(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5666437
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】医療機器位置確認及びマッピングシステムにおける使用のための、使い捨てパッチ及び再使用可能センサーアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20150122BHJP
A61N 1/04 20060101ALI20150122BHJP
【FI】
A61B1/00 320Z
A61B1/00 320B
A61N1/04
【請求項の数】39
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2011-516477(P2011-516477)
(86)(22)【出願日】2009年6月19日
(65)【公表番号】特表2011-525409(P2011-525409A)
(43)【公表日】2011年9月22日
(86)【国際出願番号】US2009047995
(87)【国際公開番号】WO2010011450
(87)【国際公開日】20100128
【審査請求日】2012年4月5日
(31)【優先権主張番号】12/256,580
(32)【優先日】2008年10月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/144,826
(32)【優先日】2008年6月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508080229
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ダッタ・ケシャバ
(72)【発明者】
【氏名】ヒメネス・エドュアルド
(72)【発明者】
【氏名】ペンデカンティ・ラジェシュ
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ・ジェフリー
【審査官】
石原 徹弥
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−230016(JP,A)
【文献】
特表2001−506154(JP,A)
【文献】
国際公開第2007/063436(WO,A1)
【文献】
特開平06−319712(JP,A)
【文献】
特開平09−131328(JP,A)
【文献】
実開平03−000708(JP,U)
【文献】
特開昭62−290441(JP,A)
【文献】
特開2007−061612(JP,A)
【文献】
特開2007−014786(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00〜 1/32
A61B 5/04〜 5/05
G02B 23/24〜23/26
A61N 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の身体内の装置の位置をマッピングするために使用される装置マッピングシステム内での使用のための、再使用可能部分及び使い捨て部分を含む、パッチ及びセンサーアセンブリであって、前記再使用可能部分が、
前記患者の前記身体内での、前記装置の位置に関する位置情報を、前記装置マッピングシステムに提供する、磁気に基づくバイオセンサーと、
前記バイオセンサーを収容するように適合されたハウジングと、
前記バイオセンサーから前記装置マッピングシステムへと電気信号を伝達するための第1の電気リードと、を含み、
前記使い捨て部分が、
電極を、前記患者の前記身体に接着させるための接着性ヒドロゲル層と、
前記接着性ヒドロゲル層上に配置される電極層と、
前記電極層の一部分上に配置されるフォーム層と、
前記再使用可能部分の前記ハウジングの少なくとも一部分を取り外し可能に受容するように適合された係合要素と、を含み、
前記フォーム層が、前記センサーハウジング及びセンサーケーブルを受容するように適合された少なくとも1つの窪みを含む、パッチ及びセンサーアセンブリ。
【請求項2】
前記再使用可能部分が、前記使い捨て部分の前記電極層と電気的に接触することが可能な電極素子を更に含む、請求項1に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
【請求項3】
前記再使用可能部分が、前記電極素子から前記装置マッピングシステムへと電気信号を伝達するための第2の電気リードを更に含む、請求項2に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
【請求項4】
前記電極素子が、少なくとも一寸法において金属性材料でコーティングされた炭素繊維を含む、請求項2に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
【請求項5】
前記金属性材料が塩化銀である、請求項4に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
【請求項6】
前記金属性材料が、塩化銀、金、及びプラチナからなる群から選択される、請求項4に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
【請求項7】
前記使い捨て部分が、前記装置マッピングシステムに電気信号を伝達する第2の電気リードを更に含む、請求項1に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
【請求項8】
前記使い捨て部分が、前記再使用可能部分の第3の電気リードに電気信号を伝達するための第2の電気リードを更に含み、前記第3の電気リードが前記装置マッピングシステムに前記電気信号を伝達する、請求項1に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
【請求項9】
前記センサーハウジングがポリマーで構成される、請求項1に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
【請求項10】
前記ポリマーが、ポリアミド、ポリウレタン、ナイロン、PEBAX、及びPEEKポリマー、並びにこれらのブレンドからなる群から選択される、請求項9に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
【請求項11】
前記フォーム層がサーモフォームで構成される、請求項1に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
【請求項12】
前記再使用可能部分が、前記バイオセンサーと前記センサーケーブルとの間の接続部における機械的歪みを低減させるための歪み解放要素を更に含む、請求項1に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
【請求項13】
前記使い捨て部分の前記係合要素が、前記再使用可能部分の前記センサーハウジング上の隆起部に、スナップ嵌め方式で係合するように適合された1つまたは2つ以上の弓状リップを含む、請求項1に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
【請求項14】
