(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、オゾン含有気体を用いた洗浄方法では、配管内壁の付着物を剥離可能にするためには高濃度とし、長時間に亘って洗浄し続けることが必要である。そのため、オゾン発生装置が必要となり、電力や水の消費量は大きく、さらに洗浄時間も長くなる問題点がある。
【0008】
一方、高圧ガスと高圧水を用いた高圧洗浄方法では、ミキシングノズル100の先端まで水を吸上げる電動ポンプ122と大量の水が必要である。従って、電源や水源を確保できない場所や電動ポンプを運び込めない場所では、洗浄装置を利用出来ない問題点がある。
【0009】
また、ミキシングノズル100が物理的に届かない複雑な形状の配管や排水管の奥の方は、洗浄出来ない問題点もある。
【0010】
更に、水や薬液は、液体のままミキシングノズル100まで吸上げられるため重量があり、高層建築物の排水管の洗浄には適さない問題点もある。
【0011】
更に、ミキシングノズル100内で高圧ガスと高圧水を十分に混合させた後に、排水管内に供給して発泡させても安定的に発泡され難くいため、外力で付着物を確実に除去することは困難である。また、物理的に付着物を除去しても消臭効果は期待できない問題点もある。
【0012】
更に、電動ポンプを用いるため洗浄装置の稼働時の騒音も問題点であり、住宅密集地域では作業者側に作業時間の配慮が求められる。
【0013】
そのため、電動ポンプが不要で、配管の形状に左右されない洗浄技術の開発が求められている。また、できるだけシンプルな装置で、狭所や高所でも容易に持ち運べる装置の実現も望まれている。そして、洗浄後に放流する洗浄剤の排水放流濃度が、国の定める放流基準内であることも必要とされる。さらに、排水管に限らず、病院や飲食店の床や厨房などのように清潔さを要求される場所も、安全に洗浄できることが望まれる。
【0014】
本発明はこれらの問題点に鑑みて為されたものであり、少量の薬品を含む液状の洗浄剤と中圧あるいは低圧のガス圧より極めて球体に近いマイクロサイズのムース状の洗浄剤を生成できる電動ポンプの不要なシンプルな装置と、泡洗浄方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の泡洗浄装置は、不活性ガスを充填したガスボンベと、液状の洗浄剤を貯蔵する薬品タンクと、前記不活性ガスを流入させて真空状態にして
前記不活性ガスよりも少量の前記
液状の洗浄剤を
電動ポンプを用いることなく吸引する真空発生ポンプと、前記真空発生ポンプで混合した前記不活性ガスと前記
液状の洗浄剤を通過させてマイクロサイズの泡状の洗浄剤を生成するメッシュフィルターと、前記マイクロサイズの泡状の洗浄剤を前記不活性ガスの圧力で送り出す泡搬送管と、前記泡搬送管の先端に接続し、前記マイクロサイズの泡状の洗浄剤を吐出するノズルとを具備し、前記マイクロサイズの泡状の洗浄剤を前記不活性ガスの圧力を利用して、前記メッシュフィルターから前記ノズルまで運ぶことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の泡洗浄方法は、ガスボンベに充填された不活性ガスを真空発生ポンプ内に流入させて真空状態にする
ことで、電動ポンプを用いることなく薬品タンクに貯蔵された液状の洗浄剤を
前記流入した不活性ガスよりも少量吸引する工程と、前記不活性ガスと前記
液状の洗浄剤をメッシュフィルターを通過させてマイクロサイズの泡状の洗浄剤を生成する工程と、前記マイクロサイズの泡状の洗浄剤を前記不活性ガスの圧力を利用して泡搬送管の先端に設けたノズルまで運ぶ工程と、前記ノズルから前記マイクロサイズの泡状の洗浄剤を吐出して充填する工程と、所定時間経過した後に、水道水で充填された前記マイクロサイズの泡状の洗浄剤を放流する工程とを具備し、前記洗浄対象物内の付着物にマイクロサイズの泡状の洗浄剤を長時間に亘り反応させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の泡洗浄装置に依れば、1Mpa(メガパスカル)未満の中圧ガス圧あるいは低圧ガス圧を原動力として、液状の洗浄剤からマイクロサイズの泡状(ムース状)の洗浄剤を生成できる。一般に、高圧ガスとは1Mpa以上のガスの圧力をいい、中圧ガスとは0.1Mpa以上1Mpa未満のガスの圧力をいい、低圧ガスとは0.1Mpa未満のガスの圧力をいう。
【0018】
生成されるマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤は、体積が微細で軽量のため、中圧ガスあるいは低圧ガスの流れを利用してノズルの吐出口まで簡単に搬送できる。従って、高価な電動式のポンプは不要となる。その結果、安価でシンプルな洗浄装置を提供でき、泡生成時や搬送時の騒音問題も解消できる。
【0019】
また、真空発生ポンプは、ガスボンベからノズル方向に流れる不活性ガスを流入させて真空状態にし、薬品タンク内の液状の洗浄剤を真空圧で吸引する。不活性ガスと液状の洗浄剤は、メッシュフィルターを通過して略球体状のマイクロサイズの泡を生成する。不活性ガスで生成することにより泡は安定し、破裂し難く、略球体状を長時間維持する良質なマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤を提供できる。従って、洗浄剤は管内に生成直後の状態を維持しながら長時間留まるので、付着物を効果的に分解できる。
【0020】
更に、マイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤は、不活性ガスで生成されるため、洗浄剤に含まれる薬品が酸化することがない。これにより、薬品濃度を維持した薬効の高い洗浄剤を提供できる。
【0021】
更に、液状の洗浄剤は、発泡されてマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤になる。マイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤は、大部分を窒素ガス(N
