(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5666112
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】接合された中心支柱を備えた偏向可能なカテーテルおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
A61B 18/12 20060101AFI20150122BHJP
【FI】
A61B17/39 310
【請求項の数】19
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2009-206700(P2009-206700)
(22)【出願日】2009年9月8日
(65)【公開番号】特開2010-63886(P2010-63886A)
(43)【公開日】2010年3月25日
【審査請求日】2012年7月5日
(31)【優先権主張番号】12/207,130
(32)【優先日】2008年9月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508080229
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】デビー・グルネワルド
(72)【発明者】
【氏名】イルマ・ヒル
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・バイノ・セルキー
【審査官】
森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】
特許第3450325(JP,B2)
【文献】
米国特許第05782828(US,A)
【文献】
特表平05−507212(JP,A)
【文献】
特開2008−178668(JP,A)
【文献】
特開2006−325916(JP,A)
【文献】
特開2010−063887(JP,A)
【文献】
特表平05−505740(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/085470(WO,A1)
【文献】
米国特許第06585718(US,B1)
【文献】
特開2006−255401(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 13/00 − 18/28
A61M 25/00 − 25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脈管内で使用するためのカテーテルにおいて、
細長い管状部材であって、近位端および遠位端を有し、前記管状部材内に配された第1内腔を有する、細長い管状部材と、
前記管状部材の前記遠位端に配された先端電極と、
中心支柱であって、前記先端電極の近位端の近傍から、前記細長い管状部材の偏向可能な遠位部分の中を延び、第1長さ方向エッジおよび第2長さ方向エッジを有する、中心支柱と、
を具備し、
前記中心支柱は、前記中心支柱および前記細長い管状部材から非分離の複合構造を作り出すために、前記第1長さ方向エッジおよび前記第2長さ方向エッジのみの全長に沿って、前記細長い管状部材に接合されており、
前記先端電極の近位端部分を受容するように構成された、成型されたカップリングをさらに具備し、
前記中心支柱の遠位端は、少なくとも1つのスナップフィット式ノッチを具備し、前記成型されたカップリングは、前記スナップフィット式ノッチを受容するように構成された少なくとも1つのスナップフィット式ウェッジをさらに具備する、カテーテル。
【請求項2】
請求項1に記載のカテーテルにおいて、
前記中心支柱は、前記細長い管状部材に、その全長に沿って熱接合された、カテーテル。
【請求項3】
請求項1に記載のカテーテルにおいて、
引張ワイヤであって、近位端および遠位端を有し、前記細長い管状部材の前記偏向可能な遠位部分を偏向させるための、引張ワイヤ、
をさらに具備し、
前記引張ワイヤの前記近位端は、前記カテーテルの遠位端で制御ハンドルに取り付けられている、カテーテル。
【請求項4】
請求項3に記載のカテーテルにおいて、
前記引張ワイヤの前記遠位端は、前記先端電極に取り付けられている、カテーテル。
【請求項5】
請求項1に記載のカテーテルにおいて、
近位端および遠位端を有する第1引張ワイヤと、
近位端および遠位端を有する第2引張ワイヤと、
をさらに具備し、
前記第1および第2引張ワイヤの前記近位端は、制御ハンドルに取り付けられ、前記第1引張ワイヤの前記遠位端は、前記中心支柱の第1面に取り付けられ、前記第2引張ワイヤの前記遠位端は、前記中心支柱の第2面に取り付けられている、カテーテル。
【請求項6】
請求項5に記載のカテーテルにおいて、
前記中心支柱は、前記第1および第2引張ワイヤの前記遠位端を取り付けるための少なくとも1つのアンカー孔を具備する、カテーテル。
【請求項7】
請求項5に記載のカテーテルにおいて、
前記中心支柱は、前記第1および第2引張ワイヤの前記遠位端を取り付けるために、前記中心支柱の長さに沿って長さ方向に離隔された、複数のアンカー孔を具備する、カテーテル。
【請求項8】
請求項7に記載のカテーテルにおいて、
前記複数のアンカー孔は、隣接するアンカー孔から0.078インチ(1.981mm)だけ離隔されている、カテーテル。
【請求項9】
請求項7に記載のカテーテルにおいて、
前記アンカー孔は、直径が0.015インチ(0.381mm)である、カテーテル。
【請求項10】
請求項1に記載のカテーテルにおいて、
近位端および遠位端を有する第1引張ワイヤと、
近位端および遠位端を有する第2引張ワイヤと、
をさらに具備し、
前記第1および第2引張ワイヤの前記近位端は、制御ハンドルに取り付けられ、前記第1および第2引張ワイヤの前記遠位端は、前記先端電極に取り付けられている、カテーテル。
【請求項11】
請求項10に記載のカテーテルにおいて、
