特許第5666022号(P5666022)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5666022
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】喫煙品用パッケージ
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/10 20060101AFI20150115BHJP
   B65D 5/66 20060101ALI20150115BHJP
【FI】
   B65D85/10
   B65D5/66 321B
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-554936(P2013-554936)
(86)(22)【出願日】2012年1月31日
(65)【公表番号】特表2014-509289(P2014-509289A)
(43)【公表日】2014年4月17日
(86)【国際出願番号】GB2012050196
(87)【国際公開番号】WO2012114082
(87)【国際公開日】20120830
【審査請求日】2013年9月30日
(31)【優先権主張番号】1103091.3
(32)【優先日】2011年2月23日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100103285
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 順之
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ヤング、リチャード
【審査官】 尾形 元
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−538050(JP,A)
【文献】 特開2011−251748(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/038085(WO,A1)
【文献】 特開2007−254028(JP,A)
【文献】 特開2007−284120(JP,A)
【文献】 特開平10−230931(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/10
B65D 5/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器部(2)とこれにヒンジ式に連結された蓋(3)とを含み、容器部(2)が形成する空間を蓋(3)が閉じた際に閉じられる喫煙品用パッケージであって、この蓋(3)は、端部(16)とこの端部(16)から延び、閉じた際に容器部(2)の壁(6)と重なる壁(12)とを含み、パッケージは、前記壁の内の1つの壁の面から延び、自由端部(29、96、109、125)を有するフラップ(26、93、107、120)と前記壁のもう一方の壁に形成された切り欠き(51、80、102)とをさらに含み、切り欠き(51、80)が第1縁部(54、65、73、87)および第2縁部(55、74、88)を有し、第1縁部が第2縁部からオフセットし、蓋(3)が閉じた位置に移動した際に、第2縁部がフラップの自由端部上に位置する前に第1縁部がフラップ(26、93)の自由端部(29、96)上に位置するようになっており、切り欠き(51、80)は、上位部分(42、60、82)と中位部分(44、62、84)との間に第1の段(52、63、85)を形成し、中位部分(44、62、84)と下位部分(43、61、83)との間に第2の段(53、64、86)を形成するパッケージ。
【請求項2】
第2縁部(55、74、88)が第1縁部(54、65、73、87)と平行に第1縁部から離れて延びていることを特徴とする請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
切り欠き(51、80)が第1縁部(54、65、73、87)および第2縁部(55、74、88)を形成し、これにより蓋(3)が閉じた位置に移動する際に、フラップ(26、93)の自由端部(29、96)が第2縁部上に位置する前に第1縁部上に位置することを特徴とする請求項1または2に記載のパッケージ。
【請求項4】
第1縁部(54、65、73、87)が第2縁部(55、74、88)と前記もう一方の壁の下方端部(48)との間に配置されることを特徴とする請求項3に記載のパッケージ。
【請求項5】
第2縁部(55、74)は、上位部分(42、0、82)に別の縁部を形成していることを特徴とする請求項3または4に記載のパッケージ。
【請求項6】
切り欠き(51、80)が第3縁部(55、57、88、91)を含み、この第3縁部が第1縁部(54、5、73、)または第2縁部(574、88)からオフセットした上位部分(42、60、82)または中位部分(44、62、84)の別の縁部を形成することを特徴とする請求項に記載のパッケージ。
【請求項7】
切り欠き(51)を有する前記もう一方の壁が内層(46)と外層(45)と中間層(47)とを含み、内層(46)が上位部分(42)および第1の段(52)を形成するように構成され、中間層(47)が中位部分(44)および第2の段(53)を形成するように構成され、外層(45)が下位部分(43)を形成するように構成されていることを特徴とする請求項に記載のパッケージ。
【請求項8】
フラップ(26、93)の自由端部(96)は、少なくとも2つのタブエレメント(32、33、97、98、99)に分かれ、それぞれが独立して変形可能であることを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載のパッケージ。