2ガス)が占める。これにより、液状の洗浄剤と比較して、体積は10〜20倍に膨張され、重量は1/10〜1/20倍に軽量化される。一般に、液体を高所に押し上げる場合は、50mでは5Mpaの圧力が必要であるが、マイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤を高所に押し上げる場合は、50mでは0.25〜0.5Mpaの力で足りる。すなわち、押し上げる力は1/10〜1/20倍である。従って、1Mpa未満の中圧あるいは低圧のガス圧力であっても、50m以上の高所にマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤を搬送でき、高層建築物の排水管等の洗浄にも最適である。
【0022】
更に、マイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤は、不活性ガスを用いて薬品を含む液体の体積を10〜20倍に膨張させて用いる。これにより、一般に使用される液体洗浄剤と比較して、薬品の使用量を1/10〜1/20倍と大幅に減少できる。その結果、薬品濃度を国の定める放流水基準以下に希釈する際に必要となる水の量が大幅に減少できる。
【0023】
更に、ヒータ機能を備える加温器を用いて、不活性ガスを60℃〜80℃程に温めることで、60℃〜80℃の温かい不活性のマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤を生成できる。これにより、薬効を効果的に作用させて油などの付着物を溶けやすくし、洗浄剤の洗浄効果を高められる。なお、加温器の消費電力は約190kw程度と小さく、電源には移動車両のバッテリーを用いるので、交流電源の準備は不要である。
【0024】
更に、本発明の泡洗浄装置は、洗浄剤をマイクサイズの泡からなるムース状に維持したまま搬送できるので、搬送車に大部分を設置し、泡だけをノズル先端まで搬送できる。また、移動式の車両やカートに搭載して持ち運ぶこともできる。従って、一般的な電動ポンプ式高圧洗浄装置の利用が難しい都市部等の狭小地域や高所でも容易に利用できる。
【0025】
更に、ガス搬送管は途中で分岐され、一方のガス搬送管はガスボンベと真空発生ポンプの接続に用い、他方のガス搬送管はガスボンベと薬品タンクの接続に用いる。これにより、ガスボンベから流入される不活性ガスを利用して薬品タンク内部を加圧し、ガスの圧力を利用して液状の洗浄剤を押圧する。その結果、真空発生ポンプからの吸引圧に加えて薬品タンク内部からの押圧により液状の洗浄剤の吸引量が安定し、さらに安定してムース状の洗浄剤を生成できる。
【0026】
そして、本発明の泡洗浄方法に依れば、少量の薬品を含む液状の洗浄剤から生成したマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤を排水管内に充填し、内壁面の汚れ等の付着物に薬品を化学反応させた後に、水道水で汚れと洗浄剤を一緒に洗い流し、下水道管へと放流する。従って、洗浄作業に用いる薬品の量は少量であり、下水道管に放流される薬品の量も少量であるため、通常の水道水を一定量流して希釈する程度で国の定める放流水基準値を満たすことができる。その結果、環境に優しい洗浄方法を実現できる。
【0027】
また、本発明の泡洗浄方法は、ノズルの先端から吐出させたマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤を前方へ、例えば排水管の場合には開口部から奥の方向へ、押し出しながら排水管内に充填させる。従って、複雑な配管の形状やノズルの届かない排水管の奥の方でも、それらの要因に左右されることなく、容易にマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤を細部まで充填させて、洗浄できる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
〔第1の実施形態〕
図1を参照して、本発明の泡洗浄装置1の構造を説明する。
【0030】
泡洗浄装置1は、ガスボンベ10と、薬品タンク11と、真空発生ポンプ12と、メッシュフィルター13と、泡搬送管14と、ノズル15とから構成される。
【0031】
ガスボンベ10は、圧縮した不活性ガスを貯留している。不活性ガスは、洗浄剤に含有される薬剤の水素イオン濃度の値を変化させないガス、具体的には、窒素ガス、アルゴンガスなどを用いる。
【0032】
薬品タンク11は、液状の洗浄剤を貯蔵するタンクである。薬品タンク11は、ステンレス製あるいは耐アルカリ性の素材のものを用いる。
【0033】
真空発生ポンプ12は、ガスボンベ10と薬品タンク11に連結される。ガスボンベ10は、耐圧性のある金属製の管を介して、不活性ガスを真空発生ポンプ12に送る。一方、薬品タンク11は、ステンレス製あるいは塩化ビニル製の管を介して、液状の洗浄剤を真空発生ポンプ12に送る。また、真空発生ポンプ12は、ガスボンベ10からノズル15の方向に圧縮した不活性ガスを流入させて真空状態を発生させ、その真空圧により薬品タンク11内の洗浄剤を吸引する。液状の洗浄剤は、不活性ガスが混合されて膨張し、流出される。なお、真空発生ポンプ12の具体的な構造は
図3を参照して後述する。
【0034】
以降、「管」とは、中空部分を利用して、液体、気体、泡を一方から他方へと移動させることに使われるものをいい、その形状は真っすぐでも曲がっていてもよい。
【0035】
メッシュフィルター13は、真空発生ポンプ12の流出口側に設ける。メッシュフィルター13は、不活性ガスで膨張された洗浄剤を通過させて微細な気泡を生成する。この微細な気泡は、マイクロサイズの気泡に生成される。具体的には、真空発生ポンプ12内でミスト状に混合された洗浄剤と不活性ガスは、メッシュフィルターを通過することにより、マイクロサイズの泡が集合したムース状となる。なお、泡の極めの細かさは、メッシュフィルターの開口率、設置枚数などによって適宜調整される。