前記先端電極は、中空部分および栓部から構成され、前記第1および第2引張ワイヤの前記遠位端は、前記中空部分への挿入前に、前記栓部に取り付けられる、カテーテル。
【請求項12】
請求項1に記載のカテーテルにおいて、
温度センサーをさらに具備する、カテーテル。
【請求項13】
請求項1に記載のカテーテルにおいて、
位置センサーをさらに具備する、カテーテル。
【請求項14】
請求項1に記載のカテーテルにおいて、
前記先端電極は、灌注ポートを有し、
前記カテーテルは、前記灌注ポートと連絡している灌注内腔をさらに具備する、カテーテル。
【請求項15】
請求項1に記載のカテーテルにおいて、
近位端および遠位端を有する第1引張ワイヤと、
近位端および遠位端を有する第2引張ワイヤと、
をさらに具備し、
前記第1および第2引張ワイヤの前記近位端は、制御ハンドルに取り付けられ、前記第1および第2引張ワイヤの前記遠位端は、前記中心支柱に取り付けられて、前記管状部材内の前記第1内腔および第2内腔に通されている、カテーテル。
【請求項16】
請求項1に記載のカテーテルにおいて、
前記管状部材は、内層、編組層、および外層を有し、
前記中心支柱の前記第1長さ方向エッジおよび前記第2長さ方向エッジは、前記内層に熱接合されている、カテーテル。
【請求項17】
請求項1に記載のカテーテルにおいて、
前記中心支柱は、前記管状部材との接合を改善するために、前記第1長さ方向エッジおよび前記第2長さ方向エッジに沿って粗くされた、カテーテル。
【請求項18】
請求項1に記載のカテーテルにおいて、
前記成型されたカップリングは、前記中心支柱の遠位部分の、前記第1長さ方向エッジまたは前記第2長さ方向エッジの少なくとも一方を受容するように構成された少なくとも1つのスロットをさらに具備する、カテーテル。
【請求項19】
脈管内で使用するためのカテーテルにおいて、
細長い管状部材であって、近位端および遠位端を有し、前記管状部材内に配された第1内腔を有する、細長い管状部材と、
前記管状部材の前記遠位端に配された先端電極と、
中心支柱であって、前記先端電極の近位端の近傍から、前記細長い管状部材の偏向可能な遠位部分の中を延び、第1長さ方向エッジおよび第2長さ方向エッジを有する、中心支柱と、
成型されたカップリングであって、前記先端電極の前記近位端の一部分を受容するように構成された遠位部分を有し、前記中心支柱の前記第1長さ方向エッジまたは前記第2長さ方向エッジのうちの少なくとも一方を受容するように構成された少なくとも1つのスロットを有する近位部分を有する、成型されたカップリングと、
を具備し、
前記中心支柱は、前記中心支柱と前記細長い管状部材との非分離の複合構造を作り出すために、前記第1長さ方向エッジおよび前記第2長さ方向エッジのみの全長に沿って、前記細長い管状部材に接合されており、
前記中心支柱の遠位端は、少なくとも1つのスナップフィット式ノッチを具備し、前記成型されたカップリングは、前記スナップフィット式ノッチを受容するように構成された少なくとも1つのスナップフィット式ウェッジをさらに具備する、カテーテル。
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、組織のマッピング、および/または、高周波(RF)もしくは他のエネルギー源を使用する組織のアブレーションなど、患者を診断または治療する目的のため、患者の脈管内において使用するための医療装置に関する。本発明は、より詳細には偏向可能なカテーテル(a deflectable catheter)に関し、この偏向可能なカテーテルは、非分離の複合先端構造を定めるようカテーテル先端部の偏向部分に接合された中心支柱を有し、この非分離の複合先端構造は、カテーテル先端部の開口内部体積およびカテーテル先端部のねじれ剛性を最大にすると同時に、カテーテル先端部の外径を最小にし、かつ先端部の均一面内偏向(uniform on-plane tip deflection)を与える。本発明は、この医療装置を作る方法も含む。
【0002】
〔発明の背景〕
ヒトおよび他の哺乳類における多くの病的な医学的状態は、いくつかの異なる体腔を定める内層または壁部に沿った疾患および他の異常と結びつけて考えられてきた。体腔のそのような病的状態を治療するために、医療装置技術は、可能なかぎり最小の侵襲性の手段を使用して体腔に様々な療法を届けるように適応した。
【0003】
本明細書で使用される用語「体腔(body space)」は、その派生語も含め、組織壁によって少なくとも部分的に定められた身体内部のいかなる空洞をも意味することを意図される。例えば、心房室、子宮、胃腸系領域、および動脈または静脈血管は全て、意図される意味の範囲内の体腔の例証的な例とみなされる。
【0004】
用語「脈管」は、その派生語も含め、本明細書において、ある長さに沿って管状組織壁によって取り囲まれ、かつ、2つの端部の各々が体腔の外側と連絡している少なくとも1つの開口部で終端している、任意の体腔を意味することを意図される。例えば、大腸および小腸、精管、気管、ならびにファロピウス管は全て、意図される意味の範囲内の脈管の例証的な例である。血管もまた、本明細書において脈管とみなされ、血管の分枝部位の間の血管の樹枝状分岐の領域も含まれる。より詳細には、肺静脈が、意図される意味の範囲内の脈管であり、肺静脈の小孔を定める壁部組織は典型的には独特の先細になった管腔形状を示しているが、左心室壁に沿った小孔の分岐部分の間の肺静脈の領域も含まれる。
【0005】
低侵襲的方法での体腔治療の一手段は、内臓、および体腔内部の脈管に達するためのカテーテルの使用によるものである。電極カテーテルまたは電気生理(EP)カテーテルが、長年、医療行為において一般的に使用されてきた。それらカテーテルは、心臓内での電気的活動を刺激したりマッピングしたりするため、および異常な電気的活動の部位をアブレーションするために、使用される。使用にあたって、電極カテーテルは、アブレーション処置を行なうために、主要な静脈または動脈、例えば大腿動脈に挿入され、それから懸念される心室の中へガイドされる。
