(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5666024
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月4日
(54)【発明の名称】特に自動車のウインドウガラスワイパ装置用のワイパブレードアダプタ装置
(51)【国際特許分類】
B60S 1/40 20060101AFI20150115BHJP
【FI】
B60S1/40 B
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-557015(P2013-557015)
(86)(22)【出願日】2012年1月12日
(65)【公表番号】特表2014-510664(P2014-510664A)
(43)【公表日】2014年5月1日
(86)【国際出願番号】EP2012050428
(87)【国際公開番号】WO2012119803
(87)【国際公開日】20120913
【審査請求日】2013年10月7日
(31)【優先権主張番号】102011005171.6
(32)【優先日】2011年3月7日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ヘルムート デポント
(72)【発明者】
【氏名】クーン ベクス
(72)【発明者】
【氏名】ディルク ヘーリンクス
【審査官】
水野 治彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−326577(JP,A)
【文献】
特開平09−221005(JP,A)
【文献】
特開2000−190819(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/016000(WO,A1)
【文献】
独国特許出願公開第19860644(DE,A1)
【文献】
独国特許出願公開第102004058685(DE,A1)
【文献】
独国特許出願公開第10043427(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイパ条片ユニット(14)に連結する少なくとも1つのばね弾性的な係止手段(12)を有したワイパブレードアダプタ(10)を備えたワイパブレードアダプタ装置であって、
少なくとも1つの前記係止手段(12)を組み付け状態で固定するために設けられている少なくとも1つの固定手段(16)を備えており、
少なくとも1つの前記固定手段(16)は前記ワイパブレードアダプタ(10)に一体に形成されていて、
少なくとも1つの前記係止手段(12)は前記ワイパブレードアダプタ(10)に一体に形成されていることを特徴とする、ワイパブレードアダプタ装置。
【請求項2】
少なくとも1つの前記固定手段(16)は、前記ワイパ条片ユニット(14)に前記ワイパブレードアダプタ(10)を組み付ける過程でロック位置からばね弾性的に変位されるようになっている、請求項1記載のワイパブレードアダプタ装置。
【請求項3】
少なくとも1つの前記係止手段(12)は第1の方向(30)で運動可能に支承されており、少なくとも1つの前記固定手段(16)は、前記第1の方向(30)とは異なる別の方向(32)で運動可能に支承されている、請求項1又は2記載のワイパブレードアダプタ装置。
【請求項4】
少なくとも1つの前記係止手段(12)は、前記ワイパブレードアダプタ(10)の組み付け方向(22)に対してほぼ平行に延びる旋回軸線(18)を中心として変位可能である、請求項1から3までのいずれか1項記載のワイパブレードアダプタ装置。
【請求項5】
少なくとも1つの前記固定手段(16)は、前記ワイパブレードアダプタ(10)の組み付け方向(22)に対してほぼ垂直に延びる旋回軸線(20)を中心として変位可能である、請求項1から4までのいずれか1項記載のワイパブレードアダプタ装置。
【請求項6】
少なくとも1つの前記係止手段(12)は、前記ワイパ条片ユニット(14)の支持エレメント(26)と形状接続を形成するために設けられた係止突起(24)を有している、請求項1から5までのいずれか1項記載のワイパブレードアダプタ装置。
【請求項7】
