特許第5666073号(P5666073)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5666073
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】カラーフィルター用の有機顔料
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/20 20060101AFI20150122BHJP
   C09B 45/14 20060101ALI20150122BHJP
   C09B 45/22 20060101ALI20150122BHJP
   C09B 67/22 20060101ALI20150122BHJP
【FI】
   G02B5/20 101
   C09B45/14 B
   C09B45/22
   C09B67/22 A
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2006-194684(P2006-194684)
(22)【出願日】2006年7月14日
(65)【公開番号】特開2007-25687(P2007-25687A)
(43)【公開日】2007年2月1日
【審査請求日】2009年6月1日
【審判番号】不服2013-20178(P2013-20178/J1)
【審判請求日】2013年10月17日
(31)【優先権主張番号】102005033581.0
(32)【優先日】2005年7月19日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】505422707
【氏名又は名称】ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ウルリヒ・フェルトヒュース
(72)【発明者】
【氏名】フランク・リンケ
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド・ゲーベル
(72)【発明者】
【氏名】ディルク・ピュッツェンロイター
(72)【発明者】
【氏名】ウド・ヘルマン
【合議体】
【審判長】 藤原 敬士
【審判官】 鉄 豊郎
【審判官】 清水 康司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−129152(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第1146087(EP,A1)
【文献】 特開2001−329184(JP,A)
【文献】 特開2001−354869(JP,A)
【文献】 特開2002−80744(JP,A)
【文献】 特開2000−119544(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/20 - 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶ディスプレイ向けカラーフィルター用の顔料としての、ゲスト化合物としてメラミンを含有する、式(I)
【化1】
またはその互変異性構造体および/またはその水和物の顔料の使用であって、前記顔料が250より大きいディスパージョン硬度および120〜180m/gのBET比表面積を有することを特徴とする使用。
【請求項2】
少なくとも1つの光硬化性モノマー、少なくとも1つの光開始剤および少なくとも1つの、請求項1に記載の使用において用いられるゲスト化合物としてメラミンを含有する顔料を含む、液晶ディスプレイ向けカラーフィルター用のフォトレジスト。
【請求項3】
少なくとも1つの、請求項1に記載の使用において用いられるゲスト化合物としてメラミンを含有する顔料が、バインダー樹脂および/または分散剤を添加して、有機溶媒中ですり砕かれ、次に光硬化性モノマー、光反応開始剤および、さらなるバインダーおよび/または溶媒を添加してフォトレジストに加工され、フォトレジストがその後基材に塗布され、フォトマスクを用いて露光され、そして次に硬化され、そしてカラーフィルターを製造するために現像されることを特徴とする液晶ディスプレイ向けカラーフィルターの製造方法。
【請求項4】
少なくとも1つの、請求項1に記載の使用において用いられるゲスト化合物としてメラミンを含有する顔料を含むカラーフィルター。
【請求項5】
