(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5666119
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】走行ロボット
(51)【国際特許分類】
B62D 55/04 20060101AFI20150122BHJP
B62D 55/075 20060101ALI20150122BHJP
B62D 55/065 20060101ALI20150122BHJP
【FI】
B62D55/04
B62D55/075
B62D55/065
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2009-258975(P2009-258975)
(22)【出願日】2009年11月12日
(65)【公開番号】特開2011-105029(P2011-105029A)
(43)【公開日】2011年6月2日
【審査請求日】2012年5月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】500302552
【氏名又は名称】株式会社IHIエアロスペース
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
(72)【発明者】
【氏名】小林 研吾
(72)【発明者】
【氏名】篠田 芳明
(72)【発明者】
【氏名】高田 昌憲
【審査官】
常盤 務
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2003/0183428(US,A1)
【文献】
特開昭57−050014(JP,A)
【文献】
特開平02−117480(JP,A)
【文献】
特開平03−279087(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/090946(WO,A1)
【文献】
特開平06−156329(JP,A)
【文献】
特開昭63−222982(JP,A)
【文献】
特開2006−341710(JP,A)
【文献】
特開平08−104261(JP,A)
【文献】
特開2004−074980(JP,A)
【文献】
特開2008−143354(JP,A)
【文献】
実開昭58−134187(JP,U)
【文献】
特開2005−144631(JP,A)
【文献】
特開平03−045477(JP,A)
【文献】
特開2000−093063(JP,A)
【文献】
特開平10−316008(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 55/04
B62D 55/075
B62D 55/065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、
この車体の左右両側に位置して該車体を支える一対の主クローラと、
前記車体の前部の左右両側に配置される一対の補助クローラを備えた走行ロボットであって、
前記主クローラ及び補助クローラは、いずれも駆動スプロケットと、アイドラスプロケットと、前記駆動スプロケット及びアイドラスプロケット間に掛け渡されて循環するクローラベルトと、このクローラベルトを正逆方向に循環させる駆動源を具備し、
前記車体の左右の同じ側に配置される主クローラ及び補助クローラの各アイドラスプロケットは共通の回転軸で支持されて、この回転軸まわりに前記補助クローラを回動させることで該補助クローラの前記主クローラに対する角度が可変とされ、
前記主クローラ及び補助クローラの各駆動スプロケットを支持する駆動軸には、該駆動スプロケットよりも径の大きい車輪がそれぞれ取り付けられ、
前記駆動スプロケットには、減速機構が備えられ、
前記主クローラ及び補助クローラには、該主クローラ及び補助クローラの各クローラベルトが接地する不整地走行状態で前記車輪を地面から離間させるアイドラーがそれぞれ備えられている
ことを特徴とする走行ロボット。
【請求項2】
前記減速機構が遊星歯車機構である請求項1に記載の走行ロボット。
【請求項3】
前記補助クローラの前記主クローラに対する角度を保持する姿勢保持手段が備えられている請求項1又は2に記載の走行ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、観測機器を搭載して走行する走行ロボットに係わり、段差や障害物が存在する不整地を走行するのに適した走行ロボットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上記した走行ロボットとしては、例えば、車体と、この車体の両側に配置された主クローラと、車体の前部両側に配置された補助クローラを備えたものがある。
