特許第5666296号(P5666296)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5666296
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】遠心コンプレッサのためのディフーザ
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/44 20060101AFI20150122BHJP
【FI】
   F04D29/44 S
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2010-515504(P2010-515504)
(86)(22)【出願日】2008年7月9日
(65)【公表番号】特表2010-533255(P2010-533255A)
(43)【公表日】2010年10月21日
(86)【国際出願番号】EP2008058941
(87)【国際公開番号】WO2009007404
(87)【国際公開日】20090115
【審査請求日】2010年2月12日
【審判番号】不服2013-25200(P2013-25200/J1)
【審判請求日】2013年12月20日
(31)【優先権主張番号】07112348.3
(32)【優先日】2007年7月12日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501405177
【氏名又は名称】アーベーベー ターボ システムズ アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(72)【発明者】
【氏名】ロドゥナー、クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】フィリプセン、ベント
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン、ダグラス
【合議体】
【審判長】 新海 岳
【審判官】 田村 嘉章
【審判官】 矢島 伸一
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−109299(JP,U)
【文献】 実開昭57−134303(JP,U)
【文献】 特開2006−342792(JP,A)
【文献】 特開平4−334798(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心コンプレッサを有する排ガス・ターボチャージャであって、
この遠心コンプレッサは、
周方向に非対称的に形成され、且つ周方向で異なる角度位置に配置されることが可能である渦型ケーシング(31)と;
周方向に分散された状態で配置された複数のガイド・ベーン(21)を備え、周方向で異なる角度位置に配置されることが可能である羽根付きディフーザと;を有し、
互いに隣接して配置された二つのガイド・ベーン(21)の角度間隔(α0)が、互いに隣接して配置された他の二つのガイド・ベーン(21)の角度間隔(α1)とは異なる、
排ガス・ターボチャージャにおいて、
前記非対称的に形成された渦型ケーシングの角度位置に対する、前記羽根付きディフーザの位置決めを行うための位置決め手段(23,33)が設けられていること、
複数のガイド・ベーン(21)の前縁は、すべてが同一の半径の上に配置されていること、
円周に沿った前記渦型ケーシングの角度位置とは無関係に、前記位置決め手段によって、前記羽根付きディフーザは、前記渦型ケーシングに対して円周に沿って意図された角度位置で配置されていること、
を特徴とする排ガス・ターボチャージャ。
【請求項2】
下記特徴を有する請求項1に記載の排ガス・ターボチャージャ:
それぞれ互いに隣接して配置されたガイド・ベーン(21)の複数の対は、それぞれ互いに隣接して配置された残りのガイド・ベーンとは異なる角度間隔を有している。
【請求項3】
下記特徴を有する請求項2に記載の排ガス・ターボチャージャ:
それぞれ互いに隣接して配置されたガイド・ベーンの少なくとも二つの対は、第一の角度間隔(α0)を有し、それぞれ互いに隣接して配置されたガイド・ベーンの他の少なくとも二つの対は、第一の角度間隔と異なる第二の角度間隔(α1)を有している。