少なくとも1つの前記固定手段(16)は組み付けられた状態で、少なくとも1つの前記係止手段(12)との形状接続を形成する、請求項1から6までのいずれか1項記載のワイパブレードアダプタ装置。
【請求項8】
自動車のウインドウガラスワイパ装置用に設けられている、請求項1から7までのいずれか1項記載のワイパブレードアダプタ装置。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項記載のワイパブレードアダプタ装置の、少なくとも1つの係止手段(12)を備えたワイパブレードアダプタ(10)をワイパ条片ユニット(14)に組み付ける方法であって、
少なくとも1つの前記係止手段(12)を組み付け状態で、少なくとも1つの固定手段(16)によって固定することを特徴とする、ワイパブレードアダプタ(10)をワイパ条片ユニット(14)に組み付ける方法。
【請求項10】
前記ワイパブレードアダプタ(10)をワイパ条片ユニット(14)に組み付ける過程で、少なくとも1つの前記係止手段(12)と少なくとも1つの前記固定手段(16)を、異なる方向(30,32)に変位させる、請求項9記載の方法。
【請求項11】
請求項1から8までのいずれか1項記載のワイパブレードアダプタ装置のワイパブレードアダプタ(10)と、ワイパ条片ユニット(14)と、ワイパ条片エレメント(28)とを備えたシステムであって、前記ワイパブレードアダプタ(10)は少なくとも1つの係止手段(12)と少なくとも1つの固定手段(16)とを有しており、少なくとも1つの前記係止手段(12)は組み付け状態で、前記ワイパ条片エレメント(28)と形状接続を形成し、少なくとも1つの前記固定手段(16)によって固定されていることを特徴とする、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景技術
ワイパ条片ユニットに連結する少なくとも1つのばね弾性的な係止手段を有したワイパブレードアダプタを備えた、特に自動車のウインドウガラスワイパ装置用のワイパブレードアダプタ装置が既に公知である。
【0002】
発明の開示
本発明は、ワイパ条片ユニットに連結する少なくとも1つのばね弾性的な係止手段を有したワイパブレードアダプタを備えた、特に自動車のウインドウガラスワイパ装置用のワイパブレードアダプタ装置を起点としている。
【0003】
少なくとも1つの係止手段を組み付け状態で固定するために設けられた少なくとも1つの固定手段を有するワイパブレードアダプタ装置が提案されており、これによりワイパブレードアダプタをワイパ条片ユニットに特に確実に連結することができる。「ワイパブレードアダプタ」とは、この関係では特に、ワイパアームアダプタとの連結のためのワイパブレードの連結領域を提供するために設けられているアダプタと理解されたい。「係止手段」とは、この関係では特に、組み付け時に弾性的に変位するように設けられている、係止結合を形成するためのばね弾性的な手段であると理解されたい。好ましくは、少なくとも1つの前記係止手段は組み付け状態で、少なくとも1つの構成部分と形状接続的に(嵌め合いなどの形状的関係に基づく結合又は束縛により)結合されている。「連結」とは、この関係では特に、摩擦接続及び/又は形状接続的な結合であると理解されたい。「ワイパ条片ユニット」とは、この関係では特に、ワイパブレードアダプタをワイパリップに結合するために設けられているユニットであると理解されたい。「固定手段」とは、この関係では特に、組み付け状態で係止手段の運動自由度を制限するかつ/又はロック位置からの不都合な運動を阻止するように設けられた手段であると理解されたい。「固定する」とは、この関係では特に、1つの構成部分の少なくとも1つの自由度を制限することであると理解されたい。この場合、この自由度は、1つの構成部分がロック位置から外れる運動のためのものである。「ロック位置」とは、この関係では特に、所定の組み付け状態でとられる構成部分の位置であると理解されたい。好ましくは、ばね弾性的な構成部分はロック位置で、変位状態よりも僅かなばね応力を有する。「所定の」とは、特に、特別に設計された、かつ/又は構成された、の意味であると理解されたい。
【0004】
