(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の制御ゲートのそれぞれは、前記ボディ層を通って前記第2の導電型の前記半導体層内に第3の所定の距離だけ延在する、制御ゲートトレンチを備える、請求項1に記載の半導体装置。
前記第2の導電型の前記半導体層内に存在する不純物のドープ濃度、および、前記第1のトレンチと前記第2のトレンチとの間の距離は、前記半導体装置の降伏電圧を画定する、請求項19に記載の半導体装置。
前記第1のトレンチおよび前記第2のトレンチの前記遠位部分内に配置された前記誘電体材料は、前記第2の誘電体材料の内側に配置された第3の誘電体材料をさらに備える、請求項19に記載の半導体装置。
前記トレンチの前記近位部分内に配置された前記誘電体材料は、前記第1の誘電体材料と、前記第1の誘電体材料の内側に配置された前記第2の誘電体材料とを備える、請求項19に記載の半導体装置。
前記意図的に導入された電荷は、少なくともヨウ素イオン、臭素イオン、クロミウムイオン、アルミニウムイオン、または塩素イオンの領域に関連する正味負電荷を含む、請求項30に記載の半導体装置。
前記第1の導電型および前記第2の導電型は、n型であり、前記意図的に導入された電荷は、少なくともヨウ素、臭素、クロミウム、アルミニウム、または塩素イオンに関連する、請求項30に記載の半導体装置。
前記第1の導電型および前記第2の導電型は、p型であり、前記意図的に導入された電荷は、ヨウ素、臭素、クロミウム、アルミニウム、または塩素イオンに関連する、請求項30に記載の半導体装置。
前記トレンチの前記近位部分内に配置された前記誘電体材料は、前記第1の誘電体材料と、前記第1の誘電体材料の内側に配置された前記第2の誘電体材料とを備える、請求項30に記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態によれば、改善された導電性およびスイッチング性能によって特徴付けられる、パワーMOSFET構造体が提供される。特定の実施形態では、電荷を含む誘電体層を使用して、ドリフト領域内の電荷を平衡化する、高電圧MOSFET構造体が提供される。電荷が平衡化された誘電体およびシリコン層を交互にすることによって、構造体の性能は、所与のドープ濃度に対する、1次元シリコンの降伏電圧制限を上回る。縦型および横型MOSFET構造体の両方が、本発明の実施形態によって提供される。さらに、特定の実施形態では、降伏電圧および/またはオン抵抗のさらなる改善のために、電荷を備えた誘電体層を2重または多重表面電界緩和(Resurf)技術と組み合わせた、横型構造体が使用される。本願明細書の全体を通じて、これらの構造体を製造する方法が説明され、本発明のさらなる詳細、実施形態、および実施例が説明される。シリコンを半導体材料として言及しているが、本発明は、他の半導体材料を含む他の材料で製作されるパワーMOSFETにも適用することができる。
【0025】
図42Aおよび42Bは、上部にアノード接点、および底部にカソード接点を有する、ダイオードの簡略断面図である。
図42Aでは、半導体領域4203は、アノードとカソードとの間に位置する。
図42Bでは、半導体領域4205は、2つの絶縁領域4201の間に位置する。
図42A〜
図42Bには、各等値線が10Vを表す、降伏での等電位線も示されている。シミュレーションにおけるメサ領域4205の幅は、1μmであり、アノードとカソードとの間の距離は、10μmであり、絶縁層の幅は、0.5μmであった。
図42Aでは、シミュレーションは、単純なp−nダイオードに関して行ったが、
図42Bでは、4201と4205との間の界面に沿って固定電荷を存在させた。最大降伏電圧に対する固定電荷密度(Q
f/q)が選択され、ここで、qは、電子電荷である。いずれの場合も、半導体領域のドープは、2×10
16/cm
3とした。本願明細書では、固定電荷という記述は、いくつかの実施形態では、概してイオン注入工程によって提供される空間的に固定された電荷が、トランジスタ装置内で利用されることを示すように提供される。「固定電荷」という用語の使用は、本発明の実施形態を注入電荷に限定することを意図したものではなく、電荷が装置内に存在するように提供された(意図的に導入された、とも称される)ことを表すために使用される。
【0026】
シミュレーションは、固定電荷の存在により、降伏電圧を大幅に高めることができることを明確に示している。固定電荷の非存在下では、同じ高降伏電圧を達成するために、概して、メサ内のドープレベルを極めて低く、かつ半導体領域をより厚くしなければならない。しかしながら、この低いドープレベルおよび厚い半導体領域は、そのような構造体で作製されたあらゆるパワーMOSFETのドリフト領域の特定のオン抵抗を増加させることになる。
【0027】
図42Cは、
図42Aおよび42Bに示された構造体に対する、断面線AA´に沿った電界における違いを示している。電界分布は、p−nダイオードに対して不十分であるが、固定電荷により、電界がより均一に分布し、したがって、降伏電圧を最大化するのにほぼ理想的である。逆バイアスの下では、固定電荷によって、メサ4205内のイオン化したドーパント原子を、横方向に終端処理することが可能となり、
図42Bの断面線AA´に沿った、実質的に均一な電界を保持することができる。
図42Aの場合、逆バイアスの下では、イオン化したドーパントは、カソードにおいて終端処理しなければならないので、電界のプロファイルは三角形になる。
【0028】
図42Dは、p−nダイオードおよび固定電荷ダイオード構造体の電気端子特性を示している。固定電荷が無い場合、降伏電圧は約34Vであり、一方で、最適な固定電荷が有る場合、降伏電圧は約220Vである。
図42A〜
図42Dに示されたデータは、電荷平衡技術として固定電荷を使用することで、高い降伏電圧が可能となることを示している。
【0029】
当業者には、固定電荷は、概してシリコンと誘電体材料との間の界面の近くで生じるものとして知られているが、この固定電荷は、概して、半導体装置の性能に影響を与えるものとみなされ、したがって、装置の製作中に可能な限り最小限に抑えられる。このような通常生じる固定電荷の大きさは、
図42Dに示されるように、降伏電圧の強化には不十分である。本願明細書では、固定電荷とは、製作工程の副産物として生じる電荷に加えて、イオン注入、拡散、蒸着等の工程を使用して意図的に導入された電荷を指す。さらに、誘電体と半導体領域との間の界面について述べられているが、界面領域は明瞭ではないことが既知であり、界面電荷は、概して誘電体内にあるが、いくらか半導体材料内にも延在し得る。
【0030】
本発明の実施形態によれば、新規のパワーMOSFET構造体、およびそのような構造体を作製する方法が開示される。新しい構造体は、意図的に導入された電荷(Q
f)を有する誘電体層を提供するという概念を利用している。電荷が平衡化された誘電体層およびシリコン(ドリフト)層を交互にすることによって、構造体は、所与のドリフト領域のドープ濃度に対して、高電圧を維持する。いくつかの実施形態では、ドリフト領域は、エピタキシャル成長、注入、または低濃度ドープのエピタキシャル成長に続く注入等を使用して形成される。本発明の実施形態によって提供される装置性能は、同じ厚さのエピタキシャル層に対する、1次元シリコンの降伏電圧限度を超えるものである。
【0031】
以下の説明では、固定電荷とは、製作工程の副生物として生じる電荷に加えて、イオン注入、拡散、蒸着等の工程を使用して意図的に導入される電荷を指す。さらに、以下、全体として界面電荷、すなわち、誘電体領域と半導体領域との間の界面領域内の電荷に関して言及するが、そのような電荷はまた、誘電体領域、および誘電体領域が形成される半導体領域の両方に存在し得るものと理解されたい。
【0032】
逆バイアスで、誘電体層の電荷は、空乏領域内の電荷によって平衡化される。ゼロバイアスで、誘電体層の電荷は、部分的に、半導体−誘電体層間の界面に形成される反転層内に存在する電荷によって平衡化される。誘電体層内の電荷は、最高の効率のために、半導体−誘電体層間の界面に、またはその近くに位置する。電荷は、代表的な装置の動作温度で不動であることが好ましい。負または正電荷の両方を使用して、半導体層のイオン化不純物の空乏電荷を平衡化するのに必要な電荷を提供することができる。これによって、電圧維持領域に沿ってより均一な電界がもたらされ、したがって、より高い降伏電圧がもたらされる。
【0033】
本発明は、主に半導体領域に隣接する誘電体層の誘電率および幅に依存する、従来の半導体構造体を上回る、多くの利点を提供する。本発明による、電荷平衡に提供される固定電荷は、トレンチ幅の関数ではない。したがって、より高い降伏電圧を達成するために、誘電体層の幅は、固定電荷を導入し、また、トレンチを補充するのに必要なステップによってのみ制限され、これによって、従来のSJまたは非SJ型構造体によって得ることができるものよりも小さいセルピッチが可能となる。さらに、p−n接合または電界板内ではなく、誘電体層内の電荷を使用して電荷平衡を行うことによって、より低い静電容量が達成される。本願明細書に記載の本発明の構造体は、従来の装置よりも製作がより容易で、かつ費用効率がより高いものである。
【0034】
本発明の実施形態を利用することで、半導体装置の1つ以上の電気的特性(例えば、降伏電圧)は、実質的にトレンチ幅の関数ではなくなる。一実施例として、装置の電気的特性(例えば、降伏電圧)は、トレンチ間の距離、およびトレンチ間の材料内に存在するドーパントの濃度によって画定される。特定の一実施例では、1対のトレンチ間の装置のエピタキシャル層に対して垂直な線に沿って測定したドーパントの集積電荷密度は、約q×1×10
12/cm
2から約q×5×10
12/cm
2までの範囲である。他の集積ドーパント(不純物をドープする、とも称する)の電荷密度は、本発明の実施形態の範囲内に含まれる。
【0035】
図1Aは、本発明の一実施形態による、平面nチャネルDMOSトランジスタ100の簡略図である。
図1Aは、nチャネルDMOSトランジスタを示しているが、本発明の実施形態は、pチャネルMOSFET、IGBT等を含む、他のMOSFET設計に適用することができる。
図1Aに示された実施形態では、nチャネルMOSFET100の基本セルは、高濃度ドープのn+基板101の上に成長させたn型エピタキシャル層105上に示されている。いくつかの実施形態は、基板101を基板と称しているが、基板101は、初期の処理に好適な研磨基板であってもよく、またはその上に成長させた1つ以上のエピタキシャル層を有する基板を含み得ると理解されよう。したがって、基板という用語の使用は、未処理の半導体ウエハに限定されるものではなく、以降の半導体処理作業に有用な出発材料を提供する構造体を含む。当業者は、多くの変形、変更、および代替例を認識するであろう。
【0036】
図1Aに示されるように、装置は、平面制御ゲート120と、負電荷を有する2つの深い電荷制御トレンチ110および112とを有する。本実施形態では、電荷制御(CC)トレンチ110および112は、装置の表面から、高濃度ドープのn+基板101内に延在する。一実施形態では、n型エピタキシャル層105内に形成されたnドリフト領域は、均一にドープされる。別の実施形態では、n型エピタキシャル層105内のnドリフト領域は、不均一にドープされる。例えば、ドーププロファイルは、装置パラメータに応じて、基板において高濃度ドープを有し、表面に向かって減少する、またはその逆となるように傾斜させることができる。
【0037】
本願明細書に記載されたいずれの実施形態に関しても記載されていないが、隣接するCCトレンチ110と112との間の集積電荷は、測定することができる。いくつかの実施形態では、半導体層105に平行な線に沿って、1組のトレンチ110/112の間で測定した集積電荷密度(Q
P/q)は、約1×10
12cm
-2から、約5×10
12cm
-2までの範囲であり、ここで、qは、電子電荷である。いくつかの実施形態では、最高の性能を得るために、集積電荷は、CCトレンチを介して提供される固定電荷によって平衡化されることが好ましい。集積電荷が、CCトレンチを介して提供された固定電荷によって平衡化された時に、半導体装置の電気的特性、例えば、ソース端子とドレイン端子との間の降伏電圧は、トレンチの幅に依存しない。
【0038】
図1Bは、本発明の一実施形態による、トレンチnチャネルMOSトランジスタ150の簡略図である。
図1Bに示された実施形態では、nチャネルMOSFET150の基本セルは、高濃度ドープのn+基板101の上に成長させたn型エピタキシャル層105上に示されている。
図1Bに示されるように、装置は、トレンチ制御ゲート170と、負電荷を有する2つの深い電荷制御トレンチ110および112とを有する。トレンチ制御ゲート(Control Gate:CG)170は、装置の表面からn型エピタキシャル層105内に延在する。
図1Aに示された実施形態にあるように、CCトレンチ110および112は、装置の表面から高濃度ドープのn+基板101内に延在する。
【0039】
図1Aおよび1Bに示された実施形態では、第1の誘電体材料114、例えば熱成長酸化物層は、CCトレンチの底部および壁を覆う。特定の実施形態では、第1の誘電体材料は、厚さが、約2nmから約200nmまでの範囲である。特定の実施形態では、第1の誘電体材料の厚さは、約30nmである。CCトレンチ110および112は、第1の誘電体材料の内側のトレンチの内側部分において、第2の絶縁材116で充填され、これは、本願明細書では、化合物材料または複合材料とも称され得る。特定の実施形態では、第2の材料116は、フッ化アルミニウム材料を含む。本願明細書の全体を通じて詳述されるように、第2の/化合物/複合材料は、例えばフッ化アルミニウムとなり得、第1の誘電体材料との界面において負電荷を提供する。化合物材料は、いくつかの実施形態では単一の材料であり、他の実施形態では1つ以上の材料の複数の層を含む。したがって、第1の誘電体材料114および第2の材料116は、第1の誘電体材料でもよい。一実施例として、第2の材料は、誘電体材料でもよい。第2の材料は、第1の誘電体材料と同じ材料、または異なる材料を含む誘電体材料となり得ることに留意されたい。
【0040】
図1Aを参照すると、CCトレンチ110および112の頂部上は、それぞれ、層130および132として示される、第1の誘電体材料の層で覆われている。加えて、平面ゲート120は、
図1Aに示された実施形態では、第1の誘電体材料を使用して絶縁される。一般的にはドープしたポリシリコンであるゲート導電材料の層122/172を、
