特許第5666475号(P5666475)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5666475ダイヤフラム保持リングを有する空気式アクチュエータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5666475
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】ダイヤフラム保持リングを有する空気式アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   F15B 15/10 20060101AFI20150122BHJP
   F16K 31/126 20060101ALI20150122BHJP
【FI】
   F15B15/10 F
   F16K31/126 Z
【請求項の数】15
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-547949(P2011-547949)
(86)(22)【出願日】2009年12月30日
(65)【公表番号】特表2012-516420(P2012-516420A)
(43)【公表日】2012年7月19日
(86)【国際出願番号】US2009069796
(87)【国際公開番号】WO2010087938
(87)【国際公開日】20100805
【審査請求日】2012年12月20日
(31)【優先権主張番号】12/363,440
(32)【優先日】2009年1月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591055436
【氏名又は名称】フィッシャー コントロールズ インターナショナル リミテッド ライアビリティー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マッカーティ, マイケル ウィルディー
(72)【発明者】
【氏名】グラボウ, テッド デニス
【審査官】 吉田 昌弘
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭52−146723(JP,U)
【文献】 実開昭55−093709(JP,U)
【文献】 実開昭61−119675(JP,U)
【文献】 英国特許出願公開第02367098(GB,A)
【文献】 実開平06−047703(JP,U)
【文献】 米国特許第2496215(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 15/10
F16K 31/126
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントロールバルブの弁茎を動かすための空気式バルブアクチュエータであって、
上部ケーシングおよび下部ケーシングを含むダイヤフラムケーシングであって、前記上部ケーシングは上部フランジを有し、前記下部ケーシングは下部フランジを有し、前記上部フランジおよび前記下部フランジは、締結具を受容するようにそれぞれサイズ設定される取り付け孔を有する、ダイヤフラムケーシングと、
前記上部ケーシングと前記下部ケーシングとの間に可動に配置されるダイヤフラム板であって、前記弁茎に動作可能に連結されて、前記弁茎を動かすように配設される、ダイヤフラム板と、
前記上部ケーシングと前記下部ケーシングとの間に配置され、前記ダイヤフラム板を第1の方向へ付勢するように配設される、ばねと、
前記上部ケーシングと前記下部ケーシングとの間に配置される、ダイヤフラムであって、前記ダイヤフラム板の動作と連動して可動である中央部分を含み、前記上部フランジと前記下部フランジとの間に適合するようにサイズ設定された外側部分と、前記上部フランジおよび前記下部フランジの前記取り付け孔に位置合わせ可能な外側部分の取り付け孔とを含む前記ダイヤフラムと、
前記上部フランジ及び下部フランジの間に配置され、且つ前記ダイヤフラムの前記取り付け孔内部に位置し、前記締結具を受容するようにサイズ設定された複数の挿入物と、
前記ダイヤフラムケーシング内に画定され、空気供給源に取り付けるために配設される、給気口であって、前記空気供給源が前記ダイヤフラム板を第2の方向へ付勢することを可能にする、給気口と、
