特許第5666469号(P5666469)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5666469ロールオン/ロールオフ船舶の荷揚げおよび荷下ろしのための結合ブリッジ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5666469
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】ロールオン/ロールオフ船舶の荷揚げおよび荷下ろしのための結合ブリッジ
(51)【国際特許分類】
   B63B 27/14 20060101AFI20150122BHJP
   B65G 67/60 20060101ALI20150122BHJP
   B63B 27/00 20060101ALI20150122BHJP
【FI】
   B63B27/14 101A
   B63B27/14 101C
   B65G67/60 F
   B63B27/00 B
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-542857(P2011-542857)
(86)(22)【出願日】2009年9月8日
(65)【公表番号】特表2012-513337(P2012-513337A)
(43)【公表日】2012年6月14日
(86)【国際出願番号】FR2009001071
(87)【国際公開番号】WO2010072904
(87)【国際公開日】20100701
【審査請求日】2012年8月2日
(31)【優先権主張番号】0807402
(32)【優先日】2008年12月23日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】511152533
【氏名又は名称】マティエール
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・マティエール
(72)【発明者】
【氏名】マルク・ボーノーモ
【審査官】 志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第07461611(US,B2)
【文献】 米国特許第05623889(US,A)
【文献】 国際公開第1989/003454(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 21/00 − 21/66
B63B 27/00
B63B 27/14
B63B 35/44
B65G 67/60
B65G 69/28 − 69/34
E01D 15/12 − 15/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロールオン/ロールオフ船舶(2)の荷揚げおよび荷下ろしのための結合ブリッジ(1)において、該結合ブリッジは少なくとも一端において端部と端部とが結合され且つピラー(10,10´,17)上に載置された4つのモジュール(4,12,13,16)を含み、該モジュール(4,12,13,16)は、
− 少なくとも1つの金属要素(E1〜E3)から成り且つ岸に接続された第1モジュール(4)と、
− 少なくとも2つの並列した金属要素(E1〜E3)から成り、前記第1モジュール(4)よりも大きい幅を有する第2モジュール(12)と、
− 少なくとも2つの並列した金属要素(E1〜E3)から成り、少なくとも前記第2モジュール(12)の幅と等しい幅を有する第3モジュールであって、前記第2モジュール(12)に対する前記第3モジュール(13)の自由端(130)の上から下への動作(P)を可能にした回動リンクによって前記第2モジュール(12)に接続された第3モジュール(13)と、
− 該第3モジュール(13)に接続された金属要素から成り、且つ前記ロールオン/ロールオフ船舶(2)を係留することができる第4モジュール(16)と、
を含んでいることを特徴とする結合ブリッジ(1)。
【請求項2】
前記第1、第2および第3モジュール(4,12,13)の各前記金属要素(E1〜E3)は、ブレスによって平行に保持された少なくとも2つの梁(7,7´)を具備していることを特徴とする請求項1に記載の結合ブリッジ(1)。
【請求項3】
前記第1、第2および第3モジュール(4,12,13)の前記金属要素(E1〜E3)は、車道(R,R´,R″)を形成したプレート(11)を上外側面上において支持していることを特徴とする請求項1に記載の結合ブリッジ(1)。
【請求項4】
前記第1、第2および第3モジュール(4,12,13)の前記金属要素(E1〜E3)の間の接続は前記梁(7,7´)の端部に配置されたガセット片(G)によって形成され、該ガセット片にはヒンジピンが挿入されていることを特徴とする請求項に記載の結合ブリッジ(1)。