図1Aおよび
図1Bに示す。
図1Bに示される実施形態では、第1の絶縁材は、トレンチゲート170の壁および底部の層として提供される。トレンチゲートの壁または底部へのこの層の形成は、第1の誘電体層114の形成と並行して、または同時に、あるいは別の工程ステップとして実行され得る。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。ソースおよびドレイン電極は、MOSFET装置の機能性に応じて提供される。
図1Aおよび1Bの両方に示されるように、拡散ボディ領域は、装置内に提供される。これらのn+、p+、およびp型層は、注入、拡散、アニール等の従来の製作工程を使用して形成される。これらの層の製作は、本願明細書の全体を通じてさらに詳細に記載される。
【0041】
図1Bを参照すると、2つのCCトレンチ110と112との間の集積電荷は、測定することができる。いくつかの実施形態では、表面に平行な線に沿って、1組のトレンチの間で測定した集積電荷密度(Q
N/q)は、約1×10
12cm
-2から、約5×10
12cm
-2までの範囲であり、ここで、qは、電子電荷である。特定の実施形態では、1組のトレンチ110と112との間で測定した集積電荷密度は、約2×10
12cm
-2である。最高の性能を得るために、集積電荷は、CCトレンチを介して提供される固定電荷によって平衡化される。
【0042】
図2Aは、本発明の一実施形態による、第2の誘電体材料を含むCCトレンチを備えた、トレンチMOSトランジスタの簡略図である。nチャネルトレンチMOSトランジスタ200は、高濃度ドープのn+基板201の上に成長させたn型エピタキシャル層205上に形成される。
図2Aに示されるように、装置は、トレンチ制御ゲート220と、負電荷を有する2つの深い電荷制御トレンチ210および212とを有する。トレンチCG220は、装置の表面からn型エピタキシャル層205内に延在する。本実施形態では、CCトレンチ210および212は、装置の表面から高濃度ドープのn+基板201内に延在する。
【0043】
図2Aに示された実施形態では、CCトレンチ210および212は、第1の誘電体層214と、化合物材料層216と、第2の誘電体層218とを含む。図示の装置の構造は、CCトレンチ210および212の壁および底部の第1の誘電体層214、第1の誘電体層214の内側の化合物材料層216、および化合物材料層216の内側の第2の誘電体層218を特徴とする。第1の実施形態では、第2の誘電体層218は、第1の誘電体層214と同じ材料種である。第2の実施形態では、第1および第2の誘電体層は、異なる材料を使用して形成される。化合物材料層216、例えばフッ化アルミニウムを、2つの絶縁層の間に挟むことで、絶縁層と化合物層との間の界面に負電荷が提供される。
【0044】
第1の誘電体層214、化合物材料層216、および第2の誘電体層218の組み合わせで、CCトレンチ210および212を充填する。
図2Aに示されるように、CCトレンチ210および212の上部は、第1の誘電体材料によって覆われておらず、ソース電極と電気的に接触する。一般的にはドープしたポリシリコンであるゲート導電材料222の層、拡散ボディ、およびソース領域が、
図2Aに示された装置内に提供される。これらのn+、p+、およびp型層は、注入、拡散、アニール等の従来の製作工程を使用して形成される。これらの層の製作は、本願明細書の全体を通じてさらに詳細に記載される。ソースおよびドレイン電極は、MOSFET装置の機能性に応じて提供される。
【0045】
いくつかの実施形態では、パワーMOSFET構造体は、n型シリコン層内のイオン化不純物の正の空乏電荷を平衡化するように、誘電体層内に存在する負電荷を利用する旨が開示されている。特定の実施形態では、制御ゲート(CG)トレンチの壁および底部は、酸化シリコン(SiO
2)のような第1の誘電体材料で内側が覆われ、ドープしたポリシリコンのような導電材料で充填される。電荷制御(CC)トレンチは、酸化アルミニウム(Al
2O
3)またはフッ化アルミニウム(AlF
3またはAlF
x)のような絶縁または化合物材料の層によって覆われた、厚さが数ナノメートルの、薄い酸化物のような第1の誘電層を有し、負電荷は、酸化物−化合物材料間の界面において生成される。二酸化シリコンおよびフッ化アルミニウム(AlF
3またはAlF
x)の化合物絶縁層を使用したこの負電荷生成効果は、実験的に検証され、負の界面電荷が、分率xの強い関数であることが見出された。逆バイアスにおいて生じるNドリフト空乏領域内の正電荷は、電荷制御トレンチの第1の誘電体層の界面、またはその近くに位置する負の固定電荷によって平衡化される。
【0046】
いくつかの他の実施形態では、nチャネルパワーMOSFET構造体は、電圧を維持するように、正電荷(Q
f)およびp型シリコン層を有する誘電体層を利用する旨が開示されている。誘電体層は、制御ゲートの下、またはそれに平行に位置するトレンチ内に提供される。平衡状態の下で、誘電体層内、または誘電体層−シリコン界面間の正電荷は、シリコン−誘電体間に形成された反転層電荷によって部分的に平衡化される。逆バイアスで、正電荷は、p型ドリフト領域のイオン化不純物の負の空乏層電荷を平衡化する。正電荷は、例えば、セシウムまたはカリウム等の正イオンを、トレンチ壁および底部を覆う酸化物層内に注入することによって実現することができる。正電荷を実現する代替方法は、窒化シリコン、または酸窒化シリコン、あるいは上述した2つの方法の組み合わせ等の、高密度の正電荷を導入することができる誘電体膜を蒸着することによるものである。
【0047】
図2Bは、本発明の一実施形態による、第2の誘電体材料および空隙を含む電荷制御トレンチを備えた、トレンチMOSトランジスタ250の簡略図である。
図2Bに示されるように、装置の製造中に、空隙252が各CCトレンチ内に形成される。空隙252は、誘電体の形成工程中に高アスペクト比のトレンチ内に生じ得、CCトレンチ内に示された誘電体材料の内側に、さらなる誘電体材料(例えば、大気または不活性環境)を提供する。いくつかの実施形態では、CCトレンチ内に形成される1つ以上の空隙は、意図的に導入されるが、他の実施形態では、該空隙は、装置の製造中に利用される、蒸着工程の副産物である。空隙の深さおよび幅は、装置の製造中に利用される特定の工程フローに依存する。
図2Bには単一の空隙が示されているが、本発明の実施形態に関しては必須ではなく、他の実施形態では複数の空隙が利用され得る。加えて、空隙252は、第2の誘電体層218によって完全に封入されているように示されているが、本発明の実施形態に関しては必須ではない。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。
【0048】
図3Aは、本発明の一実施形態による、同じトレンチ内に提供された制御ゲートおよび電荷制御を備えた、トレンチMOSトランジスタ基本セルの簡略図である。
図3Aに示されるように、各セルに対して、CGおよびCCトレンチは両方とも、同じトレンチ内に構成される。
【0049】
nチャネルトレンチMOSトランジスタ300は、高濃度ドープのn+基板301の上に成長させたn型エピタキシャル層305上に形成される。
図3Aに示されるように、装置は、負電荷を有するトレンチの遠位端に電荷制御トレンチ領域を備えた、制御ゲートおよび電荷制御トレンチの組み合わせ320を有する。トレンチCG320は、装置の表面(トレンチの近位端)から、n型エピタキシャル層305を通って、高濃度ドープのn+基板301(トレンチの遠位端)内に延在している。図に示されるように、トレンチCG320は、pボディnドリフト接合340の下に延在する。本実施形態では、トレンチ310および312のCC領域は、pボディ/nドリフト接合の下から、高濃度ドープのn+基板301内に延在する。
【0050】
図3Aに示された実施形態では、CCトレンチ310および312、およびトレンチCGは、CCトレンチおよびトレンチCGの下部分内に、第1の誘電体層314と、化合物材料層316とを含む。CCトレンチ310および312の上部分、およびトレンチCGの上部分は、追加の第1の誘電体層315と、ゲート導電材料322とを含む。化合物材料層316と追加の第1の誘電体材料315との間の界面は、CCトレンチおよびCGトレンチの下部分と上部分との間の界面を画定する。
図3Aに示されるように、この界面は、n型エピタキシャル層305内に位置する。
【0051】
図3Aに示された装置の構造は、CCトレンチ310および312、およびCGトレンチ320の壁および底部の第1の誘電体層314と、CCトレンチ310および312、およびCGトレンチ320の下部分内の第1の誘電体層314の内側の化合物材料層316とを特徴とする。CCトレンチ310および312、およびCGトレンチ320の上部分では、追加の第1の誘電体層315は、第1の誘電体層314の内側にあり、ゲート導電材料322は、追加の第1の誘電体層315の内側にある。いくつかの実施形態では、第1の誘電体層314および追加の第1の誘電体材料315は、同じ材料型であるが、これは本発明に関しては必須ではない。化合物材料316、例えばフッ化アルミニウム、およびゲート導電材料322、例えばドープしたポリシリコンが、図に示されるように提供される。
【0052】
CCトレンチ310および312、およびトレンチCG320の上部は、第1の誘電体材料314および追加の第1の誘電体材料315のうちの少なくとも1つの層で覆われる。拡散領域が、
図3Aに示される装置内に提供される。これらのn+、p+、およびp型層は、注入、拡散、アニール等の従来の製作工程を使用して形成される。これらの層の製作は、本願明細書の全体を通じてさらに詳細に記載される。ソースおよびドレイン電極は、MOSFET装置の機能性に応じて提供される。
図3Aに示された装置を製作する工程は、
図41A〜Iに関連して記載される。
図3Aに示されたCCトレンチの底部分(トレンチの遠位部分)内の誘電体材料の組成は、
図41Iのものとは異なると理解されよう。設計の変形は、例えば、
図41Dに示されたステップにおける工程フローに対する変更によって実施することができる。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。
【0053】
図3Bは、本発明の別の実施形態による、同じトレンチ内に提供された制御ゲートおよび電荷制御を備えた、トレンチMOSトランジスタの簡略図である。高濃度ドープのn+基板301およびn型エピタキシャル層305上に製作されたトランジスタは、同じトレンチ内に構成された制御ゲート(CG)および電荷制御(CC)領域を含む。このような3つのトレンチ360、362、および364が示されている。トレンチ360、362、および364の底部は、n+基板301内に延在する。トレンチは、トレンチの上部分(トレンチの近位部分)内の制御ゲート372と、トレンチの下部分(トレンチの遠位部分)内の誘電体材料376とを含む。
【0054】
負電荷は、誘電体層内、またはCGの下のトレンチ360、362、および364内に存在する誘電体層−シリコン間の界面内に位置する。オン状態で、電子電流は、ソースから、チャネルおよびn型ドリフト領域を通って、n+基板301へ流れる。電流の流れを連続的にするために、CGは、トレンチのCC部分に十分重なっていることに留意されたい。
【0055】
本発明の実施形態によれば、トレンチ誘電体内に固定電荷が存在することで、ドリフト領域内の担体に「組み込まれた」空乏化がもたらされる。本発明の種々の実施形態によって示されるように、トレンチとドリフト領域との間の誘電体界面、またはその近くに存在する固定電荷は、ドリフト領域内に存在する電荷を平衡化する。別の実施形態では、負電荷Q
fは、CGの下のn領域が、降伏電圧において完全に空乏化される程度である。概して、誘電体層内の負電荷は、イオン注入を使用したヨウ素、臭素、塩素、クロミウム、アルミニウム、または他の好適な原子によって、または、ドライブインまたはアニールステップに続く酸化物層上への不純物の蒸気蒸着のような技術を使用して、不純物を酸化物内に拡散させることによって提供される。
図3Bに示された装置を製作する工程は、
図40に関連して記載される。
【0056】
図3Bおよび
図16を参照すると、両図とも、nチャネルMOSFETに関するものであるが、
図3Bでは、界面で負の固定電荷が使用されている。この負電荷は、逆バイアスでnドリフト領域の正の空乏電荷を平衡化する。
図16では、逆バイアスでp領域の負電荷を平衡化するために正の固定電荷が使用される。オン状態で、正の固定電荷は、CCトレンチとシリコンとの間の界面に沿って導電のために使用される反転層を誘起する。n型の場合(
図3B)、電荷制御領域に最も近い領域が空乏化されるので、電流は、シリコンピラーの中央に向かって流れる。正の固定電荷の場合(
図16)、電流は、シリコンと酸化物との間の界面に完全に沿って流れる。
【0057】
図4は、本発明の一実施形態による、深いp+層を有する、制御ゲートトレンチおよび電荷制御トレンチを備えた、トレンチMOSトランジスタの簡略図である。nチャネルトレンチMOSトランジスタ400は、高濃度ドープのn+基板401の上に成長させたn型エピタキシャル層405上に形成される。
図4に示されるように、装置は、トレンチ制御ゲート420と、負電荷を有する2つの深い電荷制御トレンチ410および412とを有する。トレンチCG420は、装置の表面からn型エピタキシャル層405内に延在する。一般的にはドープしたポリシリコンであるゲート導電材料422の層、および拡散領域は、
図4に示された装置内に提供される。これらのn+、p+、およびpボディ層は、注入、拡散、アニール等の従来の製作工程を使用して形成される。
【0058】
図4に示されるように、CCトレンチ410および412は、pボディ領域442よりも深い、p+領域440との間に配置される。本設計は、トレンチ制御ゲート420によって制限される降伏電圧の値よりも低い所定の値に、降伏電圧を固定するのに使用される。本実施形態では、CCトレンチ410および412は、装置の表面から高濃度ドープのn+基板401内に延在する。代替の実施形態(図示せず)では、p+領域は、トレンチCG420よりも深く延在する。
【0059】
図4に示された実施形態では、CCトレンチ410および412は、第1の誘電体層414と、誘電体(化合物とも称される)材料層416と、第2の誘電体層418とを含む。図示の装置の構造は、CCトレンチ410および412の壁および底部上の第1の誘電体層414、第1の誘電体層414の内側の化合物材料層416、および化合物材料層416の内側の第2の誘電体層418を特徴とする。第1の実施形態では、第2の誘電体層418は、第1の誘電体層414と同じ材料種である。第2の実施形態では、第1および第2の誘電体層は、異なる材料を使用して形成される。
