特許第5666304号(P5666304)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5666304新規な縮合アミノジヒドロチアジン誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5666304
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】新規な縮合アミノジヒドロチアジン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 513/04 20060101AFI20150122BHJP
   A61K 31/542 20060101ALI20150122BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20150122BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20150122BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20150122BHJP
【FI】
   C07D513/04 371
   A61K31/542
   A61P43/00 111
   A61P25/00
   A61P25/28
   C07D513/04CSP
【請求項の数】9
【全頁数】149
(21)【出願番号】特願2010-531835(P2010-531835)
(86)(22)【出願日】2009年9月28日
(86)【国際出願番号】JP2009066728
(87)【国際公開番号】WO2010038686
(87)【国際公開日】20100408
【審査請求日】2012年4月24日
(31)【優先権主張番号】61/101359
(32)【優先日】2008年9月30日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/170179
(32)【優先日】2009年4月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/226365
(32)【優先日】2009年7月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】特願2008-252062(P2008-252062)
(32)【優先日】2008年9月30日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2009-100457(P2009-100457)
(32)【優先日】2009年4月17日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2009-168490(P2009-168490)
(32)【優先日】2009年7月17日
(33)【優先権主張国】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度、文部科学省、科学技術試験研究委託事業、タンパク3000委託研究「タンパク質基本構造の網羅的解析プログラム」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける出願
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】506137147
【氏名又は名称】エーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】元木 貴史
(72)【発明者】
【氏名】武田 邦稔
(72)【発明者】
【氏名】北 陽一
(72)【発明者】
【氏名】高石 守
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 裕一
(72)【発明者】
【氏名】石田 祐
【審査官】 谷尾 忍
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4520533(JP,B2)
【文献】 国際公開第2007/049532(WO,A1)
【文献】 特表2008−526999(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 513/04
C07D 513/08
C07D 519/00
A61K 31/542−31/555
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
環Aは置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリール基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい5−6員ヘテロアリール基であり
Lは単結合又は式−NRCO−(Rは水素原子又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基である。)であり
環Bは置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリール基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい5−10員複素環基であり、
置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−3アルキレン基であり、
Yは置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−3アルキレン基であり
Zは酸素原子であり
及びR水素原子であり
、R、R及びRは独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基であり
とRが一緒になって式(II):
【化2】