【請求項9】
第1タブエレメント(32、77、97)は、第1縁部(54、73、87)上に位置するように構成され、第2タブエレメントは、第2縁部(55、74、88)上に位置するように構成されていることを特徴とする請求項に記載のパッケージ。
【請求項10】
フラップ(26、93)、蓋の端部(12)から延びた壁および/または容器部の壁(6)は、変形可能であり、フラップ(26、93)が第2縁部(55、74、88)から外れるように蓋(3)が開いた位置に移動する際に変形することを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載のパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙品用パッケージに関する。特に本発明は、ヒンジ式蓋付き喫煙品用パッケージに関するが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
ヒンジ式蓋付きパッケージは、当業者にはよく知られており、紙巻きタバコが押しつぶされないように保持するためにタバコ業界では広く用いられている。ヒンジ式蓋付きパッケージの一例が下記特許文献1に示されており、このようなパッケージは、一般的には10から20本の紙巻きタバコを所定の配置に保持する。ヒンジ式蓋付きパッケージは、通常、1組の板紙ブランクから作製される。
【0003】
しかしながら、このような従来のパッケージには、最初にパッケージを開封した後に蓋を閉じるとうまく閉まった状態にならず、蓋がある程度開いた状態になるという問題が認識されている。この問題は、「あくび(yawning)」または「笑い(smiling)」と言われる場合がある。さらにパッケージを閉じた際に逆さまに持つと、蓋がパッケージの中に入っている喫煙品の重さで、開いてしまうことがあり、喫煙品がパッケージから落ちてしまう場合がある。従って確実にパッケージを閉じた状態に維持するために蓋が開きにくくなっている改良されたヒンジ式蓋付きパッケージを提供することが望まれている。
【0004】
上述の問題を解決しようとするために多くの既存のパッケージは、パッケージの容器部に形成された1つ以上の突出タブまたは耳部を含んでいる。このような突起は、摩擦で蓋を閉じた状態に維持するのを補助するために蓋の内側の壁と係合する。しかしながら、このような突起は、完全に閉じた位置に蓋を「係止」せず、ユーザーには蓋が完全に閉じた位置にあることの触覚的な目安またはフィードバックを与えるものが提供されていない。従ってパッケージが完全に閉じたことの目安を消費者に与えるパッケージを提供することが望まれている。
【0005】
さらにパッケージの容器部から延びたフラップを有し、これが蓋の内方面に形成された対応する肩部とかみ合うヒンジ式蓋付きパッケージも知られている。このようなパッケージは、蓋を閉じた位置に移動させた際に「クリック」音を発する。このようなヒンジ式蓋付きパッケージの例は、下記特許文献2および3から知られている。しかしながら、このようなパッケージには許容範囲に近づけて製造しなければならず、そうでなければフラップが肩部と係合せず、従って蓋を係止せず、またはパッケージが完全に閉じる前にフラップが肩部と係合してしまうという欠点がある。いずれの状況においても蓋は完全に閉じた位置に留まらなくなる。さらに肩部とかみ合うフラップによって発せされる音によるフィードバックが小さくなり、ユーザーが聞き逃す場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の事を鑑み、本発明は、上述の従来の ヒンジ式蓋付きパッケージの問題点を解決する、または軽減するパッケージを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では容器部とこれにヒンジ式に連結された蓋とを含み、容器部が形成する空間を蓋を閉じた際に閉じられる喫煙品用パッケージを提供し、この蓋は、端部とこの端部から延び、閉じた際に容器部の壁と重なる壁とを含み、パッケージは、上記壁の内の1つの壁の面から延び、自由端部を有するフラップと上記壁のもう一方の壁に形成された切り欠きとをさらに含み、切り欠きまたはフラップの自由端部に一方が第1縁部および第2縁部を有し、第1縁部が第2縁部からオフセットし、蓋が閉じた位置に移動する際に、第2縁部がフラップの自由端部または切り欠き上に位置する前に第1縁部がフラップの自由端部または切り欠き上に位置するようになっている。
【0008】
好ましくは第2縁部は、第1縁部から離れて第1縁部と平行に延びる。
【0009】
1つの実施態様では切り欠きが第1縁部および第2縁部を形成し、これにより蓋が閉じた位置に移動する際に、フラップの自由端部が第2縁部上に位置する前に第1縁部上に位置する。
【0010】
第1縁部が第2縁部と上記もう一方の壁の下方端部との間に配置されると便利である。
【0011】
切り欠きが上記もう一方の壁の上位部分および下位部分の間に少なくとも1つの段を形成し、第1縁部が上位部分の縁部を形成すると有利である。
【0012】
第2縁部は、上位部分に別の縁部を形成してもよい。
【0013】
切り欠きは、上位部分と中位部分との間に第1の段を形成し、中位部分と下位部分との間に第2の段を形成し、第1縁部が上位部分の縁部を形成し、第2縁部が中位部分の縁部を形成すると有利である。
【0014】
切り欠きが第3縁部を含み、この第3縁部が第1縁部または第2縁部からオフセットした上位部分または中位部分の別の縁部を形成すると便利である。