前記使い捨て部分の前記係合要素が、前記センサーハウジングの1つまたは2つ以上の窪みに係合するように適合された、1つまたは2つ以上の可撓性係合部材を含む、請求項1に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
【請求項15】
前記再使用可能部分が、前記使い捨て部分の前記係合要素に係合するように適合された第2の係合要素を含む、請求項1に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
【請求項16】
前記第2の係合要素が機械的スナップである、請求項15に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
【請求項17】
患者の身体内の装置の位置をマッピングするために使用される装置マッピングシステム内での使用のための、再使用可能部分及び使い捨て部分を含む、パッチ及びセンサーアセンブリであって、前記再使用可能部分が、
前記患者の前記身体内での、前記装置の位置に関する位置情報を、前記装置マッピングシステムに提供する、磁気に基づくバイオセンサーと、
上部及び下部を有する前記バイオセンサーを収容するように適合されたハウジングと、
前記バイオセンサーから前記装置マッピングシステムへと電気信号を伝達するための第1の電気リードと、を含み、
前記ハウジングが、上部の窪み及び下部の近位端の窪みと、を有し、
前記使い捨て部分が、
電極を、前記患者の前記身体に接着させるための接着性ヒドロゲル層と、
前記接着性ヒドロゲル層上に配置される電極層と、
前記電極層の一部分上に配置されるフォーム層と、
前記電極層から、前記装置マッピングシステムへと電気信号を伝達するための第2の電気リードと、
前記再使用可能部分の前記ハウジングの少なくとも一部分を取り外し可能に受容するように適合されたセンサー係合要素であって、前記係合要素が、前記再使用可能部分の前記ハウジングの前記上部の窪みに係合するための第1の係合要素、及び前記ハウジングの前記下部の前記近位端の窪みに係合するための第2の係合要素を含む、センサー係合要素と、を含む、パッチ及びセンサーアセンブリ。
【請求項18】
前記電極層が、少なくとも一寸法において金属性材料でコーティングされた炭素複合材料を含む、請求項17に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
【請求項19】
前記金属性材料が塩化銀である、請求項18に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
【請求項20】
前記炭素複合材料が、炭素繊維及びポリ塩化ビニルを含む、請求項18に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
【請求項21】
前記金属性材料が、前記塩化銀上に配置される銀の層を更に含む、請求項19に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
【請求項22】
前記使い捨て部分が、前記第1のフォーム層上に配置された第2のフォーム層を更に含み、前記第2のフォーム層が、前記第1の電気のリードを受容するように適合された少なくとも1つの窪みを含む、請求項17に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
【請求項23】
前記第2の電気リードが、遠位端及び近位端を有する複数のワイヤーを含み、前記複数のワイヤーの前記遠位端が扇状に配置されて、前記電極層と前記フォーム層との間に位置付けられる、請求項17に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
【請求項24】
前記フォーム層が、患者に面する側面上に医療用アクリル感圧接着剤を有する、ポリエチレンフォームで構成される、請求項17に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
【請求項25】
前記フォーム層が、前記センサー係合要素の一部分を受容するための開口部を有する、請求項24に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
【請求項26】
前記再使用可能部分が、前記バイオセンサーとセンサーケーブルとの間の接続部における機械的歪みを低減させるための、歪み解放要素を更に含む、請求項17に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
【請求項27】
前記センサー係合要素がポリカーボネートで構成される、請求項17に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
【請求項28】
前記使い捨て部分が、前記ヒドロゲル層が上に配置される剥離ライナーを更に含む、請求項17に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
【請求項29】
前記剥離ライナーが、前記ヒドロゲル層に面する側面上にシリコーンコーティングを有するポリエチレンテレフタレート(PET)で構成される、請求項28に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
【請求項30】
身体内の装置の位置をマッピングするために使用される装置マッピングシステム内の再使用可能センサーケーブルアセンブリと使用するための、使い捨てパッチケーブルアセンブリであって、
電極を患者の前記身体に接着させるための接着性ヒドロゲル層と、
前記接着性ヒドロゲル層上に配置される電極層と、
前記電極層の一部分上に配置されるフォーム層と、
前記電極層から、前記装置マッピングシステムへと電気信号を伝達するための電気リードと、
前記再使用可能センサーケーブルアセンブリの少なくとも一部分を取り外し可能に受容するように適合された係合要素であって、前記係合要素が、前記センサーケーブルアセンブリの上部の窪みに係合するための第1の係合要素、及び前記センサーケーブルアセンブリの近位端の窪みに係合するための第2の係合要素を含む、係合要素と、を含み、
前記電極層が、少なくとも一寸法において金属性材料でコーティングされた炭素複合材料を含む、使い捨てパッチケーブルアセンブリ。
【請求項31】
前記金属性材料が塩化銀である、請求項30に記載の使い捨てパッチケーブルアセンブリ。
【請求項32】
前記炭素複合材料が、炭素繊維及びポリ塩化ビニルを含む、請求項30に記載の使い捨てパッチケーブルアセンブリ。
【請求項33】
前記金属性材料が、前記塩化銀上に配置される銀の層を更に含む、請求項31に記載の使い捨てパッチケーブルアセンブリ。
【請求項34】
前記第1のフォーム層上に配置される第2のフォーム層を更に含み、前記第2のフォーム層が、前記第1の電気リードを受容するように適合された少なくとも1つの窪みを含む、請求項30に記載の使い捨てパッチケーブルアセンブリ。
【請求項35】
前記電気リードが、遠位端及び近位端を有する複数のワイヤーを含み、前記複数のワイヤーの前記遠位端が扇状に配置されて、前記電極層と前記フォーム層との間に位置付けられる、請求項30に記載の使い捨てパッチケーブルアセンブリ。
【請求項36】
前記フォーム層が、患者に面する側面上に、医療用アクリル感圧接着剤を有するポリエチレンフォームで構成される、請求項30に記載の使い捨てパッチケーブルアセンブリ。
【請求項37】
前記フォーム層が、前記センサー係合要素の一部分を受容するための開口部を有する、請求項36に記載の使い捨てパッチケーブルアセンブリ。