【0006】
操縦可能カテーテル(Steerable catheters)は、一般に周知である。例えば、米国特許第RE34,502号は、遠位端にピストン・チャンバーを有するハウジングを具備する制御ハンドルを有するカテーテルを記載している。ピストンが、ピストン・チャンバー内に据え付けられ、長さ方向運動をもたらされる。カテーテル本体の近位端は、ピストンに取り付けられている。引張ワイヤが、ハウジングに取り付けられ、ピストンおよびカテーテル本体を通って延びている。引張ワイヤの遠位端は、カテーテルの先端部分内でカテーテルシャフトの側壁に固定されている。この構成では、ピストンのハウジングに対する長さ方向運動が、結果としてカテーテル先端部分の偏向をもたらす。米国特許第RE34,502号に記載されたデザインは概して、単一引張ワイヤを有するカテーテルに限定されている。
【0007】
二方向性の操縦可能カテーテルもまた、一般に周知であり、様々なデザインが提案されてきた。米国特許第6,066,125号、同第6,123,699号、同第6,171,277号、同第6,183,463号、および、同第6,198,974号に記載されているデザインのような、多くのそのようなデザインでは、一対の引張ワイヤが、カテーテルシャフトの主要部分内の内腔を通って、それから偏向可能な先端部分の中の対向する軸外内腔の中に延びており、各引張ワイヤの遠位端が偏向可能な先端部の外壁に取り付けられている。一方のワイヤを近位方向に引くことにより、そのワイヤが配されている軸外内腔の方向に先端部が偏向する。
【0008】
米国特許第5,531,686号に記載されているデザインなどの他のデザインでは、引張ワイヤは、近位端で固定式に据え付けられて、先端部分内の内腔内部へ遠位に延びている矩形プレートの両側部に取り付けられている。この構成では、一方のワイヤを近位に引くことにより、引かれた引張ワイヤが取り付けられている側部の方向に矩形プレートが曲がり、それにより先端部分全体が偏向する。
【0009】
操縦可能カテーテル用のデザインの全てに関して、製造方法は、一般的に複雑で、時間がかかり、引張ワイヤの長さ方向動作を先端部の均一面内偏向に正確に転換するカテーテルを必ずしももたらさない。
【0010】
〔発明の概要〕
本発明は、改良された操縦可能カテーテル、より詳細には二方向性の操縦可能カテーテルに向けられている。このカテーテルは、細長い管状カテーテル本体であって、この本体を通って延びる少なくとも1つの内腔を有する、細長い管状カテーテル本体と、偏向可能な管状先端部分であって、この先端部分を通って延びる中心支柱および2つの半円筒形内腔を有する、偏向可能な管状先端部分と、を具備する。中心支柱は、管状カテーテルの内部に、中心支柱の全長に実質的に沿って、好ましくは熱的に、接合されており、それにより非分離の先端構造を作り出している。
【0011】
本カテーテルは、近位端および遠位端を有する第1引張ワイヤおよび第2引張ワイヤをさらに具備する。各引張ワイヤは、カテーテル本体の近位端に設けられた制御ハンドルからカテーテル本体内の内腔を通って先端部分内の内腔の1つの中に延びている。引張ワイヤは、引張ワイヤを近接関係に維持するよう寸法付けられた管状スリーブの中に配されることができる。引張ワイヤの遠位端は、中心支柱の両側部か、先端電極か、またはカテーテルの遠位先端部分の管状構造の、いずれかに固定式に取り付けられる。
【0012】
制御ハンドルは、対応する引張ワイヤを引っ張ってカテーテルの先端部分を偏向させるための一対のプーリーを支持するレーバーアームを有する操縦組立体を含む。プーリーは、レーバーアームの両側部分に回転可能に据え付けられ、ゆえに、レーバーアームが回転させられると、他方のプーリーが近位に移動させられるにつれ、一方のプーリーが遠位に移動させられる。各引張ワイヤがそれぞれのプーリーに巻きつけられる(trained)ので、レーバーアームの回転により、近位に移動されるプーリーが、引張ワイヤを引っ張り、その引張ワイヤが延びている軸外内腔の方向に、先端部分を偏向させる。
【0013】
具体的には、本発明は、補強編組でらせん状に包まれた、押し出し成型された薄い壁部で囲われたエラストマー管を具備する複合カテーテル先端部である。このエラストマー管は、薄く細長い矩形の金属ストリップから構成された中心支柱を有し、前記ストリップの長さ方向の薄い側部(エッジ)の両方は、好ましくは熱的に、エラストマー管の内部壁に接合されており、それにより、非分離部材を備えた複合構造を作り出す。用語「非分離(inseparable)」は、エラストマー管と金属ストリップとの間の複合構造の創造を示すために使用され、ゆえに、エラストマー管と金属ストリップとを分離させるいかなる試みも、複合構造に対して元に戻せない破壊をもたらすであろう。
【0014】
この複合先端構造は、先端部を通って延びる、直径方向に正反対の(large diametrically-opposed)2つの囲われた半月形状内腔を提供し、この半月形状内腔は、配線、センサー、流体運搬配管、および同様のもののための空間を提供する。半月形状内腔を隔てている支柱は、ニチノール、βチタン、またはバネ用鍛ステンレス鋼(spring tempered stainless steel)などの多くの超弾性(金属)合金の任意のものから構築されることができる。この複合カテーテル先端部デザインは、カテーテル先端部の開口内腔の断面積、およびカテーテル先端部のねじれ剛性を最大にすると同時に、カテーテル先端部の長さ方向軸の任意の断面部分において単一で均一の面積慣性モーメント(a single uniform area moment of inertia)を提供することにより、カテーテル先端部の外径を最小にする。これは、接合された中心支柱およびエラストマー管が、先端部偏向の間、互いに対して移動することができないからである。先端部の断面積慣性モーメントが、先端部偏向の間、先端部の全長に沿って一定のままであるので、この複合構造は、先端部偏向の角度に関係なく、均一の面内先端部偏向ならびに均一のトルクおよび偏向力を提供する。既知の先行技術の全ての先端部デザインは、先端部偏向の間、様々な断面積慣性モーメントを呈する。これは、内部支柱および外部エラストマー管がそれらの近位端位置および遠位端位置のみにおいて、互いに固定されて、支柱および外部管が先端部偏向の間、それぞれ(互い)に対して移動するからである。先行技術の全てのデザインにおいて、独立して移動する支柱および外部管の組み合わされた図心軸が、先端部湾曲の間、連続的に変動する。これは、全体(支柱および外部管)の図心軸と部品の各々の図心軸との間の絶対距離が変動するからである。このことは、先端部湾曲の程度によって決まる、不均一のトルクおよび偏向力を生成する。
