特許第5666001号(P5666001)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5666001高圧放電ランプのためのセラミック製の導入線
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5666001
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】高圧放電ランプのためのセラミック製の導入線
(51)【国際特許分類】
   H01J 61/36 20060101AFI20150115BHJP
【FI】
   H01J61/36 C
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-534172(P2013-534172)
(86)(22)【出願日】2010年10月19日
(65)【公表番号】特表2013-540336(P2013-540336A)
(43)【公表日】2013年10月31日
(86)【国際出願番号】EP2010065728
(87)【国際公開番号】WO2012052054
(87)【国際公開日】20120426
【審査請求日】2013年5月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】512288684
【氏名又は名称】オスラム ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】OSRAM GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス クロス
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガング ペッペル
(72)【発明者】
【氏名】クラウス シュトックヴァルト
(72)【発明者】
【氏名】シュテフェン ヴァルター
【審査官】 遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】 独国特許出願公開第102007055399(DE,A1)
【文献】 特開平08−148118(JP,A)
【文献】 特開2002−231187(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 61/00−65/08
H01J 9/00−9/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧放電ランプのための導入線であって、
前記導入線は、セラミック製の放電容器の内部にある電極を、前記放電容器の外部にて給電線と気密に接続するために適している、
導入線において、
前記導入線は、導電性のセラミック複合物であり、
前記複合物は、LaBと、第2材料としてのDyAlの混合物からなる、
ことを特徴とする導入線。
【請求項2】
前記導入線は、ピンである、
ことを特徴とする請求項1記載の導入線。
【請求項3】
前記LaBの割合は、95〜30vol%である、
ことを特徴とする請求項1記載の導入線。
【請求項4】
前記LaBの割合は、80〜50vol%である、
ことを特徴とする請求項3記載の導入線。
【請求項5】
請求項1からのいずれか一項記載の導入線と接続されている、高圧放電ランプのための電極。
【請求項6】
前記電極と前記導入線とは、セラミック複合物から一体的に製造されている、
ことを特徴とする請求項記載の電極。
【請求項7】
請求項1からのいずれか一項記載の導入線を有する高圧放電ランプにおいて、
前記放電容器は、セラミック材料から製造されている、
ことを特徴とする高圧放電ランプ。
【請求項8】
前記放電容器は、PCAから製造されている、
ことを特徴とする請求項記載の高圧放電ランプ。
【請求項9】
前記放電容器は、管形の端部を有し、
前記管形の端部の中に、ピン形の導入線が、ガラスはんだ又は直接焼結によって封止されている、
ことを特徴とする請求項記載の高圧放電ランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の、高圧放電ランプのためのセラミック製の導入線に関する。
【0002】
WO2010/069678からは、層として構成されており、かつ、LaB又はCeBから構成された、セラミック製の電極が公知である。このような層電極は、乾式プレス、射出成形、又は、多層技術によって製造される。
【0003】
本発明の課題は、セラミック製の放電容器に良好に適合した熱膨張係数を有し、ひいては密閉性を改善する、高圧放電ランプのためのセラミック製の導入線を提供することである。
【0004】
この課題は、請求項1に記載の特徴によって解決される。
【0005】
特に有利な実施形態は、従属請求項に記載している。
【0006】
本発明による新しいタイプのセラミック製の導入線は、公知のサーメットに類似したピンである。通常のサーメットはMo−Alからなるが、本発明では、セラミック製の放電容器に適合させるために、LaBと、Al、特にPCAとからなる混合物が使用される。この混合物は、充分に電流を運ぶ導電性の導入線を提供する。