前記上部フランジと前記下部フランジとの間に配置され、前記ダイヤフラムの前記外側部分と係合するように位置付けられる、保持リングであって、
前記ダイヤフラムの前記外側部分の表面と係合するように位置付けられる突起と、前記上部フランジ及び下部フランジの前記取り付け孔に位置合わせ可能な孔を有する外側部分とを含む、保持リングと、を備える、バルブアクチュエータ。
【請求項2】
前記リングは、内側部分を含み、前記突起は、前記内側部分に隣接して形成される、請求項1に記載のバルブアクチュエータ。
【請求項3】
前記突起は、湾曲した断面を含む、請求項1に記載のバルブアクチュエータ。
【請求項4】
前記突起は、前記リングの内側部分に隣接した厚い部分を提供することによって形成される、請求項1に記載のバルブアクチュエータ。
【請求項5】
前記リングは、角度がついた断面を含み、さらに前記リングの内側部分は、第1の厚さを有し、前記リングの外側部分は、前記第1の厚さより小さい第2の厚さを有する、請求項1に記載のバルブアクチュエータ。
【請求項6】
前記突起は、縁を含む、請求項1に記載のバルブアクチュエータ。
【請求項7】
コントロールバルブの弁茎を動かすための空気式バルブアクチュエータであって、
上部ケーシングおよび下部ケーシングを含む、ケーシングであって、前記上部ケーシングは上部フランジを有し、前記下部ケーシングは下部フランジを有し、前記上部フランジおよび前記下部フランジは、締結具を受容するようにサイズ設定される取り付け孔を有する、ケーシングと、
前記上部ケーシングと前記下部ケーシングとの間に可動に配置される、ダイヤフラム板であって、前記弁茎に動作可能に連結されて、前記弁茎を動かすように配設される、ダイヤフラム板と、
前記ダイヤフラム板に動作可能に連結され、前記ダイヤフラム板を第1の方向へ付勢するように配設される、ばねと、
前記上部ケーシングと前記下部ケーシングとの間に配置される、ダイヤフラムであって、前記ダイヤフラム板の動作と連動して可動である中央部分を含み、前記上部フランジと前記下部フランジとの間に適合するようにサイズ設定された外側部分と、前記上部フランジおよび前記下部フランジの前記取り付け孔に位置合わせ可能な外側部分の取り付け孔とを含む、ダイヤフラムと、
前記上部フランジ及び下部フランジの間に配置され、且つ前記ダイヤフラムの前記取り付け孔内部に位置し、前記締結具を受容するようにサイズ設定された複数の挿入物と、
前記ケーシング内に画定され、空気供給源に取り付けるために配設される、給気口であって、前記空気供給源が前記ダイヤフラム板を第2の方向へ付勢することを可能にする、給気口と、
前記フランジのうちの選択された1つによって支持され、前記ダイヤフラムの前記外側部分と係合するように位置付けられる、環状突出縁であって、前記ダイヤフラムの前記外側部分の表面に対して支えるようにサイズ設定される、環状突出縁と、を含む、バルブアクチュエータ。
【請求項8】
前記選択されたフランジは、内側部分を含み、前記縁は、前記内側部分に隣接して形成される、請求項に記載のバルブアクチュエータ。
【請求項9】
前記縁は、湾曲した断面を含む、請求項に記載のバルブアクチュエータ。
【請求項10】
前記縁は、前記選択されたフランジの内側部分に隣接した厚い部分を提供することによって、形成される、請求項に記載のバルブアクチュエータ。
【請求項11】
前記選択されたフランジは、角度がついた断面を含み、さらに前記選択されたフランジの内側部分は、第1の厚さを有し、前記選択されたフランジの外側部分は、前記第1の厚さより小さい第2の厚さを有する、請求項に記載のバルブアクチュエータ。
【請求項12】
コントロールバルブ内のダイヤフラムの保持を改善する方法であって、前記コントロールバルブは、弁茎に連結される可動のダイヤフラム板と、前記ダイヤフラム板に動作可能に連結されるばねと、前記ダイヤフラム板の動作と連動して可動である中央部分を有するダイヤフラムと、を含み、前記方法は、
アクチュエータケーシングの上部フランジおよび下部フランジをサイズ設定することであって、前記アクチュエータのケーシングは、前記ダイヤフラム板および前記ダイヤフラムを格納し、前記上部フランジおよび前記下部フランジは、締結具を受容するようにサイズ設定される孔を有する、サイズ設定することと、
前記上部フランジと前記下部フランジとの間に適合するようにサイズ設定された保持リング上に、環状リング型突起を形成することと、