別の構成では、少なくとも1つの前記固定手段は、前記ワイパ条片ユニットにワイパブレードアダプタを組み付ける過程でロック位置からばね弾性的に変位されるように設けられている。これにより組み付け過程は特に簡単かつ迅速に行うことができる。
【0005】
少なくとも1つの前記係止手段は1つの方向で運動可能に支承されており、少なくとも1つの前記固定手段は、前記第1の方向とは異なる別の方向で運動可能に支承されているならば、少なくとも1つの係止手段を特に確実にロック位置に保持することができる。この場合、係止手段及び/又は固定手段は並進的にかつ/又は好ましくは所定の旋回軸線を中心として回転するように運動可能である。
【0006】
さらに、少なくとも1つの前記係止手段は、前記ワイパブレードアダプタの組み付け方向に対してほぼ平行に延びる旋回軸線を中心として変位可能であることが提案されている。これにより、少なくとも1つの係止手段の配置及び/又は少なくとも1つの係止手段の変位は特に省スペースにワイパブレードアダプタ装置で行うことができる。「旋回軸線」とは、この関係では特に、その軸線を中心として構成部分が変位可能である仮想軸線であると理解されたい。構成部分の旋回は、ジョイント又は好ましくは構成部分の弾性的に変形可能な部分領域を介して行うことができる。「ほぼ」とは、この関係では特に、10°より小さいずれを含むものであると理解されたい。「組み付け方向」とは、この関係では特に、ワイパ条片ユニットとの連結のための組み付け過程でワイパブレードアダプタが運動する方向であると理解されたい。好ましくは、組み付け方向は、組み付け状態で、例えば自動車のウインドウガラスのような、払拭すべき表面に対して垂直に延びている。
【0007】
さらに、少なくとも1つの前記固定手段は、前記ワイパブレードアダプタの組み付け方向に対してほぼ垂直に延びる旋回軸線を中心として変位可能であることが提案されている。これにより少なくとも1つの係止手段の固定は、少なくとも1つの固定手段によって特に安定的かつ確実に形成することができる。
【0008】
本発明の別の構成では、少なくとも1つの前記係止手段は、前記ワイパ条片ユニットのワイパ条片エレメントと形状接続するために設けられた係止突起を有していることが提案される。好ましくは、この関係では、形状接続とは、係止突起がワイパ条片エレメントに接触する直接的な形状接続である。これにより少なくとも1つの係止手段とワイパ条片エレメントとの間の簡単かつ安価な結合が得られる。
【0009】
少なくとも1つの固定手段がワイパブレードアダプタと一体的に形成されているならば、少なくとも1つの固定手段は特に安定的にワイパブレードアダプタに取り付けることができる。「一体的」とは特に、例えば溶接プロセス及び/又は接着プロセス等によるような材料接続的な結合、特に好ましくは、鋳造から成る製造及び/又は一成分又は多成分射出成形法での製造によるような一体成形であると理解されたい。
【0010】
本発明の別の構成では、少なくとも1つの係止手段がワイパブレードアダプタと一体的に形成されており、これにより少なくとも1つの係止手段は特に安定的にワイパブレードアダプタに取り付けることができる。
【0011】
さらに、少なくとも1つの係止手段を備えた、ワイパブレードアダプタ装置のワイパブレードアダプタをワイパ条片ユニットに組み付ける方法が提案されており、この場合、少なくとも1つの前記係止手段を、組み付け状態で、少なくとも1つの固定手段によって固定する。これにより、ワイパ条片ユニットにワイパブレードアダプタを特に確実に連結することができる。
【0012】
さらに、前記ワイパブレードアダプタをワイパ条片ユニットに組み付ける過程で、少なくとも1つの前記係止手段と少なくとも1つの前記固定手段を、異なる方向に変位させることが提案されており、これにより有利には、組み付けコスト及び/又は組み付けの手間を減じることができる。
【0013】
図面
さらなる利点を以下に図面につき説明する。図面には本発明の1つの実施例が示されている。図面、明細書、特許請求の範囲には、組み合わされた多数の特徴が含まれている。当業者は、これらの特徴を個々に考察し、好ましい別の組み合わせの形にまとめることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】ワイパブレードアダプタ装置とワイパ条片ユニットを示した斜視図である。