【0007】
従来技術によれば、高圧放電ランプの放電容器のために、例えば低圧射出成形によってセラミック製の中空体が相応の形状に製造される。このようにして製造された2つのハーフシェルは、グリーン状態で互いに溶接された後、気密に焼結される。導入線と電極とからなる電極システムは、充填物が放電容積の中に調量された後、ガラスはんだによって放電容器の毛管の中へと溶融される。導入線は、通常はニオブピンから形成されており、このニオブピンには、約7.3×10−6−1の熱膨張係数を有する導電性のMo−Al−サーメット(50/50vol%)が溶接されている。電極、シャフト、頭部は、タングステンから製造される。
【0008】
新しい電極材料として、LaBをベースにしたセラミック複合物が使用される。LaBは、2.14eVの仕事関数と、15マイクロオームcmの電気抵抗とを有する。熱膨張係数は、6.2×10−6−1である。つまりこの熱膨張係数は、純粋なPCAの熱膨張係数(ここではα=8.3×10−6−1)よりも小さい。表1に、LaBの重要な特徴と、タングステンの特徴とを対比させて示す。
【0009】
【表1】
【0010】
しかしながら、放電容器がPCA等からなるという点に鑑みると、導入線にとって、この熱膨張係数の差はやや大きすぎる。従って、この熱膨張係数を増加させてPCAに合わせるために、Al又はDyAl12が添加混合される。これを、以下ではLaB混合物と呼ぶ。
【0011】
導入線、又は、導入線とシャフトと頭部とを備えた電極システム全体は、射出成形工程によって製造することができ、この場合には、LaB混合物/ワックス混合物、又は、他のポリマーが、導入線の形状、乃至、電極システム全体の形状を有する空洞部の中に射出される。しかしながら択一的に、多層技術によって製造することも可能である。この場合には、LaB混合物/バインダ混合物からなるフィルムが引き延ばされ、電極システムが相応の形状に打ち抜かれる。双方の工程において、電極システムの脱バインダ及び焼結が行われる。純粋なLaB6の焼結挙動(焼結温度:1900〜2100℃)は極度に緩慢であり、20vol%にもなる不所望な残留孔が残ることが判明した。
【0012】
残留孔を閉鎖すると当時に、熱膨張係数をセラミック製の放電容器(通常はPCA)の熱膨張係数まで増加させるために、粉末混合物にAlが添加される。LaB対するAlの添加率は、5〜50vol%の間にある。これにより、純粋なLaBよりも格段に低い焼結温度(1600〜1800℃)が可能となる。さらには、高圧放電ランプの腐食性のランプ充填物との相互作用を示さない、完全に緻密な微細構造が形成される。
【0013】
熱膨張係数を適合させるために、Alの他に、DyAl12(ジスプロシウムアルミン酸塩)を単独又は組み合わせて使用することが可能である。DyAl12は、8.5×10−6−1の熱膨張係数を有し、ランプ充填物との相互作用又は腐食分解を示さない。熱膨張係数の適合のために、AlとDyAl12とを同時に使用することも可能である。
【0014】
このようにして形成されたセラミックピンは、導入線のみとして、又は、導入線とシャフトからなる構成部材として、又は、電極の導入線とシャフトと頭部とからなる電極システム全体として、使用することができる。外部での電気コンタクトは、押し被せ嵌められたニオブ管を介して実施することができる。択一的に、公知のように、LaB混合物ピンをニッケルめっきして、硬ろう付けすることができる。
【0015】
本発明の利点は、特に以下の通りである。
【0016】
・電極システムが非常に簡単になる。
【0017】
・仕事関数が低いセラミック製の導電性材料を使用できる。
【0018】
・電極の先端部の動作温度が、3200Kから1800〜2000Kまで低減される。
【0019】
・LaBの熱伝導率は、タングステンの熱伝導率よりも格段に小さいので、ランプ周囲、特に電極の導入線の臨界区域への熱伝導が格段に少なくなる。
【0020】
・導入線の熱膨張係数が、セラミック製の放電容器の熱膨張係数に適合する。
【0021】
・導入線乃至電極全体の材料は、放電容器の材料と直接互換性があり、これによって、機械的安定性の向上及び構造形状のコンパクト性の点で、電極と放電容器との結びつきが改善される。
【0022】
・主な故障原因である電極の導入線の毛管がよりロバストに構成されているので、寿命がより長くなる(少なくとも20%、実施形態に応じて100%に至る)。
【0023】
・電極はより低い温度で動作可能となり、熱損失がより少なくなるので、エネルギ効率が上昇する。
【0024】
従来技術によれば、高圧放電ランプの放電容器のために、通常はAl(PCA)からなる、セラミック製の中空体が使用される。セラミック製の中空体は、低圧射出成形によって相応の形状に製造されることが多い。このようにして製造された、毛管が取り付けられた2つのハーフシェルは、グリーン状態で互いに溶接された後、気密に焼結される。電極システムは、通常はメタルハライドを含んでいる充填物が導入された後、ガラスはんだによって毛管の中へと溶融される。
【0025】