少なくとも1つの、請求項に記載の製造方法で製造されたカラーフィルターを含む液晶ディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイ向けカラーフィルターを製造するための、ゲスト化合物としてメラミンを含有する式(I)の特殊なニッケル・アゾ顔料の使用に関し、ならびにまた前記顔料を含むカラーフィルターおよびそれらを含む液晶ディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
カラーフィルターは今日主に液晶ディスプレイおよびスクリーン、色解像度機器、ならびにセンサーに用いられる。公知の一例はパソコン上のフラットスクリーンである。色が付けられる方法においてだけでなく、黒だけでなく、原色赤、緑および青からの色要素パターンの発生においても異なるカラーフィルターを製造するための様々な方法がある。色は、例えば、可溶性染料もしくは顔料を用いて基層(例えばゼラチン)を着色すること(「染色法」、「染料分散法」)、顔料ペースト、顔料調合物もしくは顔料インクのスクリーン印刷、オフセット印刷もしくはインクジェット印刷、染料もしくは顔料をベースにするフォトレジストの電着によって、そしてまた、特に、ポリイミド樹脂中(「非感光性ポリイミド法」)か、フォトレジスト中(「感光性アクリル法」)かのどちらかに分散された顔料を使用する、顔料分散法を用いて付けられる。述べられた方法と関連して、印刷による色要素パターンの直接発生、およびそれらの間接的フォトリソグラフィック発生の両方が重要であり、前述の顔料分散法に関しては後者が特に重要である。「非感光性ポリイミド法」の形での顔料分散法の技法は、例えば、(特許文献1)に開示されている。
【0003】
フォトレジストに関連する顔料分散法のケースでは、色を与える顔料はUV硬化性フォトレジストの微細分散系中にある。フォトレジストは、顔料だけでなく、一般にバインダー樹脂、重合性モノマー、光開始剤および、場合により、溶媒成分よりなる。それは、例えば、先ずコンセントレートの形の顔料を溶媒、および、場合により、バインダー樹脂中に微細分散させ、塗布の直前に該分散系をモノマーおよび光開始剤ならびにまた任意のさらなる成分で共に調整することによって調製される。顔料入りフォトレジストは、例えばいわゆるスピンコーティング法を用いて基材、例えばガラスに一様に塗布され、予備乾燥され、フォトマスクを用いてUV露光され、一般に無機アルカリ性溶液を用いて所望の色要素パターンに現像され、そしてコーティングはきれいにされ、場合により後硬化させられる。この操作は各色について、すなわち例えば、赤色、緑色および青色の三色使用については一般に3回繰り返される。
【0004】
顔料分散法と併せて顔料の使用に付随する利点は、染料ベースのコーティング・システムと比べてカラーフィルターの改善された耐光性、耐湿性および耐熱性にある。一方、顔料をベースにするコーティングの透明性および色純度は、コーティング法に関係なく、依然として不満足である。特に混合物をフォトレジストで所望のカラーローカス値(Farbortwerte)まで見えなくするために異なる顔料が混合物に組み入れられる場合、輝度および透明性の望ましくないロスがあり、その結果としてディスプレイまたはスクリーン(LCD)の操作はエネルギーコストの増加を不可避的に伴う。
【0005】
(特許文献2)は、カラーフィルターでの使用のための特殊なアゾピラゾロンを記載している。
【0006】
(特許文献3)および(特許文献4)は、250>ディスパージョン硬度(Dispergierhaerte)(DIN53775に従って)を有するニッケル・アゾ顔料を権利請求している。それらの使用は、原則として、顔料のすべての最終用途について権利請求されている。とりわけ、印刷インク、水性ペイントまたはバインダーカラーを製造するための、合成、半合成または天然高分子物質の大量着色のための、ならびにテキスタイルおよび紙を印刷するためのそれらの使用に関連して250>ディスパージョン硬度を有するニッケル・アゾ顔料の利点は実施例で実証されている。
【0007】
(特許文献5)は、LCDでのカラーフィルター用のニッケル・アゾ顔料の使用およびそれらの製造方法を記載している。LCDでのカラーフィルターについて(特許文献5)で権利請求されているニッケル・アゾ顔料は原則として、それらのディスパージョン硬度に関していかなる制限も受けていない。(特許文献5)は好ましい250>のディスパージョン硬度範囲を権利請求している。
【0008】
黄−緑色成分は好ましくはCIピグメントグリーン36および黄色金属アゾ顔料からなる。他の色合いとの組合せについての改善された能力の目的のために、黄緑色成分は有利なことに高度に有色であり、かつ、透明である。この目的のために、黄色顔料は高度に有色であり、かつ、透明でなければならない。
【0009】
