(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複合光測定工程により得られた前記複合光受光情報から前記直接光測定工程により得られた前記直接光受光情報を減算して反射光受光情報を算出する減算工程と、を有する
請求項1に記載の半導体発光素子の発光状況測定方法。
前記直接光受光情報を球座標に変換することによって直接光球面配光強度分布を算出し、前記反射光受光情報を球座標に変換することによって反射光球面配光強度分布を算出する変換工程と、
前記直接光球面配光強度分布及び前記反射光球面配光強度分布を加算する加算工程と、を有する
請求項2に記載の半導体発光素子の発光状況測定方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態を、
図1を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態におけるLED101の発光状況の説明図である。
【0009】
図1(a)に記載されているように、LED(Light Emitting Diode)101は発光面101aから光を発光する。このLED101の発光面101aの法線を発光中心軸(LCA)という。また、発光面101aを含む平面上の、一方向を基準軸(X軸)とした場合に、この平面上のX軸からの反時計回りの角度をφとする。
また、φを固定した場合における、発光中心軸となす角度をθと定義する。
LED101の発光面101aから放射される光の強度は、発光中心軸からの角度θ等によって異なる(
図2も参照のこと)。
【0010】
ところで、今後、LED101の発光状況をより精密に測定する必要性がより高まることが予想される。そのような需要を満たすための発光状況測定方法を以下に説明する。
LED101は、θが同じ場合には同じ光の強度を示すことが通常であるという前提で検査工程が構築されている。
しかし、LED101によっては、θが同じでも、φが異なれば異なる光の強度となる場合もある。
そのような、光の強度を視覚的に表わすために、
図1(b)のような図が用いられる。
この
図1(b)において、X軸とY軸との交点部分がθ=0°を表わしている。
そして、円上の各点がθ=90°の各φの位置をそれぞれ表わしている。
このような図において、光の強度に応じて濃淡をつけることによって、光の強度を表わす。そして、この濃淡に基づいて、光の強度を視覚的に知ることが可能となる(
図3及び
図4参照のこと)。
なお、
図1(c)は、φの値が一定の位置における断面図である。
このような、
図1において、LED101からの同一の距離における光の強度を配光強度と定義する。
製造されたLED101のこの配光強度を測定することによって、そのLED101の特性を判断することが可能である。
この特性の判断とは、例えば、全体としての配光強度が一定程度を満たさない、一定のθの位置における配光強度が一定程度を満たさない等の判断がなされる。さらに、全体としての配光強度が一定程度を満している、かつ、一定のθの位置における配光強度が一定程度を満たしていても、その程度等に応じて、ランク分け等の判断がなされる。
なお、この判断によって、良品不良品の分別、良品の中でのランク分け等がなされる。
【0011】
なお、以上の説明は、LED101から十分に遠い位置で測定したことによって、LED101がほぼ点として考えることができるとして記載している。
以後の説明も、特に記載のない限り、LED101がほぼ点であると仮定して記載している。なぜなら、LED101は通常CCD105等と比較すると極めて小さいことから、このように仮定することができるからである。
【0012】
図2は、配光強度分布についての説明図である。
【0013】
図2(a)は、
図1(c)と同じ図である。
図2(a)のように、LED101からの距離rが一定の位置において、一定のθの角度での、光の強度が配光強度である。
そして、この配光強度を各θの角度について測定して、これをグラフしたものが配光強度分布である。さらに、各θの角度及び各φの角度において測定し、球座標で表したものも配光強度分布という(以下、このような球座標における配光強度分布を球面配光強度分布という)。
本実施形態は、最終的に、この球面配光強度分布を求める、若しくは、この球面配光強度分布を間接的に表すことのできるデータ等を求める、ことが目的である。
この球面配光強度分布は球座標で示されているため、図示することが困難である。
そこで、後述する
図3(b)及び
図4(b)のような、平面にて表したもの(これを平面配光強度分布と以下いう。)を用いて視覚化して、人間の感覚においてとらえることを可能にしている。なお、この平面配光強度分布は、あくまでLED101の配光強度の分布状態を説明するために便宜的に用いているものであり、本実施形態において、これを算出(検出、測定)することは行っていない。
なお、
図11(a)及び
図13(a)においてもこの平面配光強度分布と類似する図が用いられているが、この
図11(a)及び
図13(a)と平面配光強度分布とは異なる図である。
ここで、前もって
図11(a)及び
図13(a)の図についての説明をする。
図11(a)及び
図13(a)の図は、平板形状のCCD105が受光する光の強度を表しているにすぎない。つまり、
図11(a)及び
図13(a)の図は、rが一定の距離における光の強度を表していない。さらに、平面配光強度分布の図では、中心からのθ=30°までの距離と、θ=30°からθ=60°の距離は等距離で形成されているが、
図11(a)及び
図13(a)の図では、中心からのθ=30°までの距離と、θ=30°からθ=60°の距離は等距離ではない。つまり、中心からのθ=30°までの距離よりもθ=30°からθ=60°は長く形成され、θ=60°からθ=90°は無限の長さになってしまっている。
したがって、本来、球面配光強度分布を測定するためには、平板形状のCCD105ではなく球形のCCD105をLED101から等距離になるように配置することが好ましい。しかし、ここで球形のCCD105は存在していないし、万一、存在していても高価である。さらに、球形のCCD105をLED101の周りに配置することは困難である。
そこで、本実施形態では、LED101から一定程度離れた位置に配置されたCCD105を用いて、光の状況を測定し、これから球面配光強度分布を計算等によって算出している。
さらに、通常であればCCD105に直接入射するθの範囲の光しか、球面配光強度分布を測定・算出することができないところ、本実施形態では反射部123を用いることによってCCD105に直接入射するθの範囲よりもθ値が大きい範囲の光についても、球面配光強度分布を測定可能としている。
【0014】
図2(b)は、θが0°の場合に配光強度が最も強いLED101(cos型)の例であり、