【請求項5】
前記第2モジュール(12)および第3モジュール(13)の前記金属要素(E1〜E3)の間の接続は、前記第3モジュール(13)の自由端(130)が前記第2モジュール(12)に対して回動(P)することが可能であることを特徴とする請求項1に記載の結合ブリッジ(1)。
【請求項6】
前記第3モジュール(13)の自由端(130)は、潮汐の平均振幅にしたがって定義された傾斜した中立面(M)に対して回動し、その回動(P)の最大振幅は、前記第3モジュール(13)の長さの15%であることを特徴とする請求項5に記載の結合ブリッジ(1)。
【請求項7】
前記第3モジュール(13)の移動は、該第3モジュール(13)の一部(133)が前記ピラー(10)によって保持された桁(9)に対して衝突することによって制限されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の結合ブリッジ(1)。
【請求項8】
前記第3モジュール(13)は、シリンダ(V)および関節で接続されたバー(C)を具備したデバイスによって操作されていることを特徴とする請求項5に記載の結合ブリッジ(1)。
【請求項9】
前記第3モジュール(13)は、跳ね橋タイプのカウンターウェイトデバイスによって操作されていることを特徴とする請求項5に記載の結合ブリッジ(1)。
【請求項10】
前記第3モジュール(13)は台形に形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の結合ブリッジ(1)。
【請求項11】
前記第4モジュール(16)は、端部と端部とが接するように配置された前記金属要素を構成した梁(7″)から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の結合ブリッジ(1)。
【請求項12】
前記第4モジュール(16)の上部に作業ゾーン(18)が設けられていることを特徴とする請求項11に記載の結合ブリッジ(1)。
【請求項13】
前記金属要素(E1〜E3)の長さまたは該金属要素(E1〜E3)を構成した梁(7,7´,7″)の長さは、前記金属要素(E1〜E3)または梁(7,7´,7″)が標準サイズの海運コンテナ内で輸送されることが可能な長さであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の結合ブリッジ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールオン/ロールオフ船舶の荷揚げおよび荷下ろしのための結合ブリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
ロールオン/ロールオフまたはRO−RO船舶と称される特定の船舶は、自動車およびその他のものを輸送するために構成されており、それらのものは船舶の船首または船尾から荷揚げおよび荷下ろしされる。したがって、これらの自動車は、岸から船舶内へおよびその逆に向かって自走することによって移動する。これらの自動車は乗用車または貨物用車であってもよい。例えば、RO−RO船舶は自動車の輸送に適切なフェリー、または自動車を輸送する特定の軍用船である。
【0003】
そのような船舶は特別な接近手段を必要とし、その手段は岸の通路と船舶の内部との間の連続性を確実にするように形成されなければならないドックである。特に、ドックの高さは、潮汐に依存した船倉への接近の高さに適合されなければならない。
【0004】
このために、特許文献1はドックに取り付けられた一端が設けられ且つ回動するように組み付けられたアクセス斜面を開示している。斜面の自由端は船舶の扉に面するように意図されており、潮汐の高さに適合するために浮動式に組み付けられている。フロートは、アクセス斜面が横に移動することを防止するために、水中の係留物に接続される。特許文献2もRO−RO船舶の荷揚げおよび荷下ろしを可能にする浮桟橋を開示している。そのような浮桟橋は、潮汐にかかわりなくロールオン/ロールオフ船舶の荷揚げおよび荷下ろしのために、例えば伸縮自在の斜面によってドックに撤去可能に接続されていてもよい。
【0005】
これらのデバイスは深水港と称される港に適している。その港では、船舶は干潮または満潮の潮汐にかかわりなくドック入りすることができ、港の水深は船舶が常にドックに平行に浮かんでいるのに適している。
【0006】
メーソンリーで形成された結合ブリッジも公知であり、ターミナル部分は潮汐に適合するために移動可能である。その重量のために、これらの結合ブリッジは多くのメーソンリーピラー上に載置される必要がある。そのような結合ブリッジは建設するのに複雑であり、長期にわたり、且つコストが高くなる。