(式中、Y、Z、R及びRは前記と同義であり、Qは酸素原子、メチレン基又はエチレン基である。)で示される環を形成してもよい。
置換基群α:水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、C1−6アルキルチオ基、C6−14アリール基、C6−14アリールオキシカルボニル基、C6−14アリールカルボニル基、シアノ基、C3−8シクロアルコキシ基、C3−8シクロアルキル基、C3−8シクロアルキルチオ基、スルホニルアミノ基(該スルホニルアミノ基は1乃至2個のC1−6アルキル基で置換されていてもよい)、置換基群βから選択される1乃至2個の置換基を有してもよいC2−6アルケニル基、置換基群βから選択される1乃至2個の置換基を有してもよいC2−6アルキニル基、1乃至2個のC1−6アルキル基で置換されてもよいカルバモイル基、置換基群βから選択される1乃至3個の置換基を有してもよいC1−6アルコキシ基、置換基群βから選択される1乃至3個の置換基を有してもよいC1−6アルキル基及び置換基群βから選択される1乃至3個の置換基を有してもよい5−10員複素環基。
置換基群β:ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基及びC1−6アルコキシ基(該アルコキシ基は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基及びニトロ基から選択される1乃至3個の置換で置換されていてもよいフェニル基で置換されていてもよい)。]
で示される化合物若しくはその医薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物。
【請求項2】
Xが置換基群αから選択される1乃至2個の置換基を有していてもよいメチレン基である、請求項に記載の化合物若しくはその医薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物。
【請求項3】
Lが式−NRCO−(Rは水素原子又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基である。)である、請求項1又は2に記載の化合物若しくはその医薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物。
【請求項4】
置換基群αから選択される置換基が、水素原子、ハロゲン原子、置換基群βから選択される1乃至3個の置換基を有してもよいC1−6アルコキシ基、又は置換基群βから選択される1乃至3個の置換基を有してもよいC1−6アルキル基である、請求項1からの何れかに記載の化合物若しくはその医薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物。
【請求項5】
以下に記載の化合物から選択される化合物若しくはその医薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物:
1)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
2)N−[3−((8S*,8aR*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−フルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
3)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ―4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7―オキサ―3―チア―1―アザナフタレン―8a―イル)―4―フルオロフェニル]―5―ジフルオロメトキシピラジン―2―カルボキサミド、
4)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−トリフルオロメトキシフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
5)N−[3−((8S*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−トリフルオロメトキシフェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミド、
6)N−[3−((4aR*,6S*,8aS*)−2−アミノ−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミド、
7)N−[3−((4aR*,6S*,8aS*)−2−アミノ−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
8)N−[3−((4aR*,6S*,8aS*)−2−アミノ−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−トリフルオロメチルピリジン−2−カルボキサミド、
9)N−[3−((4aR*,6S*,8aS*)−2−アミノ−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
10)N−[3−((4aR*,6S*,8aS*)−2−アミノ−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−フルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
11)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
12)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボキサミド、
13)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミド、
14)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−フルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
15)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
16)N−[3−((4aS,5S,8aS)−2−アミノ−5−フルオロ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
17)N−[3−((4aS,5S,8aS)−2−アミノ−5−フルオロ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボキサミド、
18)N−[3−((4aS,5S,8aS)−2−アミノ−5−フルオロ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミド、
19)N−[3−((4aS,5S,8aS)−2−アミノ−5−フルオロ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−トリフルオロメチルピリジン−2−カルボキサミド、
20)N−[3−((4aS,5S,8aS)−2−アミノ−5−フルオロ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメトキシピリジン−2−カルボキサミド、
21)N−[3−((4aS,5S,8aS)−2−アミノ−5−フルオロ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−フルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
22)N−[3−((4aS,5S,8aS)−2−アミノ−5−フルオロ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
23)N−[3−((4aR*,5S*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミド、
24)N−[3−((4aR*,5S*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
25)N−[3−((4aR*,5S*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
26)N−[3−((4aR*,5R*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミド、
27)N−[3−((4aR*,5R*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
28)N−[3−((4aR*,5R*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
29)N−[3−((4aR*,5R*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボキサミド、
30)N−[3−((4aS*,5R*,8aS*)−2−アミノ−5−メトキシ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
31)N−[3−((2R*,4aR*,8aS*)−2−アミノ−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
32)N−[3−((2R*,4aR*,8aS*)−2−アミノ−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボキサミド、
33)N−[3−((4aR,6R,8aS)−2−アミノ−6−ヒドロキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミド、
34)N−[3−((4aR,6R,8aS)−2−アミノ−6−ヒドロキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
35)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
36)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
37)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−フルオロピリジン−2−カルボキサミド、
38)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−ピリジン−2−カルボキサミド、
39)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−フルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
40)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−ピリミジン−4−カルボキサミド、
41)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−3,5−ジフルオロピリジン−2−カルボキサミド、
42)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメトキシピリジン−2−カルボキサミド、
43)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボキサミド、
44)N−[3−((4aR,6R,8aS)−2−アミノ−6−フルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
45)N−[3−((4aR,6R,8aS)−2−アミノ−6−フルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミド、
46)N−[3−((4aR,6R,8aS)−2−アミノ−6−フルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−トリフルオロメチルピリジン−2−カルボキサミド、
47)N−[3−((4aR,6R,8aS)−2−アミノ−6−フルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−フルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
48)N−[3−((4aR,6R,8aS)−2−アミノ−6−フルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボキサミド、
49)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミド、
50)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ブロモピリジン−2−カルボキサミド、
51)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−3,5−ジフルオロピリジン−2−カルボキサミド、
52)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−3,5−ジクロロピリジン−2−カルボキサミド、
53)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−フルオロピリジン−2−カルボキサミド、
54)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−3,5−ジブロモピリジン−2−カルボキサミド、
55)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−トリフルオロメチルピリジン−2−カルボキサミド、
56)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメチルピリジン−2−カルボキサミド、
57)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボキサミド、
58)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメトキシピリジン−2−カルボキサミド、
59)(±)−(4aR*,6R*,8aS*)−8a−[2−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミン、
60)(4aR、6R,8aS)−8a−[2−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−6−フルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミン、
61)(±)−(4aR*,8aS*)−8a−[2−フルオロ−5−(2−フルオロ
ピリジン−3−イル)フェニル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オ
キサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミン、
62)(±)−(4aR*,8aS*)−8a−(2−フルオロ−5−ピリミジン−5−イルフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミン、
63)(±)−(4aR*,8aS*)−8a−[5−(5−クロロピリジン−3−イル)−2−フルオロフェニル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミン、
64)N−[5−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)チオフェン−3−イル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
65)(±)−(4aR*,8aR*)−8a−[4−(2−フルオロピリジン−3−
イル)−チオフェン−2−イル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミン、
66)(4aR、6R,8aS)−8a−[2−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−6−ベンジルオキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミン、
67)(±)−N−[7−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−2,2−ジフルオロベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
68)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−(2−メトキシエトキシ)−ピラジン−2−カルボキサミド、
69)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−2−メチルチアゾール−4−カルボキサミド、
70)N−[3−((4aR*,5R*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−
8a−イル)−4−フルオロフェニル]−2,5−ジメチルフラン−3−カルボキサミド、
71)N−[3−((4aR*,5R*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−4−メチル−[1,2,3]チアジアゾール−5−カルボキサミド、
72)N−[3−((4aR*,5R*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−3−ピペリジン−1−イルプロピオンアミド、及び
73)N−[3−((4aR*,5R*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−2−メチルオキサゾール−4−カルボキサミド。
【請求項6】
請求項1からの何れかに記載の化合物若しくはその医薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項7】
アミロイドβタンパク質産生を抑制するための請求項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
神経変性疾患治療のための請求項6又は7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
神経変性疾患がアルツハイマー型認知症又はダウン症である請求項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縮合アミノジヒドロチアジン誘導体及びその医薬用途に関する。更に詳細には、アミロイドβ(以下、Aβという。)タンパク産生抑制作用又はベータサイトアミロイドβ前駆体タンパク質開裂酵素1(以下、BACE1又はベータセレクターゼという)阻害作用を有し、Aβタンパクが原因となる神経変性疾患、特にアルツハイマー型認知症、ダウン症等の治療に有効な縮合アミノジヒドロチアジン誘導体及びそれを有効成分として含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
アルツハイマー病は、神経細胞の変性や、脱落とともに、老人班の形成および神経原繊維変化を特徴とする疾患である。現在、アルツハイマー型認知症の治療は、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤に代表される症状改善剤による対症療法に限られていて、病気の進行を抑制する根本療法剤は開発されていない。アルツハイマー型認知症の根本療法剤の創出には、病態の発症原因を制御する方法の開発が必要である。
アミロイド前駆体タンパク(以下、APPという。)の代謝産物であるAβタンパクは、神経細胞の変性・脱落、さらには認知症症状の発現に大きくかかわると考えられている(例えば、非特許文献3、4参照)。Aβタンパクの主成分は、アミノ酸40個からなるAβ40とC末が2アミノ酸増えたAβ42である。これらのAβ40および42は、凝集性が高く(例えば、非特許文献5参照)、老人班の主要構成成分であり(例えば、非特許文献5、6、7参照)、さらに、家族性アルツハイマー病で見られるAPPおよびプレセネリン遺伝子の変異は、これらのAβ40および42を増加させることが知られている(例えば、非特許文献8、9、10参照)。したがって、Aβ40および42の産生を低下させる化合物は、アルツハイマー型認知症の進行抑制剤または予防薬として期待されている。
Aβは、APPがベータセクレターゼ(BACE1)により切断され、続いてガンマセクレターゼにより切り出されることにより産生する。このことより、Aβ産生抑制を目的として、ガンマセクレターゼおよびベータセクレターゼの阻害剤の創出が試みられている。既に知られているベータセクレターゼ阻害剤は、以下に示す特許文献1〜15、非特許文献1および2等で報告されており、中でも特許文献1、14および15にはアミノジヒドロチアジン誘導体およびBACE1阻害活性を有する化合物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2007/049532号パンフレット
【特許文献2】米国特許第3235551号明細書
【特許文献3】米国特許第3227713号明細書
【特許文献4】特開平9−067355号公報
【特許文献5】国際公開第01/087293号パンフレット
【特許文献6】国際公開第04/014843号パンフレット
【特許文献7】特開2004−149429号公報
【特許文献8】国際公開第02/96897号パンフレット
【特許文献9】国際公開第04/043916号パンフレット
【特許文献10】国際公開第2005/058311号パンフレット
【特許文献11】国際公開第2005/097767号パンフレット
【特許文献12】国際公開第2006/041404号パンフレット
【特許文献13】国際公開第2006/041405号パンフレット
【特許文献14】国際公開第2008/133273号パンフレット
【特許文献15】国際公開第2008/133274号パンフレット
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】ジャーナル・オブ・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Journal of Heterocyclic Chemistry)、14巻、717頁〜723頁(1977年)
【非特許文献2】ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(Journal of Organic Chemistry)、33巻、3126頁〜3132頁(1968年)
【非特許文献3】Klein WL,外7名,Alzheimer’s disease−affected brain: Presence of oligomeric Aβ ligands(ADDLs)suggests a molecular basis for reversible memory loss,Proceedings National Academy of Science USA 2003,Sep 2;100(18),p.10417−10422.
【非特許文献4】Nitsch RM,外16名,Antibodies against β−amyloid slow cognitive decline in Alzheimer’s disease,Neuron,2003,May 22;38,p.547−554.
【非特許文献5】Jarrett JT,外2名,The carboxy terminus of the β amyloid protein is critical for the seeding of amyloid formation: Implications for the pathogenesis of Alzheimers’ disease,Biochemistry,1993,32(18),p.4693−4697.
【非特許文献6】Glenner GG,外1名,Alzheimer’s disease: initial report of the purification and characterization of a novel cerebrovascular amyloid protein,Biochemical and biophysical research communications,1984,May 16,120(3),p.885−890.
【非特許文献7】Masters CL,外5名,Amyloid plaque core protein in Alzheimer disease and Down syndrome,Proceedings National Academy of Science USA,1985,Jun,82(12),p.4245−4249.
【非特許文献8】Gouras GK,外11名,Intraneuronal Aβ42 accumulation in human brain,American Journal of Pathology,2000,Jan,156(1),p.15−20.
【非特許文献9】Scheuner D,外20名,Secreted amyloid β−protein similar to that in the senile plaques of Alzheimer’s disease is increased in vivo by the presenilin 1 and 2 and APP mutations linked to familial Alzheimer’s disease,Nature Medicine,1996,Aug,2(8),p.864−870.
【非特許文献10】Forman MS,外4名,Differential effects of the swedish mutant amyloid precursor protein on β−amyloid accumulation and secretion in neurons and nonneuronal cells,The Journal of Biological Chemistry,1997,Dec 19,272(51),p.32247−32253.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、特許文献1に記載のアミノジヒドロチアジン誘導体およびBACE1阻害活性を有する化合物とは相違する化合物であって、Aβ産生抑制作用又はBACE1阻害作用を有し、Aβに起因する、アルツハイマー型認知症に代表される神経変性疾患の治療剤として有用な縮合アミノジヒドロチアジン化合物及びその医薬用途を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
[1] 式(I):
【化1】
[式中、
環Aは置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリール基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい5−6員ヘテロアリール基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい9−10員ベンゾ縮合複素環基であり、
Lは単結合、酸素原子、式−NRCO−(Rは水素原子又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基である。)、式−NRCO−C1−6アルキル基(Rは水素原子又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基である。)、式−NRSO−(Rは水素原子又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基である。)、置換基群αから選ばれる1乃至3の置換基を有していてもよいC1−6アルキレン基、置換基群αから選ばれる1乃至3の置換基を有していてもよいC2−6アルケニレン基又は置換基群αから選ばれる1乃至3の置換基を有していてもよいC2−6アルキニレン基であり、
環Bは、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリール基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい5−10員複素環基であり、
Xは単結合又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−3アルキレン基であり、
Yは置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−3アルキレン基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC2−3アルケニレン基であり、
Zは酸素原子、硫黄原子、スルホキシド、スルホン又は式−NR−(Rは水素原子、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキルカルボニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリールカルボニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキルスルホニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリールスルホニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリール基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい5−10員複素環基である。)であり、
及びRは各々独立して水素原子、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキルカルボニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリールカルボニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキルスルホニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリールスルホニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC3−8炭素環基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい5−10員複素環基であり、
、R、R及びRは独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルコキシ基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい3−10員炭素環基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい5−10員複素環基であり、
とRが一緒になって式(II):
【化2】
(式中、Y、Z、R及びRは前記と同義であり、Qは酸素原子、メチレン基又はエチレン基である。)で示される環を形成してもよい。
置換基群α:水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、C1−6アルキルチオ基、C6−14アリール基、C6−14アリールオキシカルボニル基、C6−14アリールカルボニル基、シアノ基、C3−8シクロアルコキシ基、C3−8シクロアルキル基、C3−8シクロアルキルチオ基、スルホニルアミノ基(該スルホニルアミノ基は1乃至2個のC1−6アルキル基で置換されていてもよい)、置換基群βから選択される1乃至2個の置換基を有してもよいC2−6アルケニル基、置換基群βから選択される1乃至2個の置換基を有してもよいC2−6アルキニル基、1乃至2個のC1−6アルキル基で置換されてもよいカルバモイル基、置換基群βから選択される1乃至3個の置換基を有してもよいC1−6アルコキシ基、置換基群βから選択される1乃至3個の置換基を有してもよいC1−6アルキル基及び置換基群βから選択される1乃至3個の置換基を有してもよい5−10員複素環基。
置換基群β:ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基及びC1−6アルコキシ基(該アルコキシ基は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基及びニトロ基から選択される1乃至3個の置換で置換されていてもよいフェニル基で置換されていてもよい)。]
で示される化合物若しくはその医薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物;
[2] 式(I):
【化3】
[式中、
環Aは置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリール基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい5−6員ヘテロアリール基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい9−10員ベンゾ縮合複素環基であり、
Lは単結合、酸素原子、式−NRCO−(Rは水素原子又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基である。)、式−NRSO−(Rは水素原子又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基である。)、置換基群αから選ばれる1乃至3の置換基を有していてもよいC1−6アルキレン基、置換基群αから選ばれる1乃至3の置換基を有していてもよいC2−6アルケニレン基又は置換基群αから選ばれる1乃至3の置換基を有していてもよいC2−6アルキニレン基であり、
環Bは、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリール基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい5−10員複素環基であり、
Xは単結合又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−3アルキレン基であり、
Yは置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−3アルキレン基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC2−3アルケニレン基であり、
Zは酸素原子、硫黄原子、スルホキシド、スルホン又は式−NR−(Rは水素原子、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキルカルボニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリールカルボニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキルスルホニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリールスルホニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリール基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい5−10員複素環基である。)であり、
及びRは各々独立して水素原子、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキルカルボニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリールカルボニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキルスルホニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリールスルホニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC3−8炭素環基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい5−10員複素環基であり、
、R、R及びRは独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルコキシ基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい3−10員炭素環基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい5−10員複素環基であり、
とRが一緒になって式(II):
【化4】
(式中、Y、Z、R及びRは前記と同義であり、Qは酸素原子、メチレン基又はエチレン基である。)で示される環を形成してもよい。
置換基群α:水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、C1−6アルキルチオ基、C6−14アリール基、C6−14アリールオキシカルボニル基、C6−14アリールカルボニル基、シアノ基、C3−8シクロアルコキシ基、C3−8シクロアルキル基、C3−8シクロアルキルチオ基、スルホニルアミノ基(該スルホニルアミノ基は1乃至2個のC1−6アルキル基で置換されていてもよい)、置換基群βから選択される1乃至2個の置換基を有してもよいC2−6アルケニル基、置換基群βから選択される1乃至2個の置換基を有してもよいC2−6アルキニル基、1乃至2個のC1−6アルキル基で置換されてもよいカルバモイル基、置換基群βから選択される1乃至3個の置換基を有してもよいC1−6アルコキシ基、置換基群βから選択される1乃至3個の置換基を有してもよいC1−6アルキル基及び置換基群βから選択される1乃至3個の置換基を有してもよい5−10員複素環基。
置換基群β:ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基及びC1−6アルコキシ基。]
で示される化合物若しくはその医薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物;
[3] 式(I):
【化5】
[式中、
環Aは置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリール基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい5−6員ヘテロアリール基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい9−10員ベンゾ縮合複素環基であり、
Lは単結合、酸素原子、式−NRCO−(Rは水素原子又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基である。)、式−NRSO−(Rは水素原子又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基である。)、置換基群αから選ばれる1乃至3の置換基を有していてもよいC1−6アルキレン基、置換基群αから選ばれる1乃至3の置換基を有していてもよいC2−6アルケニレン基又は置換基群αから選ばれる1乃至3の置換基を有していてもよいC2−6アルキニレン基であり、
環Bは、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリール基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい5−10員複素環基であり、
Xは単結合又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−3アルキレン基であり、
Yは置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−3アルキレン基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC2−3アルケニレン基であり、
Zは酸素原子、硫黄原子、スルホキシド、スルホン又は式−NR−(Rは水素原子、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキルカルボニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリールカルボニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキルスルホニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリールスルホニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリール基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい5−10員複素環基である。)であり、
及びRは各々独立して水素原子、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキルカルボニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリールカルボニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキルスルホニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリールスルホニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC3−8炭素環基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい5−10員複素環基であり、
、R、R及びRは独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルコキシ基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい3−10員炭素環基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい5−10員複素環基であり、
置換基群α:水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、C1−6アルキルチオ基、C6−14アリール基、C6−14アリールオキシカルボニル基、C6−14アリールカルボニル基、シアノ基、C3−8シクロアルコキシ基、C3−8シクロアルキル基、C3−8シクロアルキルチオ基、スルホニルアミノ基(該スルホニルアミノ基は1乃至2個のC1−6アルキル基で置換されていてもよい)、置換基群βから選択される1乃至2個の置換基を有してもよいC2−6アルケニル基、置換基群βから選択される1乃至2個の置換基を有してもよいC2−6アルキニル基、1乃至2個のC1−6アルキル基で置換されてもよいカルバモイル基、置換基群βから選択される1乃至3個の置換基を有してもよいC1−6アルコキシ基、置換基群βから選択される1乃至3個の置換基を有してもよいC1−6アルキル基及び置換基群βから選択される1乃至3個の置換基を有してもよい5−10員複素環基。
置換基群β:ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基及びC1−6アルコキシ基。]
で示される化合物若しくはその医薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物;
[4] Xが置換基群αから選択される1乃至2個の置換基を有していてもよいメチレン基である、上記[1]から[3] の何れかに記載の化合物若しくはその医薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物;
[5] Zが酸素原子であり、Yが置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−3アルキレン基である、上記[1]から[4] の何れかに記載の化合物若しくはその医薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物;
[6] Zが酸素原子であり、Yが置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC2−3アルケニレン基である、上記[1]から[4] の何れかに記載の化合物若しくはその医薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物;
[7] Zが硫黄原子またはスルホンであり、Yが置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−3アルキレン基である、上記[1]から[4] の何れかに記載の化合物若しくはその医薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物;
[8] Lが式−NRCO−(Rは水素原子又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基である。)である、上記[1] から[4]の何れかに記載の化合物若しくはその医薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物;
[9] 置換基群αから選択される置換基が、水素原子、ハロゲン原子、置換基群βから選択される1乃至3個の置換基を有してもよいC1−6アルコキシ基、又は置換基群βから選択される1乃至3個の置換基を有してもよいC1−6アルキル基である、上記[1] から[8]の何れかに記載の化合物若しくはその医薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物;
[10] 以下に記載の化合物から選択される化合物若しくはその医薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物:
1)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
2)N−[3−((8S*,8aR*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−フルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
3)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ―4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7―オキサ―3―チア―1―アザナフタレン―8a―イル)―4―フルオロフェニル]―5―ジフルオロメトキシピラジン―2―カルボキサミド、
4)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−トリフルオロメトキシフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
5)N−[3−((8S*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−トリフルオロメトキシフェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミド、
6)N−[3−((4aR*,6S*,8aS*)−2−アミノ−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミド、
7)N−[3−((4aR*,6S*,8aS*)−2−アミノ−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
8)N−[3−((4aR*,6S*,8aS*)−2−アミノ−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−トリフルオロメチルピリジン−2−カルボキサミド、
9)N−[3−((4aR*,6S*,8aS*)−2−アミノ−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
10)N−[3−((4aR*,6S*,8aS*)−2−アミノ−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−フルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
11)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
12)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボキサミド、
13)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミド、
14)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−フルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
15)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
16)N−[3−((4aS,5S,8aS)−2−アミノ−5−フルオロ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
17)N−[3−((4aS,5S,8aS)−2−アミノ−5−フルオロ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボキサミド、
18)N−[3−((4aS,5S,8aS)−2−アミノ−5−フルオロ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミド、
19)N−[3−((4aS,5S,8aS)−2−アミノ−5−フルオロ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−トリフルオロメチルピリジン−2−カルボキサミド、
20)N−[3−((4aS,5S,8aS)−2−アミノ−5−フルオロ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメトキシピリジン−2−カルボキサミド、
21)N−[3−((4aS,5S,8aS)−2−アミノ−5−フルオロ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−フルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
22)N−[3−((4aS,5S,8aS)−2−アミノ−5−フルオロ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
23)N−[3−((4aR*,5S*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミド、
24)N−[3−((4aR*,5S*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
25)N−[3−((4aR*,5S*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
26)N−[3−((4aR*,5R*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミド、
27)N−[3−((4aR*,5R*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
28)N−[3−((4aR*,5R*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
29)N−[3−((4aR*,5R*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボキサミド、
30)N−[3−((4aS*,5R*,8aS*)−2−アミノ−5−メトキシ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
31)N−[3−((2R*,4aR*,8aS*)−2−アミノ−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
32)N−[3−((2R*,4aR*,8aS*)−2−アミノ−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボキサミド、
33)N−[3−((4aR,6R,8aS)−2−アミノ−6−ヒドロキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミド、
34)N−[3−((4aR,6R,8aS)−2−アミノ−6−ヒドロキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
35)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
36)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
37)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−フルオロピリジン−2−カルボキサミド、
38)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−ピリジン−2−カルボキサミド、
39)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−フルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
40)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−ピリミジン−4−カルボキサミド、
41)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−3,5−ジフルオロピリジン−2−カルボキサミド、