【請求項4】
下記特徴を有する請求項3に記載の排ガス・ターボチャージャ:
それぞれ互いに隣接して配置された複数のガイド・ベーンは、同じ角度間隔(α0,α1)をそれぞれ有している。
【請求項5】
下記特徴を有する請求項3または4に記載の排ガス・ターボチャージャ:
それぞれ同じ角度間隔を備えた対は、別のガイド・ベーンから組み立てられ、且つ、互いから距離を隔てて配置される。
【請求項6】
下記特徴を有する請求項2に記載の排ガス・ターボチャージャ:
互いに隣接して配置されたガイド・ベーンの各対は、それぞれ互いに隣接して配置された残りのガイド・ベーンとは異なる角度間隔を有している。
【請求項7】
下記特徴を有する請求項2から4の何れか1項に記載の排ガス・ターボチャージャ:
それぞれ互いに隣接して配置されたガイド・ベーンの間の角度間隔は、調和関数に従って、周囲に沿って分布されている。
【請求項8】
下記特徴を有する請求項2から4の何れか1項に記載の排ガス・ターボチャージャ:
ガイド・ベーンの少なくとも一つは、他のガイド・ベーンとは、流れの方向の長さ(L)、および/または、形状が異なっている。
【請求項9】
下記特徴を有する請求項2から4の何れか1項に記載の排ガス・ターボチャージャ:
ガイド・ベーンの少なくとも一つは、他のガイド・ベーンとは、異なる入側角度(βE)および/または出側角度(ΒA)、および/または、異なる出側半径(rA)を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャージされる内燃機関のための、排気ガス・ターボ・チャージャの分野に係る。本発明は、そのような排気ガス・ターボ・チャージャの遠心コンプレッサの吐出し領域に係り、即ち、コンプレッサ・インペラの下流に配置される遠心コンプレッサの領域に係り、且つ、この領域は、原則として、羽根付きディフーザ(vaned diffuser)、及び非対称的に形成された渦型ケーシング(scroll casing)を有している。
【背景技術】
【0002】
現代のターボ・チャージャにおいて、羽根付きディフーザを備えたシングル・ステージの遠心コンプレッサが、エンジンの導入圧力を増大させるために、原則として使用されている。ディフーザの中で、圧縮される媒体の運動エネルギーが静圧力に変換される。コンプレッサ・インペラは、特定の数のインペラ・ブレードを有し、ディフーザは、プリズム状の、原則として空力学的なプロファイル(楔形またはエアフォイル(airfoil)形)を備えたガイド・ベーンを有している。コンプレッサの軸の方向で見たとき、ガイド・ベーンは、前縁に、定められた接線角度(入側角度)を有し、後縁に、定められた接線角度(出側角度)を有し、且つ、それぞれ互いに隣接して配置された二つのガイド・ベーンの間で、周方向に、定められた間隔を有している。
【0003】
コンプレッサ・ステージを設計するとき、空力学的な性能、機械的な負荷、及びコンプレッサによるノイズの発生の間で、常に妥協が見出されなければならない。高い特定の吸い込み能力を備えた現代のコンプレッサ・ステージは、長い、薄いインペラ・ブレードを有していて、その自然モードは、低周波数で生じ、且つ容易に励起されて振動し始めることが可能である。これらの励起の主要な源は、ディフーザのガイド・ベーンにより作り出される圧力ポテンシャル場である。幾何学的に規則的に形成されたコンプレッサ・インペラ・ブレード及びディフーザ・ガイド・ベーンのために、共鳴振動が生ずることが可能であり、この共鳴振動は、振動エネルギーの増大に伴い、顕著になる。吐出し圧力を実現するために要求される高速度のために、極端な場合には、振動がコンプレッサ・インペラ・ブレードの機械的な損傷(高サイクル疲労:HCF)をもたらすこともある。
【0004】