【0015】
切り欠きを有する上記もう一方の壁が内層と外層と中間層とを含み、内層が上方および第1の段を形成するように構成され、中間層が中間位置および第2の段を形成するように構成され、外層が下方を形成するように構成されていると有利である。
【0016】
別の実施態様ではフラップの自由端部が第1縁部および第2縁部を形成し、蓋が閉じる位置に移動する際に、フラップの自由端部の第1縁部が、第2縁部が切り欠き上に移動する前に切り欠き上に移動するようになっている。
【0017】
第1縁部を第2縁部およびフラップが延びている壁の面との間に配置してもよい。
【0018】
好ましい実施態様ではフラップは弾性変形可能であり、これによりフラップの自由縁部がもう一方の壁に形成された切り欠きの方へと付勢される。
【0019】
1つの実施態様では、フラップの自由端部は、少なくとも2つのタブエレメントに分かれ、それぞれが独立して変形可能である。
【0020】
好ましくは第1タブエレメントは、第1縁部上に位置するように構成され、第2タブエレメントは、第2縁部上に位置するように構成されている。
【0021】
第1縁部を第1タブエレメントで形成してもよく、第2縁部を第2タブエレメントで形成してもよい。
【0022】
フラップ、蓋の端部から延びた壁および/または容器部の壁は、変形可能であり、フラップが第2縁部から外れるように蓋が開いた位置に移動した際に変形すると有利である。
【0023】
フラップが容器部から延び、切り欠きが蓋の端部から延びた壁に形成されていると都合がよい。
【0024】
好ましくは蓋の壁は、蓋が回転する際の軸に平行に延びた面に位置する前壁であり、容器部の壁が前壁である。
【0025】
本発明では喫煙品を含むパッケージも提供される。
【0026】
本発明の好ましい実施態様を添付の図面を参照し、あくまで例示を目的として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施態様による喫煙品用パッケージの斜視図である。
図2図1に示した喫煙品用パッケージの別の斜視図である。
図3図1に示した喫煙品用パッケージの外方シェルを形成するために使用されるブランクの平面図である。
図4図1に示した喫煙品用パッケージの内方シェルを形成するために使用されるブランクの平面図である。
図5】本発明の別の実施態様による喫煙品用パッケージの斜視図である。
図6】本発明のさらに別の実施態様による喫煙品用パッケージの斜視図である。
図7】本発明のさらに別の実施態様による喫煙品用パッケージの斜視図である。
図8】本発明のさらに別の実施態様による喫煙品用パッケージの斜視図である。
図9】本発明のさらに別の実施態様による喫煙品用パッケージの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図面を参照するとパックとしても知られている喫煙品用パッケージ1が図1および2に示されており、このパッケージは、容器部2と蓋3を含んでいる。
【0029】
本明細書中で使用する「喫煙品」なる用語は、タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品タバコをベースにしているかに関係なく紙巻きタバコ、シガーおよびシガリロなどの喫煙可能な製品および発熱するが燃焼しない製品を包含するが、これらに限定されるものではない。喫煙品には喫煙者によって吸引される気体流用のフィルターを設けてもよい。
【0030】
容器部2は、喫煙品(図示せず)が収容される喫煙品収容スペース4を形成し、蓋3がヒンジ線5に沿って容器部2にヒンジ式に取り付けられ、パッケージ1を開閉することができる。当然のことながら喫煙品収容スペース4の喫煙品は、蓋3が開いた位置(図1に示すように)にあるときに取り出し可能になり、蓋3が閉じた位置にあるとき喫煙品収容スペース4内に喫煙品が保持される。
【0031】
容器部2は、平行に互いに離れて配置された容器前壁6、後壁7および平行に互いに離れて配置され、容器前壁6、後壁7の間を延びる2つの対向する側壁8、9を含む。閉じた端部10が容器の前壁、後壁および側壁6、7、8、9の下方から延び、容器部2の頂部が閉じた端部10と反対に位置し、蓋3が閉じた位置にあるときに蓋3によって覆われる。蓋3が容器部2にヒンジ式に取り付けられる際のヒンジ線5が容器の後壁7の上端部に沿って形成されている。
【0032】
蓋3は、平行に互いに離れて配置された蓋の前壁12および後壁13および平行に互いに離れて配置され、前壁12、後壁13の間を延びる2つの対向する側壁14、15を含む。蓋3の端部16は、蓋の前壁、後壁および側壁12、13、14、15の上端の間を延び、蓋3の上端を閉じている。
【0033】
蓋3が閉じた位置にあるとき、蓋の前壁12は、容器の前壁6と重なり、当接し、2つの対向する蓋の側壁14、15は、それぞれ2つの対向する容器の側壁8、9と重なり、当接する。蓋の後壁13は、容器の後壁7と位置合わせされ、ヒンジ線5によってこれに取り付けられ、蓋の端部16は、容器の閉じた端部10の反対に位置する。
【0034】
容器の前壁6は、内方前壁6aおよび外方前壁6bを含む。同様に容器の2つの側壁8、9は、対応する内方側壁8a、9aおよび外方側壁8b、9bを含む。内方前壁6aおよび2つの内方側壁8a、9aは、対応する外方前壁6bおよび2つの外方側壁8b、9bの上端からこれらと平行に延びている。蓋2が閉じた位置にあるとき、蓋の前壁12は、実質的に容器の前壁6の内方前壁6aに隣接して位置し、これらと重なり、蓋の2つの側壁14、15は、対応する容器の側壁8、9の内方側壁8a、9aと隣接して位置し、これらに重なる。