使用される黄色成分が本発明に従って用いられる顔料である場合、緑色合いの記載された特性は著しく改善できることが今分かった。
【特許文献1】特開平11−217514号公報
【特許文献2】欧州特許出願公開第A−947563号明細書
【特許文献3】EP 0994162
【特許文献4】DE 10328999
【特許文献5】米国特許第6,596,446号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、液晶ディスプレイ向けカラーフィルター用の顔料としての、ゲスト化合物としてメラミンを含有する、式(I)
【0011】
【化1】
またはその互変異性構造体および/またはその水和物の顔料の使用であって、前記顔料が250より大きいディスパージョン硬度を有することを特徴とする使用に関する。(本発明に従ってディスパージョン硬度はDIN53775に従って測定される。)
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
驚くべきことに、250より大きいディスパージョン硬度の前記顔料は驚くべきことに比較的高い透明性および色純度を示すことは明らかである。
【0013】
好ましい一実施形態では、本発明に従って使用される前記顔料は、ピグメントグリーン36顔料と共に使用される。
【0014】
総量を基準にして、顔料はゲスト化合物として10%〜100重量%のメラミンを好ましくはホストする。これは、適切な溶媒での洗浄によって除去することができない、かつ、元素分析から明らかであるメラミンの量である。前記の量より多いまたはそれ未満のメラミンを添加することもまた勿論可能であり、選択肢としていかなる過剰も洗い落とさないことは可能である。10%〜150重量%の量が好ましい。
【0015】
式(I)の1:1アゾ・バルビツール酸−ニッケル錯体、またはその互変異性体形の1つであって、ニッケルの1原子当たり2分子のメラミンを含む錯体が特に好ましい。本明細書との関連で、前記の顔料の水和物は同様に常に包含される。
【0016】
LCDでのカラーフィルター向けの使用について、好ましくは2.5〜3.5のpHで、特に2.7〜3.3のpHで熱処理される、かつ、メラミンを含む式(I)の1:1アゾ・バルビツール酸−ニッケル錯体が特に好ましい。改善された色強度は、0〜4の範囲の少なくとも2つのpH段階での熱処理を用いて達成することができる。
【0017】
本明細書の目的のためには、ゲスト化合物としてメラミンを含有し、かつ、ディスパージョン硬度>250(DIN53775に従って)を有する式(I)のアゾ化合物のニッケル錯体が本発明に従って使用される顔料として示される。ニッケル錯体顔料は好ましくはディスパージョン硬度>250および<1000、特にディスパージョン硬度>300および<500を有する。
【0018】
1000<のディスパージョン硬度は所望の透明性をもたらすが、それは塗布における技術的問題、特に顔料分散系の貯蔵安定性の低下につながることができ、当該理由のためにあまり好ましくない。
【0019】
ディスパージョン硬度はDIN53775、パート7に従って測定され、冷たいローリングの温度は25℃であり、熱いローリングのそれは150℃である。本明細書に報告されるディスパージョン硬度のすべては、この修正DIN仕様に従って測定された。
【0020】
顔料は120〜180m/g、特に130〜170m/g、より好ましくは140〜160m/g、非常に好ましくは150〜160m/gの比表面積を好ましくは有する。比較的高い比表面積および改善された再現性は、種結晶の使用によって、または顔料の製造中のポンプ送液循環の配備によって達成することができる。
【0021】
表面積は、DIN66131:ブルナウアー、エメットおよびテラー(Brunauer, Emmett and Teller)(B.E.T.)の方法でガス吸着による固体の比表面積の測定に従って測定される。
【0022】
熟練労働者にとって、ディスパージョン硬度>250を有する顔料の本発明に係る使用がカラーフィルターの製造で利点を有することは特に驚くべきである。
【0023】
これはすべて、EP 0994162およびDE 10328999に記載されている特殊なニッケル・アゾ顔料について、ニッケル・アゾ顔料のディスパージョン硬度が低くなる(好ましくは<200、特に<150)につれてそれらの権利請求の優先度が高くなるという事実から見れば驚くべきことである。
【0024】
ディスパージョン硬度<250(DIN53775に従って)を有する、EP 0994162およびDE 10328999に記載されている特殊なニッケル・アゾ顔料は既に貴重な顔料であり、非常に良好な加工特性を有するが、カラーフィルターで最適な透明性を達成しない。