【0060】
第1の誘電体層414、化合物材料層416、および第2の誘電体層418の組み合わせで、CCトレンチ410および412を充填する。
図4に示されるように、CCトレンチ410および412の上部は、第1の誘電体材料によって覆われておらず、ソース電極と電気的に接触する。ソースおよびドレイン電極は、MOSFET装置の機能性に応じて提供される。
【0061】
図5は、本発明の実施形態による、制御ゲートトレンチと、第1の誘電体材料で被覆された電荷制御トレンチと、を有する、トレンチMOSトランジスタの簡略図である。
図5に図示される実施形態は、
図4に図示される装置と同様の構造を利用する。したがって、
図4および
図5の両方の機構には、同一の参照番号が利用される。加えて、
図5に図示されるように、第1の誘電体材料の層510が、CCトレンチ410および412の頂部上に形成される。いくつかの実施形態では、第1の誘電体材料の層510は、CCトレンチ内に形成される第1の誘電体材料414より厚い。例えば、第1の誘電体材料の層510は、0.05μm〜0.7μmの厚さを有し得る。
【0062】
図6は、本発明の実施形態による、第1の誘電体材料で被覆された制御ゲートトレンチおよび電荷制御トレンチの両方を有する、トレンチMOSトランジスタの簡略図である。
図6に図示される実施形態は、
図1Bに図示される装置と類似する構造を利用する。したがって、
図1Bおよび
図6の両方の機構には、同一の参照番号が利用される。加えて、
図6に図示されるように、第1の誘電体材料の層610が、CCトレンチ110および112の頂部上に形成される。第1の誘電体材料の層615の別の部分が、トレンチCG170の頂部上に形成される。いくつかの実施形態では、第1の誘電体材料の層610および615は、CCトレンチ110および112に形成される第1の誘電体材料114より厚い。例えば、第1の誘電体材料の層610および615は、0.05μm〜0.7μmの厚さを有し得る。
【0063】
図7は、本発明の実施形態による、底部の厚い酸化物を有する制御ゲートトレンチと、電荷制御トレンチと、を有する、トレンチMOSトランジスタの簡略図である。
図7に図示される実施形態は、
図1Bおよび
図6に図示される装置と類似する構造を利用する。したがって、
図1Bおよび
図6の両方、ならびに
図7の機構には、同一の参照番号が利用される。さらに、
図7に図示されるように、CGトレンチの底部の第1の誘電体材料層710は、CGトレンチの側面に形成される第1の誘電体材料より厚い。層710の誘電体(例えば、酸化物)の厚さの増加により、他の装置と比較して、ゲート−ドレイン静電容量C
gdが低下する。例えば、第1の誘電体材料の層710は、0.1μm〜1.0μmの厚さを有し得る。
【0064】
図8は、本発明の実施形態による、より低いゲート−ドレイン静電容量C
gdのための底の厚い酸化物を有する制御ゲートトレンチと、nドリフト領域内に延在する電荷制御トレンチと、を有する、トレンチMOSトランジスタの簡略図である。
図8に図示される実施形態は、
図2Aに図示される装置と類似する構造を利用する。したがって、
図2Aおよび
図8の両方の機構には、同一の参照番号が利用される。さらに、
図8に図示されるように、CCトレンチ210および212は、高濃度ドープのn+基板201にではなく、むしろn型エピタキシャル層205内のnドリフト領域内に延在する。
【0065】
また、
図8に図示されるように、CGトレンチの底部の第1の誘電体材料層810は、CGトレンチの側面に形成される第1の誘電体材料より厚い。層810の誘電体(例えば、酸化物)の厚さの増加により、他の装置と比較して、ゲート−ドレイン静電容量C
gdが低下する。例えば、第1の誘電体材料の層810は、0.05μm〜0.5μmの厚さを有し得る。さらに、第1の誘電体材料の層815は、CCトレンチ210および212の頂部上に形成される。第1の誘電体材料の層820の別の部分は、トレンチCG220の頂部上に形成される。いくつかの実施形態では、第1の誘電体材料の層815および820は、CCトレンチ210および212に形成される第1の誘電体材料214より厚い。例えば、第1の誘電体材料の層815および820は、0.05μm〜0.5μmの厚さを有し得る。
【0066】
図9は、本発明の実施形態による、段付きゲート酸化物制御ゲートと、nエピタキシャル層の厚さより浅い電荷制御トレンチと、を有する、トレンチMOSトランジスタの簡略図である。
図9に図示される実施形態は、
図1Bに図示される装置と類似する構造を利用する。したがって、
図1Bおよび
図9の両方の機構には、同一の参照番号が利用される。さらに、
図9に図示されるように、CCトレンチ110および112は、高濃度ドープのn+基板101にではなく、むしろn型エピタキシャル層105内のnドリフト領域内に延在する。
【0067】
さらに、
図9に図示される実施形態は、典型的には酸化物層である、段付きゲート絶縁体910を含む。段付きゲート絶縁体910の下部は誘電体層914を含み、これは、CGトレンチ170の、n型エピタキシャル層105とpボディ920との間の界面の上側の部分に提供される誘電体層916より厚い。
図9では、該界面の位置にゲート誘電体内の段が図示されるが、これは、本発明では必須ではない。CGトレンチ910の下部の誘電体の厚さの増加により、他の装置と比較して、ゲート−ドレイン静電容量C
gdが低下する。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。
【0068】
図10は、本発明の実施形態による、均一酸化物制御ゲートと、実質的に同一の深さを有するCCトレンチと、を有する、トレンチMOSトランジスタの簡略図である。
図10に図示される実施形態は、
図1Bに図示される装置と類似する構造を利用する。したがって、
図1Bおよび
図10の両方の機構には、同一の参照番号が利用される。さらに、
図10に図示されるように、CCトレンチ110および112は、高濃度ドープのn+基板101にではなく、むしろnエピタキシャル層105内のnドリフト領域内に延在する。
【0069】
図10にも図示されるように、トレンチCG170のトレンチは、CCトレンチ110および112がnエピタキシャル層105内のnドリフト領域内に延在するのと実質的に同一の距離で、n型エピタキシャル層105内に延在する。
図10のトレンチの延在の深さは、同一であるように図示されるが、これは、本発明の実施形態では必須ではない。他の実施形態では、トレンチの延在の深さは、例えば、約10%以内と類似しており、
図10に図示される実施形態に関連する利益を提供する。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。
【0070】
図11は、本発明の実施形態による、底部の厚い酸化物制御ゲートと、同一の深さを有するCCトレンチと、を有する、トレンチMOSトランジスタの簡略図である。
図8に図示される実施形態は、
図2Aに図示される装置と類似する構造を利用する。したがって、
図2Aおよび
図8の両方の機構には、同一の参照番号が利用される。さらに、
図8に図示されるように、CCトレンチ210および212は、高濃度ドープのn+基板201にではなく、むしろn型エピタキシャル層205内のnドリフト領域内に延在する。また、
図11に図示されるように、CGトレンチの底部における第1の誘電体材料層1110は、CCトレンチ210および212に形成される第1の誘電体材料214より厚い。例えば、第1の誘電体材料の層1110は、0.5μm〜50μmの厚さを有し得る。
【0071】
図11を参照すると、トレンチCG220のトレンチは、CCトレンチ210および212がnエピタキシャル層205内のnドリフト領域内に延在するのと同一の距離で、nエピタキシャル層205内に延在する。
図11のトレンチの延在の深さは、同一であるように図示されるが、これは、本発明の実施形態では必須ではない。他の実施形態では、トレンチの延在の深さは、類似しており、
図11に図示される実施形態に関連する利益を提供する。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。
【0072】
図12Aは、本発明の実施形態による、パワーMOSFET構造体の簡略上面図である。
図12Bおよび12Cは、それぞれ、
図12Aの線AA´およびBB´に沿った簡略断面図である。
図12Bを参照すると、CCトレンチ110および112ならびにトレンチCG170に関して、pボディ920およびn+接触領域1210が図示される。
図12Cに図示される断面では、p+接触領域1220は、CCトレンチ110および112ならびにトレンチCG170に対して図示される。
【0073】
図13は、本発明の実施形態による、制御ゲートトレンチと、電荷制御トレンチと、を有する、準縦形パワーMOSFETの単一のセルの簡略図である。
図13に図示されるように、本発明の実施形態によって提供されるパワーMOSFET構造体は、準縦形構成に実現することができる。オン状態では、電子電流は、ソースから、チャネル、およびNドリフト領域1307、n埋め込み層1305、およびn+領域1306(シンカー領域とも称される)を通って、装置の表面のドレイン接点に流れる。別の実施形態では、n+領域1306は、ドープポリシリコンまたはタングステン等の導電性材料で充填されたトレンチで置き換えられる。明確化のため、単一のセルのみが
図13に示されるが、複数の並列セルを有する他の構造体も実現することができる。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。終端処理するために、深いpウェルまたはpガードリングおよび電界めっきが使用される。
【0074】
図13に図示される準縦形パワーMOSFETでは、p型基板1301が利用され、CCトレンチ1310および1312は、誘電体層1314と、化合物材料1316と、を含む。トレンチCG1320は、ポリシリコン1324と、トレンチの底部に誘電体の、より厚い層1322と、を含む。
【0075】
図14Aは、本発明の実施形態による、電荷制御トレンチおよび底部の厚い酸化物制御ゲートトレンチならびに第1の誘電体材料で充填された終端トレンチを有する、準縦形パワーMOSFET構成の簡略図である。終端トレンチは、電荷制御トレンチと同一または異なる幅および深さであり得る。終端トレンチ1405および1407は、酸化シリコン(例えば、SiO
2)等の誘電体材料で充填される。
【0076】
図14Bは、本発明の実施形態による、底部の厚い酸化物制御ゲートと、電荷制御トレンチと、第1の誘電体材料で充填され、同一の深さを有する、終端トレンチと、を有する、準縦形パワーMOSFET構成の簡略図である。
図14Bに図示されるように、トレンチCGの底部誘電体1410は、
図14Aに図示される実施形態より厚い。したがって、CCトレンチ、トレンチCG、および終端トレンチの深さは、本実施形態では同一である。
図14Aおよび14Bでは、明確化のため、単一のセルのみが示されるが、複数のセルを有する他の構造体も実現することができる。
【0077】
図15Aは、本発明の実施形態による、横型パワーMOSFET構造体の簡略上面図である。
図15A〜
図15Dに示される構造体は、平面CG1502と、ソース側からドレインに向かって横方向に延在するCCトレンチ1505と、を有する。
図15A〜
図15Dに図示される平面ゲートは、本発明の実施形態では必須ではないが、CCトレンチ1505の一部の上を横方向に延在する。トレンチ底部およびソースならびにドレインに面する側壁での第1の誘電体層の厚さは、異なってもよい。
図15Bは、
図15Aの線AA´に沿った簡略断面図である。
図15Cは、
図15Aの線BB´に沿った簡略断面図である。
図15Dは、
図15Aの線CC´に沿った簡略断面図である。
【0078】
一実施形態では、CCトレンチ内の単一の誘電体層内の電荷は、CCトレンチ間のメサ内に位置するNドリフト領域内への実効ドーピング電荷と同等である。別の実施形態では、CCトレンチ内の単一の誘電体層内の電荷の大きさは、CCトレンチ間のメサ内のNドリフト領域内の実効ドーピング濃度による電荷の0.5〜2倍の範囲である。別の実施形態では、シリコン−誘電体界面に沿った誘電体電荷密度(Q
f/q)は、5×10
12cm
-2〜5×10
12cm
-2の範囲であり、式中、qは、電子電荷である。
【0079】
図15Cに図示されるように、一断面では、誘電体材料1510は、CCトレンチの底部に並ぶ。次いで、化合物材料1520が、誘電体材料1510上に形成される。
図15Dを参照すると、CCトレンチを通る別の断面では、第1の誘電体材料と同一であり得る第2の誘電体層1530は、化合物材料1520の内側に形成され、これによって、CCトレンチを充填する。
【0080】
図15A〜
図15Dは、p型基板上に製作されたnチャネル装置を図示するが、これは、本発明の実施形態では必須ではない。他の実施形態では、pチャネル装置は、拡散領域および他の装置活性領域の適切なドーピングを用いて、n型基板上に製作される。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。
【0081】
図16は、本発明の実施形態による、誘電体層充填電荷制御トレンチ内に位置する正電荷を有する、nチャネルトレンチMOSトランジスタの簡略図である。高濃度ドープのn+基板1601およびp型エピタキシャル層1605上に製作されたトランジスタは、同一のトレンチ内に構築された制御ゲート(CG)と、電荷制御(CC)と、を含む。2つのこのようなトレンチ1610および1612が図示される。トレンチ1610および1612の底部は、n+基板1601内に延在する。
【0082】
正電荷は、CGの下のトレンチ1610および1612内に存在する誘電体層内に位置する。オン状態では、電子電流は、ソースから、チャネルおよび正電荷によって生じる電子反転層を通って、N+基板1601に流れる。電流の流れを連続的にするために、電子反転層がCGに重なり、nドリフト領域の均等物を形成することに留意されたい。
【0083】
本発明の実施形態によれば、トレンチ誘電体内の固定電荷の存在は、ゼロバイアスで、ドリフト領域内の担体の本質的空乏をもたらす。様々な本発明の実施形態によって図示されるように、トレンチとドリフト領域との間の誘電体界面に存在する固定電荷は、ドリフト空乏領域内の電荷を平衡化する。別の実施形態では、正電荷Q
