(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
帳票に基づいて取引データを入力するデータ入力手段および該取引データを送信する手段を有する端末装置と、該端末装置から前記取引データを受信して管理するサーバ装置と、該サーバ装置から前記取引データを配信されるクライアント端末装置で構築される金融取引システムにおいて、
前記サーバ装置は、前記取引データおよび該取引データに関する情報に対してあらかじめ設定される優先得点を記憶する記憶手段と、
前記端末装置から受信した前記取引データに対応する情報を基に優先の指標を表わす優先得点を算出するとともに、前記記憶手段に、前記取引データに対する前記優先得点を登録する優先制御機能ブロックとを含み、
前記記憶手段は、現在の優先パターンと帳票の種別に対して割り当てた優先得点を記憶する情報記憶手段と、
前記取引データを送信してきた営業店毎に優先の有無が割り当てられた営業店別の情報記憶手段と、
現在時刻により該当する時間内の優先パターンを複数記憶した時間別の情報記憶手段とを含み、
前記優先制御機能ブロックは、少なくとも、前記クライアント端末装置からの取引データ配信要求の受信に応じて、前記記憶手段から前記優先得点に基づく順番で前記取引データを取得し、前記クライアント端末装置に該取引データを配信する取引データ配信機能ブロックと、
現在時刻と前記時間別の情報記憶手段に格納された前記優先パターンとを比較して、前記優先パターンの切替を監視し、前記優先パターンの切替の確認により前記優先得点を再算出して前記優先得点を更新する優先パターン切替機能ブロックとを含むことを特徴とする金融取引システム。
請求項1に記載のシステムにおいて、前記優先制御機能ブロックは、前記クライアント端末装置に配信した取引データの登録要求の受信に応じて、前記取引データに対応する情報を基に前記優先得点を算出するとともに、前記記憶手段に、前記取引データに対する前記優先得点を更新する更新機能ブロックを含むことを特徴とする金融取引システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に添付図面を参照して本発明による金融取引システムの一実施例を詳細に説明する。
図1を参照すると、本発明による金融取引システムの実施例は、為替通信システム10をスキャナ端末装置12と為替センター14とで構築し、為替センター14には為替サーバ32およびエントリ端末装置34が含まれ、為替サーバ32にはストレージ36および優先制御機能部37が含まれる。
【0014】
ストレージ36は、取引データおよびこの取引データに関する情報に対してあらかじめ設定される優先得点を記憶する。帳票に関連した複数種類の情報の項目は、以下、優先情報と称する。また、優先制御機能部37は、スキャナ端末装置12から受信した取引データに対応する情報を基に優先の指標を表わす優先得点を算出するとともに、ストレージ36に、取引データに対する優先得点を登録し、少なくとも、データ配信アプリケーション(AP)44を含み、エントリ端末装置34からの取引データ配信要求の受信に応じて、ストレージ36から優先得点に基づく順番で取引データを取得し、エントリ端末装置34にこの取引データを配信することにより、取引データに対して設定する各種の優先得点をデータベース化し、データベースから読み出した優先得点の総和を算出し、算出した優先得点に基づいて優先順番を設定することから、金融機関にとって優先的に処理すべき取引データを適切に選択してシステム間で取引することができる。
【0015】
さらに、為替サーバ32について簡単に記述する。為替サーバ32は、帳票に関連した複数種類の情報の項目および通信時刻に対する優先得点をデータベース化してストレージ36に記憶する。為替サーバ32は、優先制御機能部37でストレージ36にアクセスする。優先制御機能部37はストレージ37より供給された優先情報および通信時刻を基に優先指標や優先度を示す優先得点を算出し、算出した優先得点に基づいて優先順番を設定するとともに、取引データに対する優先得点の登録、更新、監視付優先パターン切替および検索処理を実行し、優先制御機能部37において、受信登録アプリケーション(AP)38によって受信した取引データに対応する優先情報を取得し、取得した優先情報から優先得点を算出し、取引データに対する優先得点および優先順番を登録し、更新登録AP 40によって受信した取引データに対する優先情報を取得し、取得した優先情報から優先得点を算出し、取引情報に対する優先得点および優先順番を更新し、優先パターン切替AP 42で優先パターンの切替の有無を監視し、受信した情報に対して優先する情報を取得し、取得した優先情報から優先得点を再算出し、取引データに対する優先得点および優先順番を更新し、データ配信AP 44でストレージ36に記憶された取引データを検索して、取得し、取得した取引データをエントリ端末装置34に配信することにより、上述したように、たとえば帳票の取引データ処理の優先順番を、振込先金融機関だけでなく、振込種目や帳票種類、現在時刻等の情報も用いて算出された優先得点から決定することにより、優先の設定パタ−ンも他行優先の他、振込優先や一件式優先など様々なあらゆるパターンの設定を容易に可能にして、金融機関にとって最優先の帳票処理を選択可能に対応することができる。