【請求項38】
前記ヒドロゲル層が上に配置される剥離ライナーを更に含む、請求項30に記載の使い捨てパッチケーブルアセンブリ。
【請求項39】
前記剥離ライナーが、前記ヒドロゲル層に面する側面上にシリコーンコーティングを有するポリエチレンテレフタレート(PET)で構成される、請求項38に記載の使い捨てパッチケーブルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再使用可能なケーブル、及び磁界に基づく位置確認のためのバイオセンサーを収容するハウジングを、患者の身体表面との電気的、及び機械的接触のために使用される電極を有する導電性、及び接着性パッチアセンブリに取り付けるためのメカニズムに関連する。より具体的には本発明は、磁気、及びインピーダンス、又は電流に基づく、人体内における医療機器の位置確認、及びマッピングのためのバイオセンサー、及び電極の両方を使用した、電気生理学マッピング、及び焼灼システムでの使用のために最適化されたパッチ及びケーブル取り付けメカニズムに関連する。
【背景技術】
【0002】
ヒト、及び他の哺乳類における多くの異常な医学的状態は、いくつかの異なる体内空間を画定する、内面、又は壁部に沿った疾患、及び他の異常に関連している。体内空間のこのような異常な状態を治療するために、侵襲性が最小限である手段を使用し体内空間に様々な治療を供給するために適合された医療機器技術が可能である。
【0003】
本明細書で使用するとき、用語「体内空間」は、その派生語を含んで、組織壁により少なくとも部分的に画定されている、体内におけるいずれかの空洞を意味することが意図されている。例えば、心室、子宮、消化管の領域、および動脈あるいは静脈は、すべて、意図された意味に包含される体内空間の例示とみなされる。
【0004】
本明細書において、用語「管腔」とは、その派生語も含めて、管状の組織壁によって、その長さに沿って境界を定められ、かつ、その体内空間の外部に連通する少なくとも1つの開口部において、両端それぞれで終端する体内空間のすべてを意味することを意図される。例えば、大腸、小腸、精管、気管、および卵管は、すべて、意図される範囲内の管腔の代表例とみなされる。この明細書において、血管もまた、それらの分岐点間に存在する樹状血管の区域も含めて、管腔とみなされる。より具体的には、肺静脈は、左心室の壁部に沿う肺静脈の口部の分岐部間の肺静脈の区域も含めて意図された意味の範囲内の管腔であるが、この口部を画定する壁組織は、典型的には、独特なテーパー状管腔の形態をなしている。
【0005】
侵襲性が最小限である方法によって体内空間を治療する1つの手段は、身体空間内の内臓、及び管腔に到達するカテーテルの使用によるものである。電極、又は電気生理学(EP)カテーテルは、長年にわたり、医療行為において、一般的に使用されてきた。それらは心臓内の電気的活動を刺激及びマッピングすることに用いられ、更に異常な電気的活動の部位を除去することに用いられている。使用する際、電極カテーテルは、マッピング、及び焼灼処置を行うために、主要な静脈、又は動脈(例えば、大腿動脈)内に挿入され、次に関心の心室内へと導入される。管腔内、又は体内空間内の他の位置における、このような電極カテーテルの先端部、又は他の部分の位置を知り、マッピングできることは重要である。
【0006】
その開示が参考として本明細書に組み込まれる、米国特許番号第5,391,199号、同第5,443,489号、同第6,788,967号、及び同第6,690,963号(Ben−Haim)は、体内プローブの座標がプローブが備える1つ又は2つ以上の磁界センサー(例えば、ホール効果装置、コイル、又は他のアンテナ)を使用して決定される。このようなシステムは、医療用プローブ、又はカテーテルに関する、三次元位置情報を生成するために使用される。好ましくは、センサーコイルはカテーテル内に配置され、体外で適用される磁界に反応して信号を生成する。磁界は、既知の相互に離間した位置で、外部座標系に固定される3つの放射器コイルによって生成される。放射器コイル磁界のそれぞれに反応して生成される信号の振幅が検出されて、センサーコイルの位置を計算するために使用される。各放射器コイルは、好ましくはドライバ回路によって駆動されて、他の放射器コイルのものとは別の既知の周波数の磁界を生成し、それによってセンサーコイルによって生成される信号は、周波数によって、異なる放射器コイルに対応する成分に分けられる場合がある。
【0007】
Govariによって出願され、参考として本明細書に組み込まれる米国特許出願番号第2007/0016007号では、ハイブリッド位置感知システムは、被験者の体腔内に導入されるように適合されたプローブを含む。プローブは、磁界変換器を有するバイオセンサー、及び少なくとも1つのプローブ電極を含む。制御ユニットは、バイオセンサーの磁界変換器を使用して、プローブの位置座標を測定するように構成される。制御ユニットはまた、少なくとも1つのプローブ電極と、被験者の身体表面上の1つ又は2つ以上の点との間のインピーダンスを測定する。測定された位置座標を使用して、制御ユニットは測定されたインピーダンスを較正する。
【0008】
したがって、このようなハイブリッドの、磁気、及びインピーダンスに基づくシステムでは、バイオセンサー、及び電極が患者の身体表面上の多数の点に配置されなくてはならない。バイオセンサー、及びこれらをEPマッピングシステムに接続する電気ケーブルは比較的高価であるため、バイオセンサー、及び関連するケーブルが再使用可能であることが理想的である。皮膚に取り付けられる部分は好ましくは使い捨てであり、したがって、再使用可能なバイオセンサー、及び場合により電極の一部分を患者の皮膚に貼付するために使い捨てパッチが必要である。
【0009】
既存のパッチは、1つ又は2つ以上のステンレス鋼スタッド、フォーム、及び患者の皮膚と接触する導電性接着ゲルを含む。既存のシステムの適合するケーブルは主に、パッチのスタッドが適合する1つ又は2つ以上の適合するステンレス鋼性スナップ、バイオセンサー、及び関連する電気ケーブル(全てエポキシシェル内に収容される)を含む。既存のバイオセンサーケーブル、及びパッチメカニズムは、放射線不透過性であり、すなわち、ステンレス鋼スナップ、及びスタッドは、蛍光透視法により視認される。パッチとセンサーケーブルとの間に、固定、及び非回転接続を提供するために多くの場合において、多数のスナップが使用されるが、その場合、多数のスナップは、パッチが身体の形状を取ることを可能にしない。また、パッチは多くの場合大きく、心電計、除細動器、心内エコグラムなどのために身体上で使用される他のパッチと重複する。
【0010】
先行技術のメカニズムは十分な解決を提供しない。例えば、米国特許番号第3,606,881号は、圧搾によって起動されるクリップを金属端子の周辺に固定させる、より大きなヘッドを備える金属端子を有する使い捨てパッチに関連する。米国特許番号第3,829,826号は、標準的心電計パッチの標準的雄型金属スナップに取り付けるための機械的メカニズムを提供する。
【0011】
特許番号第4,490,005号は、その中央スタッドが金属コーティングされた非金属性基材であり、センサーケーブルの回転を可能にする一方で、金属間接続部の回転効果を低減するパッチに関連する。米国特許番号第4,635,642号は、患者の皮膚と接触するゲルマトリックスとの電気的導通を生成するために、導電性の、好ましくは、銀コーティングされた金属性スタッドが挿入される、使い捨てパッドに関する。
【0012】