fはCGの下のp領域が、降伏電圧で完全に空乏となるような、正電荷である。一般に、誘電体層内の正電荷は、セシウム、カリウム、または他の好適な原子によって提供される。
図16に図示される構造体を製作する方法が、
図39と関連して説明される。
【0084】
図17Aは、本発明の実施形態による、正電荷含有誘電体層充填電荷制御トレンチと、pボディ領域と、を含む、nチャネルトレンチMOSトランジスタの簡略図である。MOSFETの閾電圧を調節し、パンチスルー電圧を改善するために、追加のpボディ層1710が使用される。
【0085】
図17Bは、本発明の実施形態による、正電荷誘電体層充填電荷制御トレンチを有する、組み合わせられた超接合トレンチMOSトランジスタの簡略図である。従来のSJ装置とは異なり、空乏化されたPピラー層の負電荷は、Nピラーの正電荷によって部分的にのみ補償される。つまり、負のPピラー空乏電荷は、正の固定電荷およびNピラー空乏電荷の両方によって平衡化される。これは、電荷の平衡化のより優れた制御および改善された担体移動度を提供することができる。
【0086】
原理上、超接合トレンチMOSトランジスタは、負電荷誘電体層充填電荷制御トレンチを利用することができることに留意されたい。これらの代替的な設計では、PMOSトランジスタを製作することができる。また、
図17Bに図示される実施形態は、N+基板内に延在するトレンチを利用するが、これは、本発明の実施形態では必須ではないことに留意されたい。
【0087】
図43Aは、本発明の実施形態による、平面nチャネルDMOSトランジスタ4300の簡略図である。
図43Aは、nチャネルDMOSトランジスタを図示するが、本発明の実施形態は、pチャネルMOSFET、IGBT等を含む、他のMOSFET設計に適用することができる。
図43Aに図示される実施形態では、nチャネルMOSFET4300の基本セルは、高濃度ドープのn+基板4301全面に成長したp型エピタキシャル層4305上に図示される。
図43Aに図示されるように、装置は、平面制御ゲート4320と、正電荷を有する深い電荷制御トレンチ4310と、を有する。本実施形態では、電荷制御(CC)トレンチ4310は、装置の表面から高濃度ドープのn+基板4301内に延在する。一実施形態では、p型エピタキシャル層4305内に形成されたpドリフト領域は、均一にドープされる。別の実施形態では、p型エピタキシャル層4305内のpドリフト領域は、不均一にドープされる。例えば、ドーピングプロファイルは、装置パラメータにより、基板でより高いドーピングを有し、表面に向かって減少するように、またはその逆に、勾配をつけることができる。別の実施形態では、p型エピタキシャル層を、高濃度ドープのn+基板の上に成長した、n型エピタキシャル層の上に成長させる。さらに別の実施形態では、pボディ領域およびチャネルは、CCトレンチに延在する。さらに、装置耐久性を改善するために、接点の下の領域内に、Pボディより深いP+領域を含むことができる。
【0088】
正電荷は、トレンチ4310内に存在する誘電体層内に位置する。オン状態では、電子電流は、ソースから、表面チャネルおよびCCトレンチに沿った正電荷によって生じる電子反転層を通って、N+基板1601に流れる。
図43Aに図示される装置は、2つのCCトレンチのみを利用するが、本発明の実施形態は、1つまたは2つのCCトレンチに限定されず、2つを超える多数のCCトレンチを利用することができる。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。
【0089】
図43Aを参照すると、CCトレンチ4310の頂部は、層4220として図示される、第1の誘電体材料の層およびポリシリコン平面ゲート材料で被覆される。さらに、平面ゲート4320は、
図43Aに図示される実施形態では、第1の誘電体材料を使用して絶縁される。典型的にドープポリシリコンである、ゲート導電性材料の層4322が、
図43Aに図示される。
【0090】
図43Aに図示されるように、拡散されたボディおよびソース領域が、装置内に提供される。これらのn+、p+、およびp型層は、注入、拡散、アニール等の従来の製作工程を使用して形成される。これらの層の製作は、本明細書の全体を通じて、さらに詳細に記載される。
【0091】
本発明の実施形態によれば、トレンチ誘電体内の固定電荷の存在は、ドリフト領域内に担体の「組み込まれた」空乏をもたらす。様々な本発明の実施形態によって図示されるように、トレンチとドリフト領域との間の誘電体界面の付近に存在する固定電荷は、ドリフト領域内に存在する電荷を平衡化する。別の実施形態では、正電荷Q
fは降伏電圧で、CGの下のp領域が完全に空乏化されるような正電荷である。一般に、誘電体層内の正電荷は、セシウム、カリウム、または他の好適な原子によって提供される。
【0092】
図43Aを参照すると、2つのCCトレンチ4310間の集積電荷を測定することができる。いくつかの実施形態では、表面と平行な線に沿った一組のトレンチ間で測定される、集積電荷密度(Qp/q)は、約1×10
12cm
-2〜約5×10
12cm
-2の範囲でであり、式中、qは、電子電荷である。特定の実施形態では、一組のトレンチ4310間で測定される、集積電荷は、約2×10
12cm
-2である。最高の性能を得るために、集積電荷は、好ましくは、CCトレンチを介して提供される固定電荷によって平衡化される。
【0093】
当業者にとって明白であるように、本明細書に記載される他の実施形態も、一組のトレンチ間の集積電荷密度の計算に好適である。明確化のため、集積電荷密度の記載は、本明細書に図示される、それぞれおよび全ての図に関して記載されないが、集積電荷の計算は、本明細書に記載される複数の実施形態に適用することができる。いくつかの用途では、パワートランジスタ装置内に複数のトレンチが利用されるため、集積電荷密度は、一組以上の隣接するトレンチ間で測定することができる。集積電荷が、好ましく、CCトレンチを介して提供される固定電荷によって平衡化される場合、ソース端子とドレイン端子との間の降伏電圧は、隣接するトレンチ4310の分離とは無関係である。さらに、降伏電圧は、トレンチ4310の幅とは無関係である。
【0094】
図43Bは、本発明の実施形態による空隙を含む、平面nチャネルDMOSトランジスタ4350の簡略図である。前述されるように、空隙4352は、意図的に、または装置製作中に利用される蒸着工程の副生物として、誘電体形成工程中に高アスペクト比トレンチ内に形成され得る。空隙の深さおよび幅は、装置製作中に利用される特定の工程フローに依存する。単一の空隙が
図43Bに図示されるが、他の実施形態では、複数の空隙が利用され得るように、これは、本発明の実施形態では必須ではない。さらに、空隙4352は、CCトレンチ内に提供される誘電体層によって完全に封入されるように図示されるが、これは、本発明の実施形態では必須ではない。
【0095】
図43Bを参照すると、ゲート材料導電性材料4322は、CCトレンチ4310内に延在するノッチを含む。ノッチは、CCトレンチ内に図示される空隙4352の結果として、誘電体充填物の表面形状の変形から生じる。したがって、幅および深さを含むノッチの寸法は、空隙および周囲の誘電体材料の特性に依存する。
【0096】
図43Cは、本発明の実施形態による、深いp領域を含む、平面nチャネルDMOSトランジスタ4360の簡略図である。
図43Cに図示されるように、深いp領域は、本明細書により詳細に記載されるように、電圧固定および装置耐久性を改善する。本発明の実施形態では必須ではないが、深いp領域は、図示される実施形態内のpボディの下に延在する。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。また、
図43Cに図示される装置は、CCトレンチ内に形成された空隙4362を含む。さらに、ノッチは、前述されるように、ゲート導電性材料4322内に形成される。
【0097】
図43Dは、本発明の実施形態による、基板に隣接するn型層4303を含む、平面nチャネルDMOSトランジスタ4370の簡略図である。エピタキシャルに成長した基板の一部として製作され得るn型層4303は、減少したトレンチ深さを提供する。n型層の使用は、本明細書の全体を通じて、より詳細に記載される。また、
図43Dに図示される装置は、CCトレンチ内に形成された空隙4372を含む。さらに、ノッチは、前述されるように、ゲート導電性材料4322内に形成される。
【0098】
図18Aは、本発明の実施形態による、
図17Aに図示されるようなトランジスタのトレンチの上に誘電体層を有するトレンチMOSトランジスタの簡略図である。トレンチ頂部を被覆するために、第1の誘電体材料から形成されたより厚い層1810が、ゲートポリシリコン材料の上に提供される。本発明では必須ではないが、いくつかの実施形態では、第1の誘電体材料は、酸化シリコン材料(例えば、SiO
2)である。
【0099】
図18Bは、本発明の実施形態による、トレンチ内に追加の誘電体層を有する、
図18Aに図示されるようなトレンチMOSトランジスタの簡略図である。窒化シリコンまたは他の好適な誘電体材料であり得る追加の誘電体層1820は、トレンチ1610および1612内に形成され、トレンチの底部付近から制御ゲート材料の底部に延在する。
図18Bに図示される実施形態を利用し、酸化物層は、トレンチの底部に加えて、トレンチの壁にも隣接する。この酸化物層の内側に、窒化シリコン(Si
3N
4)等の第2の誘電体層が酸化物層に隣接して提供される。第2の誘電体層は、装置製作中に、固定電荷を生成するために、またはp領域を空乏化するために使用される電荷が、酸化物−シリコン表面付近に維持されるようにするのを確実にするためのキャップ層として、使用される。第2の誘電体層の厚さは、
図18Bに図示されるように、トレンチを完全に充填せず、別の誘電体層(例えば酸化物層)のための空間を残すように、選択される。したがって、本発明の実施形態は、多層誘電体層を提供し、非ドープの絶縁層に加えて、固定電荷に支持体を提供する。
【0100】
図18Cは、本発明の実施形態による、トレンチ内で、制御ゲート材料と隣接する、追加の誘電体層を有する、
図18Aに図示されるようなトレンチMOSトランジスタの簡略図である。トレンチの上部内に第2の誘電体層を形成することによって、制御ゲート材料の周囲に追加の絶縁材料が形成される。
図18Cに図示されるように、第2の誘電体層、例えば、窒化シリコンの頂部は、制御ゲート材料の頂部と平行である。しかしながら、この特定の形状は、本発明の実施形態では必須ではない。他の設計では、第2の追加の誘電体材料の厚さおよび被覆率は、特定の用途に適した絶縁特性を提供するように選択される。本明細書に記載される様々な設計では、複数の誘電体層が、特定の用途に適切な単一の誘電体層に代用され得ることが理解されるであろう。したがって、
図18Bおよび18Cに図示される実施形態は、誘電体材料(例えば、酸化物)の単一の層が複数の層(例えば、酸化物/シリコン−窒化物/酸化物層)によって置き換えられる、様々な設計の例示的なものである。
【0101】
図19は、本発明の実施形態による、p型エピタキシャル層1605内に存在するp領域とn+基板1601との間にnドリフト領域1910を有する、
図17Aに図示されるようなトレンチMOSトランジスタの簡略図である。
図20は、nドリフト領域1910内に延在し、n+基板1601内に延在しない、トレンチ深さを有する、
図19に図示されるようなトレンチMOSトランジスタの簡略図である。
【0102】
図21Aは、本発明の実施形態による、段付きゲート酸化物を有する、
図18に図示されるようなトレンチMOSトランジスタの簡略図である。明確化のため、単一のトレンチのみが
図21Aに図示される。トレンチ1610は、トレンチの下部により厚い層2110を有し、トレンチの上部により薄い層2120を有する、段付きゲート酸化物層を有する。
図21Aでは、p型エピタキシャル層1605とpボディ層1710との間の界面に、ゲート誘電体内の段差が図示されるが、これは、本発明では必須ではない。
図20では、
図19のように、トレンチ深さは、nドリフト領域1910内に延在し、n+基板1601内に延在しない。
【0103】
図21Bは、本発明の実施形態による、段付きゲート酸化物を有する、
図20に図示されるようなトレンチMOSトランジスタの簡略図である。
図20に関して記載されるように、トレンチ深さは、nドリフト領域1910内に延在し、n+基板1601内に延在しない。
図21Aおよび21Bに図示される実施形態では、段付きゲート酸化物厚さは、ゲート−ドレイン静電容量C
gdの減少をもたらす。
【0104】
図22Aは、本発明の実施形態による、装置終端処理のための誘電体充填トレンチを有する、
図20に図示されるようなトレンチMOSトランジスタの簡略図である。
図22Aに図示される1つ以上のトレンチ2210は、酸化シリコン等の誘電体材料で充填されても良く、装置を終端処理するために使用される。終端トレンチは、電荷制御トレンチと同一または異なる幅および深さであり得る。
【0105】
図22Bは、本発明の実施形態による、装置終端処理のための誘電体充填トレンチと、ボディ−ソース短絡と、を有する、
図20に図示されるようなトレンチMOSトランジスタの簡略図である。
図22Bに図示されるように、n+領域2215は、トレンチに隣接し、p+拡散領域に短絡される。ボディとソースの短絡は、装置終端処理を改善する。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。
【0106】
図23Aは、本発明の実施形態による、n+領域およびp+領域の代替的な配置を有する、
図18に図示されるようなパワーMOSFET構造体の簡略上面図である。
図23Bおよび23Cは、それぞれ、
図23Aの線AA´およびBB´に沿った簡略断面図である。図示される実施形態では、p+およびn+の接触領域への配置が提供されているが、これは本発明では必須ではない。
【0107】
図24は、本発明の実施形態による、従来の終端構造体を有する、準縦型パワーMOSFET構成の簡略図である。
図24に図示されるように、準縦形パワーMOSFETは、p型基板2401上に製作され、n型埋め込み層2403を含む。p型エピタキシャル層2405は、n型埋め込み層2403上に形成される。
図24に図示される装置は、
図18に図示される装置といくつかの類似点を共有する。