図2(c)は、θが30°近傍の場合に配光強度が最も強いLED101(ドーナツ型)の例である。
なお、通常は、θ=90°で配光強度はゼロになる。
また、この
図2では、θの角度の最大値はθ=90°であるが、θの角度を90°以上として配光強度を測定しても良い。例えば、θの角度を0°〜135°までの範囲で測定してもよい。なお、θの角度の測定範囲の最大値は当然ながら180°である。
【0015】
ここで、例えば、
図2(b)の様なcos型のLED101を製造しようとしても、製造誤差等が原因で、
図2(c)の様なドーナツ型のLED101がどうしても製造されてしまう。
たとえ、一定のφの角度において、
図2(b)の様なcos型の配光強度分布を有していたとしても、他のφの角度において、
図2(c)の様なドーナツ型の配光強度分布となっている可能性もある。
さらに、より複雑(不均一)な配光強度分布を有するLED101も存在しえるため、球面配光強度分布を同時に測定する方法(装置)が本実施形態の方法(装置)である。
【0016】
図3は、cos型のLED101についての平面配光強度分布の説明図である。
【0017】
図3(b)は、
図3(a)のようなcos型のLED101の配光強度分布を、全てのφの角度について測定しこれを
図1(b)の様な方法によって、視覚化したものである。
図3(b)のように、
図3(a)のようなcos型の配光強度分布を有するLED101は、θの角度が0°の場合に配光強度が最も高く(濃度が薄く表現されている)、θの角度が大になるに従い、配光強度が低くなる(濃度が濃く表現されている)。
【0018】
図4は、ドーナツ型のLED101についての平面配光強度分布の説明図である。
【0019】
図4(b)は、
図4(a)のようなドーナツ型のLED101の配光強度分布を、全てのφの角度について測定しこれを
図1(b)の様な方法によって、視覚化した平面配光強度分布である。
図4(b)のように、
図4(a)のようなcos型の配光強度分布を有するLED101は、θの角度が0°の場合における配光強度よりも、θの角度が30°付近で最も配光強度が高く(濃度が薄く表現されている)なっている。
そして、このθの角度30°付近からさらにθの角度が大になるに従い、配光強度が低くなる(濃度が濃く表現されている)。
【0020】
図5は、第1の実施形態において球面配光強度分布を得るための発光素子用受光モジュール1の第1の状態の説明図である。
【0021】
図5の発光素子用受光モジュール1は、球面配光強度分布(もしくは、球面配光強度分布を間接的に表すことのできるデータ)を得るために用いられている。以下、
図5の発光素子用受光モジュール1の構成を説明する。
図5(a)のように、発光素子用受光モジュール1は、本実施形態では、ワーク102(試料設置台)、CCD(Charge Coupled Device)105、ホルダ107、信号線111、画像処理部113、通信線115、スペーサ117、プローブ針109を有している。もっとも、この全てが発光素子用受光モジュール1の必須の構成ではなく、少なくとも、CCD105を有していれば足りる。
そして、発光素子用受光モジュール1は、反射部123を有する第1の状態と、この反射部123の代わりに吸収部124を有する第2の状態(
図7も参照のこと)とを遷移可能である。
なお、第2の状態には、吸収部124が必須ではなく、反射光がCCD105に入射しないのであればどのような方法であっても良い。さらに、一定程度広い空間で測定されるのであれば吸収部124が無くても反射光はCCD105にほとんど入射しないのであるから、吸収部124は無くても良い。
【0022】
以下、第1の状態について説明する。
LED101は水平に設置されているワーク102上に配置されている。
このワーク102と対向する位置に、ホルダ107が、空間を隔てて配置されている。
ホルダ107の内部には、CCD105が配置されている。
LED101、ワーク102及びCCD105は互いに平行となる様に配置されている。
プローブ針109は、球面配光強度分布の測定及び電気特性測定時にはLED101の電極に接触して、電圧をLED101に印加する。
ワーク102及びLED101が固定されている状態でプローブ針109が移動して、プローブ針109とLED101とが接触してもよい。逆に、プローブ針109が固定されている状態でワーク102及びLED101が移動して、プローブ針109とLED101とが接触してもよい。
また、プローブ針109は、電気特性計測部119(
図8も参照のこと)と接続されている。
プローブ針109は、LED101の発光面101aとほぼ平行に、LED101の法線と直角方向に放射状に延在している。
【0023】
ホルダ107は、円筒形状の側面部107bを有している。
側面部107bは円筒形状を有し、θ=0°の方向に延在した形状を有している。
遮蔽部107a及び側面部107bの中心はθ=0°の方向を有しており、LED101の発光面101aの発光中心軸と同一である。
側面部107bの内周面が形成する中空空間に、CCD105が配置されている。
遮蔽部107aの中心部には、上下逆の略円錐台形の中空部を形成する円形開口部107cが形成されている。この円形開口部107cがあることによって、LED101から放射された光をCCD105が受光可能となっている。
遮蔽部107aの内周面によって形成される中空空間は、傾斜面107dから形成されている。
傾斜面107dによって形成される中空空間は、上下逆の略円錐台形状を有している。LED101側からCCD105側に行くに従い直径が大になる形状を有している。
なお、上下逆の略円錐台形状としたのは、中空空間には放物線形状の反射部123が挿入されるため、厳密には放物線の形状で曲率を有しているからである。
【0024】
反射部123を形成する反射面123aは、放物線を、発光中心軸を中心に360°回転させた回転体の形状を有している。つまり、反射部123は、断面形状が放物線形状を有している。
この放物線は、LED101が焦点位置(又は焦点位置の近傍)にくるように形成されている。つまり、LED101側から、CCD105側に行くに従い直径が大になるような形状を有している。
このように、反射部123が放物線形状であり、かつ、LED101が放物線の焦点位置(又は焦点位置の近傍)に配置されていることから、反射部123によって反射された光は全て発光中心軸に平行に直進する。
【0025】
なお、反射部123は、ステンレス、アルミ、銀等の金属材料等から構成されて、それ自体が反射を行うものであっても良い。さらに、これら反射をする材料又は反射しない材料の表面に、アルミ、銀等の反射材料をコーティングしてもよい。
【0026】
また、
図5(b)は、
図5(a)のLED101の近傍の拡大図である。