EP 1 772 596 は、遠心コンプレッサのツー・ステージ・ディフーザを開示している。その中で、ディフーザ・ベーン列が、コンプレッサの、軸方向の貫通する流れに曝されるインペラ・ブレードの前方及び後方に、それぞれ配置されている。これらのディフーザ・ベーン列は、ディフーザ・ベーン列の間に配置されたインペラ・ブレードの上の、下半分及び上半分に、それぞれ異なる数のガイド・ベーンを有していて、それは、不均一なベーン集中の結果としての振動の影響を減少させるためである。貫通する流れが軸方向に生じ、ここで、表されたツー・ステージ・ディフーザの前方及び後方の流れの状態は、周囲に沿って対称的である。そのような対称的な流れの状態が必要とされる。その理由は、軸方向のタービンがディフーザの下流に配置され、この軸流タービンに対して、周囲に沿って可能な限り対称的な流れが供給されるからである。
【0005】
US 3 873 231 は、複数のブレードを備えたインペラを備えた液体ポンプ、及び周囲に沿って分散された状態で配置された複数のガイド・ベーンを開示している。この場合、ガイド・ベーンは、周囲に沿って不均一な分布を有している、それは、送出される液体の中での、一定の圧力パターンを避けることを可能にするためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願第 EP 1 772 596 号明細書
【特許文献2】米国特許第 US 3 873 231 号明細書
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、遠心コンプレッサの吐出し領域を改善することにあり、その趣旨は、ディフーザが、ディフーザのガイド・ベーンの下流に配置された非対称的に形成された渦型ケーシングとの相互作用で、そしてまた遠心コンプレッサ・インペラのインペラ・ブレードとの相互作用で、引き起こす共鳴振動を可能な限り低くすることである。
【0008】
本発明によれば、これは、隣接して配置された二つのディフーザのガイド・ベーンの間の角度間隔が変わることにより、及び、結果として不規則に形成されたディフーザが、周方向に異なる角度位置に配置されることが可能である渦型ケーシングに対して、定められた角度位置で配置されることにより、実現される。
【0009】
この場合、一つの実施形態において、それぞれのガイド・ベーン対は、残りのガイド・ベーン対とは異なる角度間隔を有している。
【0010】
更なる実施形態において、互いに隣接して配置されたまたは周囲に沿って規則的または不規則に分布された複数のガイド・ベーン対が、オプションとして、それぞれ、同じ角度間隔を有し、しかしながら、残りのガイド・ベーン対の角度間隔とは異なる角度間隔を有することが可能である。
【0011】
更なる実施形態において、ガイド・ベーン対の複数のグループが、オプションとして、それぞれ、同じ角度間隔を有することが可能である。そのようなグループのこれらのガイド・ベーン対が、互いに結合された状態で、または、それらが周囲に亘って分布された状態で、配置されることが可能である。
【0012】
更なる実施形態において、全てのガイド・ベーン対が、オプションとして、異なる角度間隔を有することが可能である。
【0013】
形状、長さ、コンプレッサの軸に対する、入側角度及び出側角度並びに入側半径及びガイド・ベーンの出側半径が、全てのガイド・ベーンに対して同じであることが可能であり、または、軸方向並びに周方向に、ガイド・ベーンの一部または全てに対して異なっていることが可能である。
【0014】
本発明に基づいて不規則に形成された、そのようなディフーザは、シングル・ステージまたはマルチ・ステージの形態でデザインされることが可能であり、ここで、複数のステージの場合には、これらは、径方向に相前後して、即ち、コンプレッサの軸に対して同心的に、配置される。
【0015】
更なる優位な効果は、従属請求項からもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、羽根付きディフーザを備えた遠心コンプレッサの、コンプレッサの軸に沿う断面を示している。
図2図2は、本発明に基づいて形成され、不規則に配置されたガイド・ベーンを備えたディフーザの第一の実施形態の、コンプレッサの軸に対して垂直方向の断面を示している。
図3図3は、本発明に基づいて形成され、それぞれ互いに隣接して配置されたガイド・ベーンの間で周方向に変化する角度間隔を備えたディフーザの第二の実施形態の、コンプレッサの軸に対して垂直方向の断面を示している。