前記保持リングの外側部分を通る取り付け孔を提供することであって、それぞれの取り付け孔は、前記締結具を受容するようにサイズ設定される、取り付け孔を提供することと、
前記ダイヤフラムの外側部分を通る取り付け孔を提供することであって、前記上部フランジおよび前記下部フランジの取り付け孔に位置合わせ可能なダイヤフラムの取り付け孔を提供することと、
前記ダイヤフラムの取り付け孔が前記上部および下部フランジ内の孔と位置合わせするように、前記リングを位置付けることと、
前記ダイヤフラムを前記上部フランジと前記下部フランジとの間に位置付けることと、
前記上部フランジと下部フランジとの間の前記ダイヤフラムの取り付け孔にスペーサを挿入することと、
前記リング型突起前記ダイヤフラムの外側部分の表面を支えるように、前記リング型突起を前記上部フランジと前記下部フランジとの間に位置付けることと、
前記上部フランジおよび下部フランジをともに固定することと、を含む、方法。
【請求項13】
前記リングの内側部分に隣接して前記リング型突起を形成することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
湾曲した断面を有するように前記リング型突起を成形することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記リングの内側部分に隣接した厚い部分を提供することによって、前記リング型突起を形成することを含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、プロセス制御バルブに使用される空気式バルブアクチュエータ等のバルブアクチュエータに関する。より具体的には、本発明は、空気式バルブアクチュエータ内にダイヤフラムを保持するためのデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
精製所、化学工場、または紙パルプ工場等のプロセス工場が、様々な消費者製品を生産するための互いに接続された多数のプロセス制御ループからなることは、一般的に知られている。これらのプロセス制御ループのそれぞれは、最終製品の質を確保するために、圧力、流量、レベル、または温度等のいくつかの重要なプロセス変数を必要な操作範囲内に保つように設計される。これらのループのそれぞれは、工場内のプロセス制御ループのプロセス変数および制御に影響する負荷外乱を受容し、それを内部で生じる。これらの負荷外乱の影響を減少させるために、プロセス変数をセンサまたは送信器によって検出し、プロセス制御装置に通信する。プロセス制御装置は、この情報を処理し、負荷外乱が発生後、プロセス変数をあるべき数値に戻すため、プロセスループを変更または修正する。修正は、典型的には、コントロールバルブ等のある種類の最終制御素子を介して流量を変更することによって生じる。コントロールバルブは、負荷外乱を補い、調節されたプロセス変数を所望の制御点または設定点にできるだけ近く維持するように、ガス、蒸気、水、または化合物等の流動流体を操作する。
【0003】
様々なコントロールバルブの構成が、特定の用途に特に適用可能である場合があることが、一般的に理解される。例えば、狭い制御範囲の急開バルブが適している時、バタフライバルブ等の回転コントロールバルブが、使用されてもよい。あるいは、大きな制御範囲にわたる精密な制御が必要な時、スライドステムコントロールバルブが使用されてもよい。任意の構成において、かかるコントロールバルブは、制御信号に応じてコントロールバルブの正確な開口量を制御するアクチュエータ等の制御デバイスに、一般的に連結する。したがって、プロセスを設計する際に、プロセス技術者は、多くの設計要件および設計制約条件を検討しなければならない。例えば、設計技術者は、使用されるバルブの型、バルブの大きさ、アクチュエータの種類等を決定しなければならない。
【0004】
いくつかのシステムにおいて、特に空気圧で制御された流体プロセスシステムにおいて、任意の所与の流体プロセス制御デバイスのアクチュエータは、ダイヤフラムアクチュエータを含んでもよい。典型的なダイヤフラムアクチュエータは、ばね付勢されたダイヤフラムアセンブリを収容するハウジングを含む。ダイヤフラムアセンブリは、液体プロセス制御デバイスの開口量を制御するために、弁茎または他のアクチュエータロッドを通して流量制御素子に動作可能に連結する。