【0025】
本発明のニッケル・アゾ顔料は、アゾ・バルビツール酸のNa、Liまたは、特にK塩などの、アルカリ金属塩を水性システムで任意の順序でメラミンおよびニッケル塩と好ましくは反応させ、次に好ましくは2.5〜3.5の、特に2.7〜3.3のpHで反応生成物に熱処理することによって製造することができる。熱処理条件、特に(pH,温度および継続時間)の選択によって、熟練労働者に公知のやり方で、所望の範囲のディスパージョン硬度をセットすることは可能である。熱処理条件は、合成で最初に形成された材料のディスパージョン硬度に有利にも適合させられる。
【0026】
液晶ディスプレイ向けカラーフィルターを製造するための、上記顔料の本発明に係る使用、または本発明の顔料調合物のそれは、フォトレジスト法を包含する顔料分散法の例に関連して以下に記載されるであろう。
【0027】
カラーフィルターを製造するための本発明の顔料調合物の本発明に係る使用は、例えば、場合によりバインダー樹脂入りおよび有機溶媒入り、場合により添加分散剤入りの「顔料」または顔料調合物、特に固体顔料調合物が均質化され、次に99.5%<1000nm、好ましくは95%<500nm、特に90%<200nmの数による粒度(電子顕微鏡測定)まで連続または回分式の湿式粉砕にかけられることを特徴とする。好適な湿式粉砕方法には、例えば、撹拌機または溶解機分散、撹拌ボアミルもしくはビーズミル、混練機、ロールミルを用いてのすり砕き、高圧均質化または超音波分散が含まれる。
【0028】
分散処理に、少なくとも1つの光硬化性モノマーおよび光開始剤の添加が同伴する、または続く。分散後に、さらなるバインダー樹脂、溶媒または通例のフォトレジスト補助剤が所望の感光性コーティング調合物(フォトレジスト)に必要であるように導入されてもよい。本発明の目的のためには、フォトレジストは、前記の顔料に加えて少なくとも1つの光硬化性モノマーおよび光開始剤を含む調合物である。
【0029】
有用な分散剤には、例えばポリカルボン酸もしくはポリスルホン酸、およびまたポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドブロック共重合体をベースにする、高分子イオン性または非イオン性分散剤などの、一般に商業的に入手可能な分散剤が含まれる。有機染料の誘導体もまた、さらに、分散剤または共分散剤として使用することができる。
【0030】
カラーフィルターの製造は、それ故、調合物を基準にして、
− 本明細書の目的で本発明の顔料と言われる、ゲスト化合物としてメラミンを含有する、かつ、ディスパージョン硬度>250を有する少なくとも1つの式(I)のニッケル塩、
− 場合によりバインダー樹脂、
− 少なくとも1つの有機溶媒、および
− 場合により分散剤
を含む「調合物」をもたらす。
【0031】
好ましい一実施形態では、調合物は下記(調合物を基準とする量)を含有する:
1%〜50重量%の上に定義されるような顔料、
0%〜20重量%のバインダー樹脂、
0%〜20重量%の分散剤、
10%〜94重量%の有機溶媒。
【0032】
着色した画像要素パターンを生み出すためのプレート上へのフォトレジストのコーティングは、直接塗布か間接塗布かのどちらかによって実施することができる。言及されてもよい塗布方法の例には、ローラーコーティング、スピンコーティング、吹き付けコーティング、浸漬コーティングおよびナイフコーティングが挙げられる。
【0033】
好適なプレートの例には、用途に依存して、次のもの:白または青ガラス板、シリケート被覆青ガラス板などの透明なガラス、例えばポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂または塩化ビニル樹脂をベースにする合成樹脂板または合成樹脂フィルム、およびさらにアルミニウム、銅、ニッケルまたはスチールをベースにする金属プレート、およびまた光電トランスファーエレメント付きセラミック板または半導体板が挙げられる。
【0034】
塗布は、得られる感光性層が0.1〜10μm厚さであるようなやり方で一般に達成される。
【0035】
塗布の後に層の熱乾燥が続いてもよい。
【0036】
露光は、フォトマスクを用いて、好ましくは、画像パターンの形で感光性層を活性光ビームに露光させることによって好ましくは行われる。これは露光区域で層を硬化させる。好適な光源の例には、次のもの:高圧および超高圧水銀蒸気ランプ、キセノンランプ、ハロゲン化金属ランプ、蛍光ランプ、および可視域レーザービームが挙げられる。
