーキャップには、サイドロック原理により第1の結合エレメントを組み付けることができる。カバーキャップの、ワイパストリップと反対の側で1つの覆い壁によって互いに結合された両側壁は、ベースエレメントの両側壁を挟み込んでいる。カバーキャップの側壁には、支承開口が設けられている。この支承開口は、組み付けられた状態でベースエレメントのボスに整合している。カバーキャップのワイパアーム側の端面側にずらされて、長手方向に対して横方向に延びる、第1の結合エレメントに設けられたブリッジに対するエンボス加工部が設けられている。長手方向では、キーが終端位置において、覆い壁に設けられた切欠き内に係止していることによって、カバーキャップがベースエレメントに位置固定される。鉛直軸線の方向では、カバーキャップがガイドリブによって保持される。このガイドリブは、側壁の、ワイパストリップに向けられた縁部で内向きに突出していて、ガイド溝内に係合している。第1の結合エレメントの組付け時には、カバーキャップを備えたベースエレメントが第1の結合エレメントに対して相対的に90゜だけ回動させられ、カバーキャップの一方の支承開口を通してベースエレメントのボス内に支承ピンが押し込まれる。出発位置に戻る方向に回動させられると、第1の結合エレメントのブリッジがカバーキャップに被さり、ブリッジの折り曲げられた端部によってアダプタの位置ひいてはワイパブレードの位置を支承ピンの方向で固定している。
【0019】
カバーキャップに類似して、アダプタのベースエレメントに第2の結合エレメントおよび第3の結合エレメントが直接結合される。この第2の結合エレメントと第3の結合エレメントとは、長手方向で同じくベースエレメントのキーによって位置固定される。このキーは、終端位置において、結合エレメントの覆い壁に設けられた係止孔内に係止している。第2の結合エレメントと第3の結合エレメントとは、ガイド溝内でガイドリブによってガイドされているかまたは側壁の上縁部とガイド溝の下方のガイド面とによってガイドされているかに応じて、幅および/または高さの点で異なっていてよい。幅が異なる場合には、より広幅の結合エレメントが、ガイド溝の、ベースエレメントの側壁を越えて側方に突出したガイド部にガイドされる。
【0020】
本発明の別の態様によれば、キーが組付けの間にロックエレメントを操作しており、これによって、結合エレメントもしくはカバーキャップの誤った組付けが阻止されるようになっている。有利には、ロックエレメントがスライダとして形成される。このスライダは、キーのワイパアーム側の端面側に配置されていて、このキーを越えて側方に突出していて、側壁の端縁部に弾性的に可撓性にガイドされている。
【0021】
更なる利点は、以下の図面の説明から明らかである。図面には、本発明の複数の実施の形態が示してある。図面、明細書および特許請求の範囲には、数多くの特徴が組み合わせて記載してある。これらの特徴を当業者は、有利には個々に考慮することもあれば、有利な別の組合せに纏めることもある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】纏められた3つの結合エレメントと、本発明に係るアダプタを備えたワイパブレードとの斜視的な部分図である。
図2】カバーキャップの組付けの間のアダプタを備えたワイパブレードの斜視的な部分図である。
図3】第1の結合エレメントの組付けの間のアダプタを備えたワイパブレードの斜視的な部分図である。
図4】第2の結合エレメントの組付けの間のアダプタのベースエレメントを備えたワイパブレードの斜視的な部分図である。
図5】アダプタのベースエレメントとの第2の結合エレメントの斜視的な部分縦断面図である。
図6】第3の結合エレメントの組付けの間のアダプタのベースエレメントを備えたワイパブレードの斜視的な部分図である。
図7】アダプタのベースエレメントとの第3の結合エレメントの斜視的な部分縦断面図である。
【0023】
ワイパブレード10はワイパストリップ16を有している。このワイパストリップ16は、2つのスプリングストリップの形の支持エレメント20によって保持される。この支持エレメント20には、ワイパブレード10の中間の範囲において、金属薄板爪の形の接続エレメント18が固定されている(図4参照)。支持エレメント20には、長手方向36で接続エレメント18の両側においてスポイラ12がクリップ留めされているかまたは長手方向36で被せ嵌められている。スポイラ12はその自由端部でエンドキャップ14によって閉鎖されている。
【0024】
接続エレメント18には、長手方向36に対して横方向に延びる軸線を中心として旋回可能にアダプタ22が結合されている。このアダプタ22はベースエレメント24を有している。このベースエレメント24の側壁30は、端面キャップ26と、中間部材としてのウェブ32と、ボス34とによって互いに結合されている。端面キャップ26は、ワイパブレード10の外側の端部に向けられていて、スポイラ12に対する接続異形部28を有している。長手方向36でワイパブレード10の内側の端部にずらされて、ボス34が設けられているのに対して、ウェブ32は上縁部64の中間の範囲において側壁30を互いに結合している。ウェブ32からワイパブレード10の内側の端部に向かって、長手方向36で両側壁30の間にばね舌片38が延びている。このばね舌片38はその自由端部に、外向きに突出したキー40を有している。このキー40とばね舌片38との間の移行部には、中空溝48が設けられている。キー40の、中空溝48と反対の側には、ロックエレメントとしてスライダ42が一体成形されている。このスライダ42は側方に突出していて、側壁30の端縁部44にガイドされている。キー40の出発位置では、スライダ42の下縁部が端縁部44の係止段部46に接触しているので、キー40はその出発位置から、加える力を増加させることでのみ調節されるようになっている。