42)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメトキシピリジン−2−カルボキサミド、
43)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボキサミド、
44)N−[3−((4aR,6R,8aS)−2−アミノ−6−フルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
45)N−[3−((4aR,6R,8aS)−2−アミノ−6−フルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミド、
46)N−[3−((4aR,6R,8aS)−2−アミノ−6−フルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−トリフルオロメチルピリジン−2−カルボキサミド、
47)N−[3−((4aR,6R,8aS)−2−アミノ−6−フルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−フルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
48)N−[3−((4aR,6R,8aS)−2−アミノ−6−フルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボキサミド、
49)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミド、
50)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ブロモピリジン−2−カルボキサミド、
51)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−3,5−ジフルオロピリジン−2−カルボキサミド、
52)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−3,5−ジクロロピリジン−2−カルボキサミド、
53)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−フルオロピリジン−2−カルボキサミド、
54)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−3,5−ジブロモピリジン−2−カルボキサミド、
55)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−トリフルオロメチルピリジン−2−カルボキサミド、
56)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメチルピリジン−2−カルボキサミド、
57)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボキサミド、
58)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメトキシピリジン−2−カルボキサミド、
59)(±)−(4aR*,6R*,8aS*)−8a−[2−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミン、
60)(4aR、6R,8aS)−8a−[2−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−6−フルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミン、
61)(±)−(4aR*,8aS*)−8a−[2−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミン、
62)(±)−(4aR*,8aS*)−8a−(2−フルオロ−5−ピリミジン−5−イルフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミン、
63)(±)−(4aR*,8aS*)−8a−[5−(5−クロロピリジン−3−イル)−2−フルオロフェニル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミン、
64)N−[5−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)チオフェン−3−イル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
65)(±)−(4aR*,8aR*)−8a−[4−(2−フルオロピリジン−3−イル)−チオフェン−2−イル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミン、
66)(4aR、6R,8aS)−8a−[2−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−6−ベンジルオキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミン、
67)(±)−N−[7−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−2,2−ジフルオロベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
68)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−(2−メトキシエトキシ)−ピラジン−2−カルボキサミド、
69)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−2−メチルチアゾール−4−カルボキサミド、
70)N−[3−((4aR*,5R*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−2,5−ジメチルフラン−3−カルボキサミド、
71)N−[3−((4aR*,5R*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−4−メチル−[1,2,3]チアジアゾール−5−カルボキサミド、
72)N−[3−((4aR*,5R*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−3−ピペリジン−1−イルプロピオンアミド、及び
73)N−[3−((4aR*,5R*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−2−メチルオキサゾール−4−カルボキサミド;
[11] 上記[1]から[10]の何れかに記載の化合物若しくはその医薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬組成物;
[12] アミロイドβタンパク質産生を抑制するための上記[11]に記載の医薬組成物;
[13] ベータサイトアミロイドβ前駆体タンパク質開裂酵素1(BACE1)を阻害するための上記[11]に記載の医薬組成物;
[14] 神経変性疾患治療のための上記[11]から[13]のいずれかに記載の医薬組成物;
[15] 神経変性疾患がアルツハイマー型認知症又はダウン症である上記[14]に記載の医薬組成物、
に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、一般式
【化6】
[式中、環AはC6−14アリール基などであり、Lは−NRCO−(Rは水素原子など)などであり、環Bは、C6−14アリール基などであり、XはC1−3アルキレン基などであり、YはC1−3アルキレン基などであり、Zは酸素原子などであり、R及びRは各々独立して水素原子などであり、R、R、R及びRは独立して水素原子、ハロゲン原子などである]で示される化合物若しくはその医薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物を提供することができる。本発明の化合物は、Aβ産生抑制作用又はBACE1阻害作用を有し、Aβに起因する、アルツハイマー型認知症に代表される神経変性疾患の治療剤として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本願明細書において記載する記号、用語等の意義を説明し、本発明を詳細に説明する。
【0009】
本願明細書中においては、化合物の構造式が便宜上一定の異性体を表すことがあるが、本発明には化合物の構造上生ずる総ての幾何異性体、不斉炭素に基づく光学異性体、立体異性体、互変異性体等の異性体及び異性体混合物を含み、便宜上の式の記載に限定されるものではなく、いずれか一方の異性体でも混合物でもよい。したがって、分子内に不斉炭素原子を有し光学活性体及びラセミ体が存在することがあり得るが、本発明においてはそれらに限定されず、いずれもが含まれる。さらに結晶多形が存在することもあるが同様に限定されず、いずれかの単一結晶形またはそれらの混合物であってもよく、無水物以外に水和物であってもよく、いずれも本願明細書の特許請求の範囲に含まれる。
【0010】
本明細書において、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を示し、好ましくはフッ素原子、塩素原子である。
【0011】
「C1−6アルキル基」とは、炭素数が1乃至6個のアルキル基を示し、好ましい基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、1−メチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、1−メチル−2−エチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基等の直鎖又は分枝状アルキル基が挙げられ、より好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基が挙げられる。
【0012】
「C2−6アルケニル基」とは、炭素数が2乃至6個のアルケニル基を示し、好ましい基としては、例えばビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテン−1−イル基、1−ブテン−2−イル基、1−ブテン−3−イル基、2−ブテン−1−イル基、2−ブテン−2−イル基等の直鎖状又は分枝鎖状のアルケニル基が挙げられる。
【0013】
「C2−6アルキニル基」とは、炭素数が2乃至6個のアルキニル基を示し、好ましい基としては、例えばエチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等の直鎖状又は分子鎖状のアルキニル基が挙げられる。
【0014】
「C1−6アルコキシ基」とは、炭素数1乃至6個のアルキル基において、一つの水素原子が酸素原子に置換された基を示し、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキシ基、イソペントキシ基、sec−ペントキシ基、t−ペントキシ基、n−ヘキソキシ基、イソヘキソキシ基、1,2−ジメチルプロポキシ基、2−エチルプロポキシ基、1−メチル−2−エチルプロポキシ基、1−エチル−2−メチルプロポキシ基、1,1,2−トリメチルプロポキシ基、1,1−ジメチルブトキシ基、2,2−ジメチルブトキシ基、2−エチルブトキシ基、1,3−ジメチルブトキシ基、2−メチルペントキシ基、3−メチルペントキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
【0015】
「C1−6アルキルチオ基」とは、炭素数1乃至6個のアルキル基において、1つの水素原子が硫黄原子に置換された基を示し、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、1−メチルプロピルチオ基等が挙げられる。
【0016】
「C1−6アルキルスルホニル基」とは、炭素数1乃至6個のアルキル基において、1つの水素原子がスルホニル基に置換された基を示し、例えばメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n−プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、t−ブチルスルホニル基、n−ペンチルスルホニル基、イソペンチルスルホニル基、ネオペンチルスルホニル基、n−ヘキシルスルホニル基、1−メチルプロピルスルホニル基等が挙げられる。
【0017】
「C1−6アルキルカルボニル基」とは、炭素数1乃至6個のアルキル基において一つの水素原子がカルボニル基で置換された基を示し、好ましくは、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基などが挙げられる。
【0018】
「C6−14アリール基」とは、炭素数6乃至14個の芳香族炭化水素環基を示し、例えばフェニル基、ナフチル基、アンスリル基等が挙げられ、なかでもフェニル基が好ましい。
【0019】
「C7−12アラルキル基」とは、フェニル基、ナフチル基等の芳香環にC1−6アルキル基が置換した炭素数7乃至12個の基を示し、例えばベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基等が挙げられ、なかでもベンジル基が好ましい。
【0020】
「C6−14アリールオキシカルボニル基」とは、炭素数6乃至14個の芳香環フェノールにカルボニルが結合した基で、好ましくはフェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、アンスリルオキシカルボニル基等が挙げられ、より好ましくはフェニルオキシカルボニル基である。
【0021】
「C6−14アリールカルボニル基」とは、炭素数6乃至14個の芳香環にカルボニル基が結合したもので、好ましくはベンゾイル基、ナフトイル基等が挙げられ、より好ましくはベンゾイル基である。
【0022】
「C6−14アリールスルホニル基」とは、炭素数6乃至14個の芳香環にスルホニル基が結合したもので、好ましくはベンゼンスルホニル基、ナフチルスルホニル基等が挙げられ、より好ましくはベンゼンスルホニル基である。
【0023】
「C3−8シクロアルキル基」とは、炭素数3乃至8個の環状アルキル基を示し、当該基における好ましい基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
【0024】
「C3−8シクロアルコキシ基」とは、炭素数3乃至8個の環状アルキル基において、一つの水素原子が酸素原子に置換された基を示し、例えばシクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペントキシ基、シクロヘキソキシ基、シクロヘプチロキシ基、シクロオクチロキシ基等が挙げられる。
【0025】
「C3−8シクロアルキルチオ基」とは、炭素数3乃至8個の環状アルキル基において、一つの水素原子が硫黄原子に置換された基を示し、例えばシクロプロピルチオ基、シクロブチルチオ基、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基、シクロヘプチルチオ基、シクロオクチルチオ基等が挙げられる。
【0026】
「5−10員複素環基」とは、総員数5乃至10員複素原子含有環状基を示し、好ましくは、例えばピペリジニル基、ピロリジニル基、アゼピニル基、アゾカニル基、ピペラジニル基、1,4−ジアゼパニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアゾリル基、トリアジニル基、テトラゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、イソチアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、フリル基、チエニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾフリル基、ベンゾピラニル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、インドリニル基、イソインドリニル基、クロマニル基、イソクロマニル基、1,3−ジオキサインダニル基、1,4−ジオキサテトラリニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基等が挙げられる。
【0027】
「5−6員ヘテロアリール基」とは、前記「5−10員複素環基」のうち、総員数5ないし6員複素原子含有芳香族環状基を示し、例えば、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアゾリル基、トリアジニル基、テトラゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、イソチアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、フリル基、チエニル基等が挙げられる。
【0028】
「9−10員ベンゾ縮合複素環基」とは、前記「5−10員複素環基」のうち、ベンゼン環に縮合した総員数9ないし10員複素原子含有環状基を示し、好ましくは、例えばインドリニル基、イソインドリニル基、クロマニル基、イソクロマニル基、1,3−ジオキサインダニル基、1,4−ジオキサテトラリニル基等が挙げられる。
【0029】
「3−10員炭素環基」とは、総員数3乃至10員炭素環状基を示し、好ましくは、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、スピロ[3.4]オクタニル基、デカンニル基、インダニル基、1−アセナフテニル基、シクロペンタシクロオクテニル基、ベンゾシクロオクテニル基、インデニル基、テトラヒドロナフチル基、6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテニル基、1,4−ジヒドロナフタレニル基などが挙げられる。
【0030】
「C1−6アルキレン基」とは前記定義「C1−6アルキル基」からさらに任意の水素原子を1個除いて誘導される二価の基を意味し、例えばメチレン基、1,2−エチレン基、1,1−エチレン基、1,3−プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられる。
【0031】
「C2−6アルケニレン基」とは前記定義「C2−6アルケニル基」からさらに任意の水素原子を1個除いて誘導される二価の基を意味し、例えば1,2−ビニレン基(エテニレン基)、プロペニレン基、ブテニレン基、ペンテニレン基、ヘキセニレン基等が挙げられる。
【0032】
「C2−6アルキニレン基」とは前記定義の「C2−6アルキニル基」からさらに任意の水素原子を1個除いて誘導される二価の基を意味し、例えばエチニレン基、プロピニレン基、ブチニレン基、ペンチニレン基、ヘキシニレン基等が挙げられる。
【0033】
「C1−3アルキレン基」とは、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等を挙げることができる。
【0034】
「C2−3アルキニレン基」とは、エチニレン基、プロピレニン基を挙げることができる。
【0035】
「スルホニルアミノ基(該スルホニルアミノ基はC1−6アルキル基で置換されていてもよい)」における、C1−6アルキル基で置換されていてもよいスルホニルアミノ基としては、例えば、メチルスルホニルメチルアミノ基、エチルスルホニルメチルアミノ基、エチルスルホニルエチルアミノ基等を挙げることができる。
【0036】
「置換基群α」とは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、C1−6アルキルチオ基、C6−14アリール基、C6−14アリールオキシカルボニル基、C6−14アリールカルボニル基、シアノ基、C3−8シクロアルコキシ基、C3−8シクロアルキル基、C3−8シクロアルキルチオ基及びスルホニルアミノ基(該スルホニルアミノ基は1乃至2個のC1−6アルキル基で置換されていてもよい)、置換基群βから選択される1乃至2個の置換基を有してもよいC2−6アルケニル基、置換基群βから選択される1乃至2個の置換基を有してもよいC2−6アルキニル基、1乃至2個のC1−6アルキル基で置換されてもよいカルバモイル基、置換基群βから選択される1乃至3個の置換基を有してもよいC1−6アルコキシ基、置換基群βから選択される1乃至3個の置換基を有してもよいC1−6アルキル基及び置換基群βから選択される1乃至3個の置換基を有してもよい5−10員複素環基を意味する。
【0037】
「置換基群β」とは、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基及びC1−6アルコキシ基(該アルコキシ基は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基及びニトロ基から選択される1乃至3個の置換で置換されていてもよいフェニル基で置換されていてもよい)を意味する。
【0038】
本発明の式(I)の縮合アミノジヒドロチアジン誘導体は、医薬上許容される塩でもよい。医薬上許容される塩としては、具体的には、例えば無機酸塩(例えば硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩など)、有機カルボン酸塩(例えば酢酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩など)、有機スルホン酸塩(例えばメタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩など)、アミノ酸塩(例えばアスパラギン酸塩、グルタミン酸塩など)、四級アミン塩、アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(例えばマグネシウム塩、カルシウム塩など)などが挙げられる。
【0039】
本発明の式(I)の縮合アミノジヒドロチアジン誘導体又は医薬上許容される塩は、それらの溶媒和物であってもよく、溶媒和物としては、例えば、水和物などが挙げられる。
また、化合物(I)は特定の異性体に限定するものではなく、全ての可能な異性体(ケト−エノール異性体、イミン−エナミン異性体、ジアステレオ異性体、光学異性体および回転異性体等)やラセミ体を含むものである。例えばRが水素である化合物(I)は以下のような互変異性体を包含する。
【化7】
【0040】
本発明の式(I)の縮合アミノジヒドロチアジン誘導体としては、式(I)において、Xが置換基群αから選択される1乃至2個の置換基を有していてもよいメチレン基である化合物が好ましい。
また、本発明の式(I)の縮合アミノジヒドロチアジン誘導体としては、式(I)において、Zが酸素原子であり、Yが置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−3アルキレン基である化合物;Zが硫黄原子またはスルホンであり、Yが置換基群αから選択される置換基を有していてもよいC1−3アルキレン基である化合物が好ましい。
また、また、本発明の式(I)の縮合アミノジヒドロチアジン誘導体としては、式(I)において、Lが式−NRCO−(Rは水素原子又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基である。)である化合物が好ましい。
【0041】
本発明において好ましい化合物としては、以下の化合物が挙げられる。
1)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
2)N−[3−((8S*,8aR*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−フルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
3)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ―4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7―オキサ―3―チア―1―アザナフタレン―8a―イル)―4―フルオロフェニル]―5―ジフルオロメトキシピラジン―2―カルボキサミド、
4)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−トリフルオロメトキシフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
5)N−[3−((8S*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−トリフルオロメトキシフェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミド、
6)N−[3−((4aR*,6S*,8aS*)−2−アミノ−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミド、
7)N−[3−((4aR*,6S*,8aS*)−2−アミノ−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
8)N−[3−((4aR*,6S*,8aS*)−2−アミノ−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−トリフルオロメチルピリジン−2−カルボキサミド、
9)N−[3−((4aR*,6S*,8aS*)−2−アミノ−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
10)N−[3−((4aR*,6S*,8aS*)−2−アミノ−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−フルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
11)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
12)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボキサミド、
13)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミド、
14)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−フルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
15)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
16)N−[3−((4aS,5S,8aS)−2−アミノ−5−フルオロ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
17)N−[3−((4aS,5S,8aS)−2−アミノ−5−フルオロ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボキサミド、
18)N−[3−((4aS,5S,8aS)−2−アミノ−5−フルオロ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミド、
19)N−[3−((4aS,5S,8aS)−2−アミノ−5−フルオロ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−トリフルオロメチルピリジン−2−カルボキサミド、
20)N−[3−((4aS,5S,8aS)−2−アミノ−5−フルオロ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメトキシピリジン−2−カルボキサミド、
21)N−[3−((4aS,5S,8aS)−2−アミノ−5−フルオロ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−フルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
22)N−[3−((4aS,5S,8aS)−2−アミノ−5−フルオロ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
23)N−[3−((4aR*,5S*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミド、
24)N−[3−((4aR*,5S*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
25)N−[3−((4aR*,5S*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
26)N−[3−((4aR*,5R*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミド、
27)N−[3−((4aR*,5R*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
28)N−[3−((4aR*,5R*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
29)N−[3−((4aR*,5R*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボキサミド、
30)N−[3−((4aS*,5R*,8aS*)−2−アミノ−5−メトキシ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
31)N−[3−((2R*,4aR*,8aS*)−2−アミノ−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
32)N−[3−((2R*,4aR*,8aS*)−2−アミノ−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボキサミド、
33)N−[3−((4aR,6R,8aS)−2−アミノ−6−ヒドロキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミド、
34)N−[3−((4aR,6R,8aS)−2−アミノ−6−ヒドロキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
35)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
36)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
37)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−フルオロピリジン−2−カルボキサミド、
38)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−ピリジン−2−カルボキサミド、
39)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−フルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
40)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−ピリミジン−4−カルボキサミド、
41)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−3,5−ジフルオロピリジン−2−カルボキサミド、
42)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメトキシピリジン−2−カルボキサミド、
43)N−[3−((4aR*,6R*,8aS*)−2−アミノ−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボキサミド、
44)N−[3−((4aR,6R,8aS)−2−アミノ−6−フルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
45)N−[3−((4aR,6R,8aS)−2−アミノ−6−フルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミド、
46)N−[3−((4aR,6R,8aS)−2−アミノ−6−フルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−トリフルオロメチルピリジン−2−カルボキサミド、
47)N−[3−((4aR,6R,8aS)−2−アミノ−6−フルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−フルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミド、
48)N−[3−((4aR,6R,8aS)−2−アミノ−6−フルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボキサミド、
49)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミド、
50)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ブロモピリジン−2−カルボキサミド、
51)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−3,5−ジフルオロピリジン−2−カルボキサミド、
52)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−3,5−ジクロロピリジン−2−カルボキサミド、
53)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−フルオロピリジン−2−カルボキサミド、
54)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−3,5−ジブロモピリジン−2−カルボキサミド、
55)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−トリフルオロメチルピリジン−2−カルボキサミド、
56)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメチルピリジン−2−カルボキサミド、
57)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボキサミド、
58)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメトキシピリジン−2−カルボキサミド、
59)(±)−(4aR*,6R*,8aS*)−8a−[2−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミン、
60)(4aR、6R,8aS)−8a−[2−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−6−フルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミン、
61)(±)−(4aR*,8aS*)−8a−[2−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミン、
62)(±)−(4aR*,8aS*)−8a−(2−フルオロ−5−ピリミジン−5−イルフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミン、
63)(±)−(4aR*,8aS*)−8a−[5−(5−クロロピリジン−3−イル)−2−フルオロフェニル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミン、
64)N−[5−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)チオフェン−3−イル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
65)(±)−(4aR*,8aR*)−8a−[4−(2−フルオロピリジン−3−イル)−チオフェン−2−イル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミン、
66)(4aR、6R,8aS)−8a−[2−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−6−ベンジルオキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミン、
67)(±)−N−[7−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−2,2−ジフルオロベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
68)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−(2−メトキシエトキシ)−ピラジン−2−カルボキサミド、
69)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−2−メチルチアゾール−4−カルボキサミド、
70)N−[3−((4aR*,5R*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−2,5−ジメチルフラン−3−カルボキサミド、
71)N−[3−((4aR*,5R*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−4−メチル−[1,2,3]チアジアゾール−5−カルボキサミド、
72)N−[3−((4aR*,5R*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−3−ピペリジン−1−イルプロピオンアミド、及び
73)N−[3−((4aR*,5R*,8aS*)−2−アミノ−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−2−メチルオキサゾール−4−カルボキサミド。
【0042】
次に、本発明の式(I)の化合物[以下、化合物(I)という、他式で表される化合物についても同様に表記する]又はその医薬上許容される塩の製造法について説明する。
【0043】
本発明の式(I)の化合物を製造する際に用いる原料化合物における「脱離基」とは、求核置換反応に利用される脱離基であればいずれでもよく、好ましくは、例えばハロゲン原子、上記の置換基群αで置換されてもよいC1−6アルキルスルホニルオキシ基、上記の置換基群αで置換されてもよいアリールスルホニルオキシ基等が挙げられ、具体的には、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基等が挙げられる。
【0044】
1.一般的製造法1
【化8】
[式中、Rは、メチル基、エチル基等のC1−6アルキル基またはベンジル基等のC7−12アラルキル基等を示し、LVは、脱離基であり、例えばハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、例えばメタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等のスルホニルオキシ基等を示し、環A、R、R、R、R、R、R、YおよびZは前記と同じ意味を示す。]
【0045】
一般的製造法1は、化合物(1−1)を原料として[工程1−1]から[工程1−6]の多段階の工程を経由する本発明にかかる化合物(I)の合成中間体である化合物(1−7)を製造する方法である。
化合物(1−1)は、市販品をそのまま用いることもでき、市販品から当業者に公知の方法で製造することもでき、更に実施例中の製造例の記載の方法を用いて製造することもできる。
【0046】
1−1.工程1−1
本工程は、化合物(1−1)のトリフルオロメタンスルホニル化により化合物(1−2)を得る工程である。
本工程における反応は、カルボニル化合物のトリフルオロメタンスルホニル化反応に通常用いられている条件(例えば、J.Org.Chem.,57,6972−6975(1992)、Tetrahedron Letters.,40,8133−8136(1999),Tetrahedron.,61,4129−4140(2005)等に記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。
具体的には、例えば化合物(1−1)に塩基を作用させた後、N−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド或いはトリフルオロメタンスルホン酸無水物と反応させ化合物(1−2)を得ることができる。本反応は、例えばエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン等の有機溶媒中で(1−1)に対して1当量以上の塩基を作用させて反応を行うことができる。使用する塩基としては、例えば水素化ナトリウム、LDA(リチウムジイソプロピルアミド)、リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、2,6−ルチジン等があげられる。反応時間は、特に限定されないが、通常、5分から24時間であり、好ましくは5分から12時間である。反応温度は、通常、−100℃〜室温であり、より好ましくは−78℃〜室温である。
【0047】
1−2.工程1−2
本工程は、化合物(1−2)の遷移金属を用いたカップリング反応により化合物(1−3)を得る工程である。
本反応は、遷移金属を用いたカップリング反応(例えば、鈴木カップリング反応、スティルカップリング反応(Stilleカップリング反応)等)に通常用いられている条件で反応を行うことができる。
例えば有機金属化合物として有機ホウ素試薬を用いる反応として、Tetrahedron:Asymmetry 16(2005)2,529−539,Org.Lett.6)2004)2,277−279等の文献を、有機スズ試薬を用いる反応として、Tetrahedron 61(2005)16,4129−4140等の文献を、有機金属化合物として有機亜鉛試薬を用いる反応として、Tetrahedron 61(2005)16,4129−4140等の文献を挙げることができる。本反応に用いられる有機金属触媒としては特に限定されないが、好ましくは、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、[1,1´−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド、ビス(tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)等をあげることができる。有機金属触媒の使用量は、原料に対して約0.001〜0.1当量である。有機金属化合物としては特に限定されないが、好ましくは、例えばアリール トリn−ブチルスズ等の有機スズ試薬、アリールボロン酸等の有機ホウ素試薬等をあげることができる。有機金属化合物の使用量は、原料に対して1〜5当量である。本反応に用いられる溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、プロピオニトリル等をあげることができる。反応温度は特に限定されないが、通常、氷冷〜溶媒の還流温度であり、好ましくは、例えば室温〜溶媒の還流温度である。反応時間は、特に限定されないが、通常、0.5〜48時間であり、好ましくは0.5〜24時間である。
さらに本反応を塩基の共存下に行うことで収率向上等のより好ましい結果を得ることがある。かかる塩基としては特に限定はされないが、好ましくは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、或いはそれらの水溶液、およびトリエチルアミン等の塩基があげられる。
【0048】
1−3.工程1−3
本工程は、エステル化合物(1−3)を還元反応に付し、アルコール化合物(1−4)を得る工程である。当業者に公知の方法によりエステル化合物(1−3)からアルコール化合物(1−4)を得ることができる。
反応に使用される還元剤としては、例えば水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ジイソブチルアルミニウム等が挙げられる。反応温度は特に限定されないが、通常、−78℃〜溶媒の還流温度であり、好ましくは−78℃〜室温である。反応に使用される溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、好適には、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トルエン、ジクロロメタン等があげられる。
【0049】
1−4.工程1−4
本工程は、化合物(1−4)の水酸基を脱離基に変換し、化合物(1−5)を得る工程である。
脱離基としては、例えばハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、例えばメタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等のスルホニルオキシ基をあげることができる。
水酸基をこれらの脱離基に変換する反応に通常用いられる条件と同様の条件で反応を行うことができる。例えば脱離基がハロゲン原子の場合には、化合物(1−4)を、例えば塩化チオニル、臭化チオニル、三臭化リンまたテトラハロゲノメタン−トリフェニルホスフィンと反応させることにより製造することができる。反応に使用する溶媒としては、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム等があげられる。反応温度は、通常、−78℃〜溶媒の還流温度であり、好ましくは氷冷〜溶媒の還流温度である。反応時間は、特に限定されないが、通常、5分〜48時間であり、好ましくは5分〜12時間である。
また、脱離基がスルホニルオキシ基の場合には、化合物(1−4)を、例えば塩化メタンスルホニル、塩化p−トルエンスルホニル、無水トリフルオロメタンスルホン酸等と反応させて、製造することができる。
反応に使用する溶媒としては、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えばテトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド等があげられる。反応温度は、通常、−78℃〜溶媒の還流温度であり、好ましくは−78℃〜室温である。さらに塩基の添加により収率向上等の良好な結果を得ることがある。用いる塩基は反応を阻害しない限りにおいて特に限定されないが、好ましくは、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン等があげられる。
【0050】
1−5.工程1−5
本工程は、化合物(1−5)から化合物(1−6)を得る工程である。当業者に公知の方法により化合物(1−5)からチオウレア化合物(1−6)を得ることができる。
具体的には,例えば(1−5)とチオウレアを溶媒中で反応させ化合物(1−6)を得ることができる。本反応は、例えばエタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド等の有機溶媒中で(1−5)に対して1当量以上のチオウレアを作用させて反応を行うことができる。反応時間は、特に限定されないが、通常、5分から24時間であり、好ましくは5分から12時間である。反応温度は、通常、0℃〜150℃であり、より好ましくは室温〜100℃である。
【0051】
1−6.工程1−6
本工程は、化合物(1−6)を酸により閉環し、化合物(1−7)を得る方法である。
本反応は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン等の溶媒の存在下または非存在下に適当な酸を1当量〜大過剰作用させて行うことができる。さらに酸を溶媒として用いることもできる。使用する酸としては、例えば硫酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸またはそれらの混合物等があげられる。反応時間は、特に限定されないが、通常、1から72時間であり、好ましくは1から48時間である。反応温度は、通常、氷冷〜溶媒の還流温度である。
上記の反応を行うことにより、R、Rが共に水素原子である、化合物(1−7)を得ることができる。
、Rが共に水素原子である、化合物(1−7)を、更に、C1−6アルキルハライド、C1−6アルキルカルボニルハライド、C6−14アリールカルボニルハライド、C1−6アルキルスルホニルハライド、C6−14アリールスルホニルハライド、3−10員炭素環ハライド、5−10員複素環ハライドなどの対応するハロゲン化化合物などと反応させることにより、R及びRの少なくとも一つが置換基で置換した化合物(1−7)に変換することができる。
【0052】
2.一般的製造法2
【化9】
[式中、環A、R、R、R、R、YおよびZは前記と同じ意味を示す。]
【0053】
一般的製造法2は、化合物(2−1)を原料として[工程2−1]から[工程2−3]の多段階の工程を経由する本発明にかかる化合物(I)の合成中間体である一般式(1−4)の化合物を製造する方法である。
化合物(2−1)は、市販品をそのまま用いることもでき、市販品から当業者に公知の方法で製造することもでき、更に実施例中の製造例の記載の方法を用いて製造することもできる。
【0054】
2−1.工程2−1
本工程は、化合物(2−1)より化合物(2−2)を得る工程である。本反応は、カルボニル化合物から(2−2)を合成する反応に通常用いられている条件(例えば、J.Org.Chem.,47,3597−3607(1982)等に記載の条件)と同様の条件で反応を行うことができる。
【0055】
2−2.工程2−2
本工程は、原料として化合物(2−2)を用い、前記製造方法(工程1−2)に記載の方法を用いることにより、化合物(2−3)を合成する工程である。
【0056】
2−3.工程2−3
本工程は、アルデヒド化合物(2−3)を還元反応に付し、アルコール化合物(1−4)を得る工程である。
当業者に公知の方法によりアルデヒド化合物(2−3)からアルコール化合物(1−4)を得ることができる。反応に使用される還元剤としては、例えば水素化ホウ素ナトリウム、シアン化水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。反応温度は特に限定されないが、通常、−78℃〜溶媒の還流温度であり、好ましくは−20℃〜室温である。反応に使用される溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、好適には、例えば、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、エーテル、トルエン、ジクロロメタン等があげられる。
【0057】
3.一般的製造法3
【化10】
[式中、Lは単結合またはC1−6アルキル基を示し、環A、R、R、R、R、R、R、X、Y、Zおよび環Bは前記と同じ意味を示す。]
【0058】
一般的製造法3は、化合物(3−1)を原料として[工程3−1]から[工程3−4]の多段階の工程を経由する本発明にかかる一般式(I)において、Lが−NHCO−C1−6アルキル基、R及びRが水素原子である化合物を製造する方法である。
【0059】
化合物(3−1)は、市販品から前記一般的製造法1、一般的製造法2、一般的製造法4或いはこの3つを組み合わせることで製造することができ、更に実施例中の製造例の記載の方法を用いて製造することもできる。また、化合物(3−4)および(3−5)は、市販品をそのまま用いることもでき、市販品から当業者に公知の方法で製造することもでき、更に実施例中の製造例の記載の方法を用いて製造することもできる。
【0060】
3−1.工程3−1
本工程は、R、Rが共に水素である、化合物(3−1)のアミノ基をt−ブトキシカルボニル化させることにより化合物(3−2)を得る工程である。
アミノ化合物のt−ブトキシカルボニル化に一般に用いられる条件、例えばT.W.Green and P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Chemistry,Second Edition”,John Wiley&Sons(1991),P.327−330等の文献記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。例えばテトラヒドロフラン等の溶媒中でトリエチルアミンを塩基として化合物(3−1)とジ−tert−ブチル ジカーボネートを反応させることで化合物(3−2)を得ることができる。
【0061】
3−2.工程3−2
本工程は、化合物(3−2)から化合物(3−3)を得る工程である。
化合物(3−2)のニトロ化合物を還元して化合物(3−3)を合成する方法は、当業者に公知の合成法であり、例えばラネーニッケル、パラジウム、ルテニウム、ロジウムまたは白金等の貴金属触媒を使用する接触水素化による還元が挙げられる。この場合に好ましいのは、例えば、塩化アンモニウムを用いる中性条件下での鉄による還元反応等が挙げられる。
【0062】
3−3.工程3−3
本工程は、化合物(3−3)と化合物(3−4)とを縮合剤を用いて縮合させることにより化合物(3−6)を得る工程である。或いは、アシル化反応により、化合物(3−3)と化合物(3−5)を縮合させることにより化合物(3−6)を得る工程である。
縮合剤を用いた化合物(3−3)と化合物(3−4)との縮合反応は、以下の文献に記載された通常用いられている条件と同様の条件で行うことができる。公知の方法として、例えばRosowsky,A.;Forsch,R.A.;Moran,R.G.;Freisheim,J.H.;J.Med.Chem.,34(1),227−234(1991),Brzostwska,M.;Brossi,A.;Flippen−Anderson,J.L.;Heterocycles,32(10),1969−1972(1991),Romero,D.L.;Morge,R.A.;Biles,C.;Berrios−Pena,N.;May,P.D.;Palmer,J.R.;Johnson,P.D.;Smith,H.W.;Busso,M.;Tan,C.−K.;Voorman,R.L.;Reusser,F.;Althaus,I.W.;Downey,K.M.;So,A.G.;Resnick,L.;Tarpley,W.G.,Aristoff,P.A.;J.Med.Chem.,37(7),999−1014(1994)等が挙げられる。