【0015】
カテーテル先端部の偏向湾曲プロファイルは、中心支柱断面の様々な部分で材料を取り除くか、または材料の厚みを変化させるか、のいずれかを行なう切除操作または新造操作(coining operations)を利用して支柱の長さ方向軸に垂直な支柱断面の面積慣性モーメントを変化させることによって変更され得る。接合された中心支柱を備えた複合偏向先端部は、厚みに対する幅の大きな比率を有し、したがって、大きな面積慣性モーメントを有する第1図心軸、および第1図心軸に直交する図心軸を中心とした、第2の対応する低面積慣性モーメントを提供し、それにより、非常に優れた面内偏向特徴を提供する。
【0016】
本発明の方法は、結果として、エラストマーと金属との特性を組み合わせ、かつ押し出し成型されたコア内腔を排除する、偏向可能カテーテルの偏向先端部組立体のための単一の一体型高性能複合構造をもたらす。接合された支柱によって作り出された2つの半円筒形内腔は、配線、先端部の力センサーおよび位置センサー、ならびに先端部灌注内腔を設置するための大きな空間を提供する。代替的に、偏向可能な先端部分と先端電極との間の中間部分が提供され、その中間部分には中心支柱がなく、中間部分は温度センサーおよび位置センサーのためのさらにより大きい空間を提供する。カテーテル先端部の直径は、先端部内腔の作業空間がこのデザインによって最大にされるので、減少され得る。
【0017】
本カテーテルの好ましい実施形態では、近位端および遠位端を有し、かつ内腔を有する細長い管状部材が、カテーテルの偏向可能部分の中に延びる中心支柱の長さ方向エッジに熱的に接合される。この接合は、細長い管状部材および中心支柱から非分離の複合構造を作り出す。
【0018】
先端電極は、管状部材の遠位端に配される。成型されたカップリングは、先端電極の近位端の一部分を受容するように構成された遠位部分、および中心支柱の第1長さ方向エッジまたは第2長さ方向エッジの少なくとも一方を受容するように構成された少なくとも1つのスロットを有する近位部分を有する。
【0019】
中心支柱の遠位端は、少なくとも1つのスナップフィット式ノッチ(snap-fit notch)を具備し、成型されたカップリングは、スナップフィット式ノッチを受容するように構成された少なくとも1つのスナップフィット式ウェッジをさらに具備する。この構造は、先端電極、および複合の管状部材/中心支柱の迅速な組立を可能にする。
【0020】
〔発明の詳細な説明〕
図1A〜
図1Cは、本発明による偏向可能カテーテルの実施形態の平面図を示している。
図1Bに示されているように、好ましいカテーテル100は、近位部分32、遠位先端部分34、および近位部分32の近位端に設けられた制御ハンドル36を有する細長い管状カテーテル本体を具備する。先端電極38およびオプションの環状電極40が、所望の装置がRFアブレーション・カテーテルである場合アブレーション・エネルギー源を提供するために、または、カテーテルが診断用EPマッピング・カテーテルである場合は電気信号を受信するために、偏向可能な遠位先端部分34に、またはその近傍に設置される。制御ハンドル36は、偏向可能な先端部分34を偏向させるために使用される引張ワイヤに引張力をかけることができる多くのデザインのうちの1つであってよい。好ましくは、制御ハンドル36は、Biosense EZ-Steer bidirectional familyの製品に使用されるハンドルであり、その制御ハンドルは、
図1A〜
図1Cに示されている。「ロッカー」タイプレバー37は、2つの引張ワイヤのうちの一方を引き、カテーテル先端部を一方向に偏向させ(
図1A)、さらに、その代わりに、カテーテル先端部を反対の方向に偏向させるために第2の(逆の)引張ワイヤを選択することができる(
図1C)。制御ハンドル36はまた、
図1Dに示されている調節可能な摩擦制御ノブ37aを有し、この調節可能な摩擦制御ノブ37aにより、操作者が自由な状態でロッカーレバー37を使用することができ、あるいは、ロッカーレバー37および偏向された先端部を適所にロックするための張力を調節することができる。ロッカーレバー37の運動における摩擦量は、摩擦制御ノブ37aが完全にロックされる位置に達するまでは、摩擦制御ノブ37aが時計回りに回転させられるにつれて増加する。
【0021】
図2は、カテーテルの一部分を形成する中心支柱80に対して垂直にとられた、カテーテル100の近位部分32から偏向可能部分34までの移行部の断面図を示している。
図3は、
図2のカテーテルの線A−Aを通る断面を示す。カテーテル100は、遠位部分32を通る中央内腔58、ならびに偏向可能な先端部分34内の2つの半円筒形内腔58aおよび58bを有する細長い管状構造を具備する。近位部分32は、可撓性であるが、その長さに沿って実質的に非圧縮性である。近位部分32は、任意の適切な構造から作られ、任意の適切な材料から作られ得る。好ましい構造は、PellethaneまたはPEBAXから作られた外部壁30、およびオプションの内部壁18を具備する。外部壁30は、ねじれ剛性を増加させるために、ステンレス鋼または類似材料の、埋め込まれた編組メッシュも具備してよく、ゆえに制御ハンドル36が回転させられると、近位部分32の遠位端、ならびに遠位部分34が、対応する方法で回転することになる。