【0005】
1つの既知のダイヤフラムアセンブリは、ダイヤフラムおよび1つ以上のダイヤフラム板を含む。ダイヤフラムは、流体密封の繊維、重合体、または他の適した素材から構成される柔軟性のある円盤状の部材を含む。プレートは、ダイヤフラムに隣接して配置され、ハウジング内に配置された1つ以上のばねによって係合されるように適応される。さらに、プレートは、弁茎との硬い機械的結合を提供する。ばねは、アクチュエータが、制御デバイスを開いたまたは閉じた構成に付勢することができるように、ダイヤフラムアセンブリを規定の位置へ付勢するように機能する。
【0006】
これらの既知のダイヤフラムアセンブリのそれぞれにおいて、ダイヤフラムの外側部分を、アクチュエータのハウジングの外側部分に固定することも必要である。好ましくは、ダイヤフラムの外側部分は、ダイヤフラム故障の可能性を最小限にする方法で、およびアセンブリを簡略化する方法で、固定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】空気式アクチュエータを有し、かつ本発明の教示に従って組み立てられた例示的なコントロールバルブの斜視図である。
図2】本発明の開示された例に従って組み立てられたダイヤフラムおよび保持リングアセンブリを説明している、図1のコントロールバルブの断面図である。
図3図2に示される空気式アクチュエータの右側を通して取った、保持リングの態様を説明する、拡大部分断面図である。
図4図3と同様の、さらなる、大きな断片的な断面図である。
図5】例示的な保持リングの斜視図である。
図6】保持リング、ダイヤフラム、および挿入物の一部を説明する拡大部分分解図である。
図7】本発明の別の開示された例に従って組み立てられる保持リングの一部を説明する拡大部分分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の文章では、本発明の例示的な実施形態の詳細な説明を示すが、本発明の法的範囲は、本特許の最後に示される特許請求の範囲の文言によって定義されることが理解されるべきである。詳細な説明は、例としてのみ解釈されるべきであり、可能なすべての実施形態を説明することは、不可能ではないにしても、非現実的であるため、本発明の可能なすべての実施形態を説明しない。本開示を読むことに基づいて、当業者は、現在の技術または本特許の出願日後に開発された技術のいずれかを使用して、1つ以上の代替実施形態を実装することが可能な場合がある。かかる追加の起訴は、本発明を定義する特許請求の範囲に含まれるであろう。
【0009】
ここで図面を参照すると、図1および2は、プロセス制御システムに一般に使用される種類のコントロールバルブ20を示す。コントロールバルブ20は、バルブ本体22、バルブ入口24、バルブ出口26、および入口24と出口26との間に延在する流路28を含む。流路28は、入口流路30、出口流路32、および制御流路34を含む。
【0010】
図2に示すように、コントロールバルブ20は、開示される例で、弁体38の形態を取る可動の制御部品36を含む。弁体38は、弁茎40に接続され、弁体38および弁茎40は、弁体が制御流路34中に配置されるように、サイズ設定され、位置付けられる。制御部品36は、限定ではなく、一例として、バルブスリーブ、バルブディスク、またはコントロールバルブの分野において一般に使用される制御部品の他の種類の形態を取ってもよい。さらに、弁茎40は、スライドステム、回転ステム、または可動の、もしくはシフト可能な弁茎の他の任意の形態であってもよい。コントロールバルブ20は、パッキンナット46を有するパッキン箱44を有する弁帽42、ヨーク48、ヨーク48に接続されたアクチュエータ50も含み、バルブポジショナー52を含んでもよい。図解されたアクチュエータ50は、バルブポジショナー52またはアクチュエータを制御するための任意の他の機構に、適切に接続される場合がある空気式アクチュエータである。アクチュエータ50は、周継手60に沿って互いに連結される上部56および下部58を有するダイヤフラムケーシング54を含む。
【0011】