【0007】
港の構造基盤が存在していないかまたは適切でない場合、特に深水港を備えるオプションがない場合、もしくは例えば所定の期間軍事もしくは人道的使用のための特定の船舶のために、船舶を収容するための構造が一時的に設けられなければならない場合、これらの接続ブリッジは適切でない。さらに、特にフェリータイプのロールオン/ロールオフ船舶が島と島との間または島と大陸との間の海運上のリンクを設けるために使用される場合、入港の数は多数の基盤を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第4,441,449号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第0 097 088号明細書
【特許文献3】仏国特許発明第2 801 328号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明がより具体的に改善を意図したのはこれらの欠点であり、それは容易に導入され、高コストでなく、深水港があってもなくても全ての地形に適合されることが可能な、ロールオン/ロールオフ船舶の荷揚げおよび荷下ろしのための結合ブリッジを提案することによって改善する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、本発明の主題は、ロールオン/ロールオフ船舶の荷揚げおよび荷下ろしのための結合ブリッジにおいて、結合ブリッジは少なくとも一端において端部と端部とが結合され且つピラー上に載置された4つのモジュールを含み、モジュールは、
− 少なくとも1つの金属要素から成り且つ岸に接続された第1モジュールと、
− 少なくとも2つの並列した金属要素から成り、第1モジュールよりも大きい幅を有する第2モジュールと、
− 少なくとも2つの並列した金属要素から成り、少なくとも第2モジュールの幅と等しい幅を有する第3モジュールであって、第2モジュールに対する第3モジュールの自由端の上から下への動作を可能にした回動リンクによって第2モジュールに接続された第3モジュールと、
− 第3モジュールに接続された金属要素から成り、且つロールオン/ロールオフ船舶の結合のために形成された第4モジュールと、
を含んでいることを特徴とする結合ブリッジである。
【0011】
そのような結合ブリッジは金属要素から製造され、導入が容易であり、モジュールの長さが要素の追加または除去によって修正され得るので、場所の地形にかかわりなく輸送が容易である。
【0012】
本発明の有利であるが強制的でない態様によれば、そのような結合ブリッジは1つ以上の以下の特徴を組み込んでもよい。
− 第1、第2および第3モジュールの各金属要素は、ブレスによって平行に保持された少なくとも2つの梁を具備している。
− 第1、第2および第3モジュールの金属要素は、車道を形成したプレートを上外側面上において支持している。
− 第1、第2および第3モジュールの金属要素の間の接続は梁の端部に配置されたガセット片によって形成され、ガセット片にはヒンジピンが挿入されている。
− 第2モジュールおよび第3モジュールの要素の間の接続は、第3モジュールの自由端が第2モジュールに対して回動することが可能であるために適切である。
− 第3モジュールの自由端の回動の最大振幅は、潮汐の平均振幅にしたがって定義された傾斜した中立面に対して約15%である。
− 第3モジュールの移動は、第3モジュールの一部がピラーによって保持された桁に対して衝突することによって制限されている。
− 第3モジュールは、シリンダおよび関節で接続されたバーを具備したデバイスによって操作されている。
− 第3モジュールは、跳ね橋タイプのカウンターウェイトデバイスによって操作されている。
− 第3モジュールは台形に形成されている。
− 第4モジュールは、端部と端部とが接するように配置された梁から形成されている。
− 第4モジュールの上部は作業ゾーンに適応している。
− 要素の長さまたは要素を構成した梁の長さは、要素または梁が標準サイズの海運コンテナ内で輸送されることが可能な長さである。
【0013】
本発明による結合ブリッジの以下の記載を読むことによって、本発明はよりよく理解され、本発明の他の利点がより明確になるだろう。それは例示のみを与えており、添付図を参照している。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明による結合ブリッジの全体的な斜視図を示している。
図2図1の結合ブリッジの使用状態における上面の縮小図を示しており、一点鎖線で示された船舶が結合ブリッジに停泊している。