【0037】
露光後の現像は、コーティングの非露光部を除去して、色要素の所望の画像パターン形を与える。通例の現像方法には、水性のアルカリ性現像液または、例えば、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム、メタケイ酸ナトリウムなどの無機アルカリまたはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミンもしくはそれらの塩などの有機塩基を含有する有機溶媒の吹き付けもしくはそれらへの浸漬が含まれる。
【0038】
現像の後に一般に画像パターンの熱後乾燥/硬化が続く。
【0039】
さらなる顔料:
上に定義されたような「顔料」の使用は好ましくは、それらがカラーフィルターまたは顔料調合物またはカラーフィルター製造において単独でまたは「他の顔料」との混合で用いられることを特徴とする。
【0040】
「他の顔料」とは、式(I)のアゾ化合物の他の金属塩またはそれをベースにする顔料調合物だけでなく、他の有機顔料をも意味する。
【0041】
任意使用のための他の顔料の選択に関して、本発明はいかなる制限も課さない。有機および無機の両顔料が適切である。
【0042】
好ましい有機顔料は、例えば、モノアゾ、ジアゾ、レーキ化アゾ、β−ナフトール、ナフトールAS、ベンゾイミダゾロン、ジアゾ縮合、アゾ金属錯体、イソインドリンおよびイソインドリノン・シリーズ、およびまた、例えば、フタロシアニン、キナクリドン、ペリレン、ペリノン、チオインジゴ、アントラキノン、ジオキサジン、キノフタロンおよびジケトピロロピロール・シリーズからのものなどの多環顔料である。さらに、スルホン酸またはカルボン酸基を含有する染料のCa、MgおよびAlレーキなどのレーキ化染料。
【0043】
任意使用のための他の有機顔料の例は、
色指数顔料(Colour Index Pigment)イエロー 12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、94、109、110、117、125、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、185
の黄色顔料、または
色指数顔料オレンジ 13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、72、73、または
色指数顔料レッド 9、97、122、123、144、149、166、168、177、180、192、215、216、224、254、272、または
色指数ピグメントグリーン 7、10、36、37、45、または
色指数ピグメントブルー 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、および
色指数ピグメントバイオレット 19、23である。
【0044】
「他の顔料」がさらに使用される場合、上に定義されたような「顔料」の率は、すべての顔料の使用総量を基準にして好ましく1〜99重量%、特に20〜80重量%である。
【0045】
本発明の顔料調合物、および20%〜80%「顔料」対80%〜20%C.I.ピグメントグリーン36、好ましくは40%〜60%対60%〜40%の割合で、上に定義されたような「顔料」とC.I.ピグメントグリーン36とを含む調製物が特に好ましい。
【0046】
カラーフィルターでまたは、例えば、顔料分散法によるカラーフィルターを製造するための調製物で「顔料」またはそれをベースにする顔料調合物と共に使用することができるバインダー樹脂として、本発明は何の特別な制限も課さず、通常のフィルム形成樹脂がカラーフィルターでの適用に特に好適である。
【0047】
一例として、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、ポリアミド−イミド、ポリイミド、特開平11−217514号公報に開示されている式(14)のものなどのポリイミド前駆体およびそのエステル化生成物が好適である。
【0048】
それらの例には、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応生成物が挙げられる。
【0049】