主クローラは、クローラベルトとスプロケットとから主として構成され、クローラベルトは、駆動スプロケット及びアイドラスプロケットの間に掛け渡されて、駆動スプロケットからの駆動力を受けて両スプロケット間を循環する。
補助クローラも主クローラとほぼ同一の構成を成していて、そのアイドラスプロケットの回転軸は主クローラのアイドラスプロケットの回転軸と共通の軸になっており、この共通の軸まわりに補助クローラ自体が回動可能になっている。
【0003】
この走行ロボットにおいて、補助クローラを共通軸まわりに回動させて、迎え角を調整することで、段差乗り越え性能を高めたり、車体の姿勢を変化させたりすることができるようになっている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】新版ロボット工学ハンドブック 日本ロボット学会編 コロナ社 第401頁〜403頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記した走行ロボットにあっては、補助クローラを回動させて迎え角を調整することで、段差を乗り越えたり車体の姿勢を変化させたりすることができるものの、段差や障害物のない平坦地を走行する場合には、補助クローラを回動させて迎え角を調整する機会がなく、その結果、補助クローラ及びこれを回動させる機構が走行ロボットにとって単なる重量の負荷になっているという問題を有しており、この問題を解決することが従来の課題となっていた。
【0006】
本発明は、上記した従来の課題に着目してなされたもので、段差や障害物を乗り越えたり車体の姿勢を変化させたりすることができるのは勿論のこと、段差や障害物のない平坦地を走行する場合において、クローラによる走行時よりも高速で走行することが可能な走行ロボットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係る発明は、車体と、この車体の左右両側に位置して該車体を支える一対の主クローラと、前記車体の前部の左右両側に配置される一対の補助クローラを備えた走行ロボットであって、前記主クローラ及び補助クローラは、いずれも駆動スプロケットと、アイドラスプロケットと、前記駆動スプロケット及びアイドラスプロケット間に掛け渡されて循環するクローラベルトと、このクローラベルトを正逆方向に循環させる駆動源を具備し、前記車体の左右の同じ側に配置される主クローラ及び補助クローラの各アイドラスプロケットは共通の回転軸で支持されて、この回転軸まわりに前記補助クローラを回動させることで該補助クローラの前記主クローラに対する角度が可変とされ、前記主クローラ及び補助クローラの各駆動スプロケットを支持する駆動軸には、該駆動スプロケットよりも径の大きい車輪がそれぞれ取り付けられ、前記駆動スプロケットには、減速機構が備えられ、前記
主クローラ及び補助クローラには、該主クローラ及び補助クローラの各クローラベルトが接地
する
不整地走行状態で前記車輪を地面から離間させるアイドラーが
それぞれ備えられている構成としたことを特徴としており、この走行ロボットの構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
【0008】
また、本発明の請求項2に係る走行ロボットは、前記減速機構が遊星歯車機構である構成としている。すなわち、前記減速機構が、前記車輪に対しては前記駆動源からの回転力を低トルクで且つ高速回転のまま伝え、一方、前記駆動スプロケットに対しては前記駆動源からの回転力を高トルクで且つ低速回転にして伝える遊星歯車機構である構成としている。
【0009】
さらに、本発明の請求項3に係る走行ロボットは、前記補助クローラの前記主クローラに対する角度を保持する姿勢保持手段が備えられている構成としている。
【0011】
本発明に係る走行ロボットにおいて、砂地や泥濘地などの不整地で走行する場合には、車輪を使用する機会がないので、このような場合に車輪を簡単に外せるようにするために、クローラの駆動軸に対する車輪の取り付けには、着脱自在式の構造を採用することが望ましい。
【0012】
本発明に係る走行ロボットにおいて、砂地や泥濘地などの不整地で走行する場合には、主クローラ及び補助クローラの各クローラベルトを接地させて、両クローラの各駆動スプロケットの回転速度を等しくすれば、減速機構を介して伝えられる駆動源からの回転力により、低速ながら高トルクで走行し得ることとなる。
【0013】
この際、補助クローラの駆動スプロケットの回転速度を主クローラの駆動スプロケットの回転速度よりも大きくすれば、両クローラの共通の回転軸まわりに回転する各アイドラスプロケット間には回転速度差が生じて、補助クローラが主クローラに対して回動して迎え角が大きくなるので、その分だけ障害物を乗り越え易くなる。