【0036】
泡搬送管14は、生成されたマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤を、ガスボンベ10の圧力を利用してノズル15へと送りだす管である。泡搬送管14には、洗浄剤に含まれる薬品で腐食され難いステンレス製や塩化ビニル製のものを用いる。具体的には、塩化ビニル製のチューブの場合は、曲げることもできるのでホースリールに巻回させて収納できる。泡搬送管14は、洗浄現場までの距離に応じて、連結部で連結し延長することもできる。
【0037】
ノズル15は、泡搬送管14の先端に接続され、ノズルの吐出口よりマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤を吐出する。ノズル15に設けた開閉バルブ16により吐出口は開閉される。また、ノズル15の先端部分にはノズル用メッシュフィルター17(
図2参照)を設けてもよく、これにより更に微細な粒径のマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤を生成できる。
【0038】
図2を参照して、具体化した本発明の泡洗浄装置1を説明する。
図2(A)は具体化した泡洗浄装置1であり、
図2(B)はその薬品タンク11を説明する一部拡大図である。
【0039】
図2(A)を参照して、泡洗浄装置1は、ガスボンベ10と、薬品タンク11と、真空発生ポンプ12と、メッシュフィルター13と、泡搬送管14と、ノズル15とを備える。
【0040】
ガスボンベ10は、圧縮した窒素ガスを貯留する。
【0041】
薬品タンク11は、界面活性剤を含有する塩素系の薬品を溶解した液状の洗浄剤を貯蔵する。
【0042】
なお、
図2(B)のように、薬品タンク11には、配管11aとバルブ11bを設けてもよい。これにより、薬品タンク内に溜まった液状の洗浄剤を容易に排出することができ、また、薬品タンク内に溜まったガスを開放し、容易に薬品タンク内のガスの圧力を減少させることができる。また、薬品タンク11には、薬品タンク内のガス圧を表示する圧力メータ11cを設けもよい。これにより、薬品タンク11内の圧力を容易に確認できる。
【0043】
真空発生ポンプ12は、流入口121、吸引口122、流出口123を備える。
【0044】
真空発生ポンプ12の流入口121は、ガス搬送管20を介してガスボンベ10に接続される。ガス搬送管20は、ガスボンベ10から真空発生ポンプ12に窒素ガスを送るための管であり、ガス圧に耐え得る金属製の管を用いる。なお一般に、ガスボンベ10内には、1Mpa以上の高圧ガスが貯留される。また、ガス搬送管20には、ガスボンベ用開閉バルブと、レギュレータ23と、第1の逆止弁22を配置する。
【0045】
ガスボンベ用開閉バルブは、ガス搬送管20とガスボンベ10の接続箇所に設けられ、ガスボンベ10の窒素ガスの流量を調整する。
【0046】
レギュレータ23は、ガスの圧力を一定状態にコントロールする機能や、ガスの圧力を減ずる機能などを有する。具体的には、レギュレータは、ガスボンベ内の15Mpaの高圧ガスを1Mpa未満の中圧ガスあるいは低圧ガスに減圧する。
【0047】
なお、窒素ガスを温める加温器36を、ガスボンベ用開閉バルブとレギュレータ23の間に設けてもよい。具体的には、加温器36は、消費電力が約190kw程度で、60〜80℃に温めるヒータ機能を有する。これにより、60℃〜80℃に温められた窒素ガスで液状の洗浄剤を膨張してマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤を生成するので、60〜80℃に温められたマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤となる。その結果、油分などからなる付着物に洗浄剤が浸透し易くなり、薬効を効果的に作用させ、洗浄剤の分解洗浄効果を高める。なお、加温器は約190kw程度と小電力なので、例えば、車両に備えるシガーソケットで十分に利用できる。
【0048】
第1の逆止弁22は、ノズル15の開閉バルブ16を閉にした場合に、窒素ガスの流れが止まり、その反動でムース状の洗浄剤や液状に戻った洗浄剤が逆流し、ガスボンベ10に流入する恐れがあるため、逆流防止目的でガス搬送管20に設けたものである。具体的には、1Mpa以上の耐圧性能を有する逆止弁を、レギュレータ23と真空発生ポンプ12の間に設ける。
【0049】
真空発生ポンプ12の吸引口122は、薬液供給パイプ21を介して薬品タンク11に接続される。薬液供給パイプ21は、薬品タンクから真空発生ポンプ12に液状の洗浄剤を送る管であり、薬品で腐食されない塩化ビニル製のパイプを用いる。
【0050】
薬液供給パイプ21には、薬液の流量調整バルブ25と、第2の逆止弁24を配置する。
【0051】
流量調整バルブ25は、薬品タンク11と真空発生ポンプ12の間に設けられ、洗浄剤の流量を一定量に調整する。具体的には、0〜30L/分の流量に調整する。液量を変えることにより、硬さの異なるムース状の洗浄剤を生成できる。
【0052】
第2の逆止弁24は、ノズル15の開閉バルブ16を閉にした場合に、窒素ガスの流れが止まり、その反動でムース状の洗浄剤や液状に戻った洗浄剤が逆流し、薬品タンク11に流入する恐れがあるため、逆流防止目的で薬液供給パイプ21に設けたものである。具体的には、1Mpa以上の耐圧性能を有する逆止弁を、流量調整バルブ25と真空発生ポンプ12の間に設ける。
【0053】
真空発生ポンプ12の流出口123は、泡搬送管14を介してノズル15に接続される。流出口123より、窒素ガスで膨張された液状の洗浄剤が流出される。具体的には、2.5L/分で吸引された液状の洗浄剤は、50L/分の窒素ガスが混合されて20倍の体積に膨張される。
【0054】
メッシュフィルター13は、真空発生ポンプ12の流出口123側に設ける。メッシュフィルター13は、微細目の第1のメッシュフィルター131と、第1のメッシュフィルターよりも微細目の第2のメッシュフィルター132からなり、第1のメッシュフィルター131は第2のメッシュフィルター132よりも真空発生ポンプ12側に配置される。具体的には、メッシュフィルターの網目は、10μm〜20μmのものを用いる。