ワーク102は、円錐台形状を有しており、この円錐台の上面123UにLED101は配置されている。
図5(b)のように、反射部123は、LED101のCCD105側とは反対側位置にまで伸びて形成されている。
このように、反射部123がLED101のCCD105側とは反対側位置にまで伸びて形成されていることによって、θの角度が90°以上の範囲へ出射される光も、反射部123の反射面123aによって反射させることが可能になる。
そして、θの角度が90°以上の方向に出射されLED101のCCD105側とは反対側位置の反射面123aによって反射された光は、θの角度が90°以下の方向に出射され反射面123aによって反射した光と同様に、発光中心軸に対して平行に進む。
【0027】
このように、構成したことから、CCD105へは、LED101から放射されて反射面123aに反射した後の光に加え、LED101から放射されて反射面123aに反射しない光も入射する。
【0028】
図6は、
図5(b)の側面からの説明図である。
【0029】
この
図6のように、反射部123はスリット部123bが形成されている。このスリット部123b内に、プローブ針109が挿入され、LED101の表面に電圧等を加える。
このスリット部123b及びプローブ針109は、比較的小さく形成されているため、ワーク102上に配置されているLED101からの光を僅かしか阻害しない。
【0030】
図7は、発光素子用受光モジュール1の第2の状態の説明図である。
【0031】
図7のように、第2の状態では、発光素子用受光モジュール1は、反射部123の代わりに吸収部124を有する。
この吸収部124は、その表面に吸収面124aを有し、この部分でLED101の発光面101aから放射された光を吸収する。
吸収部124は、円筒形状を有している。さらにLED101側には、底面部125を有している。
この底面部125も、底面吸収部125aを有しており、入射した光が吸収される。
この吸収部124は、LED101の発光面101aから放射された光のうち、無反射で直接にCCD105に入射する光以外を吸収するために設けられている。
【0032】
なお、吸収部124は、単に、LED101の発光面101aから放射された光のうち、無反射で直接にCCD105に入射する光以外を吸収することが可能であれば足りるのであるから、円筒形状である必要はない。つまり、吸収部124は、反射部123のように放物線形状であっても良いし、他の形状であっても良い。さらに、底面部125は無くても良い。
さらに、例えば、φが0°〜180°の部分は反射部123とし、φが180°〜360°の部分は吸収部124とする等しても良い。また、反射部123の一部(一定角度範囲)に光を吸収する物質をコーティング等して形成して、その部分を吸収部124としても良い。
【0033】
図8は、発光素子用検査装置3の概要の説明図である。
【0034】
発光素子用検査装置3は、発光素子用受光モジュール1に加え、電気特性計測部119、テスタ151及び記憶部152を有している。
なお、発光素子用受光モジュール1は、本実施形態では、ワーク102(試料設置台)、CCD105、ホルダ107、信号線111、画像処理部113、通信線115、スペーサ117、を有している(
図5等参照のこと)。
もっとも、この全てが発光素子用受光モジュール1の必須の構成ではなく、少なくとも、CCD105を有していれば足りる。
電気特性計測部119は、HVユニット153、ESDユニット155、切替えユニット157及び位置決めユニット159を有している。
【0035】
CCD105の各受光素子は、LED101から放射された光を受光する。
そして、その受光素子は受光した光の強度(情報)の電気信号をアナログ信号として、画像処理部113に出力する。
画像処理部113は、このアナログ信号から、デジタル信号に変換する。
この画像処理部113でデジタル信号に変換された各受光素子毎の受光情報は通信線115を介してテスタ151に出力される。
【0036】
プローブ針109は、LED101の表面に物理的に接触してLED101を発光させるための電圧を印加する機能を有している。
また、プローブ針109は位置決めユニット159によって位置決め固定されている。
この位置決めユニット159は、ワーク102が移動する形式のものであれば、プローブ針109の先端位置を一定の位置に保持する機能を有する。逆に、この位置決めユニット159は、プローブ針109が移動する形式のものであれば、プローブ針109の先端位置をLED101が載置されるワーク102上の所定の位置に移動させ、その後その位置に保持する機能を有する。
【0037】
HVユニット153は、定格電圧を印加して、定格電圧に対するLED101での各種特性を検出する役割を有している。
通常、このHVユニット153からの電圧の印加状態で、LED101が発光する光をCCD105が測定を行う。
HVユニット153が検出した各種特性情報はテスタ151に出力される。
【0038】
ESDユニット155は、LED101に一瞬の間大きな電圧をかけて静電気放電させ静電気破壊されないか等の検査を行うユニットである。
ESDユニット155が検出した静電破壊情報はテスタ151に出力される。
【0039】
切替えユニット157は、HVユニット153とESDユニット155との切替えを行う。
つまり、この切替えユニット157によって、プローブ針109を介してLED101に印加される電圧が変更される。そして、この変更によって、LED101の検査項目が、定格電圧での各種特性を検出、又は、静電破壊の有無を検出にそれぞれ変更される。
【0040】
テスタ151は、画像処理部113が出力した受光情報、HVユニット153が検出した各種電気特性情報、ESDユニット155が検出した静電破壊情報の入力を受ける。
そして、テスタ151は、これらの入力からLED101の特性を分析・分別を行う。
特に、本実施形態においては、テスタ151は、LED101が放射する光の球面配光強度分布を算出している。なお、具体的な球面配光強度分布を算出する方法については後述する。
そして、この球面配光強度分布の算出結果に基づいて、個別のLED101毎に分別を行う。
例えば、テスタ151は、一定の性能を有しないLED101は破棄するべき旨の分別を行う。さらに、光の強度(光量)毎に分別を行う。
なお、テスタ151は、HVユニット153が検出した各種電気特性情報、ESDユニット155が検出した静電破壊情報からも同様な分別を行う。
なお、物理的な分別は、発光素子用検査装置3による検査の後の工程で行われる。
【0041】
図9は、球面配光強度分布の測定方法の説明図である。
【0042】
球面配光強度分布は、以下の方法によって測定される。
第1のステップST01(発光工程)で、プローブ針109をLED101の電極に接触させ、電力(電圧、電流)をLED101に供給する。それによって、LED101を発光させる。