【0014】
一方、本発明に係る走行ロボットにおいて、平坦地を走行する場合には、補助クローラの駆動スプロケットの回転速度を主クローラの駆動スプロケットの回転速度よりも小さくすれば、各アイドラスプロケット間に生じる回転速度差で補助クローラが主クローラに対して回動して、両クローラの各クローラベルトがいずれも地面から離間するので、駆動スプロケットよりも径の大きい車輪のみが接地することとなる。
【0015】
そして、両クローラがいずれもほぼ水平になった時点で各駆動軸の回転速度を等しくすれば、両クローラの互いの姿勢が保たれた状態で、遊星歯車機構を介して伝えられる駆動源からの回転力により、車輪による高速走行を行い得ることとなる。
【0016】
このように、本発明に係る走行ロボットでは、駆動スプロケットに減速機構を配置して、例えば、遊星歯車機構を採用して、駆動源の出力によりクローラの駆動スプロケットを高トルクで低速回転させつつ、車輪を低トルクで高速回転させるようにしたうえで、主クローラと補助クローラとの間に生じさせた速度差で補助クローラを動作させることによって、クローラによる走行と車輪による走行とを切り替えるようにしているので、構成を複雑化することなく、段差や障害物の乗り越え機能のみならず、平坦地における高速走行機能をも有したものとなる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の請求項1及び2に係る走行ロボットにおいて、上記した構成としているので、段差や障害物を乗り越えたり車体の姿勢を変化させたりすることができるのは言うまでもなく、段差や障害物のない平坦地を走行する場合には、クローラによる走行時よりも高速で走行することが可能になるという非常に優れた効果がもたらされ
る。加えて、主クローラ及び補助クローラの各クローラベルトの接地面積を大きくすることができ、不整地における走行性能の向上を実現することが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
【0018】
また、本発明の請求項3に係る走行ロボットでは、上記した構成としたから、とくに車輪を用いて走行する場合において、姿勢保持手段により補助クローラの主クローラに対する角度を保持するようになせば、安定して高速走行を行うことが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一
参考例による走行ロボットを示す車輪走行モードにおける平面説明図(a)及び側面説明図(b)である。
【
図2】
図1における走行ロボットの駆動系要部を示す拡大説明図である。
【
図3】
図1における走行ロボットの補助クローラの動作パターン説明図(a)〜(c)である。
【
図4】本発明の
一実施例による走行ロボットのクローラ走行モードを示す概略側面説明図(a)及び車輪走行モードを示す概略側面説明図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の
参考例及び実施例を図面に基づいて説明する。
図1〜
図3は、本発明の一
参考例による走行ロボットを示している。
図1に示すように、この走行ロボット1は、観測器材や爆発物処理器材などの器材を搭載して走行する走行ロボットであって、器材を搭載する車体2と、この車体2の
左右両側に配置されて車体2を支える主クローラ10と、車体2の前端部の
左右両側に配置された補助クローラ20を備えている。
【0022】
主クローラ10は、
図2にも示すように、車体2の
左右両側面に固定された主フレーム11と、この主フレーム11に固定された主クローラモータ12と、主フレーム11に軸受3を介して支持されて伝達歯車機構13を通して伝えられる主クローラモータ12からの出力により回転する駆動軸14と、この駆動軸14に支持される駆動スプロケット15と、主フレーム11に軸受4を介して支持される回転軸5まわりに回転するアイドラスプロケット16と、駆動スプロケット15及びアイドラスプロケット16間に掛け渡されて駆動スプロケット15からの駆動力を受けて両スプロケット間15,16を循環するクローラベルト17と、駆動軸14の先端に着脱可能に装着された車輪18を具備しており、この車輪18の径は駆動スプロケット15よりも大きく設定されている。
【0023】