【0108】
オン状態では、電子電流は、ソースから、チャネル、トレンチの電荷制御領域内に存在する正電荷によって生じる電子反転層からn型埋め込み層2403、およびn+領域を通って、装置の表面のドレイン接点に流れる。
図24に図示される実施形態では、従来の終端が使用され、簡易化のために、2つのトレンチ2410および2412のみが示される。また、複数の並列セルを有する他の構造体も実現することができる。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。ドレインが、隣接する制御ゲート領域にパンチスルーするのを防ぐために、Pガードリング2420が提供される。
【0109】
図25は、本発明の実施形態による、終端処理のために誘電体材料充填トレンチを使用する、準縦形パワーMOSFET構成の簡略図である。
図25を参照すると、準縦形パワーMOSFETを終端処理するために使用される、深いトレンチ2510および2520は、酸化シリコン等の第1の誘電体材料で充填される。複数のセルを有する他の構造体、および/または誘電体材料で充填された複数のトレンチを使用する終端は、本発明の他の実施形態内に含まれる。終端トレンチは、電荷制御トレンチと同一または異なる幅および深さであり得る。
【0110】
図26Aは、本発明の代替的な実施形態による、横型パワーMOSFET構造体の簡略上面図である。
図26B〜
図26Dは、本発明のいくつかの異なる実施形態の、
図26Aの線AA´に沿った簡略断面図である。
図26Eは、
図26Aの線BB´に沿った簡略断面図である。
【0111】
図26Aを参照すると、横型パワーMOSFET構造体は、トレンチ内の酸化物(例えば、SiO
2)が、その中に含まれる正電荷を有するように、第1の誘電体材料で充填されたCCトレンチ2605を含む。CCトレンチ2605は、ソース側(
図26Aの下部)からドレイン(
図26Aの上部)に向かって横方向に延在する。様々な異なる実施形態に図示されるように、CCトレンチの底部、ソース、およびドレイン側壁での第1の誘電体層の厚さは、pドリフト領域およびnドリフト領域と面する側壁と異なってよい。さらに、メサ領域への様々なドーピングの代替手段が提供される。さらに、
図26Aに示されるCCトレンチは、誘電体材料で充填されるが、他の実施形態は、例えば、酸化シリコン/窒化シリコン/シリコンニ酸化物等、2つ以上の誘電体層を含む誘電体材料を含む。例えば、
図18Bは、縦形装置に関するが、トレンチ内の複数の誘電体層の使用を図示する。また、このような設計は、
図26Aに図示される構造体にも適用することができる。
【0112】
構造体全体は、
図26A〜
図26Dに示されるように、誘電体層2607で被覆される。この層は、半導体装置を不動態化するために使用される。p型ドリフト領域2608は、ドレインとボディとの間に配置され、CCトレンチ内の正電荷は、CCトレンチと半導体材料との界面に反転層を生じる。通常の動作では、電子は、n+ソースからチャネルを通って、CCトレンチの壁および底部に沿って、n+ドレインに移動する。この必然的帰結は、ゲートが、電流の連続性を維持するために、CCトレンチに重ならなければならないということである。別の実施形態(図示せず)では、
図26A〜
図26Eに示されるものと類似する特徴を共有する装置は、メサ領域表面を被覆する誘電体層内に、追加の正電荷を有する。これは、p型ドリフト領域の上部表面上に沿った追加の伝導チャネルを追加する。
【0113】
図26Cに示されるように、一実施形態によって提供される一構造体は、追加のn表面層2610を有し、別の実施形態によって提供される他の構造体は、
図26Dに示されるように、n埋め込み層2620を有する。n表面層2610およびn埋め込み層2620は、装置のR
spを低下させるために追加される。n表面またはn埋め込み層は、pボディおよびp型領域によって、降伏電圧で完全に空乏化される。
【0114】
図26Fは、トレンチ制御ゲートCGを有することを除き、
図26Bのものと類似する、横型パワーMOSFETの簡略図である。本構造体内の電子電流の流れは、n+ソースから開始し、チャネルで縦に沿って、CCトレンチの壁、底部、および頂部で横に沿って、n+ドレインに流れる。CCトレンチは、電子電流の連続性が維持されるように、トレンチゲートに密接に近接して延在する。代替的な実施形態では、電子電流の流れがn型ドリフト領域内であるため、領域2608は、CCトレンチ内に負電荷を有するn型であり、CCトレンチは、CGに完全に延在する必要がない。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。
【0115】
図26Gは、トレンチCGを有することを除き、
図26Cのものと類似する、横型パワーMOSFETの簡略図である。本構造体内での電子電流の流れは、n+ソースから開始し、チャネルで縦に沿って、CCトレンチの壁で横に沿って、n+ドレインに流れる。CCトレンチは、電子電流の連続性が維持されるように、トレンチゲートに密接に近接して延在する。代替的な実施形態では、電子電流の流れがn型ドリフト領域内であるため、領域2608は、CCトレンチ内に負電荷を有するn型であり、CCトレンチは、CGに完全に延在する必要がない。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。
【0116】
図26Hは、本発明の代替的な実施形態による、横型パワーMOSFET構造体の簡略上面図である。本実施形態のCCトレンチは、CCトレンチが、ソース端部でより広く、ドレイン端部でより狭い、テーパー状である。これは、電荷平衡を変化させ、これによって逆バイアス下のソースとドレインとの間の電界を変化させる。本効果は、当業者によって理解されるように、装置特性をさらに最適化するため、および基板の空乏電荷をもたらすために使用することができる。
【0117】
図26Iは、本発明の別の代替的な実施形態による、横型パワーMOSFET構造体の簡略上面図である。ゲート導電性材料、例えば、ポリシリコンは、セル間に接続されることに留意されたい。構造体は、
図26A〜
図26Eに示されるように、CGが、表面ではなく、むしろCCトレンチ内に形成されるという点において、26Aとは異なる。
図17および
図26Iを参照すると、構造体内の類似点に気付くことができる。本効果は、当業者によって理解されるように、装置特性をさらに最適化するために使用することができる。
【0118】
図26Jは、
図26Iの線AA´に沿った簡略断面図である。
図26Kは、
図26Iの線BB´に沿った簡略断面図である。
図26Kに図示されるように、CGおよびCCトレンチは、本横型設計では、同一のトレンチ内に集積される。当業者にとって明白であるように、CG領域は、一般的に、ポリシリコン、金属、または他の層(図示せず)を使用して、電気的接続性を有して提供されることに留意されたい。
【0119】
本発明のいくつかの実施形態は、nチャネルMOSFETに関して記載されてきたが、本発明の他の実施形態は、pチャネルMOSFETである。
図27Aは、本発明の実施形態による、制御ゲートトレンチと、誘電体層充填電荷制御トレンチと、を有する、pチャネルトレンチMOSトランジスタの簡略図である。pチャネルトランジスタは、上にp型エピタキシャル層2705が蒸着される、p+基板上に製作される。nボディ層2707は、p型エピタキシャル層2705内に延在する。2つのCCトレンチ2710および2712は、装置の表面から、nボディ層2707およびp型エピタキシャル層2705を通って、p+基板2701内に延在する。CCトレンチ2710および2712は、固定(例えば、正の)電荷を含む、二酸化シリコン等の誘電体材料2714で充填される。トレンチCG2720は、n型層2707を通ってp型エピタキシャル層2705内に延在する。
【0120】
図27Bは、本発明の実施形態による、共通な制御ゲートと、電荷制御トレンチと、を有する、pチャネルトレンチMOSトランジスタの簡略図である。
図27Bに図示される実施形態では、ゲートは、pドリフト領域の上方に重なり、および/または誘電体層内の電荷は、電流がチャネルからpドリフト領域に流れるために十分な距離だけ、CGの下方に位置する。
図16に図示されるトレンチと類似する方法で、トランジスタは、同一のトレンチ(トレンチ2710、2712、および2713)内に構築されたCG2730と、CC(正電荷を有する誘電体2714)と、を含む。
【0121】
図28は、本発明の実施形態による、深いn+領域を有する、
図27Aに図示されるようなpチャネルトレンチMOSトランジスタの簡略図である。
図28に図示されるように、CCトレンチ2710および2712は、nボディ領域2707より深いn+領域2740間に配置される。本設計は、降伏電圧を、nボディ2707からp+基板2701への降伏電圧より低い、所定の値に固定するために使用される。本実施形態では、CCトレンチ2710および2712は、装置の表面からp+基板2701内に延在する。代替的な実施形態(図示せず)では、本実施形態の変形物は、トレンチCG2720より深いn+領域を利用する。
【0122】
図29Aは、本発明の実施形態による、誘電体層で被覆された電荷制御トレンチを有する、pチャネルトレンチMOSトランジスタの簡略図である。
図29Aに図示される実施形態は、
図28に図示される装置と類似する構造を利用する。さらに、
図29Aに図示されるように、第1の誘電体材料の層2910は、CCトレンチ2710および2712の頂部上に形成される。いくつかの実施形態では、第1の誘電体材料の層2710は、0.05μm〜0.7μmの厚さを有し得る。
【0123】
図29Bは、本発明の実施形態による、誘電体層で被覆された制御ゲートおよび電荷制御トレンチの両方を有する、pチャネルトレンチMOSトランジスタの簡略図である。第1の誘電体材料の層の別の部分2920は、トレンチCG2720の頂部上に形成される。いくつかの実施形態では、第1の誘電体材料の層2920は、0.05μm〜0.7μmの厚さを有し得る。
【0124】
図30は、本発明の実施形態による、制御ゲートトレンチ内に底部の厚い酸化物を有する、
図27Aに図示されるようなpチャネルトレンチMOSトランジスタの簡略図である。
図30に図示されるように、CGトレンチの底部の第1の誘電体材料層3010は、CGトレンチ2720の側面に形成される第1の誘電体材料3020より厚い。誘電体(例えば、酸化物)の層3010の厚さの増加により、他の装置と比較して、ゲート−ドレイン静電容量C
gdが低下する。例えば、第1の誘電体材料の層3010は、0.1μm〜1.0μmの範囲の厚さを有し得る。
図31に図示されるように、別の実施形態は、pドリフト領域2705内にのみ延在する電荷制御トレンチを有する、pチャネルトレンチMOSトランジスタである。
【0125】
図32は、本発明の実施形態による、段付きゲート酸化物を有する制御ゲートトレンチを有する、
図31に図示されるようなpチャネルトレンチMOSトランジスタの簡略図である。
図33Aは、本発明の実施形態による、制御ゲートトレンチと、電荷制御トレンチとが、同一のトレンチ深さを有する、pチャネルトレンチMOSトランジスタの簡略図である。
図33Bは、本発明の実施形態による、同一のトレンチ深さを有する制御ゲートトレンチおよび電荷制御トレンチと、厚い制御ゲート底部のゲート酸化物と、を有する、pチャネルトレンチMOSトランジスタの簡略図である。
【0126】
本明細書に図示されるpチャネルMOSFETの様々な実施形態では、不均一にドープされたPエピタキシャルドリフト領域を有することが可能である。例えば、ドーピング濃度は、装置パラメータにより、基板でより高いドーピングを有し、表面に向かって減少するように、またはその逆に、段階的にすることができる。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。
【0127】
図34Aは、本発明の実施形態による、pチャネルパワーMOSFET構造体の簡略上面図である。
図34Bおよび34Cは、それぞれ、
図34Aの線AA´およびBB´に沿った簡略断面図である。
【0128】
図35は、本発明の実施形態による、制御ゲートトレントと、電荷制御トレンチと、を有する、準縦形pチャネルパワーMOSFET構成の単一のセルの簡略図である。
図35に図示されるように、本発明の実施形態によって提供されるパワーMOSFET構造体は、準縦型構成に実現することができる。オン状態では、正孔電流は、ソースから、チャネルおよびpドリフト領域3507、p埋め込み層3505およびp+領域を通って、装置の表面のドレイン接点に流れる。明確化のため、単一のセルのみが
図35に示されるが、複数の並列セルを有する他の構造体も実現することができる。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。終端処理するために、深いnウェルまたはnガードリングおよび電界めっきが使用される。
【0129】
図35に図示される準縦形パワーMOSFETでは、p型基板3501が利用され、CCトレンチ3510および3512は、正電荷を含む誘電体層を含む。トレンチCG3520は、ポリシリコン3524と、制御ゲート(CG)トレンチの底部に誘電体のより厚い層3522と、を含む。
【0130】
図36Aは、本発明の実施形態による、誘電体材料で充填された終端トレンチと、底部の厚い酸化物を有する制御ゲートと、を有する、
図35に図示されるような準縦形pチャネルパワーMOSFETの単一のセルの簡略図である。終端トレンチ3605および3607は、酸化シリコン等の誘電体材料で充填される。終端トレンチは、電荷制御トレンチと同一または異なる幅および深さであり得る。
【0131】
図36Bは、本発明の実施形態による、誘電体材料で充填された終端トレンチを有し、全てのトレンチは、同一のトレンチ深さを有する、
図35に図示されるような準縦形pチャネルパワーMOSFETの単一のセルの簡略図である。
図36Bに図示されるように、トレンチCGの底部3610は、
図36Aに図示される実施形態より厚い。したがって、CCトレンチ、トレンチCG、および終端トレンチの深さは、本実施形態では同一である。
図36Aおよび36Bでは、明確化のため、単一のセルのみが示されるが、複数のセルを有する他の構造体も実現することができる。
【0132】
図37Aは、本発明の実施形態による、誘電体層を有する電荷制御トレンチ内に固定(例えば、正の)電荷を有する、モノリシックに集積されたnチャネルおよびpチャネルパワートランジスタの簡略図である。