好適なバインダー樹脂にはまた、光重合性の不飽和バインダーを含有するものが含まれる。バインダー樹脂は例えばアクリル樹脂の群からの樹脂であってもよい。(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、スチレンおよびスチレン誘導体などの重合性モノマーのホモポリマーおよび共重合体、ならびにさらに(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、特に1〜12個の炭素原子のアルキル基のマレイン酸モノアルキルエステルなどのカルボキシルを持つ重合性モノマーと、(メタ)アクリル酸、スチレンおよび例えば、α−メチルスチレン、m−もしくはp−メトキシスチレン、p−ヒドロキシスチレンなどのスチレン誘導体などの重合性モノマーとの共重合体について特に言及されてもよい。述べられてもよい例は、カルボキシル含有高分子化合物と、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、アクリルグリシジルエーテルおよびイタコン酸モノアルキルグリシジルエーテルなどのような各ケースで1つのオキシラン環およびエチレン系不飽和結合を含有する化合物との反応生成物、ならびにまたカルボキシル含有高分子化合物と、アリルアルコール、2−ブテン−4−オール、オレイルアルコール、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、N−メチロールアクリルアミドなどのような、1つのヒドロキシル基およびエチレン系不飽和結合を含有する化合物(不飽和アルコール)との反応生成物である。
【0050】
この種のバインダー樹脂は、遊離のイソシアネート基を有する不飽和化合物をさらに含んでもよい。
【0051】
一般に、前記バインダー樹脂の不飽和当量(不飽和結合当たりのバインダー樹脂のモル重量)は、十分な光重合性だけでなくフィルム硬度も与えるために、200〜3000、特に230〜1000である。酸価は、フィルムの露光後の十分なアルカリ現像性を与えるために、一般に20〜300、特に40〜200である。
【0052】
使用されることになるバインダー樹脂の平均分子量は、1500〜200000、特に10000〜50000g/モルである。
【0053】
カラーフィルター用の顔料調合物の本発明に係る使用との関連で使用される有機溶媒は、例えば、ケトン、アルキレングリコールエーテル、アルコールおよび芳香族化合物である。例は、ケトンの群からのアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなど、アルキレングリコールエーテルの群からのメチルセロソルブ(エチレングリコールモノメチルエーテル)、ブチルセロソルブ(エチレングリコールモノブチルエーテル)、酢酸メチルセロソルブ、酢酸エチルセロソルブ、酢酸ブチルセロソルブ、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールプロピルエーテル、酢酸ジエチレングリコールイソプロピルエーテル、酢酸ジエチレングリコールブチルエーテル、酢酸ジエチレングリコール第三ブチルエーテル、酢酸トリエチレングリコールメチルエーテル、酢酸トリエチレングリコールエチルエーテル、酢酸トリエチレングリコールプロピルエーテル、酢酸トリエチレングリコールイソプロピルエーテル、酢酸トリエチレングリコールブチルエーテル、酢酸トリエチレングリコール第三ブチルエーテルなど、アルコールの群からのメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、3−メチル−3−メトキシブタノールなど、および、芳香族溶媒の群からのベンゼン、トルエン、キシレン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシメチルピロリドン−2−酢酸エチルなどである。
【0054】
さらなる他の溶媒は、1,2−プロパンジオールジアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、酢酸エチル、テトラヒドロフランなどである。溶媒は個々にまたは互いとの混合で使用することができる。
【0055】
本発明は、上に定義されたような少なくとも1つの顔料または本発明の少なくとも1つの顔料調合物ならびに少なくとも1つの光硬化性モノマーおよびまた少なくとも1つの光開始剤を含むフォトレジストをさらに提供する。
【0056】
光硬化性モノマーは、分子中に少なくとも1つの反応性二重結合および場合により他の反応性基を含有する。
【0057】
光硬化性モノマーはこれに関連して、例えば、モノ−、ジ−、トリ−および多官能性アクリレートおよびメタクリレート、ビニルエーテル、およびグリシジルエーテルの群からの、特に、反応性溶媒または反応性希釈剤と呼ばれるものであると解釈されてもよい。さらに存在する好適な反応性基には、アリル、ヒドロキシル、ホスフェート、ウレタン、第二級アミンおよびN−アルコキシメチル基が含まれる。