図2をさらに参照すると、アクチュエータ50は、出力軸64に適切に接続される内部ダイヤフラム板62も含み、次に出力軸64は、適切な継手66を使用して弁茎40に接続される。適切な付勢アセンブリ68は、アクチュエータ50内に配置される。図解された例において、付勢アセンブリ68は、ダイヤフラム板62の上部を支え、かつダイヤフラムケーシング54の上部56の内側または底表面も支える。開示される例において、付勢アセンブリは、複数のばねである。アクチュエータは、ダイヤフラム板62の中央部分72を支える、柔軟性のあるダイヤフラム70も含む。ダイヤフラムは、ダイヤフラムケーシング54の上部56と下部58との間の接続部60に配置されるように、半径方向外向きに延在するようにサイズ設定された外側部分74を含む。図2に示されるように(以下により詳細に説明される)、本発明の開示される例の教示に従って組み立てられる保持リング76は、接続部60に沿ってダイヤフラムケーシング54内に配置される。ポジショナー52の操作に対応して、圧力が、ダイヤフラムケーシング54内で変化し、ダイヤフラムケーシング54内でダイヤフラム70およびダイヤフラム板62を、順に上下に動かす。この上下の動きは、コントロールバルブ20を介してプロセス流体の流量を制御するために、制御部品36の位置を変化する。
【0012】
ここで、図3および図4を参照すると、ダイヤフラムケーシング54の上部56および下部58は、より詳細に示され、ダイヤフラム70および保持リング76の外側部分74も同様に、示される。ダイヤフラムケーシング54の上部56および下部58のそれぞれは、外側フランジ78および80をそれぞれ含み、外側フランジ78および80は、接続部60を形成するために、複数の取り付けボルト82によって同時に接続される。ダイヤフラム板62(図3)は、表面84aを有する上方に拡張する部分84を含む。ダイヤフラム70は、ダイヤフラム板62が上下に動く時に、ダイヤフラム70の一部が、表面84aに反して巻きつくように折り返し部85を含む。上記のように、ダイヤフラム70の外側部分74は、外側のフランジ78と外側のフランジ80との間を広げる。好ましくは、ダイヤフラム70は、取り付けボルト82のうちの対応する1つを受容するようにサイズ設定され、外側のフランジ78内の複数の取り付け孔88、および外側のフランジ80内の取り付け孔90のうちの選択された1つで位置決めするために位置付けられる場合がある、(図6により明確に示される)複数の取り付け孔86を含む。保持リング76は、外側のフランジ78と外側のフランジ80との間の配置に対してサイズ設定され、保持リング76は、取り付け孔86および88、ならびにダイヤフラム70の外側部分74上の取り付け孔86によって、位置決めされる複数の取り付け孔91も含む。したがって、フランジ78、80、ダイヤフラム70の外側部分74、保持リング76、および取り付けボルト82は、接続部60をともに形成する。
【0013】
図5および6を参照すると、保持リング76は、内側部分92および外側部分94を含み、好ましくは、取り付け孔91は、一般的に外側部分94に隣接して形成される。保持リング76は、突起96も含む。好ましくは、突起96は、一般的に保持リング76の内側部分92に隣接して形成される。本開示例において、突起96は、図3図4、および図6に示される断面において保持リング76を見る際に、保持リング76の最も内側の端92aにおいて形成される。保持リング76は、上面98および下面100を含む。したがって、保持リング76が図3および4に図解される本開示例中に示されるように位置付けられる時、上面98は、ダイヤフラム70の外側部分74の下面102に隣接して位置付けられる。下面100は、外側フランジ80の上面104に隣接して位置付けられる。その結果、本開示例において、ダイヤフラム70の外側部分74は、保持リング76の上面98と外側のフランジ78の下面との間に位置付けられる。示されるように位置付けられた時、突起96は、ダイヤフラム70の隣接部分106と係合し、下からダイヤフラム70の隣接部分106を圧縮するために保持リングの上面98から上方へ延在する。保持リングは、ダイヤフラム70の外側部分74の上に位置付けられ、上方を向いたダイヤフラム70の表面に、突起96が下向きに延在するようにされてもよく、したがって、上から保持ダイヤフラム70に係合することが理解されるであろう。
【0014】