【0043】
第2のステップST02(複合光測定工程)で、CCD105を用いて、第1の状態(反射部123を用いた状態)でのCCD105が受光し画像処理部113が処理する受光素子毎の受光情報(以下、この受光情報を「複合光受光情報」という。)を測定する。
そして、テスタ151は、この複合光受光情報の入力を受ける。
なお、この受光素子毎の複合光受光情報には、反射部123で反射されていない直接光の情報と反射部123で反射された反射光との情報が重畳されている(
図11、
図12の説明部分も参照のこと)。
【0044】
第3のステップST03(記憶工程)で、テスタ151は、この複合光受光情報を記憶部152に記憶させる。
【0045】
第4のステップST04(直接光測定工程)で、CCD105を用いて、第2の状態(吸収部124を用いた状態)でのCCD105が受光し画像処理部113が処理する受光素子毎の受光情報(以下、この受光情報を「直接光受光情報」という。)を測定する。
そして、テスタ151は、この直接光受光情報の入力を受ける。
なお、この直接光受光情報は、反射部123において反射されていない直接光のみの受光素子毎の受光情報である。
【0046】
第5のステップST05(減算工程)で、テスタ151は、受光素子毎について、記憶部152が記憶している複合光受光情報から、直接光受光情報を引き算して受光情報(以下、この受光情報を「反射光受光情報」という)を得る。
なお、この反射光受光情報は、反射部123において反射された反射光の情報のみの受光素子毎の受光情報である。
【0047】
第6のステップST06(変換工程)で、テスタ151は、受光素子毎の直接光受光情報から直接光となるθの範囲の各θ値における球座標における配光強度分布(以下、この配光強度分布を「直接光球面配光強度分布」という。)を算出する。
さらに、テスタ151は、受光素子毎の反射光受光情報から反射光となるθの範囲の各θ値における球座標での配光強度分布(以下、この配光強度を「反射光球面配光強度分布」という。)を算出する。
なお、第6のステップでの配光強度を算出する具体的な方法は、後述する。
【0048】
第7のステップST07(球面配光強度分布算出工程、加算工程)で、この直接光球面配光強度分布と反射光球面配光強度分布を統合して、球座標の配光強度分布である球面配光強度分布を算出する。
【0049】
図10は、他の測定方法の説明図である。
【0050】
以上のステップは、複合光受光情報には、反射部123で反射されていない直接光の情報と反射部123で反射された反射光との情報が重畳されている情報である複合光受光情報を先に得て、その後に、反射部123で反射されていない直接光の情報である直接光受光情報を得るという順序である必要はない。
つまり、
図10のように、直接光受光情報を先に得て、その後に、複合光受光情報を得るという順序であっても良いことは言うまでもない。
また、反射光受光情報を得るための引き算、配光強度の計算等も必ずしもこの順序でする必要性はなく、適宜変更可能である。
さらに、この方法ではφが0°〜360°までの全範囲について一度に測定・算出していたが、部分ごとに複数回測定してφが0°〜360°までの全範囲について計測・算出しても良い。
【0051】
図11は、第1の状態(反射部123がある場合)におけるCCD105に入射する光の状況の説明図である。
図12は、
図11をさらに補足する説明図である。
図13は、第2の状態(吸収部124がある場合)におけるCCD105に入射する光の状況の説明図である。
【0052】
反射部123がある第1の状態では、
図11(b)のように、CCD105には、反射部123によって反射されていない直接光と反射部123によって反射されている反射光の両方が複合された複合光が入射する。
ここで、A地点への直接光がDLAとして表され、A地点への反射光がRLAとして表わされる。なお、A地点へのRLAは、θが90°以内の方向へ放射された光が反射したものである。
また、B地点への直接光がDLBとして表わされ、B地点への反射光がRLBとして表わされる。なお、B地点へのRLBは、θが90°以上の方向へ放射された光が反射したものである。
直接光は、θがθ1以内の範囲の光が直接光になり、反射光はθがθ1〜θ2の範囲の光が反射光となる。
ここで、θ1は、LED101の放射面からCCD105の最外周部へ引く直線のθの値である。
また、θ2は、円錐台形状のワーク102の側面の角度である。つまり、これ以上のθの角度では、ワーク102が光を遮蔽することから反射部123に光が入射せず、反射されないから、θ2以上の角度の光はCCD105が受光しない。その結果、θ2が測定可能最大範囲となる。
【0053】
なお、反射部123は放物線形状を有することから、この反射部123で反射された光は全て発光中心軸に平行に直進する。その結果、直接光と反射光が重畳する以外は、異なるθの角度を有する光はCCD105の各受光素子へ入射することはない。
例えば、A地点へ入射する光は、θがθA1の直接光とθがθA2の反射光のみであり、他のθの角度の光はA地点に入射することはない。
この放物線と焦点との間の性質を用いて、本実施形態では、CCD105が受光した光の強度の情報から、各θの角度における配光強度を算出することが可能である。
【0054】
反射部123があると、CCD105には、反射部123によって反射されていない直接光と反射部123によって反射されている反射光の両方が入射し、
図11(a)のような強度の光が入射する。
なお、
図11(a)において、濃度の濃い部分が光の強度が低く、濃度の薄い部分が光の強度が高いことを表わしている。なお、この
図11(a)の図は、測定するLED101がcos型のLED101である場合を想定している。
この
図11(a)のC地点からD地点までの光の強度を現したのが
図12(a)である。
図12(a)から分かるように、C地点から外部に進むに従い光の強度は低下する。しかし、E地点で不連続に光の強度が急激に上昇する。そして、E地点からF地点へ進むに従い急激に再度光の強度が低下する。その後、F値地点からD地点までは、徐々に光の強度が低下等している。
なお、F地点における反射光分の強度がゼロなのは、θ=90°の方向にはLED101は光を出射していないからである。
また、CCD105が受光する地点A、F、Eにおける光が、反射部123によって反射されている位置がそれぞれA´、F´、E´に該当する。
また、E´は、反射部123のワーク102側と接する部分の位置である。
【0055】
次に、LED101から出射された光がどのように、CCD105に受光されるか説明する(特に、
図12を参照のこと)。