図37Aに図示されるように、準縦形nチャネルおよびpチャネルMOSFETは、同一の基板内に集積される。他の実施形態は、先の実施形態に示されるような横型装置の使用を含み、本明細書の全体を通じて、さらなる詳細が記載される。
【0133】
図37Aに示される構造体において、CCトレンチに加えて、p型エピタキシャル層は、pチャネルMOSFETとnチャネルMOSFETとの間で同一である。これは、本発明の実施形態によって提供されるいくつかの利点のうちの1つであり、これにより、他の技術と比較して、大幅に製作を簡易化し、製造の複雑性を低減して、電荷平衡が達成される。他の実施形態では、モノリシックに集積されたnチャネルおよびpチャネルトランジスタは、MOS、CMOS、バイポーラおよびJFETトランジスタ、ダイオード、コンデンサ、インデューサ、抵抗、これらの組み合わせ等の他の能動および受動装置とともにモノリシックに集積される。さらに、本明細書に記載される実施形態の全ては、ストライプまたはセル構造配置で実現することができる。さらに、上記の実施形態の異なる組み合わせも実現され得、本発明の実施形態の範囲内に含まれることが理解されるであろう。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。
【0134】
図37Bを参照すると、CMOS回路ブロックに隣接する、
図37Aからの準縦形NMOSおよびPMOSトランジスタを図示する、概略上面図が示される。p型基板が使用されるため、他の電荷平衡方法と比較して、複雑さをより低減して、パワーMOSFETを、CMOS、BJT、JFET、ダイオード、コンデンサ等の多数の他の装置構造体とともに集積することが可能である。
【0135】
一実施形態では、CCトレンチ内の単一誘電体層内の電荷は、メサCCトレンチ間に位置するpドリフト領域内の実効ドーピング電荷と同等である。他の実施形態では、CCトレンチ内の単一誘電体層内の電荷の大きさは、メサCCトレンチ間におけるpドリフト領域内の実効ドーピング濃度による電荷の0.5〜2倍の範囲である。さらに他の実施形態では、シリコン−誘電体界面に沿った単位面積当たりの誘電体電荷密度(イオン密度)(Q
f/q)は、1×10
12cm
2〜5×10
12cm
-2の範囲である。
【0136】
図38A〜
図38Mは、本発明の実施形態による、半導体装置を製作するための簡略化された工程フローを図示する。次の工程フローでは、負電荷を提供するために、酸化物材料と、化合物材料とで充填された、トレンチCGと、CCトレンチとを有する、nチャネルトランジスタの作製方法が記載される。高濃度ドープのn+基板3801が提供される。基板3801は、リン、アンチモン、ヒ素、または他の好適なn型ドーパントでドープされ得る。
図38Aに図示されるように、n型エピタキシャル層3805を、n+基板3801上に成長させる。次に、薄い酸化物層3810を、エピタキシャル層全面に成長させ、次いで薄い窒化シリコン層3812を、酸化物層上に蒸着させる。特定の実施形態では、酸化物層3810は、厚さが30nmであり、窒化シリコン層3812は、厚さが100nmである。
【0137】
酸化物層および窒化シリコン層は、
図38Bに示されるように、マスクされ、エッチングされる。本発明の実施形態は、フォトレジストマスクの使用に限定されないが、これは、いくつかの実施形態で使用される、可能なマスキング層の1つである。次いでCCトレンチ3820およびトレンチCG3822は、予め製作された酸化物/窒化物多層マスクを使用して、
図38Cに示されるようにエッチングされる。エッチングステップの後、次いで薄い熱酸化物層(図示せず)を成長させる。例えば、薄い酸化物層は、厚さが30nmであり得る。CCトレンチおよびトレンチCGの両方は、次いで、低温酸化物成長工程、TEOS工程、または他の好適な誘電体形成工程のいずれかを使用して形成された二酸化シリコン等の蒸着される誘電体材料3824で充填される。
【0138】
図38Dは、装置の上面上に形成された酸化物の除去を図示する。装置の上面上の酸化物の除去は、エッチバック工程、ドライプラズマエッチング、CMP工程、これらの組み合わせ等を使用して実施され得る。酸化物除去の後、窒化シリコン層3812が再び暴露される。異なるCGおよびCCトレンチ深さを有する装置においては、CCトレンチ内の酸化物は、次いでマスキング層(例えば、フォトレジストマスク)を使用してエッチングされる。一般的に、CCトレンチのエッチングは、
図38Dに図示される構造体を生成するために、ドライプラズマエッチング技術を使用して実施される。
【0139】
図38Eに示されるように、マスキング層(例えば、フォトレジスト)を除去し、薄い熱酸化物(図示せず)を成長させ、次いでCCトレンチを充填するために、酸化物等の別の誘電体層を蒸着させる。
図38Fに図示される構造体を形成するために、表面酸化物は、窒化シリコンのレベルまでエッチングされ、次いでトレンチCG内の誘電体(例えば、酸化物)が、エッチング工程を用いて除去される。
【0140】
図38Gに示されるように、熱ゲート酸化物3822を、トレンチCG内および装置の上面上に成長させる。トレンチCGを形成するために、次いでポリシリコン3832が蒸着され、リンドーピング等のn型ドーピング工程を用いてドープされ、さらにプラズマドライエッチング等のエッチング工程を用いて、CMP技術を用いて、これらの2つの組み合わせによって、または他の工程によって、ゲート酸化物のレベルまたはその下方までエッチバックされる。本製作段階の構造体が、
図38Hに図示される。
【0141】
図38Iに示されるように、ホウ素等のp型ドーピングを使用してpボディおよびp+層を注入するため、ならびにヒ素、アンチモン、リンまたはこれらの組み合わせを使用してn+ソースを注入するために、次いでいくつかのマスキングステップが実施される。さらに、これらの処理ステップの1つとして、深いp+層も注入され得る。明確化のため、
図38Iに図示される拡散接合を形成するために使用される、様々なマスキング、注入、アニール、および他の処理ステップは、図示されない。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。
【0142】
電気接点領域を提供するために、装置の上面上の一部上に形成された絶縁層が、一般的にエッチング工程を用いて除去され、酸化物層3850が蒸着され、酸化物層3850がパターン形成され、ラッピングの後、接触電極3852および3854が形成され、装置製作工程を完了する。結果として生じる装置が、
図38Mに示される。
【0143】
陰イオンを注入する代わりに、代替方法を使用して負電荷をCCトレンチに導入することができる。
図38Iに示されるステップに続いて、任意の保護層3840(例えば、窒化シリコン)が蒸着され、別のマスキング層3842は、
図38Jに図示されるようにパターン形成される。本発明の実施形態では必須ではないが、
図38Jに図示される実施形態では、マスキング層は、フォトレジストである。マスキング層3742は、
図38Kに示されるように、CCトレンチ内に存在する誘電体(例えば、酸化物)の除去中に使用される。CCトレンチ内に薄い酸化物3844を成長させ、次いでフッ化アルミニウム(AlF
3またはAlF
x)等の化合物材料3846をCCトレンチ内に蒸着させる。処理の本段階で、一実施形態は、化合物材料の薄層3846の成長を特色とする。別の実施形態(図示せず)は、化合物材料でのCCトレンチの完全な充填を特色とする。
図38Lに図示されるように、一実施形態は、第2の誘電体材料3848でCCトレンチを充填する。
【0144】
図38A〜
図38Mに図示される具体的なステップは、本発明の実施形態による、半導体装置を製作する特定の方法を提供することが理解されるべきである。また、代替的な実施形態による、他の一連のステップが実施され得る。例えば、本発明の代替的な実施形態は、上記に概要されるステップを異なる順序で実施され得る。さらに、
図38A〜
図38Mに図示される個々のステップは、個々のステップに適切な様々な順で実施されても良く、複数のサブステップを含んでも良い。さらに、特定の用途により、追加のステップが追加、または削除され得る。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。
【0145】
図38Nは、本発明の実施形態による、
図38A〜
図38Mの工程フローにしたがって製作された、空隙を含む、装置の簡略図である。
図38Nに図示されるように、空隙3862は、装置製作中に、CCトレンチのそれぞれの中に形成される。
図38Nに図示される空隙を形成し得る工程フローの一実施例として、空隙は、
図38Lに図示されるように、ステップ38Kの後の誘電体層3848が蒸着される際に形成され得る。
【0146】
高アスペクト比のトレンチ内への誘電体形成工程中に生じ得る空隙3862は、CCトレンチ内に図示される誘電体材料の内側に、追加の誘電体材料(例えば、空気または不活性環境)をもたらす。いくつかの実施形態では、CCトレンチ内に形成される1つ以上の空隙は、意図的に導入され、一方、他の実施形態では、これらは装置製作中に使用される蒸着工程の副産物である。空隙の深さおよび幅は、装置製作中に利用される特定の工程フローに依存する。単一の空隙が
図38Nに図示されるが、他の実施形態では複数の空隙が利用され得るように、これは、本発明の実施形態では必須ではない。さらに、空隙3862は、CCトレンチ内に提供される誘電体層によって完全に封入されるように図示されるが、これは、本発明の実施形態では必須ではない。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。
【0147】
別の実施形態によると、正電荷を有する酸化物で充填されたCGトレンチと、CCトレンチと、を有する、nチャネルトランジスタを製作する方法が提供される。方法のステップは、製作工程の工程フローを図示する、
図39A〜
図39Hに図示される。一般的に高濃度ドープのn型(n+)シリコン基板である、基板3901から開始し、1つ以上のエピタキシャル層を基板上に成長させる。いくつかの実施形態では、n型層(図示せず)(一般的に、リン、アンチモン、ヒ素等でドープされる)およびp型層3905(一般的に、ホウ素または他の好適な材料でドープされる)を、エピタキシャルに成長させる。
図39Aに図示されるように、他の実施形態は、n+基板に成長したp型層のみを利用する。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。
【0148】
図39Aを参照すると、エピタキシャル層3905全面に薄い絶縁層3907を成長させる。一般的に、薄い絶縁層3907は、熱成長工程、蒸着工程、または他の好適な絶縁体形成工程によって形成される、酸化シリコン層である。
図39Bに示されるように、装置の表面がマスクされ、トレンチ3910がエッチングされる。当業者にとって明らかとなるように、複数の装置のトレンチが同時にエッチングされる。したがって、単一のトレンチのみが
図39Bに図示されるが、本図は、処理されている基板の一部分のみを図示することが明らかとなるであろう。次いで、薄い熱酸化物層3912(例えば、厚さ50nm)を成長させ、トレンチ内に酸化物層を形成する。
【0149】
熱酸化物層3912に固定正電荷を導入するために、
図39Cに図示されるように、イオン注入工程が利用される。セシウムまたはカリウム等の好適なイオンが、所定のエネルギーで所定の時間、注入される。用途により、注入量は、メサ内の負電荷に適切な電荷平衡を提供するように選択される。
図39Cに示されるように、トレンチ幅および深さにより、角度注入が使用され得る。注入工程の後、トレンチは、
図39Dに示されるように、蒸着される酸化物で充填され、エッチバックされる。例えば、低温酸化物またはTEOS蒸着工程を使用して、トレンチを完全に充填することができる。いくつかの実施形態では、表面を平坦化するために、酸化物トレンチ充填ステップの後に、エッチバックが用いられる。本明細書の全体を通じて記載されるように、
図39Dに図示される誘電体トレンチ充填層を形成するために、複数の誘電体層が使用され得る。したがって、ここに図示される蒸着された酸化物は、酸化物/窒化物/酸化物多層構造体または他の誘電体材料を使用する他の多層構造体で置換され得る。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。
【0150】
図39Cおよび
図39Dに図示される工程の別の方法として、トレンチ内にセシウムイオンを注入するために、リソグラフィ工程を用いた誘電体でのトレンチ充填後に、工程を実施することができる。セシウムまたは他の陽イオンの絶縁層3912への注入は、トレンチ3910およびトレンチに隣接するp型領域の界面に固定正電荷を提供する。固定正電荷の結果として、ゼロバイアスで、誘電体層の固定正電荷は、シリコン−誘電体層界面で形成される反転層の電荷によって、部分的に平衡化される。誘電体層内の正電荷は、最大効率のために、好ましくは、シリコン−誘電体界面またはそれに近接して位置する。トレンチとp型領域との間の界面に言及されるが、界面領域は明確ではないことが既知であり、そのため界面電荷は、一般的に酸化物内にあるが、半導体材料にも同様に延在し得る。
【0151】
注入されたイオン(例えば、セシウム)を酸化物層3912に送り込むためにアニール工程を用いる実施形態では、熱アニール工程の前に、トレンチ内の酸化物層3912上を被覆するために、蒸着層3920(例えば、窒化シリコンまたはポリシリコン)が使用される。該工程が、
図39Eに図示される。
図39Fを参照すると、キャップ層3920および表面酸化物3912が除去され、トレンチを充填する酸化物層の一部を暴露し、中に制御ゲート(CG)が製作され得る、空洞を提供する。
【0152】
一般的に、熱成長工程によって、ゲート酸化物3922が形成される。ゲート酸化物の厚さは、一般的に、約2nm〜約200nmの範囲である。特定の実施形態では、ゲート酸化物の厚さは、約30nmである。CGを形成するために、
図39Gに示されるように、次いでポリシリコン3924が蒸着され、ドープされ、エッチバックされる。
図39Hを参照すると、注入、アニール、拡散、および他の処理ステップによって、pボディ、p+層、およびn+層が形成される、いくつかのマスキングステップが図示される。いくつかの実施形態では、p型ドーピングは、ホウ素を使用して提供され、n+ソース領域へのn型ドーピングは、ヒ素、リン、アンチモン、またはこれらの組み合わせを使用して提供される。さらに、これらの処理ステップの1つとして、深いp+層も注入され得る。ポリシリコン層3924の頂部上に絶縁層を提供するために、酸化物層3926が蒸着される。酸化物は、1つ以上のフォトレジストマスクによって、