【0016】
本発明と直接関係のない部分について図示および説明を省略する。以下の説明で、信号はその現れる接続線の参照番号で指示する。
【0017】
為替通信システム10は、
図1に示すように、スキャナ端末装置12および為替センター装置14を含む。スキャナ端末装置12および為替センター装置14のそれぞれは、銀行間専用ネットワーク16に接続される専用回線18および20を介して、通信している。銀行間専用ネットワーク16は、自行の支店間だけの接続でなく、図示しない他の金融機関、他行とも接続された通信網である。
【0018】
なお、銀行間専用ネットワーク16、ならびに専用回線18および20は、一般的名ネットワークであってもよく、仮想専用線(VPN: Virtual Private Network)を用いてもよい。
【0019】
スキャナ端末装置12は、帳票を画像データとして取り込み、取り込んだ画像データから文字情報を抽出し、認識し、通信相手と通信する機能を有する。スキャナ端末装置12は、スキャナ22、文字認識部24および通信部26を含む。
【0020】
スキャナ22は、本実施例では帳票を画像データとして取り込む画像入力機能を有する。スキャナ22は、たとえば振込帳票に含まれる情報を画像として取り込み、取り込んだ画像データ28を文字認識部24に出力する。
【0021】
文字認識部24は、画像データから文字情報を抽出し、認識する機能を有する。文字認識部24は、画像データから抽出すべき文字情報の抽出領域として、たとえば四角形のテキスト枠を形成し、この抽出枠領域に含まれる文字情報を抽出する。文字認識部24は、抽出した文字情報に、たとえばパターンマッチング処理を施して、最も一致した該当する文字を選んで、文字認識する。
【0022】
なお、文字情報の抽出および文字認識は、従来周知の技術を用いればよいことから、詳細な説明は省略する。
【0023】
文字認識部24は、文字認識した文字情報を用いて、所定の振込帳票形式の取引データを作成する。作成された取引データは、たとえばATM(Automated Teller Machine)の振込データと同様の形式を有するデータである。文字認識部24は文字認識により得られた取引データ30を通信部26に送る。
【0024】
通信部26は、データの送受信機能を有する。通信部26は、供給されるデータ30を基にパケットを組み立てパケット化したり、受信したデータパケットを分解したりしてもよい。本実施例で通信部26は、文字認識部24が抽出し、所定の形式にまとめた取引データを、取引データ18としてネットワーク16を介して、為替サーバ14に送信する。
【0025】
このように、本実施例では帳票をスキャナ22で読み取って文字認識することにより、スキャナ端末装置12に取引データを入力し、為替サーバ14に送信する方法として記述した。しかしながら、取引データをスキャナ端末装置12に入力する方法は、スキャナに限定されず、図示しないキーボード、マウス、およびタッチパネルセンサを適用し、帳票の情報を入力し、入力した帳票の情報を取引データとして為替サーバ14に送信するようにしてもよい。
【0026】
なお、スキャナ端末装置12は、図示しないが、情報を格納するバッファ、ストレージおよびこの装置12の動作全体を制御するCPU(Central Processing Unit)を有している。
【0027】
為替センター14は、スキャナ端末装置12より供給された取引データの内容を基に優先指標または優先度を示す優先得点を算出し、算出した優先得点に基づいて優先順番を設定し、取引データの登録、検索および更新機能を有し、配信された取引データを表示して確認する機能を有する。為替センター14は、為替サーバ32およびエントリ端末装置34を含む。
【0028】
為替サーバ32は、スキャナ端末装置12より供給された取引データの内容、すなわち帳票に関連した優先情報や通信時刻を基に優先指標または優先度を示す優先得点を算出し、算出した優先得点に基づいて優先順番を設定するとともに、取引データに対する優先得点の登録、更新、監視付優先パターン切替および検索処理を実行する優先制御機能を有する。また、為替サーバ14は、スキャナ端末装置12およびエントリ端末装置34と取引データを通信するデータ配信機能も有する。これにより、為替サーバ32は、優先順番に基づいて取引データを配信する。
【0029】