化合物(3−3)はフリー体であっても塩であってもよい。
【0063】
本反応の溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に限定されないが、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、キシレン等があげられる。縮合剤としては、CDI(N,N’−カルボニルジイミダゾール)、Bop(1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ(トリ(ジメチルアミノ))ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェ−ト)、WSC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩)、DCC(N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド)、ジエチルホスホリルシアニド、PyBOP(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート)、EDC・HCl(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)等が挙げられる。化合物(3−4)は化合物(3−3)に対して1当量から大過剰用いる。また必要に応じて1当量から大過剰の有機塩基、例えばトリエチルアミン等を加えてもよい。
反応時間は、特に限定されないが、通常、0.5から48時間であり、好ましくは0.5から24時間である。反応温度は、使用する原料、溶媒等により異なり特に限定されないが、好ましくは氷冷〜溶媒の還流温度である。
【0064】
3−4.工程3−4
本工程は、化合物(3−6)のt−ブトキシカルボニル基の脱保護反応により化合物(I−a)を得る工程である。
t−ブトキシカルボニル基の脱保護反応に一般に用いられる条件、例えばT.W.Green and P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Chemistry,Second Edition”,John Wiley&Sons(1991),P.327−330等の文献記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。例えばジクロロメタン等の溶媒中でトリフルオロ酢酸と化合物(3−6)を反応させることで化合物(I−a)を得ることができる。
【0065】
一般的製造法3において得られる化合物(I−a)を、更に、C1−6アルキルハライドなどの対応するハロゲン化化合物などと反応させることにより、式(I)において、R及びRの少なくとも一つが置換基群αから1乃至3個の選択される置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキルカルボニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリールカルボニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキルスルホニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリールスルホニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC3−8炭化水素環基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい5−10員複素環基である本発明の化合物を得ることができる。また、一般的製造法3において得られる化合物(I−a)を、更に、C1−6アルキルハライドなどの対応するハロゲン化化合物などと反応させることにより、式(I)において、Lが式−NRCO−(Rは置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基である。)である本発明の化合物を得ることができる。
一般的製造法3において用いられる化合物(3−4)または(3−5)に代えて、対応するスルホニル化合物又はハロゲン化スルホニル化合物を用いて、式(I)において、Lが−NRLSO−(Rは水素原子である。)である本発明の化合物を得ることができる。この化合物に、更に、C1−6アルキルハライドなどの対応するハロゲン化化合物などと反応させることにより、式(I)において、Lが式−NRSO−(Rは置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基である。)である本発明の化合物を得ることができる。
【0066】
一般的製造法3[工程3−3]において、以下の別法(1)または(2)に記載の方法で、化合物(3−3)と化合物(3−4)から化合物(3−6)を製造することもできる。
【0067】
別法(1)
化合物(3−4)を混合酸無水物とした後、該混合酸無水物と化合物(3−3)とを反応させて化合物(3−6)を得ることができる。混合酸無水物は、当業者に公知の手段により合成できるが、例えばトリエチルアミン等の塩基存在下、化合物(3−4)および例えばクロロギ酸エチル等のクロロギ酸エステル類を反応させることで行われる。クロロギ酸エステル類および塩基は、化合物(3−4)に対して1当量から2当量用いる。反応温度は−30℃〜室温であり、好ましくは−20℃〜室温である。
混合酸無水物と化合物(3−3)を縮合させる工程は、例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中、混合酸無水物と化合物(3−3)とを反応させることにより行われる。化合物(3−3)は、混合酸無水物に対して1当量から大過剰を用いる。
反応時間は、特に限定されないが、通常、0.5から48時間であり、好ましくは0.5から12時間である。反応温度は−20℃〜50℃であり、好ましくは−20℃から室温である。
【0068】
別法(2)
化合物(3−4)を活性エステルとした後、該活性エステルと化合物(3−3)とを反応させて化合物(3−6)を得ることができる。活性エステルを得る工程は、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中、例えばDCC等の縮合剤存在下、化合物(3−4)および活性エステル合成試薬を反応させることにより行われる。活性エステル合成試薬としては、例えばN−ヒドロキシスクシンイミド等が挙げられる。活性エステル合成試薬および縮合剤は化合物(3−4)に対して1当量から1.5当量用いる。反応時間は、特に限定されないが、通常、0.5から48時間であり、好ましくは0.5から24時間である。
反応温度は−20℃〜50℃であり、好ましくは−20℃から室温である。
活性エステルと化合物(3−3)を縮合させる工程は、例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中、活性エステルと化合物(3−3)とを反応させることにより行われる。化合物(3−3)は、活性エステルに対して1当量から大過剰を用いる。反応時間は、特に限定されないが、通常、0.5から48時間であり、好ましくは0.5から24時間である。反応温度は−20℃〜50℃であり、好ましくは−20℃から室温である。
【0069】
本アシル化反応は、当業者に公知の方法により化合物(3−3)と(3−5)から化合物(3−6)を得ることができる。
反応に使用される塩基としては、例えばトリエチルアミン、ピリジン、炭酸カリウム、ジイソプロピルエチルアミン等が挙げられる。反応温度は特に限定されないが、通常、−78℃〜溶媒の還流温度であり、好ましくは−20℃〜室温である。反応に使用される溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、好適には、例えば、テトラヒドロフラン、エーテル、トルエン、ジクロロメタン等があげられる。
【0070】
4.一般的製造法4
【化11】
[式中、環A、R、R、R、R、R、R、X、YおよびZは前記と同じ意味を示す。]
【0071】
一般的製造法4は、化合物(4−1)を原料として工程4−1により、本発明にかかる化合物の合成中間体である一般式(3−1)の化合物を製造する方法である。
化合物(4−1)は、市販品から一般的製造法1、一般的製造法2、一般的製造法5或いはこれらを組み合わせることで製造することができ、更に実施例中の製造例の記載の方法を用いて製造することもできる。
【0072】
4−1.工程4−1
本工程は、化合物(4−1)のニトロ化反応により化合物(3−1)を得る工程である。本ニトロ化反応は、当業者に公知の方法により(4−1)から(3−1)を得ることができる。反応に使用されるニトロ化剤としては、例えば硝酸カリウム/濃硫酸、発煙硝酸/無水酢酸等が挙げられる。反応温度は特に限定されないが、通常、−20℃〜室温である。
【0073】
5.一般的製造法5
【化12】
[式中、Prtは、ベンゾイル基、アセチル基、9−フルオレンメチルオキシ カルボニル基(Fmoc基)等の保護基を示し、環A、R、R、R、R、YおよびZは前記と同じ意味を示す。]
【0074】
一般的製造法5は、化合物(5−1)を原料として[工程5−1]から[工程5−7]の多段階の工程を経由する本発明にかかる化合物(I)の合成中間体である化合物(1−7)を製造する方法である。
化合物(5−1)は、市販品から当業者に公知の方法で製造することもでき、更に実施例中の製造例の記載の方法を用いて製造することもできる。
【0075】
5−1.工程5−1
本工程は、化合物(5−1)のオキシム化により化合物(5−2)を得る工程である。
本工程における反応は、カルボニル化合物のオキシム化反応に通常用いられている条件、例えば、Org.Lett.9(2007)5,753−756、Tetrahedron:Asymmetry 5(1994)6,1019−1028,Tetrahedron 54(1998)22,5869−5882等に記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。
具体的には,例えば化合物(5−1)とヒドロキシルアミン或いはヒドロキシルアミン塩(たとえば、ヒドロキシルアミン塩酸塩やヒドロキシルアミン硫酸塩)を塩基存在下、或いは塩基非存在下で反応することで化合物(5−2)を得ることができる。
本反応に用いられる溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えばエタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジクロロメタン等の有機溶媒、或いは、これらの溶媒と水の混合液が挙げられる。使用する塩基としては、例えば、酢酸ナトリウム、ピリジン、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム、水酸化バリウム、2,6−ルチジン等があげられる。反応時間は、特に限定されないが、通常、5分から24時間であり、好ましくは5分から12時間である。反応温度は、通常、−20℃〜溶媒の還流温度であり、より好ましくは0℃〜溶媒の還流温度である。
【0076】
5−2.工程5−2
本工程は、化合物(5−2)をニトリルオキシド誘導体へと変換した後、同分子内のオレフィン部位と1、3−双極子付加環化反応により化合物(5−3)を得る工程である。
本工程における反応は、1、3−双極子付加環化反応に通常用いられている条件、例えば、Org.Lett.9(2007)5,753−756、Tetrahedron:Asymmetry 5(1994)6,1019−1028,Tetrahedron 54(1998)22,5869−5882等の文献に記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。オキシム体をニトリルオキシドへ変換する試薬としては、N−クロロスクシンイミドやナトリウム ハイポクロライトなどが挙げられる。本反応に用いられる溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等をあげることができる。反応温度は特に限定されないが、通常、氷冷〜溶媒の還流温度である。反応時間は、特に限定されないが、通常、0.5〜48時間であり、好ましくは0.5〜24時間である。
さらに本反応を塩基の共存下に行うことで収率向上等のより好ましい結果を得ることがある。かかる塩基としては特に限定はされないが、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、或いはそれらの水溶液、およびトリエチルアミン、ピリジン等の塩基があげられる。
【0077】
5−3.工程5−3
本工程は、アリールリチウム試薬(複素環を含む)、Grignard試薬(複素環を含む)と化合物(5−3)の付加反応により化合物(5−4)を得る工程である。
本工程における反応は、例えば、J.Am.Chem.Soc.2005、127、5376−5383、Bull.Chem.Soc.Jpn.,66、2730−2737(1993)、SYNLETT.2004,No.8,pp1409−1413等に記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。
アリールリチウム試薬(複素環を含む)、Grignard試薬(複素環を含む)は、当業者に公知の方法で調整することができる。具体的には、例えば、ハロゲン化アリール化合物に対し、市販の有機金属試薬、例えばn−、sec−、またはtert−ブチルリチウム等のアルキルリチウム試薬、臭化イソプロピルマグネシウム等のGrignard試薬または金属マグネシウムを用いるハロゲン金属交換を行って対応するアリール(複素環を含む)リチウム試薬もしくはアリール(複素環を含む)マグネシウム試薬を調製することができる。
本工程において用いる溶媒は、出発原料、使用する試薬により異なり、また反応を阻害せず出発物質をある程度溶解し反応中、常に不活性なものであれば特に限定されないが、好適には、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ベンゼン、トルエン等の有機溶媒、或いはその混合溶媒である。反応時間は、特に限定されないが、通常、0.1〜48時間であり、好ましくは0.1〜12時間である。反応温度は、出発原料、使用する試薬等により異なるが、副生成物の形成を最小限に抑えるために温度を低く、例えば、−78℃等に保つことが好ましい。
また、添加剤として、例えばTMEDA(テトラメチルエチレンジアミン),HMPA(ヘキサメチルホスホロアミド)或いはボロン トリフルオライド ジエチルエーテル コンプレックス(BF3・OEt2)等のルイス酸を添加することにより収率の向上や反応時間の短縮等に良好な結果を与えることがある。
【0078】
5−4.工程5−4
本工程は、化合物(5−4)をN−O結合の還元的開裂反応に供し、化合物(5−5)を得る工程である。
N−O結合の還元的開裂反応は、例えば、亜鉛−酢酸、水素−酸化白金等の金属触媒、水素化リチウムアルミニウム等を用いた条件で行うことができる。
亜鉛−酢酸等の亜鉛を用いる反応は、例えば、J.Org.Chem.2003、68、1207−1215、Org.Lett.7(2005)25,5741−5742等に記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。反応に用いる酸としては、酢酸、蟻酸、塩酸などがあげられる。反応に使用する溶媒としては、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えばメタノール、エタノール、1,4−ジオキサン、THF、水等があげられる。また、前記の酸を溶媒として用いることもできる。反応温度は、通常、−20℃〜溶媒の還流温度であり、好ましくは氷冷〜溶媒の還流温度である。反応時間は、特に限定されないが、通常、5分〜48時間であり、好ましくは5分〜24時間である。
水素−酸化白金等の金属触媒を用いる反応は、例えば、Tetrahedron:Asymmetry 5(1994)6,1019−1028、Tetrahedron,Vol.53,No.16,pp5752−5746,1997等に記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。例えば、メタノール等の溶媒中で酸化白金を触媒として化合物(5−4)を水素添加することで化合物(5−5)を得ることができる。
水素化リチウムアルミニウムを用いる反応は、例えば、Bull.Chem.Soc.Jpn.,66、2730−2737(1993)等に記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。例えば、エーテル等の溶媒中で化合物(5−4)を水素化リチウムアルミニウムを用いて還元することで化合物(5−5)を得ることができる。
【0079】
5−5.工程5−5
本工程は、化合物(5−5)から化合物(5−6)を得る工程であり、当業者に公知の方法により化合物(5−5)からチオウレア誘導体(5−6)を得ることができる。
保護基がベンゾイル基の場合、本工程の反応は、ジクロロメタン、トルエン等の溶媒中で化合物(5−5)とベンゾイル イソチオシアナートを反応させることで化合物(5−6)を得ることができる。本反応は、例えば、J.Org.Chem.1994、59、1912−1917等に記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。反応に使用する溶媒としては、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、メタノール、エタノール、1,4−ジオキサン、THF等があげられる。反応温度は、通常、−20℃〜溶媒の還流温度であり、好ましくは氷冷〜溶媒の還流温度である。反応時間は、特に限定されないが、通常、5分〜48時間であり、好ましくは5分〜24時間である。
保護基が9−フルオレンメチルオキシ カルボニル基(Fmoc基)の場合、本工程の反応は、ジクロロメタン、トルエン等の溶媒中で化合物(5−5)とフルオレンメチルオキシカルボニル イソチオシアナートを反応させることで化合物(5−6)を得ることができる。本反応は、例えば、J.Org.Chem.1998、63、196−200等に記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。反応に使用する溶媒としては、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、メタノール、エタノール、1,4−ジオキサン、THF等があげられる。反応温度は、通常、−20℃〜溶媒の還流温度であり、好ましくは氷冷〜溶媒の還流温度である。反応時間は、特に限定されないが、通常、5分〜48時間であり、好ましくは5分〜24時間である。
【0080】
5−6.工程5−6
本工程は、化合物(5−6)を閉環し、化合物(5−7)を得る方法である。
本反応は、化合物(5−6)の保護基を選択することにより、種々の条件で閉環し、化合物(5−7)を得ることが出来る。
例えば、保護基がFmoc基、或いはベンゾイル基の場合、本反応は、例えば、濃塩酸等の酸存在下でメタノール等の溶媒中で化合物(5−6)を加熱することにより化合物(5−7)を得ることができる。反応に使用する溶媒としては、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、水等の溶媒、これらの混合溶媒および溶媒として酸を用いること等が挙げられる。これらの溶媒存在下または非存在下に適当な酸を1当量〜大過剰作用させて反応を行うことができる。使用する酸としては、例えば濃塩酸、臭化水素酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、或いは、これらの混合物等があげられる。反応時間は、特に限定されないが、通常、0.5から72時間であり、好ましくは0.5から24時間である。反応温度は、通常、氷冷〜溶媒の還流温度である。
保護基がFmoc基、或いはベンゾイル基の場合、別法1として、ピリジン等の塩基存在下でジクロロメタン等の溶媒中で化合物(5−6)とトリフロオロメタンスルホン酸無水物を反応することにより化合物(5−7)を得ることができる。本反応は、例えば、ChemBioChem.2005、6、186−191等に記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。反応に使用する溶媒としては、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、THF、1,2−ジメトキシエタン、トルエン等の溶媒、これらの混合溶媒等が挙げられる。これらの溶媒中に1当量〜20当量の適当な塩基を用いて反応を行うことができる。使用する塩基としては、例えばピリジン、2,6−ルチジン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、或いは、これらの混合物等があげられる。反応時間は、特に限定されないが、通常、0.5から24時間であり、好ましくは0.5から12時間である。反応温度は、通常、−78℃〜室温である。保護基がベンゾイル基の場合、別法2として、ジクロロメタン等の溶媒中で化合物(5−6)とトリフェニルホスフィン、四臭化炭素(或いは臭素)とを反応することにより化合物(5−7)を得ることができる。反応条件は、当業者に公知の1級アルコールの臭素化の条件と同様の条件である。
【0081】
5−7.工程5−7
本工程は、化合物(5−7)の保護基の脱保護により、化合物(1−7)を得る方法であり、当業者に公知の脱保護の条件で(1−7)を得ることができる。
例えば、保護基がFmoc基の場合、アミン化合物の保護基の脱保護に一般に用いられる条件(例えば、T.W.Green and P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Chemistry,Third Edition”,John Wiley&Sons,p.506−507、J.Org.Chem.1998、63、196−200等の文献に記載の条件)と同様の条件で(1−7)を得ることができる。本反応は、例えば、アセトニトリル等の溶媒中で化合物(5−7)と過剰のピロリジン等のアミンを反応することにより化合物(1−7)を得ることができる。反応に使用する溶媒としては、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、THF、アセトニトリル等の溶媒が挙げられる。これらの溶媒存在下で適当な塩基を1当量〜大過剰作用させて反応を行うことができる。使用する塩基としては、例えばピペリジン、モルホリン、ピロリジン、TBAF、DBU等があげられる。反応時間は、特に限定されないが、通常、0.5から72時間であり、好ましくは0.5から24時間である。反応温度は、通常、氷冷〜溶媒の還流温度である。
また、添加剤として、例えば1−オクタンチオール等のチオール化合物を添加することにより収率の向上や反応時間の短縮等に良好な結果を与えることがある。
保護基がベンゾイル基の場合、本反応は、例えば、DBU等の塩基存在下でメタノール等の溶媒中で化合物(5−7)を加熱することにより化合物(1−7)を得ることができる。本反応は、例えば、Synth. Commun.32(2),265−272(2002)等に記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。反応に使用する溶媒としては、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール等の溶媒等が挙げられる。これらの溶媒中に1当量〜20当量の適当な塩基を用いて反応を行うことができる。使用する塩基としては、例えばDBU等があげられる。反応時間は、特に限定されないが、通常、0.5から24時間であり、好ましくは0.5から12時間である。反応温度は、通常、室温〜溶媒の還流温度である。
【0082】
一般的製造法5において得られる化合物(1−7)を、更に、C1−6アルキルハライドなどの対応するハロゲン化化合物などと反応させることにより、式(I−7)のアミノ基の少なくとも1つの水素原子が、置換基群αから1乃至3個の選択される置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキルカルボニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリールカルボニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキルスルホニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリールスルホニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC3−8炭化水素環基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい5−10員複素環基である化合物を得ることができる。
【0083】
6.一般的製造法6
【化13】
[式中、環A、R、R、R、R、Y、Z、L、LVおよび環Bは前記と同じ意味を示し、AlkはC1−6アルキル基を示し、Rは水素原子またはC1−4アルキル基を示し、Lは単結合またはC1−4アルキル基を示す。(但し、化合物(6−6)においてRとLの炭素数の合計は最大4個である。)]
【0084】
一般的製造法6は、化合物(6−1)を原料として[工程6−1]から[工程6−3]の多段階の工程を経由する本発明にかかる一般式(I)において、Lが単結合、C2−6アルケニレン基、C2−6アルキニレン基、R及びRが水素原子である化合物(I−b)を製造する方法である。
【0085】
化合物(6−1)は、市販品から前記一般的製造法1、一般的製造法5、或いは一般的製造法1と一般的製造法11を組み合わせることで製造することができ、更に実施例中の製造例の記載の方法を用いて製造することもできる。また、化合物(6−3)、(6−4)、(6−5)および(6−6)は、市販品をそのまま用いることもでき、市販品から当業者に公知の方法で製造することもでき、更に実施例中の製造例に記載の方法を用いて製造することもできる。
【0086】
6−1.工程6−1
本工程は、化合物(6−1)をジ−t−ブトキシカルボニル化することにより化合物(6−2)を得る工程である。本反応は、アミド化合物のt−ブトキシカルボニル化に一般に用いられる条件、例えばT.W.Green and P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Chemistry,Third Edition”,John Wiley&Sons,P.642−643に記載の条件、J.Org.Chem.2005,70,2445−2454等に記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。例えば、THF等の溶媒中で4−ジメチルアミノピリジンを塩基として化合物(6−1)とジ−tert−ブチル ジカーボネートを反応させることで化合物(6−2)を得ることができる。
本反応に用いられる溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジクロロメタン、DMF、アセトニトリル等の有機溶媒、或いは、これらの混合溶媒が挙げられる。使用する塩基としては、例えば、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、DBU、或いは、これらの混合物等があげられる。これらの塩基は、(6−1)に対して、触媒量から過剰量用いられ、より好ましくは0.1−5当量である。ジ−tert−ブチル ジカーボネートは、(6−1)に対して2当量から過剰量用いられ、より好ましくは、2−10当量用いられる。反応時間は、特に限定されないが、通常、5分から24時間であり、好ましくは5分から12時間である。反応温度は、通常、−20℃〜溶媒の還流温度であり、より好ましくは0℃〜溶媒の還流温度である。
【0087】
6−2.工程6−2
本工程は、化合物(6−2)と化合物(6−3)、(6−4)、(6−5)或いは(6−6)との遷移金属を用いたカップリング反応により化合物(6−7)を得る工程である。本反応は、遷移金属を用いたカップリング反応(例えば、鈴木カップリング反応、スティルカップリング反応(Stilleカップリング反応)、園頭反応、ヘック反応(Heck反応)等)に通常用いられている条件で反応を行うことができる。
例えば、鈴木カップリング反応として、J.Org.Chem.2007,72,7207−7213、J.Am.Chem.Soc.2000,122,4020−4028、J.Org.Chem.2007,72,5960−5967等の文献を、スティルカップリング反応として、J.Am.Chem.Soc.1990,112,3093−3100等の文献を、園頭反応として、J.Org.Chem.2007,72,8547−8550、J.Org.Chem.2008,73,234−240等の文献を、ヘック反応として、J.Am.Chem.Soc.2005,127,16900−16911等の文献を挙げることができる。本反応に用いられる有機金属触媒としては特に限定されないが、好ましくは、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、[1,1´−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド、ビス(tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)等の金属触媒或いは、これら金属触媒の混合物をあげることができる。有機金属触媒の使用量は、原料に対して約0.001〜0.5当量である。化合物(6−3)、(6−4)、(6−5)或いは(6−6)の使用量は、特に限定されないが、通常、化合物(6−2)に対して1〜5当量である。本反応に用いられる溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、プロピオニトリル等をあげることができる。反応温度は特に限定されないが、通常、氷冷〜溶媒の還流温度であり、好ましくは、例えば、室温〜溶媒の還流温度である。反応時間は、特に限定されないが、通常、0.5〜48時間であり、好ましくは0.5〜24時間である。
さらに本反応を塩基或いは塩の共存下に行うことで収率向上等のより好ましい結果を得ることがある。かかる塩基或いは塩としては特に限定はされないが、好ましくは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化バリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、フッ化カリウム、或いはそれらの水溶液、およびトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、塩化リチウム、ヨウ化銅(I)等の塩基、或いは塩があげられる。
【0088】
6−3.工程6−3
本工程は、原料として化合物(6−7)を用い、前記製造方法(工程3−4)に記載の方法を用いることにより、化合物(I−b)を合成する工程である。
【0089】
一般的製造法6において得られる化合物(I−b)を、更に、C1−6アルキルハライドなどの対応するハロゲン化化合物などと反応させることにより、式(I)において、R及びRの少なくとも一つが置換基群αから1乃至3個の選択される置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキルカルボニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリールカルボニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキルスルホニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリールスルホニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC3−8炭化水素環基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい5−10員複素環基である本発明の化合物を得ることができる。
【0090】
7.一般的製造法7
【化14】
[式中、環A、環B、R、R、R、R、Z、Y、LおよびLVは前記と同じ意味を示す。]
【0091】
一般的製造法7は、化合物(7−1)を原料として[工程7−1] から[工程7−2]の工程を経由する本発明にかかる一般式(I)において、Lが単結合、R及びRが水素原子である化合物(I−b)を製造する方法である。
化合物(7−1)は、市販品から一般的製造法1、一般的製造法5、或いは一般的製造法1と一般的製造法11を組み合わせることにより製造することができ、更に実施例中の製造例の記載の方法を用いて製造することもできる。
【0092】
7−1.工程7−1
本工程は、化合物(7−1)のベンジルオキシカルボニル化により化合物(7−2)を得る工程である。
アミノ化合物のベンジルオキシカルボニル化(Z化)に一般に用いられる条件、例えばT.W.Green and P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Chemistry,Third Edition”,John Wiley&Sons,P.531−537等の文献記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。例えば、1,4−ジオキサン、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の混合溶媒中で化合物(7−1)とベンジル クロロフォーメートを反応させることで化合物(7−2)を得ることができる。
【0093】
7−2.工程7−2
本工程は、原料として化合物(7−2)を用い、前記製造方法(工程6−2)に記載の方法を用いることにより、化合物(I−b)を合成する工程である。
【0094】
一般的製造法7において得られる化合物(I−b)を、更に、C1−6アルキルハライドなどの対応するハロゲン化化合物などと反応させることにより、式(I)において、R及びRの少なくとも一つが置換基群αから1乃至3個の選択される置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキルカルボニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリールカルボニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキルスルホニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリールスルホニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC3−8炭化水素環基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい5−10員複素環基である本発明の化合物を得ることができる。
【0095】
8.一般的製造法8
【化15】
[式中、環A、環B、R、R、R、R、Y、Z、LおよびLVは前記と同じ意味を示す。]
【0096】
一般的製造法8は、化合物(6−2)を原料として[工程8−1] から[工程8−3]の多段階の工程を経由する本発明にかかる一般式(I)において、Lが単結合、R及びRが水素原子である化合物(I−b)を製造する方法である。
化合物(6−2)は、市販品から一般的製造法6により製造することができ、更に実施例中の製造例の記載の方法を用いて製造することもできる。また、化合物(8−2)は、市販品をそのまま用いることもでき、市販品から当業者に公知の方法で製造することができ、更に実施例中の製造例の記載の方法を用いて製造することもできる。
【0097】
8−1.工程8−1
本工程は、化合物(6−2)の遷移金属を用いたカップリング反応により化合物(8−1)を得る工程である。
本工程における反応は、遷移金属を用いたカップリング反応に通常用いられている条件、例えば、Org.Lett.2007,Vol.9,No.4,559−562、Bioorg.Med.Chem,14(2006)4944−4957等に記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。具体的には、例えば、DMF等の溶媒中で酢酸カリウム、[1,1´−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドの触媒存在下、化合物(6−2)及び、ビス(ピナコラート)ジボランを加熱条件で反応させることで化合物(8−1)を得ることができる。
本反応に用いられる有機金属触媒としては特に限定されないが、好ましくは、例えば、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、[1,1´−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド、ビス(tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)等の金属触媒をあげることができる。有機金属触媒の使用量は、原料に対して約0.001〜0.5当量である。本反応に用いられる溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、プロピオニトリル等をあげることができる。反応温度は特に限定されないが、通常、氷冷〜溶媒の還流温度であり、好ましくは、例えば、室温〜溶媒の還流温度である。反応時間は、特に限定されないが、通常、0.5〜72時間であり、好ましくは0.5〜24時間である。
さらに本反応を塩基の共存下に行うことで収率向上等のより好ましい結果を得ることがある。かかる塩基としては特に限定はされないが、好ましくは酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、フッ化カリウム、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等の塩基があげられる。
【0098】
8−2.工程8−2
本工程は、原料として化合物(8−1)を用い、前記製造方法(工程6−2)に記載の方法を用いることにより、化合物(8−3)を合成する工程である。
【0099】
8−3.工程8−3
本工程は、原料として化合物(8−3)を用い、前記製造方法(工程3−4)に記載の方法を用いることにより、化合物(I−b)を合成する工程である。
【0100】
一般的製造法8において得られる化合物(I−b)を、更に、C1−6アルキルハライドなどの対応するハロゲン化化合物などと反応させることにより、式(I)において、R及びRの少なくとも一つが置換基群αから1乃至3個の選択される置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキルカルボニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリールカルボニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキルスルホニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリールスルホニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC3−8炭化水素環基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい5−10員複素環基である本発明の化合物を得ることができる。
【0101】
9.一般的製造法9
【化16】
[式中、環A、環B、R、R、R、R、YおよびZは前記と同じ意味を示す。]
【0102】
一般的製造法9は、化合物(8−1)を原料として[工程9−1] から[工程9−4]の多段階の工程を経由する本発明にかかる一般式(I)において、Lが−NHCO−、R及びRが水素原子である化合物(I−a)を製造する方法である。
化合物(8−1)は、市販品から一般的製造法8より製造することができ、更に実施例中の製造例の記載の方法を用いて製造することもできる。
【0103】
9−1.工程9−1
本工程は、銅触媒下、化合物(8−1)とアジ化ナトリウムの反応により化合物(9−1)を得る工程である。
本工程における反応は、例えば、Org.Lett.2007,Vol.9,No.5,761−764、Tetrahedron Lett.2007、48、3525−3529等に記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。具体的には、例えば、メタノール等の溶媒を用いて、酢酸銅(II)の触媒存在下、化合物(8−1)とアジ化ナトリウムを室温で反応させることで化合物(9−1)を得ることができる。
本反応に用いられる触媒としては特に限定されないが、好ましくは、例えば、酢酸銅(II)、硫酸銅(II)、ヨウ化銅(I)、塩化銅(I)等の金属触媒をあげることができる。触媒の使用量は、特に限定されないが、通常、原料に対して約0.1〜0.5当量である。本反応に用いられる溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、メタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジクロロメタン等をあげることができる。反応温度は特に限定されないが、通常、氷冷〜溶媒の還流温度であり、好ましくは、例えば、室温〜溶媒の還流温度である。反応時間は、特に限定されないが、通常、0.5〜100時間であり、好ましくは1〜72時間である。
さらに本反応を酸素雰囲気下に行うことで収率向上等のより好ましい結果を得ることがある。
【0104】
9−2.工程9−2
本工程は、化合物(9−1)のアジドの還元反応により化合物(9−2)を得る工程である。本工程における反応は、例えば、J.Org.Chem.2003,68,4693−4699等に記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。具体的には、例えば、化合物(9−1)をメタノール等の溶媒に溶解し、ナトリウム ボロヒドリドと反応させることで化合物(9−2)を得ることができる。
【0105】
9−3.工程9−3
本工程は、原料として化合物(9−2)を用い、前記製造方法(工程3−3)に記載の方法を用いることにより、化合物(9−3)を合成する工程である。
【0106】
9−4.工程9−4
本工程は、原料として化合物(9−3)を用い、前記製造方法(工程3−4)に記載の方法を用いることにより、化合物(I−a)を合成する工程である
【0107】
一般的製造法9において得られる化合物(I−a)を、更に、C1−6アルキルハライドなどの対応するハロゲン化化合物などと反応させることにより、式(I)において、R及びRの少なくとも一つが置換基群αから1乃至3個の選択される置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキルカルボニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリールカルボニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキルスルホニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリールスルホニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC3−8炭化水素環基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい5−10員複素環基である本発明の化合物を得ることができる。また、一般的製造法9において得られる化合物(I−a)を、更に、C1−6アルキルハライドなどの対応するハロゲン化化合物などと反応させることにより、式(I)において、Lが式−NRCO−(Rは置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基である。)である本発明の化合物を得ることができる。
一般的製造法9において用いられる化合物(3−4)または(3−5)に代えて、対応するスルホニル化合物又はハロゲン化スルホニル化合物を用いて、式(I)において、Lが−NRLSO−(Rは水素原子である。)である本発明の化合物を得ることができる。この化合物に、更に、C1−6アルキルハライドなどの対応するハロゲン化化合物などと反応させることにより、式(I)において、Lが式−NRSO−(Rは置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基である。)である本発明の化合物を得ることができる。
【0108】
10.一般的製造法10
【化17】
【化18】
【化19】
[式中、環A、環B、R、R、R、R、LおよびLVは前記と同じ意味を示す。環Dは、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリール基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい5−6員ヘテロアリール基を示し、Rは、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリール基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい5−10員複素環基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい3−10員炭素環基を示し、R10、R11は各々独立して水素原子、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリール基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい5−10員複素環基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい3−10員炭素環基であり、R10、R11が一緒になって酸素原子、硫黄原子、スルホン及び式−N(R)−(Rは前記と同じ意味を示す。)から選択される基で1乃至2個の置換基で炭素原子が置換されていてもよいC3−8シクロアルキル基を形成してもよく、R12は、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリール基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい5−10員複素環基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい3−10員炭素環基を示し、R13は、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC7−12アラルキル基を示し、Prt2は2,4−ジメトキシベンジル基やベンジルオキシカルボニル基等のアミン基の保護基をを示す。]
【0109】
一般的製造法10は、化合物(10−1)を原料として[工程10−1] から[工程10−6]の種々の工程を経由する本発明にかかる一般式(I)において、Zが式−NR−(Rは水素原子、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキルカルボニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリールカルボニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキルスルホニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリールスルホニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリール基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい5−10員複素環基である。)であり(修正しました。これでよいでしょうか?ご確認下さい。 これは先回送付した時にも黄色マーカーを付しておりました)、R及びRが水素原子である化合物(I−m)〜(I−q)を製造する方法である。
【0110】
化合物(10−1)は、市販品から一般的製造法5、一般的製造法6、一般的製造法8、一般製造法9或いはこれらを組み合わせることで製造することができ、更に実施例中の製造例の記載の方法を用いて製造することもできる。
【0111】
10−1.工程10−1
本工程は、化合物(10−1)のアミノ基の脱保護により化合物(10−2)を得る工程である。
アミノ化合物の保護基の脱保護に一般に用いられる条件、例えばT.W.Green and P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Chemistry,Third Edition”,John Wiley&Sons,P.494−572等の文献記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。
本工程で用いるアミノ基の保護基は特に限定されないが、例えば、Prt2が2,4−ジメトキシベンジル基の場合は、本工程は、一般的に用いられる条件(Tetrahedron Vol.47,No.26,pp4591−4602,1991等の文献に記載の条件)と同様の条件で反応を行い化合物(10−2)を得ることができる。また、本工程では、Prt2が2,4−ジメトキシベンジル基の場合は、2,4−ジメトキシベンジル基の脱保護の際に、1つのBoc基を同時に脱保護することができる。本工程でPrt2が2,4−ジメトキシベンジル基の場合には、本工程で用いる溶媒は反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、1工程目の反応溶媒として塩化メチレン、クロロホルム等を、2工程目の反応溶媒としてメタノール等を挙げることができる。本工程の反応温度は、通常0℃〜室温である。本工程の反応時間は特に限定されないが、通常0.5〜24時間であり、好ましくは0.5〜12時間である。また、例えば、Prt2がベンジルオキシカルボニル基である場合には、アルコール等の溶媒中でパラジウム−炭素を触媒として化合物(10−1)を水素添加することで脱保護し化合物(10−2)を得ることができる。
【0112】
10−2.工程10−2
本工程は、原料として化合物(10−2)を用い、前記製造方法(工程3−3)および(工程3−4)に記載の方法を用いることにより、化合物(I−m)を合成する工程である。
【0113】
10−3.工程10−3
本工程は、原料として化合物(10−2)を用い、例えば、ボラン、水素化ホウ素錯体化合物等の還元剤による還元的アミノ化反応を行った後、(工程3−4)に記載の方法を用いることにより、化合物(I−n)を合成する工程である。水素化ホウ素錯体化合物を用いた還元的アミノ化反応の例として、例えば、J.Org.Chem.1996,61,3849等の文献記載の方法を挙げることができる。水素化ホウ素錯体化合物として、例えば水素化ホウ素ナトリウム、シアン化水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム等を用いることができる。
【0114】
10−4.工程10−4
本工程は、原料として化合物(10−2)を用い、当業者に公知であるスルホニルクロリド誘導体を用いたアミノ基のスルホニル化を行った後、(工程3−4)に記載の方法を用いることにより、化合物(I−o)を合成する工程である。
【0115】
10−5.工程10−5
本工程は、原料として化合物(10−2)を用い、化合物(15−1)或いは(15−2)のカップリング反応を行った後、(工程3−4)に記載の方法を用いることにより、化合物(I−p)を合成する工程である。本工程の1工程目は遷移金属錯体等を用いるカップリング、または芳香族求核置換(SNAr反応)等の反応を用いる。
【0116】
本工程の1工程目における反応は、例えば、Org.Lett.2007,Vol.9,No.5,761−764、Org.Lett.2003,Vol.5,No.23,4397−4400等に記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。具体的には、例えば、ジクロロメタン等の溶媒を用いて、モレキュラーシーブ4Aと酢酸銅(II)の触媒存在下、化合物(10−2)と化合物(15−1)を室温から50℃で反応することができる。
本反応に用いられる触媒としては特に限定されないが、好ましくは、例えば、酢酸銅(II)、硫酸銅(II)、ヨウ化銅(I)、塩化銅(I)等の金属触媒をあげることができる。触媒の使用量は、特に限定されないが、通常、原料に対して約0.1〜0.5当量である。本反応に用いられる溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジクロロメタン等をあげることができる。反応温度は特に限定されないが、通常、氷冷〜溶媒の還流温度であり、好ましくは、例えば、室温〜溶媒の還流温度である。反応時間は、特に限定されないが、通常、0.5〜100時間であり、好ましくは1〜72時間である。
さらに本反応を酸素雰囲気下に行うことで収率向上等のより好ましい結果を得ることがある。
【0117】
本工程の1工程目が遷移金属錯体等を触媒とするカップリングの場合は、化合物(10−2)および、ハロゲン化アリール誘導体、ハロゲン化ヘテロアリール誘導体、アリールオキシ トリフルオロメタンスルホナート誘導体もしくはヘテロアリールオキシ トリフルオロメタンスルホナート誘導体である化合物(15−2)を用い、通常用いられている条件と同様の条件(例えば、Org.Lett.2002,Vol.4,No.4,581等の文献記載の条件)で反応を行うことができる。本工程で用いるハロゲン化アリール誘導体、ハロゲン化ヘテロアリール誘導体、アリールオキシ トリフルオロメタンスルホナート誘導体、もしくはヘテロアリールオキシトリフルオロメタンスルホナート誘導体は市販品をそのまま用いることもでき、市販品から当業者に公知の方法で製造することもできる。本工程で用いる遷移金属錯体としては、例えばジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、銅−ジオール リガンド錯体等を挙げることができる。さらに本反応は良好な結果(反応温度の低減、反応時間短縮または収率向上等)を得るため、リン配位子(好ましくはトリフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1'−ビナフチル、1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン等)を添加してもよい。本工程の反応は、遷移金属錯体としてパラジウム錯体を用いる場合には、窒素またはアルゴン雰囲気下で行うことが好ましい。本工程で用いる溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば遷移金属錯体としてパラジウム錯体を用いる場合には、N、N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,4-ジオキサン、トルエン、キシレン等を用いることができ、また、銅−ジオール錯体を用いる場合には、2-プロパノール等を用いることができる。本工程の反応温度は、通常室温〜溶媒還流温度である。本工程の反応時間は特に限定されないが、通常0.5〜72時間であり、好ましくは0.5〜24時間である。