【0022】
カテーテル長の全長は、使用用途によって様々であろうが、好ましい長さは、約90〜120cm、より好ましくは約100〜110cmである。近位部分32の外径もまた、カテーテルの用途によって様々であるデザイン特徴であるが、好ましくは約8フレンチ(Fr)(2.546mm)未満である。オプションの内部壁18は、オプションでらせん状にスライスされていてもよく、かつ、外径が外部壁30の内径とほぼ同一サイズか、または外部壁30の内径よりも僅かに小さいように寸法付けられた、ポリマー管を具備し、それによりらせん状のスライスのピッチ角によって制御されうる追加の剛性を提供する。
【0023】
示されている実施形態では、遠位部分34および近位部分32は、たがに固定式に取り付けられた別個の構造体である。近位部分32および遠位部分34は、この2つの部分の間の接合部35で、ポリウレタン接着剤を使用して取り付けられてよい。取り付けの他の手段は、近位部分および遠位部分を共に融合させるように熱を使用してそれら部分を結合することを含む。
【0024】
本発明のEPカテーテルでは、
図1A〜
図1Cに示されている先端電極38およびオプションの環状電極40はそれぞれ、リードワイヤ70の束のうちの1つに電気的に接続されている。リードワイヤ70の束の各ワイヤは、制御ハンドル36から、近位部分32内の内腔58を通り、遠位部分34内の内腔58aまたは58bの一方を通って、先端電極38およびオプションの環状電極(または複数の環状電極)40まで、延びている。各リードワイヤ70の近位端は、適切なRFエネルギー源に、あるいはEPマッピングまたは他の診断もしくは治療システムに接続され得る、制御ハンドル36内の(不図示の)適切なコネクタに接続されている。
【0025】
灌注内腔90は、カテーテルの近位端から遠位先端部分34まで流体を移送するための導管を提供する。灌注内腔90は、先端電極38内の1つ以上の流体ポートに流体連通している。
図4および
図5は、先端電極内の灌注流体ポート439の可能な構成を示している。先端電極での、またはその近傍での血液など体液の凝固を減少させるために、灌注内腔90を使用して、灌注流体を、カテーテルを通して先端部内の流体ポートから出すように移送する。
【0026】
二方向性カテーテルにおいて、一対の引張ワイヤ44aおよび44bが、近位部分32内の貫通内腔58を通って延びており、各ワイヤは、遠位部分34内の内腔58aおよび58bのうちの一方を通って延びている。引張ワイヤは、ステンレス鋼、またはニチノールワイヤ、またはVectran(登録商標)材料などの非金属ヤーンなど、任意適切な材料で作られる。好ましくは、各引張ワイヤ44は、PTFEまたは類似材料などの滑らかなコーティングで覆われている。各引張ワイヤ44は、制御ハンドル36から遠位部分34の先端部近傍まで延びている。
【0027】
(不図示の)スリーブまたは複数のスリーブが、引張ワイヤを近位からカテーテルの柔軟な先端部まで収納するために使用されてよい。スリーブは、各引張ワイヤを、中心支柱のそれぞれの側に保持するために使用される。二方向性の偏向のために、対向する引張ワイヤは、常に別個の内腔内に設置されることになる。このデザインにより、1つの内腔内に複数の引張ワイヤを設置することが、1つの偏向方向において異なる偏向湾曲を達成するために、用いられるだろう。このようなスリーブは、任意の適切な材料、例えばポリアミドまたはポリイミドから作られてよい。
【0028】
本発明で使用され得る他の適切な制御ハンドル36の例が、米国特許第6,123,699号、同第6,171,277号、同第6,183,463号、および同第6,198,974号に記載されている。これら開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。このような制御ハンドルにおいて、ハンドルハウジングに対する親指制御の近位移動が、結果としてハンドルハウジングおよびカテーテル本体に対する第1ピストンおよび第1引張ワイヤの近位移動をもたらし、その結果、第1引張ワイヤが延びている内腔の方向への先端部分の偏向をもたらす。ハンドルハウジングに対する親指制御の遠位移動は、結果として第1ピストンの遠位移動をもたらし、そのことがハンドルハウジングおよびカテーテル本体に対する第2ピストンおよび引張ワイヤの近位移動をもたらし、その結果、第2引張ワイヤが延びている内腔の方向への先端部分の偏向をもたらす。米国特許第7,077,823号に開示されている構成など、引張ワイヤ44および制御ハンドル内部の伝導装置の追加構成が用いられてよく、この米国特許も参照により本明細書に組み込まれる。
【0029】
遠位部分34は、
図12を参照して以下で論じられる本発明のカテーテルの製造方法に関連して以下で詳細に記載される遠位先端部分の内層62、編組層64および外層66から構成される。
【0030】
加えて、安全ワイヤ95が、先端電極の脱離を防ぐため、先端電極をカテーテルシャフトに固定するために使用されてよい。安全ワイヤは、好ましくは直径0.0065インチ(0.1651mm)のモネル(monel)であり、カテーテルの近位部分32内の内腔58を通り、そして遠位先端部分34内の2つの内腔58aまたは58bのうちの一方を通るように送られる。安全ワイヤの遠位端は、先端電極38に取り付けられ、一方、近位部分は、制御ハンドル36内部のアンカー点に取り付けられる。
【0031】
図4は、本発明による偏向可能カテーテルの遠位先端部の分解図を示している。
図5は、先端電極438の斜視図である。
図4および