【0055】
真空発生ポンプ12内で、多量の中圧あるいは低圧の窒素ガス内に少量の液状の洗浄剤を混合させ、その混合物がガス圧を利用し、泡搬送管14に配置された第1のメッシュフィルター131を通過し、さらに第2のメッシュフィルター132を通過することで、マイクロサイズの略球体状のムース状の泡が生成される。マイクロサイズのムース状の気泡は、窒素ガスが大部分を占め、気泡体積が微細である。そのため、生成されたムース状の泡は、中圧あるいは低圧のガス圧だけで遠くまで搬送できる。
【0056】
また、気泡内に窒素ガスを含むことで気泡は安定して破裂し難くなるため、生成直後の状態を維持しながら、長時間、排水管等の配管内に留まる。さらに、窒素ガスのみで生成するため洗浄剤中の薬品が酸化する恐れもなく、洗浄剤の成分、性能が維持されるので洗浄効果が高い。なお、酸素を含むと気泡は不安定となり破裂しやすく、薬液の成分を酸化させる恐れがあるため、メッシュフィルター13は密閉空間に設置することが好適である。
【0057】
また、メッシュフィルター13には、洗浄剤中の薬品で腐食しないステンレス製の素材のものを用いる。生成される気泡の大きさは、メッシュフィルターの粗細、設置枚数によって適宜調整される。なお、メッシュフィルター13は真空発生ポンプ12の流出口123より離間させて、例えば、泡搬送管14の中間部分やノズル15に近接して設けても同様にマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤を生成できる。
【0058】
泡搬送管14は、真空発生ポンプ12とノズル15の間に接続され、生成されたマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤を中圧あるいは低圧に減圧した窒素ガスのガス圧を利用してノズル15まで送り出す。具体的には、内径6mm〜8.5mmの塩化ビニルパイプを用いる。パイプの断面積を6mm〜8.5mmと小さくするとパイプ内の体積は小さくなり、マイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤の送り速度が速くなる。
【0059】
また、泡搬送管14は、連結管30を介して接続ホース33に接続し延長される。具体的には、泡搬送管14の一端に連結部29を設けて連結管30を接続し、更に連結管30の端部に接続ホース33を接続する。接続ホース33はホースリール34に巻回して収納され、ノズル用連結部35を介してノズル15に接続する。なお、連結管30を介さずに、直接泡搬送管14と接続ホース33を連結部29で接続してもよい。
【0060】
真空発生ポンプ12とノズル15の間には、調整パネル26を設ける。調整パネル26は、泡搬送管14内のガス圧を調整する。調整パネル26は、泡搬送管14内のガス圧を表示する圧力メータ27と、さらにそのガス圧を調整する圧力調整バルブ28を備える。
【0061】
連結管30の端部には、三方向弁31と排出口32を配置する。三方向弁31は、調整パネル26を経由して送り出されるマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤の流量を調整する。三方向弁31は、その把手を適宜操作することにより、マイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤の供給先を接続ホース33側あるいは排出口32側に調整できる。
【0062】
ノズル15は、マイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤を洗浄対象の排水管等の配管内に吐出する。ノズル用開閉バルブ16で吐出口の開閉を調整する。ノズル15は、先端にノズル用メッシュフィルター17を設けてもよく、これにより更に微細なマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤を生成できる。気泡は、より球体に近づくためさらに破裂し難く、固く、良質な泡となる。なお、ノズル用メッシュフィルター17は、前述のメッシュフィルター13と同様のものを用いる。
【0063】
以上に説明した本形態の泡洗浄装置1は、1Mpa以下のガス圧力のみを利用して、マイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤の生成とノズルへの搬送を行う。そのため、電動ポンプを用いた洗浄装置と比べて、洗浄作業時の騒音はほとんど無い。洗浄作業を静かに行えるので、住宅密集地や病院などのように騒音を気にする環境下での洗浄には最適である。
【0064】
図3を参照して、本形態の真空発生ポンプを更に具体的に説明する。
【0065】
真空発生ポンプ12は、本体部分に窒素ガスが流入される流入口121と、真空状態にして液状の洗浄剤を吸引する吸引口122と、窒素ガスおよび洗浄剤が流出される流出口123を設ける。
図2(A)に示すように、流入口121はガス搬送管20を介してガスボンベ10に接続され、吸引口122は薬液供給パイプ21を介して薬品タンク11に接続され、流出口123は泡搬送管14に接続される。
【0066】
図中白抜き矢印の如く、圧縮ガスが流入口121から流出口123に向けて流れることにより、真空発生ポンプ12内に真空状態が発生する。これにより、図中黒色矢印の如く、吸引口122から真空発生ポンプ12内に液状の洗浄剤が真空吸引され、流出口123に向けて流れる。なお、到達真空圧は最大で711mmHgであり、真空時の吸引流量は最大で30NL/分である。ここで、NL(ノルマルリットル)とは、大気圧1013hPa、温度0℃、湿度0%の基準状態で測定した値をいう。
【0067】