図39Iに図示されるようにパターン形成され、1つ以上の金属層3930が蒸着され、画定される。ドレインへの接点を形成するために、基板の裏面が薄化され(図示せず)、裏面金属3932が蒸着される(図示せず)。
図39Iに示されるように、一般的に、複数のトレンチが半導体装置に使用される。トレンチの特定の数は、特定の用途に依存する。
【0153】
図39A〜
図39Iに図示される特定のステップは、本発明の実施形態による、半導体装置を製作する特定の方法を提供することが理解されるべきである。また、代替的な実施形態による、他の一連のステップが実施され得る。例えば、本発明の代替的な実施形態は、上記に概要されるステップを異なる順序で実施され得る。さらに、
図39A〜
図39Iに図示される個々のステップは、個々のステップに適切な様々な順で実施されても良く、複数のサブステップを含んでも良い。さらに、特定の用途により、追加のステップが追加される、または削除され得る。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。
【0154】
図40A〜
図40Iは、本発明のさらに別の実施形態による、半導体装置を作製するための簡略化された工程フローを図示する。これらの図に図示される実施形態では、同一のトレンチ内に製作されたCGおよびCCを有するnチャネルトランジスタは、負電荷を有する酸化物を含む。本トランジスタを製作する方法のステップは、製作工程の工程フローを図示する、
図40A〜
図40Iに図示される。一般的に高濃度ドープのn型(n+)シリコン基板である、基板4001から開始し、1つ以上のエピタキシャル層を基板上に成長させる。いくつかの実施形態では、n型層4005(一般的に、リン、ヒ素、またはアンチモンでドープされる)を、エピタキシャルに成長させる。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。
【0155】
図40Aを参照すると、エピタキシャル層4005全面に薄い絶縁層4007を成長させる。一般的に、薄い絶縁層4007は、熱成長工程、蒸着工程、または他の好適な絶縁体形成工程によって形成される、酸化シリコン層である。
図40Bに示されるように、装置の表面がマスクされ、トレンチ4010がエッチングされる。当業者にとって明らかとなるように、複数の装置用のトレンチが同時にエッチングされる。したがって、単一のトレンチのみが
図40Bに図示されるが、本図は、処理されている基板の一部分のみを図示することが明らかとなるであろう。次いで、薄い熱酸化物層4012(例えば、厚さ100nm)を成長させ、トレンチ内に酸化物層を形成する。
【0156】
固定負電荷を熱酸化物層4012に導入するために、
図40Cに図示されるように、イオン注入工程が利用される。クロム、アルミニウム、臭素、または塩素等の好適なイオンが、所定のエネルギーで所定の時間、注入される。用途により、注入量は、メサ内の正電荷に適切な電荷平衡を提供するように選択される。
図40Cに示されるように、トレンチ幅および深さにより、角度注入が使用され得る。注入工程の後、トレンチは、
図40Dに示されるように、蒸着される酸化物で充填され、エッチバックされる。例えば、低温酸化工程またはTEOS蒸着工程を使用して、トレンチを完全に充填することができる。いくつかの実施形態では、表面を平坦化するために、酸化物トレンチ充填ステップの後に、エッチバックが用いられる。
図40Cおよび
図40Dに図示される工程の代替の方法として、リソグラフィ工程を用いた誘電体でのトレンチ充填後に、ヨウ素、臭素、クロム、アルミニウム、または塩素イオンをトレンチ内に注入するための工程を実施することができる。ヨウ素、臭素、クロム、アルミニウム、塩素、または類似するイオンの絶縁層4012への注入は、トレンチ4010およびトレンチに隣接するn型領域の界面に固定負電荷を提供する。トレンチ内の固定負電荷の結果として、ゼロバイアスで、誘電体層の固定負電荷は、シリコン−誘電体層界面で形成される反転層の電荷によって、部分的に平衡化される。誘電体層内の電荷は、最大効率のために、好ましくは、シリコン−誘電体界面またはそれに近接して位置する。
【0157】
注入されたイオン(例えば、ヨウ素、臭素、クロム、アルミニウム、または塩素)を酸化物層4012に送り込むためにアニール工程を用いる実施形態では、熱アニール工程の前に、トレンチ内の酸化物層4012上を被覆するために、蒸着層4020(例えば、窒化シリコン、ポリシリコン等)が使用される。該工程が、
図40Eに図示される。
図40Fを参照すると、キャップ層4020および表面酸化物4012が除去され、トレンチを充填する酸化物層の一部を暴露し、中に制御ゲート(CG)が製作され得る、空洞を提供する。
【0158】
ゲート酸化物4022は、一般的に熱成長工程によって、蒸着される。ゲート酸化物の厚さは、一般的に、約2nm〜約200nmの範囲である。特定の実施形態では、ゲート酸化物の厚さは、約50nmである。CGを形成するために、
図40Gに示されるように、次いでポリシリコン4024が蒸着され、ドープされ、エッチバックされる。
図40Hを参照すると、注入、アニール、拡散、および他の処理ステップによって、pボディ、p+層、およびn+層が形成される、いくつかのマスキングステップが図示される。いくつかの実施形態では、p型ドーピングは、ホウ素を使用して提供され、n+ソース領域へのn型ドーピングは、ヒ素、リン、アンチモン、またはこれらの組み合わせを使用して提供される。さらに、これらの処理ステップの1つとして、深いp+層も注入され得る。ポリシリコン層4024上に絶縁層を提供するために、酸化物層4026が蒸着される。酸化物は、1つ以上のフォトレジストマスクによって、
図40Iに図示されるようにパターン形成され、1つ以上の金属層4030が蒸着され、画定される。ドレインへの接点を形成するために、基板の裏面が薄化され(図示せず)、裏面金属4032が蒸着される(図示せず)。
図40Iに示されるように、一般的に、複数のトレンチが半導体装置に使用される。トレンチの特定の数は、特定の用途に依存する。
【0159】
図40A〜
図40Iに図示される特定のステップは、本発明の実施形態による、半導体装置を製作する特定の方法を提供することが理解されるべきである。また、代替的な実施形態による、他の一連のステップが実施され得る。例えば、本発明の代替的な実施形態は、上記に概要されるステップを異なる順序で実施され得る。さらに、
図40A〜
図40Iに図示される個々のステップは、個々のステップに適切な様々な順で実施されても良く、複数のサブステップを含んでも良い。さらに、特定の用途により、追加のステップが追加される、または削除され得る。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。
【0160】
図41A〜
図41Iは、本発明の代替的な実施形態による、半導体装置を製作するための簡略化された工程フローを図示する。
図41Iに図示されるように、この代替的な実施形態は、同一のトレンチ内にCGおよびCCを有する、nチャネルトランジスタを製作する方法を提供する。一般的に高濃度ドープのn型(n+)シリコン基板である基板4101で開始し、1つ以上のエピタキシャル層4105を基板4101上に成長させる。
図41Aに図示されるように、n型エピタキシャル層4105(一般的に、リン、ヒ素、アンチモン等でドープされる)を、基板上に成長させる。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。
【0161】
図41Aを参照すると、エピタキシャル層4105全面に薄い誘電体層4107を成長させる。一般的に、薄い誘電体層4107は、熱成長工程、蒸着工程、または他の好適な絶縁体形成工程によって形成される、酸化シリコン層である。いくつかの実施形態では、一般的に二酸化シリコン層であり、約30nmの厚さを有し得る、薄い誘電体層4107は、スクリーン酸化物と称される。次いで、pボディ層4109は、特定の実施形態では、約5×10
12〜1×10
14イオン/cm
2の注入量のホウ素を使用し、薄い誘電体層4107を通して注入される。注入の後、注入されたイオンを装置に送り込むために、アニール工程が用いられる。
【0162】
図41Cを参照すると、トレンチ4111は、スクリーン酸化物、pボディ層、n型エピタキシャル層を貫通して基板にエッチングされる。他の実施形態では、トレンチ4111の深さは、特定の用途に適切に変化され得ることが理解されるべきである。さらに、当業者にとって明らかとなるように、複数の装置のトレンチが同時にエッチングされる。したがって、単一のトレンチのみが
図41Cに図示されるが、本図は、処理されている基板の一部分のみを図示することが明らかとなるであろう。次いで、薄い熱酸化物層4113(例えば、厚さ2nm)を成長させ、トレンチ内に酸化物層を形成する。
【0163】
トレンチに固定負電荷を導入するために、
図41Dに図示されるように、トレンチ内に高濃度ドープの絶縁層4120が形成される。一実施形態では、層4120は、ホウ素ドープスピンオングラス(SOG)を使用して形成される。一般に、層4120の厚さは、約10nmである。他の設計では、固定正電荷を含む層4120を形成するために、他のドープ材料が使用される。保護層4122、例えば、アルミニウムが、層4120上に蒸着され、アニール工程が実施される。特定の実施形態では、アルミニウムの層は、厚さが約200nmであり、アニールは、窒素環境で約450℃の温度で実施される。他の実施形態では、他の好適な金属類または誘電体材料が利用される。
図41Fは、保護層4122が除去され、ドープSOGの下位層を暴露する、ウェットエッチング工程を図示する。
【0164】
トレンチは、
図41Gに図示されるように、誘電体材料4130で充填される。誘電体材料4130は、SOG等、層4113を製作するために使用される誘電体材料と同一であり得る。ドープ絶縁層4120とは対照的に、誘電体材料4130は、ドープされない。さらに、
図41Gに示されるように、pボディ層上に誘電体材料4130が蒸着され得る。他の実施形態では、充填物および層4130を製作するために、例えば、二酸化シリコン、窒化シリコン、または他の好適な材料等の他の誘電体材料が使用される。
【0165】
図41Hを参照すると、ドープ絶縁層4120に沿った誘電体層4130の部分は、トレンチを充填する誘電体材料4130の一部を暴露し、中に制御ゲート(CG)が製作され得る、空洞を提供するために除去される。例えば、pボディ層の厚さとほぼ同等なレベルまで誘電体層4130の部分を除去するために、エッチング工程が用いられ得る。エッチング工程の後、
図41Hに示されるように、トレンチの内側部分上に、新しいゲート酸化物を蒸着または成長させる。ゲート酸化物4140は、約2nm〜約200nmの範囲の厚さを有し得る。特定の実施形態では、ゲート酸化物の厚さは、約50nmである。ドーパントの移動または他の温度に関連する影響から下位層を保護するために、ゲート酸化物4140は、一般的に、例えば約850〜900℃の熱成長温度の、低温工程を用いて形成される。
【0166】
CGを形成するために、
図41Iに示されるように、トレンチを充填するように、次いでポリシリコン4142が蒸着され、ドープされ、エッチバックされる。
図41Iを参照すると、注入、アニール、拡散、および他の処理ステップによって、様々なp+層およびn+層が形成される、いくつかのマスキングステップが図示される。いくつかの実施形態では、p型ドーピングは、ホウ素を使用して提供され、n+ソース領域へのn型ドーピングは、ヒ素、リン、アンチモン、またはこれらの組み合わせを使用して提供される。ポリシリコン層上に絶縁層を提供するために、酸化物層が蒸着される。酸化物は、1つ以上のフォトレジストマスクによって、
図41Iに図示されるようにパターン形成され、1つ以上の金属層が蒸着され、画定される。ドレインへの接点を形成するために、基板の裏面が薄化され(図示せず)、裏面金属が蒸着される(図示せず)。
図41Hおよび
図41Iに図示される工程では、ドーパントの移動または他の温度に関連する影響から下位層を保護するために、低温処理が利用される。したがって、
図41Iに図示される処理ステップは、約850〜900℃以下の温度で実施される。
【0167】
図41Jは、
図41A〜
図41Iに図示される工程フローを使用して製作された一式のトレンチMOSトランジスタを図示する。CGおよびCCは、ドープ誘電体層4120内に固定負電荷が含まれた状態で、同一のトレンチ内に提供される。
図41A〜
図41Iに図示される具体的なステップは、本発明の実施形態による、半導体装置を製作する特定の方法を提供することが理解されるべきである。また、代替的な実施形態による、他の一連のステップが実施され得る。例えば、本発明の代替的な実施形態は、上記に概要されるステップを異なる順序で実施され得る。さらに、
図41A〜
図41Iに図示される個々のステップは、個々のステップに適切な様々な順で実施されても良く、複数のサブステップを含んでも良い。さらに、特定の用途により、追加のステップが追加される、または削除され得る。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。
【0168】
図37Aおよび
図37Bに示される構造体は、
図41A〜
図41Iに関して記載されるものと類似する工程を用いて製作することができる。これらの構造体間の主な変更は、出発材料の種類、エピタキシャル成長の前のn+およびp+埋め込み層の形成、および深いn+およびp+シンカーの形成である。パワーMOSFET製作のほとんどが、別個に進められるが、n+、p+、金属、および接触等のステップは、パワートランジスタと、CMOS等の低電圧回路との間で共有することができ、費用を削減する。低電圧CMOSの熱量は限られているため、パワーMOSFETは、装置が十分に保護されている場合、製作中に大幅な影響は受けない。
【0169】
本明細書に記載される様々な装置の上面図は、
図23Aに図示されるように、ストライプ構造を利用するが、これは、本発明の実施形態では必須ではないことに留意されたい。ほんの一例として、例えば、六角形、長方形、円形、楕円形等の他のセル構造またはセル構造体は、本発明の実施形態の範囲内に含まれる。
【0170】
図46Aおよび
図46Bは、本発明の実施形態による、例示的セル構造の簡略上面図である。