図3】潮汐に依存した図2の結合ブリッジの異なった位置における別の縮尺の図を示しており、船舶は一点鎖線で示され、海底と水位とが概略的に図示されている。
図4】潮汐に依存した図2の結合ブリッジの異なった位置における別の縮尺の図を示しており、船舶は一点鎖線で示され、海底と水位とが概略的に図示されている。
図5図1のVの拡大された詳細図である。
図6図1のVIの拡大された詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は本発明による結合ブリッジ1の使用状態を示しており、ロールオン/ロールオフタイプの船舶2を受け入れる準備ができている状態である。ロールオン/ロールオフ船舶は、船舶が運搬する自動車の荷揚げおよび荷下ろしを自立した様式で実行するように構成されている。言い換えると、自動車は自走することによって船舶に出入りする。そのような船舶2は通常はフェリーまたは軍用船である。
【0016】
海底の地形Fは図3および4に示されたように異なった高さであり、深水港が製造されない場合、結合ブリッジ1のような使用になる。そのような結合ブリッジ1は、例えば同時に結合される船舶の数を増加するために、深水港内に設置されてもよい。
【0017】
自動車3は図1において上陸する状態が図示されている。
【0018】
待機ゾーン、例えば駐車エリアは結合ブリッジ1上の端部の岸に設けられ、自動車が荷揚げを待つ状態または上陸する準備ができた状態で収用してもよい。
【0019】
結合ブリッジ1は第1モジュール4を具備し、その幅は自動車3の動作に適合されている。この第1モジュール4は一端5を介して岸に位置する構造体に接続されており、この場合には、図2に見られているようなメーソンリー構造体6である。この第1モジュールの長さは変化し得る。第1モジュールは海底の地形F、潮汐の振幅および/またはこの結合ブリッジ1を使用する船舶の喫水に適応されている。このために、モジュール4が載置されたピラーの数が適合されている。
【0020】
この目的のために、この第1モジュール4は金属要素E〜Eを基盤としてすでに作製されており、それらは端部と端部とが結合されている。要素E〜Eは、本実施例においては、すべてが同一ではない。図示されていない別の実施形態においては、それらは全て同一である。E〜Eの各要素は2つの梁7を具備している。
【0021】
これらの梁7は金属であり、多角形断面、好適に長方形断面を備えている。要素2は2つの梁7を具備し、その長さは要素EおよびEの梁7の長さと異なっている。各梁7の長さLは、要素EおよびEに使用されるものは約11.4mであり、要素Eに使用されるものは約6mである。2つの梁7は図示されていない金属ブレスによって平行に維持されており、ブレスは梁7に面した面がボルト締結されている。そのような要素E〜Eは、例えば特許文献3から公知のタイプのものである。
【0022】
はモジュール4の幅を示しており、すなわち、結合ブリッジの長手軸A−A´に直交した水平寸法であり、自動車3のための車道Rの幅に相当している。この幅lは、実際のところ、3.5mのオーダーであり、必要であれば対応されてもよい。
【0023】
図1および2において、第1モジュール4は端部と端部とを接して配置された3つの要素E〜Eを図示している。本実施形態中には示されていないが、使用される要素の数は3つよりも少ない。変化形として、中間ピラーが組み込まれるように設けられて、3つよりも多くてもよい。
【0024】
3つの要素E〜Eの梁7の端部の間の接続は、図5に図示されたようにガセット片G内にヒンジピンを挿入することによって形成されている。したがって、第1モジュール4の長さLは、11.4mの梁7の長さLの約2.5倍に等しい。
【0025】
構造体6との第1モジュール4の端部5の接続において、構造体6内に固定されたガセット片を設け、モジュール4のターミナル要素Eの梁7のガセット片Gと相互作用させることが可能である。
【0026】
約11.4mまたは6mの梁7の長さLは、特に標準サイズの海上または陸上コンテナにおいて容易に取り扱いおよび輸送可能であり、すなわち、コンテナは40フィート長で8フィート幅である。
【0027】
モジュール4の各要素E〜Eは現地で直接組み立てられたままであり、別々に供給された部品を基にしている。
【0028】
モジュール4の自由端8、すなわち構造体6から離れた端部は、結合ブリッジ1の長手軸A−A´に関して横向きに配置された桁9の上に載置されている。この桁9は海底Fに沈められたピラー10の上端に固定されている。ピラー10は円形断面で形成された管状である。変化形として、ピラーは異なった断面を備えていてもよい。ピラーは金属またはメーソンリーで形成されている。