具体的には、ガスボンベは、15Mpaの高圧な窒素ガスを充填しているため、レギュレータを用いて1Mpa以下の中圧あるいは低圧の窒素ガスに減圧する。この圧縮された窒素ガスが50L/分の流量で流入口121から入り、真空状態を発生させる。薬品タンクの洗浄剤は、真空圧により、2.5L/分の流量で吸引口122から吸引される。なお、吸引される流量の調整には、流量調整バルブ25を用い、ここでは2.5L/分〜5.0L/分の流量に調整する。そして、窒素ガスと洗浄剤は50L/分程度で流出口123から流出する。この際、窒素ガスにより膨張するため、2.5Lの液状の洗浄剤はその体積を50Lに増やす。
【0068】
その後、窒素ガスで膨張された液状の洗浄剤は、メッシュフィルターを通過することにより、マイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤となる。マイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤は、50L/分程度の速さで生成される。
【0069】
図4及び
図5を参照して、本発明の泡洗浄装置1で生成されるマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤について説明する。
【0070】
図4(A)は市販の泡生成器で生成した直後の状態を示す写真であり、
図4(B)はその10分経過後の状態を示す写真である。
図5(A)は本発明の泡洗浄装置1で生成した直後の状態を示す写真であり、
図5(B)はその30分経過後の状態を示す写真であり、
図5(C)はその1時間経過後の状態を示す写真である。
【0071】
図4を参照して、市販の泡生成器とは、ポンプを上下に運動させ、容器内に保存された液体を吸上げて空気と混合し、メッシュを通過させて泡を噴出するものである。この方法で生成した直後の泡は、
図4(A)に示すように、大きさの異なる極めの粗い泡となる。一般に、生成される気泡は、0.1〜0.01mmの大きさが自然である。また、球体状ではなく不安定な泡のため破裂し易く、短時間で消滅する。そのため、
図4(B)に示すように、生成後10分も経過すると、ほぼ泡は消滅する。
【0072】
従って、一般的な泡生成器で生成した泡状の洗浄剤は、長時間、泡の状態を維持したまま排水管内に留めておくことが出来ないことが分かる。すなわち、薬品が排水管内の汚れに作用する時間は余りに短く、洗浄効果は期待できない。
【0073】
一方、
図5を参照して、本発明の泡洗浄装置1による生成直後のマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤は、
図5(A)に示すように、非常に極めが細かいことが分かる。
図4(A)のように大きな気泡がどこにも見当たらない。本発明では0.001mmの泡、すなわちマイクロサイズの泡を生成できる。また、不活性ガス(窒素ガスなど)を用いてマイクロサイズの泡を生成するため、洗浄剤の薬効を維持したまま生成できる。具体的には、塩素濃度3000ppmで、水素イオン濃度14度の薬品の成分を維持したマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤となる。
【0074】
また、一つ一つが略球体状で安定しているため、破裂し難い。そのため、
図5(B)に示すように、生成後30分経過してもほとんど泡は消滅せず、また
図5(C)に示すように、1時間経過しても半分以上も泡が残っている。このことからも、一般的な方法で生成される気泡と比較して、10倍以上も長い時間、泡の状態を保持できることが分かる。
【0075】
従って、本発明の泡洗浄装置1で生成されるマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤は、生成直後の泡の状態を長時間維持したまま、排水管内に留めておくことができる。また、泡が破裂し難いため、時間の経過により洗浄剤が排水管外へ流れ出すとしても、その量は僅かである。
【0076】
なお、前述したように、マイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤の温度を60〜80℃に温めた場合には、シャルルの法則の通りガスの体積を1.3倍程度増加させる。また、油などの汚れに薬効が浸透し、分解洗浄効果は高まる。
【0077】
次に、
図6を参照して、本発明の泡洗浄装置1を用いて排水管等の洗浄方法について説明する。
【0078】
図6(A)は一般住宅等の排水管の洗浄方法を説明する図であり、
図6(B)はアパートやマンション等の集合住宅の排水管の洗浄方法を説明する図である。
【0079】
本発明の泡洗浄方法は、ガスボンベに充填された不活性ガスを真空発生ポンプ内に流入させて真空状態にするとともに、薬品タンクに貯蔵された液状の洗浄剤を吸引する工程と、前記不活性ガスと前記洗浄剤をメッシュフィルターを通過させてマイクロサイズの泡状の洗浄剤を生成する工程と、前記マイクロサイズの泡状の洗浄剤を前記ガスボンベの圧力を利用して泡搬送管の先端に設けたノズルまで運ぶ工程と、前記ノズルから前記マイクロサイズの泡状の洗浄剤を吐出して排水管等の配管内に充填する工程と、所定時間経過した後に、水道水で前記配管内に充填した前記マイクロサイズの泡状の洗浄剤を放流する工程とを具備し、前記管内の付着物にマイクロサイズの泡状の洗浄剤を長時間汚れに反応させて除去するものである。
【0080】
ここでは、塩素濃度3000ppmで、水素イオン濃度14度の薬品を含む液状の洗浄剤を用いる。
【0081】
なお、本発明に依れば、短時間で多量のマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤を生成できるため、集合住宅や大口径の排水管であっても、短い作業時間で簡単に洗浄できる。
【0082】
具体的には、
図6(A)に示すように、一般住宅40の排水管は、ユニットバスの排水管44、洗濯機用の排水管45、洗面台の排水管46などが最終的には1本のメイン排水管47となるように配管される。生活排水は、各排水管44、45、46からメイン排水管47を経由して枡48へと流れ、下水道管49へと放流される。そのため、生活排水が流れる配管内壁面には、洗浄薬品液のヌメリや動植物性の油脂などの様々な汚れが付着堆積してスライムを形成する。