【0118】
本工程の1工程目が芳香族求核置換(SNAr反応)の場合は、化合物(10−2)とハロゲン化アリール誘導体、ハロゲン化ヘテロアリール誘導体、アリールオキシ トリフルオロメタンスルホナート誘導体もしくはヘテロアリールオキシ トリフルオロメタンスルホナート誘導体である化合物(15−2)とを用い、塩基共存下、通常用いられている条件と同様の条件で反応を行うことができる。本工程で用いるハロゲン化アリール誘導体、ハロゲン化ヘテロアリール誘導体、アリールオキシ トリフルオロメタンスルホナート誘導体、もしくはヘテロアリールオキシトリフルオロメタンスルホナート誘導体は市販品をそのまま用いることもでき、市販品から当業者に公知の方法で製造することもできる。本工程で用いる芳香族求核置換(SNAr反応)は、一般に用いられる条件(例えば、Org.Prep.Proced.int.39(2007)4,399−402、Bioorg.Med.Chem.Lett.15(2005)9,2409−2413、Bioorg.Med.Chem.Lett.15(2005)3,719−723等の文献記載の方法)と同様の条件で行うことができる。本工程で用いる溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、N、N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等を用いることができる。本工程で用いる塩基は特に限定されないが、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水素化ナトリウム、ふっ化テトラブチルアンモニウム等を挙げることができ、好ましくは炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ふっ化テトラブチルアンモニウムを用いる。本工程の反応温度は、通常室温〜溶媒還流温度である。本工程の反応時間は特に限定されないが、通常0.5〜24時間であり、好ましくは0.5〜12時間である。
【0119】
10−6.工程10−6
本工程は、原料として化合物(10−2)を用い、アミノ化合物のN−アルキル化反応を行った後、(工程3−4)に記載の方法を用いることにより、化合物(I−q)を合成する工程である。
本反応の1工程目は、アミノ化合物のN−アルキル化反応に通常用いられている条件(例えば、J.Med.Chem.2002,45,3794−3804、J.Med.Chem.2000,43,3809−3812等に記載の条件)と同様の条件で反応を行うことができる。
【0120】
かくして得られる一般式(I)において、R及びRが水素原子である化合物(I−m)〜(I−q)を、更に、C1−6アルキルハライドなどの対応するハロゲン化化合物などと反応させることにより、式(I)において、R及びRの少なくとも一つが置換基群αから1乃至3個の選択される置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキルカルボニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリールカルボニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC1−6アルキルスルホニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC6−14アリールスルホニル基、置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよいC3−8炭化水素環基又は置換基群αから選択される1乃至3個の置換基を有していてもよい5−10員複素環基である本発明の化合物を得ることができる。
【0121】
11.一般的製造法11
【化20】
[式中、環A、R、R、R、R、R、YおよびZは前記と同じ意味を示す。]
【0122】
一般的製造法11は、化合物(1−3)を原料として[工程11−1] から[工程11−2]の工程を経由する本発明にかかる化合物(I)の合成中間体である化合物(I−4)を製造する方法である。
化合物(1−3)は、市販品から一般製造法1により製造することができ、更に実施例中の製造例の記載の方法を用いて製造することもできる。
【0123】
11−1.工程11−1
本工程は、化合物(1−3)をアルカリ加水分解により化合物(11−1)を得る工程である。
例えば、J.Med.Chem.,33(9),2621−2629(1990)に記載の反応条件と同様の条件で反応を行うことができる。
具体的には、例えば化合物(1−3)の溶液に例えば水酸化ナトリウム等の塩基を加え、数時間〜1日撹拌後、例えばクエン酸溶液等の酸で処理することにより、化合物(11−1)を得ることができる。
反応に使用する溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等を挙げることができる。使用する塩基としては、特に限定されないが、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が好ましい。塩基の使用量は、化合物(1−3)に対して1〜大過剰であり、好ましくは1〜20当量である。反応時間は、特に限定されないが、通常、1から24時間であり、好ましくは1から6時間である。反応温度は特に限定されないが、通常、室温〜溶媒の還流温度である。
【0124】
11−2.工程11−2
本工程は、化合物(11−1)を還元反応に付し(1−4)を得る工程である。
化合物(11−1)を混合酸無水物とした後、該混合酸無水物とナトリウム ボロヒドリドを反応させて化合物(1−4)を得ることができる。混合酸無水物は、当業者に公知の方法により合成できるが、例えばトリエチルアミン等の塩基存在下、化合物(11−1)および例えばクロロギ酸エチル等のクロロギ酸エステル類を反応させることで行われる。クロロギ酸エステル類および塩基は、化合物(11−1)に対して1当量から2当量用いる。反応温度は−30℃〜室温であり、好ましくは−20℃〜室温である。
混合酸無水物とナトリウム ボロヒドリド等の還元剤を反応させる工程は、例えば、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等の溶媒中、或いはこれらの溶媒と水の混合溶液中で反応させることにより行われる。ナトリウム ボロヒドリド等の還元剤は、混合酸無水物に対して1当量から大過剰を用いる。
反応時間は、特に限定されないが、通常、0.5から48時間であり、好ましくは0.5から24時間である。反応温度は特に限定されないが、通常、−78℃〜溶媒の還流温度であり、好ましくは−20℃〜室温である。反応に使用される溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、好適には、例えばテトラヒドロフラン、エーテル等があげられる。
【0125】
12.一般的製造法12
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
[式中、Prtは一級水酸基の保護基を示し、R14は、C1−6アルキル基又は2つのR14が一緒になって環を形成してもよく、R15は、C1−6アルキル基を示し、Y、R、R、R、RおよびLVは前記と同じ意味を示す。]
【0126】
一般的製造法12は、化合物(12−1)、(12−5)、(12−7)および(12−9)を原料として[工程12−1] から[工程12−8]の種々の工程を経由する本発明にかかる化合物(I)の合成中間体である化合物(12−4)を製造する方法である。
化合物(12−1)、(12−2)、(12−5)、(12−7)、(12−9)、(12−10)は、市販品をそのまま用いることができ、市販品から当業者に公知の方法で製造することができ、更に実施例中の製造例の記載の方法を用いて製造することもできる。
【0127】
12−1.工程12−1
本工程は、化合物(12−1)と化合物(12−2)の反応により、化合物(12−3)を得る工程である。
本反応は、アルコール化合物のO−アルキル化反応に通常用いられている条件(例えば、Tetrahedron Lett.46(2005)45,7751−7755等に記載の条件)と同様の条件で反応を行うことができる。本反応は、例えば、化合物(12−1)のTHF溶液中に水素化ナトリウム等の塩基を加え、アルコキシドとした後、化合物(12−2)と反応することにより化合物(12−3)を得ることができる。反応に使用する溶媒としては、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、THF、DMF、ジメチルスルホキシド等の溶媒が挙げられる。これらの溶媒存在下で適当な塩基を1当量〜3当量作用させて反応を行うことができる。使用する塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、水素化カリウム、t−ブトキシカリウム等があげられる。反応時間は、特に限定されないが、通常、0.5から72時間であり、好ましくは0.5から12時間である。反応温度は、通常、−20℃〜100℃である。
さらに本反応にテトラブチルアンモニウムヨージド等の塩を加えることで収率向上等のより好ましい結果を得ることがある。
【0128】
12−2.工程12−2
本工程は、アルコール化合物(12−3)を酸化反応に付し、アルデヒド化合物(12−4)を得る工程である。当業者に公知の方法により、アルコール化合物からアルデヒド化合物を得ることができる。
反応に使用される公知の酸化方法としては、例えばスワン酸化(Swern酸化)、コーリー−キム酸化(Corey−Kim酸化)、モファット酸化(Moffatt酸化)、PCC酸化、PDC酸化、デス−マーチン酸化(Dess−Martin酸化)、SO−pyridine酸化、TEMPO酸化等を挙げることができる。
反応に使用される溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えばジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム等があげられる。
反応温度は特に限定されないが、通常、−78℃〜溶媒の還流温度であり、好ましくは−78℃〜室温である。反応時間は、特に限定されないが、通常、0.5〜48時間であり、好ましくは0.5〜24時間である。
【0129】
12−3.工程12−3
本工程は、原料として化合物(12−5)を用い、前記製造方法(工程12−1)に記載の方法を用いることにより、化合物(12−6)を合成する工程である。
【0130】
12−4.工程12−4
本工程は、化合物(12−6)の水酸基の保護基の脱保護により化合物(12−3)を得る工程である。本工程で用いる水酸基の保護基は特に限定されない。
本反応は、アルコールの保護基の脱保護に一般に用いられる条件、例えばT.W.Green and P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Chemistry,Third Edition”,John Wiley&Sons,P.17−245等の文献記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。
【0131】
12−5.工程12−5
本工程は、原料として化合物(12−7)を用い、前記製造方法(工程12−1)に記載の方法を用いることにより、化合物(12−8)を合成する工程である。
【0132】
12−6.工程12−6
本工程は、化合物(12−8)のアセタール基の脱保護により化合物(12−4)を得る工程である。
本反応は、アルデヒド基の脱保護に一般に用いられる条件、例えばT.W.Green and P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Chemistry,Third Edition”,John Wiley&Sons,P.293−329等の文献記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。
【0133】
12−7.工程12−7
本工程は、化合物(12−9)と化合物(12−10)の反応により、化合物(12−11)を得る工程である。
本反応は、アルコール化合物のO−アルキル化反応に通常用いられている条件(例えば、J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1,1999,3143−3155等に記載の条件)と同様の条件で反応を行うことができる。本反応は、例えば、化合物(12−9)のTHF溶液中に水素化ナトリウム等の塩基を加え、アルコキシドとした後、化合物(12−10)と反応することにより化合物(12−11)を得ることができる。反応に使用する溶媒としては、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、THF、DMF、ジメチルスルホキシド等の溶媒が挙げられる。これらの溶媒存在下で適当な塩基を1当量〜3当量作用させて反応を行うことができる。使用する塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、水素化カリウム、t−ブトキシカリウム等があげられる。反応時間は、特に限定されないが、通常、0.5から72時間であり、好ましくは0.5から12時間である。反応温度は、通常、−20℃〜100℃である。
さらに本反応にテトラブチルアンモニウムヨージド等の塩を加えることで収率向上等のより好ましい結果を得ることがある。
【0134】
12−8.工程12−8
本工程は、原料として化合物(12−11)を用い、前記製造方法(工程1−3)或いは(工程11−1及び2)に記載の方法を用いることにより、化合物(12−3)を合成する工程である。
【0135】
13.一般的製造法13
【化25】
[式中、R14はC1−6アルキル基又は2つのR14が一緒になって1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン等の環を形成してもよ、Prtは、2,4−ジメトキシベンジル基等の保護基を示し、R、R、R、R、YおよびLVは前記と同じ意味を示す。]
【0136】
一般的製造法13は、化合物(13−1)を原料として[工程13−1] から[工程13−3]の工程を経由する本発明にかかる化合物(I)の合成中間体である化合物(13−5)を製造する方法である。
化合物(13−1)、(13−3)は、市販品をそのまま用いることができ、市販品から当業者に公知の方法で製造することができ、更に実施例中の製造例の記載の方法を用いて製造することもできる。
【0137】
13−1.工程13−1
本工程は、化合物(13−1)のアミノ基の保護により化合物(13−2)を得る工程である。
本反応は、アミノ基の保護に一般に用いられる条件、例えばT.W.Green and P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Chemistry,Third Edition”,John Wiley&Sons,P.494−572、J.Med.Chem.2007,50,5493−5508等の文献記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。
【0138】
13−2.工程13−2
本工程は、化合物(13−2)と化合物(13−3)のN−アルキル化反応により、化合物(13−4)を得る工程である。
本反応は、化合物(13−2)のN−アルキル化反応に通常用いられている条件(例えば、J.Med.Chem.2007,50,5493−5508等に記載の条件)と同様の条件で反応を行うことができる。本反応は、例えば、化合物(13−2)のトルエン溶液中に粉末状の水酸化ナトリウム等の塩基を加えた後、化合物(13−3)と反応することにより化合物(13−4)を得ることができる。反応に使用する溶媒としては、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、トルエン、THF、DMF、ジメチルスルホキシド等の溶媒が挙げられる。これらの溶媒中にて適当な塩基を1当量〜5当量作用させて反応を行うことができる。使用する塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、t−ブトキシカリウム等があげられる。反応時間は、特に限定されないが、通常、0.5から72時間であり、好ましくは0.5から24時間である。反応温度は、通常、−20℃〜100℃である。
さらに本反応にテトラブチルアンモニウムヨージド等の塩を加えることで収率向上等のより好ましい結果を得ることがある。
【0139】
13−3.工程13−3
本工程は、化合物(13−4)のアセタール基の脱保護により化合物(13−5)を得る工程である。
本反応は、アルデヒド基の脱保護に一般に用いられる条件、例えばT.W.Green and P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Chemistry,Third Edition”,John Wiley&Sons,P.293−329等の文献記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。
【0140】
かくして得られる本発明の式(I)の化合物は、必要に応じて、常法により、医薬上許容される塩とすることができる。その製造法は、有機合成化学分野で通常用いられる方法などを適宜組み合わせて行うことができる。具体的には、本発明化合物の遊離型の溶液を酸溶液で中和滴定することなどが挙げられる。また、必要に応じて、それ自体周知の溶媒和物形成反応に付すことにより、本発明の式(I)の化合物を溶媒和物に変換することができる。
【0141】
本発明に係る縮合アミノジヒドロチアジン誘導体又はその医薬上許容される塩あるいはそれらの溶媒和物は、極めて優れたAβ産生抑制作用又はBACE1阻害作用を有し、Aβに起因する、アルツハイマー型認知症に代表される神経変性疾患の治療剤として極めて有用である。
【0142】
本発明に係る縮合アミノジヒドロチアジン誘導体又はその医薬上許容される塩あるいはそれらの溶媒和物は、通常の方法により製剤化が可能であり、好ましい剤形としては、例えば、錠剤、フィルム錠や糖衣錠等の被覆錠剤、細粒剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、シロップ剤、トローチ剤、吸入剤、坐剤、注射剤、軟膏剤、点眼剤、点鼻剤、点耳剤、パップ剤、ローション剤等が挙げられる。
これらの錠剤、カプセル剤、顆粒剤、粉末などの固形製剤は、一般的には0.01〜100重量%、好ましくは0.1〜100重量%の有効成分である本発明に係る縮合アミノジヒドロチアジン誘導体又はその医薬上許容される塩あるいはそれらの溶媒和物を含むことができる。
【0143】
製剤化には、一般に医薬品製剤の原料として用いられる成分を配合し、例えば、通常用いられる賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤や、必要により安定化剤、乳化剤、吸収促進剤、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、抗酸化剤等を添加して常法により製剤化を行う。これらの成分としては、例えば、大豆油、牛脂、合成グリセライド等の動植物油;流動パラフィン、スクワラン、固形パラフィン等の炭化水素;ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル等のエステル油;セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;シリコン樹脂;シリコン油;ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー等の界面活性剤;ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース等の水溶性高分子;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール等の多価アルコール;グルコース、ショ糖等の糖;無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸アルミニウム等の無機粉体、精製水等が挙げられる。賦形剤としては、例えば乳糖、コーンスターチ、白糖、ブドウ糖、マンニトール、ソルビット、結晶セルロース、二酸化ケイ素等が、結合剤としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、シェラック、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリプロピレングリコール・ポリオキシエチレン・ブロックポリマー、メグルミン等が、崩壊剤としては、例えば澱粉、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸カルシウム、デキストリン、ペクチン、カルボキシメチルセルロース・カルシウム等が、滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ、硬化植物油等が、着色剤としては医薬品に添加することが許可されているものが、矯味矯臭剤としては、ココア末、ハッカ脳、芳香散、ハッカ油、竜脳、桂皮末等が用いられる。もちろん、これらの添加剤成分に限定される訳ではないことは言うまでもない。
【0144】
例えば経口製剤は、有効成分である本発明に係る縮合アミノジヒドロチアジン誘導体又はその医薬上許容される塩あるいはそれらの溶媒和物と賦形剤、さらに必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤等を加えた後、常法により散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、被覆錠剤、カプセル剤等とする。錠剤・顆粒剤の場合には、糖衣、その他必要により適宜コーティングすることはもちろん差支えない。
例えばシロップ剤や注射用製剤等の場合は、pH調整剤、溶解剤、等張化剤等と、必要に応じて溶解補助剤、安定化剤等を加えて、常法により製剤化する。また、これらの注射剤は予め溶解したものの他、粉末のまままたは適当な添加物を加えたものを用時溶解する形態も取ることができる。これらの注射液は、通常0.01〜100重量%、好ましくは0.1〜100重量%等の有効成分を含むことができる。さらには、経口投与の懸濁剤またはシロップ剤等の液剤は、通常0.01〜100重量%、好ましくは0.1〜100重量%等の有効成分を含むことができる。
例えば、外用剤の場合は、特に製法が限定されず、常法により製造することができる。使用する基剤原料としては、医薬品、医薬部外品、化粧品等に通常使用される各種原料を用いることが可能で、例えば動植物油、鉱物油、エステル油、ワックス類、高級アルコール類、脂肪酸類、シリコン油、界面活性剤、リン脂質類、アルコール類、多価アルコール類、水溶性高分子類、粘土鉱物類、精製水等の原料が挙げられ、必要に応じ、pH調整剤、抗酸化剤、キレート剤、防腐防黴剤、着色料、香料等を添加することができる。さらに、必要に応じて分化誘導作用を有する成分、血流促進剤、殺菌剤、消炎剤、細胞賦活剤、ビタミン類、アミノ酸、保湿剤、角質溶解剤等の成分を配合することもできる。
【0145】
本発明に係る縮合アミノジヒドロチアジン誘導体又はその医薬上許容される塩あるいはそれらの溶媒和物の投与量は、症状の程度、年齢、性別、体重、投与形態・塩の種類、疾患の具体的な種類等に応じて異なるが、通常、成人の場合は1日あたり経口投与で約30μg〜10g、好ましくは100μg〜5g、さらに好ましくは100μg〜1gを、注射投与で約30μg〜1g、好ましくは100μg〜500mg、さらに好ましくは100μg〜300mgをそれぞれ1回又は数回に分けて投与する。
【0146】
本発明の化合物は生理活性低分子化合物の標的タンパクを捕捉するためのケミカルプローブとすることができる。すなわち、本発明の化合物は、当該化合物の活性発現に必須な構造部分とは異なる部分に、J. Mass Spectrum.Soc.Jpn.Vol.51,No.5,2003,p492−498または WO2007/139149等に記載の手法で標識基、リンカー等を導入することでアフィニティークロマトグラフィープローブ、フォトアフィニティープローブ等に変換することができる。
ケミカルプローブに用いる標識基、リンカー等は、例えば以下の(1)ないし(5)からなる群に示される基が挙げられる。
(1)光親和性標識基(例えば、ベンゾイル基、ベンゾフェノン基、アジド基、カルボニルアジド基、ジアジリジン基、エノン基、ジアゾ基およびニトロ基等)および化学親和性基(例えば、アルファー炭素原子がハロゲン原子で置換されたケトン基、カルバモイル基、エステル基、アルキルチオ基、α、β−不飽和ケトン、エステル等のマイケル受容体、およびオキシラン基等)等のタンパク質標識基、
(2)−S−S−、−O−Si−O−、単糖(グルコース基、ガラクトース基等)または二糖(ラクトース等)等の開裂可能なリンカー、および酵素反応で開裂可能なオリゴペプチドリンカー、
(3)ビオチン、3−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4H−3a,4a−ジアザ−4−ボラ−s−インダセン−3−イル)プロピオニル基等のフィッシングタグ基、
(4)125I、32P、H、14Cなどの放射性標識基;フルオレセイン、ローダミン、ダンシル、ウンベリフェロン、7−ニトロフラザニル、3−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4H−3a,4a−ジアザ−4−ボラ−s−インダセン−3−イル)プロピオニル基等の蛍光標識基;ルミフェリン、ルミノール等の化学発光基;ランタノイド金属イオン、ラジウムイオン等の重金属イオン等の検出可能なマーカー、または
(5)ガラスビーズ、ガラスベット、マイクロタイタープレート、アガロースビーズ、アガロースベッド、ポリスチレンビーズ、ポリスチレンベッド、ナイロンビーズ、ナイロンベッド等の固相担体と結合させる基等。
上記の(1)ないし(5)からなる群より選択される標識基等を上記文献に記載の方法等に準じて本発明の化合物に導入して調製されるプローブは、新たな創薬ターゲットの探索等に有用な標識タンパクの同定のためのケミカルプローブとして用いることができる。
【0147】
以下、本発明を実施例、製造例及び試験例により詳細に説明する。しかし、本発明はこれらに限定されることはない。また、実施例において使用される略語は当業者に周知の慣用的な略語である、いくつかの略語は以下に示す。
THF;テトラヒドロフラン
DMF;N,N−ジメチルホルムアミド
TFA;トリフルオロ)酢酸
EDC・HCl;1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
pTLC;分取薄層クロマトグラフィー
LC−MS;液体クロマトグラフィー−マススペクトルメトリー
PyBOP;ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
Pd2DBA3;トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム
Pd(t-Bu3P)2;ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム
プロトン核磁気共鳴スペクトルの化学シフトは、テトラメチルシランに対するδ単位(ppm)で記録、カップリング定数はヘルツ(Hz)で記録されている。パターンは、s;シングレット、d;ダブレット、t;トリプレット、q:カルテット、br;ブロード。
キラル化合物の分取に使用した以下の分取用カラム(2cm×25cm)、CHIRALPAKTM AD−H、CHIRALPAKTM IA、CHIRALPAKTM IB及びCHIRALCELTM OJ−Hは、全てダイセル化学工業株式会社製を用いた。
【0148】
以下の実施例及び製造例中の「室温」は通常約10℃から約35℃を示す。%は特記しない限り重量パーセントを示す。
【0149】
製造例1
(−)−[(4aR*,8aS*)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
【化26】
(1)3−ブテニルオキシアセトアルデヒド オキシムの合成
3−ブテニルオキシアセトアルデヒド(17.8g;J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1,1999,3143−3155)のエタノール(200ml)溶液に硫酸ヒドロキシルアミン(20.5g)、酢酸ナトリウム(12.8g)および水(20ml)を加えた。室温で一晩撹拌した後、水を加えた。余剰のエタノールを減圧留去し、得られた残渣を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(6.20g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):2.36(m,2H),3.53(dt,J=6.6,8.4Hz,2H),4.10(d,J=5.6Hz,1H),4.35(d,J=4.0Hz,1H),5.10(m,2H),5.82(m,1H),6.91(t,J=3.6Hz,0.5H),7.50(t,J=5.6Hz,0.5H).
【0150】
(2)3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c]イソオキサゾールの合成
3−ブテニルオキシアセトアルデヒドオキシム(5.30g)のジクロロメタン(530ml)溶液に、氷冷下5%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(122ml)を滴下した。同温で2時間撹拌した後、チオ硫酸ナトリウムを加えた。水層をジクロロメタンで抽出した。有機層をあわせて無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(4.15g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.79(ddd,J=4.4,12.4,24.4Hz,1H),2.17(dd,J=6.4,13.2Hz,1H),3.40(ddd,J=6.4,11.2,22.0Hz,1H),3.50(dt,J=2.0,12.4Hz,1H),3.80(dd,J=8.0,11.6Hz,1H),4.06(dd,4.4,12.8Hz,1H),4.12(dd,J=1.2,13.6Hz,1H),4.63(dd,J=8.4,10.4Hz,1H),4.70(d,J=13.6Hz,1H).
【0151】
(3)(±)−(3aR*,7aS*)−7a−(2−フルオロフェニル)ヘキサヒドロピラノ[3,4−c]イソオキサゾールの合成
2−ブロモフルオロベンゼン(1.85g)をトルエン(30ml)に溶解させ、テトラヒドロフラン(10ml)を加えた。−78℃でn−ブチルリチウム(2.73M;3.68ml)を滴下した。同温で1時間撹拌することで2−フルオロフェニルリチウムを調整した。3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c]イソオキサゾール(630mg)のトルエン(70ml)溶液に、−78℃で三フッ化ホウ素エーテル錯体(1.26ml)を加えた。同温で10分間撹拌した後、上記で調整した2−フルオロフェニルリチウムを反応混合液にキャニュラーを経由して加えた。同温で1時間撹拌した後、塩化アンモニウム水溶液を加えてた。反応混合物を室温に戻し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(1.26g)を得た。
ESI−MS;m/z 224[M+H].
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.83(m,2H),3.09(m,1H),3.64(m,1H),3.68(ddt,J=1.2,3.2,11.6Hz,1H),3.73(d,J=6.8Hz,1H),3.78(d,J=12.8Hz,1H)4.04(m,1H),4.10(dd,J=1.6,12.4Hz,1H),6.32(s,1H),7.04(ddd,J=1.2,8.0,12.4Hz,1H),7.16(dt,J=1.6,7.6Hz,1H),7.28(m,1H),7.93(dt,J=1.6,8.4Hz,1H).
【0152】
(4)(±)−[(3S*,4R*)−3−アミノ−3−(2−フルオロフェニル)テトラヒドロピラン−4−イル]メタノールの合成
(±)−(3aR*,7aS*)−7a−(2−フルオロフェニル)ヘキサヒドロピラノ[3,4−c]イソオキサゾール(3.95g)の酢酸(78.4ml)溶液に亜鉛(11.6g)を加え、室温で一晩撹拌した。不溶物をセライト濾過で除き、溶媒を減圧留去した。残渣に氷および冷した0.5規定水酸化ナトリウム水溶液を加えた。水層を酢酸エチルおよび酢酸エチル−テトラヒドロフラン混合溶液で抽出した。有機層を併せて、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(3.45g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.61(m,1H),2.28(m,2H),3.35(dd,J=2.8,11.6Hz,2H),3.55(dd,J=1.6,11.6Hz,1H),3.63(m,1H),4.16(m,2H),7.06(ddd,J=1.2,8.0,12.8Hz,1H),7.20(dt,J=1.6,8.0Hz,1H),7.31(m,1H),7.64(dt,J=2.0,8.0Hz,1H).
【0153】
(5)(±)−9H−フルオレン−9−イルメチル({[(3S*,4R*)−3−(2−フルオロフェニル)−4−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]アミノ}カルボノチオイル)カルバミン酸の合成
(±)−[(3S*,4R*)−3−アミノ−3−(2−フルオロフェニル)テトラヒドロピラン−4−イル]メタノール(683mg)のジクロロメタン(20ml)溶液にフルオレニルメチルオキシカルボニル イソチオシアナート(938mg)を加えた。室温で一晩撹拌した後、溶媒を室温以下で減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(1.57g)を得た。
ESI−MS;m/z 529[M+Na].
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.67(m,1H),1.93(m,2H),3.65(m,4H),4.13(m,2H),4.27(t,J=6.4Hz,1H),4.55(m,2H),7.02(dd,J=4.4,12.8Hz,1H),7.16(t,J=8.0Hz,1H),7.28(m,1H),7.35(t,J=7.2Hz,2H),7.44(t,J=7.2Hz,2H),7.58(d,J=7.6Hz,2H),7.59(m,1H),7.79(d,J=8.0Hz,2H),7.93(s,1H),10.67(s,1H).
【0154】
(6)(±)−(4R*,4aS*)−8a−(2−フルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミンの合成
(±)−9H−フルオレン−9−イルメチル({[(3S*,4R*)−3−(2−フルオロフェニル)−4−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]アミノ}カルボノチオイル)カルバミン酸(8.00g)のメタノール(200ml)溶液に濃塩酸(3.00ml)を加え、3時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却し、溶媒を減圧留去した。残渣にアセトニトリル(200ml)を加え、ピペリジン(40ml)を水浴下で滴下した。室温で2時間撹拌した後、溶媒を減圧留去した。残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して粗生成物を得た。得られた粗生成物を、更にシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(3.96g)を得た。
ESI−MS;m/z 267[M+H].
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.43(d,J=17.0Hz,1H),2.12(m,1H),2.61(d,J=15.0Hz,1H),2.91(m,1H),2.96(dd,J=4.5,15.5Hz,1H),3.68(t,J=15.5Hz,1H),3.76(d,J=14.0Hz,1H),4.09(m,2H),4.58(brs,2H),7.03(dd,J=10.0,16.0Hz,1H),7.12(t,J=10.0Hz,1H),7.25(m,1H),7.36(dt,J=2.5,10.0Hz,1H).
【0155】
(7)(±)−[(4R*,4aS*)−8a−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
製造例1−(6)で得た(±)−(4R*,4aS*)−8a−(2−フルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミン(3.96g)を濃硫酸(20ml)に溶解させ、氷浴下で発煙硝酸(比重1.53;731μl)を滴下した。同温で2時間撹拌した後、反応混合物を注意深く氷に注いだ。水層を炭酸水素ナトリウム水溶液および水酸化ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、濾液を減圧留去し残渣を得た。残渣にテトラヒドロフラン(200ml)を加えた後、トリエチルアミン(10.3ml)およびジ−tert−ブチルジカーボネート(4.85g)を順次加え、室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(5.30g)を得た。
ESI−MS;m/z 412[M+H].
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.53(s,9H),1.55(m,1H),2.21(m,1H),2.62(dd,J=3.2,12.8Hz,1H),2.85(dd,J=2.8,13.2Hz,1H),3.00(m,1H),3.67(dt,J=2.4,12.0Hz,1H),3.74(d,J=11.2Hz,1H),3.97(dd,J=2.4,11.6Hz,1H),4.12(m,1H),7.25(m,1H),8.22(m,2H).
【0156】
(8)(±)−[(4R*,4aS*)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
製造例1−(7)で得た(±)−[(4R*,4aS*)−8a−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステル(5.30g)のエタノール(132ml)溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液(13.2ml)を加えた。この反応液に鉄粉(5.76g)を加え、30分間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却し、不溶物をセライトで濾過した。濾液を減圧下留去した。残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(4.56g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.53(s,9H),1.53(m,1H),2.23(m,1H),2.54(dd,J=2.4,12.4Hz,1H),2.98(dd,J=4.0,12.4Hz,1H),3.03(m,1H),3.66(m,2H),4.07(dd,J=1.6,12.4Hz,1H),4.12(m,1H),6.57(m,2H),6.86(dd,J=8.8,12.4Hz,1H).
【0157】
(9)(−)−[(4R*,4aS*)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
製造例1−(8)で得た(±)−[(4R*,4aS*)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステル(100mg)をCHIRALPAKTM AD−H(移動相;ヘキサン:エタノール=8.5:1.5,流速:20ml/分)で精製し、保持時間20.9−27.8分の画分を集め標記化合物を得た。同様の操作を繰り返し、原料(1.00g)から標記化合物(405mg;>99%ee)を得た。
【0158】
製造例2
5−フルオロメトキシピラジン−2−カルボン酸の合成
【化27】
(1)メチル 5−フルオロメトキシピラジン−2−カルボキシラートの合成
メチル 5−ヒドロキシピラジン−2−カルボキシラート(130mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(2.0mL)溶液にトルエン−4−スルホン酸フルオロメチルエステル(Journal of Labelled Compounds & Radiopharmaceuticals, 46(6), 555−566; 2003)(344mg)および炭酸セシウム(824mg)を加えた。反応液を70℃で5時間30分撹拌した後、室温まで冷却した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下濃縮した。残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(18.0mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):4.03(s,3H),6.14(d,J=51.2Hz,2H),8.42(d,J=1.2Hz,1H),8.94(d,J=1.2Hz,1H).
【0159】
(2)5−フルオロメトキシピラジン−2−カルボン酸の合成
製造例15−(1)で得たメチル 5−フルオロメトキシピラジン−2−カルボキシラート(18.0mg)のテトラヒドロフラン(1.0mL)溶液にポタシウム トリメチルシラノラート(18.6mg)を加えた。反応液を室温で1時間撹拌した。反応液に水および酢酸エチルを加え分配した。水層に1M塩酸を加え酸性に調整した後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去し、濾液を減圧下濃縮することで、標記化合物の粗生成物(10.2mg)を得た。この化合物はさらに精製することなく次の反応に用いた。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):6.16(d,J=50.8Hz,2H),8.34(d,J=1.4Hz,1H),9.05(d,J=1.4Hz,1H).
【0160】
製造例3
5−シアノピリジン−2−カルボン酸の合成
【化28】
(1)5−シアノピリジン−2−カルボン酸メチルの合成
メチル 5−ブロモピリジン−2−カルボキシラート(2.8g)とシアン化銅(3.6g)のNMP(30ml)混合液を170℃で1.5時間加熱攪拌した。反応液に室温で、水を加え、不溶物を濾過で除いた。濾液を酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去し、濾液を減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(920mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):4.06(s,3H),8.16(dd,J=2.0,8.0Hz,1H),8.27(d,J=8.0Hz,1H),9.01(d,J=2.0Hz,1H).
【0161】
(2)5−シアノピリジン−2−カルボン酸の合成
製造例3−(1)の化合物(920mg)と5N水酸化ナトリウム水溶液(2.26ml)のエタノール(30ml)溶液を室温で10分間攪拌した。反応液に室温で、5N塩酸(5.2ml)を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去し、濾液を減圧下濃縮して標記化合物(800mg)を得た。
H−NMR(400MHz,DMSOd)δ(ppm):8.18(d,J=8.0Hz,1H),8.51(dd,J=2.0,8.0Hz,1H),9.12−9.18(m,1H).
【0162】
製造例4
5−ジフルオロメトキシピラジン−2−カルボン酸の合成
【化29】
(1)メチル 5−ジフルオロメトキシピラジン−2−カルボンキシラートの合成
メチル 5−ヒドロキシピラジン−2−カルボキシラート(3.3g)のDMF(42.8ml)溶液に炭酸カリウム(8.82g)およびクロロジフルオロ酢酸ナトリウム(6.53g)を加えた。反応液を100℃で30分攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(928mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):4.04(s、3H),7.49(t,J=71.2Hz,1H),8.47(d,J=0.8Hz,1H),8.92(d,J=0.8Hz,1H).
【0163】
(2)5−ジフルオロメトキシピラジン−2−カルボン酸の合成
製造例4−(1)で得た化合物(250mg)のTHF(4.60ml)溶液に水(1.54ml)および5規定水酸化ナトリウム水溶液(492ml)を加えた。反応液を室温で5分攪拌した後、二規定塩酸水溶液を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去後、溶媒を減圧下濃縮し、標記化合物(200mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):7.51(t,J=71.2Hz,1H),8.39(d,J=1.2Hz,1H),9.04(d,J=1.2Hz,1H).
【0164】
製造例5
(−)−[(4aR*,8aS*)−8a−(5−アミノ−2−トリフルオロメトキシフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
【化30】
製造例5は、製造例1−(2)で得た化合物を出発原料としている。
【0165】
製造例5−(1)、(2)は、製造例1−(3)、(4)に準じて合成した。
【0166】
(3)1−ベンゾイル−3−[(3S*,4R*)−4−ヒドロキシメチル−3−(2−トリフルオロメトキシフェニル)テトラヒドロピラン−3−イル]チオウレアの合成
前工程で得られた化合物(1.26g)のジクロロメタン(32.3ml)溶液に、室温にて、ベンゾイル イソチオシアネート(642μl)を加え2時間30分撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(1.67g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.29−1.34(m,1H),1.65−1.80(m,2H),3.57−3.91(m,4H),4.14−4.27(m,2H),7.20−7.30(m,3H),7.32−7.38(m,1H),7.50−7.57(m,2H),7.61−7.67(m,1H),7.86−7.92(m,1H),8.92(brs,1H).
【0167】
(4)N−[(4aR*,8aS*)−8a−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]ベンズアミドの合成
前工程で得た化合物(1.67g)のメタノール(25ml)溶液に、濃塩酸(635μl)を加え、90℃にて2時間10分加熱還流した。反応液を室温に戻し、減圧下濃縮した。残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾過し、濾液を減圧下濃縮して標記化合物(1.65g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.53−1.68(m,1H),2.22−2.35(m,1H),2.62−2.71(m,1H),2.91−2.99(m,1H),3.19−3.29(m,1H),3.62−3.78(m,2H),4.07−4.21(m,2H),7.28−7.36(m,2H),7.38−7.47(m,3H),7.48−7.57(m,2H),8.21−8.27(m,2H).
【0168】
(5)(4aR*,8aS*)−8a−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミンの合成
前工程で得た化合物(1.65g)のメタノール(100ml)溶液に、DBU(1.28ml)を加え、80℃にて8時間10分加熱還流した。反応液を室温に戻し、減圧下濃縮した。残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(870mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.40−1.50(m,1H),2.02−2.16(m,1H),2.61−2.70(m,1H),2.87−3.01(m,2H),3.60−3.75(m,2H),4.03−4.15(m,2H),4.51(brs,2H),7.21−7.34(m,3H),7.48−7.52(m,1H).
【0169】
製造例5−(6)、(7)、(8)は、製造例1−(7)、(8)に準じて合成した。
【0170】
(9)(−)−[(4aR*,8aS*)−8a−(5−アミノ−2−トリフルオロメトキシフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
前工程で得た化合物(12mg)をCHIRALPAKTM AD−H(移動相;ヘキサン:エタノール=8:2、流速10ml/分)で精製し、保持時間15〜20分の画分を集め標記化合物を得た。この操作を繰り返し、ラセミ体240mgから標記化合物(112mg;>99%ee)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.53(s,9H),1.54−1.60(m,1H),2.13−2.27(m,1H),2.51−2.60(m,1H),2.90−2.96(m,1H),3.03−3.12(m,1H),3.58−3.67(m,2H),3.80(brs,2H),4.05−4.17(m,2H),6.60(dd,J=8.8,2.8Hz,1H),6.67(d,J=2.8Hz,1H),7.06−7.11(m,1H).
【0171】
製造例6
(−)−[(4aR*,6S*,8aS*)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
【化31】
(1)4−(2,2−ジエトキシ−エトキシ)−1−ペンテンの合成
4−ペンテン−2−オール(1.8ml)のジメチルホルムアミド(40ml)溶液に、0℃にて60%水素化ナトリウム(916mg)を加え、30分撹拌した。室温に昇温させ、反応液にブロモアセトアルデヒド ジエチルアセタール(2.99ml)を加え5時間撹拌した。反応液に氷を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(1.95g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.15(d,J=5.6Hz,3H),1.22(t,J=6.8Hz,6H),2.13−2.23(m,1H),2.28−2.38(m,1H),3.43−3.64(m,5H),3.66−3.76(m,2H),4.59(t,J=5.2Hz,1H),5.01−5.10(m,2H),5.76−5.88(m,1H).
【0172】
(2)(1−メチル−3−ブテニルオキシ)アセトアルデヒド オキシムの合成
前工程で得た化合物(5.81g)を室温にて、蟻酸(30ml)と水(10ml)の混合溶液に溶解させ、6時間撹拌した。反応液に、硫酸ヒドロキシルアミン(4.42g)と酢酸ナトリウム(4.41g)を加え、室温にて14時間撹拌した。反応液に飽和塩化ナトリウム水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄したのち、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(2.95g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.17(d,J=6.0Hz,3H),2.15−2.25(m,1H),2.28−2.39(m,1H),3.47−3.60(m,1H),4.05−4.18(m,1H),4.30−4.44(m,1H),5.04−5.14(m,2H),5.74−5.88(m,1H),7.45−7.52(m,2H).
【0173】
製造例6−(3)、(4)、(5)は、製造例1−(2)、(3)、(4)に準じて合成した。
【0174】
製造例6−(6)、(7)、(8)は、製造例5−(3)、(4)、(5)に準じて合成した。
【0175】
製造例6−(9)、(10)、(11)は、製造例1−(7)、(8)に準じて合成した。
【0176】
(12)(−)−[(4aR*,6S*,8aS*)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