まず、θが0°(C地点に該当)〜θ1(D地点に該当)まで増加すると、それに従い、CCD105に直接光としてそれぞれの角度で受光される。さらに、θがθ1(D地点に)〜θ2(E地点に該当)まで増加すると、CCD105に反射光としてそれぞれの角度で受光される。
つまり、θ=0°〜θ1の範囲では、θの角度が増加するに従い、それぞれの角度の光の軌跡は、C地点からE1地点を経由してD1地点へ移動する。
次に、θ=θ1〜θ2の範囲では、さらにθの角度が増加すると、それぞれの角度の光の軌跡は、D(D1、D2)地点で折り返して、D2地点からE2地点まで移動する。
したがって、E(E1、E2)地点までは直接光のみの光が受光されており、E(E1、E2)地点からは直接光と反射光の両方が受光されている。
なお、F地点では、θ=90°の反射光が入射するはずであるが、LED101は、θ=90°方向には光を出射しないため、反射光の量は0となっている。
その結果、例えば、A地点では、θ=θA1での直接光の強度Padと、θ=θA2での反射光の光の強度Parとの合算した光の強度が検出されることになる。
【0056】
他方、第2の状態では、
図13(b)のように吸収部124があることから、θ1以上の範囲の光は、吸収部124によって吸収されてしまう。その結果、CCD105は、θが0°〜θ1までの範囲の光しか受光しない。
そうすると、CCD105には、
図13(a)のような強度の光が入射する。
なお、
図13(a)において、測定するLED101は、
図11で使用したLED101と同じものを想定している。また、濃度の濃い部分が光の強度が低く、濃度の薄い部分が光の強度が高いことを表わしていることも、
図11(a)と同様である。
図13(a)から分かるように、第2の状態ではC地点から外部に進むに従い光の強度は連続的に低下する。
【0057】
このように、第1の状態においては直接光と反射光の両方を受光しており、第2の状態においては直接光のみを受光している。
第2の状態での直接光受光情報からは、θがθ1までの範囲の光の強度を算出することができる。
また、第1の状態での複合光受光情報から第2の状態での直接光受光情報を引くと、θがθ1からθ2の範囲のLED101光の強度を得ることができる。
【0058】
ところで、配光強度は、LED101を中心に配置した球座標において、各θ(φ)の角度で、中心からの距離が一定の位置での光の強度をいう。
ところが、CCD105の受光素子が受光する光の強度に関する情報は、確かに、各θ(φ)の角度の光の情報であるが、rの値が一定の位置での光の強度に関する情報ではない。
そこで、CCD105が得た光の強度をrの値が一定の位置での光の強度(配光強度)に変換する必要がある。
その方法は、各θの角度の光がどのような強度を持ってCCD105に受光されるかを、計算して数学的(物理的)に求める方法があり得る。
この方法は、数学的(物理的)には正確な値を求めることができるという利点がある。しかし、反射部123の反射率の誤差、反射部123の形状の誤差等への対応が困難という欠点がある。
他の方法は、θの全角度に同一の光の強度を放射する発光物を、LED101を配置する位置に配置し、その発光物の光についてCCD105が受光した光の強度を測定する方法がある。
この方法は、C地点での光の強度と、各受光素子が受光した光の強度とを比較し、それが同じになるように係数を決定する。つまり、この発光物を挿入した場合に、C地点で光の強度が1であって、A地点での光の強度が0.7である場合には、係数は1/0.7となる。そして、この係数をLED101が検出した光の強度にかけることによってrが同一の位置における光の強度である配光強度を算出することが可能となる。
このときのrの値は、LED101とCCD105との距離である。これを例えば、r=1の値における球面配光強度分布を求める際には、各θ値での配光強度をrの2乗で割ることによって算出することが可能である。
【0059】
<第2の実施形態>
図14は、第2の実施形態の説明図である。
【0060】
図14のように、LED101をダイオードパッケージ102a上に配置して、測定することも可能である。
この場合には、θ=90°までの範囲を測定可能である。
【0061】
<第3の実施形態>
図15は、第3の実施形態の説明図である。
【0062】
図15のように、LED101がワーク102b上に設置されたウエハ101cの状態で測定することも可能である。
この場合には、θ=60°程度までの範囲しか測定可能ではないが、複数のLED101を連続して測定可能であるという利点がある。
【0063】
<第4の実施形態>
図16は、第4の実施形態の説明図である。
【0064】
図16のように、LED101を透明ワーク102c上に配置して、反射部123がθ=180°まで存在するようにすることも可能である。
このようにすると、LEDチップが充分に小さければほぼθ=180°までの範囲を測定可能である。
【0065】
<第5の実施形態>
図17は、第5の実施形態の説明図である。
【0066】
図17のように、LED101を透明ワーク102c上に配置して、かつ、この透明ワーク102cにさらに補助CCD105aを配置することも可能である。
このようにすると、容易な構成でθ=180°までの範囲を測定可能である。
【0067】
<第6の実施形態>
図18は、第6の実施形態の説明図である。
【0068】
以上の実施形態では、
図18(a)のように反射部123を構成する放物線の焦点位置PFにLED101を配置していた。
しかし、必ずしも、このように反射部123を構成する放物線の焦点位置にLED101を配置する必要はない。
【0069】
たとえば、
図18(b)のように、焦点位置PFよりも放物線側に変位した位置P2に配置することも可能である。
この場合には、
図18(b)のように、反射部123によって反射された光は、放物線の中心軸から次第に遠ざかるように進む。
この場合には、反射部123によって反射された光は放物線の中心軸とは平行には進まないため、θ値と配光強度の関係を計算することは多少困難になるが、幾何学的に計算することも、コンピュータシュミュレーションによって算出することも、実測によって求めることも可能である。
【0070】
本発明の本質は、あくまで、1つのθ値及びφ値を有する光(
図1(a)参照のこと)である直接光がCCD105の1箇所に受光され、また、他の1つのθ値及びφ値を有する光である反射光が、CCD105の1箇所に受光され、かつ、直接光及び反射光がそれぞれのθまたはφの値に応じてCCD105の異なる位置に受光されることである。
換言すると、2つ以上の異なるθ値及びφ値を有する直接光、又は、2つ以上の異なるθ値及びφ値を有する反射光をCCD105の同一箇所で受光しなければ、反射部123の形状、LED101の位置等はどのようなものであってもよいのである。
この点、