同様の、導電的にコーティングされた導電性プラスチックが、米国特許番号第5,499,628号において鳩目として提供され、これは炭素繊維とブレンドされたポリプロピレンなどの弾性の非金属性組成物で作製された端子に圧力嵌めされる。
【0013】
米国特許番号第5,615,674号は、胎児頭皮用プローブを接触させるためのクランプ接触接続に関連する。
【0014】
米国特許番号第5,782,761号は、炭素充填プラスチックなどの導電性材料から作製された成形電極のための、成形電極一部分分構成、及び成形電極二部分構成に関連する。
【0015】
米国特許番号第6,650,922号は、やはり導電性である生分解性材料から作製された電極で作製された電極素子に関連する。
【0016】
米国特許番号第6,780,065号は、電力リード線から皮膚で使用するための電極への電気的接続のための装置に関連する。
【0017】
米国特許第7,226,299号は、弾性プロングを有する固定装置を含み得る、雌型コネクタのソケットに係合する円形電気コネクタに関連する。
【0018】
意匠特許第240,166号は、矩形立方体部分を有する医療用電極に関する。
【0019】
米国特許出願公開第2006/0167354号は、電極を導電性ケーブルに接続するためのシステムに関する。
【0020】
米国特許出願公開第2006/0149146号は、患者、及び圧力センサーとの接触のための電極を有する装置に関する。
【0021】
米国特許第5,978,693号は、歪みゲージなどの変形センサーを有する電極に関連する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
一般的に蛍光透視法において可視でないパッチを提供することが本発明の目的である。
【0023】
患者の皮膚上で使用する空間の範囲を最小限にし、他のパッチとの潜在的な重複を低減させるために、現在使用されるパッチよりも、パッチを小さくできることが、本発明の更なる目的である。
【0024】
加えて、単一のスナップを利用する先行の設計を使用した際に生じるような回転を生じないパッチ及びセンサーケーブルを提供することが、本発明の目的である。
【0025】
更に、取り付けが容易なパッチ及びセンサーケーブル取り付けメカニズムを有することが本発明の目的である。
【0026】
加えて、心電計、又は他の機器システムに使用され得るパッチ及びセンサーケーブル設計を有することが、本発明の目的である。
【0027】
最後に、性能を悪化させることなく、バイオセンサー、及びセンサーケーブルを繰り返し再使用可能にするパッチ及びセンサーケーブル取り付けメカニズムを有することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明は一般的に、電気生理学的マッピング、及び焼灼システムにおける使用のためのパッチ及びセンサーアセンブリに関連する。より具体的には、本発明はパッチ及びセンサーアセンブリに関連し、磁気に基づくバイオセンサーが再使用可能部分内に収容されて、これがマッピング、及び位置確認システムに接続し、電極の少なくとも一部分が使い捨てパッチアセンブリ内にある。
【0029】
より具体的には、本発明は、患者の身体内の装置の位置をマッピングするために使用される装置マッピングシステム内での使用のための、再使用可能部分及び使い捨て部分を含む、パッチ及びセンサーアセンブリを開示する。再使用可能部分は、患者の身体内の装置の位置に関する位置情報を装置マッピングシステムに提供するための磁気に基づくバイオセンサー、バイオセンサーを収容するように適合されたハウジング、及びバイオセンサーから装置マッピングシステムへと電気信号を伝達するための第1の電気リードを含む。使い捨て部分は、電極を患者の身体に接着させるための接着性ヒドロゲル層、接着性ヒドロゲル層上に配置される電極層、電極層の一部分上に配置されるフォーム層、電極層から装置マッピングシステムへと電気信号を伝達するための第2の電気リード、及び再使用可能部分のハウジングの少なくとも一部分を取り外し可能に受容するように適合された係合要素を含む。
【0030】
好ましい実施形態では、センサー係合要素は、再使用可能部分のハウジングの少なくとも一部分を取り外し可能に受容するように適合され、係合要素は、再使用可能部分のハウジングの上部の窪みに係合するための第1の係合要素、及び当該ハウジングの下部の近位端の窪みに係合するための第2の係合要素を含む。
【0031】
電極層は、少なくとも一寸法において塩化銀などの金属性材料でコーティングされた、炭素複合材料、好ましくは塩化ポリビニル(PVC)内の炭素繊維を含む。好ましくは、銀の追加的な層が、塩化銀上に配置される。
【0032】
パッチ及びセンサーアセンブリの使い捨て部分は、第1のフォーム層上に配置される第2のフォーム層を更に含み、第1の電気リードを受容するように適合された少なくとも1つの窪みを含む。第2の電気リードは、遠位端、及び近位端を有する複数のワイヤーを含み、複数のワイヤーの遠位端が扇状に配置されて、電極層とフォーム層との間に位置付けられる。
【0033】
第1のフォーム層は、患者に面する側面上に医療用アクリル感圧接着剤を有する、ポリエチレンフォームを含む。第1のフォーム層は、センサー係合要素の一部分を受容するための開口部を有する。
【0034】
パッチ及びセンサーアセンブリの再使用可能部分は、バイオセンサーとセンサーケーブルとの間の接続部における機械的歪みを低減させるための歪み解放要素を更に含む。
【0035】
センサー係合要素は、ポリカーボネート、好ましくはLexan(登録商標)ポリカーボネートから作製され得る。
【0036】
パッチ及びセンサーアセンブリの使い捨て部分は、ヒドロゲル層がその上に配置される剥離ライナーを更に含む。剥離ライナーは、好ましくは、ヒドロゲル層に面する側面上にシリコーンコーティングを有する、ポリエチレンテレフタレート(PET)で作製される。
【0037】
使い捨てパッチアセンブリ、及び再使用可能なセンサーアセンブリの電気リードは、Carto(登録商標)システムなどの装置マッピング、及び位置確認システムに接続される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本発明の第1の実施形態によるパッチ及びセンサーケーブルアセンブリの上部の平面図。
【
図2】直線A−Aを通る
図1のパッチ及びセンサーケーブルアセンブリの部分断面図。
【
図3】
図1のパッチ及びセンサーケーブルアセンブリでの使用のための歪み解放要素の斜視図。
【
図4】本発明によるパッチ及びセンサーケーブルコネクタの第2の実施形態の斜視図。
【
図5】本発明によるパッチ及びセンサーケーブルアセンブリの更なる実施形態の上部の平面図。
【
図6】
図5のパッチ及びセンサーケーブルアセンブリの実施形態の断面図。
【
図7】本発明によるパッチ及びセンサーケーブルアセンブリの使い捨て部分の別の実施形態の平面図。
【
図8】
図7のパッチ及びセンサーケーブルアセンブリの使い捨て部分の実施形態の分解図。
【
図9】直線L−Lを通る
図7のパッチ及びセンサーケーブルアセンブリの使い捨て部分の実施形態の断面図。
【
図10】
図7のパッチアセンブリの実施形態における使用のための再使用可能なセンサーケーブルアセンブリの平面図。
【
図11】
図10の直線A−Aを通る、再使用可能なセンサーケーブルアセンブリの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図面を参照すると、