電極の頭部は通常、できるだけ高い融点を有する金属から製造される。適当なのは、4.54eVの電子仕事関数を有するタングステンである。電極の先端部の温度は、動作中には約3100Kに達する。
【0026】
典型的には、放電容器には電極が装備されている。1つ又は2つの電極を使用することができる。
【0027】
有利には、電極の頭部は、実質的に丸み付けられた円筒形の形状を有するか、又は、先が尖った形状を有する。
【0028】
LaB6の仕事関数はタングステンよりも約2eVだけ低く、これによって、実験によって決定された電極先端部における温度低下は、典型的な値が3100Kであるタングステンに比べて、約1300Kとなる。
【0029】
これによって蒸発率は、タングステンの蒸発率に匹敵し、それにもかかわらず、熱伝導率の低下及び動作温度の低下によって熱損失は格段に少なくなり、これにより効率が上昇する。これによって、導入線へのエネルギ入力が低減されることとなる。
【0030】
作業温度又は動作温度がより低くなったこと、並びに、LaBの熱膨張係数が、タングステンよりも格段に高く、Alに非常に類似している(PCAは8.3×10−6−1を有する)という事実によって、ランプの構造長さを格段に短くすることができるようになる。なぜなら、毛管の長さを短くすることができるからである。これに関連したさらなる有利な効果により、デッドスペース容積が低減される。
【0031】
これによって色分散が減少し、寿命が長くなる。
【0032】
毛管のデッドスペースが完全にない構造も可能であり、これによって初めて、例えば調光が可能であるといったようなあらゆる利点を有する不飽和性ランプ充填物が可能となる。
【0033】
これに加えて、LaB6のような材料は、充填物の構成成分である希土類ヨウ化物に対して腐食耐性があり、これによって寿命はさらに長くなる。
【0034】
全体として、動作温度の低減、熱損失の低減、電気エネルギの削減、色分散の減少、信頼性の向上、腐食に対する高い耐性によって利点が生じる。
【0035】
特に、水銀を含まない充填物を使用することが可能となる。
【0036】
本発明の実質的な特徴を、請求項番号を付した箇条書きの形態で示す。
【0037】
[請求項1]
高圧放電ランプのための導入線であって、
前記導入線は、セラミック製の放電容器の内部にある電極を、前記放電容器の外部にて給電線と気密に接続させるために適している、
導入線において、
前記導入線は、導電性のセラミック混合物であり、
前記混合物は、LaBと、Al,DyAl12,AlN,AlON,Dyのグループからの少なくとも1つの第2材料との混合物からなる、
ことを特徴とする導入線。
【0038】
[請求項2]
前記導入線は、ピンである、
ことを特徴とする請求項1記載の導入線。
【0039】
[請求項3]
前記LaBの割合は、95〜30vol%である、
ことを特徴とする請求項1記載の導入線。
【0040】
[請求項4]
前記LaBの割合は、80〜50vol%である、
ことを特徴とする請求項3記載の導入線。
【0041】
[請求項5]
前記第2材料は、Al又はDyAl12である、
ことを特徴とする請求項1記載の導入線。
【0042】
[請求項6]
請求項1から5のいずれか一項記載の導入線と接続されている、高圧放電ランプのための電極。
【0043】
[請求項7]
前記電極と前記導入線とは、セラミック複合物から一体的に製造されている、
ことを特徴とする請求項6記載の電極。
【0044】
[請求項8]
請求項1から5のいずれか一項記載の導入線を有する高圧放電ランプにおいて、
前記放電容器は、セラミック材料から製造されている、
ことを特徴とする高圧放電ランプ。
【0045】
[請求項9]
前記放電容器は、PCAから製造されている、
ことを特徴とする請求項8記載の高圧放電ランプ。
【0046】
[請求項10]
前記放電容器は、管形の端部を有し、
前記管形の端部の中に、ピン形の導入線が、ガラスはんだ又は直接焼結によって封止されている、
ことを特徴とする請求項8記載の高圧放電ランプ。
【0047】
以下、本発明を、実施例に基づいてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】メタルハライドランプの概略図である。
図2】新しいタイプの端部領域における実施例を示す図である。
図3】従来技術による純粋なLaB6セラミックの構造を示す図である。
図4】本発明による導入線のセラミックの構造を示す図である。
図5】LaBとAlからなる混合物に対する正規化された熱膨張係数を示す線図である。
図6】LaBとDyAl12からなる混合物に対する正規化された熱膨張係数を示す線図である。
図7】LaB複合物からなる導入線を示す図である。
図8】LaB複合物からなる電極システムのための構成部材を示す図である。
図9】LaB複合物からなる電極システムを示す図である。
図10】新しいタイプの端部領域における別の実施例を示す図である。
【実施例】
【0049】