図18(c)のように、焦点位置PFよりも反射部123の放物線よりも遠い位置であるP3では、直接光は1つのθ値の光しか受光しないが、反射光は2つのθ値をそれぞれ有することになってしまうため適切ではない。つまり、このような状態とならない限り反射部123の形状、LED101の位置は任意である。
【0071】
さらに言うと、反射部123は、CCD105が直接光のみを受光する部分、又は、反射光のみを受光する部分があってもよい。この場合には、一部に、直接光及び反射光の両方を受光する部分があるに過ぎないことになる。
以下、様々な実施形態を示して、反射部123の形状、LED101の位置がどのようなものであってもよいことを説明してゆく。
【0072】
<第7の実施形態>
図19は、第7の実施形態の説明図である。
【0073】
図19のように、反射部123は円錐台の形状であってもよい。
ここで、このような円錐台の場合には、円錐台の形状を有する反射部123によって反射し2つの光路を通った光(別の反射部123の位置によって反射された光)が、同一箇所の位置のCCD105に入射しないようにする必要がある。
なお、中心位置Cへの入射してしまうと、この中心位置Cへ反射部123の異なる位置において反射した光がそれぞれ入射してしまうことになる。
つまり、この中心位置Cを超えてしまうと、円錐台の形状を有する反射部123によって反射し2つの光路を通った光(別の反射部123の位置によって反射された光)が、同一箇所の位置のCCD105に入射してしまうことになってしまう。
これでは、この中心位置Cへ入射した情報から、その方向に出射する光情報を得ることができず、LED101の球面配光強度分布に抜けができてしまうおそれがある。
そこで、この点を厳格に考慮するならば、中心位置Cにわずかに届かない位置に入射するようにする。
このことを換言すると、反射光が発光中心軸LCAを超えてCCD105に入射することがなく、さらに、中心位置CのCCD105に入射することがないような反射光を生成するということである。
さらに上位概念で換言すると、LED101が放射する光の方向が異なれば、CCD105の異なる位置に受光させることである。
なお、この中心位置Cへ反射光が入射する場合であっても、この中心位置Cは1点にすぎない。このため、この中心位置Cへ入射された情報を削除して、他の情報から補間可能である。
この中心位置Cは1点にすぎない。そのため、この部分の情報が得られないとしても、他の情報から補間可能である。
【0074】
ここで、
図19(a)は、反射部123の円錐台の上面123U位置にLED101を配置した場合の一例である。
図19(b)は、
図19(a)より反射部123の円錐台の下面123D側の位置にLED101を配置した場合の一例である。
図19(c)は、
図19(a)より反射部123の円錐台の上面123Uを超えて配置した場合の一例である。
つまりこれらの例のように、LED101が放射する光の方向が異なれば、CCD105の異なる位置に受光させことができるのであれば、LED101の位置は固定されない。
さらに場合よっては、LED101が放射する光の方向が異なれば、CCD105の異なる位置に受光させことができるのであれば、LED101は発光中心軸LCA上に位置しなくてもよい。
【0075】
<第8の実施形態>
図20は、第8の実施形態の説明図である。
【0076】
図20(a)は、
図19(a)と同一の図である。この
図19(a)のように、これまでの実施形態では、反射部123を反射した光は、CCD105の中心位置C(CCD105と発光中心軸LCAとの交点位置)に入射する位置であった。つまり、反射部123によって反射される反射光は、CCD105に入射しない位置は無い場合であった。
しかし、本発明の上位概念では、LED101が放射する光の方向が異なれば、CCD105の異なる位置に受光させることであることから、CCD105上の一部は、反射光を受光しない領域があってもよい。
たとえば、
図20(b)のように構成した場合には、反射部123を反射した光は、E地点とD地点の間にしか受光されない。このような場合であっても、本発明は実施可能であることは言うまでもない。
【0077】
<第9の実施形態>
図21は、第9の実施形態の説明図である。
【0078】
以上の実施形態では、反射部123の形状は放物線の回転体形状又は円錐台形状で1つの形状から構成されていた。
しかし、本発明の上位概念は、LED101が放射する光の方向が異なれば、CCD105の異なる位置に受光させることであるから、
図21(a)のように、円錐台形状の第1反射部1231と放物線の回転体形状の第2反射部1232を組み合わせた形状を、反射部123が有していてもよい。
同じように、
図21(b)のように、第1反射部1231と第2反射部1232が異なる円錐台の形状であってもよい。
この2つの実施形態よりも複雑な、組み合わせで有ってよいことも言うまでもない。
たとえば、3以上の円錐台、と2つ以上の放物線で組み合わせられていてもよい。
図21(a)とは、逆に、LED101側が円錐台であり、CCD105側が放物線の回転体形状であってもよい。
なお、
図21(a)及び
図21(b)のように、異なる形状を組み合わせた反射部123を用いた場合には、E1とE2との間には、反射光を受光しない領域が形成されるが、このような場合であってもよいことは、
図20(b)と同一である。
なお、この第9の実施形態においても、第7の実施形態と同じように、反射光が発光中心軸LCAを超えてCCD105に入射することがなく、さらに、中心位置CのCCD105に入射することがないような反射光を生成するということである。
【0079】
<第10の実施形態>
図22は、第10の実施形態の説明図である。
【0080】
以上の実施形態では、反射部123は連続した形状であった。
しかし、本発明の上位概念は、LED101が放射する光の方向が異なれば、CCD105の異なる位置に受光させることであるから、
図22のように、反射部123は非連続な形状であってもよい。
この場合には、E1位置とE2位置とが離れているのであるから、第1反射部1231は、発光中心軸LCAに平行な円柱形状であってもよい。更には、CCD105側に下面123Dをもつ円錐台形状であってもよい。
また、LED101の位置も焦点位置PFよりもCCD105側であってもよい。
なお、この第10の実施形態においても、第7の実施形態と同じように、反射光が発光中心軸LCAを超えてCCD105に入射することがなく、さらに、中心位置CのCCD105に入射することがないような反射光を生成するということである。
【0081】
<第11の実施形態>
図23は、第11の実施形態の説明図である。
【0082】
以上の実施形態では、回転体の形状を有する反射部123のみを説明してきた。