前工程で得た化合物(27mg)をCHIRALPAKTM AD−H(移動相;ヘキサン:エタノール=7:3、流速10ml/分)で精製し、保持時間16〜19分の画分を集め標記化合物を得た。この操作を繰り返し、ラセミ体540mgから標記化合物(228mg;>99%ee)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.28(d,J=6.0Hz,3H),1.53(s,9H),1.55−1.61(m,1H),1.80−1.93(m,1H),2.47−2.55(m,1H),2.93−3.01(m,1H),3.02−3.11(m,1H),3.59−3.82(m,4H),4.11−4.18(m,1H),6.54−6.62(m,2H),6.81−6.89(m,1H).
【0177】
製造例7
(−)−[(4aR*,6R*,8aS*)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
【化32】
(1)(R)−1−メトキシ−4−ペンテン−2−オールの合成
ヨウ化銅(630mg)をテトラヒドロフラン(200ml)に懸濁させ、−78℃にて、1.38Mビニルマグネシウムクロライド テトラヒドロフラン溶液(32.3ml)を加え、10分撹拌した。同温度にて、反応液に(R)−(−)グリシジルメチルエーテル(2ml)を加え、−78℃にて2時間25分、0℃にて25分撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。ヘキサン−酢酸エチル(1:1)の混合溶液、酢酸エチル、ジエチルエーテルの順番で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾過し、濾液を減圧下濃縮して標記化合物(2.60g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):2.21−2.30(m,3H),3.29(dd,J=9.6,7.7Hz,1H),3.39(s,3H),3.43(dd,J=9.6,3.1Hz,1H),3.81−3.90(m,1H),5.09−5.18(m,2H),5.78−5.91(m,1H).
【0178】
製造例7−(2)、(3)は、製造例6−(1)、(2)に準じて合成した。
【0179】
製造例7−(4)、(5)、(6)は、製造例1−(2)、(3)、(4)に準じて合成した。
【0180】
製造例7−(7)、(8)、(9)は製造例5−(3)、(4)、(5)に準じて合成した。
【0181】
製造例7−(10)、(11)、(12)は、製造例1−(7)、(8)に準じて合成した。
【0182】
(12)(−)−[(4aR*,6R*,8aS*)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.48−1.57(m,1H),1.53(s,9H),1.82−1.96(m,1H),2.49−2.56(m,1H),2.96−3.03(m,1H),3.04−3.13(m,1H),3.37−3.43(m,1H),3.41(s,3H),3.50−3.58(m,1H),3.65(brs,2H),3.70−3.77(m,1H),3.82−3.91(m,1H)4.13−4.20(m,1H),6.54−6.61(m,2H),6.82−6.89(m,1H).
【0183】
製造例8
[(4aS,5S,8aS)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−フルオロ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
【化33】
(1)(R)−1−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−3−ブテン−2−オールの合成
窒素雰囲気下、トリメチルスルホニウム ヨージド(32.4g)のテトラヒドロフラン(400mL)の懸濁液に、−20℃で、n−ブチルリチウム(58.2mL,2.64Mヘキサン溶液)を滴下した。反応液を同温で30分間撹拌した。反応液に、同温でtert−ブチルジメチルシリル(R)−(−)−グリシジル エーテル(10g)を滴下した。反応液を徐々に室温まで昇温しながら、3時間撹拌した。反応液に、塩化アンモニウム水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。有機層を飽和塩化ナトリウム水で2回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(9.6g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):0.08(s,6H),0.91(s,9H),2.56(d,J=3.6Hz,1H),3.45(dd,J=7.6,10.0Hz,1H),3.66(dd,J=4.0,10.0Hz,1H),4.14−4.20(m,1H),5.19(ddd,J=1.6,1.6,10.8Hz,1H),5.35(ddd,J=1.6,1.6,17.6Hz,1H),5.81(ddd,J=6.0,10.4,17.6Hz,1H).
【0184】
(2)tert−ブチル−((R)−2−メトキシメトキシ−3−ブテニルオキシ)ジメチルシランの合成
製造例8−(1)で得た化合物(9.6g)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(41.4mL)のジクロロメタン(200mL)溶液に、氷冷下、クロロメチル メチル エーテル(9.03mL)を滴下した。反応液を室温に昇温し、14時間撹拌した。反応液に、飽和塩化ナトリウム水を加え、有機層を分配した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(11.3g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):0.07(s,6H),0.89(s,9H),3.39(s,3H),3.60−3.70(m,2H),4.09−4.14(m,1H),4.64−4.72(m,2H),5.27(ddd,J=1.2,2.0,10.8Hz,1H),5.30(ddd,J=1.2,2.0,17.2Hz,1H),5.74(ddd,J=6.8,10.4,17.6Hz,1H).
【0185】
(3)(R)−2−メトキシメトキシ−3−ブテン−1−オールの合成
製造例8−(2)で得た化合物(11.3g)のテトラヒドロフラン(220mL)溶液に、テトラブチルアンモニウム フルオリド(55mL,1Mテトラヒドロフラン溶液)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に、飽和塩化ナトリウム水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。水層に酢酸エチルを加え、再度有機層を分配した。併せた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(4.15g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):2.37−2.41(m,1H),3.42(s,3H),3.58−3.64(m,2H),4.11−4.15(m,1H),4.65−4.4.75(m,2H),5.27−5・34(m,2H),5.75(ddd,J=6.4,10.0,17.2Hz,1H).
【0186】
(4)((R)−2−メトキシメトキシ−3−ブテニルオキシ)酢酸 エチルエステルの合成
製造例8−(3)で得た化合物(4.15g)の1−メチル−2−ピロリジノン(60mL)溶液に、氷冷下、水素化ナトリウム(2.5g)を加えた。反応液を同温で30分撹拌した。反応液に、ブロモ酢酸エチル(10.4mL)を滴下した。反応液を室温に昇温させ、同温で5時間撹拌した。反応液に、飽和塩化アンモニウム水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。有機層を塩化ナトリウム水で洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機層を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(4.77g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.24−1.31(m,3H),3.39(s,3H),3.59−3.69(m,2H),4.10−4.22(m,4H),4.23−4.32(m,1H),4.64−4.74(m,2H),5.28(ddd,J=1.2,1.2,9.6Hz,1H),5.35(ddd,J=1.6,1.6,16.8Hz,1H),5.78(ddd,J=6.8,10.4,17.2Hz,1H).
【0187】
(5)2−((R)−2−メトキシメトキシ−3−ブテニルオキシ)エタノールの合成
窒素雰囲気下、製造例8−(4)で得た化合物(4.77g)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液に、水素化リチウムアルミニウム(826mg)を加えた。同温で1時間撹拌した。反応液に、メタノールを滴下し、次いで水を滴下した。反応混合物中の不溶物をセライト上で濾別し、酢酸エチルで洗浄した。濾液に飽和塩化ナトリウム水を加え、有機層を分配した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(2.13g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):2.38(t,J=6.0Hz,1H),3.40(s,3H),3.56−3.67(m,4H),3.72−3.76(m,2H),4.26(q,J=6.0Hz,1H),4.63−4.74(m,2H),5.26−5.36(m,2H),5.76(ddd,J=6.8,10.4,15.6Hz,1H).
【0188】
(6)((R)−2−メトキシメトキシ−3−ブテニルオキシ)アセトアルデヒド オキシムの合成
窒素雰囲気下、オキサリルクロリド(633μL)のジクロロメタン(25mL)溶液に、−78℃で、ジメチルスルホキシド(605μL)のジクロロメタン(1mL)溶液を滴下した。反応液を同温で10分撹拌した。反応液に、同温で、製造例8−(5)で得た化合物(1g)のジクロロメタン(4mL)溶液を滴下した。同温で、反応液を45分撹拌した。反応液にトリエチルアミン(3.81mL)を加え、室温に昇温した。反応液を室温で1時間撹拌した。反応液に、飽和塩化アンモニウム水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。有機層を飽和塩化ナトリウム水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機層を減圧濃縮し、残渣にエタノール(20mL)と水(5mL)を加えた。反応液に、酢酸ナトリウム(1.12g)とヒドロキシルアミン硫酸塩(1.12g)を加え、室温で13時間撹拌した。反応液に酢酸エチルと飽和塩化ナトリウム水を加え、有機層を分配した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機層を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(900mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):3.39(s,1.5H),3.40(s,1.5H),3.54−3.58(m,2H),4.14−4.16(m,1H),4.22−4.29(m,1H),4.40−4.41(m,1H),4.62−4.74(m,2H),5.26−5.37(m,2H),5.71−5.81(m,1H),6.93(t,J=4.0Hz,0.5H),7.51(t,J=5.6Hz,0.5H).
【0189】
(7)〜(9)[(3S,4R,5R)−3−アミノ−3−(2−フルオロフェニル)−5−メトキシメトキシテトラヒドロピラン−4−イル]メタノールの合成
製造例1に準じて、製造例8−(6)で得た化合物(900mg)から標記化合物(1g)を得た。
ESI−MS;m/z 286[M+H].
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):2.15−2.19(m,1H),3.30−3.42(m,6H),3.75(dd,J=3.2,12.0Hz,1H),4.13−4.20(m,2H),4.30(dd,J=5.6,10.8Hz,1H),4.69−4.82(m,2H),7.07(ddd,J=1.6,8.4,12.8Hz,1H),7.20−7.24(m,1H),7.29−7.35(m,1H),7.60−7.65(m,1H).
【0190】
(10)1−ベンゾイル−3−[(3S,4R,5R)−3−(2−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシメチル−5−メトキシメトキシテトラヒドロピラン−3−イル]チオウレアの合成
製造例8−(9)で得た化合物(1g)のジクロロメタン(25mL)溶液に、ベンゾイル イソシアナート(667mg)を加え、室温で15時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(1.45g)を得た。
ESI−MS;m/z 471[M+Na].
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):2.30−2.50(brm,1H),3.0−3.2(brm,1H),3.38−3.48(m,1H),3.45(s,3H),3.60−4.05(m,3H),4.20−4.34(m,2H),4.77(s,2H),7.03−7.09(m,1H),7.15−7.20(m,1H),7.28−7・35(m,1H),7.49−7.54(m,3H),7.60−7.65(m,1H),7.86−7.90(m,2H),8.92(s,1H),11.7(s,1H).
【0191】
(11)N−[(4aS,5R,8aR)−8a−(2−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]ベンズアミドの合成
製造例8−(10)で得た化合物(1.45g)のメタノール(20mL)溶液に、濃塩酸(2mL)を加え、1時間加熱還流した。反応液を室温に戻し、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチルと炭酸水素ナトリウム水を加え、有機層を分配した。有機層を飽和塩化ナトリウム水で洗浄し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(895mg)を得た。
ESI−MS;m/z 387[M+H].
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):2.82(dd,J=4.0,12.8Hz,1H),2.97−3.02(m,1H),3.26−3.34(m,2H),3.72(d,J=12.0Hz,1H),3.87(dd,J=4.8,6.8Hz,1H),4.09−4.16(m,2H),7.08−7.14(m,1H),7.17−7.21(m,1H),7.32−7.39(m,2H),7.42−7.46(m,2H),7.49−7.54(m,1H),8.15−8.18(m,2H).
【0192】
(12)N−[(4aS,5S,8aS)−5−フルオロ−8a−(2−フルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]ベンズアミドの合成
製造例8−(11)で得た化合物(895mg)のジクロロメタン(25mL)溶液に、氷冷下、[ビス(2−メトキシエチル)アミノ]サルファー トリフルオリド(892μL)を滴下した。反応液を同温で2時間撹拌した。反応液に、炭酸水素ナトリウム水とクロロホルムを加え、有機層を分配した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機層を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(255mg)を得た。回収した原料(335mg)を再度、上記と同様の反応を行い、標記化合物(120mg)を得た。
ESI−MS;m/z 389[M+H].
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):2.88(dd,J=3.2,13.2Hz,1H),3.12−3.25(m,2H),3.56−3.62(m,1H),3.74−3.78(m,1H),4.18(d,J=12.0Hz,1H),4.32(dd,J=5.2,10.8Hz,1H),4.96−5.16(m,1H),7.10−7.16(m,1H),7.19−7.23(m,1H),7.34−7.47(m,4H),7.50−7.55(m,1H),8.14−8.24(m,2H).
【0193】
(13)(4aS,5S,8aS)−5−フルオロ−8a−(2−フルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミンの合成
製造例8−(12)で得た化合物(370mg)のメタノール(13mL)溶液に、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(312μL)を加え、8時間加熱還流した。反応液を室温に戻し、減圧下濃縮した。残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(262mg)を得た。
ESI−MS;m/z 285[M+H].
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):2.81(dd,J=3.6,12.4Hz,1H),2.95−3.02(m,1H),3.11−3.15(m,1H),3.49−3.56(m,1H),3.69−3.84(m,1H),4.08−4.12(m,1H),4.25(dd,J=5.6,10.8Hz,1H),4.50−4.65(brm,2H),4.80−4.98(m,1H),7.05(ddd,J=1.2,8.0,12.8Hz,1H),7.12−7.17(m,1H),7.27−7.34(m,2H).
【0194】
(14)〜(15)[(4aS,5S,8aS)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−フルオロ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
製造例1に準じて、製造例8−(13)で得た化合物(262mg)から、標記化合物(195mg)を得た。
ESI−MS;m/z 400[M+H].
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.52(s,9H),2.82−2.87(m,1H),3.02−3.10(m,2H),3.53(dd,J=4.0,10.4Hz,1H),3.64(brs,2H),3.65−3.68(m,1H),4.09(dd,J=1.6,11.6Hz,1H),4.26(dd,J=6.0,10.8Hz,1H),4.86−5.05(m,1H),6.49(dd,J=2.4,6.8Hz,1H),6.56−6.60(m,1H),6.88(dd,J=8.4,12.0Hz,1H).
【0195】
製造例9
(−)−[(4aR*,5R*,8aS*)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−メチルオクタヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステル及び(−)−[(4aR*,5S*,8aS*)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−メチルオクタヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
【化34】
(1)4−(2,2−ジメトキシエトキシ)−3−メチル−1−ブテンの合成
2−メチル−3−ブテン−1−オール(2g)のDMF(30mL)溶液に、氷冷下、水素化ナトリウム(60wt%、928mg)を加え、同温で30分間撹拌した。反応液に、同温で、ブロモアセトアルデヒドジメチルアセタール(5.45mL)を滴下した。反応液を徐々に室温に昇温しつつ、16時間撹拌した。反応液に、酢酸エチルと塩化ナトリウム水を加え、有機層を分配した。同スケールで同様の操作を行った。併せた有機層を飽和塩化ナトリウム水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機層を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(4.92g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.02(d,J=6.8Hz,3H),2.45−2.52(m,1H),3.32(dd,J=7.2,9.2Hz,1H),3.36−3.40(m,2H),3.40(s,6H),3.49(d,J=4.8Hz,1H),4.51(t,J=4.8Hz,1H),4.99−5.09(m,2H),5.77(ddd,J=17.2,10.8,6.4Hz,1H).
【0196】
(2)(2−メチル−3−ブテニルオキシ)アセトアルデヒド オキシムの合成
製造例9−(1)で得た化合物(4.92g)のギ酸/水(20mL/5mL)溶液を室温で16時間撹拌した。反応液に、エタノール(30mL)・水(10mL)・酢酸ナトリウム(4.63g)・ヒドロキシルアミン硫酸塩(4.63g)を加え、室温で8時間撹拌した。反応液に飽和塩化ナトリウム水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。有機層を再度、飽和塩化ナトリウム水で洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機層を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(1.57g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.02(d,J=7.2Hz,1.5H),1,04(d,J=6.4Hz,1.5H),2.44−2.51(m,1H),3.28−3.41(m,2H),4.09(d,J=6.4Hz,1H),4.33(d,J=3.6Hz,1H),5.01−5.11(m,2H),5.72−5.82(m,1H),6.90(t,J=3.6Hz,0.5H),7.45(brs,1H),7.49(t,J=6.4Hz,0.5Hz).
【0197】
(3)〜(7)(±)−N−[(4aR*,5S*,8aS*)−8a−(2−フルオロフェニル)−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]ベンズアミド及び(±)−N−[(4aR*,5R*,8aS*)−8a−(2−フルオロフェニル)−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]ベンズアミドの合成
製造例8に準じて、製造例9−(2)で得た化合物(1.57g)から、標記化合物の混合物(2.15g)を得た。
ESI−MS;m/z 385[M+H].
【0198】
(8)〜(9)(±)−N−[(4aR*,5S*,8aS*)−8a−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]ベンズアミド及び(±)−N−[(4aR*,5R*,8aS*)−8a−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]ベンズアミドの合成
製造例8に準じて、製造例9−(7)で得た化合物(2.15g)から、標記化合物(±)−N−[(4aR*,5S*,8aS*)−8a−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]ベンズアミド(440mg)と標記化合物(±)−N−[(4aR*,5R*,8aS*)−8a−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]ベンズアミド(1.37g)を得た。
ESI−MS;m/z 426[M+H].
【0199】
(10)(±)−[(4aR*,5S*,8aS*)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
製造例8に準じて、製造例9−(9)で得た(±)−N−[(4aR*,5S*,8aS*)−8a−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]ベンズアミド(440mg)から標記化合物(225mg)を得た。
ESI−MS;m/z 396[M+H].
【0200】
(11)(±)−[(4aR*,5R*,8aS*)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
製造例8に準じて、製造例9−(9)で得た(±)−N−[(4aR*,5R*,8aS*)−8a−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]ベンズアミド(1.37g)から標記化合物(953mg)を得た。
ESI−MS;m/z 396[M+H].
【0201】
(12)(−)−[(4aR*,5S*,8aS*)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
製造例9−(10)で得た化合物を、CHIRALPAKTM AD−H(移動相;エタノール,流速:10ml/分)で精製し、保持時間12.5−14.7分の画分を集め標記化合物を得た。同様の操作を繰り返し、原料(225mg)から標記化合物(100mg;>99%ee)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):0.92(d,J=6.8Hz,3H),1.45(s,9H),2.01−2.07(m,1H),2.78−2.83(m,2H),3.23−3.30(m,1H),3.39−3.44(m,1H),3.63−3.71(m,2H),4.12(d,J=12.8Hz,1H),6.56−6.60(m,1H),6.86(dd,J=8.8,11.6Hz,1H),7.05−7.07(m,1H).
ESI−MS;m/z 396[M+H].
【0202】
(13)(−)−[(4aR*,5R*,8aS*)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
製造例9−(11)で得た化合物を、CHIRALCELTM OJ−H(移動相;ヘキサン:エタノール 1:1,流速:10ml/分)で精製し、保持時間21.8−41.7分の画分を集め標記化合物を得た。同様の操作を繰り返し、原料(500mg)から標記化合物(230mg;>99%ee)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):0.92(d,J=6.4Hz,3H),1.52(s,9H),2.20−2.34(m,1H),2.56−2.60(m,1H),2.75−2.87(m,2H),3.28(t,J=11.6Hz,1H),3.65(brs,2H),3.67(d,J=12.0Hz,1H),3.96(dd,J=4.8,11.2Hz,1H),4.11(dd,J=1.6,12.0Hz,1H),6.54−6.60(m,2H),6.82−6.88(m,1H).
ESI−MS;m/z 396[M+H].
【0203】
製造例10
(−)−[(4aS*,5R*,8aS*)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−メトキシ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
【化35】
(1)1−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エトキシ]−3−ブテン−2−オールの合成
窒素雰囲気下、オキサリルクロリド(8.38mL)のジクロロメタン(470mL)溶液を−78℃に冷却した。反応液に、ジメチルスルホキシド(8.01mL)のジクロロメタン(10mL)溶液を同温で滴下した。反応液を同温で10分撹拌した。同温で、反応液に、2−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エトキシ]エタノール(25.9g)のジクロロメタン(20mL)溶液を滴下した。反応液を同温で30分撹拌した。同温で、反応液にトリエチルアミン(52.1mL)を加えた。反応液を徐々に室温に戻しながら、1時間撹拌した。反応液に、塩化アンモニウム水を加え、有機層を分配した。有機層を飽和塩化ナトリウム水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機層をシリカパッドに付し、濾液を濃縮した。残渣にテトラヒドロフラン(500mL)を加えた。窒素雰囲気下、反応液を−78℃に冷却した。反応液に、ビニルマグネシウムクロリド(148mL,1.38Mテトラヒドロフラン溶液)を同温で滴下した。反応液を撹拌しながら、6時間かけて室温まで昇温した。反応液に塩化アンモニウム水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。有機層を飽和塩化ナトリウム水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機層を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(10.03g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):0.08(s,6H),0.91(s,9H),2.82(d,J=3.2Hz,1H),3.38(dd,J=8.0,10.0Hz,1H),3.57−3.63(m,3H),3.78(t,J=5.2Hz,2H),4.29−4.36(m,1H),5.19(ddd,J=1.6,1.6,10.8Hz,1H),5.36(ddd,J=1.6,1.6,15.6Hz,1H),5.83(ddd,J=5.2,10.4,15.6Hz,1H).
【0204】
(2)tert−ブチル−[2−(2−メトキシ−3−ブテニルオキシ)エトキシ]ジメチルシランの合成
製造例10−(1)で得た化合物(2g)のDMF(20mL)溶液に、氷冷下、水素化ナトリウム(357mg、60wt%)を加え、同温で1時間撹拌した。反応液に、同温で、ヨウ化メチル(1.01mL)を加えた。反応液を同温で、1時間撹拌した。反応液に、塩化アンモニウム水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。有機層を飽和塩化ナトリウム水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機層を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(1.30g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):0.06(s,6H),0.89(s,9H),3.34(s,3H),3.49−3.76(m,4H),3.76−3.81(m,3H),5.25−5.33(m,2H),5.72(ddd,J=7.2,10.4,15.2Hz,1H).
【0205】
(3)2−(2−メトキシ−3−ブテニルオキシ)エタノールの合成
製造例10−(2)で得た化合物(1.3g)のテトラヒドロフラン(25mL)溶液に、氷冷下、テトラブチルアンモニウムフルオリド(7.47mL,1Mテトラヒドロフラン溶液)を滴下した。同温で反応液を10分撹拌した。反応液を室温に戻し、更に5時間撹拌した。反応液に、飽和塩化ナトリウム水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。水層に酢酸エチルを加え、有機層を分配した。有機層を合わせて、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機層を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(500mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):2.41(s,1H),3.35(s,3H),3.54−3.57(m,2H),3.61−3.64(m,2H),3.72−3.75(m,2H),3.79−3.84(m,1H),5.28−5.35(m,2H),5.71(ddd,J=7.6,10.4,15.6Hz,1H).
【0206】
(4)(2−メトキシ−3−ブテニルオキシ)アセトアルデヒド オキシムの合成
製造例8に準じて、製造例10−(3)で得た化合物(500mg)から、標記化合物(280mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):3.34(s,1.5H),3.35(s,1.5H),3.50−3.54(m,2H),3.78−3.84(m,1H),4.10−4.16(m,1H),4.40(d,J=4.0Hz,1H),5.28−5.36(m,2H),5.66−5.76(m,1H),6.94(t,J=3.2Hz,0.5H),7.51(t,J=5.2Hz,0.5H).
【0207】
(5)〜(12)(±)−[(4aS*,5R*,8aS*)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−メトキシ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
製造例9に準じて、製造例10−(4)で得た化合物(280mg)から、標記化合物(74mg)を得た。
ESI−MS;m/z 412[M+H].
【0208】
(13)(−)−[(4aS*,5R*,8aS*)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−5−メトキシ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
製造例10−(12)で得た化合物を、CHIRALCELTM OJ−H(移動相;ヘキサン:エタノール 1:1,流速:10ml/分)で精製し、保持時間18.6−22.0分の画分を集め標記化合物を得た。同様の操作を繰り返し、原料(70mg)から標記化合物(25mg;>99%ee)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.52(s,9H),2.77(dd,J=7.6,12.8Hz,1H),2.84−2.89(m,1H),3.10(dd,J=3.2,12.8Hz,1H),3.32(dd,J=10.4,10.4Hz,1H),3.48(s,3H),3.61−3.75(m,2H),4.08(dd,J=1.2,12.0Hz,1H),4.29(dd,J=4.8,10.8Hz,1H),6.53(dd,J=3.2,6.4Hz,1H),6.55−6.59(m,1H),6.86(dd,J=8.4,12.0Hz,1H).
ESI−MS;m/z 412[M+H].
【0209】
製造例11
(±)−[(2R*,4aR,8aS)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
【化36】
(1)〜(10)(±)−[(2R*,4aR,8aS)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
製造例9に準じて、トランス−3−ペンテン−1−オール(4.71g)から、標記化合物(384mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.18(d,J=7.2Hz,3H),1.53(s,9H),1.85−1.96(m,1H),2.80(ddd,J=4.0,4.0,12.0Hz,1H),3.22(qd,J=7.2,3.2Hz,1H),3.61−3.70(m,3H),4.05−4.17(m,2H),6.54−6.58(m,2H),6.83−6.88(m,1H).
ESI−MS;m/z 396[M+H].
【0210】
製造例12
5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボン酸の合成
【化37】
(1)t−ブチル 5−メチルピラジン−2−カルボキシラート合成
2−メチルピラジン−5−カルボン酸(1g)とtert−ブチル 2,2,2−トリクロロアセチミダート(4.75g)のテトラヒドロフラン(20mL)懸濁液に、氷冷下、ボロントリフルオリド・ジエチルエーテルコンプレックス(91.7μL)を滴下した。反応液を室温まで昇温し、2時間撹拌した。反応液に、飽和塩化ナトリウム水溶液と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、不溶物を濾別した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(1.4g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.65(s,9H),2.65(s,3H),8.57(d,J=1.2Hz,1H),9.10(d,J=1.6Hz,1H).
【0211】
(2)t−ブチル 5−((E)−2−ジメチルアミノビニル)ピラジン−2−カルボキシラートの合成
t−ブチル 5−メチルピラジン−2−カルボキシラート(1.35g)とN,N−ジメチルホルムアミド(25mL)とN,N−ジメチルホルムアミド ジメチルアセタール(25mL)の混合物を130℃で5時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈した。混合物を飽和塩化ナトリウム水溶液で3回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、不溶物を濾別した。濾液を濃縮し、残渣をカラムシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(648mg)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.63(s,9H),3.00(s,6H),5.16(d,J=12.8Hz,1H),7.72(d,J=12.8Hz,1H),8.16(d,J=1.2Hz,1H),8.81(d,J=1.6Hz,1H).
【0212】
(3)t−ブチル 5−ホルミルピラジン−2−カルボキシラートの合成
t−ブチル 5−((E)−2−ジメチルアミノ−ビニル)ピラジン−2−カルボキシラート(645mg)の50%テトラヒドロフラン−水(26mL)溶液に、過ヨウ素酸ナトリウム(1.67g)を加え、室温で4時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。不溶物を濾別し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物を(249mg)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.68(s,9H),9.25(d,J=1.2Hz,1H),9.36(d,J=1.6Hz,1H),10.2(s,1H).
【0213】
(4)t−ブチル 5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボキシラートの合成
窒素雰囲気下、t−ブチル 5−ホルミルピラジン−2−カルボキシラート(249mg)のジクロロメタン(12mL)溶液に、氷冷下、[ビス(2−メトキシエチル)アミノ]サルファートリフルオリド(662μL)を滴下した。反応液を徐々に室温に戻しながら2時間撹拌した。反応液に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。不溶物を濾別し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(175mg)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.67(s,9H),6.75(t,J=54.4Hz,1H),9.02(d,J=0.8Hz,1H),9.25(d,J=0.8Hz,1H).
【0214】
(5)5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボン酸の合成
t−ブチル 5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボキシラート(175mg)のジクロロメタン(1mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、室温で5時間撹拌した。反応液にエーテルと5規定水酸化ナトリウムを加えた。水層を分配し、5規定塩酸で酸性にした。水層に酢酸エチルを加え、有機層を分配した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、不溶物を濾別した。濾液を濃縮し、標記化合物(100mg)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):6.80(t,J=54.4Hz,1H),9.02(s,1H),9.47(s,1H).
【0215】
製造例13
(4aR,6R,8aS)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
【化38】
(1)(R)−1−ベンジルオキシ−4−ペンテン−2−オールの合成
(R)−ベンジルグリシジルエーテル(10.0g)のTHF(100ml)溶液にエーテル(100ml)およびヨウ化銅(I)(580mg)を加えた。−78度に冷却し、ビニルマグネシウムクロライド(1.38M、53.0ml)を滴下した。徐々に室温に昇温させながら一晩撹拌した。反応液に氷を加え、更に塩化アンモニウム水溶液を加えた。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を塩化アンモニウム水溶液で洗浄した。不溶物をセライト濾過で除き、溶媒を減圧留去して標記化合物(12.5g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.59(d,J=2.0Hz,1H),2.25−2.29(m,2H),3.38(dd,J=7.2,9.2Hz,1H),3.52(dd,J=3.2,9.2Hz,1H),3.86−3.91(m,1H),4.56(s,2H),5.08−5.15(m,2H),5.78−5.88(m,1H),7.28−7.38(m,5H).
【0216】
(2)[(R)−2−(2,2−ジエトキシエトキシ)−4−ペンテニルオキシメチル]ベンゼンの合成
(R)−1−ベンジルオキシ−4−ペンテン−2−オール(3.13g)をDMF(32ml)に溶解し、氷浴下で水素化ナトリウム(60%、0.91g)を加えた。同温で30分間撹拌した後、ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール(3.03ml)を加えた。室温に昇温し、2時間撹拌した後50度に昇温し1時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応液に氷を加えた。反応液を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物を得た。回収した原料を含む混合物を同一の条件で反応させた。同様の方法で精製し、標記化合物を得た。(総収量:5.00g)
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.20(t,J=7.2Hz,3H),1.21(t,J=7.2Hz,3H),2.31−2.34(m,2H),3.50(dd,J=1.2,5.2Hz,2H),3.53−3.71(m,7H),4.54(s,2H),4.60(t,J=5.2Hz,1H),5.02−5.11(m,2H),5.78−5.88(m,1H),7.25−7.35(m,5H).
【0217】
(3)(R)−1−ベンジルオキシメチル−3−ブテニルオキシ)アセトアルデヒドオキシムの合成
[(R)−2−(2,2−ジエトキシエトキシ)−4−ペンテニルオキシメチル]ベンゼン(20.0g)をギ酸(160ml)および水(40ml)に溶解し、室温で30分間撹拌した。次いで水(161ml)およびエタノール(400ml)を加えた後、硫酸ヒドロキシルアミン(6.38g)と酢酸ナトリウム(8.82g)を加え室温で一晩撹拌した。反応液に水を加え、不溶物を溶解させた後、余剰のエタノールを減圧留去した。水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(13.7g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):2.30−2.35(m,2H),3.47−3.62(m,3H),4.17−4.27(m,1H),4.46−4.47(m,1H),4.55(d,J=4.4Hz,2H),5.04−5.11(m,2H),5.74−5.85(m,1H),6.94(t,J=3.6Hz,0.35H),7.28−7.37(m,5H),7.50(t,J=6.0Hz,0.65Hz).
【0218】
(4)(3aR,5R)−5−ベンジルオキシメチル−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c]イソオキサゾールの合成
(R)−1−ベンジルオキシメチル−3−ブテニルオキシ)アセトアルデヒドオキシム(13.7g)をジクロロメタン(164ml)に溶解した。氷浴下5%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(164ml)を滴下し、同温で2時間撹拌した。反応液を水で希釈し、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(12.2g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.52−1.61(m,1H),2.19(ddd,J=0.8,6.8,14.4Hz,1H),3.43−3.50(m,2H),3.56(dd,J=6.4,10.0Hz,1H),3.69−3.75(m,1H),3.79(dd,J=8.0,12.0Hz,1H),4.21(dd,J=1.6Hz,13.6Hz,1H),4.54−4.64(m,3H),4.77(d,J=13.2Hz,1H),7.30−7.38(m,5H).
【0219】
(5)(3aR,5R,7aS)−5−ベンジルオキシメチル−7a−(2−フルオロフェニル)ヘキサヒドロピラノ[3,4−c]イソオキサゾールの合成
2−ブロモフルオロベンゼン(3.11g)にトルエン(100ml)およびTHF(10ml)を加えた。反応液を−78度に冷却し、n−ブチルリチウム(2.63M,6.15ml)を滴下した。同温で1時間撹拌した後、(3aR,5R)−5−ベンジルオキシメチル−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c]イソオキサゾール(2.00g)のトルエン(20ml)およびTHF(2ml)の混合溶液と、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(2.03ml)を同時に滴下した。同温で2時間撹拌した後、塩化アンモニウム水溶液を反応液に加えた。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(2.29g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.51−1.60(m,1H),1.81−1.88(m,1H),3.10−3.18(m,1H),3.49(dd,J=4.0,10.4Hz,1H),3.54−3.58(m,2H),3.70(d,J=7.6Hz,1H),3.88(d,J=12.4Hz,2H),4.19(dd,J=2.0,12.4Hz,1H),4.57(d,J=12.0,1H),4.63(d,J=12.0,1H),6.30(s,1H),7.03(ddd,J=1.2,8.0,12.4Hz,1H),7.16(dt,J=1.2,8.0Hz,1H),7.23−7.37(m,6H),7.93(dt,J=1.6,8.0Hz,1H).
【0220】
(6)[(2R,4R,5S)−5−アミノ−2−ベンジルオキシメチル−5−(2−フルオロフェニル)テトラヒドロピラン−4−イル]メタノールの合成
(3aR,5R,7aS)−5−ベンジルオキシメチル−7a−(2−フルオロフェニル)ヘキサヒドロピラノ[3,4−c]イソオキサゾール(2.29g)の酢酸(50ml)溶液に亜鉛粉(4.36g)を加え、室温で一晩撹拌した。不溶物をセライト濾過で除き、溶媒を減圧留去した。残渣に氷を加え、5規定水酸化ナトリウム水溶液で中和した。水層をジクロロメタンで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(2.08g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.61−1.67(m,1H),1.98−2.08(m,1H),2.30−2.35(m,1H),3.33(dd,J=2.8,11.2Hz,1H),3.44(d,J=11.2Hz,1H),3.53−3.57(m,2H),3.62(dd,J=6.8,10.4Hz,1H),3.86−3.90(m,1H),4.27(dd,J=2.4,11.2Hz,1H),4.59(d,J=12.0Hz,1H),4.66(d,J=12.0Hz,1H),7.06(ddd,J=1.6,8.0Hz,13.2Hz,1H),7.20(dt,J=1.2,7.6Hz,1H),7.26−7.39(m,6H),7.63(dt,J=1.6,7.6Hz,1H).
【0221】
(7)(4aR,6R,8aS)−6−ベンジルオキシメチル−8a−(2−フルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミンの合成
[(2R,4R,5S)−5−アミノ−2−ベンジルオキシメチル−5−(2−フルオロフェニル)テトラヒドロピラン−4−イル]メタノール(2.08g)のジクロロメタン(30ml)にベンゾイル イソチオシアナート(893μl)を滴下した。反応液を室温で3時間撹拌した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた中間体のメタノール(40ml)溶液に、濃塩酸を数滴加え5時間加熱還流した。反応液を室温に戻した後、溶媒を減圧留去した。残渣をメタノール(40ml)に溶解し、DBU(2ml)を加え5時間加熱還流した。溶媒を減圧留去し、残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(1.61g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.51(ddd,J=2.4,3.6,13.2Hz,1H),1.74−1.84(m,1H),2.55−2.60(m,1H),2.92−2.98(m,2H),3.47(dd,J=4.4,9.6Hz,1H),3.62(dd,J=6.4,10.0Hz,1H),3.83(d,J=10.8Hz,1H),3.87−3.93(m,1H),4.17(dd,J=2.4,11.2Hz,1H),4.51(brs,2H),4.56(d,J=12.0Hz,1H),4.63(d,J=12.0Hz,1H),7.02(ddd,J=1.6,8.0,12.8Hz,1H),7.12(dt,J=1.6,7.6Hz,1H),7.22−7.37(m,7H).
【0222】
(8)(4aR,6R,8aS)−2−アミノ−8a−(2−フルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−6−イル]メタノールの合成
(4aR,6R,8aS)−6−ベンジルオキシメチル−8a−(2−フルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミン(1.26g)に濃塩酸(25.2ml)を加え2時間加熱還流した。反応液を室温に冷却した後、反応混合物を氷に注いだ。5規定水酸化ナトリウムで中和し、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、残渣の固体をヘプタン−エーテル混合溶媒で洗浄して標記化合物(890mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.40(ddd,J=2.0,6.0,12.8Hz,1H),1.81−1.90(m,1H),2.59(dd,J=4.4,14.0Hz,1H),2.95−2.99(m,2H),3.61−3.69(m,2H),3.69−3.81(m,1H),3.83(d,J=11.2Hz,1H),4.17(dd,J=2.0,13.2Hz,1H),7.03(ddd,J=1.2,8.4,13.2Hz,1H),7.13(dt,J=1.6,7.6Hz,1H),7.24−7.29(m,1H),7.35(dt,J=1.6,8.0Hz,1H).
【0223】
(9)[(4aR,6R,8aS)−2−アミノ−8a−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−6−イル]メタノールの合成
(4aR,6R,8aS)−2−アミノ−8a−(2−フルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−6−イル]メタノール(700mg)のTFA(5ml)溶液に氷浴下、濃硫酸(2.5ml)を滴下した。次いで同温で発煙硝酸(比重1.52、103μl)を滴下し、1時間撹拌した。反応混合物を氷に注ぎ、5規定水酸化ナトリウム水溶液を加え塩基性とし、室温で2時間撹拌した。水層をジクロロメタンで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧下留去し、標記化合物(1.0g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.46(ddd,J=2.4,4.0,13.2Hz,1H),1.84−1.94(m,1H),2.66(dd,J=2.4,12.4Hz,1H),2.93(dd,J=4.4,12.4Hz,1H),2.96−3.02(m,1H),3.63−3.71(m,2H),3.76−3.82(m,1H),3.86(d,J=11.2Hz,1H),4.11(dd,J=2.8,10.4Hz,1H),7.21(dd,J=8.8,10.8Hz,1H),8.19(ddd,J=3.2,4.0,8.8Hz,1H),8.30(dd,J=3.2,6.8Hz,1H).