図46Aは、長方形の上面図を有し、格子内に配設された、9つのトレンチ46
1から46
9一式を含む、装置4610の例示的上面図である。
図46Bは、装置4620の別の例示的上面図であり、これによると、トレンチ4611から4619は、円形の上面図を有するように示される。トレンチ206は、六角形、楕円形等のいずれかの他の上面図を有し得ることが理解される。
【0171】
図44A〜
図44Kは、本発明のさらに別の代替的な実施形態による、半導体装置を製作するための簡略化された工程フローを図示する。次の工程フローでは、トレンチCGと、固定負電荷を有する誘電体材料(例えば、酸化シリコン材料)で充填されたCCトレンチと、を有する、nチャネルトランジスタを製作する方法が記載される。高濃度ドープのn+基板4401が提供される。基板4401は、リン、アンチモン、ヒ素、または他の好適なn型ドーパントでドープされ得る。
図44Aに図示されるように、n+基板4401上にn型エピタキシャル層4405を成長させる。次に、エピタキシャル層全体に薄い酸化物層4410を成長させ、次いで薄い窒化シリコン層4412を酸化物層の上に蒸着させる。特定の実施形態では、酸化物層4410は、厚さが30nmであり、窒化シリコン層4412は、厚さが100nmである。
【0172】
酸化物層および窒化シリコン層は、マスクされ、
図44Bに示されるようにエッチングされる。本発明の実施形態は、フォトレジストマスクの使用に限定されないが、これは、いくつかの実施形態で使用される、可能なマスキング層の1つである。次いでCCトレンチ4420は、予め作製された酸化物/窒化物多層マスクを使用して、
図44Cに示されるようにエッチングされる。エッチングステップの後、
図44Dに図示されるように、次いで薄い熱酸化物層4425を成長させる。例えば、薄い酸化物層4425は、特定の用途により、30nm、50nm、または別の好適な厚さであり得る。
【0173】
熱酸化物層4425に固定負電荷を導入するために、
図44Dに図示されるように、イオン注入工程が利用される。ヨウ素、臭素、クロム、アルミニウム、または塩素等の好適なイオンが、所定のエネルギーで所定の時間、注入される。用途により、注入量は、メサ内の正電荷に適切な電荷平衡を提供するように選択される。
図44Dに示されるように、トレンチ幅および深さにより、角度注入が使用され得る。注入工程の後、トレンチは、
図44Eに示されるように、蒸着される酸化物で充填され、エッチバックされる。例えば、低温酸化物またはTEOS蒸着工程を用いて、トレンチを完全に充填することができる。いくつかの実施形態では、表面を平坦化するために、酸化物トレンチ充填ステップの後に、エッチバックが用いられる。
図44Dおよび
図44Eに図示される工程の代替方法として、リソグラフィ工程を用いた誘電体でのトレンチ充填後に、ヨウ素、臭素、クロム、アルミニウム、または塩素イオンをトレンチ内に注入するために、工程を実施することができる。ヨウ素、臭素、クロム、アルミニウム、もしくは塩素、または類似するイオンの絶縁層4425への注入は、トレンチ4420およびトレンチに隣接するn型領域の界面に固定負電荷を提供する。トレンチ内の固定負電荷の結果として、ゼロバイアスで、誘電体層の固定負電荷は、シリコン−誘電体層界面で形成される反転層の電荷によって、部分的に平衡化される。誘電体層内の電荷は、最大効率のために、好ましくは、シリコン−誘電体界面またはそれに近接して位置する。
【0174】
CGのためのトレンチを形成するために、装置の表面上に存在する酸化物層は、マスクされ、トレンチ領域の上から除去される。次いでCGトレンチは、
図44Fに図示されるように、所定の深さにエッチングされる。本発明の実施形態では必須ではないが、一般的に、CGトレンチのエッチングは、ドライプラズマエッチング技術を用いて実施される。図示されないが、当業者にとって明らかとなるように、エッチング工程中に、1つ以上のマスキングステップが利用される。
【0175】
図44Gに示されるように、トレンチCG内および/または装置の上面上に熱ゲート酸化物4422を成長させる。トレンチCGを形成するために、次いでポリシリコン4432が蒸着され、リンドーピング等のn型ドーピング工程を用いてドープされ、プラズマドライエッチング等のエッチング工程を用いて、CMP技術を用いて、これらの2つの組み合わせによって、または他の工程によって、ゲート酸化物のレベルまたはその下方までエッチバックされる。製作の本段階の構造体が、
図44Hに図示される。
【0176】
図44Iに示されるように、ホウ素等のp型ドーピングを使用してpボディおよびp+層を注入するため、ヒ素、アンチモン、リン、またはこれらの組み合わせを使用してn+ソースを注入するために、次いでいくつかのマスキングステップが実施される。さらに、これらの処理ステップの1つとして、深いp+層も注入され得る。明確化のため、
図44Iに図示される拡散接合を形成するために使用される、様々なマスキング、注入、アニール、および他の処理ステップは、図示されない。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。
【0177】
電気接触領域を提供するために、装置の上面上の一部上に形成された絶縁層が、一般的にエッチング工程を用いて除去され、酸化物層4440が蒸着され、酸化物層4440がパターン形成され、ラッピングの後、接触電極4452および4454が形成され、装置製作工程を完了する。結果として生じる装置は、
図44Kに示される。
【0178】
図44Lは、本発明の実施形態による、
図44A〜
図44Kの工程フローにしたがって製作された、空隙を含む、半導体装置の簡略図である。
図44Lに図示されるように、空隙4460は、装置製作中に、CCトレンチのそれぞれの中に形成される。
図44Lに図示される空隙を形成し得る工程フローの一実施例として、空隙は、イオン注入工程の後、誘電体層がCCトレンチ内に蒸着される際に、ステップ44Eの一環として形成され得る。本明細書において前述されるように、空隙は、意図的に、または誘電体蒸着工程の副生物として、形成されても良く、CCトレンチ内に図示される1つ以上の誘電体材料の内側に、追加の誘電体材料(例えば、空気または不活性環境)をもたらしても良い。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。
【0179】
図43Aを参照すると、平面nチャネルDMOSトランジスタの簡略図が提供される。該構造体は、
図39A〜
図39Iに図示される工程の変形である製作工程を使用して、製作することができる。例えば、平面ゲートを有するトランジスタを製作するためには、
図39E〜
図39Fに図示されるゲートトレンチのエッチングが、実施されないであろう。さらに、ステップ39Gからステップ39Hは、平面ゲート構造体に適切なゲート酸化物およびゲート材料(例えば、ポリシリコン)を形成するために、変更されるであろう。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。
【0180】
図44A〜
図44Kに図示される特定のステップは、本発明の実施形態による、半導体装置を製作する特定の方法を提供することが理解されるべきである。また、代替的な実施形態による、他の一連のステップが実施され得る。例えば、本発明の代替的な実施形態は、上記に概要されるステップを異なる順序で実施され得る。さらに、
図44A〜
図44Kに図示される個々のステップは、個々のステップに適切な様々な順で実施されても良く、複数のサブステップを含んでも良い。さらに、特定の用途により、追加のステップが追加される、または削除され得る。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。
【0181】
図45A〜
図45Kは、本発明のさらに別の特定の実施形態による、半導体装置を製作するための簡略化された工程フローを図示する。次の工程フローでは、トレンチCGと、固定正電荷を有する誘電体材料で充填された(例えば、酸化シリコン材料)CCトレンチと、を有する、pチャネルトランジスタを製作する方法が記載される。高濃度ドープのp+基板4501が提供される。基板4501は、ホウ素または他の好適なp型ドーパントでドープされ得る。
図45Aに図示されるように、p型エピタキシャル層4505を、p+基板4501上に成長させる。次に、薄い酸化物層4510を、エピタキシャル層全面に成長させ、次いで薄い窒化シリコン層4512を、酸化物層上に蒸着させる。特定の実施形態では、酸化物層4510は、厚さが30nmであり、窒化シリコン層4512は、厚さが100nmである。
【0182】
酸化物層および窒化シリコン層は、マスクされ、
図45Bに示されるようにエッチングされる。本発明の実施形態は、フォトレジストマスクの使用に限定されないが、これは、いくつかの実施形態で使用される、可能なマスキング層の1つである。次いでCCトレンチ4520は、予め作製された酸化物/窒化物多層マスクを使用して、
図45Cに示されるようにエッチングされる。エッチングステップの後、
図45Dに図示されるように、次いで薄い熱酸化物層4525を成長させる。例えば、薄い酸化物層4525は、特定の用途により、30nm、50nm、または別の好適な厚さであり得る。
【0183】
熱酸化物層4525に固定正電荷を導入するために、
図45Dに図示されるように、イオン注入工程が利用される。セシウム等の好適なイオンが、所定のエネルギーで所定の時間、注入される。用途により、注入量は、メサ内の負電荷に適切な電荷平衡を提供するように選択される。
図45Dに示されるように、トレンチ幅および深さにより、角度注入が使用され得る。注入工程の後、トレンチは、
図45Eに示されるように、蒸着される酸化物で充填され、エッチバックされる。例えば、低温酸化物またはTEOS蒸着工程を用いて、トレンチを完全に充填することができる。いくつかの実施形態では、表面を平坦化するために、酸化物トレンチ充填ステップの後に、エッチバックが用いられる。
図45Dおよび
図45Eに図示される工程の代替方法として、リソグラフィ工程を用いた誘電体でのトレンチ充填後に、トレンチ内にセシウムイオンを注入するために、工程を実施することができる。セシウムまたは類似するイオンの絶縁層4525への注入は、トレンチ4520およびトレンチに隣接するp型領域の界面に固定正電荷を提供する。トレンチ内の固定正電荷の結果として、ゼロバイアスで、誘電体層の固定正電荷は、シリコン−誘電体層界面で形成される反転層の電荷によって、部分的に平衡化される。誘電体層内の電荷は、最大効率のために、好ましくは、シリコン−誘電体界面またはそれに近接して位置する。
【0184】
CGのためのトレンチを形成するために、装置の表面上に存在する酸化物層は、マスクされ、トレンチ領域の頂部上から除去される。次いでCGトレンチは、
図45Fに図示されるように、所定の深さにエッチングされる。本発明の実施形態では必須ではないが、一般的に、CGトレンチのエッチングは、ドライプラズマエッチング技術を用いて実施される。図示されないが、当業者にとって明らかとなるように、エッチング工程中に、1つ以上のマスキングステップが利用される。
【0185】
図45Gに示されるように、トレンチCG内および/または装置の上面上に熱ゲート酸化物4522を成長させる。トレンチCGを形成するために、次いでポリシリコン4532が蒸着され、ホウ素ドーピング等のp型ドーピング工程を用いてドープされ、プラズマドライエッチング等のエッチング工程を用いて、CMP技術を用いて、これらの2つの組み合わせによって、または他の工程によって、ゲート酸化物のレベルまたはその下方までエッチバックされる。製作の本段階の構造体が、
図45Hに図示される。
【0186】
図45Iに示されるように、ヒ素、アンチモン、リン、またはこれらの組み合わせ等のn型ドーピングを使用してnボディおよびn+層を注入するため、ホウ素を使用してp+ソースを注入するために、次いでいくつかのマスキングステップが実施される。さらに、これらの処理ステップの1つとして、深いn+層も注入され得る。明確化のため、
図45Iに図示される拡散接合を形成するために使用される、様々なマスキング、注入、アニール、および他の処理ステップは、図示されない。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。
【0187】
電気接点領域を提供するために、装置の上部表面の一部の上に形成された絶縁層が、一般的にエッチング工程を用いて除去され、ラッピングの後、接触電極4552および4554が形成され、装置製作工程を完了する。結果として生じる装置は、
図45Kに示される。
【0188】
図45A〜
図45Kに図示される特定のステップは、本発明の実施形態による、半導体装置を製作する特定の方法を提供することが理解されるべきである。また、代替的な実施形態による、他の一連のステップが実施され得る。例えば、本発明の代替的な実施形態は、上記に概要されるステップを異なる順序で実施され得る。さらに、
図45A〜
図45Kに図示される個々のステップは、個々のステップに適切な様々な順で実施されても良く、複数のサブステップを含んでも良い。さらに、特定の用途により、追加のステップが追加される、または削除され得る。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。
【0189】
図45Lは、本発明の実施形態による、
図45A〜
図45Kの工程フローにしたがって製作された、空隙を含む、半導体装置の簡略図である。
図45Lに図示されるように、空隙4560は、装置製作中に、CCトレンチのそれぞれの中に形成される。
図45Lに図示される空隙を形成し得る工程フローの一実施例として、空隙は、イオン注入工程の後、誘電体層がCCトレンチ内に蒸着される際に、ステップ45Eの一環として形成され得る。本明細書において前述されるように、空隙は、意図的に、または誘電体蒸着工程の副生物として、形成されても良く、CCトレンチ内に図示される1つ以上の誘電体材料の内側に、追加の誘電体材料(例えば、空気または不活性環境)をもたらしても良い。当業者は、多くの変形、変更、および代替例があるものと認識するであろう。
【0190】
本発明は、特定の実施形態およびその具体的な実施例について記載されてきたが、他の実施形態が、本発明の精神および範囲内であり得ることが理解されるべきである。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の全範囲をともに参照し、判断されるべきである。