【0035】
図1および2において、蓋3は開いた状態で示されている。この実施態様ではパッケージ1は、外方フレーム20および内方フレーム22を有する。外方フレーム20は、蓋3および容器2の一部を含み、内方フレーム22は、容器2の一部を形成する。内方フレーム22のブランクを図3に示し、外方フレーム20のブランクを図4に示す。図3および4において、波線は折り曲げ線を表し、実線は切断線を表す。内方フレーム22は、容器の前壁6の内方壁6aおよび内方側壁8a、9aを形成する。蓋3は、従って蓋が閉じた位置にあるときに内方フレーム22上で滑り嵌めされる。
【0036】
この実施態様ではパッケージ1は、外方フレーム20および内方フレーム22を含むが、当然のことながら本発明はこれに限定されるものではなく、パッケージは、1つのフレームまたは種々の構造の複数のフレームから形成してもよい。例えば、内方フレームの内方前壁は、外方フレームの外方前壁と一体に形成し、一体化された前壁を形成してもよく、内方フレームの2つの内方側壁は、外方フレームの2つの外方側壁と一体に形成し、一体化された側壁を形成してもよい。
【0037】
容器2および蓋3は、硬質の弾性材、例えば板紙またはプラスチックから形成され、これによりヒンジ式蓋付きパッケージはその形状を維持し、喫煙品収容スペース4の内容物が保護される。
【0038】
凹部23が容器の前壁6の内方前壁6aの上部に形成され、容器の前壁6の最上端24のセクション24aが容器側壁8、9の上端25より低い位置に位置する。フラップ26が容器の前壁6の最上端24のこのセクション24aから延びている。フラップ26は、容器の前壁6の最上端24に沿って延びた折り曲げ線27を中心に折り曲げ可能であり、図1では容器の前壁6の外方面28上で下方に延びるように容器の前壁6上に折り曲げられた状態で示されている。
【0039】
フラップ26は、折り曲げ線27から離れて位置し、自由縁部29aを含む自由端部29を有する。へこみまたはスリット30がフラップ26の自由縁部29aから延びてフラップ26に形成され、フラップ26の外方部分を2つの個別のタブエレメント32、33に分割している。へこみ30は、フラップ26に部分的に延びて示されているが、当然のことながらへこみまたはスリットは、折り曲げ線27まで延びて、タブエレメントが互いに独立するようにしてもよい。フラップ26は、変形するように硬質の弾性材から形成され、これにより2つのタブエレメントは互いに個別に弾性変形することができる。この実施態様ではフラップ26は、容器の前壁6の上端部から延びているが、当然のことながらこれに限定されるものではなく、フラップは、最上端24から離れた容器の前壁6の外方面28から延びてもよい。フラップ26は、折り曲げ線27によって容器の前壁6から区切られている。この折り曲げ線27は、ミシン目線として構成され、フラップ26を折り曲げやすくしている。その有効位置において、フラップ26は、容器の前壁6の外方面28から鋭角に延びるように折り曲げられる。
【0040】
本発明のヒンジ式蓋付きパッケージは、容器の側壁8、9の内方側壁8a、9aから外方に横に延びた一対の耳部34も含む。各耳部34は、容器の前壁6の内方前壁6aと平行にそこから容器側壁8、9に対して直角に延びている。各耳部34は、内方側壁8a、9aに形成された切断線35によって形成される(図3参照)。
【0041】
肩部40が蓋3の前壁12の内方面41に形成されている。肩部40は、蓋の前壁12の内方面41を上位部分42と下位部分43に分けている。以下に説明するような中位部分44が上位部分42と下位部分43の間に形成されている。
【0042】
蓋3の前壁12は、外層45、内層46および中間層47から形成されている。外層、内層および中間層45、46、47は、蓋3の端部16より遠位にある外層45から延び、外層45の内面49に隣接し、これと平行に延びるように外層45で折り曲げられる内層46によって一体に形成されている。外層45と内層46との間の折り曲げ線は、蓋3の前壁12の下方端部48を形成する。
【0043】
中間層47は、外層45から遠位にある内層46から延び、内層46で折り曲げられ、これにより中間層47は、外層と内層45、46との間に配される。外層、内層および中間層45、46、47は、接着剤を用いて互いに接着される。内層46および中間層47は、下方端部48から部分的に外層45の内面49に沿って延び、従って外層45の内面49の一部は、露出したままになる。
【0044】
切り欠き51が蓋の前壁12の内方面41に形成されている。切り欠き51は、肩部40から延び、内層46および中間層47それぞれに凹部を形成している。内層46の凹部は、中間層47に形成された凹部より大きく、これにより中間層47の内面50のセクションが露出し、蓋の内方面41の中位部分44を形成する。
【0045】
露出した外層、内層および中間層45、46、47の内面は、蓋の内方面41の下位部分43、上位部分42および中位部分44をそれぞれ形成する。切り欠き51は、上位部分43と中位部分44との間に上方の段52そして中間位置44と下位部分43との間に下方の段53を形成する。
【0046】
上方の段52は、2つの上方切り欠き縁部54、55を有し、これらは互いにオフセットされ、これにより切り欠き縁部の1つがもう一方の切り欠き縁部より蓋の前壁12の下方端部48に近く形成される。2つの上方切り欠き縁部54、55は、上位部分42の縁部を形成し、互いに平行に離れて延びている。同様に下方の段は、2つの下方切り欠き縁部56、57を有し、これらは互いにオフセットされ、これにより切り欠き縁部の1つがもう一方の切り欠き縁部より蓋の前壁12の下方端部48に近く形成される。2つの下方切り欠き縁部56、57は、中間位置44の縁部を形成し、互いに平行に離れて延びている。
