【課題を解決するための手段】
【0009】
<請求項1の説明>
放射性物質の付着した処理面に対して高圧の処理水を噴射して、処理面のcpm値を低減させる除染処理方法であって、
処理水の吐出圧を100〜280Mpaの範囲内として、それぞれ、0.2〜3.5リットル/minの吐出量となる複数の噴射ノズルと、
複数の前記噴射ノズルを配設させて、各前記噴射ノズルから噴射させつつ、回転面を処理面に沿わせた状態として回転可能な回転噴射体と、
該回転噴射体を回転可能に支持し、処理面近傍まで延びて前記回転噴射体の周囲を覆うハウジングと、
該ハウジングに接続されて、処理後の処理水と処理面付着物とが混ざり合った汚水を吸引可能な吸引手段と、
を備えた表面処理装置を使用するとともに、
前記噴射ノズルを、前記回転噴射体全体の処理水の給水量を20リットル/min以下とする範囲内とする数の使用とし、かつ
、前記回転噴射体の回転時の前記噴射ノズルの回転軌跡を相互にずらした配置とするように、前記回転噴射体に配設させ、
前記吸引手段を作動させて、各前記噴射ノズルと前記処理面との距離を5〜20mmの範囲内とし、吐出圧を100〜280Mpaとした処理水を各前記噴射ノズルから噴射しつつ、前記回転噴射体を回転させ、かつ、前記ハウジングを前記処理面に沿って移動させつつ行うことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る除染処理方法では、吐出圧を100〜280Mpaの範囲内とした際の吐出量を0.2〜3.5リットル/minの範囲とする開口径の複数の噴射ノズルから、100〜280Mpaとした吐出圧で、処理水を処理面に噴射しつつ、回転噴射体を回転させ、かつ、回転噴射体を支持したハウジングを処理面に沿って移動させ、さらに、吸引手段を作動させて、処理後の処理水と処理面付着物とが混ざり合った汚水を吸引して、除染作業を行うこととなる。
【0011】
このような処理水の噴射は、100〜280Mpaの範囲内とした高圧でも、各噴射ノズルからの吐出量を少量の0.2〜3.5リットル/minの範囲内としていることから、極力、小径の針状(髪の毛状)の水柱状として、処理水を処理面に衝突させることができる。そのため、このような処理水の噴射は、処理面をはつること(削ること)を抑えて、放射能物質が付着した付着物を細かくしつつ処理面から剥離することができる。
【0012】
すなわち、本発明の除染処理方法では、鋼球を利用するショットブラスト、サンドブラスト、研磨機を使用するのではなく、処理水として、水道水等の水を利用できることから、少量の処理水の圧力による衝撃力によって、処理面における放射能物質が付着した付着物を細かくでき、かつ、細かく微粒子状となった付着物を、霧状の処理水により、濡らす、あるいは、水で包みこんで、吸引手段で吸引可能な流動体にできる。そして、放射性物質を含んだ微粒子状の流動体となったならば、素早く吸引手段で吸引するため、ハウジング外に放射能物質の付着物や汚水を漏らすことなく、すなわち、再度、処理面に放射能物質を付着させることなく、効率的に、処理面を除染できる。
【0013】
また、回転噴射体の全体の処理水の給水量が、20リットル/min以下とし、かつ、各噴射ノズルからの吐出量が0.2〜3.5リットル/minとしていれば、吸引手段で吸引する処理後の汚水の容量を、極力、少なくでき、後処理の負担を軽減できる。
【0014】
なお、高圧下での各噴射ノズルからの吐出量は、0.2リットル/min未満では、給水量を低減できるものの、処理水の衝撃力が小さくなり、処理面からの付着物の分離が行い難くなって、処理効果を確保し難く、3.5リットル/minを越えては、全体の給水量が単に増加するだけで、処理効果の向上が図れず、処理後の汚水の容量が増えるだけとなって、好ましくなく、そのため、高圧下での各噴射ノズルからの吐出量は、0.2〜3.5リットル/min、望ましくは、0.2〜1.0リットル/minの範囲内が望ましい。さらに、回転噴射体の全体の処理水の給水量が、20リットル/minを越えては、回収する汚水の容量が多くなって、後処理に負担がかかってしまう。