図1は、メタルハライド高圧放電ランプ1の実施例を示す図である。メタルハライド高圧放電ランプ1は、両端が閉鎖されたセラミック製の放電容器2を有する。放電容器2は細長であり、シールを有する2つの端部3を有する。放電容器の内部には、2つの電極4が、互いに対向するように設けられている。シールは毛管5として構成されており、毛管5の中では、導入線6がガラスはんだ19によって封止されている。毛管5からは各々導入線6の端部が突出しており、導入線6の放電側は、対応する電極4に公知の方法で接続されている。導入線6は、給電線7と、フィルム9を備えたピンチ部8とを介して、ソケットコンタクト10に接続されている。コンタクト10は、放電容器を取り囲んでいる外管11の端部に取り付けられている。
【0050】
図2には、70Wランプの端部領域が詳細に示されている。ここでは、毛管5は比較的短い(4mm)。毛管は1000μmの内径DKIを有しており、この内径DKIは、電極システムが毛管の中にちょうど収まるように選択されている。導入線6は、LaBとAlの混合物からなるセラミック複合物ピン15である。外部では、導入線6にニオブスリーブ18が被せ嵌められている。
【0051】
ガラスはんだ19は、毛管の端部の外部に取り付けられており、LaB複合物と毛管との間の中間スペース全体を充填するように、内部に向かって延在している。
【0052】
択一的に、セラミックと複合物ピンとを、直接一緒に焼結させることも可能である。この構造により、熱的均衡が非常に迅速にもたらされる。
【0053】
図3は、純粋なLaBピンの微細構造を示す。この純粋なLaBピンは、非常に強い結晶粒成長を示しており、高い多孔率を有する。純粋なLaBピンは約2000℃で焼結しなければならないので、導入線として使用することは殆ど不可能である。これに対して、LaB複合物、つまり20vol%のAlが加えられたLaB混合物は、約1800℃で約60分焼結された場合、緻密な微細構造(図4)を有する。
【0054】
図5は、LaBに対する混合用添加物であるAlを種々異なる割合で有する導入線の熱膨張係数を、Alに対して正規化して示す線図である。Alの割合が高くなればなるほど、熱膨張係数は、PCA、つまり多結晶のAlの熱膨張係数に近似する。しかしながら、製造プロセスの理由、及び、十分な導電性が必要であるという理由から、Alの割合を50vol%よりも高くすることは適当ではない。LaBと、複数のLaB/Al混合物とが例として示されている。ここでは、PCAに対して正規化された(PCA=1)熱膨張係数が示されている。Alの添加によって、LaBの熱膨張係数を格段に高めることができ、Alの熱膨張係数に近似させることができる。
【0055】
図6によれば、択一的に、混合用添加物としてDyAl12をLaBに加えることができる。DyAl12の熱膨張係数は、Alの熱膨張係数よりも大きいので、Alの熱膨張係数に近似させるために、少ない割合で十分である。約50%のLaBと約50%のDyAl12を使用すれば、Alの熱膨張係数に正確に合わせることさえ可能である。従ってこの実施例では、30〜70%、特に40〜60%の割合のLaBが有利である。
【0056】
図7は、LaB複合物からなるピンとして製造された導入線が図示されている。導電性のLaBの割合は約70〜50%であり、従ってパーコレーション限界値を上回る。ここでは、Alの割合を比較的高く、有利には30〜50vol%に選択することができる。
【0057】
図8によれば、導入線6と電極のシャフト16とを、基本的に1つの構成部材としてLaB複合物から一体的に製造することができる。その後、公知のように、タングステン製の頭部が追加的に被せ嵌められ、機械的に接続される。しかしながら基本的に、電極にはできるだけタングステンを使用しないでおく方が有利である。
【0058】
図9によれば、特に有利には、電極システム全体をLaB及びAlから一体的に製造することができる。導入線6及びシャフト16に加え、特に頭部26は非常に高い温度にさらされているので、有利には、Alに関して5〜20vol%という比較的低い割合が選択される。
【0059】
図10によれば、電極システム全体に置き換えられたピン30として、一定の直径DUと、丸みづけられた頭部31とを有する構成が、特に有利である。ピン30は、電極の導入線として使用されると同時に、電極そのものとしても使用される。ピン30は、放電容器の端部にある毛管32の中に直接焼結されている。ピン30は、基本的に、ガラスはんだを用いて毛管内で封止することも可能である。ピン30は、外部の端部に平坦部33を有しており、この平坦部33に、ニオブスリーブ34がプレスされる。この解決方法は、毛管の構造高さが特に小さくなるということを特徴としている。なぜなら、ピン30の耐熱性が良好であるからである。
【0060】
本願で示した導入線乃至電極システムは、Al、特にPCAからなる放電容器のために特に良好に適している。この新しいタイプの導入線は、特にAlN、AlON、又はDyのような他の材料からなる放電容器のために使用することもできる。ここでは、LaB/AlN、LaB/AlON、又は、LaB/Dyからなる混合物の使用が推奨される。この際特に、導電性のLaBの割合は、それぞれパーコレーション限界値を上回るべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10