為替サーバ32は、これらの機能を実現させるため、
図1に示すように、ストレージ36および優先制御機能部37を含む。優先制御機能部37は、とくに、受信登録アプリケーション(AP)38、更新登録AP 40、優先パターン切替AP 42およびデータ配信AP 44を含む。
【0030】
ストレージ36は、各種のデータベースを有する。ストレージ36には、ハードディスク装置(Hard Disk Drive)やメモリを用いてもよい。ストレージ36のデータベース(DataBase)には、
図2に示すように、優先得点DB 46、営業店DB 48、優先パターンDB 50および取引DB 52がある。
【0031】
優先得点DB 46は、現在の優先パターンと帳票の種別に対して割り当てた得点を記憶している。営業店DB 48は、取引データを送信してきた営業店または支店が優先の有無に応じて割り当てられた得点を記憶している。また、優先パターンDB 50は、現在時刻により該当する時間内の優先パターンを記憶している。さらに、取引DB 52は、各優先情報により算出された優先得点に基づく優先順番を記憶している。
【0032】
優先得点DB 46の具体的な内容の一例を
図3に示す。帳票種別それぞれに応じた優先パターンの得点を記憶している。帳票種別には、金融機関、振込種目および帳票種類等がある。「一件」とは、銀行が制定した一枚の帳票に一件の振込情報が記載されている帳票であり、「連記」とは、銀行が制定した帳票に複数件の振込情報が記載されている帳票である。また、「先振」とは、たとえば通販などで品物を購入者が購入した際に、品物が納品前に購入代金を振り込むときに使用する帳票である。このような用語を駆使して帳票の種別をパターン化する。優先得点DB 46には、
図3に示すように、優先No.の枠54および帳票種別56に着目すると、12個の帳票種別優先パターンを8つに区切って、概略的に8つの帳票種別優先パターンを定義し、かつ帳票種別56に対して優先得点枠58でさらに5つのパターンを定義している。この結果、
図3の優先得点DB 46は、40個の優先パターンを定義し、優先得点を設定し記憶している。優先得点は、後述する優先パターンDB 50の優先、すなわち優先なし60、通常優先62、他行優先64、振込優先66および一件優先68のいずれか一つのパターンにより決定される。
【0033】
営業店DB 48は、
図4に示すように、店番枠70および店番別優先パターン枠72を設けている。店番枠70には、銀行の営業店別に付与される店番のコードが記憶されている。店番別優先パターン枠72には、優先の有無を示す情報またはフラグが記憶されている。
図4の営業店DB 48は、店番コード“200”だけを優先させている。優先された店番の帳票に対しては、営業店優先得点として、本実施例ではあらかじめ定められた“50,000”が付加される。
【0034】
優先パターンDB 50は、
図5に示すように、設定時刻枠74および時刻別優先パターン枠76を設けている。設定時刻枠74は、さらに、設定時刻枠を、優先開始時刻枠(From)78および優先終了時刻枠(To)80によって規定している。時刻別優先パターン枠76には、優先がある場合、通常優先62(1)、他行優先64(2)、振込優先66(3)および一件優先68(4)のいずれか一つで規定される。優先指標または優先度は括弧内の数字で決まる。
【0035】
また、本実施例では、
図5の設定時刻以外の時間帯は、優先パターンなし(0)と扱うものと設定する。
【0036】
取引DB 52は、
図6に示すように、店番−通番枠82、受信得点枠84、帳票種別枠86、帳票種別得点枠88、営業店優先得点枠90、配信優先得点枠92および優先順番枠94を設けている。店番−通番枠82には、店番毎に通し番号が付される。受信得点枠84には、受信した順番に+1ずつ歩進した得点が設定される。帳票種別枠86は、
図3の12個のいずれか一つが規定される。通常優先の時間帯に、たとえば6つの帳票を受信したと仮定する。このとき、通常優先での「一件/他行/振込」は、
図3から明らかなように、帳票種別得点枠88の帳票種別の優先得点“30,000”が設定される。また、店番が100であるから営業店優先得点は“0”である。配信優先得点は、受信得点から帳票種別の優先得点および営業店優先得点を差し引いた値に底上げ点としてあらかじめ定められた“100,000”を加算して得られた“70,000”となる。
【0037】
したがって、配信優先得点は、優先得点があればあるほど小さな値になる。このようにして算出した配信優先得点に着目すると、上述した配信優先得点の規則を基に総合的な優先順番が得られる。すなわち、店番−通番“200−0002”の優先順番が最も高く、店番−通番“100−0004”の優先順番が最も低い。取引DB 52は、店番−通番毎に算出した優先得点および優先順番をこれらの枠それぞれの該当箇所に記憶している。