【0025】
側壁30には、ワイパストリップ16に向けられた側において、それぞれ1つのガイド異形部50が設けられている。このガイド異形部50はガイド溝52を有している。このガイド溝52は長手方向36に延びていて、長手方向外側に向かっても、スライダ42に向かっても開放しているのに対して、他方の端部には、側壁30を越えて側方に突出したストッパ58が設けられている。ガイド溝52の下側のガイド部140は同じ寸法を維持して上側のガイド部および側壁30に比べて突出しており、これによって、下側のガイド部140の外面がストッパ58の外面と共に1つの平面を形成している。
【0026】
ガイド溝52の下方では、長手方向36にガイドリブ56が延びている。このガイドリブ56はガイド面54を内向き、つまり、横方向で制限している。このガイド面54は、ガイド溝52の下側のガイド部140の外縁部からガイドリブ56にまで延びている。ガイド溝52のストッパ58の範囲には、別のストッパ60が位置している。このストッパ60はガイド面54を長手方向36で制限している。ストッパ60は下側のガイド部140の外縁部に比べて、ストッパ58が側壁30に比べて突出している寸法とほぼ同じ寸法で突出しており、これによって、端面キャップ26の側壁68の一方の端面66に続く2つの側方の段部が得られる。両ガイド溝52の間には、接続エレメント18の長手方向ウェブ(図示せず)に対する中間室62が位置している。
【0027】
カバーキャップ72は、ほぼU字形の横断面形状を有していて、ワイパストリップ16に向かって開放していて、2つの側壁74を有している。両側壁74は1つの覆い壁76によって互いに結合されている。この覆い壁76には、横方向に延びるエンボス加工部78が設けられている。このエンボス加工部78は、長手方向36において、側壁74に設けられた支承開口80に対して相対的にワイパブレード10の内側の端部に向かってずらされている。支承開口80は、カバーキャップ72がベースエレメント24に組み付けられている場合、このベースエレメント24のボス34に整合している。組み付けられた位置では、キー40が、カバーキャップ72の覆い壁76に設けられた切欠き82内に係止しており、これによって、キー40の中空溝48が、切欠き82の、中空溝48に向かい合って位置する当接縁部84に接触している。
【0028】
カバーキャップ72の側壁74はその下側の縁部に、内向きに突出したガイドリブ142を有している。このガイドリブ142は、組付け時に、図2に示した破線に沿ってガイド溝52内に押し進められる。ガイドリブ142の範囲において、端面キャップ26に向けられた側には、切欠きが設けられており、これによって、ガイドリブ142の端面が、組み付けられた状態でストッパ58に接触しているのに対して、側壁74は、ストッパ58に続く段部に被さっていて、この段部の外側輪郭と同一平面を成している。組付けの間、キー40は、覆い壁76に設けられた切欠き82内に係止するまで、覆い壁76によって押し戻される。したがって、カバーキャップ72が、鉛直軸線70の方向では、ガイドリブ142によってガイド溝52に保持されていて、長手方向36では、ストッパ58とキー40との間に位置固定されている。
【0029】
ベースエレメント24とカバーキャップ72とを備えたアダプタ22は、ワイパアームの第1の結合エレメント86をワイパブレード10にサイドロック原理により結合するために働く(図3参照)。第1の結合エレメント86はそのワイパアーム側の端部100でワイパアーム(図示せず)に、たとえばクリンピングによって固定されているかまたはワイパアームに一体成形されている。反対の側の端部において、第1の結合エレメント86は、ワイパストリップ16に向かって開放したほぼU字形の横断面形状部88を有している。この横断面形状部88は2つの側壁90と1つの覆い壁92とによって形成される。第1の結合エレメント86の自由端部の範囲において、側壁90には、長手方向36に対して横方向に延びる支承ピン94がリベット締めされている。長手方向36でワイパアーム側の端部100に向かってずらされて、覆い壁92にワイパブレード側に向かってブリッジ96が一体成形されている。このブリッジ96はその自由端部に、ワイパストリップ16に向かって折り曲げられた端部98を有している。組付けのためには、ワイパブレード10がアダプタ22と共に第1の結合エレメント86に対して相対的に時計回り方向に約90゜だけ回動させられ、これによって、支承ピン94が支承開口80の一方を通してベースエレメント24のボス34内に差し込まれる。その後、ワイパブレード10がその出発位置に戻る方向に回動させられる。こうして、ブリッジ96がカバーキャップ72に被さって、エンボス加工部78に配置される。ブリッジ96の折り曲げられた端部98は、第1の結合エレメント86に対してワイパブレード10を支承ピン94の方向で位置固定している。