【0083】
まず、各排水口41、42、43にノズル15の先端を挿入し、生成したマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤を間欠的にまたは連続的に吐出し、排水管44、45、46内に注入する。マイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤は、ノズル15の先端部分から排水管の奥へと順に充填され、メイン排水管47内も充填される。なお、マイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤の充填される様子は
図7を参照して後述する。
【0084】
そして、排水管44、45、46、47内にマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤が充填された状態を、一定時間保つ。マイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤は微細な気泡で、かつ略球体状に形成されるので、排水管内で気泡が破裂して流れ出すことはなく、長時間留まることができる。従って、洗浄剤の薬品濃度は高い状態で長時間維持され、排水管内の有機系物質の汚れに反応して分解される。
【0085】
なお、ガスを温めるヒータ機能を有する加温器36を用いた場合には、マイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤は60〜80℃の高温状態で生成されるため、油などの汚れにより薬効が効果的に反応し、分解効果が上がる。
【0086】
そして、一定時間、例えば30分経過後に、蛇口から水道水を流して排水管内のマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤と汚れを一緒に洗い流す。排水管洗浄後の放流水は、枡48を経由して下水道管49へと放出される。
【0087】
なお、枡48内も汚れが溜まり易く、害虫が発生しやすい場所である。従って、枡の洗浄を行う場合は、枡の蓋を開けてノズル15を挿入し、マイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤を充填すればよい。同様に、一定時間経過後に、水を流して洗浄剤と汚れを洗い流す。
【0088】
一方、
図6(B)に示すように、集合住宅50の排水管は、各室51のメイン排水管が階毎に合流して排水本管52となり、縦排水管53を経由して枡54へと流れ、下水道管55へと放流される。なお、各室51のユニットバスなどの排水管は、
図6(A)に示す一般住宅と略同様であり、最終的には1本のメイン排水管となるように配管されている。
【0089】
集合住宅の場合も、一般住宅の場合と同様に、各室51の排水口にノズル15の先端を挿入してマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤を吐出し、排水管やメイン排水管に注入し、隙間なく充填する。この際、メイン排水管から押し出されたマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤は、排水本管52内に充填される。
【0090】
そして、排水管等にマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤が充填された状態を一定時間保ち、その後、各室の水道水を流して排水管内の洗浄剤と汚れを一緒に洗い流す。排水管洗浄後の放流水は、排水本管52、縦排水管53、枡54を経由して下水道管55へと放出される。
【0091】
続いて、薬品を下水道に放流する場合は、国の定める放流水基準を満たす濃度に希釈しなければならない。塩素濃度3000ppmで、水素イオン濃度14度の薬品を放流するには、水素イオン濃度5.8〜8.6度である。この放流水基準を満たす際に必要となる希釈水の量について具体的に説明する。
【0092】
市販の液体洗浄剤を用いて洗浄を行う場合は、一世帯当たりの排水管の洗浄に必要な薬品量は、約3〜5リットルである。この薬品量を下水道に放流するには、200倍程度の水、すなわち、薬品量が1リットルに対して200リットルの水で希釈しなければならない。従って、約3〜5リットルの薬品を希釈する場合には、600リットル〜1000リットル(1トン)の大量の水が必要となる。そのため、水源の確保が困難な場所では洗浄できない。
【0093】
これに対し、本発明のマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤は、前述のように、窒素ガスで液状の洗浄剤の体積を10〜20倍に膨張させるので、少ない薬品量で済む。そのため、一世帯当たりの排水管の洗浄に必要な薬品量は、200ml〜250ml程度である。これは市販の液体洗浄剤に比べて、わずか1/10〜1/20程度の薬品量である。
【0094】
その結果、薬品量が250mlの場合には50リットルの水で希釈すれば、国の定める放流水基準値の水素イオン濃度の5.8〜8.6度以内を満たす。従って、希釈に必要な水の量は、市販の液体洗浄剤に比べて1/20と大幅に低減される。なお、水道水は30L/分程度の流量のため、50リットルの場合はわずか2分弱で希釈できる。
【0095】
マイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤に含まれる窒素ガスは、泡の消滅とともに気体となり、放出される。また、希釈後の放流水は、水素イオン濃度が7.5〜8.0度程度の中性であり、残留塩素濃度が150ppm程度であるため、環境に与える影響も少ない。
【0096】
図7を参照して、本形態のマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤を充填する方法を具体的に説明する。
図7(A)は洗面台などのS字形状の排水管に充填される様子を説明する図であり、