図1は、本発明によるパッチ及びセンサーケーブルアセンブリの実施形態の平面図を表わしている。
図1に図示されるように、パッチ及びセンサーケーブルアセンブリ100は2つの主要な構成要素、パッチアセンブリ110、及びセンサーケーブルアセンブリ130を含む。センサーケーブルアセンブリ130は、パッチアセンブリ110に接続されるように適合されたセンサーハウジング122、及びセンサーケーブル124を含む。
図1では、センサーハウジング122とパッチアセンブリ110との間の接続は、センサーハウジング122の隆起部123、及びパッチアセンブリ110の係合要素114のリップの係合に基づく、スナップ嵌めである。パッチアセンブリ110は、センサーケーブル124を受容するように適合された、複数の窪み113を有するフォームディスク112を含む。
図1のパッチアセンブリは、使い捨てパッチアセンブリが患者の上に配置された後であっても、ユーザーが3つの位置の1つにセンサーケーブルアセンブリを取り付けることを可能にする3つのこのような窪みを備えるものとして図示される。1つ又は2つ以上のこのような窪み113は、残りの係合要素114のセンサーハウジング122の隆起部123にしっかりと係合する能力によって制約される、上限を備えるものとして使用され得る。係合要素114は、フォームディスク112内の窪みと適合する窪みを含む。フォームディスク112を形成するために使用されるフォームは、任意の好適な材料、例えば、サーモフォーム、任意のエラストマー、例えば、ゴム、サントプレーン、ポリウレタンなどであってよく、好ましくはサーモフォームである。
【0040】
図2は、直線A−Aを通じて取った、
図1のパッチ及びセンサーアセンブリの部分断面図を表わす。フォームディスク112は、両側面を塩化銀の層でコーティングした炭素フィルムディスク116上に位置する。炭素フィルムディスク116は、厚さがおよそ0.5mmであり、塩化銀の層は厚さがおよそ0.1mmである。炭素フィルムディスク116、及び塩化銀コーティングの他の厚さが、本発明の趣旨から逸脱することなく使用され得る。炭素フィルムディスク116の患者に面する側面上には、ヒドロゲル層117がある。ヒドロゲル層117は、やはり皮膚への接着特性を有する導電性ゲル媒体、好ましくは、銀/塩化銀と水ベースの化合物との混合物であるヒドロゲルを含み、およそ1mmの厚さである。
【0041】
フォームディスク112、炭素フィルムディスク116、及びヒドロゲル層117は一般的に、ほぼ同等の直径を有し、これは患者の身体表面へのしっかりとした取り付けを提供するために十分な大きさであるべきであり、好ましくは、4cm〜16cmである。パッチアセンブリ110の他の唯一の構成要素は、係合要素114である。パッチアセンブリ110は、この実施形態におけるパッチアセンブリの廃棄性を向上させるために、廉価な構成要素のみを含む。
【0042】
図1、及び
図2に表されるパッチ及びセンサーアセンブリ100の他の構成要素は、再使用可能なセンサーケーブルアセンブリ130である。再使用可能なセンサーケーブルアセンブリ130は、先述のセンサーハウジング122を含む。センサーハウジング122は、ハウジング上部122aが、ハウジング下部122bと互いに適合するように設計された、二部分設計である。ハウジング下部122bは、パッチアセンブリの係合要素114と係合する隆起部123を含むが、この隆起部は、本発明の趣旨から逸脱することなく、ハウジング上部に配置され得る。センサーハウジング122は、ポリマー、例えば、ABS、ナイロン、ポリプロピレン、又は当該技術分野で既知の他の好適なポリマーで構成され、好ましくはポリプロピレンから作製される。センサーハウジング122は、本発明の趣旨から逸脱することなく、二部分より多い部数で構成され得る。
【0043】
センサーケーブルアセンブリ130は、導電性、及び可撓性材料、好ましくは28ゲージの網組銅線から作製される導電性ACLケーブルを含むセンサーケーブル124を更に含み、バイオセンサーの3本のツイストペア導体が、ポリマーの外側シースの内部を補強するために2つのケルバ繊維を共に有する。センサーケーブル124の1つのワイヤーは、導電性エポキシを使用してバイオセンサー126に溶接、又は結合される。
【0044】
センサーケーブルアセンブリ130は、アクティブ現在位置(active current location)(ACL)ディスク134を更に含み、これは好適な導電性材料で作製されてもよく、好ましくは塩化銀でコーティングされたほぼ円形のカーボンディスクである。コーティングのために、塩化銀の代わりに、金、又はプラチナもまた使用されてよく、カーボンディスクが、ポリマー、例えば、ABS、又はポリカーボネート(内部に埋め込まれた炭素繊維を有する、又は有さない)と置換され得る。好適な導電性エポキシ、好ましくは銀粒子を埋め込まれた、任意のエポキシを使用して、ACLケーブル136が、ACLセンサー134に取り付けられる。使用する際、患者を通じて流れる電流が、ヒドロゲル層117を通じて、炭素フィルムディスク116からACLセンサー134へ、ACLケーブル136を通じて米国特許出願番号第2007/0016007号(Govariによって出願され、参考として本明細書に組み込まれる)に従い、ACL情報を使用して位置確認、及びマッピング機能を実行する、位置確認、及びマッピングシステム、又は他のこのような同様のシステムに伝達される。
【0045】
センサーケーブルアセンブリ130は、バイオセンサー126を更に含み、これは、その開示が参考として本明細書に組み込まれる、米国特許番号第5,391,199号、同第5,443,489号、同第6,788,967号、及び同第6,690,963号(Ben−Haim)の1つ又は2つ以上に従って実施されるバイオセンサーである。バイオセンサー126からの磁界に基づく情報は、患者が配置される磁界によって誘起される電流であり、Biosense Webster,Incによって製造され、販売されるCarto(商標)EPマッピングシステムと同様の方法で使用される。バイオセンサー126からの電流が、センサーケーブルアセンブリ130の3つのツイストペア導体を通じてバイオセンサーケーブルに伝達され、これはEPマッピング、及び位置確認システムに接続にしており、ここで情報が使用される。バイオセンサー126は、バイオセンサーハウジング138内に収容されている。絶縁層139は、プラスチック材料、好ましくは、ポリプロピレン、ABS、又はポリカーボネートの薄い断片であり、これはACLワイヤーからバイオセンサー126への4KV細動除去パルスを絶縁する。
【0046】
図1、及び
図2にみられるように、バイオセンサー126、ACLセンサー114、及びセンサーケーブル124を再使用可能なセンサーケーブルアセンブリ130内に有することは、使い捨てパッチアセンブリ110の費用を削減するために、有利である。センサーケーブルアセンブリ130は、操作が容易なスナップ嵌め接続を使用して、パッチアセンブリに接続される。この力は、再使用可能部分を、使い捨て部分へと保持する。センサーケーブルアセンブリは、パッチアセンブリの中央軸周囲のいくつかの向きの1つに位置付けられてよいが、係合要素114、及びフォームディスク112内の適合する窪みの組み合わせによって回転は阻止される。
【0047】