【0030】
第2の結合エレメント102および第3の結合エレメント120を組み付けるためには、カバーキャップ72がアダプタ22のベースエレメント24から取り外される。第2の結合エレメント102はそのワイパアーム側の端部104でワイパアーム(図示せず)に固く結合されているかまたは一体成形されている。第2の結合エレメント102は、逆方向に向けられた端部にほぼU字形の横断面形状部106を有している。この横断面形状部106は2つの側壁108と1つの覆い壁110とによって形成されている。この覆い壁110には、係止孔112が設けられている。この係止孔112内には、ベースエレメント24のキー40がワイパブレード10の終端位置において嵌合して係止される。側壁108は、ワイパストリップ16に向けられた縁部に、内向きに突出したガイドリブ116と舌片118とを有している。第2の結合エレメント102は長手方向36でアダプタ22のベースエレメント24に被せられる。この場合、舌片118とガイドリブ116とがガイド溝52内に係合するのに対して、覆い壁110はキー40を操作方向138で下向きに押圧する。その際、スライダ42が係止段部46を越えてガイド溝52に向かって滑動する。組付けの途中、舌片118とガイドリブ116とは、舌片118がストッパ58に接触しかつキー40がその出発位置に戻されて係止孔112内に係止するまで、さらにガイド溝52内で滑動させられる。なお、キー40の出発位置では、スライダ42がその下縁部で係止段部46に接触している。この位置では、第2の結合エレメント102の側壁108の前方の端面114が、端面キャップ26の、端面114に向けられた端面66に密接している。
【0031】
第3の結合エレメント120では、ワイパアーム側の端部122が、ワイパストリップ16に向かって開放したU字形の横断面形状部124に対して側方にずらされて延びている。この横断面形状部124は2つの側壁126と1つの覆い壁128とによって形成される。この覆い壁128には、ベースエレメント24のキー40に対する係止孔130が設けられている。側壁126の、ワイパストリップ16に向けられた縁部には、内向きに突出したガイドリブ134が設けられている。このガイドリブ134は、端面キャップ26に向けられた端部に突出部136を有している。第3の結合エレメント120の、ガイドリブ134を越えて突出部136で突出した部分は、鉛直軸線70の方向でベースエレメント24に支持され、これによって、覆い壁128がベースエレメント24の側壁30の上縁部64に載置しているのに対して、キー40は操作方向138で下向きに押圧される。その際、スライダ42が係止段部46から進出し、ガイド溝52の端面側をカバーする。これによって、誤った組付けが阻止される。第3の結合エレメント120に向かってのベースエレメント24の更なる相対運動時には、突出部136とガイドリブ134とがガイド面54の下方で滑動し、これによって、ベースエレメント24がそのガイド面54と上縁部64とでガイドリブ134と覆い壁128との間に保持されている。終端位置では、突出部136がベースエレメント24のストッパ60に接触しているのに対して、キー40は係止孔130内に係止していて、ひいては、ベースエレメント24を長手方向36で位置固定している。この長手方向36と鉛直軸線70の方向とに対して横方向では、ベースエレメント24が、ガイド溝52の突出した下側のガイド部140によって第3の結合エレメント120の側壁126にガイドされている。組み付けられた状態では、側壁126の前方の端面132が、端面キャップ26の、端面132に向かい合って位置する端面66に密接しており、これによって、閉鎖されたデザインが得られる。
【0032】
本発明に係るアダプタ22によって、多様なバリエーションに加えて、ワイパブレード10が良好に側方でガイドされ、長手方向36でも鉛直軸線70の方向でも確実に位置固定される。
【符号の説明】
【0033】
10 ワイパブレード
12 スポイラ
14 エンドキャップ
16 ワイパストリップ
18 接続エレメント
20 支持エレメント
22 アダプタ
24 ベースエレメント
26 端面キャップ
28 接続異形部
30 側壁
32 ウェブ
34 ボス
36 長手方向
38 ばね舌片
40 キー
42 スライダ
44 端縁部
46 係止段部
48 中空溝
50 ガイド異形部
52 ガイド溝
54 ガイド面
56 ガイドリブ
58 ストッパ
60 ストッパ
62 中間室
64 上縁部
66 端面
68 側壁
70 鉛直軸線
72 カバーキャップ
74 側壁
76 覆い壁
78 エンボス加工部
80 支承開口
82 切欠き
84 当接縁部
86 第1の結合エレメント
88 横断面形状部
90 側壁
92 覆い壁
94 支承ピン
96 ブリッジ
98 端部
100 端部
102 第2の結合エレメント
104 端部
106 横断面形状部
108 側壁
110 覆い壁
112 係止孔
114 端面
116 ガイドリブ
118 舌片
120 第3の結合エレメント
122 端部
124 横断面形状部
126 側壁
128 覆い壁
130 係止孔
132 端面
134 ガイドリブ
136 突出部
138 操作方向
140 ガイド部
142 ガイドリブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7