図7(B)はメイン排水管に充填される様子を説明する図である。
【0097】
図7(A)を参照して、S字形状の排水管44、45を洗浄する。S字形状の排水管は、図中左上部の排水管は洗面台や洗濯機などの排水口42、43に、右下部の排水管はメイン排水管に繋がっている。排水口に挿入されたノズル15は、まずマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤18を吐出してノズル15の周辺部分を充填する。そして、一体となったマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤18を、吐出する圧力で排水管の奥へと押し込むように前進していく。
【0098】
一般的な洗浄方法として高圧洗浄やブラシなどの掃除で内壁面の付着物を除去する方法がある。しかし、S字形状の排水管の場合には物理的に届かない個所があり、付着物を完全に除去することは難しい。これに対し、本形態の洗浄方法では、ノズルの先端を排水口に挿入し、ガス圧だけでマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤を排水管に充填するため、S字形状やトラップを有する排水管などでもそれらの形状に左右されることなく、隙間なく充填できる。
【0099】
図7(B)を参照して、ユニットバスの排水管44や洗濯機の排水管45などが合流するメイン排水管47を洗浄する。ユニットバスなどの排水口に挿入されたノズル15は、
図7(A)と同様に、マイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤18を吐出する圧力で押し出すように前進し、排水管44、45を経由してメイン排水管47内にマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤18を充填していく。
【0100】
なお、一例として排水管等の配管の洗浄方法について説明したが、病院や飲食店などの床や厨房の洗浄にもマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤を用いて行うことができる。床や厨房のフード等を洗浄する場合には、床やフード等に直接マイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤18を吐出し、マイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤で覆う。そして、一定時間経過した後に、布などで拭き取ったり、チューブ等を使って水道水で洗浄剤と汚れを一緒に洗い流せばよい。なお、詳細は配管の洗浄方法と同様のため、省略する。
【0101】
また、洗浄対象に応じて、薬品を変更すれば洗浄に限らず、マイクロサイズの泡による消毒なども可能である。
【0102】
〔応用例1〕
図8を参照して、本形態の泡洗浄装置1を車両60に搭載する実施形態を説明する。
【0103】
車両60は、本発明の泡洗浄装置1のガスボンベ10と、薬品タンク11と、真空発生ポンプ12と、メッシュフィルター13と、泡搬送管14と、ノズル15とを主要に備える。
【0104】
また、ガスボンベ10と真空発生ポンプ12の間には、ガス搬送管20で連結される。ガス搬送管20には、ガスボンベの開閉バルブと、レギュレータ23を設ける。更に、真空発生ポンプ12とノズル15の間に、泡搬送管14内のガス圧を表示する圧力メータ27(
図2(A)参照)と、そのガス圧を調整する圧力調整バルブ28(
図2(A)参照)を備える調整パネル26を設ける。そして、泡搬送管14は、連結管30を介して接続ホース33に接続することで延長され、接続ホース33はホースリール34に巻回して収納される。接続ホース33の先端には、ノズル用連結部35(
図2(A)参照)を介してノズル15を接続される。なお、各構成要素の説明は
図2と同様のため、省略する。
【0105】
ガス搬送管20や泡搬送管14は、車両の壁面に固定される。また、ガスボンベ10や薬品タンク11は取り外し可能に、車両の荷台などの床上に固定される。なお、図示は省略するが、
図2(B)のように薬品タンク11には配管11a、バルブ11b、圧力メータ11cを設けてもよい。
【0106】
洗浄作業を行うときには、ホースリール34に収納された接続ホース33を洗浄現場まで延長し、ノズル15を排水口内に挿入して、マイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤を排水管内に吐出する。
【0107】
なお、マイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤の温度を60〜80℃に温めた場合には、加温器36を設ける。
【0108】
このように車両に搭載して用いることで、泡洗浄装置1を排水管の洗浄現場まで迅速かつ容易に移動させることができる。
【0109】
〔応用例2〕
図9を参照して、本形態の泡洗浄装置1をカート61に搭載する他の実施形態を説明する。
【0110】
カート61には、本発明の泡洗浄装置1のガスボンベ10と、薬品タンク11と、真空発生ポンプ12と、メッシュフィルター13と、泡搬送管14と、ノズル15とを主要に備える。
【0111】
また、ガスボンベ10と真空発生ポンプ12の間には、ガス搬送管20で連結される。ガス搬送管20にはレギュレータ23を設ける。更に、泡搬送管14は、連結管30(
図2(A)参照)を介して接続ホース33に接続することで延長され、接続ホース33はホースリール34に巻回して収納される。接続ホース33の先端には、ノズル用連結部35を介してノズル15を接続される。なお、各構成要素の説明は
図2(A)と同様のため、省略する。
【0112】
ガス搬送管20や泡搬送管14は、カートの支柱などに固定される。
【0113】
また、図示は省略するが、
図2(B)のように薬品タンク11には配管11a、バルブ11b、圧力メータ11cを設けてもよい。
【0114】