図3は、上部センサーハウジング122a、下部センサーハウジング122b、及び隆起部123を示すセンサーハウジング122の斜視図を表わす。センサーアセンブリ122は、好ましくは歪み解放要素125を含むがまた、このような要素を備えずに実質的に円形であってもよい。歪み解放要素125は、センサーハウジング122と一体であってもよく、又はセンサーケーブル124の一部分を被服する別個のポリマースリーブを含んでもよい。
【0048】
図4は、本発明によるパッチ及びセンサーケーブルコネクタの更なる実施形態の斜視図を表わす。センサーハウジング222は、複数の窪み223を有し、これは、係合要素214の一部分を形成する可撓性係合部材215の下に係合するように適合されている。上述された先行の実施形態で、センサーハウジング222は、センサーケーブルアセンブリ230の一部分を形成し、係合要素214はパッチアセンブリ110の一部分を形成する。センサーケーブル230が係合要素214内に挿入される間、可撓性係合部材215が周囲方向に押されることを可能にするために十分に可撓性であるポリマーから作製される。再使用可能部分の、使い捨て部分へのスナップ留めは、カンチレバー式ビームタブを使用して保持される。使い捨て部分は、スナップ操作の間に屈曲するレバーを有する。カンチレバービームにより働く垂直力が、スナップを一緒に保持する。
【0049】
図5、及び
図6は、本発明によるパッチ及びセンサーアセンブリの別の実施形態の平面図、及び断面図を表わす。パッチ及びセンサーアセンブリ300は、パッチケーブルアセンブリ310、及びセンサーケーブルアセンブリ330の二部分を含む。パッチケーブルアセンブリ310は、センサーハウジング322、及び係合要素314を適合する窪み313(部分313a、及び313bを備える)を有するフォームディスク312を含む。2つの別個のケーブルが使用されて、バイオセンサー、及びACLセンサーを、マッピング、及び位置確認システムに接続する。位置確認システムに最新情報を伝送するために、ACLケーブル334が使用されてACLセンサー層316をシステムに接続する。あるいは、ACLケーブル334は、マッピング、及び位置確認システムに到達するために必要な長さよりも実質的に短くてもよく、センサーケーブルと共線的なケーブルの適合する取り付け部品と接続するように設計された接続部品を有するように適合され得る。この構成では、ACLケーブルの取り付け部品は、センサーケーブルの部分を形成する追加的なケーブルの取り付け部品に取り付けられる。この方法では、ACLケーブルの実質的な長さは、再使用可能なケーブルアセンブリの部分となる。ACLケーブル334は、フォームディスク312とACLセンサー層316との間に狭持された、撚り合わせた28ゲージワイヤーである。ACLセンサー層316は、およそ0.5mmの塩化銀コーティングを有する、およそ1mmの塩化銀コーティングされた炭素フィルムである。ACLセンサー層316の下には、他の実施形態に関して上記されたものと実質的に等しいヒドロゲル層317がある。
【0050】
図5は、三脚の形態のスナップ機構を有する。この機構もまた、
図4のカンチレバー式ビームの原理と同様に機能する。脚部は再使用可能部分上で屈曲して、使い捨て側の開口部に適合する。スナップ留めされた場合、ビームが広がって垂直力を提供し、2つの部分を一緒に保持する。
【0051】
センサーケーブルアセンブリ330は係合要素314、内部にバイオセンサー326を搭載したセンサーハウジング322を含む。センサーケーブル324が使用されて、磁気に基づく位置確認情報を提供するバイオセンサー326を、システムに接続する。センサーケーブル324は、保護ポリマーでコーティングされた48ゲージ網組銅線であり、曝露された端部が、好ましくは導電性エポキシを使用してバイオセンサー326に溶接、又は結合されている。センサーケーブルのバイオセンサー、及びセンサーハウジングへの接続部における機械的な歪みを低減させるために、歪み解放要素325がセンサーケーブル324の一部分を被服する。バイオセンサー326は、上記の実施形態のバイオセンサー126と実質的に同様である。係合要素314は、パッチケーブルアセンブリ310に係合するように設計された機械的スナップである。係合要素314は、可動要素314a、及び314bを有し、これらは係合要素をパッチアセンブリから解放する、及び/又はこれに係合させるために、陥没している。
【0052】
本発明によるパッチ及びセンサーケーブルアセンブリのための別の実施形態は、
図7〜11に表される。
図7〜9はヒドロゲル層417を含む使い捨てパッチケーブルアセンブリ410を表し、ヒドロゲル層417は、剥離ライナー411を取り外した後に患者に接着させるために曝露される。ヒドロゲル層417は、好ましくは、例えば、Amgel AG603などのヒドロゲルであり、およそ0.64mm(0.025インチ)の厚さである。剥離ライナー411はおよそ114.3mm
2(4.5平方インチメートル)であり、ヒドロゲル層417に面する側面上にシリコーンコーティングを有する、0.13mm(0.005インチ)厚さのポリエチレンテレフタレート(PET)で構成される。上記のヒドロゲル層417は、塩化銀炭素ディスクであるACLセンサー層416である。より具体的には、ACLセンサー層416は、導電性カーボンの基材、並びに塩化銀の患者に面する(下部)コーティング、及び銀のトップコーティング(両方とも厚さおよそ0.025mm(0.001インチ))を有する厚さおよそ0.10mm(0.004インチ)の医療品用ポリ塩化ビニル(PVC)を有する。
【0053】
センサー係合要素414の下に配置されるケーブルアセンブリ434の遠位端は、ACLセンサー層416と電気的に接触する。ケーブルアセンブリ434は、スズめっきを施した銅線の19ストランドで構成され、これらは遠位端部434aで剥がされて扇形に広がり、ACLセンサー層416の上面との接触を提供する。ケーブルアセンブリ434は、ジャケットによって被覆され、医療機器用のケーブルに関するANSI規格を全て満たすべきである。ケーブルアセンブリ434bの近位端はソケットアセンブリを有するべきであり、これは、マッピング、及び位置確認システム、又はこのようなシステムの、これに適合されたインターフェースケーブルに接続するように適合される。ケーブルアセンブリ434の全長は、およそ91.4cm(36インチ)である。センサー係合要素414は、Lexan(登録商標)材料、又は他のポリカーボネート材料から作製され、リップ414aの下に適合され、プロング414bによって固定されるセンサーケーブルアセンブリの遠位端を受容するように適合される。フォームディスク412aは、その患者に面する面上に医療用アクリル感圧接着剤を有する、およそ0.13mm(0.005インチ)厚さの白いポリエチレンフォームの円形ディスクであり、センサー係合要素414、ケーブルアセンブリ434の遠位端、及びACLセンサー層416の一部分に接着する。フォームディスク412bは、構造的一体性のための複数の窪み、及びセンサーケーブル424を配置するための1つの窪みを有する円形のフォームディスクである。フォームディスク412bは、その患者に面する面上に接着剤を有し、これがフォームディスク412bをフォームディスク412aの上面に接着させる。フォームディスク412bは、白色ボララタイプ−A独立気泡ポリエチレンフォーム、又は同等物で構成される。
【0054】
図10〜11は、