【
図2】ワイパブレードアダプタ装置とワイパ条片ユニットとを第1の組み付け過程で示した斜視図である。
【
図3】ワイパブレードアダプタ装置とワイパ条片ユニットとを次の組み付け過程で示した斜視図である。
【
図4】ワイパブレードアダプタ装置とワイパ条片ユニットとを次の組み付け過程で示した斜視図である。
【
図5】ワイパブレードアダプタ装置とワイパ条片ユニットとを次の組み付け過程で示した斜視図である。
【
図6】ワイパブレードアダプタ装置とワイパ条片ユニットとを次の組み付け過程で示した斜視図である。
【
図7】ワイパブレードアダプタ装置とワイパ条片ユニットとを次の組み付け過程で示した斜視図である。
【
図8】ワイパブレードアダプタ装置とワイパ条片ユニットとを次の組み付け過程で示した斜視図である。
【
図9】組み付け状態におけるワイパブレードアダプタ装置の部分図である。
【0015】
実施例の説明
図1には、自動車のウインドウガラスワイパ装置用のワイパブレードアダプタ装置が示されている。ワイパブレードアダプタ装置は、ワイパブレードアダプタ10を有していて、このワイパブレードアダプタ10は組み付けによってワイパ条片ユニット14に固定可能である。ワイパ条片ユニット14は長く伸びたワイパ条片エレメント28を含んでおり、このワイパ条片エレメント28は、支持エレメント26(
図5)をガイドするための長手方向ガイド通路36を有している。長手方向ガイド通路36は、ワイパ条片エレメント28の長手方向40で長手方向ガイド通路36全体にわたって延びる長手方向開口38を含む。
【0016】
ワイパ条片エレメント28は押出成形法によりプラスチックから一体的に製造されている。これについては当業者は、有利と思われる種々様々なプラスチック、例えば特に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル及び/又はポリスチロールを検討することができる。さらに、ワイパ条片エレメント28は、長手方向40で見て中央に配置されている固定切欠42を有している。固定切欠42によってワイパブレードアダプタ10の正確な位置決めが行われる。支持エレメント26はばね鋼から成っていて、ワイパ条片ユニット14を弾性的に変位可能に成形するために設けられている。
【0017】
ワイパブレードアダプタ10は基体44を有しており、この基体44には、組み付けの際にワイパ条片ユニット14を収容するために設けられている組み付け切欠46が含まれている。ワイパブレードアダプタ10は組み付けの際に組み付け方向22で動かされる。組み付け方向22はワイパ条片エレメント28の長手方向40に対して垂直に延びている。
【0018】
図2には、ワイパブレードアダプタ装置が次の組み付けステップで示されている。ワイパブレードアダプタ10は組み付け方向22での運動によりワイパ条片ユニット14上に載着されている。この場合、ワイパブレードアダプタ10の基体44はワイパ条片ユニット14を把持している。ワイパ条片ユニット14は部分的に組み付け切欠46の内側に配置されている。ワイパ条片ユニット14に対して相対的なワイパブレードアダプタ10の長手方向40の運動は阻止されている。
【0019】
ワイパブレードアダプタ10はさらに、ワイパ条片ユニット14に連結するためのばね弾性的な係止手段12を有している。この係止手段12は組み付けの際に旋回軸線18を中心として弾性的に変位される。旋回軸線18はワイパブレードアダプタ10の組み付け方向22に対して平行に延びている。さらに、係止手段12は係止突起24を有しており、この係止突起24は組み付け状態で支持エレメント26と形状接続を形成する。
【0020】
ワイパブレードアダプタ装置はさらに、ばね弾性的な固定手段16を有しており、この固定手段16はワイパブレードアダプタ10と一体的に形成されていて、係止手段12を組み付け状態で固定する。
図3には、係止手段12と固定手段16とが、ワイパ条片ユニット14に組み付ける前の状態で斜視図で示されている。ワイパブレードアダプタ10は係止手段12及び固定手段16と一体的に形成されているが、見やすくするために