洗浄作業を行うときには、カート61を洗浄現場まで移動させる。そして、ホースリール34に収納された接続ホース33を延長してノズル15を排水口内に挿入し、マイクバブル状の洗浄剤を排水管内に吐出する。
【0115】
このように、カートに搭載して用いることで、車両では侵入できない住宅密集地などの狭所や、接続ホース33の長さを超える高層ビルやマンションなどの高所であっても、洗浄現場まで容易に泡洗浄装置を持ち込むことができる。
【0116】
また、車両にカートを常備すれば、いかなる所でも対応可能となる。カート61のガスボンベには、車両の大きいガスボンベから不活性ガスを注入して用いることが可能である。
【0117】
〔第2の実施形態〕
図10を参照して、本発明の第2の実施形態の泡洗浄装置1の構造を説明する。
【0118】
泡洗浄装置1は、ガスボンベ10と、薬品タンク11と、真空発生ポンプ12と、メッシュフィルター13と、泡搬送管14と、ノズル15とから構成される。なお、ガス搬送管70が二経路に分岐される以外は第1の実施形態と同様であるため、
図1と同じ符号を付しそれらの説明は省略する。
【0119】
以下に、第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0120】
ガス搬送管70は、ガスボンベ10と真空発生ポンプ12の間に配置され、ガスボンベの不活性ガスを送る管である。ガス搬送管には耐圧性のある金属製の管を用いる。ガス搬送管70は途中で二経路に分岐され、一の経路71は真空発生ポンプ12に連結され、他の経路72は薬品タンク11に連結される。これにより、ガスボンベの不活性ガスが薬品タンク11に流入される。
【0121】
図11を参照して、具体化した本発明の第2の実施形態の泡洗浄装置1を説明する。
図11(A)は具体化した泡洗浄装置1であり、
図11(B)はその薬品タンク11を説明する一部拡大図である。
【0122】
図11(A)を参照して、泡洗浄装置1は、ガスボンベ10と、薬品タンク11と、真空発生ポンプ12と、メッシュフィルター13と、泡搬送管14と、ノズル15とを備える。なお、ガス搬送管70が二経路に分岐される以外は第1の実施形態と同様であるため、
図2(A)と同じ符号を付しそれらの説明は省略する。
【0123】
また、
図11(B)のように、薬品タンク11には、配管11aとバルブ11bを設けてもよく、これにより、薬品タンク内に溜まった液状の洗浄剤を容易に排出することができ、さらに薬品タンク内に溜まったガスを開放し、容易に薬品タンク内のガスの圧力を減少させることができる。また、薬品タンク11には、薬品タンク内のガス圧を表示する圧力メータ11cを設けもよく、これにより、薬品タンク11内の圧力を容易に確認できる。
【0124】
以下に、第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0125】
ガス搬送管70は、加温器36と第1の逆止弁22の間で二経路に分岐される。ガス搬送管の一の経路71は真空発生ポンプ12の流入口121に連結され、他の経路72は薬品タンク11に連結される。
【0126】
ガス搬送管の他の経路72には、ガスの流量調整バルブ73と第3の逆止弁74を配置する。
【0127】
ガスの流量調整バルブ73は、ガスボンベ10からのガスの流量を一定に調整する。具体的には、ガスの圧力が0.1Mpa〜0.8Mpaの間でガスの流量を調整する。流量を変えることにより薬品タンク11内部のガスの圧力が調整され、薬品タンク11内の液状の洗浄剤の押圧を調整できる。
【0128】
第3の逆止弁74は、ノズル15の開閉バルブ16を閉にした場合や、ガスボンベ10の開閉バルブを閉にした場合に、窒素ガスの流れが止まり、その反動で薬品タンク11内の液状の洗浄剤が逆流してガスボンベ10に流入する恐れがあるため、逆流防止目的でガス搬送管の他の経路72に設けたものである。具体的には、1Mpa以上の耐圧性能を有する逆止弁を、ガスの流量調整バルブ73と薬品タンク11の間に設ける。
【0129】
薬品タンク11は、液状の洗浄剤を貯蔵するタンクであるが、ガス搬送管の他の経路72を介して窒素ガスが流入されるため、耐圧性のある金属製のタンクを用いる。なお、第1の実施形態と同様、
図11(B)のように薬品タンク11には配管11aとバルブ11bを設けることで、容易に、薬品タンク内に溜まった液状の洗浄剤の排出や、ガスを開放してガスの圧力を減少できる。また、薬品タンク11には圧力メータ11cを設けることで、薬品タンク内の圧力を容易に確認できる。
【0130】
以上のように、ガス搬送管70を分岐してガスボンベ10と真空発生ポンプ12あるいは薬品タンク11との間をそれぞれ接続することにより、ガスボンベから流入される不活性ガスを利用して薬品タンク11内を加圧し、その押圧を利用して簡単に薬品タンク11内の液状の洗浄剤を真空発生ポンプ12に向けて押し出すことができる。これにより、真空発生ポンプの吸引圧に加えて、薬品タンク内部からの押圧が働くため、液状の洗浄剤の吸引量が安定し、第1の実施形態よりも更に安定したムース状の洗浄剤を生成できる。
【0131】
なお、図示は省略するが、本発明の第2の実施形態も第1の実施形態と同様に、車両やカートに搭載して用いることが可能である。
【課題】 一般に、排水管の洗浄には高圧洗浄装置を用いる。しかし、高圧洗浄装置は電動ポンプと大量の水を必要とするため、電力や水源のない場所では利用できない。そこで、電動ポンプを用いないシンプルな洗浄装置およびそれを用いた洗浄方法を提供する。
【解決手段】 本発明の泡洗浄装置1は、真空発生ポンプ12にガスボンベ10のガスを流入させて真空状態にして薬品タンク11の液状の洗浄剤を吸引する。ガスを含んだ液状の洗浄剤は、メッシュフィルター13を通過してマイクロサイズの泡からなるムース状の洗浄剤18を生成し、ガスボンベ10の圧力を利用してノズル15まで運ばれ、吐出して排水管内に充填される。所定時間経過した後、水道水で排水管内の洗浄剤と汚れを洗い流す。これにより電動ポンプを用いないシンプルな泡洗浄装置と泡洗浄方法を提供できる。