一方、補助クローラ20は、補助フレーム21と、この補助フレーム21に固定された補助クローラモータ22と、補助フレーム21に軸受3を介して支持されて伝達歯車機構23を通して伝えられる補助クローラモータ22からの出力により回転する駆動軸24と、この駆動軸24に支持される駆動スプロケット25と、補助フレーム21に軸受4を介して支持される回転軸5まわりに回転するアイドラスプロケット26と、駆動スプロケット25及びアイドラスプロケット26間に掛け渡されて駆動スプロケット25からの駆動力を受けて両スプロケット間25,26を循環するクローラベルト27と、駆動軸24の先端に着脱可能に装着された車輪28を具備しており、この車輪28の径も駆動スプロケット25よりも大きく設定されている。
【0024】
この場合、車体2の
左右の同じ側に配置される主クローラ10及び補助クローラ20の各アイドラスプロケット16,26を支持する回転軸は共通の回転軸5としてあって、主クローラ10及び補助クローラ20の各クローラベルト17,27の循環速度に差を持たせることで、回転軸5まわりに補助クローラ20を回動させて補助クローラ20の主クローラ10に対する角度を変えることができるようになっている。
【0025】
また、車体2の
左右の同じ側に配置される主クローラ10及び補助クローラ20の各フレーム11,21における回転軸5の近傍には、補助クローラ20の主クローラ10に対する角度を保持するブレーキ(姿勢保持手段)6を備えている。
【0026】
この
参考例において、主クローラ10及び補助クローラ20の各伝達歯車機構13,23は、主クローラモータ12(補助クローラモータ22)の出力軸12a(22a)に固定されたピニオン13a(23a)と、駆動軸14(24)の基端部に固定された平歯車13b(23b)から成っており、主クローラモータ12(補助クローラモータ22)の出力によって車輪18(28)を低トルクで且つ高速で回転させ得るようになっている。
【0027】
また、主クローラ10及び補助クローラ20の各駆動軸14,24と駆動スプロケット15,25との間には、減速機構である遊星歯車機構19,29がそれぞれ介在させてある。この遊星歯車機構19(29)は、駆動軸14(24)の中間部に固定された太陽歯車19a(29a)と、駆動スプロケット15(25)に形成された歯車軸15a(25a)に支持されて太陽歯車19a(29a)と噛み合う複数の遊星歯車19b(29b)から成っており、主クローラモータ12(補助クローラモータ22)の出力によって駆動スプロケット15(25)を高トルクで且つ低速で回転させ得るようになっている。
【0028】
つまり、駆動スプロケット15(25)及び車輪18(28)を一本の駆動軸14(24)で支持すると共に、駆動軸14(24)と駆動スプロケット15(25)との間に遊星歯車機構19(29)を配置することで、主クローラモータ12(補助クローラモータ22)の出力により駆動スプロケット15(25)及び車輪18(28)を同時に回転駆動する、すなわち、駆動スプロケット15(25)を高トルクで低速回転させつつ、車輪18(28)を低トルクで高速回転させることができるようになっている。
【0029】
上記した本
参考例による走行ロボット1において、砂地や泥濘地などの不整地で走行する場合には、
図3(a)に示すように、主クローラ10及び補助クローラ20の各クローラベルト17,27を接地させて、両クローラ10,20の各駆動スプロケット15,25の回転速度ω1,ω2を等しくすれば、遊星歯車機構19,29を介して伝えられる主クローラモータ12及び補助クローラモータ22からの回転力により、低速ながら高トルクで走行し得ることとなる。
【0030】
加えて、車体2の
左右の一方側に位置する主クローラ10及び補助クローラ20と、他方側に位置する主クローラ10及び補助クローラ20とを互いに逆方向に作動させれば、すなわち、逆方向にクローラベルト17,27を循環させれば、通常のクローラと同様に、超信地旋回を容易に行い得ることとなる。
なお、クローラ10,20による走行時や超信地旋回時には、各車輪18,28も接地しているが、これらの車輪18,28は、いずれも低トルクで回転していて、砂地などの不整地では空回り状態となるので、クローラ10,20による走行に支障を来たすことはない。
【0031】
このクローラ10,20による走行時において、主クローラモータ12及び補助クローラモータ22からの回転力を互いに変えて、両クローラ10,20の各駆動スプロケット15,25の回転速度ω1,ω2に差を生じさせてω1<ω2とすれば、両クローラ10,20の共通の回転軸5まわりに回転する各アイドラスプロケット16,26間にはω1−ω2=ω3の回転速度差(時計回り正)が生じる。このように、ω3の回転速度差が生じると、
図3(a)に仮想線で示すように、補助クローラ20が主クローラ10に対して反時計回り方向に回動することから、迎え角が大きくなる分だけ段差や障害物を乗り越え易くなる。
【0032】