図3〜
図8では示されていない。
【0021】
図1に示したように、第1の組み付けステップでは、ワイパブレードアダプタ10はワイパ条片ユニット14の上方に位置している。係止手段12と固定手段16とはロック位置(
図3)に位置している。ばね弾性的な係止手段12並びにばね弾性的な固定手段16はロック位置で、変位状態よりも僅かなばね応力を有している。この場合、係止手段12と固定手段16とは接触領域50で互いに接触している。
【0022】
係止手段12は第1の方向30で可動に支承されている。固定手段16は、第1の方向30とは異なる別の方向32で旋回可能に支承されている。第1の方向30は旋回軸線18を中心とする旋回方向である。別の方向32は、組み付け方向22に対して垂直に延びる別の旋回軸線20を中心とする旋回方向である。
【0023】
旋回軸線20は旋回軸線18と90°の角度を成す。従って、ワイパブレードアダプタ10をワイパ条片ユニット14に組み付ける過程で、係止手段12と固定手段16とはロック位置から弾性的に、異なる方向30,32に変位される。旋回軸線18を中心とした係止手段12の旋回はロック位置では固定手段16によってロックされている。しかしながらこれについては、当業者が係止手段12と固定手段16とを並進運動可能に設計することも考えられる。
【0024】
ワイパブレードアダプタ10をワイパ条片ユニット14に載着する場合、固定手段16は旋回軸線20を中心として変位される(
図4)。旋回軸線20は、自動車のウインドウガラスワイパ装置の運転状態で、ワイパブレードアダプタ10がワイパ条片ユニット14と共に動く拭き取り方向48に対して平行に延びている。
【0025】
固定手段16が変位されることにより、係止手段12はもはや固定されておらず、即ち、係止手段12はばね力に抗して旋回軸線18を中心として回転することができる。
【0026】
さらなる組み付けステップでは、支持エレメント26が、長手方向40に対して平行に並進的に、ワイパ条片エレメント28の長手方向ガイド通路36内に挿入される(
図5参照)。この場合、支持エレメント26は端部領域52で、係止突起24の当接面54を押圧する。これにより係止手段12はばね力に抗して、旋回軸線18を中心として方向30へと変位する。
【0027】
当接面54は長手方向40に対して鈍角を成している。支持エレメント26の運動方向に対して相対的に当接面54は斜めに向けられている。従って、長手方向40に対して平行な支持エレメント26の運動により、長手方向40に対してほぼ横方向で係止突起24の運動が行われる。
【0028】
支持エレメント26は今や、変位された係止突起24に沿ってさらに長手方向ガイド通路36内に押し込まれる。長手方向40で見て、支持エレメント26には真ん中に係止切欠34が配置されている。係止突起24が係止切欠34上を動くと、係止突起24は係止手段12のばね力によって係止切欠34内へと押し込まれる(
図6)。係止切欠34は係止突起24に対するネガ形状を有しているので、係止切欠34の内側で支持エレメント26と係止突起24との間で正確な嵌め合いによる形状接続が生じる。
【0029】
係止突起24が係止切欠34に当接すると、固定手段16はもはや係止手段12によって運動自由度を制限されることなく、ばね弾性的に旋回軸線20を中心として運動する。最終的に、固定手段16は係止手段12の後方に配置され、これと同一平面となる(
図8参照)。
【0030】
図9には、ワイパ条片ユニット14を備えたワイパブレードアダプタ装置の部分図が組み付け状態で示されている。ワイパブレードアダプタ10は、ワイパ条片エレメント28の固定切欠42の内側に配置されている。係止手段12と固定手段16とはロック位置に位置している。係止突起24は支持エレメント26を、長手方向40でワイパ条片エレメント28に対して相対的に摺動しないように保持している。
【0031】
固定手段16は、係止手段12がロック位置から動かないように保持している。別の係止手段と固定手段をワイパブレードアダプタ装置に組み込むことを当業者は考えることもできる。特に、それぞれ係止手段12と固定手段16に向かい合って位置する第2の係止手段と第2の固定手段は、簡単に本発明に付加することができる。