しかし、本発明の上位概念は、LED101が放射する光の方向が異なれば、CCD105の異なる位置に受光させることであるから、反射部123は回転体の形状である必要は無い。
図23は、反射部123は回転体の形状ではないものの一例である。
図23(b)は、
図23(a)のB―Bにおける断面図である。
図23(c)は、
図23(a)のC―Cにおける断面図である。
図23(b)及び
図23(c)から理解されるように、断面形状が断面位置によって異なる形状であってもよい。
なお、
図23では、LED101の位置Pは、B―B断面における焦点位置PF1に位置し、C―C断面における焦点位置PF2よりもCCD105とは反対側位置に位置する場合の例である。
この場合には、CCD105が位置する部分の発光中心軸LCAに対して垂直な平面で切断した断面図は楕円形状ELを有している。
この楕円形状の長軸がC―Cに一致しており、短軸がB−Bに一致した例である。
この場合には、
図23(b)の断面上を進む光は反射部123によって反射された後は発光中心軸LCAに平行に進むが、
図23(c)の断面上を進む光は反射部123によって反射された後も広がりつつ進む(
図18の説明部分も参照のこと)。
なお、言うまでもないが、LED101の位置は、この位置に限定する趣旨ではない。
【0083】
<第12の実施形態>
図24は、第12の実施形態の説明図である。
【0084】
以上の実施形態では、発光中心軸LCAに対しては対称な反射部123のみを説明してきた。
しかし、本発明の上位概念は、LED101が放射する光の方向が異なれば、CCD105の異なる位置に受光させることであるから、反射部123は回転体や、対称な形状である必要は無い。
図24(a)及び
図24(b)のように、LED101が放射する光の方向が異なれば、CCD105の異なる位置に受光させることが可能であれば、反射部123は断面形状が発光中心軸LCAに対しては対称でなくてよい。
【0085】
<第13の実施形態>
図25は、第13の実施形態の説明図である。
【0086】
以上の実施形態では、反射部123は、CCD105側が閉じられたもののみを説明してきた。
しかし、本発明の上位概念は、LED101が放射する光の方向が異なれば、CCD105の異なる位置に受光させることであるから、CCD105側が閉じられたものである必要は無い。
図25のように、一方側反射部1233と他方側反射部1234によっては挟み込む形状であってよい。
【0087】
<第14の実施形態>
図26は、第14の実施形態の説明図である。
【0088】
以上の実施形態では、反射部123は、一度にすべての反射光をCCD105に反射するものを想定してきた。
しかし、複数回に分けて測定するのであれば、
図26のように分割された反射部123であってよい。
つまり、1/4の形状に分割して、測定ごとに90°回転させて4回測定してもよい。
【0089】
<第15の実施形態>
図27は、第15の実施形態の説明図である。
【0090】
図26において説明された方法は、例えば、
図27のように、放物線の回転体の形状である反射部123と吸収部124を組み合わせて形成して、測定の後180°回転させてもよい。
【0091】
<第16の実施形態>
図28は、第16の実施形態の説明図である。
【0092】
図27において説明された方法は、例えば、
図28のように、円錐台の形状である反射部123と吸収部124を組み合わせて形成して、測定の後180°回転させてもよい。
【0093】
<第17の実施形態>
図29は、第17の実施形態の説明図である。
【0094】
以上の実施形態では、反射部123は、発光中心軸LCAを超えないような例のみを説明してきた。超えた場合には、LED101が放射する光の方向が異なるにもかかわらず、同一箇所のCCD105の位置に反射光が入射してしまうからである。
しかし、本発明の上位概念は、LED101が放射する光の方向が異なれば、CCD105の異なる位置に受光させることであるから、発光中心軸LCAを超えてもよい場合がある。
その場合の一例を、
図29に示す。
図29(a)及び
図29(b)では、反射部123の半分を吸収部124にしている。そして、
図25の場合のように、
図29(a)及び
図29(b)に示された断面形状が紙面手前及び奥に連続している形状となっている。
更に、
図27、
図28の場合でも発光中心軸LCAを超えてもよい場合がある。中心点を含む中心線106(反射部123と吸収部124との接触面がCCD105と交わる線)の測定結果を適切に補間することができる場合である。補間の影響で測定精度は多少悪化する可能性はあるが、この補間が適切にできる範囲であれば結果的に発光中心軸を超えてもよい。
【0095】
<LED101から出射される光の方向と、その光をCCD105が受光する部分との対応関係の取得>
ここでこのように複雑な反射部123を用いた場合の、LED101から出射される光の方向と、その光をCCD105が受光する部分との対応関係を求める方法を説明する。
このように複雑な反射部123を用いた場合には、第1の実施形態〜第5の実施形態における放物線の回転体の形状を有する反射部123を用い、焦点位置にLED101を配置した場合よりも、LED101から出射される光の方向と、その光をCCD105が受光する部分との対応関係は複雑化する。
しかし、コンピュータシュミュレーションによって計算することによって、この対応関係を取得することも可能である。
さらに、レーザー光線等をある一定のθ値及びφ値ごとに放射して、これをCCD105が受光する位置を測定することによって、対応関係を取得することも可能である。
【0096】
<CCD105が受光する光の強度から球面配光強度分布を求める方法>
ここでこのように複雑な反射部123を用いた場合の、CCD105が受光した光の強度から球面配光強度分布を求める方法を説明する。
このように複雑な反射部123を用いた場合には、第1の実施形態〜第5の実施形態における放物線の回転体の形状を有する反射部123を用い、焦点位置にLED101を配置した場合よりも、CCD105が受光する光の強度から球面配光強度分布を求める方法は複雑化する。
しかし、コンピュータシュミュレーションによって計算することによって配光強度分布を求めることは可能である。
さらに、球面配光強度分布がわかっているLED101を用いて測定する方法もある。なお、この方法については、第1の実施形態の最後の部分で説明しているので、省略する。
【0097】
<第18の実施形態>
以上の実施形態では、最終的に球面配光強度分布を求めてきたか、本発明は球面配光強度分布を求めることにとどまるものではない。
たとえば、反射部123と吸収部124を用いて測定した場合に、CCD105が受光したそれぞれの強度情報を単に、前もって測定又は算出した情報と比較することによって、LED101を選別、分析等することも可能である。