【0038】
なお、上述した各優先得点や底上げ点は、この実施例に限定されるものではなく、本発明を実施する際、運用にあわせて適宜、設定変更することができる。また、配信優先得点が低い得点ほど高い優先順番に設定するとして記述したが、変形例として、たとえば帳票種別、営業店別優先得点、および底上げ点を加算した値に受信得点を差し引いて算出した配信優先得点の高い得点ほど優先されるように優先順番を設定するようにしてもよい。
【0039】
受信登録AP 38は、スキャナ端末装置12より受信した取引データに基づいて、ストレージ36の各データベースから取引データに対応する優先情報を検索して取得し、取得した優先情報に基づいて優先得点を算出し、取引データに対する優先得点および優先順番を登録する機能を有する。受信登録AP 38は、この機能を実現させるため、
図7に示すように、情報取得機能部96、得点算出機能部98および取引データ登録機能部100を含む。情報取得機能部96は、優先得点DB 46、営業店DB 48、優先パターンDB 50および取引DB 52それぞれから受信した取引データに対応する優先情報を取得する機能を有する。得点算出機能部98は、各データベースから取引データに対して対応する優先情報から算出した得点情報を基に演算する機能を有する。取引データ登録機能部100は、取引データに対して算出した優先得点を取引DB 52に登録する機能を有する。
【0040】
更新登録AP 40は、受信した取引データに基づいてストレージ36の各データベースから取引データに対応する優先情報を検索して取得し、取得した優先情報から優先得点を算出し、取引データに対する優先得点および優先順番を更新する機能を有する。更新登録AP 40は、この機能を実現させるため、
図8に示すように、情報取得機能部96、得点算出機能部98および取引データ更新機能部102を含む。取引データ更新機能部102は、取引データに対して算出した優先得点を取引DB 52に更新する機能を有する。
【0041】
優先パターン切替AP 42は、優先パターンの切替の有無を監視し、受信した取引データに基づいて得点情報を取得し、取得した得点情報から優先得点を再算出し、取引データに対する優先得点および優先順番を更新する機能を有する。優先パターン切替AP 42は、この機能を実現させるため、
図9に示すように、監視機能部104、情報取得機能部96、得点再算出機能部106および取引データ更新機能部102を含む。監視機能部104は、優先パターンの切替の有無を優先パターンDB 50と現在時刻とを比較して監視する機能を有する。たとえば、
図5を参照すると、現在時刻が11:59から12:00となった場合は、優先パターン2から優先パターン3への切替があったと判断する。
【0042】
なお、現在時刻は、図示しないタイマやネットワークから取得するようにすればよい。
【0043】
得点再算出機能部106は、切替が有の場合、切り替えた優先パターンに基づいて優先得点を再算出する機能を有する。この演算は、基本的に得点算出機能部98の算出手順に同じである。
【0044】
データ配信AP 44は、ストレージ36の取引データを優先順番に基づいて検索し、取得し、取得した取引データを配信する機能を有する。データ配信AP 44は、この機能を実現するため、
図10に示すように、検索機能付情報取得機能部96およびデータ配信機能部108を含む。
【0045】
なお、情報取得機能部96および得点算出機能部98は、各APに共通して配設されていることから、これらの機能を共有化して、一つにまとめて配設してもよい。
【0046】
図1に戻って、エントリ端末装置34は、為替サーバ32に対するクライアントに対応している。エントリ端末装置34は、取引データ配信としての通信機能部110および配信された取引データを表示して確認するデータチェック機能部112を有する。為替サーバ32とエントリ端末装置34は、構内ネットワークを構築して通信してもよい。エントリ端末装置34は、配信要求および登録要求を為替サーバ32に出力したり、登録処理を実行したりする。登録機能には、エントリ/ベリファイ/承認機能がある。
【0047】
次に為替通信システム10の動作について
図11を参照しながら、簡単に記述する。まず、優先パターン切替AP 42の動作について記述する。時刻T10で為替サーバ32は、起動後、優先パターン切替AP 42の監視機能部104を起動させて優先パターンDB 50と現在時刻とを比較して優先パターンを監視する。時刻T12で監視機能部104が優先パターンの切替を有と確認すると、優先パターン切替AP 42の得点再算出機能部106を用いて優先得点を再算出する。
【0048】
優先パターン切替AP 42は、時刻T14で取引データ更新機能部102は得点算出機能部98により再算出した優先得点をストレージ36に送って、取引DB 52の取引データの更新を要求する。取引DB 52は、時刻T16でこの更新要求を受けて、取引データを更新する。