図7〜9のパッチケーブルアセンブリとの使用のための再使用可能なセンサーケーブルアセンブリ430を表わす。センサーケーブルアセンブリ430は係合要素414c、及び414d、内部にバイオセンサー426を搭載したセンサーハウジング422を含む。センサーケーブル424が使用されて、磁気に基づく位置確認情報を提供するバイオセンサー426を、コネクタ428によって、マッピング、及び位置確認システム(例えば、本明細書において記載されるCarto(登録商標)システム)に接続する。センサーケーブル424は、保護ポリマーでコーティングされた48ゲージ網組銅線であり、曝露された端部が、好ましくは導電性エポキシ427を使用してバイオセンサー426に溶接、又は結合されている。センサーケーブルのバイオセンサー、及びセンサーハウジングへの接続部における機械的な歪みを低減させるために、歪み解放要素425がセンサーケーブル424の一部分を被服する。バイオセンサー426は、上記の実施形態のバイオセンサー126と実質的に同様である。係合要素414cは、実質的にハウジング周辺部の周囲のセンサーハウジングの上部の窪みであり、これはパッチケーブルアセンブリ410のセンサー係合要素のリップ414aと係合するように設計されている。係合要素414bは、センサーハウジング422の下部の近位端の窪みであり、これはパッチケーブルアセンブリ410の突起414bに、スナップ嵌め方式で係合するように適合される。
【0055】
前述の説明は、本発明の現在好ましい実施形態を参照して提示されてきた。当業者は、記載した構造の代替及び変更が、本発明の原理、趣旨及び範囲を大きく逸脱することなく実施できることを理解するであろう。
【0056】
したがって、上述の記載は、記述され以下の添付図に説明された厳密な構造のみに関係付けられるものとして読解されるべきではなく、むしろ、最も完全で公正な範囲を有するとされる以下の特許請求の範囲と一致し、かつそれらを補助するものとして読解されるべきである。
【0057】
〔実施の態様〕
(1) 患者の身体内の装置の位置をマッピングするために使用される装置マッピングシステム内での使用のための、再使用可能部分及び使い捨て部分を含む、パッチ及びセンサーアセンブリであって、前記再使用可能部分が、
前記患者の前記身体内での、前記装置の位置に関する位置情報を、前記装置マッピングシステムに提供する、磁気に基づくバイオセンサーと、
前記バイオセンサーを収容するように適合されたハウジングと、
前記バイオセンサーから前記装置マッピングシステムへと電気信号を伝達するための第1の電気リードと、を含み、
前記使い捨て部分が、
電極を、前記患者の前記身体に接着させるための接着性ヒドロゲル層と、
前記接着性ヒドロゲル層上に配置される電極層と、
前記電極層の一部分上に配置されるフォーム層と、
前記再使用可能部分の前記ハウジングの少なくとも一部分を取り外し可能に受容するように適合された係合要素と、を含む、パッチ及びセンサーアセンブリ。
(2) 前記再使用可能部分が、前記使い捨て部分の前記電極層と電気的に接触することが可能な電極素子を更に含む、実施態様1に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
(3) 前記再使用可能部分が、前記電極素子から前記装置マッピングシステムへと電気信号を伝達するための第2の電気リードを更に含む、実施態様2に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
(4) 前記電極素子が、少なくとも一寸法において金属性材料でコーティングされた炭素繊維を含む、実施態様2に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
(5) 前記金属性材料が塩化銀である、実施態様4に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
(6) 前記金属性材料が、塩化銀、金、及びプラチナからなる群から選択される、実施態様4に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
(7) 前記使い捨て部分が、前記装置マッピングシステムに電気信号を伝達する第2の電気リードを更に含む、実施態様1に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
(8) 前記使い捨て部分が、前記再使用可能部分の第3の電気リードに電気信号を伝達するための第2の電気リードを更に含み、前記第3の電気リードが前記装置マッピングシステムに前記電気信号を伝達する、実施態様1に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
(9) 前記フォーム層が、前記センサーハウジング及びセンサーケーブルを受容するように適合された少なくとも1つの窪みを含む、実施態様1に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
(10) 前記センサーハウジングがポリマーで構成される、実施態様1に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
【0058】
(11) 前記ポリマーが、ポリアミド、ポリウレタン、ナイロン、PEBAX、及びPEEKポリマー、並びにこれらのブレンドからなる群から選択される、実施態様10に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
(12) 前記フォーム層がサーモフォームで構成される、実施態様1に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
(13) 前記再使用可能部分が、前記バイオセンサーと前記センサーケーブルとの間の接続部における機械的歪みを低減させるための歪み解放要素を更に含む、実施態様1に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
(14) 前記使い捨て部分の前記係合要素が、前記再使用可能部分の前記センサーハウジング上の隆起部に、スナップ嵌め方式で係合するように適合された1つまたは2つ以上の弓状リップを含む、実施態様1に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
(15) 前記使い捨て部分の前記係合要素が、前記センサーハウジングの1つまたは2つ以上の窪みに係合するように適合された、1つまたは2つ以上の可撓性係合部材を含む、実施態様1に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
(16) 前記再使用可能部分が、前記使い捨て部分の前記係合要素に係合するように適合された第2の係合要素を含む、実施態様1に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
(17) 前記第2の係合要素が機械的スナップである、実施態様16に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
(18) 患者の身体内部の装置の位置をマッピングするために使用される装置マッピングシステム内で使用するための使い捨てパッチアセンブリであって、
前記使い捨てパッチアセンブリを前記患者の前記身体に接着させるための接着性ヒドロゲル層と、
前記接着性ヒドロゲル層上に配置された電極層と、
前記電極層の実質的に全体上に配置されるフォーム層と、
再使用可能センサーケーブルアセンブリのハウジングの少なくとも一部分を取り外し可能に受容するように適合された係合要素と、を含む、使い捨てパッチアセンブリ。