【0224】
(10)[(4aR,6R,8aS)−8a−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−6−ヒドロキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
[(4aR,6R,8aS)−2−アミノ−8a−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−6−イル]メタノール(1.0g)のTHF(100ml)溶液にトリエチルアミン(1ml)を加えた。次いでジ−tert−ブチル ジカーボネート(1.28g)を加え室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧留去し、残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(1.05g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.47−1.54(m,1H),1.86−1.97(m,1H),2.59(dd,J=2.8,12.8Hz,1H),2.86(dd,J=3.6,12.8Hz,1H),3.04−3.08(m,1H),3.67(d,J=6.0Hz,2H),3.76−3.82(m,1H),3.83(d,J=11.6Hz,1H),4.09(dd,J=2.4,11.2Hz,1H),7.22−7.25(m,1H),8.20−8.24(m,2H).
【0225】
(11)[(4aR,6R,8aS)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
[(4aR,6R,8aS)−8a−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−6−ヒドロキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステル(120mg)のエタノール(20ml)溶液に鉄粉(121mg)および飽和塩化アンモニウム水溶液(1ml)を加えた。反応液を40分間加熱還流した後、室温まで冷却した。不溶物をセライトで濾過し、濾液を減圧留去した。残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(67mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.47−1.54(m,1H),1.53(s,9H),1.86−1.96(m,1H),2.53(dd,2.8,12.8Hz,1H),2.99(dd,J=4.0,12.4Hz,1H),3.07−3.11(m,1H),3.65−3.81(m,4H),4.18(dd,J=1.2,12.0Hz,1H),6.56−6.60(m,2H),6.84−6.89(m,1H).
【0226】
製造例14
(+)−[(4aR*,6R*,8aS*)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
【化39】
(1)(±)−(3aR*,5R*)−5−トリフルオロメチル−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c]イソオキサゾールの合成
製造例6の方法に準じ、1,1,1−トリフルオロ−4−ペンテン−2−オール(10.0g)から標記化合物(6.6g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.80(dd,J=11.6,24.4Hz,1H),2.40(ddd,J=2.0,6.4,12.8Hz,1H),3.52(ddd,J=6.4,10.8,22.0Hz,1H),3.85−3.96(m,2H),4.30(dd,J=1.2,13.6Hz,1H),4.69(dd,J=8.4,10.4Hz,1H),4.88(d,J=13.2Hz,1H).
【0227】
(2)(±)−[(4aR*,6R*,8aS*)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
製造例6の方法に準じ、(±)−(3aR*,5R*)−5−トリフルオロメチル−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c]イソオキサゾール(2.00g)から標記化合物(1.54g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.53(s,9H),1.74−1.79(m,1H),2.50−2.20(m,1H),2.57(dd,J=2.8,12.4Hz,1H),2.99−3.07(m,2H),3.66(s,2H),3.85(d,J=11.6Hz,1H),4.03−4.06(m,1H),4.17(d,J=12.0Hz,1H),6.53−6.60(m,2H),6.86(dd,J=8.8,12.0Hz,1H).
【0228】
(3)(+)−[(4aR*,6R*,8aS*)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
(±)−[(4aR*,6R*,8aS*)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステル(25mg)をCHIRALPAKTM AD−H(移動相;ヘキサン:エタノール=81:19,流速:10ml/分)で精製した。保持時間17.7分から22.6分の画分を集め標記化合物を得た。同様の操作を繰り返すことにより、ラセミ体(1.45g)から、標記化合物(580mg;>99%ee)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.53(s,9H),1.74−1.79(m,1H),2.50−2.20(m,1H),2.57(dd,J=2.8,12.4Hz,1H),2.99−3.07(m,2H),3.66(s,2H),3.85(d,J=11.6Hz,1H),4.03−4.06(m,1H),4.17(d,J=12.0Hz,1H),6.53−6.60(m,2H),6.86(dd,J=8.8,12.0Hz,1H).
【0229】
製造例15
[(4aR,6R,8aS)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−フルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
【化40】
(1)[(4aR,6R,8aS)−8a−(5−ニトロ−2−フルオロフェニル)−6−フルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
製造例13で得られた[(4aR,6R,8aS)−8a−(5−ニトロ−2−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステル(575mg)のジクロロメタン(55ml)溶液に、−78度にて[ビス(2−メトキシエチル)アミノ]サルファー トリフルオリド(285μl)を滴下した。徐々に室温まで昇温させながら一晩撹拌した。反応液に重曹水を加え、水層をクロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで標記化合物(240mg)を得た。
ESI−MS m/z 444[M+H]
【0230】
(2)[(4aR,6R,8aS)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−6−フルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
製造例13に準じ、[(4aR,6R,8aS)−8a−(5−ニトロ−2−フルオロフェニル)−6−フルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステル(39mg)から標記化合物(26mg)を得た。
ESI−MS m/z 414[M+H]
【0231】
製造例16
(±)−N,N−ジ(tert−ブチルオキシカルボニル)−[(4aR*,6R*,8aS*)−8a−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミンの合成
【化41】
(1)(±)−(3aR*,5R*,7aS*)−7a−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチル−ヘキサヒドロピラノ[3,4−c]イソオキサゾールの合成
製造例1−(3)の方法に準じ、製造例14で得られる(±)−(3aR*、5R*)−5−トリフルオロメチル−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c]イソオキサゾール(300mg)と1,3−ジブロモ−4−フルオロベンゼン(855mg)から、標記化合物(484mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.74−1.83(m,1H),2.04−2.10(m,1H),3.12−3.18(m,1H),3.64(dd,J=5.2,8.0Hz,1H),3.79(d,J=7.6Hz,1H),3.94−4.05(m,2H),4.15(dd,J=2.0,8.0Hz,1H),6.22(s,1H),6.96(dd,J=8.4,11.6Hz,1H),7.43(ddd,J=2.8,4.4,8.4Hz,1H),8.09(dd,J=2.4,6.8Hz,1H).
【0232】
(2)(±)−[(2R*,4R*,5S*)−5−アミノ−5−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2−トリフルオロメチル−テトラヒドロピラン−4−イル]メタノールの合成
製造例1−(4)に準じ、(±)−(3aR*,5R*,7aS*)−7a−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−5−トリフルオロメチルヘキサヒドロピラノ[3,4−c]イソオキサゾール(484mg)から標記化合物(390mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.86−1.92(m,1H),2.19−2.30(m,1H),2.37−2.42(m,1H),3.41(dd,J=3.2,11.6Hz,1H),3.51(d,J=12.4Hz,1H),3.43(dd,J=3.2,12.0Hz,1H),4.00−4.05(m,1H),4.23(dd,J=2.0,11.2Hz,1H),6.97(dd,J=8.4,12.0Hz,1H),7.45(ddd,J=2.4,4.4,8.8Hz,1H),7.84(dd,J=2.4,6.8Hz,1H).
【0233】
(3)(±)−N,N−ジ(tert−ブチルオキシカルボニル)−[(4aR*,6R*,8aS*)−8a−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミンの合成
(±)−[(2R*,4R*,5S*)−5−アミノ−5−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2−トリフルオロメチルテトラヒドロピラン−4−イル]メタノール(390mg)のジクロロメタン(10ml)溶液にベンゾイルイソチオシアネート(156μl)を加え室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。得られた中間体をメタノール(50ml)に溶解し、濃塩酸(1.0ml)を加え5時間過熱還流した。反応が完結したら室温に戻し、溶媒を減圧留去した。残渣にメタノール(50ml)およびDBU(500μl)を加え、4時間過熱還流した。反応が完結したら室温に戻し、溶媒を減圧留去した。残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた中間体をTHF(10ml)に溶解し、ジ−tert−ブチル ジカーボネート(458mg)およびDMAP(385mg)を加え室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(138mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.55(s,18H),1.71−1.75(m,1H),2.29(ddd,J=3.2,12.0,24.8Hz,1H),2.73(dd,J=2.8,12.8Hz,1H),3.04−3.13(m,2H),4.00−4.13(m,3H),6.94(dd,J=8.8,12.4Hz,1H),7.41(ddd,J=2.4,4.4,8.8Hz,1H),7.82(dd,J=2.8,7.2Hz,1H).
【0234】
製造例17
N,N−ジ(tert−ブチルオキシカルボニル)−[(4aR,6R,8aS)−8a−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−6−フルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミンの合成
【化42】
(1)(3aR,5R,7aS)−5−ベンジルオキシメチル−7a−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)ヘキサヒドロピラノ[3,4−c]イソオキサゾールの合成
1,3−ジブロモ−4−フルオロベンゼン(4.31g)のトルエン(100ml)溶液にTHF(10ml)を加えた。−78度に冷却しn−ブチルリチウム(2.63M,6.15ml)を滴下した。同温で1時間撹拌した後、製造例13−(4)で得られる(3aR,5R)−5−ベンジルオキシメチル−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c]イソオキサゾール(2.00g)のトルエン−THF(10:1)溶液(20ml)と三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(2.03ml)を同時に滴下した。同温で2時間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止させた。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(2.74g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.47−1.57(m,1H),1.85(ddd,J=1.6,6.8,14.0Hz,1H),3.07−3.12(m,1H),3.47−3.59(m,3H),3.72(d,J=7.6Hz,1H),3.82−3.88(m,2H),4.11(dd,J=2.0,13.2Hz,1H),4.56(d,J=12.0Hz,1H),4.63(d,J=12.0Hz,1H),6.26(s,1H),6.92(dd,J=8.4,10.0Hz,1H),7.30−7.41(m,6H),8.09(dd,J=2.4,6.8Hz,1H).
【0235】
(2)[(2R,4R,5S)−5−アミノ−2−ベンジルオキシメチル−5−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)テトラヒドロピラン−4−イル]メタノールの合成
(3aR,5R,7aS)−5−ベンジルオキシメチル−7a−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)ヘキサヒドロピラノ[3,4−c]イソオキサゾール(2.74g)の酢酸(40ml)溶液に亜鉛粉(4.24g)を加えた。室温で一晩撹拌した後不溶物をセライト濾過で除いた。溶媒を減圧留去し、残渣に氷を加え5規定水酸化ナトリウム水溶液で中和した。水層をジクロロメタンで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(2.22g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.63−1.67(m,1H),1.95−2.05(m,1H),2.31−2.34(m,1H),3.35(dd,J=3.2,11.6Hz,1H),3.48(d,J=11.2Hz,1H),3.53−3.64(m,3H),3.83−3.87(m,1H),4.21(dd,J=2.0,11.2Hz,1H),4.57−4.67(m,2H),6.95(dd,J=9.2,12.0Hz,1H),7.24−7.37(m,5H),7.41(ddd,J=2.8,4.4,9.2Hz,1H),7.80(dd,J=2.4,6.8Hz,1H).
【0236】
(3)(4aR,6R,8aS)−6−ベンジルオキシメチル−8a−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザ−ナフタレン−2−イルアミンの合成
[(2R,4R,5S)−5−アミノ−2−ベンジルオキシメチル−5−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)テトラヒドロピラン−4−イル]メタノール(2.22g)をジクロロメタン(30ml)に溶解し、ベンゾイルイソチオシアネート(776μl)を加えた。室温で5時間撹拌した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで中間体を得た。得られた中間体をメタノール(50ml)に溶解し、濃塩酸(2ml)を加えた。6時間過熱還流した後、室温まで冷却し溶媒を減圧留去した。残渣にメタノール(30ml)およびDBU(2ml)を加え、3時間過熱還流した。室温まで冷却し、溶媒を減圧留去した。残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(2.30g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.50−1.54(m,1H),1.74−1.77(m,1H),2.58−2.60(m,1H),2.90−2.99(m,2H),3.46(dd,J=4.4,10.0Hz,1H),3.62(dd,J=6.4,10.0Hz,1H),3.80(d,J=10.8Hz,1H),3.85−3.90(m,1H),4.08−4.11(m,1H),4.54−4.64(m,2H),6.91(dd,J=8.4,12.0Hz,1H),7.27−7.38(m,6H),7.45(dd,J=2.4,6.8Hz,1H).
【0237】
(4)[(4aR,6R,8aS)−8a−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
(4aR,6R,8aS)−6−ベンジルオキシメチル−8a−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミン(2.20g)に濃塩酸(20ml)を加え、2時間過熱還流した。室温に戻し、反応混合物に氷を加えた。5規定水酸化ナトリウムで中和し、生じた固体をグラスフィルターで回収した。固体を減圧乾燥した後、THF(138ml)に溶解した。トリエチルアミン(5.0ml)およびジ−tert−ブチルジカーボネート(2.06g)を加え、室温で6時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(1.24g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.53(s,9H),1.56−1.59(m,1H),1.85−1.94(m,1H),2.55(dd,J=2.8,12.8Hz,1H),2.93(dd,J=4.0,13.2Hz,1H),3.00−3.10(m,1H),3.65−3.66(m,2H),3.77−3.80(m,2H),4.09−4.13(m,1H),6.97(dd,J=8.4,12.0Hz,1H),7.38−7.45(m,2H).
【0238】
(5)[(4aR,6R,8aS)−8a−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−6−フルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
[(4aR,6R,8aS)−8a−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステル(200mg)のジクロロメタン(5.0ml)溶液に−78度で[ビス(2−メトキシエチル)アミノ]サルファートリフルオライド(155μl)を滴下した。徐々に室温まで昇温させながら一晩撹拌した。反応混合物に重曹水を加え反応を停止させた。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(145mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.53(s,9H),1.57−1.60(m,1H),1.87−1.96(m,1H),2.56(dd,J=3.2,12.8Hz,1H),2.94(dd,J=4.0,12.8Hz,1H),3.04−3.07(m,1H),3.79(d,J=11.6Hz,1H),3.92−3.97(m,1H),4.10−4.13(m,1H),4.34−4.54(m,2H),6.97(dd,J=8.4,11.6Hz,1H),7.37−7.44(m,2H).
【0239】
(6)N,N−ジ(tert−ブチルオキシカルボニル)−[(4aR,6R,8aS)−8a−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−6−フルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミンの合成
[(4aR,6R,8aS)−8a−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−6−フルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステル(135mg)のTHF(30ml)溶液にジ−tert−ブチル ジカーボネート(185mg)およびDMAP(69.1mg)を加えた。室温で2時間撹拌した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(121mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.55−1.56(m,19H),1.95−2.05(m,1H),2.69(dd,J=2.8,12.8Hz,1H),3.05−3.12(m,2H),3.92−4.00(m,1H),4.01(d,J=10.8Hz,1H),4.09(dd,J=2.4,11.6Hz,1H),4.30−4.58(m,2H),6.93(dd,J=8.4,12.0Hz,1H),7.39(ddd,J=2.4,4.4,8.8Hz,1H),7.80(dd,J=2.8,7.6Hz,1H).
【0240】
製造例18
(±)−N−ベンゾイル−N−(tert−ブチルオキシカルボニル)−[(4aR*,8aS*)−8a−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミンの合成
【化43】
(1)(±)−(3aR*,7aS*)−7a−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−ヘキサヒドロピラノ[3,4−c]イソオキサゾールの合成
1,3−ジブロモ−4−フルオロベンゼン(837mg)をトルエン−THF(10:1)混合物(15ml)に溶解させた。−78度に冷却し、n−ブチルリチウム(2.64M、1.19ml)を滴下した。同温で1時間撹拌後、製造例1−(2)で得た(±)−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c]イソオキサゾール(200mg)のトルエン−THF(10:1)溶液(5.0ml)と三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(394μl)を同時に滴下した。同温で3時間撹拌した後、塩化アンモニウム水溶液で反応を停止させた。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(365mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.76−1.91(m,2H),3.03−3.08(m,1H),3.61−3.77(m,4H),4.00−4.06(m,2H),6.28(s,1H),6.93(dd,J=8.8,11.6Hz,1H),7.37−7.41(m,1H),8.09(dd,J=2.4,6.8Hz,1H).
【0241】
(2)(±)−N−[(4aR*,8aS*)−8a−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]ベンズアミドの合成
(±)−(3aR*,7aS*)−7a−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)ヘキサヒドロピラノ[3,4−c]イソオキサゾール(350mg)の酢酸(6.73ml)溶液に亜鉛粉(759mg)を加えた。室温で一晩撹拌した後、不溶物をセライト濾過で除いた。溶媒を減圧留去し、得られた残渣を氷浴下5規定水酸化ナトリウムで中和した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して中間体(300mg)を得た。得られた中間体のジクロロメタン(10ml)溶液にベンゾイルイソチオシアネート(133μl)を加え室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣にメタノール(10ml)および濃塩酸(数滴)加え2時間過熱還流した。室温に戻し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣に重曹水を加え中和し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(211mg)を得た。
ESI−MS m/z 449[M+H]
【0242】
(3)(±)−N−ベンゾイル−N−(tert−ブチルオキシカルボニル)−[(4aR*,8aS*)−8a−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミンの合成
(±)−N−[(4aR*,8aS*)−8a−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]ベンズアミド(211mg)のTHF(10ml)溶液にDMAP(86.1mg)およびジ−tert−ブチル ジカーボネート(123mg)を加えた。室温で一晩撹拌した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(229mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.34(s,9H),1.37−1.49(m,1H),2.18−2.27(m,1H),2.70(dd,J=2.8,12.8Hz,1H),2.93−2.98(m,1H),3.08(dd,J=3.6,12.8Hz,1H),3.62−3.67(m,1H),3.66(d,J=10.8Hz,1H),4.06−4.08(m,2H),6.94(dd,J=8.4,12.0Hz,1H),7.38−7.47(m,3H),7.52−7.56(m,1H),7.75−7.78(m,2H),7.93(dd,J=2.4,6.8Hz,1H).
【0243】
製造例19
(+)−N,N−ジ(tert−ブチルオキシカルボニル)−[(4aR*,8aS*)−8a−(4−アミノチオフェン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミンの合成
【化44】
(1)(±)−(3aR*,7aS*)−7a−(4−ブロモチオフェン−2−イル)−ヘキサヒドロピラノ[3,4−c]イソオキサゾールの合成
2,4−ジブロモチオフェン(2.00g)のトルエン−THF(10:1)溶液(22ml)に、−78度でn−ブチルリチウム(2.63M、2.99ml)を滴下した。同温で1時間撹拌した後、製造例1−(2)で得た(±)−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c]イソオキサゾール(500mg)のトルエン−THF(10:1)溶液(10ml)と三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(990μl)を同時に滴下した。同温で2時間撹拌した後、塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止させた。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(700mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.74−1.92(m,2H),2.82−2.87(m,1H),3.58−4.03(m,6H),6.96(d,J=1.6H,1H),7.16(d,J=1.6Hz,1H).
【0244】
(2)(±)−(4aR*,8aS*)−8a−(4−ブロモチオフェン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミンの合成
(±)−(3aR*,7aS*)−7a−(4−ブロモチオフェン−2−イル)−ヘキサヒドロピラノ[3,4−c]イソオキサゾール(700mg)の酢酸(20ml)溶液に亜鉛粉(1.58g)を加えた。室温で一晩撹拌した後不溶物をセライト濾過で除いた。溶媒を減圧留去し、残渣に氷および5規定水酸化ナトリウムを加えて中和した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた中間体をジクロロメタン(20ml)に溶解し、ベンゾイルイソチオシアネート(324μl)を加えた。室温で一晩撹拌した後溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた中間体をメタノール(20ml)に溶解し、濃塩酸(数滴)を加えた。6時間過熱還流した後、室温まで冷却し溶媒を減圧留去した。残渣をメタノール(20ml)に溶解し、DBU(1.00ml)を加え8時間過熱還流した。溶媒を減圧留去し、残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(770mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.45−1.48(m,1H),2.14(ddd,J=4.8,12.4,26.0Hz,1H),2.24−2.30(m,1H),2.62(dd,J=3.2,12.4Hz,1H),3.26(dd,J=3.6,12.4Hz,1H),3.54(d,J=11.6Hz,1H),3.57−3.64(m,1H),3.91(d,J=11.2Hz,1H),4.08−4.12(m,1H),6.76(d,J=1.2Hz,1H),7.12(d,J=1.2Hz,1H).
【0245】
(3)(±)−N,N−ジ(tert−ブチルオキシカルボニル)−[(4aR*,8aS*)−8a−(4−ブロモチオフェン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミンの合成
(±)−(4aR*,8aS*)−8a−(4−ブロモチオフェン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミン(770mg)のTHF(10ml)溶液にDMAP(847mg)およびジ−tert−ブチル ジカーボネート(1.51g)を加えた。室温で3時間撹拌した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(1.07g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.50−1.51(m,1H),1.53(s,18H),2.24(ddd,J=4.4,12.4,25.2Hz,1H),2.33−2.38(m,1H),2.68(dd,J=3.2,12.8Hz,1H),3.33(dd,J=3.6,13.2Hz,1H),3.56−3.63(m,2H),4.04(dd,J=4.4,11.6Hz,1H),4.11(d,J=11.6Hz,1H),6.54(d,J=1.6Hz,1H),7.16(d,J=1.6Hz,1H).
【0246】
(4)(±)−N,N−ジ(tert−ブチルオキシカルボニル)−[(4aR*,8aR*)−8a−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−チオフェン−2−イル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミンの合成
(±)−N,N−ジ(tert−ブチルオキシカルボニル)−[(4aR*,8aS*)−8a−(4−ブロモチオフェン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミン(900mg)のDMF(46.9ml)溶液にビス(ピナコラート)ジボロン(2.15g)、酢酸カリウム(663mg)および1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロロメタン錯体(138mg)を加えた。窒素置換し、80度で6時間撹拌した。室温に戻し、酢酸エチル希釈した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(790mg)を得た。
ESI−MS m/z 581[M+H]
【0247】
(5)(±)−N,N−ジ(tert−ブチルオキシカルボニル)−[(4aR*,8aR*)−8a−(4−アジドチオフェン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミンの合成
(±)−N,N−ジ(tert−ブチルオキシカルボニル)−[(4aR*,8aR*)−8a−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−チオフェン−2−イル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミン(790mg)のメタノール(88ml)にアジ化ナトリウム(177mg)および酢酸銅(II)(99.2mg)を加えた。室温で一晩撹拌した後、余剰のメタノールを減圧留去した。残渣に塩化アンモニウム水溶液を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(503mg)を得た。
ESI−MS m/z 518[M+H]
【0248】
(6)(±)−N,N−ジ(tert−ブチルオキシカルボニル)−[(4aR*,8aS*)−8a−(4−アミノチオフェン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミンの合成
(±)−N,N−ジ(tert−ブチルオキシカルボニル)−[(4aR*,8aR*)−8a−(4−アジドチオフェン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミン(503mg)のメタノール(76.2ml)溶液に亜鉛粉(133mg)およびギ酸アンモニウム(320mg)を加えた。室温で一晩撹拌した後室温以下で溶媒を減圧留去した。残渣に水を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(325mg)を得た。
ESI−MS m/z 518[M+Na]
【0249】
(7)(+)−N,N−ジ(tert−ブチルオキシカルボニル)−[(4aR*,8aS*)−8a−(4−アミノチオフェン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミンの合成
(±)−N,N−ジ(tert−ブチルオキシカルボニル)−[(4aR*,8aS*)−8a−(4−アミノチオフェン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミン(32.5mg)をCHIRALCELTM OJ−H(移動相;ヘキサン:エタノール=8:2,流速:10ml/分)で精製し、保持時間14.9−23.5分の画分を集め標記化合物を得た。同様の操作を繰り返し、原料(325mg)から標記化合物(112mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.46−1.48(m,1H),1.53(s,18H),2.16−2.33(m,2H),2.64(dd,J=2.8,12.8Hz,1H),3.39(dd,J=3.6,12.8Hz,1H),3.55−3.62(m,1H),3.65(d,J=11.2Hz,1H),4.03(dd,J=4.8,11.6Hz,1H),4.13(d,J=2.8Hz,1H),6.07(d,J=2.0Hz,1H),6.67(d,J=2.0Hz,1H).
【0250】
製造例20
N,N−ジ−(tert−ブチルオキシカルボニル)−[(4aR,6R,8aS)−8a−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−6−ベンジルオキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミンの合成
【化45】
製造例17−(3)の方法で得られる(4aR,6R,8aS)−6−ベンジルオキシメチル−8a−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミン(80.0mg)のTHF(5.0ml)溶液にジ−tert−ブチル ジカーボネート(113mg)およびDMAP(63.0mg)を加えた。室温で一晩撹拌した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(95.0mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.54−1.56(m,19H),1.88−1.98(m,1H),2.65−2.67(m,1H),2.99−3.10(m,2H),3.44(dd,J=4.4,9.6Hz,1H),3.62(dd,J=10.0,16.8Hz,1H),3.85−3.90(m,1H),3.99−4.10(m,2H),4.52−4.64(m,2H),6.92(dd,J=8.4,12.0Hz,1H),7.28−7.39(m,6H),7.79(dd,J=2.4,7.2Hz,1H).
【0251】
製造例21
(±)−[(4aR*,8aS*)−8a−(6−アミノ−2,2−ジフルオロベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
【化46】
(1)(±)−(3aR*,7aS*)−7a−(2,2−ジフルオロベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル)ヘキサヒドロピラノ[3,4−c]イソオキサゾールの合成
4−ブロモ−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール(1.96g)のトルエン(20ml)にTHF(2.0ml)を加えた。−78度に冷却し、製造例1−(2)で得た(±)−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c]イソオキサゾール(500mg)のトルエン−THF(10:1)溶液(10ml)および三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(990μl)を同時に滴下した。同温で2時間撹拌した後、塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止させた。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(873mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.75−1.92(m,2H),3.04−3.09(m,1H),3.63−3.85(m,4H),3.99(d,J=12.8Hz,1H),4.03−4.06(m,1H),6.30(s,1H),7.01(dd,J=1.2,8.4Hz,1H),7.10(t,J=8.4Hz,1H),7.60(dd,J=1.2,8.0Hz,1H).
【0252】
(2)(±)−[(3S*,4R*)−3−アミノ−3−(2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル)−テトラヒドロピラン−4−イル]メタノールの合成
(±)−(3aR*,7aS*)−7a−(2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル)−ヘキサヒドロピラノ[3,4−c]イソオキサゾール(875mg)の酢酸(30ml)溶液に亜鉛粉(2.01g)を加え室温で一晩撹拌した。不溶物をセライト濾過で除き、溶媒を減圧留去した。残渣に氷を加え、5規定水酸化ナトリウム水溶液で中和した。水層をジクロロメタンで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(661mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.62−1.66(m,1H),2.14−2.20(m,1H),2.22−2.31(m,1H),3.38(dd,J=2.4,11.2Hz,2H),3.56−3.68(m,2H),4.04(d,J=11.6Hz,1H),4.17(dd,J=4.4,11.2Hz,1H),7.05(dd,J=1.2,8.0,1H),7.14(t,J=8.0Hz,1H),7.32(dd,J=1.2,8.0Hz,1H).
【0253】
(3)(±)−(4aR*,8aS*)−8a−(2,2−ジフルオロベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミンの合成
(±)−[(3S*,4R*)−3−アミノ−3−(2,2−ジフルオロベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル)テトラヒドロピラン−4−イル]メタノール(661mg)のジクロロメタン(9.53ml)溶液にベンゾイルイソチオシアネート(372μl)を加えた。室温で3時間撹拌した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた中間体をメタノール(20ml)に溶解し、濃塩酸(5滴)加え5時間過熱還流した。室温に冷却し、溶媒を減圧留去した。残渣をメタノール(20ml)に溶解し、DBU(700μl)を加え5時間加熱還流した。室温まで冷却し、溶媒を減圧留去した。残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(350mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.43−1.48(m,1H),2.08−2.19(m,1H),2.64(dd,J=2.8,12.4Hz,1H),2.74−2.80(m,1H),2.98(dd,J=4.4,12.4Hz,1H),3.69(ddd,J=2.4,11.6,12.8Hz,1H),3.79(d,11.2Hz,1H),3.93(d,J=10.8Hz,1H),4.10(dd,J=5.2,11.2Hz,1H)6.99(dd,J=2.0,7.2Hz,1H),7.03−7.09(m,2H).
【0254】
(4)(±)−[(4aR*,8aS*)−8a−(2,2−ジフルオロ−6−ニトロベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
氷浴下、(±)−(4aR*,8aS*)−8a−(2,2−ジフルオロベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミン(50.0mg)のTFA(1.0ml)溶液に発煙硝酸(7.60μl)を加えた。次いで濃硫酸(0.5ml)を滴下した。同温で1時間撹拌後、反応混合物を氷に注いで反応を停止させた。混合物に5規定水酸化を加え中和した。水層をジクロロメタンで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去することで中間体を得た。得られた中間体をTHF(10ml)に溶解し、ジ−tert−ブチル ジカーボネート(66.8mg)およびトリエチルアミン(64.5μl)を加え、室温で1時間撹拌した。さらにジ−tert−ブチル ジカーボネート(130mg)とトリエチルアミン(1.00ml)を加え室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(62.0mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.51(s,9H),1.55−1.59(m,1H),2.15−2.25(m,1H),2.63−2.66(m,1H),2.87−2.89(m,2H),3.65−3.71(m,1H),3.76−3.84(m,2H),4.10−4.15(m,1H),7.93(d,J=2.0Hz,1H),8.05(d,J=2.0Hz,1H).
ESI−MS m/z 496[M+Na]
【0255】
(5)(±)−[(4aR*,8aS*)−8a−(6−アミノ−2,2−ジフルオロベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
(±)−[(4aR*,8aS*)−8a−(2,2−ジフルオロ−6−ニトロベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステル(60.0mg)のエタノール(20ml)溶液に鉄粉(7.09mg)および飽和塩化アンモニウム水溶液(1.0ml)を加え、30分間過熱還流した。室温に戻し、不溶物をセライト濾過で除いた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(50.0mg)を得た。
ESI−MS m/z 444[M+H]
【0256】
製造例22
5−(2−メトキシエトキシ)ピラジン−2−カルボン酸の合成
【化47】
(1)5−(2−メトキシエトキシ)−ピラジン−2−カルボン酸 2−メトキシエチルエステルの合成
2−メトキシエタノール(50.2μl)のDMF溶液(1ml)に、氷浴下にて、60%水素化ナトリウム(27.8mg)を加え、10分間撹拌した。同温度にて反応液に5−クロロピラジン−2−カルボン酸 メチルエステル(100mg)のDMF溶液(1ml)を加え、1時間50分撹拌した。反応液に、酢酸(50.0μl)をおよび水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(19.7mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm): 3.24(s,3H),3.45(s,3H),3.73−3.81(m,4H),4.53−4.61(m,4H),8.34−8.38(m,1H),8.86−8.90(m,1H).
【0257】
(2)5−(2−メトキシエトキシ)ピラジン−2−カルボン酸の合成
前工程で得られた化合物(19.7mg)のテトラヒドロフラン溶液(1ml)にカリウム トリメチルシラノレート(14.8mg)を加え、室温にて1時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣に水、酢酸エチルを加え、水層を分配した。水層に5M塩酸を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を減圧下濃縮し、標記化合物(13.2mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):3.45(s,3H),3.77−3.82(m,2H),4.60−4.64(m,2H),8.24(d,J=1.4Hz,1H),8.96(d,J=1.4Hz,1H).
【0258】
実施例1
N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミドの合成
【化48】
氷冷下、5−シアノピリジン−2−カルボン酸(50mg)のジクロロメタン(2ml)懸濁液にオキサリルクロライド(140μl)を加えた。更に同温でテトラヒドロフラン(4ml)を加え固体を完全に溶解させた。発泡の終了を確認した後、溶媒を減圧留去した。残渣にテトラヒドロフラン(5ml)を加え、酸クロライド溶液を得た。(−)−[(4aR*,8aS*)−8a−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステル(14.5mg)のテトラヒドロフラン(5ml)溶液に、上記で調製した酸クロライド溶液(788μl)を氷冷下加えた。同温でピリジン(500μl)を加えた後、室温まで昇温して2時間撹拌した。反応終了後、反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去することでアミド化合物を得た。得られたアミド化合物をジクロロメタン(4ml)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1ml)を加えた。室温で3時間撹拌した後、氷を加えた。水層に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(8.0mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.45(ddd,J=2.0,4.0,13.6Hz,1H),2.14(m,1H),2.65(dd,J=2.8,12.4Hz,1H),2.94(ddd,J=4.0,7.2,11.6Hz,1H),3.02(dd,J=4.0,12.0Hz,1H),3.69(m,1H),3.77(d,J=10.8Hz,1H),4.06(dd,J=2.0,10.8Hz,1H),4.10(m,1H),7.09(dd,J=8.8,11.6Hz,1H),7.39(dd,J=2.8,6.8Hz,1H),8.01(ddd,J=2.8,4.4,9.2Hz,1H),8.20(dd,J=1.6,8.0Hz,1H),8.42(dd,J=0.8,8.0Hz,1H),8.89(dd,J=0.8,2.0Hz,1H),9.82(s,1H).
【0259】
実施例2
N−[3−((8S*,8aR*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−フルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミドの合成
【化49】
製造例1で得た化合物(30.0mg)のジクロロメタン(857μL)溶液に製造例2で得た化合物(19.0mg)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(41.1μL)およびPyBOP(102mg)を加えた。反応液を室温で16時間30分撹拌した後、反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することでアミド化合物を得た。得られたアミド化合物をジクロロメタン(643μL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(214μL)を加えた。反応液を室温で1時間静置した後、溶媒を減圧留去した。残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下濃縮した。残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(15.4mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.41−1.48(m,1H),2.08−2.20(m,1H),2.64(dd,J=12.2,3.5Hz,1H),2.89−2.98(m,1H),3.02(dd,J=12.2,5.0Hz,1H),3.64−3.74(m,1H),3.74−3.80(m,1H),4.03−4.13(m,2H),6.08−6.10(m,1H),6.21−6.23(m,1H),7.08(dd,J=12.0,8.8Hz,1H),7.33(dd,J=6.8,2.8Hz,1H),7.99−8.04(m,1H),8.29(d,J=1.2Hz,1H),9.08(d,J=1.2Hz,1H),9.47(brs,1H).
【0260】
実施例3
N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメトキシピラジン−2−カルボキサミドの合成
【化50】
実施例2の方法に準じ、製造例1で得た化合物(18.0mg)と5−ジフルオロメトキシピラジン−2−カルボン酸(24.9mg)から標記化合物(14.0mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl))δ(ppm):1.46−1.49(m,1H),2.08−2.16(m,2H),2.65−2.68(m,1H),2.98−3.04(m,2H),3.66−3.72(m,1H),3.81−3.84(m,1H),4.04−4.07(m,1H),7.06−7.12(m,1H),7.36−7.39(m,1H),7.51(t,J=71.6Hz,1H),8.02−8.04(m,1H),8.34(s,1H),9.06(s,1H),9.50(s,1H)
【0261】
実施例4−5
以下、製造例5−(9)の化合物と対応するカルボン酸を用いて、実施例2に準じて以下の表1に示すように実施例4−5の化合物を合成した。
【表1】
【0262】
実施例6−10
以下、製造例6−(12)の化合物と対応するカルボン酸を用いて、実施例2に準じて以下の表2に示すように実施例6−10の化合物を合成した。
【表2】
【0263】
実施例11−15
以下、製造例7−(12)の化合物と対応するカルボン酸を用いて、実施例2に準じて以下の表3に示すように実施例11−15の化合物を合成した。
【表3-1】
【表3-2】
【0264】
実施例16−30
対応するカルボン酸と製造例中の対応するアニリン中間体を用いて、実施例2に準じて以下の表4に示すように実施例16から30の化合物を合成した。
【表4-1】