【0098】
<実施形態の効果>
本実施形態のLED101の発光状況測定方法は、LED101が放射する光を受光して発光状況を検査する発光状況計測方法であって、LED101の電極に電力を供給して当該LED101を発光させる発光工程を有する。
また、本実施形態のLED101の発光状況測定方法は、LED101が放射した光を反射する反射部123によって反射された反射光と、LED101が放射した光のうち反射部123によって反射されない直接光と、を受光部によって受光して複合光受光情報を測定する複合光測定工程とを有する。
さらに、LED101が放射した光のうち反射部123によって反射されない直接光のみを受光部によって受光して直接光受光情報を測定する直接光測定工程と、を有する。
このような構成を有することによって、CCD105に直接入射しない範囲でのθの角度を有する光もCCD105で測定することができる。
つまり、特別なCCD105を用いない(=簡易な構成)でLED101の発光状況を測定することが可能となる。
さらに、このような構成を有することから様々な形状の反射部123を用いることが可能となる。
【0099】
さらに、LED101の発光状況測定方法は、複合光測定工程により得られた複合光受光情報から直接光測定工程により得られた直接光受光情報を減算して反射光受光情報を算出する減算工程と、を有する。
このような構成を有することによって、CCD105に直接入射しない範囲でのθの角度を有する光もCCD105で、θの値と関連付けて測定することができる。
【0100】
LED101の発光状況測定方法は、直接光受光情報を球座標に変換することによって直接光球面配光強度分布を算出し、反射光受光情報を球座標に変換することによって反射光球面配光強度分布を算出する変換工程と、を有する。
また、LED101の発光状況測定方法は、直接光球面配光強度分布及び反射光球面配光強度分布を加算する加算工程と、を有する。
このような構成を有することによって、CCD105に直接入射しない範囲まで含んだ球面配光強度分布を測定・算出することができる。
【0101】
反射部123は、放物線を、発光中心軸を中心に360°回転させた回転体の形状を有しており、LED101は、反射部の放物線形状の焦点位置に配置されている。
このような構成を有することから、CCD105各受光素子が受光する光が、LED101が放射した光のうちどの角度(θ値)に放射された光なのかを容易に算出することが可能となる。
【0102】
LED101が放射した光のうち反射部によって反射されない直接光のみを受光するために吸収部124を用いる。
このような構成を有することから、容易な構成で、直接光のみを受光することが可能である。
【0103】
本実施形態のLED101の発光状況測定方法は、LED101が放射する光を受光して発光状況を検査する発光状況計測方法であって、LED101の電極に電力を供給して当該LED101を発光させる発光工程を有する。
また、本実施形態のLED101の発光状況測定方法は、LED101が放射した光を、発光中心軸LCAを中心とした回転体の形状を有する反射部123によって反射させた反射光を生成する反射工程と、反射工程によって生成される反射光と、LED101が放射した光のうち反射部123によって反射されない直接光と、を受光部によって受光して複合光受光情報を測定する複合光測定工程と、を有する。
反射工程は、LED101が放射する光の角度に応じてCCD105の異なる位置に受光させるように反射する反射光であり、当該反射光が発光中心軸LCA上のCCD105に受光することがない反射光であり、発光中心軸LCAを超えて、CCD105に受光することがないような反射光を生成させる工程である。
このような構成を有することによって、CCD105に直接入射しない範囲でのθの角度を有する光もCCD105で測定することができる。
つまり、特別なCCD105を用いない(=簡易な構成)でLED101の発光状況を測定することが可能となる。
さらに、このような回転体を用いた構成を有することから、球面配光分布の計算が比較的容易になる。
【0104】
本実施形態のLED101の発光状況測定方法は、LED101が放射する光を受光して発光状況を検査する発光状況計測方法であって、LED101の電極に電力を供給して当該LED101を発光させる発光工程を有する。
また、本実施形態のLED101の発光状況測定方法は、LED101が放射した光を、発光中心軸LCAを中心とした回転体の形状を有する反射部123によって反射させた反射光を生成する反射工程と、反射工程によって生成される反射光と、LED101が放射した光のうち反射部123によって反射されない直接光と、を受光部によって受光して複合光受光情報を測定する複合光測定工程と、を有する。
反射工程は、LED101が放射する光の方向が異なれば、CCD105の異なる位置に受光させる工程である。
このような構成を有することによって、CCD105に直接入射しない範囲でのθの角度を有する光もCCD105で測定することができる。
つまり、特別なCCD105を用いない(=簡易な構成)でLED101の発光状況を測定することが可能となる。
さらに、このような回転体を用いた構成を有することから、球面配光分布の計算が比較的容易になる。
さらに、このような構成を有することから様々な形状の反射部123を用いることが可能となる。
【0105】
また、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、様々な変化した構造、構成を行っていても良い。なお、本発明は、発光状況を測定する発光状況測定方法のみではなく、これを用いる装置であってもよい。
さらにまた、本実施形態では、光の波長の測定は行っていなかったが、光学フィルタ等を用いて波長を測定し、その波長毎に分別等することも当然に行ってよい。
加えて、光の強度を測定することによって分別等してもよい。
【0106】
<定義等>
本発明において受光状況とは、受光した光の強度、光学フィルタを用いた光の波長等の光に含まれる全ての情報をいう。
CCD105は、本発明における受光部の一例である。つまり、本発明における受光部は、ある複数の受光素子を有して、光の強度、光学フィルタを用いた光の波長等を測定可能なものであればどのようなものであっても良い。
また、LED101は、本発明における半導体発光素子の一例である。つまり、半導体発光素子とは、光を発光する素子であればどのようなものであっても良い。ここで、光は可視光に限定されるものではなく、例えば、赤外線、紫外線等であってよい。
さらに、反射部123は、本発明の反射部の一例である。つまり、反射部123は、光を反射可能であればどのようなものであってよく、構成部材自体が反射可能な材料であればそれ自体であってもよいし、反射部が蒸着等で形成されたものであっても良い。