一方、上記した走行ロボット1において、平坦地を走行する場合には、両クローラ10,20の各駆動スプロケット15,25の回転速度ω1,ω2をω1>ω2とすれば、各アイドラスプロケット16,26間に生じる回転速度差ω3で補助クローラ20が主クローラ10に対して時計回り方向に回動するので、両クローラ10,20の各クローラベルト17,27がいずれも地面から離間して、駆動スプロケット15,25よりも径の大きい車輪18,28のみが接地することとなる。
【0033】
そして、
図3(b)に示すように、両クローラ10,20がいずれもほぼ水平になった時点で各駆動スプロケット15,25の回転速度ω1,ω2(駆動軸の回転速度)を等しくすれば、両クローラ10,20の互いの姿勢が保たれた状態で、遊星歯車機構19,29を介して伝えられる主クローラモータ12及び補助クローラモータ22からの回転力により、車輪18,28による高速走行を行い得ることとなる。
【0034】
この車輪18,28による高速走行時において、ブレーキ6により補助クローラ20の主クローラ10に対する姿勢を保持するようになせば、安定した高速走行を行い得ることとなる。
【0035】
また、この車輪18,28による走行中において、主クローラ10の駆動スプロケット15の回転速度ω1と、補助クローラ20の駆動スプロケット25の回転速度ω2との回転速度差ω3をより大きくすれば、
図3(c)に示すように、補助クローラ20が主クローラ10に対してより大きく時計回り方向に回動して、車輪18,28の間隔が狭まることから、信地旋回を行い易くなる。
【0036】
上記したように、本
参考例に係る走行ロボット1では、駆動スプロケット15,25及び車輪18,28を一本の駆動軸14,24で支持し且つ駆動軸14,24と駆動スプロケット15,25との間に遊星歯車機構19,29を配置するようにしているので、コンパクトな構成ながら、クローラモータ12,22からの回転力により、クローラ10,20の駆動スプロケット15,25を高トルクで低速回転させるのと同時に、車輪18,28を低トルクで高速回転させることが可能である。
【0037】
そのうえで、主クローラ10と補助クローラ20との間に回転速度差を生じさせ、この回転速度差で補助クローラ20を主クローラ10に対して回動させることによって、クローラ10,20による走行と車輪18,28による走行とを切り替えるようにしているので、段差や障害物の乗り越え機能に加えて、構成を複雑化することなく、平坦地における高速走行機能が得られることとなる。
【0038】
図4は、本発明の
一実施例による走行ロボットを示している。
図4(a)に示すように、この走行ロボット41が、先の
参考例に係る走行ロボット1と相違するところは、主クローラ50及び補助クローラ60の各クローラベルト57,67が接地している状態において、車輪58,68を地面から離間させるアイドラー56A,66Aを主クローラ50及び補助クローラ60の各駆動スプロケット55,65の近傍に配置した点にある。
【0039】
この走行ロボット41では、主クローラ50及び補助クローラ60の各クローラベルト57,67の接地面積を大きくすることができ、不整地における走行性能の向上を実現し得ることとなる。
【0040】
この走行ロボット41においても、平坦地を走行する場合には、主クローラ50の駆動スプロケット55の回転速度を補助クローラ60の駆動スプロケットケット65の回転速度よりも大きくすれば、この回転速度差で補助クローラ60が主クローラ50に対して時計回り方向に回動するので、
図4(b)に示すように、両クローラ50,60がいずれも地面から離間して、駆動スプロケット55,65よりも径の大きい車輪58,68のみが接地することとなり、車輪58,68による高速走行を行い得ることとなる。
【0041】
上記した
参考例及び実施例では、主クローラ10,50と補助クローラ20,60との間に回転速度差を生じさせることで、補助クローラ20,60の主クローラ10,50に対する角度を変化させるようにしているが、姿勢を変化させるためのモータを別途設置して補助クローラ20,60の角度を変えるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1,41 走行ロボット
2 車体
5 回転軸
6 ブレーキ(姿勢保持手段)
10,50 主クローラ
12 主クローラモータ(駆動源)
14,24 駆動軸
15,25,55,65 駆動スプロケット
16,26,56,66 アイドラスプロケット
17,27,57,67 クローラベルト
18,28,58,68 車輪
19,29 遊星歯車機構(減速機構)
19a,29a 太陽歯車(遊星歯車機構)
19b,29b 遊星歯車(遊星歯車機構)
20,60 補助クローラ
22 補助クローラモータ(駆動源)
56A,66A アイドラー