図4図4は、先行する図面の内の一つに基づく、ディフーザのそれぞれのガイド・ベーンを示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に基づいて形成された、遠心コンプレッサのディフーザの実施形態が、以下において、図面を参照しながら説明される。
【0018】
図1は、シャフト軸を通る断面内の、排気ガス・ターボ・チャージャのコンプレッサ断面を示す。コンプレッサは、コンプレッサ・インペラを有し、このコンプレッサ・インペラは、シャフト12上に配置され、ハブ10及びその上に配置されたインペラ・ブレード11を有している。インペラ・ブレードは、メイン・ブレードと中間ブレードに分けられることが可能であり、ここで、メイン・ブレードは、ハブ及び隣接するケーシング断面により境界が定められる流れ経路の全ての長さに亘って伸び、これに対して、中間ブレードは、原則として、短縮された状態で形成され、且つセットバックする前縁を有している。この場合、メイン・ブレード当り一つまたはそれ以上の中間ブレードが配置されることが可能である。
【0019】
コンプレッサ・インペラは、コンプレッサ・ケーシングの中に配置され、このコンプレッサ・ケーシングは、原則として、複数の部分を有していて、それは、例えば、渦型ケーシング31と吸入ケーシング32である。軸受ハウジング30は、シャフトの軸受を含んでいて、コンプレッサとタービン(示されていない)の間に配置されている。先に挙げた、コンプレッサの領域の中の流れ経路は、コンプレッサ・ケーシングにより境界が定められる。コンプレッサ・インペラの領域において、コンプレッサ・インペラのハブは、径方向に内側の境界を引き受け、ここで、コンプレッサ・インペラのインペラ・ブレードは、流れ経路の中に配置される。ディフーザは、圧縮される媒体の流れの方向で、コンプレッサ・インペラの下流に配置されている。
【0020】
導入部で述べたように、ディフーザは、コンプレッサ・インペラにより加速された流れを減速させるために用いられる。これは、一方では、ディフーザのガイド・ベーン21により、そして、もう一方では、渦型ケーシングにより実現され、この渦型ケーシングから、圧縮される媒体が内燃機関の燃焼室へ送られる。ディフーザのガイド・ベーンは、流れ経路の一方または両方の両サイドで、ディフーザ壁22またはケーシング断面に接続されている。
【0021】
本発明に基づくディフーザは、複数のガイド・ベーンを有している。これらのガイド・ベーンは、互いに異なる角度間隔を有している。互いに隣接して配置された二つのガイド・ベーンの前縁の間の角度は、この出願の中において、角度間隔と呼ばれている。互いに隣接して配置された二つのガイド・ベーンの、二つの他の対応するポイントの間の角度が、オプションとして、角度間隔と呼ばれることも可能であり、例えば、ガイド・ベーンが異なって形成された入側角度を有しているとき、または、前縁が、異なる半径の上に配置されたときに、そのように呼ばれる。この場合、例えば、後縁の間の角度、または、プロファイルの中央点の間の角度が、角度間隔と呼ばれることが可能である。
【0022】
本発明によれば、互いに隣接して配置されたガイド・ベーンの間の角度間隔は、全周に亘って同一でない。この場合、ガイド・ベーンの間で変化する角度間隔を備えたディフーザを実現する複数の可能性がある。
【0023】
図2に基づく第一の実施形態において、互いに隣接して配置されたディフーザの全ての対のガイド・ベーン21に対する角度間隔αxが異なっている。即ち、16個のガイド・ベーン対の間の16個の角度間隔の内の何れの二つも、同一ではない。図2に基づいて、例として示された実施形態のそれぞれの角度間隔に対する値が、以下の表の中にまとめられている:
【表1】
【0024】
この表の中にまとめられている異なる角度間隔は、ここに示された例において、全ての対のガイド・ベーンに対して不規則に分布されている。それに代わって、これらの角度間隔が周方向に規則的に増大または減少すること、または、先ず増大してそれから減少することも可能である。もし、角度間隔が、調和関数に従って、例えば正弦関数に従って、増大し且つ減少する場合に、特に好ましい結果が実現されることが可能である。