【表4-2】

【表4-3】

【表4-4】
【0265】
実施例31
N−[3−((2R*,4aR*,8aS*)−2−アミノ−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミドの合成
【化51】
(1)(±)−((2R*,4aR*,8aS*)−8a−{5−[(5−シアノピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−2−フルオロフェニル}−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
製造例11−(10)で得た化合物(100mg)と製造例3−(2)で得た化合物(56mg)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(143μL)のジクロロメタン(5mL)溶液に、PyBOP(357mg)を加え、室温で5時間撹拌した。反応液を直接シリカゲルにチャージし、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(100mg)を得た。
ESI−MS;m/z 526[M+H].
【0266】
(2)(+)−((2R*,4aR*,8aS*)−8a−{5−[(5−シアノピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−2−フルオロフェニル}−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル)−カルバミン酸 tert−ブチル エステルの合成
実施例31−(1)で得た化合物を、CHIRALPAKTM IB(移動相;ヘキサン:エタノール 7:3,流速:10ml/分)で精製し、保持時間23.4−26.7分の画分を集め標記化合物を得た。同様の操作を繰り返し、原料(100mg)から標記化合物(20mg;>99%ee)を得た。
ESI−MS;m/z 526[M+H]。
【0267】
(3)N−[3−((2R*,4aR*,8aS*)−2−アミノ−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミドの合成
実施例31−(2)で得た化合物(20mg)のクロロホルム(2mL)溶液にTFA(1mL)を加え、室温で5時間撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水で中和した。混合物にクロロホルムを加え、有機層を分配した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機層を減圧下濃縮し、標記化合物(14mg)を得た。
ESI−MS;m/z 426[M+H].
【0268】
実施例32
N−[3−((2R*,4aR*,8aS*)−2−アミノ−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボキサミドの合成
【化52】
(1)(±)−((2R*,4aR*,8aS*)−8a−{5−[(5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボニル)−アミノ]−2−フルオロ−フェニル}−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザ−ナフタレン−2−イル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
製造例11−(10)で得た化合物(100mg)と製造例12−(5)で得た化合物(56mg)から、実施例31−(1)に準じて、標記化合物(132mg)を得た。
ESI−MS;m/z 552[M+H].
【0269】
(2)(+)−((2R*,4aR*,8aS*)−8a−{5−[(5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボニル)−アミノ]−2−フルオロ−フェニル}−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
実施例32−(1)で得た化合物を、CHIRALPAKTM IA(移動相;エタノール,流速:10ml/分)で精製し、保持時間10.8−13.5分の画分を集め標記化合物を得た。同様の操作を繰り返し、原料(130mg)から標記化合物(52mg;>99%ee)を得た。
ESI−MS;m/z 552[M+H]。
【0270】
(3)N−[3−((2R*,4aR*,8aS*)−2−アミノ−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−ジフルオロメチルピラジン−2−カルボキサミドの合成
実施例32−(2)で得た化合物(52mg)のクロロホルム(3mL)溶液にTFA(1mL)を加え、室温で4時間撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水で中和した。混合物にクロロホルムを加え、有機層を分配した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機層を減圧下濃縮した。残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、標記化合物(42mg)を得た。
ESI−MS;m/z 452[M+H].
【0271】
実施例33−34
対応するカルボン酸と製造例中の対応するアニリン中間体を用いて、実施例2に準じて以下の表5に示すように実施例33から34の化合物を合成した。
【表5】
【0272】
実施例35−43
対応するカルボン酸と製造例中の対応するアニリン中間体を用いて、実施例2に準じて以下の表6に示すように実施例35から43の化合物を合成した。
【表6-1】

【表6-2】

【表6-3】
【0273】
実施例44−48
対応するカルボン酸と製造例中の対応するアニリン中間体を用いて、実施例2に準じて以下の表7に示すように実施例44から48の化合物を合成した。
【表7-1】

【表7-2】
【0274】
実施例49−58
対応するカルボン酸と製造例中の対応するアニリン中間体を用いて、実施例2に準じて以下の表8に示すように実施例49から58の化合物を合成した。
【表8-1】

【表8-2】

【表8-3】

【表8-4】

【表8-5】
【0275】
実施例59
(±)−(4aR*,6R*,8aS*)−8a−[2−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミンの合成
【化53】
(±)−N,N−ジ(tert−ブチルオキシカルボニル)−[(4aR*,6R*,8aS*)−8a−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−6−トリフルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミン(138mg)のDMF(9.9ml)溶液に2−フルオロピリジン−3−ボロン酸(63.9mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(26.2mg)および1規定炭酸ナトリウム水溶液(453μl)を加え、窒素雰囲気下85度で7時間撹拌した。室温まで冷却した後、酢酸エチルで希釈し有機層を水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。残渣にジクロロメタン(4.0ml)およびTFA(1.0ml)を加え室温で4時間撹拌した。反応が完結したらジクロロメタンで希釈し氷を加え重曹水で中和した。水層をクロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた白色固体をジエチルエーテルで洗浄し標記化合物(14.0mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.68−1.72(m,1H),2.12(ddd,J=2.8,12.0,24.8Hz,1H),2.68(dd,J=2.4,12.4Hz,1H),2.99−3.08(m,2H),3.96(d,J=11.6Hz,1H),4.06−4.11(m,1H),4.20(dd,J=2.0,11.2Hz,1H),7.15(dd,J=8.8,12.4Hz,1H),7.25−7.30(m,1H),7.50−7.54(m,2H),7.83(ddd,J=1.6,7.2,9.2Hz,1H),8.19−8.21(m,1H).
【0276】
実施例60
(4aR、6R,8aS)−8a−[2−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−6−フルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミンの合成
【化54】
N,N−ジ(tert−ブチルオキシカルボニル)−[(4aR,6R,8aS)−8a−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−6−フルオロメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミン(95mg)のDMF(6.79ml)溶液に2−フルオロピリジン−3−ボロン酸(51.1mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(19.1mg)および1規定炭酸ナトリウム水溶液(363μl)を加えた。窒素置換し、85度で2時間撹拌した。室温まで冷却した後、混合物を水で希釈した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた中間体をジクロロメタン(4.0ml)に溶解し、TFA(1.0ml)を加え室温で3時間撹拌した。反応混合物に氷を加え、重曹水で中和した。水層をクロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(59.0mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.48−1.53(m,1H),1.82−1.92(m,1H),2.63−2.66(m,1H),2.98−3.07(m,2H),3.89(d,J=10.8Hz,1H),3.93−4.01(m,1H),4.17−4.20(m,1H),4.35−4.58(m,2H),7.14(dd,J=8.0,12.0Hz,1H),7.25−7.22(m,1H),7.48−7.55(m,2H),7.78−7.83(m,1H),8.16−8.18(m,1H).
【0277】
実施例61
(±)−(4aR*,8aS*)−8a−[2−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミンの合成
【化55】
(±)−N−ベンゾイル−N−(tert−ブチルオキシカルボニル)−[(4aR*,8aS*)−8a−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミン(50mg)のDMF(5.0ml)溶液に2−フルオロピリジン−3−ボロン酸(25.6mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(10.5mg)および1規定炭酸ナトリウム水溶液(182μl)を加えた。窒素置換し、90度で6時間撹拌した。室温まで冷却し、水で希釈した。水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(12.7mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.43−1.47(m,1H),2.08−2.20(m,1H),2.66(dd,J=2.8,12.0Hz,1H),2.90−2.96(m,1H),3.01(dd,J=4.0,12.4Hz,1H),3.69(dt,J=2.8,12.4Hz,1H),3.79(d,J=11.2Hz,1H),4.07−4.13(m,2H),4.60(brs,2H),7.14(dd,J=8.4,12.0Hz,1H),7.25−7.28(m,1H),7.48−7.55(m,2H),7.81−7.86(m,1H),8.18−8.20(m,1H).
【0278】
実施例62−63
対応するボロン酸を用いて、実施例61に準じて以下の表9に示すように実施例62から63の化合物を合成した。
【表9】
【0279】
実施例64
N−[5−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)チオフェン−3−イル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミドの合成
【化56】
(+)−N,N−ジ(tert−ブチルオキシカルボニル)−[(4aR*,8aS*)−8a−(4−アミノチオフェン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミン(50mg)のジクロロメタン(5.0ml)溶液に氷浴下5−シアノピリジン−2−カルボン酸(19.0mg)、ジイソプロピルエチルアミン(50.7μl)およびPyBOP(83.5mg)を順次加えた。室温に戻し一晩撹拌した。溶媒を減圧留去し、残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた中間体をジクロロメタン(4.0ml)に溶解し、TFA(1.0ml)を加えた。室温で4時間撹拌した後、氷を加えて反応を停止させた。混合物を重曹水で中和し、水層を酢酸エチルで中和した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(33.9mg)を得た。
ESI−MS m/z 400[M+H]
【0280】
実施例65
(±)−(4aR*,8aR*)−8a−[4−(2−フルオロピリジン−3−イル)−チオフェン−2−イル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミンの合成
【化57】
製造例19−(3)で得られる(±)−N,N−ジ−(tert−ブチルオキシカルボニル)−[(4aR*,8aS*)−8a−(4−ブロモチオフェン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミン(51.0mg)のDMF(2.0ml)溶液に、2−フルオロピリジン−3−ボロン酸(26.9mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(11.0mg)および1規定炭酸ナトリウム水溶液(191μl)を順次加えた。窒素置換した後、混合物を80度で5時間撹拌した。室温に戻し、水で希釈した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで中間体を得た。得られた中間体をジクロロメタン(5.0ml)に溶解し、TFA(2.0ml)を加え室温で3時間撹拌した。混合物に氷を加え、重曹水で中和した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(22.0mg)を得た。
ESI−MS m/z 350[M+H]
【0281】
実施例66
(4aR,6R,8aS)−8a−[2−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−6−ベンジルオキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イルアミンの合成
【化58】
N,N−ジ−(tert−ブチルオキシカルボニル)−[(4aR,6R,8aS)−8a−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−6−ベンジルオキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミン(95mg)のDMF(6.79ml)溶液に2−フルオロピリジン−3−ボロン酸(44.0mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(18.0mg)および1規定炭酸ナトリウム水溶液(312μl)を加えた。窒素置換し、85度で7時間撹拌した。室温まで冷却した後、混合物を水で希釈した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた中間体をジクロロメタン(4.0ml)に溶解し、TFA(1.0ml)を加え室温で3時間撹拌した。反応混合物に氷を加え、重曹水で中和した。水層をクロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物(23.0mg)を得た。
ESI−MS m/z 482[M+H]
【0282】
実施例67
(±)−N−[7−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−2,2−ジフルオロベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル]−5−シアノピリジン−2−カルボキサミドの合成
【化59】
氷浴下、(±)−[(4aR*,8aS*)−8a−(6−アミノ−2,2−ジフルオロベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]カルバミン酸 tert−ブチルエステル(10mg)のジクロロメタン(2.0ml)溶液に5−シアノピリジン−2−カルボン酸(4.0mg)、ジイソプロピルエチルアミン(11.5μl)およびPyBOP(17.6mg)を加えた。室温まで昇温し、4時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、残渣をNH−pTLCで精製することで中間体を得た。得られた中間体をジクロロメタン(3.0ml)に溶解し、TFA(1.0ml)を加えた。室温で4時間撹拌した後、水で希釈し、重曹水で中和した。水層をジクロロメタンで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、残渣をNH−pTLCで精製して標記化合物を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.51−1.53(m,1H),2.15(ddd,J=5.2,13.2,26.0Hz,1H),2.71(dd,J=2.8,12.4Hz,1H),2.86−2.90(m,1H),3.07(dd,J=4.4,12.4Hz,1H),3.68−3.73(m,1H),3.85−3.91(m,2H),4.11−4.15(m,1H),7.03(d,J=2.0Hz,1H),8.07(d,J=2.0Hz,1H),8.21(dd,J=2.0,8.0Hz,1H),8.41(dd,J=0.8,8.0Hz,1H),8.92(dd,J=0.8,2.0Hz,1H),9.94(brs,1H).
【0283】
実施例68−73
対応するカルボン酸と製造例中の対応するアニリン中間体を用いて、実施例2に準じて以下の表10に示すように実施例68から73の化合物を合成した。
【表10-1】

【表10-2】

【表10-3】

【0284】
実施例74
(4aR,6R,8aS)−8a−[2−フルオロ−5−(2H−ピラゾール−3−イル)フェニル]−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミンの合成
【化60】
【0285】
(1)ジ−tert−ブチル [(4aR,6R,8aS)−8a−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]イミドジカーボネートの合成
製造例7−(4)で得られる化合物から製造例16(1)−(3)に準じて、標記化合物を合成した。
ESI−MS;m/z 611[M+Na].
【0286】
(2)ジ−tert−ブチル [(4aR,6R,8aS)−8a−(5−アセチル−2−フルオロフェニル)−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]イミドジカーボネートの合成
実施例74−(1)で得た化合物(2.73g)を1,4−ジオキサン(40mL)に溶解した。この溶液に1−エトキシビニルトリ−n−ブチルチン(2.42mL)、フッ化セシウム(1.55g)、ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム(118mg)を順次加えた後、窒素雰囲気下で100℃にて撹拌した。1.5時間後、反応液を放冷した。反応混合物をセライトろ過し、酢酸エチルで洗浄した。ろ液を減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチル、1 N KHSO4を加えて分配した。有機層を1 N KHSO4、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに供して、ジ−tert−ブチル{(4aR,6R,8aS)−8a−[5−(1−エトキシビニル)−2−フルオロフェニル]−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル}イミドジカーボネート(1.91g)を得た。得られた1.91gのうち1.5gをTHF(10mL)に溶解した後、2N塩酸(3.5mL)を加え、室温で撹拌した。1時間後、反応液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに供し、標記化合物(1.2g)を得た。
ESI−MS;m/z 575[M+Na].
【0287】
(3){(4aR,6R,8aS)−8a−[2−フルオロ−5−(2H−ピラゾール−3−イル)フェニル]−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル}カルバミン酸 t−ブチルエステルの合成
実施例74−(2)で得た化合物(207mg)をN,N−ジメチルホルムアミド ジメチル アセタール(2.3mL)に溶解した後、窒素雰囲気下で110℃にて撹拌した。約14時間後、反応液を放冷した後、反応液を減圧下濃縮した。残渣にエタノール(3mL)を加えた後、ヒドラジン・水和物(78μL)を加え室温で撹拌した。約3日間後、反応液を減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチル、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、分配した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに供し、標記化合物(38mg)を得た。
ESI−MS;m/z 477[M+1].
【0288】
(4)(4aR,6R,8aS)−8a−[2−フルオロ−5−(2H−ピラゾール−3−イル)フェニル]−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミンの合成
実施例74−(3)で得た化合物(38mg)をジクロロメタン(2mL)に溶解した後、トリフルオロ酢酸(0.4mL)を加え、室温で撹拌した。3時間後、反応液を減圧下濃縮した。残渣にクロロホルム、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え分配した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに供し、標記化合物(18mg)を得た。
ESI−MS;m/z 377[M+1].
【0289】
実施例75
(4aR,6R,8aS)−8a−[2−フルオロ−5−(2H−ピラゾール−3−イル)フェニル]−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミンの合成
【化61】
N,N−ジメチルホルムアミド ジメチル アセタールの代わりにN,N−ジメチルアセタミド ジメチル アセタールを用いて、実施例74に準じて標記化合物を合成した。
ESI−MS;m/z 391[M+1].
【0290】
実施例76
(4aR,6R,8aS)−8a−[2−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミンの合成
【化62】
【0291】
(1)ジ−tert−ブチル [(4aR,6R,8aS)−8a−[2−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]イミドジカーボネートの合成
実施例74−(1)で得た化合物(1.33g)をTHF(28mL)に溶解した。この溶液に2−フルオロピリジン−3−ボロン酸(955mg)、フッ化カリウム(558mg)、Pd2DBA3(200mg)、Pd(t−Bu3P)2(220mg)を加え、窒素雰囲気下で室温で終夜撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、NHシリカゲルでろ過した。更に酢酸エチル:ヘプタン(4:1)の混合液で洗浄した。ろ液を減圧下濃縮し残渣を得た。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに供し、標記化合物(547mg)を得た。
ESI−MS;m/z 628[M+Na].
【0292】
(2)(4aR,6R,8aS)−8a−[2−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミンの合成
実施例76−(1)で得た化合物(67mg)をジクロロメタン(2mL)に溶解した後、TFA(0.5mL)を加えた。2時間後、 反応液を減圧下濃縮し、残渣にクロロホルム、1N水酸化ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、分配した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに供し、標記化合物(30mg)を得た。
ESI−MS;m/z 406[M+1].
【0293】
実施例77
(4aR,6R,8aS)−8a−[2−フルオロ−5−(3−フルオロピリジン−4−イル)フェニル]−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミンの合成
【化63】
実施例76に準じて標記化合物を合成した。
ESI−MS;m/z 406[M+1].
【0294】
実施例78
(4aR,6R,8aS)−8a−[2−フルオロ−5−(2−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミンの合成
【化64】
【0295】
(1){(4aR,6R,8aS)−8a−[2−フルオロ−5−(2−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル}カルバミン酸 t−ブチルエステルの合成
実施例76−(1)で合成された化合物(164mg)にメタノール(1mL)、28%ナトリウム メトキシド−メタノール溶液(1mL)を加え、50℃で撹拌した。3時間30分後、反応液を放冷した。反応液に酢酸エチル、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて分配した。有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに供し、標記化合物(114mg)を得た。
ESI−MS;m/z 540[M+Na].
【0296】
(2){(4aR,6R,8aS)−8a−[2−フルオロ−5−(2−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル}アミンの合成
実施例78−(1)で得た化合物(114mg)をジクロロメタン(3mL)に溶解した後、TFA(1mL)を加え、室温で撹拌した。3時間後、反応液を減圧下濃縮した。残渣にクロロホルム、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え分配した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに供し、標記化合物(61mg)を得た。
ESI−MS;m/z 418[M+1].
【0297】
実施例79
(4aR,6R,8aS)−8a−[2−フルオロ−5−ピリダジン−3−イルフェニル]−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミンの合成
【化65】
【0298】
(1)ジ−tert−ブチル [(4aR,6R,8aS)−8a−(2−フルオロ−5−ピリダジン−3−イルフェニル)−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]イミドジカーボネートの合成
実施例76−(1)で合成された化合物(229mg)を1,4−ジオキサン(4mL)に溶解した。この溶液に3−(トリブチルスタニル)ピリダジン(215mg)、フッ化セシウム(130mg)、ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム(10mg)を順次加えた後、窒素雰囲気下で100℃にて撹拌した。2時間後、反応を放冷した。反応混合物をセライトろ過し、酢酸エチルで洗浄した。ろ液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに供し、標記化合物(116mg)を得た。
ESI−MS;m/z 611[M+Na].
【0299】
(2)(4aR,6R,8aS)−8a−[2−フルオロ−5−ピリダジン−3−イルフェニル]−6−メトキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−2−イル]アミンの合成
実施例79−(1)で得た化合物(116mg)をジクロロメタン(3mL)に溶解した後、TFA(1mL)を加え、室温で撹拌した。3時間後、反応液を減圧下濃縮した。残渣にクロロホルム、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え分配した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーに供し、標記化合物(48mg)を得た。
ESI−MS;m/z 389[M+1].
【0300】
実施例80
対応するカルボン酸を用いて、実施例2に準じて以下の表11に示す化合物を合成した。
【表11】
【0301】
実施例81
N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−エトキシピラジン−2−カルボキサミドの合成
【化66】
(1)5−エトキシピラジン−2−カルボン酸の合成
メチル 5−クロロピラジン−2−カルボキシラート(150mg)のエタノール(4mL)溶液に、5規定水酸化ナトリウム水溶液(2mL)を加え、室温で5時間撹拌した。反応液に酢酸エチルと水を加え、水層を分配した。水槽を濃塩酸で酸性にした。混合物にブラインと酢酸エチルを加え有機層を分配した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機層を濃縮し、標記化合物(135mg)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.46(t,J=7.2Hz,3H),4.51(q,J=7.2Hz,2H),8.17(s,1H),8・96(s,1H).
【0302】
(2)N−[3−((4aR*,8aS*)−2−アミノ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロ−7−オキサ−3−チア−1−アザナフタレン−8a−イル)−4−フルオロフェニル]−5−エトキシピラジン−2−カルボキサミドの合成
製造例1−(9)で得た化合物(30mg)と実施例81−(1)で得た化合物(16.9mg)から、実施例(2)に準じて、標記化合物(30mg)を得た。
ESI−MS;m/z 432[M+H]
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.40−1.46(m,1H),1.45(t,J=7.2Hz,3H),2.07−2.18(m,1H),2.64(dd,J=2.8,8.0Hz,1H),2.94(ddd,J=4.0,7.6,11.6Hz,1H),3.02(dd,J=4.0,12.0Hz,1H),3.65−3.71(m,1H),3.78(d,J=10.8Hz,1H),4.04−4.11(m,2H),4.49(q,J=7.2Hz,2H),7.06(dd,J=8.8,12.0Hz,1H),7.32(dd,J=2.8,7.2Hz,1H),7.99−8.03(m,1H),8.11(s,1H),8.98(s,1H),9.47(s,1H).
【0303】
実施例82−87
対応するカルボン酸を用いて、実施例3に準じて以下の表12に示すように実施例82−87の化合物を合成した。
【表12-1】
【表12-2】
【表12-3】
【0304】
実施例88
対応するカルボン酸と製造例中の対応するアニリン中間体を用いて、実施例2に準じて以下の表13に示すように実施例88の化合物を合成した。
【表13】


【0305】
試験例1
ラット胎仔脳由来神経細胞培養におけるAβペプチド定量
(1)ラット初代神経細胞培養
胎生18日齢のWistar系ラット(Charles River Japan,Yokohama,Japan)より大脳皮質を単離し培養に供した。具体的には、エーテル麻酔下、妊娠ラットより無菌的に胎仔を摘出した。胎仔より脳を摘出し、氷冷L−15medium(Invitrogen Corp. Cat #11415−064,Carlsbad,CA USA あるいは SIGMA L1518など)に浸した。その摘出脳から、実体顕微鏡下で大脳皮質を採取した。採取した大脳皮質断片を、0.25%trypsin(Invitrogen Corp. Cat #15050−065,Carlsbad,CA USA)および0.01%DNase)Sigma D5025,St. Louis,MO,USA)を含有した酵素溶液中、37℃下30分間の酵素処理することにより、細胞を分散させた。この際、酵素反応は非働化済みウマ血清を加えることで停止させた。この酵素処理溶液を1500rpmにて5分間遠心分離し、上清を除いた。得られた細胞塊に培地を5〜10ml加えた。培地にはNeurobasal medium(Invitrogen Corp. Cat #21103−049,Carlsbad,CA USA)に、2% B27 supplement(Invitrogen Corp. Cat #17504−044,Carlsbad,CA USA)と25μM2−mercaptoethanol(2−ME,WAKO Cat #139−06861,Osaka,Japan)と0.5mML−glutamine(Invitrogen Corp. Cat #25030−081,Carlsbad,CA USA)およびAntibiotics−Antimycotics(Invitrogen Corp. Cat #15240−062,Carlsbad,CA USA)を添加したもの(Neurobasal/B27/2−ME)を用いた。但し、アッセイの際は、2−MEのみを添加しない培地(Neurobasal/B27)を用いた。培地が加えられた細胞塊を、緩やかなピペッティング操作により細胞を再分散させた。この細胞分散液を、40μmナイロンメッシュ(セルストレーナー、Cat #.35−2340,Becton Dickinson Labware,Franklin Lakes,NJ、USA)でろ過し、細胞塊を除くことにより、神経細胞懸濁液を得た。この神経細胞懸濁液を培地にて希釈し、予めpoly−LあるいはD−lysineにてコーティングされた96wellポリスチレン製培養器(Falcon Cat #.35−3075,Becton Dickinson Labware,Franklin Lakes,NJ,USAを以下の方法でpoly−L−lysineコートを施したもの、あるいはBIOCOATTM cell environments Poly−D−lysine cell ware 96−well plate,Cat #.35−6461,Becton Dickinson Labware,Franklin Lakes,NJ,USA)に初期細胞密度が5x10 cells/cmになるように100μl/wellにて播種した。Poly−L−lysineコーティングは以下のように行った。0.15M Borate buffer(pH8.5)を用いて100μg/mlのpoly−L−lysine(SIGMA P2636,St. Louis,MO,USA)溶液を無菌的に調製した。その溶液を100μg/wellにて96wellポリスチレン製培養器に添加し、室温1時間以上、あるいは4℃一晩以上、インキュベートした。その後、コーティングした96wellポリスチレン製培養器は、滅菌水を用いて4回以上洗浄した後、乾燥させるか、あるいは無菌PBSあるいは培地などを用いてすすいだ後に、細胞播種に用いた。播種した細胞は、5%CO−95%air下、37℃インキュベーター中にて一日培養した後、培地全量を新鮮なNeurobasal/B27/2−ME培地と交換し、引き続き3日間培養した。
【0306】
(2)化合物添加
培養4日目に薬物添加を以下の通りに行った。培地全量を抜き取り、2−MEを含まない、2%B−27を含有するNeurobasal medium(Neurobasal/B27)を180μl/well加えた。試験化合物のジメチルスルホキシド(以下DMSOと略す)溶液をNeurobasal/B27にて最終濃度の10倍になるように希釈した。この希釈液を20μl/well添加し、よく混和した。最終DMSO濃度は1%以下とした。また対照群にはDMSOのみを添加した。
【0307】
(3)サンプリング
化合物添加後3日間培養し、培地全量を回収した。得られた培地は、ELISAサンプルとした。Aβx−42測定には希釈せずに、Aβx−40測定にはELISAキット付属の希釈液にて5倍希釈して各ELISAに供した。
【0308】
(4)細胞生存の評価
細胞生存は以下の方法でMTTアッセイにより評価した。培地回収後のwellに温めた培地を100μl/well加え、さらにD−PBS(−)(DULBECCO’S PHOSPHATE BUFFERED SALINE、SIGMA D8537、St. Louis,MO,USA)に溶解した8 mg/mlのMTT(SIGMA M2128,St. Louis,MO,USA)溶液を8 μl/wellにて添加した。この96 wellポリスチレン製培養器を、5%CO−95%air下、37℃インキュベーター中にて20分間インキュベートした。そこへMTT溶解バッファーを100μl/well加え、5%CO−95%air下、37℃インキュベーター中にてMTTフォルマザン結晶をよく溶解させた後、各Wellの550nmの吸光度を測定した。MTT溶解バッファーは以下の通りに調製した。N,N−ジメチルホルムアミド(WAKO 045−02916,Osaka,Japan)と蒸留水を250mLずつ混合した溶液に、100gSDS(ドデシル硫酸ナトリウム(ラウリル硫酸ナトリウム)、WAKO 191−07145,Osaka,Japan)を溶解した。さらに、この溶液に濃塩酸および酢酸を各350μl添加することにより、溶液の最終pHを4.7程度にした。
測定の際、細胞を播種しないwellに培地とMTT溶液のみを加えたものをバックグラウンド(bkg)として設定した。各測定値は、以下の数式に従い、bkgを差し引き、対照群(薬物処理しなかった群、CTRL)に対する比率(% of CTRL)を算出し、細胞生存活性を比較・評価した。
% of CTRL =(A550_sample − A550_bkg)/(A550_CTRL − A550_bkg) x 100
(A550_sample: サンプルwellの550 nm吸光度、A550_bkg: バックグラウンドwellの550 nm吸光度、A550_CTRL:対照群wellの550 nm吸光度)
【0309】
(5)Aβ ELISA
Aβ ELISAは和光純薬工業株式会社(Wako Pure Chemical Industries,Ltd.)のヒト/ラットβアミロイド(42)ELISAキットワコー(#290−62601)、およびヒト/ラットβアミロイド(40)ELISAキットワコー(#294−62501)を用いた。方法はメーカー推奨のプロトコール(添付文書に記載の方法)にて行った。但しAβ検量線は、beta−amyloid peptide 1−42,ratおよびbeta−amyloid peptide 1−40,rat(Calbiochem. #171596[Aβ42],171593[Aβ40])を用いて作製した。結果は培地中のAβ42濃度低下のためのIC50値(μM)にて表14に示した。
【0310】
【表14】
【0311】
表14の結果から明らかなように、本発明化合物は、Aβ42産生低下作用が確認された。
【産業上の利用可能性】
【0312】
本発明の一般式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩あるいはそれらの溶媒和物は、Aβ42産生低下作用を有するので、本発明によれば、特にアルツハイマー型認知症、ダウン症等のAβが原因となる神経変性疾患の治療剤または予防剤を提供することができる。