【0029】
各要素E〜Eの上外側面は、自動車の車道Rを形成することが可能なように形成された表面プレート11を支持している。これらのプレート11は、この場合、図示されたようにソリッドかもしくは穴あきの板が使用され、または例えば砂利を含んだ樹脂ベースの面のような適合面の基礎を形成してもよい。
【0030】
端部と端部とを接して配置された要素E〜Eの梁7のガセット片の間の接続は、モジュール4によって形成された車道Rがほぼ平坦になるように形成されている。このために、例えば図示されていない楔のような固定部材がアセンブリの結合部の梁7の上部に挿入されてもよい。これはこのようにして一体に接続された要素E〜Eのあらゆる下向きの屈曲を防止するためである。本実施形態においては図示されていないが、要素E〜Eの間の接続のある程度の柔軟性を維持するために、固定部材は使用されていない。
【0031】
端部を介して接続される梁7の最大数、すなわちピラー10上に載置される前の端部と端部とが接続される要素EおよびEの最大数は3である。言い換えると、互いに離れた2つのピラー10の間の最大スパンは約34mであり、これは各梁7が11.4mの最大長さLを有するためである。そのようなスパンは比較的大きく、結合ブリッジ1を製造するために必要なピラー10の数を概略減少させている。
【0032】
34mよりも長い車道Rが製造されなければならない場合、ピラー10に支持された少なくとも1つの中間要素E〜Eを使用することが有利である。しかしながら、梁7の機械的強度が増大された場合、約45mの2つのピラー10の間の最大スパンを備えることが可能であり、それは端部と端部とが結合された4つの要素EおよびEである。
【0033】
結合ブリッジ1の第2モジュール12は、梁7の形状を成した要素E〜Eを基にして第1モジュール4と同じ態様で形成されており、第1モジュール4の組み立てに使用されるものと同じタイプである。図示されたモジュール12は要素2の長さすなわち約6mに対応した長さL12を有し、変化形においては、モジュール12は11.4mの長さの要素EおよびEで形成されてもよいことが理解される。変化形において、モジュール4および12の梁は異なった長さを有してもよい。
【0034】
その一方で、第2モジュール12の幅l12は、第1モジュール4の幅lよりも大きい。この場合には、約8.5mである。このために、モジュール12の幅l12は単一の要素を使用することによってではなく、ブレスによって平行に維持され多2つの要素E2を並列することによって得る。
【0035】
図示されていない他の実施形態において、第2モジュール12の幅l12と第1モジュール4のlとの間の比は異なっている。
【0036】
第1モジュール4と第2モジュール12とは、モジュール4および12の要素EおよびEの端部において面して配置された梁7の端部と端部とを結合することによって接続されている。言い換えると、モジュール4および12の間の接続は、モジュール4を形成している要素E〜Eの間の接続と同一である。モジュール12の端部に配置された梁7、すなわち側方梁7はモジュール4の梁7に面していない。したがって、それらはモジュール4の要素Eの梁7と端部で結合されているのではなく、桁9に配置されている。
【0037】
実施例において、第2モジュール12の車道R´も要素Eのブレス上に配置されたプレート11の形を成しており、モジュール4と12とが接続されたとき、車道は第1モジュール4の車道に対して角度を成して配置されている。ここで、第2モジュール12の車道R´は海の方向に傾斜しており、これは潮汐の高さにおよび/または海底Fの地形に適合させるためである。
【0038】
図示されていない実施形態において、2つの車道RおよびR´は同一平面である。
【0039】
この第2モジュールの長さL12も、1つ以上の要素E〜Eを追加することによって調節可能である。一般的に、より長いモジュール12は理にかなっており、一方では、より多くの要素の使用を必要し、これによってより高いコストと組み立て時間を必要とするためであり、他方では、第2モジュール12は必要であれば簡素に形成されて自動車が転回または2台の自動車が併走できるようにしなければならないためである。
【0040】
第2モジュール12は、第1モジュール4と共に接続ゾーン120において桁9の上に載置されており、桁9自身はピラー10の上に載置されており、その上にはすでに第1モジュール4が載置されている。第2モジュール12の他端121は、ピラー10によって支持された別の類似の桁9の上に載置されている。
【0041】
より長い第2モジュール12の場合、すなわち長さL12が34mより長い場合、中間桁が設けられてもよい。
【0042】