【0049】
次にスキャナ端末装置12から受信した取引データに基づいて優先得点を取引データベースに登録する動作について記述する。時刻T18でスキャナ端末装置12のスキャナ22が帳票の読取を実行する。時刻T20で読み取った帳票の画像データから文字情報を認識する。この結果を受けて、スキャナ端末装置12は時刻T22において為替サーバ32に取引データの送信とともに登録を要求する(REGIST_REQ 114)。
【0050】
為替サーバ32は、時刻T24にて受信登録AP 38を起動して、受信した取引データに対して得点算出機能部98により総合的な配信優先得点を算出する。すなわち、項目としての時刻および帳票種別に限らず、さらに、振込種別、送信元営業店および振込先を基に優先得点を算出するパラメータとして用い、優先順番を総合的に決定する。
【0051】
なお、特定の条件を優先基準に所望する場合、特定の条件の優先得点を大幅に高い値に設定することで対応できる。得点配分は、基本的にサーバ管理者が管理して使用者が優先したい条件で得点を自由に配分可能である。
【0052】
受信登録AP 38は、時刻T26で取引データ登録機能部100は得点算出機能部98の機能により算出した優先得点とともに登録要求を取引DB 52に出力し、取引DB 52に優先得点を登録する。
【0053】
この後、帳票認識結果の修正・検証・承認処理を要求に応じて実行する。以下に、エントリ端末装置34と為替サーバ32間の動作について記述する。オペレータは、エントリ端末装置34を介して、時刻T28で為替サーバ32に取引データ、たとえば振込帳票の配信を要求する(DELIVERY_REQ 116)。為替サーバ32は、時刻T30でデータ配信AP 44で要求に該当する取引データを取引DB 52から検索して取得する。為替サーバ32は、時刻T32でデータ配信AP 44の機能により優先順番を考慮した取引データを検索結果としてエントリ端末装置34に配信する(DELIVERY 118)。
【0054】
エントリ端末装置34は、時刻T34で配信された検索結果を受信し、モニタに表示する。オペレータは、取引データ登録処理として、エントリ端末装置34に表示した取引データを確認し、変更があれば規則に応じて取引データを変更し、承認する。
【0055】
エントリ端末装置34は、時刻T36で取引データ登録処理を受けた取引データを含む取引データの登録要求を為替サーバ32に送信する(REGIST_REQ 120)。為替サーバ32は、時刻T38で要求された取引データに対して、更新登録AP 40を起動して、得点算出機能部98により優先得点を算出する。更新登録AP 40は、時刻T40で取引データ更新機能部102の機能により得点算出機能部98で算出した優先得点とともに更新要求を取引DB 52に出力する。取引DB 52は、供給された優先得点を更新登録する。
【0056】
このように通信し、動作を繰り返す。帳票の取引データ配信において複数種類の優先項目を設定し、総合的な優先得点を算出して優先順番に応じて取引データが配信されることにより、従来よりも効率の良い取引データ配信を実現することができる。
【0057】
以上、図面を参照して上述したように、本発明によれば、サーバ装置は、記憶手段に取引データおよびこの取引データに関する情報に対してあらかじめ設定される優先得点を記憶し、優先制御機能ブロックで端末装置から受信した取引データに対する情報を基に優先の指標を表わす優先得点を算出するとともに、記憶手段に、取引データに対する優先得点を登録し、この優先制御機能ブロックは、少なくとも、データ配信機能ブロックを含み、データ配信機能ブロックでクライアント端末装置からの取引データ配信要求の受信に応じて、記憶手段から優先得点に基づく順番で取引データを取得し、クライアント端末装置にこの取引データを配信することにより、取引データに対して設定する各種の優先得点をデータベース化し、データベースから読み出した優先得点の総和を算出し、算出した優先得点に基づいて優先順番を設定することから、金融機関にとって優先的に処理すべき取引データを適切に選択してシステム間で取引することができる。
【0058】
また、たとえば帳票で扱われる取引データ処理の優先順番を、振込先金融機関、帳票の種類、現在時刻の情報を用いて算出された優先得点から決定することにより、優先の設定パターンも他行優先の他、振込優先や一件式優先といった様々なパターンの設定も容易に可能にして、金融機関にとって優先で処理すべき帳票処理を選択可能にできる。
【0059】
なお、本発明は、銀行に適用した為替通信システム10に限定されるものでなく、証券業界、ファイナンス等の総合的な優先度を鑑みることが要求される金融における通信に適用して好適なものである。