図5に示された先端電極438は、金、プラチナ、パラジウム、またはそれらの合金など、体液中で非反応性である金属から構成された機械加工された金属電極である。先端電極438はまた、銅、銀、金、アルミニウム、ベリリウム、ブロンズ、パラジウム、またはそれらの合金などの第1金属から作られ、それから金、プラチナ、パラジウム、またはそれらの合金などの非反応性金属で、内部および/または外部をめっきされてもよい。先端電極438は、中央灌注内腔440に接続された複数の灌注ポート439を含んでよいが、このようなポートおよび内腔は、オプションである。先端電極438の近位端は、先端電極の残りの部分よりも小さい直径を有し、カップリング442に嵌まるように構成された、基部437を具備する。基部437は、先端電極438のカップリング442への接合を改善する、複数の鋸歯状の刻み目437aを含んでよい。先端電極438の基部437は、カップリング442に熱接合されるか、または超音波溶接される。先端ドーム438aは、カテーテルの設置および/または使用の間の組織損傷を減少させるため、丸みを帯びた非外傷性の遠位先端部を提供するよう機械加工されてよい。内腔495は、安全ワイヤ95のための通路を提供し、内腔470は、エネルギーを先端電極438に与えるリードワイヤ70のための通路を提供する。リードワイヤ70は、導電性はんだ、またはエポキシを使用して先端電極438に取り付けられる。
【0032】
図4および
図6に示された射出成型されたカップリング442は、その遠位端に、先端電極438の基部437を受容するように適合された内径を有する遠位部分443を有し、また、中心支柱80の遠位端480を受容するように構成されたスロット441aを備えた近位部分441を有する。カップリング442は、PEEK、ABS、もしくはポリカーボネートなどの医療グレードのポリマー、または当業者には既知の他の適切な材料から射出成型される。中心支柱80の遠位端480はまた、カップリング442内でスナップフィット式ウェッジ441b上にロックするように構成されたスナップフィット式ノッチ481を含み、それにより偏向可能カテーテルの遠位部分を迅速に組み立てるための機構を提供し、その方法は、以下でより詳細に記載される。引張ワイヤ用アンカー穴444aおよび444bは、引張ワイヤ44aおよび44bを受容するように構成された内腔である。この使用のために構成された引張ワイヤは、
図7Aに示されている。この実施形態での使用のための引張ワイヤ44aおよび44bは、好ましくはVectran(登録商標)ワイヤから作られ、その遠位端にはエポキシのボール444cが取り付けられている。Vectran(登録商標)ワイヤは、エポキシのボールの適用前にアルコールおよび/または超音波浴で洗浄され、その後エポキシのボールが、紫外線光のもと硬化されるべきである。エポキシは引張ワイヤ44aおよび44bの遠位端にしっかりと固定されることが重要である。代替的に、引張ワイヤは、高強度ステンレス鋼(304V)であって、このワイヤの一端に高速レーザー溶融プロセスを用いてボールが作成されることもできる。
【0033】
Vectran(登録商標)材料などの非金属ヤーンで作られた単一引張ワイヤ44が、その引張ワイヤの両端44aおよび44bが
図8に示されているように中心支柱の両側に存在するように、中心支柱80内の1つ以上のアンカー孔82a〜eに引張ワイヤを通すことによりカテーテルの遠位端に取り付けられてよい。中心支柱80内のこのようなアンカー孔82a〜eは、好ましくは0.015インチ(0.381mm)の直径を有し、約0.078インチ(1.981mm)だけ離隔されている。このようなアンカー孔は、レーザー切断、打ち抜き、およびドリル穿孔(drilling)により、中心支柱80内に設置されてよい。支柱上の孔の数、および1つ以上のアンカー孔82a〜e内への複数の引張ワイヤの設置は、湾曲形状を変え、対称性および非対称性の両方の湾曲デザインを可能にするであろう。対称性湾曲を作り出すために、引張ワイヤの両端が支柱の両側に向かって同一アンカー孔から出るであろう。湾曲形状を変化させるための手段は、引張ワイヤの両端用に使用されるアンカー孔の間の距離により制御され得る。引張ワイヤ44aおよび44bの各々の端部が中心支柱80の両側に取り付けられた場合、引張ワイヤ44aまたは44bを近位方向に引くことにより、それぞれの引張ワイヤが延びている軸外内腔の方向に、カテーテル100の遠位端を面内偏向させるだろう。
【0034】
(不図示の)代替実施形態は、2つの引張ワイヤを金属フェルールまたはプラスチック塊(plastic slugs)と共に使用し、引張ワイヤを中心支柱内に位置するそれぞれのアンカー孔の中に拘束する。引張ワイヤは、アンカー孔から完全に引き抜かれることを抑止するものとしてフェルールを使用して、中心支柱の片側に通されるであろう。引張ワイヤを固定するための補足的方法は、はんだ付け、溶接、またはそれら引張ワイヤを中心支柱に取り付けるための接着剤を使用することである。
【0035】
代替的に、引張ワイヤは、中心支柱に取り付けられる必要はない。1つまたは複数の引張ワイヤが、先端ドーム、またはカテーテルの柔軟な偏向可能な先端部分の遠位端に取り付けられうる。
図9〜
図11は、単一引張ワイヤ44を受容するように構成された先端電極38の複数の構成を示している。先端電極38に接続された単一引張ワイヤ44は、二方向性制御を提供する。これを達成するために、単一引張ワイヤは、引張ワイヤの両端が中心支柱の両側に存在する状態にドーム電極を通される。偏向方向は、抵抗が最も小さい通路に一致するであろう。さらに、引張ワイヤを個々に扱うことは、結果として、それぞれの引張ワイヤが延びている軸外内腔の方向への面内偏向をもたらすことになる。このような実施形態は、対称性湾曲デザインを直接支持する。
【0036】
図10および
図11は、栓部45を受容するように構成された中空先端電極38を示しており、栓部45は中空ドーム内へ圧入される。引張ワイヤ44は、栓部を通される。1つ以上の引張ワイヤが、この方法で固定されてよい。引張ワイヤは、いったん栓部が先端電極内に適切に設置されると、適所に拘束される。
【0037】