【0047】
上方および下方の段52、53は、互いに平行に延びているが、下方の段は上方の段52からオフセットされ、これにより上方切り欠き縁部54、55および下方切り欠き縁部55、56は、互いに離れて位置する。
【0048】
フラップ26は、蓋3が閉じる位置に移動すると、切り欠きの上方および下方の段52、53と位置合わせされ、これら段と接して位置するように容器の前壁6から延びている。フラップ26の2つのタブエレメント32、33は、それぞれ蓋3が閉じる位置に移動すると、1つの対応する切り欠き縁部54、55と1つの対応する下方切り欠き縁部56、57上に位置するように位置合わせされる。フラップ26と切り欠き51は共に蓋3を閉じた位置に維持するための係止機構を形成する。
【0049】
上記で例示した実施態様によるヒンジ式蓋付きパッケージの操作を図1および2を参照して説明する。ヒンジ式蓋付きパッケージ1は、上述したように組み立てられると、喫煙品(図示せず)がパッケージの喫煙品収容スペース4内に配される。その後蓋3は、容器部2を閉じたり、開いたりするためにヒンジ式に回転可能になっており、喫煙品(図示せず)は、蓋3が開いた位置にあるとユーザーが取り出すことができ、蓋3が閉じた位置にあるときにはパッケージ内に保持される。
【0050】
蓋3を開いた位置から閉じた位置へと回転させると、蓋の前壁12と側壁14、15が容器の前壁6および側壁8、9と重なる。最初フラップ26は、容器の前壁6の外方面28の方に鋭角で延びた有効な中立位置にある。蓋3が閉じた位置に戻ると、フラップ26の自由縁部29aが蓋の前壁12の内方面41と接触する。フラップ26は、フラップ26および/または容器部2の前壁6の弾性により内方面41に対して付勢される。最初はフラップ26の自由縁部29aは、上位部分42と接触し、蓋3が閉じられるとそれに沿ってスライドする。
【0051】
フラップ26の自由縁部29aは、フラップのタブエレメント32の1つが蓋の前壁12の下方端部48に近い方の切り欠きの上方の段52の対応する上方切り欠き縁部54上に位置するまで、蓋の前壁の内方面41の上位部分42に沿ってスライドする。この第1タブエレメント32は、この上方の切り欠き縁部54上に位置すると解放され、弾性力によって上方面41の中間位置44の方へと付勢され、中間位置に衝突する。従ってこの第1タブエレメント32によって形成されるフラップ26の自由縁部29aのセクションが中間位置44の内面の方に弾性変形し、これと接触すると、可聴クリック音が発生する。もう一方のタブエレメント33は、この第2タブエレメント33によって形成された自由縁部29aのセクションがもう一方の切り欠き縁部55上に位置していないので、上位部分42と接触したままであるが、第1タブエレメント32は、フラップ26に形成されたへこみ30により第2タブエレメント33とは別個に撓むことができる。
【0052】
蓋3をそれが閉じる位置へとさらに移動させると、第2タブエレメント33が上方の段52のもう一方の上方切り欠き縁部55上に位置する。この第2タブエレメント33は、上方の段52のこのもう一方の上方切り欠き縁部55上に位置すると、解放され、弾性力によって上方面41の中間位置44の方へと付勢され、これと衝突する。従ってこの第2タブエレメント33によって形成されたフラップ26の自由縁部29aのセクションが中間位置44の内面の方へと弾性変形し、これと接触し、第2の可聴クリック音が発生する。
【0053】
蓋3をそれが閉じる位置へとさらに移動させると、第1タブエレメント32が下方の段の対応する下方の切り欠き縁部56上に位置し、弾性力によって付勢され、中間位置44から下位部分43へと移動し、第1タブエレメント32が下位部分43に衝突する。従ってこの第1タブエレメント32によって形成されたフラップ26の自由縁部29aのセクションが下位部分43の内面の方へと弾性変形し、これと接触すると、第3可聴クリック音が発生する。
【0054】
最後に蓋3が閉じた位置に到達すると、第2タブエレメント33が下方の段のもう一方の下方の切り欠き縁部57上に位置する。この第2タブエレメント33は、下方の段のこのもう一方の下方の切り欠き縁部57上に位置すると解放され、上面41の下位部分43の方へと弾性力によって付勢され、これと衝突する。従ってこの第2タブエレメント33によって形成されたフラップ26の自由縁部29aのセクションが下位部分43の内面の方に弾性変形し、これと接触すると、第4の可聴クリック音が発生する。従って、蓋が閉じると、ユーザーに音としてフィードバックされる。
【0055】
その後蓋3は、閉じた位置にある。蓋3は、下方の段の下方切り欠き縁部57と係合するフラップ26の自由縁部29aによって閉じた位置に維持される。従ってフラップ26は、切り欠き51とかみ合い、よって蓋が開いた位置へと回転するのを妨げる。フラップ26は、フラップ26の自由縁部29aが下位部分43に対して付勢され、下方の段と当接することによって蓋の前壁の内方面41に沿ってスライドして戻らないようになっている。
【0056】
当然のことながらフラップ26の自由縁部29aが上記1つ以上の切り欠き縁部54、55、56、57に到達し、これらの上に位置する前に蓋3が閉じた位置に到達すれば、フラップ26は、蓋3が閉じられる際に上方および下方の段52、53の1つ以上の切り欠き縁部54、55、56、57上に位置しなくてもよい。しかしながら、この場合には音によるフィードバックは、他の切り欠き縁部上に位置するフラップ26の自由縁部29aによって供され、蓋3は、フラップ26の自由縁部29aが既に位置している上方および下方の段の切り欠き縁部に当接するフラップ26の自由端部29によって閉じた位置に維持される。