【0058】
この種のモノマーは当業者に公知であり、例えば[Roempp Lexikon,Lacke und Druckfarben,Dr.Ulrich Zorll,Thieme Verlag Stuttgart−New York,1998,491/492ページ]にリストされている。
【0059】
モノマーの選択は、使用される露光放射線の性質および強度、光開始剤との所望の反応、ならびにフィルム特性によって具体的には導かれる。モノマーの組合せもまた使用することができる。
【0060】
光反応開始剤または光開始剤は、可視または紫外放射線の吸収によって例えば、前述のモノマーおよび/またはバインダー樹脂の一部に重合反応を誘発することができる反応性中間体を形成する化合物であると理解されてもよい。光反応開始剤も同様に一般知識であり、[Roempp Lexikon,Lacke und Druckfarben,Dr.Ulrich Zorll,Thieme Verlag Stuttgart−New York,1998,445/446ページ]から同様に選んでもよい。
【0061】
本発明は、用いられることになる光硬化性モノマーまたは光開始剤に関して何の制限も課さない。
【0062】
本発明は好ましくは、
A)特に他の顔料、好ましくはC.I.ピグメントグリーン36との混合で、上に定義されたような少なくとも1つの「顔料」またはそれをベースにする本発明の顔料調合物、
B1)少なくとも1つの光硬化性モノマー、
B2)少なくとも1つの光開始剤、
C1)場合により有機溶媒、
D)場合により分散剤、
E)場合によりバインダー樹脂、
および場合によりさらなる添加物
を含むフォトレジストを提供する。
【0063】
本発明はまた、本発明に従った使用のための固体顔料調合物または顔料をベースにして着色した画像要素パターンを生み出すための技術に関して何の制限も課さない。上記のフォトリソグラフ法に加えて、オフセット印刷、蝕刻またはインクジェット印刷のような他の方法もまた好適である。好適なバインダー樹脂および溶媒または顔料媒体の、ならびにさらなる添加物の選択は、特定の方法に合わせられるべきである。サーマルだけでなくメカニカルおよびピエゾメカニカルインクジェット印刷を包含するインクジェット法のケースでは、顔料および場合によりバインダー樹脂に好適な媒体には、純有機媒体だけでなく水性有機媒体も含まれ、水性有機媒体が実際には好ましい。
[実施例]
【0064】
実施例1の製造 本発明に係るものではない顔料
1モルのジアゾバルビツール酸を8リットルの90℃熱水中で1モルのバルビツール酸とKOH滴定下にpH5で反応させる。2モルのメラミンを加える。pHを塩酸で5にセットする。1モルの40%濃度塩化ニッケル溶液を滴加する。90℃で1時間後に、pHをKOHで5にセットする。pHをその後塩酸で2.0にセットし、熱処理を98℃で4時間実施する。その後pHをKOHで5にセットする。その後顔料を吸引濾紙上で単離し、洗浄し、減圧乾燥オーブン中80℃で乾燥させ、標準実験室ミルで約2分間すり砕く。
【0065】
ディスパージョン硬度:220 BET:120m/g
【0066】
実施例2の製造 本発明に係る顔料
1モルのジアゾバルビツール酸を8リットルの90℃熱水中で1モルのバルビツール酸とKOH滴定下にpH5で反応させる。2モルのメラミンを加える。pHを塩酸で5にセットする。1モルの40%濃度塩化ニッケル溶液を滴加する。90℃で1時間後に、pHをKOHで5にセットする。pHをその後塩酸で3.2にセットし、熱処理を98℃で8時間実施する。その後pHをKOHで5にセットする。その後顔料を吸引濾紙上で単離し、洗浄し、減圧乾燥オーブン中80℃で乾燥させ、標準実験室ミルで約2分間すり砕く。
【0067】
ディスパージョン硬度:490 BET:159m/g
【0068】
実施例3の製造 本発明に係る顔料
1モルのジアゾバルビツール酸を8リットルの90℃熱水中で1モルのバルビツール酸とKOH滴定下にpH5で反応させる。2モルのメラミンを加える。pHを塩酸で5にセットする。1モルの40%濃度塩化ニッケル溶液を滴加する。90℃で1時間後に、pHをKOHで5にセットする。pHをその後塩酸で3.0にセットし、熱処理を98℃で8時間実施する。その後pHをKOHで5にセットする。その後顔料を吸引濾紙上で単離し、洗浄し、減圧乾燥オーブン中80℃で乾燥させ、標準実験室ミルで約2分間すり砕く。
【0069】
ディスパージョン硬度:420 BET:155m/g
【0070】
実施例4の製造 本発明に係る顔料