第2モジュール12の端部121は第3モジュール13に接続されており、その幅は実施例においては第2モジュール12の幅l12と異なっている。図示されていない実施形態において、モジュール12および13は同一の幅を備え、長方形および/または正方形の形状である。
【0043】
ここで、モジュール13は全体的に台形の形状である。小ベースb13は第2モジュール12の幅l12と同一の長さを有している。ベースb13の長さは、したがって、約8.5mである。モジュール13の大ベースB13は長い長さの梁7に相当した約11.4mの長さを有している。
【0044】
モジュール13のそのような形態は、船舶の異なった幅に適合されることを可能にしている。この態様において、船舶が結合ブリッジに対して完全に整列されていなくても、第3モジュールのベースB13の長さは全体的に安全に船舶内にアクセスすることを容易にするために十分である。言い換えると、一旦船舶の扉が開かれると、ベースB13の長さは扉の各々の側と重なるのに十分であり、これによってあらゆる事故を防いでいる。
【0045】
実施例において、モジュール13の長さL13は第2モジュール12の長さL12よりも長い。モジュール13を製造するために使用された中央の要素EまたはEは、モジュール12に使用されたような梁と同じタイプの梁7を具備している。モジュール13の横梁7´は台形のベースb13およびB13を接続するように形成されている。
【0046】
変化形として、第2モジュールが長さ方向において端部と端部とを結合されたいくつかの要素E〜Eを具備している場合、第3モジュール13の長さは第2モジュール12の長さ以下である。車道R´もモジュール4および12に関して使用されたプレート11に類似したプレートによって形成されており、第3モジュール13の梁7、7´を接続したブレス上に配置されている。これらのプレートは表面を支持しているか、または格子を形成している。
【0047】
第2モジュール12と第3モジュール13との間の接続もガセット片Gによって形成されており、そのガセット片は、図5に示されたように、個々のモジュール12および13に属した様々な要素EおよびEまたはEの梁7の端部に固定されている。この接続は双方向矢印Pの方向において回動動作が可能であるように形成されており、第3モジュール13の自由端130の垂直面内に限定され且つあらかじめ定義されている。この回動動作の最大振幅は干満の差の範囲、すなわち、満潮と干潮との間の水位の高さの差およびモジュール13の長さに適合されている。実施例において、干満の差の範囲は約1.8m、およびモジュール13の長さL13は11.4mである。回動Pの最大振幅は約15%であり、それは平均振幅に従って定義された傾斜した中立面Mに対しておおよそ7.5%の変化である。
【0048】
干満の差の範囲が異なっている場合、モジュール13の長さL13は約7.5%の最大勾配を維持するように形成されている。そのような勾配は、船舶とモジュール13との間、またはモジュール12と13との間の変化が自動車の走行路を妨げることなく自動車が通過することを可能にしている。
【0049】
第3モジュール13の動作は、第2モジュール12の車道Rおよび第3モジュール13の車道R´の2つの車道を同一平面に維持することを可能にする固定部材がないことによって得られている。桁9上の第3モジュール13の端部133の低位位置における静止および第2モジュール12の端部121の受け入れは、第3モジュール13のより大きい下向きの回動動作を防止することが可能である。
【0050】
したがって、第3モジュール13は、水面の高さに関係なく船舶2の扉に容易に適合されるために、傾斜した中立面Mに対して傾斜されることが可能である。その後、この扉は、自動車が容易に乗船または下船するような許容範囲の勾配を伴って静止する。
【0051】
この第3モジュール13は、図6に示されたように、関節で接続されたバーCを作動するシリンダV,例えば油圧シリンダを具備したデバイスによって位置を保持され、および操作される。シリンダVは垂直マスト14に固定されており、関節で接続されたバーCはモジュール13の端部130に接続されている。マスト14は三脚の様式で配置されたピラー10´の端部に固定されており、第3モジュールの大ベースB13を支持するようにデザインされている。シリンダVは、したがって、ベースB13の端部に接続されている。このベースB13は梁15によって形成されており、有利に梁7と同じタイプである。その長さは、モジュール13が低位位置にあるときに、梁の端部150、151がピラー10´の上部110に対して載置されるように形成されている。したがって、モジュール13の動作はマスト14においてガイドされ、その自由端130は固定されていない。
【0052】