【0057】
回転力が蓋3に加えられると、蓋3が閉じた位置から開いた位置へと移動し、これにより閉鎖されていた喫煙品用スペース12に触れることが可能になる。フラップ26の自由切り欠き縁部29が下位部分43に対して付勢され、下方の段53と当接することによってフラップ26は、蓋の前壁の内方面41に沿ってスライドして戻らなくなる。従って、蓋3を強制的に回転させると、下方の段53がフラップ26の自由縁部29aに作用し、フラップ26を付勢させてその折り曲げ線27を中心にフラップ26を回転させる。蓋3の前壁12、容器部2の前壁6および/またはフラップ26は、弾性変形可能であり、これによりフラップ26は、回転することができ、蓋3は、開いた位置へと移動することができる。蓋3が開いた位置へと移動すると、フラップ26は、下方の段53から解除され、容器の前壁6の外方面28から鋭角に延びた中立位置へと戻る。
【0058】
上述の実施態様では切り欠き51は、互いにオフセットした2つの切り欠き縁部54、55、56、57をそれぞれ有する2つの段、即ち上方の段52および下方の段53とこれら段の対応する切り欠き縁部と協働する2つのタブエレメント32、33を有するフラップとを含むが、当然のことながらこれとは別の構成も可能である。特に当然のことながら互いにオフセットした2つ以上の切り欠き縁部を含む1つの段を有する切り欠きを対応するフラップエレメントを有するフラップと共に使用してもよく、それぞれ1つの切り欠き縁部を有する2つ以上の段を1つのタブエレメントを有するフラップと共に用いてもよい。当然のことながら発せられる「クリック」音の数は、形成されるオフセット縁部の数によって決まる。
【0059】
例えば、別の実施態様を図5に示す。この実施態様の喫煙品用パッケージの構成は、上記実施態様で説明したものとほぼ同じであるので、詳しい説明は、ここでは省略する。さらに、上記実施態様で説明した部材および特徴に対応する部材および特徴には同じ参照番号を付してある。
【0060】
この実施態様では蓋3に形成された切り欠き51は、上位部分60、下位部分61および中位部分62を有し、上方の段63が上位および中位部分60、62の間に形成され、そして下方の段64が中位および下位部分62、61の間に形成されている。しかしながら、この実施態様において上方および下方の段63、64は、それぞれ切り欠き縁部65、66を1つだけ有している。さらにフラップ67は、へこみを有しておらず、従ってフラップ67は、自由縁部68を有する1つのタブエレメントを形成している。従って、蓋3が開いた位置から閉じた位置へと移動すると、フラップ67の自由縁部68は、下方の段64の切り欠き縁部66上に位置して第2の可聴音を発生させる前に、上方の段63の切り欠き縁部65上に位置し、第1の可聴音を発生させる。
【0061】
さらに別の実施態様を図6に示す。この実施態様の喫煙品用パッケージの構成は、上記実施態様で説明したものとほぼ同じであるので、詳しい説明は、ここでは省略する。さらに、上記実施態様で説明した部材および特徴に対応する部材および特徴には同じ参照番号を付してある。
【0062】
この実施態様では蓋3に形成された切り欠き51は、2つの高さ、即ち上位部分70と下位部分71だけを有する。従って、1つの段72が上位および下位部分70、71の間に形成され、2つのオフセットした切り欠き縁部73、74が1つの段72に形成されている。さらにフラップ75は、へこみ76またはスリットを有し、よって2つのタブエレメント77、78がフラップ75の自由縁部79に形成されている。従って、蓋3が開いた位置から閉じる位置へと移動すると、フラップ75の第1タブエレメント77によって形成された自由縁部79のセクションは、フラップ75の第2タブエレメント78によって形成された自由縁部79のセクションが段72の一方の切り欠き縁部74上に位置して、第2の可聴音を発生させる前に段72のもう一方の切り欠き縁部73上に位置して、第1の可聴音を発生させる。
【0063】
図7に別の実施態様を示す。この実施態様の喫煙品用パッケージの構成は、上記実施態様で説明したものとほぼ同じであるので、詳しい説明は、ここでは省略する。さらに、上記実施態様で説明した部材および特徴に対応する部材および特徴には同じ参照番号を付してある。
【0064】
この実施態様の喫煙品用パッケージでは、切り欠き80が蓋3に形成され、上位部分82、下位部分83および中位部分84を有し、上方の段85が上位および中位部分82、84の間に形成され、下方の段86が中位および下位部分84、83の間に形成されている。しかしながら、この実施態様では3つのオフセットした切り欠き縁部87、88、89が上方の段85に形成され、3つのオフセットした切り欠き縁部90、91、92が下方の段86に形成されている。上方の段85に形成された3つのオフセットした切り欠き縁部87、88、89は、それぞれ互いにオフセットしており、下方の段86に形成された3つのオフセットした切り欠き縁部 90、91、92は、それぞれ互いにオフセットしている。さらに上方の段85に形成された3つのオフセットした切り欠き縁部87、88、89は、それぞれ下方の段86に形成された対応するオフセットした切り欠き縁部90、91、92から離れて平行に延びている。
【0065】