ここで図3図4、および図6を参照すると、突起96は、断面に示される。本開示例に従って、突起96の断面は、曲がっている、または概して半円状である。断面の他の形が、適していると証明される場合がある。本開示例に従って、突起96は、一片の素材から保持リング76のバランスで残部から一体で形成される。その結果、示された例では、突起96は、厚くなった縁104によって形成される。あるいは、突起96は、接着された、溶接された、または他の方法で保持リング76の残部に適切に固定された、分離したリング等の分離した別個の部品から形成されてもよい。さらに、突起96は、内側部分92に隣接して示されるが、突起は、保持リング76の中央部分95または外側部分94に隣接して形成されてもよい。
【0015】
図4および6に最も良く示されるように、孔86は、好ましくは、挿入物108を受容するためにサイズ設定される。示された例中、孔86は、孔91よりも大きい。挿入物は、孔86の直径D2と一致するためにサイズ設定された外径D1を有し、取り付けボルト82を受容するために、サイズ設定された内側の孔110を有する。本開示例に従って、挿入物108は、ダイヤフラム70とボルト82との間の界面において受けた負荷を分散し、ダイヤフラム70内の応力上昇を避ける。
【0016】
図7に示されるように、保持リングに対する代替の実施形態が示され、参照番号176と称される。図7に示されるように、保持リング176は、厚くなった部分178を含む。示されるように、厚くなった部分178は、内側の末端180が外側の末端182よりも厚いように、保持リング176の内側の末端180に隣接して配置される。あるいは、厚くなった部分178は、内側の末端180と離間され、または内側の末端180から少し離れてもよい。示されるように、保持リング176は、内側の末端180が外側の末端182よりも厚い、少し楔状の断面を有することができる。
【0017】
上述の保持リング76、176のうちのいずれか1つを組み込むコントロールバルブ20は、以下のように従来のバルブから組み立てることができる。取り付け孔88および90の場所を含む、外側のフランジ78および80の採寸後、ダイヤフラム70は、従来の素材から選択されてもよく、従来のサイズ設定の原理を基にサイズ設定することができる。ダイヤフラム70は、取り付け孔88および90と位置合わせするため、およびボルト82を受容するためにサイズ設定され配置される取り付け孔91と共に提供される。孔86は、好ましくは、挿入物108を受容するためにサイズ設定される。
【0018】
保持リング76は、上部フランジと下部フランジとの間に適合するようにサイズ設定される環状のリング型突起と共に提供され、ダイヤフラムは、上部フランジと下部フランジとの間に位置付けられ、ダイヤフラムの外側部分の隣接した表面を支えるように突起を位置付けられる。フランジは、ともに固定される。
【0019】
好ましくは、環状のリング型突起は、上部フランジと下部フランジとの間に適合するようにサイズ設定されたリング上に形成されてもよく、リングの外側部分を通る取り付け孔と共に提供され、それぞれの取り付け孔は、締結具を受容するようにサイズ設定される。リングは、取り付け孔が、上部および下部フランジの孔と整合されるように、整合されるまたは位置付けられ、スペーサまたは挿入物は、フランジ間の取り付け孔内に挿入される。リング型突起は、リングの内側部分と隣接して、リングの外側部分に、またはリングの中央部分に隣接して、形成されてもよい。突起は、湾曲した断面を有してもよく、リングの内側部分に隣接して、またはリングの他の適した部分に隣接して厚くなった部分を提供することによって形成されてもよい。リング型突起は、上部フランジまたは下部フランジのうちから選択された一方を、選択されたフランジの内側部分が、第1の厚さを有し、選択されたフランジの外側部分が、第1の厚さより小さい第2の厚さを有するように、角度がついた断面を有するように成形することによって、形成されてもよい。
【0020】
前述の説明を考慮すると、本発明の多数の修正および代替の実施形態が、当業者にとって明白であろう。したがって、この説明は、実例としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の形態を当業者に教示することを目的とする。本開示の詳細は、本発明の精神から逸脱することなく変更する場合があり、特許請求の範囲内である全修正形態の独占使用が留保される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7