図7Bは、カテーテル100の遠位先端部分の別の実施形態を示しており、引張ワイヤが、カテーテル100の遠位先端部分34の側壁に取り付けられている。小孔71が、遠位先端部分の内層62、編組層64および外層66をドリル穿孔されている。孔71がドリル穿孔された後、グラインダーを用いて、孔周りの外形を、長さ約0.04インチ(1.016mm)、深さ約0.013インチ(0.330mm)の材料を除去することにより、わずかに減少させる。ステンレス鋼の引張ワイヤ・バー72が、フェルールにクリンピングされるか、または他の接着手段により、引張ワイヤ44の遠位端に取り付けられる。引張ワイヤ44がアンカー窓に通される場合、バーは、熱可塑性の柔軟な偏向可能な先端部分の外形上に留まる。ポリウレタンが、引張ワイヤ・バー72を覆う(pot over)よう使用され、それにより遠位先端部分34の元の形状を取り戻す。この方法において、各引張ワイヤは、遠位先端部分34の長さ方向軸に沿った任意の位置で、カテーテル100の外周面に固定されてよい。この方法で、複数の引張ワイヤの各々を中心支柱の両側に固定することが可能である。固定位置の位置を変化させることにより、カテーテルの偏向プロファイルを変化させる。
【0038】
中心支柱80の近位端は、柔軟な偏向可能な先端部の近位端から延出する。中心支柱の近位端は先細にされてよく、それゆえに、その近位端は、カテーテルの近位部分32内部に容易に設置されることができて、移行領域を支持するのを助ける。PTFEから好ましくは構成されるスリーブが、中心支柱の先細部分を覆うように設置され、引張ワイヤを拘束し、それにより引張ワイヤが交差するのを防ぐことができる。スリーブは、そのスリーブが中心支柱およびワイヤの周りに密接しているが、引張ワイヤが長さ方向に容易に移動するのを防ぐほどには密接していないように、寸法合わせされている(form fitting)。
【0039】
図12は、本発明の遠位先端部分を製造するための装置を示している。本発明によるカテーテルの遠位部分34の内層62は、好ましくは0.0025〜0.0035インチ(6.35×10
−2〜8.89×10
−2mm)の厚みを有する、熱可塑性エラストマー材料の薄層を、適切な直径のアセチルポリマーのマンドレル上に押出し成型することにより作成される。内層62は、その後、直径が約0.002〜0.003インチ(5.08×10
−2〜7.62×10
−2mm)の合成繊維編組層64で編組被覆される(over-braided)。好ましい実施形態では、合成繊維は、Biogeneral Advanced Fiber TechnologyのPen monofilamentである。次にエラストマー材料の第2コーティングが、外層66を作り出すために編組内層上に押出し成型される。内層62および外層66は、同じショアー硬度を有するエラストマーから、または異なるショアー硬度を有する材料から作られてよい。好ましくは、エラストマーは、加工可能性および高い熱たわみ温度のため、PEBAXまたはPellethaneである。
【0040】
エラストマー材料の外層66が適用された後、外層66の外側は、所望の仕上げ外径のフレンチサイズまで心なし研削される。アセチルのマンドレルは、取り除かれて、中心支柱80が、エラストマー管60の中心を貫くように挿入される。PEEK、テフロン(登録商標)、または液晶ポリマーなどの高温ポリマーから作られた半月形の細長いスペーサが、エラストマー管60の内径の両側に挿入され、エラストマー管の長さ方向軸の中心に対して中心支柱80を安定させ、中央にくるように合わせることができる。この暫定組立体が、
図12に示されている装置の中に設置される。
【0041】
クランプ103aおよび103bは、中心支柱80の長さ方向の両端を固定するために使用される。
図12の装置のクランプ103aおよび103bは、銅などの導電性材料から構築される。クランプ103bは、空気作用によるプッシュプル式のシリンダー104、または代替的に自動制御式張力手段を使用して、制御された張力のもとに支柱を入れたり後退させたりする。暫定組立体はそれから、その組立体を受容するように構成された半円筒形凹部を有する2つの取付具102aおよび102bの中に収められ拘束される。取付具102aおよび102bは、取付具調節機構106aおよび106bを使用することにより共に噛合わせられると、先端外径の局部的な加熱歪みを制限するために、暫定組立体に圧力をかける。取付具102aおよび102bは、アルミニウムまたは銅などの高い熱伝達性の材料から構築されてよい。中心支柱80を加熱することにより内層62の内径を中心支柱80の長さ方向の薄い両側面と熱接合させて非分離部材を備えた複合構造を定めるために、比例・積分・微分(PID)温度フィードバックループが、クランプ103aとクランプ103bとの間に導入される電流を制御する。支柱温度は、支柱表面の温度を感知する、温度フィードバックセンサー105、好ましくは非接触型の応答時間の速い熱電対列を基礎とした赤外線センサーを使用して監視される。
【0042】
図12に示された装置を使用して中心支柱を加熱するための一方法は、
図13Dで表されたフィードバック制御型電力回路を使用する。赤外線温度センサー510は、加熱される中心支柱80の温度を監視し、プログラマブル論理制御装置(PLC)520・アナログ−デジタル変換器モジュールへ入力電圧を提供する。PLC520は、中心支柱80を迅速に加熱するために位相角を変化させることによって、低電圧(5〜28交流ボルト(VAC))50〜60ヘルツ交流電流を制御するように、同期化回路を内蔵したアナログ切り替えソリッドステートリレー530を制御する。PLCによって制御された比例、積分、および微分(PID)ループ温度フィードバックにより、支柱の温度を監視することができ、それに応じて、PLCが、正しい温度設定点を達成するように位相角を調節する。線間電圧、交流負荷電流、およびアナログ切り替えソリッドステートリレー530への制御入力は、それぞれ
図13A〜
図13Cで確認することができる。回路は、スイッチ502によって制御されて10アンペアのヒューズ503によって保護される120Vの交流線間電圧501によって電力供給されており、電圧は変圧器505を使用して結果として12〜24Vの交流出力まで下げられる。
【0043】