フラップ93は、フラップ93の自由縁部100から延びたフラップ93に形成された2つのへこみ94、95またはスリットを有し、よって3つのタブエレメント97、98、99がフラップ93の自由端部96に形成されている。フラップ93は、蓋3が閉じる位置に移動する際に、切り欠き80の上方および下方の段85、86と位置合わせされ、これらに接して位置するように容器の前壁6から延びている。フラップ93の3つのタブエレメント97、98、99は、それぞれ蓋3が閉じる位置に移動する際に、上方の段85に形成された1つの対応するオフセットした切り欠き縁部87、88、89および下方の段86に形成された1つの対応するオフセットした切り欠き縁部90、91、92上に位置するように位置合わせされる。フラップ93と切り欠き80は、共に蓋3を閉じた位置に保持するための係止機構を形成する。
【0066】
従って、蓋3が開いた位置から閉じた位置へと移動すると、フラップ93の第1タブエレメント97によって形成された自由縁部100のセクションが対応する上方の段85の切り欠き縁部87上に位置し、第1の可聴音を発生させる。蓋3がさらに閉じる位置へと移動すると、第2タブエレメント98によって形成された自由縁部100のセクションが上方の段85の対応する第2切り欠き縁部88上に位置し、フラップ93の自由縁部100のセクションが上方の段85の対応する第3切り欠き縁部89上に位置して、第3の可聴音を発生させる前に、第2の可聴音を発生させる。フラップ93の自由縁部100は、中間部分84に接して位置する。それから第1タブエレメント97によって形成された自由縁部100のセクションが下方の段86の対応する切り欠き縁部90上に位置し、4番目の可聴音を発生させ、次いで第2タブエレメント98によって形成された自由縁部100のセクションが対応する下方の段86の第2切り欠き縁部91上に位置し、5番目の可聴音を発生させ、その後第3タブエレメント99によって形成された自由縁部100のセクションが下方の段86の対応する第3切り欠き縁部92上に位置し、6番目の可聴音を発生させる。
【0067】
上方の段85から下方の段86の間隔によっては、当然のことながら別の実施態様において、第1タブエレメント97によって形成された自由縁部100のセクションが、第2および/または第3タブエレメント98、99によって形成された自由縁部100のセクションが上方の段85の対応する切り欠き縁部88、89上に位置する前に下方の段86の対応する切り欠き縁部90上に位置して可聴音を発生させるようにしてもよい。
【0068】
当然のことながら上方の段の縁部と下方の段の切り欠き縁部が蓋3の前壁12の下方端部48から等しく離れるように位置合わせされれば、2つのフラップ部分が同時に2つの切り欠き縁部上に位置するので、1つの可聴クリック音が発生する。
【0069】
図8に別の実施態様を示す。この実施態様の喫煙品用パッケージの構成は、上記実施態様で説明したものとほぼ同じであるので、詳しい説明は、ここでは省略する。さらに、上記実施態様で説明した部材および特徴に対応する部材および特徴には同じ参照番号を付してある。
【0070】
この実施態様の喫煙品用パッケージでは、切り欠き102が蓋3に形成され、2つの高さ、即ち上位部分103および下位部分104だけを有する。従って、1つの段105が上位および下位部分103、104の間に形成され、1つの切り欠き縁部106を有する。
【0071】
さらにフラップ107が容器の前壁6から延びている。フラップ107は、フラップ107の自由縁部から延びたフラップ107に形成された2つのへこみ108またはスリットを有し、よって3つのタブエレメント110、111、112がフラップ107の自由端部109に形成されている。本実施態様では各へこみ108は、折り曲げ線114まで延びたスリットであるが、当然のことながらへこみは、フラップ107の一部のみに延びてもよい。中央のタブエレメント111は、その両側で外方タブエレメント110、112と当接している。中央のタブエレメント111によって形成された自由縁部の中央部分は、外方タブエレメント110、112によって形成された隣接する外方自由縁部116からオフセットした中央の自由縁部115を形成している。折り曲げ線114と中央の自由縁部115との間の距離は、折り曲げ線114と外方自由縁部116との間の距離より短く、これにより中央の自由縁部115が凹んでいる。
【0072】
フラップ107が、蓋3が閉じる位置に移動する際に切り欠き102の段105と位置合わせされ、これに接して位置するように容器の前壁6から延びている。フラップ107の3つのタブエレメント110、111、112は、それぞれ蓋3が閉じる位置に移動する際に、段105によって形成された切り欠き縁部106上に位置するように位置合わせされる。フラップ107と切り欠き103は、共に蓋3を閉じた位置に保持するための係止機構を形成する。
【0073】
蓋3が開いた位置から閉じた位置へと移動すると、フラップ107の中央のタブエレメント111の中央の自由縁部115が段105の切り欠き縁部106上に位置し、第1可聴音を発生させる。蓋3がさらに閉じた位置へと移動すると、フラップ107の外方タブエレメント110、112の外方自由縁部116が段105の切り欠き縁部106上に位置し、第2の可聴音を発生させる。
【0074】
当然のことながら中央の自由縁部115は、外方自由縁部116が段105の切り欠き縁部106上に位置する前に、段105の切り欠き縁部106上に位置する、というのは中央の自由縁部115と折り曲げ線114との間の距離が外方自由縁部116と折り曲げ線114との間の距離より短いからである。また当然のことながら、一方の外方自由縁部116と折り曲げ線114との間の距離が、もう一方の外方自由縁部116と折り曲げ線114との間の距離より短ければ、蓋3が閉じる位置に移動する際に第3の可聴音が発せされる。