1モルのジアゾバルビツール酸を8リットルの90℃熱水中で1モルのバルビツール酸とKOH滴定下にpH5で反応させる。2モルのメラミンを加える。pHを塩酸で5にセットする。1モルの40%濃度塩化ニッケル溶液を滴加する。90℃で1時間後に、pHをKOHで5にセットする。pHをその後塩酸で3.0にセットし、熱処理を98℃で12時間実施する。その後pHをKOHで5にセットする。その後顔料を吸引濾紙上で単離し、洗浄し、減圧乾燥オーブン中80℃で乾燥させ、標準実験室ミルで約2分間すり砕く。
【0071】
ディスパージョン硬度:390 BET:152m/g
【0072】
使用実施例1〜4
黄色調合物の調製および黄色カラーフィルターを製造するための使用
撹拌容器中で774重量部の酢酸メトキシブチルと286重量部の酢酸メトキシプロピル中のメタクリル酸ベンジル(70部)/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(15部)/メタクリル酸(15部)をベースにするアルカリ可溶性共重合体(バインダー樹脂)、分子量約25000g/モルの21%濃度溶液とを均質に混合する。
【0073】
引き続いて、1重量%未満の残留含水率まで前もって70℃で乾燥させた、製造実施例からの100重量部の顔料を均質に導入する。
【0074】
この顔料懸濁液を、150nm未満の有効な粒子直径(酢酸メトキシプロピル中の約0.5重量%希釈物についてレーザー散乱光相関分光法で測定して)が0.14未満の多分散性と併せて得られるまで、イットリウム安定化酸化ジルコニウムビーズ(直径0.6〜1.0mm)を用いる水平の密封ビーズミルで、数回通過ですり砕く。(比較のために、酢酸メトキシプロピル中の1%希釈の乾燥フィルムは、100nmより下の粒子の数95%で、非常に狭い粒度分布を有すると電子顕微鏡下で観察される。)
【0075】
得られた調合物は十分な貯蔵安定性を示す。製造実施例1〜4を用いる使用実施例1〜4は、顔料分散法によってカラーフィルター用のフォトレジストの製造に非常に好適である。
【0076】
フォトレジストの製造
34.5重量部のトリメチロールプロパントリアクリレート(モノマー反応性希釈剤)と3/1重量部比のベンゾフェノンおよびN,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノンをベースにする13.8重量部の光反応開始剤とを、1000重量部の得られた調合物中へ撹拌しながら均質に導入する。
【0077】
これはUV硬化性フォトレジストを与え、それを透明な基材に塗布し、現像してカラーフィルターを与える。
【0078】
この目的のために、フォトレジストを、きれいにしたホウケイ酸ガラス(コーニング(Corning)(登録商標)7059、オーエンス・コーニング社(Owens Corning Corp.))の300×350mmであるセクション上へスピンコートし、きれいな条件下オーブン中110℃で5分間乾燥させて約1.5〜2μm厚さのフィルムを与える。
【0079】
フィルムは、冷却後、次に、所望のストライプ画像パターンを得るためにネガマスクを用いて、超高圧水銀蒸気ランプで200mJ/cmの線量でUV露光させ、次に室温で0.06%濃度水酸化カリウム水溶液を用いて現像し、十分に脱塩した水できれいにし、そして乾燥させた。これに、きれいな条件下オーブン中235℃で30分の後硬化が続いた。
【0080】
製造実施例2、3および4をベースにした使用実施例2、3および4に従って製造した、このように得ることができる、本発明の黄色カラーフィルター2、3および4は、製造実施例1をベースにした使用実施例に従って製造した、本発明に係るものではないカラーフィルター1と比較して著しく改善されたスペクトル透明性を有する。カラーフィルター2、3および4の色純度および輝度は優れている。
【0081】
使用実施例5
緑色調合物の調製および緑色カラーフィルターを製造するための使用
使用実施例2に記載されるものと同じ方法で、しかし実施例2により製造した100重量部の乾燥顔料の代わりに製造実施例2からの40重量部の顔料と60重量部の緑色有機顔料ヘリオゲン(Heliogen)(登録商標)グリーンL9361(ピグメントグリーン36、バスフ株式会社(BASF AG))とを使用して、高レベルの微細分配および十分な長期安定性を特徴とする、かつ、カラーフィルター用の緑フォトレジストの製造に非常に好適である調合物を調製する。
【0082】
使用実施例2に記載したように調製したフォトレジスト、およびそれを使用して製造した、緑色の縞模様カラーフィルターは、非常に良好なスペクトル透明性およびまた優れた色純度および輝度を有する。