変化形において、デバイスはケーブルに接続されたカウンターウェイトを具備している。これらのカウンターウェイトは熱機関もしくは電気モータの補助によって、またはケーブルもしくはプーリーの設定によって手動で移動される。
【0053】
第3モジュール13のこの操作は1人の作業者によって容易に実行され得る。言い換えると、第3モジュール13は第2モジュール12に対して跳ね橋を形成している。
【0054】
第4モジュール16は梁7″によって形成されており、梁7″は端部と端部とが結合されて且つ三角形に配置されたピラー17に固定されている。梁7″は単体の長さが約11.4mである。有利に、梁7″は梁7、7´と異なったタイプのものであり、それはそれらが自動車の車道を支持する必要がないためである。変化形として、梁7″は梁7、7´と同一のタイプのものである。変化形として、各梁7″の長さが異なっている。
【0055】
第4モジュール16の一端160は大ベースB13の一端151と隣接している。この場合、それはマスト14に固定されている。変化形として、それはマストに近接して配置されたピラー10´に固定されていてもよい。
【0056】
第4モジュール16の他端161は、結合ブリッジ1の長手軸A−A´に平行な方向において海に向かって配置されている。この第4モジュール16は、船舶2を荷揚げおよび荷下ろし作業の際に係留することを可能にしている。このために、モジュール16には歩行者の通行のための作業ゾーン18がその上部に設けられており、はしご19を介して大ベースB13からアクセス可能とされている。このゾーン18は図示されていない船を係留するための手段に適合されている。
【0057】
図3に図示されたように、船舶2が干潮時に係留されている場合、モジュール13は水位線20の方向に傾斜している。言い換えると、モジュールのベースB13は低位位置にあり、ピラー10´の上部110上に位置している。
【0058】
図4に図示されたように、高位位置において結合を実施した場合、ベースB13は起こされる。それはもはやピラー10´の上部110上に位置していない。モジュール13はこの位置においてシリンダVによって保持されている。
【0059】
モジュール13の車道R″は、双方の状態において、モジュール12の車道R´に対してそれほど傾斜されておらず、それは自動車の荷揚げおよび荷下ろしがより容易に行われるためである。
【0060】
これら2つの状態の間において、モジュール13の水位線20、すなわち船舶の位置に対する傾斜を適合させるために、すべての位置が達成され得る。このために、必要であれば、モジュール13の回動Pの最大振幅が適合される。
【0061】
多くの図に図示された実施形態のように、障壁210によって区切られた、第1モジュール4に歩行者の通行のための2つの側方ゾーン21を設けることが可能である。これらのゾーン21は、乗務員が船舶へと安全に歩いて接近することを可能にしている。それらはモジュール4の側方梁に形成されている。
【0062】
したがって、そのような結合ブリッジ1は容易に製造され、且つ長さおよび幅の双方のその寸法は、ピラー10、10´、17が海底Fの適当な位置にある限り、必要にしたがって適合され得る。
【0063】
変化形として、ピラー10、10´、17を、特に結合ブリッジ1を一時的に使用するための場合に、浮動ケーソンに置き換えることが可能である。
【0064】
したがって、結合ブリッジ1は分離した部品として容易に輸送され、少数の異なった要素しか必要としない。特に、梁、ブレス、締結部品、マスト、表面プレートおよび障壁等のアクセサリのみが結合ブリッジ1を組み立てるために必要であり、それらは全て金属性であり、作成済みのものである。
【0065】
これは、完全にモジュール化され且つ海底面に適合された結合ブリッジ1の製造方法、少なくともコストに関係する。
【0066】
図示されていない別の実施形態においては、第1モジュール4は岸に配置され、第2、第3および第4モジュールのみが水面上に配置されている。
【符号の説明】
【0067】
1 ・・・結合ブリッジ、 2 ・・・ロールオン/ロールオフ船舶、 3 ・・・自動車、 4 ・・・第1モジュール、 6 ・・・メーソンリー構造体、 7,15 ・・・梁、 9 ・・・桁、 10 ・・・ピラー、 11 ・・・表面プレート、 12 ・・・第2モジュール、 13 ・・・第3モジュール、 14 ・・・マスト、 16 ・・・第4モジュール、 18 ・・・作業ゾーン、 19 ・・・はしご、 20 ・・・水位線、 21 ・・・側方ゾーン、 E〜E ・・・金属要素、 F ・・・海底の地形、 G ・・・ガセット片、 M ・・・中立面、 P ・・・振幅、 R,R´ ・・・車道、 V ・・・シリンダ
図1
図2
図3
図4
図5
図6