【0025】
図3に基づく第二の実施形態において、二つの角度間隔α0及びα1は、周囲に沿って交互に並ぶ状態で、対のガイド・ベーンに対して分布されている。例として示された実施形態のそれぞれの角度間隔に対する値が、再び、以下の表の中にまとめられている:
【表2】
【0026】
ここに示されていない更なる実施形態もまた可能である。その場合、例えば全ての角度間隔が、それらの内の一つまたは幾つかを除いて、同一であることが可能である。同一の角度間隔のグループが形成されることが可能である。同一の角度間隔を備えたガイド・ベーンのこれらの対が、互いに隣接した状態でまたは互いから分離された状態で、配置されることが可能である。
【0027】
異なる角度間隔を備えたガイド・ベーンを備えたディフーザの場合、測定に基づいて、規則的な羽根付きディフーザと比べて50パーセントまでの共鳴振動の減少も、実証されている。
【0028】
ディフーザに更なる不均一性を導入するために、オプションとして、それぞれのディフーザのガイド・ベーンは、形状、長さ、入側角度及び出側角度並びに入側半径及び出側半径が互いに異なることも可能である。この場合、異なるデザインが、軸方向に(コンプレッサの軸に対して)、即ち、ブレード高さの方向並びに周方向の双方に、採用されることが可能である。この場合、ガイド・ベーンの全てまたは一部のみが、異なって形成されまたは配置されることが可能である。
【0029】
そのようなディフーザは、本発明に基づいて不規則に形成され、シングル・ステージまたはマルチ・ステージの形態でデザインされることが可能であり、ここで、複数のステージの場合には、これらは、径方向に相前後して配置され、即ち、コンプレッサの軸に対して同心的に配置される。
【0030】
周方向に不規則に形成されたディフーザは、周方向に非対称的に形成された渦型ケーシングに対して固定された角度位置に配置される。更にまた、異なる角度間隔の値、及び周囲に沿ったそれらの分布は、ガイド・ベーンの下流で、非対称的に形成された渦型ケーシング(31)に適合される。これらの角度間隔は、例えば、渦型ケーシングの半径と同様に周囲に沿って増大することが可能であり、または、渦型の舌状部の始まりの領域に配置されたガイド・ベーン対が、残りのガイド・ベーン対と異なる角度間隔を有することが可能である。
【0031】
渦型ケーシング(31)は、周囲に沿って異なる角度位置に配置されることが可能であるので、本発明によれば、ディフーザが、渦型ケーシングに対して意図された角度位置にそれぞれ配置されると言うことが、位置決め手段を用いて確保される。意図された位置は、この場合、好ましくは、運転中に発生する共鳴振動が最小となる角度である。
【0032】
共鳴振動が最小となる、渦型ケーシングに対するディフーザのこの角度位置は、オプションとして、計算されまたは実験的に定められることが可能である。可能な位置決め手段が、図2の中に示されていて、ディフーザ壁22の径方向に外側のエッジ上の位置決めカム23を備え、このカムが渦型ケーシングの中の位置決めスロット33の中に係合している。
【0033】
形状が適合するように作られた他の位置決め手段も考えられる、それは、例えば、両サイドで差し込まれる孔の中に配置される位置決めピンである。第三のコンポーネントを介しての間接的な位置決め、例えば、吸入ケーシング32または軸受ハウジング30介しての間接的な位置決めもまた、考えられる。
【符号の説明】
【0034】
10…コンプレッサ・インペラ(ハブ)、11…コンプレッサ・インペラ・ブレード、
12…シャフト、21…ディフーザのガイド要素(ガイド・ベーン)、22…ディフーザの壁、23…位置決めカム、30…軸受ハウジング、31…渦型ケーシング、32…吸入ケーシング、33…位置決めスロット、αx…二つのディフーザ・ガイド・ベーンの間の角度間隔、βA…ディフーザ・ガイド・ベーンの出側角度、βE…ディフーザ・ガイド・ベーンの入側角度、rA…ディフーザ・ガイド・ベーンの出側半径、rE…ディフーザ・ガイド・ベーンの入側半径、L…ディフーザ・ガイド・ベーンの長さ。
図1
図2
図3
図4