中心支柱の閉ループ加熱の代替方法が、
図14A〜
図14Dに示されている。加熱用電力制御回路に関する
図14Dの概略図では、スイッチ602によって制御されて10アンペアのヒューズ603によって保護される線間電圧(120交流ボルト)601は、降圧変圧器604およびブリッジ整流器605を使用して、下げられ、12〜24Vの直流(DC)へ変換される。直流ソリッドステートリレー630が、酸化膜半導体電界効果トランジスター(mosfet)、またはソリッドステートリレーの制御側へのプログラマブル論理制御装置620の出力用トランジスターを制御する時間比例式制御PIDループアルゴリズムを使用して5〜24ボルトの直流を迅速に切り換える(オン−オフ)ように使用される。制御出力さらに制御幅および継続時間は、熱電対列を基礎とした赤外線センサー610からPLCへのアナログ温度測定フィードバックによって決まる。
【0044】
いったん加熱が完了したら、空気作用によるプッシュプル式のシリンダーを使用してクランプ103aを並進運動させることによって、支柱から張力が取り除かれ、取付具102aおよび102bの2つの半部が、取付具調節機構106aおよび106bを使用して組立体から離れるように後退させられる。
【0045】
中心支柱が接合された遠位先端部分34はその後、上記で論じられたように近位部分32に固定されることができる。先端電極34は、遠位先端部分34の遠位端に固定され、リードワイヤ70のうちの1つが電極に取り付けられる。引張ワイヤ44、または引張ワイヤ44aおよび44bは、上記で論じられた構成のうちの1つを用いて、遠位端に取り付けられる。先端電極が流体ポート39を含む場合、灌注内腔90が先端電極に取り付けられて、2つの内腔のうちの一方を通るように送られる。
【0046】
製造プロセスにおける追加の一ステップは、エラストマー管の内径への接着を改善するために、約250〜500マイクロインチ(6.35×10
−3〜1.27×10
−2mm)の磨耗を作り出すように中心支柱80の側面エッジを粗くすることである。
【0047】
前記記載は、本発明の現在好ましい実施形態に関して提示されてきた。本発明が属する技術およびテクノロジーに精通している者は、記載された構造における修正および変更が、本発明の原理、精神および範囲から有意に逸脱することなく行なわれ得ることを認識するであろう。
【0048】
したがって、前述の説明は、添付の図面に記載され図示された正にその通りの構造のみに関するように読まれるべきでなく、むしろ最大限で公正な範囲を有するべき以下の請求項に一致して、かつその請求項を支持するものとして読まれるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1A】
図1Aは、本発明によるロッカータイプの偏向制御ハンドルを備えた偏向可能なEPカテーテルの平面図である。
【
図1B】
図1Bは、本発明によるロッカータイプの偏向制御ハンドルを備えた偏向可能なEPカテーテルの平面図である。
【
図1C】
図1Cは、本発明によるロッカータイプの偏向制御ハンドルを備えた偏向可能なEPカテーテルの平面図である。
【
図1D】
図1Dは、ロッカータイプの偏向制御ハンドル上に位置する摩擦制御ノブの平面図である。
【
図2】
図2は、
図1のカテーテルの偏向可能な遠位先端部分および近位部分の一部分の縦断面図である。
【
図3】
図3は、
図2のEPカテーテルの管状部分の線A−Aを通る断面図である。
【
図4】
図4は、本発明による偏向可能カテーテルの実施形態の遠位先端部の分解斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明によるカテーテルの偏向可能な先端部分の先端電極の斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明によるカテーテルの偏向可能な先端部分の成型されたカップリングの断面斜視図である。
【
図7A】
図7Aは、本発明によるカテーテルの偏向可能な先端部分において使用される引張ワイヤの平面図である。
【
図7B】
図7Bは、本発明による偏向可能カテーテルの遠位部分の斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明によるカテーテルの偏向可能な先端部分のさらなる実施形態による中心支柱の立面図である。
【
図9】
図9は、本発明によるカテーテルの偏向可能な先端部分を製造するための装置の斜視図である。
【
図10】
図10は、本発明による偏向可能カテーテルの遠位先端部の斜視図である。
【
図11】
図11は、本発明による偏向可能カテーテルの遠位先端部の斜視図である。
【
図12】
図12は、本発明によるカテーテルの偏向可能な先端部分を製造するための装置の斜視図である。
【
図13A】
図13Aは、本発明による偏向可能カテーテルの製造に使用される制御回路構成の様々な制御信号および概念図を示す。
【
図13B】
図13Bは、本発明による偏向可能カテーテルの製造に使用される制御回路構成の様々な制御信号および概念図を示す。
【
図13C】
図13Cは、本発明による偏向可能カテーテルの製造に使用される制御回路構成の様々な制御信号および概念図を示す。
【
図13D】
図13Dは、本発明による偏向可能カテーテルの製造に使用される制御回路構成の様々な制御信号および概念図を示す。
【
図14A】
図14Aは、本発明による偏向可能カテーテルの製造に使用される制御回路構成の代替実施形態の様々な制御信号および概念図を示す。
【
図14B】
図14Bは、本発明による偏向可能カテーテルの製造に使用される制御回路構成の代替実施形態の様々な制御信号および概念図を示す。
【
図14C】
図14Cは、本発明による偏向可能カテーテルの製造に使用される制御回路構成の代替実施形態の様々な制御信号および概念図を示す。
【
図14D】
図14Dは、本発明による偏向可能カテーテルの製造に使用される制御回路構成の代替実施形態の様々な制御信号および概念図を示す。