【0075】
さらに当然のことながら、発せされる可聴音の数をフラップのタブエレメントの数および長さを変えることによって変えてもよい。例えば、別の実施態様を図9に示す。この実施態様の喫煙品用パッケージの構成は、上記実施態様で説明したものとほぼ同じであるので、詳しい説明は、ここでは省略する。さらに、上記実施態様で説明した部材および特徴に対応する部材および特徴には同じ参照番号を付してある。
【0076】
この実施態様の喫煙品用パッケージでは切り欠き102が蓋3に形成され、2つの高さ、即ち上位部分103と下位部分104だけを有する。従って、1つの段105が上位および下位部分103、104の間に形成され、1つの切り欠き縁部106を有する。
【0077】
さらにフラップ120は、フラップの自由縁部107から延びたフラップ120に形成された4つのへこみ121またはスリットを有し、よって5つのタブエレメント、即ち中央のタブエレメント122、2つの中間タブエレメント123、および2つの外方タブエレメント124が、フラップ107の自由端部125に形成されている。本実施態様では各へこみ121は、折り曲げ線126まで延びたスリットであるが、当然のことながら各へこみは、フラップ120の一部のみに延びていてもよい。中央のタブエレメント122は、両側で中間タブエレメント123と当接し、外方タブエレメント124は、中央のタブエレメント121に対向する側で中間タブエレメント123と当接する。中央のタブエレメント122によって形成された中央の自由縁部127は、中間タブエレメント123によって形成された隣接する中間自由縁部128からオフセットしており、中間自由縁部も外方タブエレメント124によって形成された外方自由縁部129からオフセットしている。折り曲げ線126と中央の自由縁部127との間の距離は、折り曲げ線126と中間自由縁部128との間の距離より短く、折り曲げ線126と中間自由縁部128との間の距離は、折り曲げ線126と外方自由縁部129との間の距離より短い。
【0078】
フラップ120は、蓋3が閉じる位置に移動すると、切り欠き102の段105と位置合わせされ、これと接して位置するように容器の前壁6から延びている。フラップ120の5つのタブエレメント122、123、124は、それぞれ蓋3が閉じる位置に移動すると、段105によって形成された切り欠き縁部106と位置合わせされ、この上に位置する。フラップ120および切り欠き103は、蓋3を閉じた位置に保持するための係止機構を形成する。
【0079】
蓋3が開いた位置から閉じた位置へと移動すると、フラップ120の中央タブエレメント122の中央自由縁部127は、段105の切り欠き縁部106上に位置し、第1の可聴音を発生させる。蓋3がさらに閉じた位置へと移動すると、フラップ120の中間タブエレメント123の中間自由縁部128は、段105の切り欠き縁部106上に位置すると同時に第2の可聴音を発生させ、フラップ120の外方タブエレメント124の外方自由縁部129が段105の切り欠き縁部106上に位置すると同時に第3の可聴音を発生させる。
【0080】
当然のことながら中央の自由縁部127は、中間自由縁部128が段105の切り欠き縁部106上に位置する前に段105の切り欠き縁部106上に位置する、というのは中央自由縁部127と折り曲げ線114との間の距離が中間自由縁部128と折り曲げ線114との間の距離より短いからである。同様に中間自由縁部128は、外方自由縁部129が段105の切り欠き縁部106上に位置する前に段105の切り欠き縁部106上に位置する、というのは中間自由縁部128と折り曲げ線114との間の距離が外方自由縁部129と折り曲げ線114との間の距離より短いからである。
【0081】
当然のことながら蓋が閉じる位置に移動する際に必要とされる可聴音の数に応じて、長さの異なる複数のタブエレメントを有するフラップを2つ以上の縁部を有する切り欠きと共に使用してもよい。
【0082】
上述の実施態様において、フラップと切り欠きは、容器部と蓋それぞれの前壁に形成されているが、当然のことながらフラップを蓋に、そして切り欠きを容器部に形成してもよい。さらに当然のことながらフラップおよび切り欠きは、容器部および蓋の側壁に形成してもよい。
【0083】
上述の実施態様において切り欠きが肩部に形成されているが、当然のことながら肩部自体は、切り欠きの1つ以上の縁部を形成してもよく、または切り欠き自体を形成してもよい。例えば、1つの切り欠き縁部を形成する切り欠きと複数の自由縁部を有するフラップを含む実施態様において、肩部自体が切り欠きの縁部を形成してもよい。同様に切り欠きが2つ以上の切り欠き縁部を有する実施態様において、肩部は切り欠きの1つ以上の縁部を形成してもよい。
【0084】
上述の実施態様においてタブエレメントは、へこみまたはスリットによって分けられているが、当然のことながらタブエレメントは、容器の前壁の最上端に沿って互いに離れていてもよい。このような構成ではタブエレメントは、互いに接して位置しない別個のフラップ エレメントを形成する。
【0085】
本発明の実施態様を示し、説明してきたが、当業者には当然のことながら以下の特許請求の範囲で定められる本発明の範囲内で上述の実施態様を変更することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0086】
【特許文献1】英国特許公開第1431173号
【特許文献2】欧州特許出願公開第0894737A号
【特許文献3】欧州特許出願公開第0841263A号
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