(19) 前記患者の前記身体から検出される電気信号を、前記装置マッピングシステムに伝達するためのケーブルを更に含む、実施態様18に記載の使い捨てパッチアセンブリ。
(20) 前記ケーブルが、前記電極層と前記フォーム層との間で終端する、実施態様19に記載の使い捨てパッチアセンブリ。
【0059】
(21) 患者の身体内の装置の位置をマッピングするために使用される装置マッピングシステム内での使用のための、再使用可能部分及び使い捨て部分を含む、パッチ及びセンサーアセンブリであって、前記再使用可能部分が、
前記患者の前記身体内での、前記装置の位置に関する位置情報を、前記装置マッピングシステムに提供する、磁気に基づくバイオセンサーと、
上部及び下部を有する前記バイオセンサーを収容するように適合されたハウジングと、
前記バイオセンサーから前記装置マッピングシステムへと電気信号を伝達するための第1の電気リードと、を含み、
前記使い捨て部分が、
電極を、前記患者の前記身体に接着させるための接着性ヒドロゲル層と、
前記接着性ヒドロゲル層上に配置される電極層と、
前記電極層の一部分上に配置されるフォーム層と、
前記電極層から、前記装置マッピングシステムへと電気信号を伝達するための第2の電気リードと、
前記再使用可能部分の前記ハウジングの少なくとも一部分を取り外し可能に受容するように適合されたセンサー係合要素であって、前記係合要素が、前記再使用可能部分の前記ハウジングの前記上部の窪みに係合するための第1の係合要素、及び前記ハウジングの前記下部の前記近位端の窪みに係合するための第2の係合要素を含む、センサー係合要素と、を含む、パッチ及びセンサーアセンブリ。
(22) 前記電極層が、少なくとも一寸法において金属性材料でコーティングされた炭素複合材料を含む、実施態様21に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
(23) 前記金属性材料が塩化銀である、実施態様22に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
(24) 前記炭素複合材料が、炭素繊維及びポリ塩化ビニルを含む、実施態様22に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
(25) 前記金属性材料が、前記塩化銀上に配置される銀の層を更に含む、実施態様23に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
(26) 前記使い捨て部分が、前記第1のフォーム層上に配置された第2のフォーム層を更に含み、前記第2のフォーム層が、前記第1の電気のリードを受容するように適合された少なくとも1つの窪みを含む、実施態様21に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
(27) 前記第2の電気リードが、遠位端及び近位端を有する複数のワイヤーを含み、前記複数のワイヤーの前記遠位端が扇状に配置されて、前記電極層と前記フォーム層との間に位置付けられる、実施態様21に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
(28) 前記フォーム層が、患者に面する側面上に医療用アクリル感圧接着剤を有する、ポリエチレンフォームで構成される、実施態様21に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
(29) 前記フォーム層が、前記センサー係合要素の一部分を受容するための開口部を有する、実施態様28に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
(30) 前記再使用可能部分が、前記バイオセンサーと前記センサーケーブルとの間の接続部における機械的歪みを低減させるための、歪み解放要素を更に含む、実施態様21に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
【0060】
(31) 前記センサー係合要素がポリカーボネートで構成される、実施態様21に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
(32) 前記使い捨て部分が、前記ヒドロゲル層が上に配置される剥離ライナーを更に含む、実施態様21に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
(33) 前記剥離ライナーが、前記ヒドロゲル層に面する側面上にシリコーンコーティングを有するポリエチレンテレフタレート(PET)で構成される、実施態様32に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。
(34) 身体内の装置の位置をマッピングするために使用される装置マッピングシステム内の再使用可能センサーケーブルアセンブリと使用するための、使い捨てパッチケーブルアセンブリであって、
電極を患者の前記身体に接着させるための接着性ヒドロゲル層と、
前記接着性ヒドロゲル層上に配置される電極層と、
前記電極層の一部分上に配置されるフォーム層と、
前記電極層から、前記装置マッピングシステムへと電気信号を伝達するための電気リードと、
前記再使用可能センサーケーブルアセンブリの少なくとも一部分を取り外し可能に受容するように適合された係合要素であって、前記係合要素が、前記センサーケーブルアセンブリの上部の窪みに係合するための第1の係合要素、及び前記センサーケーブルアセンブリの近位端の窪みに係合するための第2の係合要素を含む、係合要素と、を含む、使い捨てパッチケーブルアセンブリ。
(35) 前記電極層が、少なくとも一寸法において金属性材料でコーティングされた炭素複合材料を含む、実施態様34に記載の使い捨てパッチケーブルアセンブリ。
(36) 前記金属性材料が塩化銀である、実施態様35に記載の使い捨てパッチケーブルアセンブリ。
(37) 前記炭素複合材料が、炭素繊維及びポリ塩化ビニルを含む、実施態様35に記載の使い捨てパッチケーブルアセンブリ。
(38) 前記金属性材料が、前記塩化銀上に配置される銀の層を更に含む、実施態様36に記載の使い捨てパッチケーブルアセンブリ。
(39) 前記第1のフォーム層上に配置される第2のフォーム層を更に含み、前記第2のフォーム層が、前記第1の電気リードを受容するように適合された少なくとも1つの窪みを含む、実施態様34に記載の使い捨てパッチケーブルアセンブリ。
(40) 前記電気リードが、遠位端及び近位端を有する複数のワイヤーを含み、前記複数のワイヤーの前記遠位端が扇状に配置されて、前記電極層と前記フォーム層との間に位置付けられる、実施態様34に記載の使い捨てパッチケーブルアセンブリ。
【0061】
(41) 前記フォーム層が、患者に面する側面上に、医療用アクリル感圧接着剤を有するポリエチレンフォームで構成される、実施態様34に記載の使い捨てパッチケーブルアセンブリ。
(42) 前記フォーム層が、前記センサー係合要素の一部分を受容するための開口部を有する、実施態様41に記載の使い捨てパッチケーブルアセンブリ。
(43) 前記ヒドロゲル層が上に配置される剥離ライナーを更に含む、実施態様34に記載の使い捨てパッチケーブルアセンブリ。
(44) 前記剥離ライナーが、前記ヒドロゲル層に面する側面上にシリコーンコーティングを有するポリエチレンテレフタレート(PET)で構成される、実施態様43に記載のパッチ及びセンサーアセンブリ。