【0015】
また、噴射ノズルの処理面との距離は、5mm未満では、処理面に凹凸がある場合に噴射ノズルが損傷し易く、また、20mmを越えれば、処理水が処理面に到達する直前で衝撃力を低下させたような霧状となって、処理効果を低減させてしまうことから、噴射ノズルの処理面との距離は、5〜20mmの範囲内、望ましくは、5〜10mmの範囲内とすることが望ましい。
【0016】
そしてさらに、噴射ノズルは、回転噴射体全体の給水量を20リットル/min以下とする範囲内とする数の使用とし、かつ
、回転噴射体の回転時の噴射ノズルの回転軌跡を相互にずらした配置とするように、回転噴射体に配設されている。そのため、処理面の削れが抑制されて、施工後に処理面を復元させる処理を不要にすることが可能となり、また、使用する処理水の量も抑制されて、回収された汚水の後処理が容易となる。
【0017】
<請求項2の説明>
本発明に係る除染処理方法では、各噴射ノズルからの処理水の吐出圧を125〜225Mpaの範囲内とすることが望ましい。
【0018】
このような方法では、処理面を1〜2mm程度で削る場合が生ずるが、復元するための施工が不要な範囲であって、好適に、処理面を除染することができる。逆に、処理面の表面を均一に薄く削れることから、奇麗に洗浄した状態にできて、所定の摩擦抵抗を回復でき、路面としての機能向上を図ることも可能となる。
【0019】
<請求項3の説明>
あるいは、本発明に係る除染処理方法では、各噴射ノズルからの処理水の吐出圧を100Mpa以上、125Mpa未満の範囲内としてもよい。
【0020】
このような方法では、処理面の露出した表面に放射性物質が付着されている場合に、処理面を削ること無く除染できて、好適となる。換言すれば、このような除染処理方法では、放射性物質が内部に潜り込み難く表面に付着し易い樹脂舗装やゴム舗装とするような処理面に対して、好適となる。
【0021】
<請求項4の説明>
本発明に係る除染処理方法では、前記回転噴射体全体への処理水の給水量を6〜12リットル/minの範囲内とすることが望ましい。
【0022】
このような方法では、吸引手段で吸引した処理後の汚水が少量となって、後処理が容易となり、さらに、汚水を回収して後処理する際の回収タンク、あるいは、汚水中の放射能付着物を沈殿分離させたり濾過する処理槽等をコンパクトにできて、除染現場で後処理が可能となって、除染処理を迅速に行うことが可能となる。
【0023】
<請求項5の説明>
さらに、本発明に係る除染処理方法では、処理水の少なくとも一部には、吸引手段で吸引された汚水を、凝集剤を利用する沈殿処理と濾過処理とを行なった後の上澄み液、を使用することが望ましい。
【0024】
このような方法では、汚水を処理水として再使用でき、除染現場での新たな処理水の準備や汚染物の廃棄処理量を軽減できて、現場での除染作業を効率的に行うことができる。
【0025】
<請求項6の説明>
本発明に係る表面処理装置では、放射性物質の付着した処理面に対して高圧の処理水を噴射して、処理面のcpm値を低減させる除染処理方法に使用可能な表面処理装置であって、
高圧の処理水を噴射する所定数の噴射ノズルを配置させたノズルアームを、回転中心から放射状に複数延ばすように配設させて構成され、回転面を処理面に沿わせた状態として、前記ノズルアームを回転させつつ、前記処理水を前記噴射ノズルから噴射させて、前記処理面を処理可能な回転噴射体と、
該回転噴射体を回転可能に支持して、前記回転噴射体の周囲を覆うハウジングと、
該ハウジングに接続されて、処理後の処理水と処理面付着物とが混ざり合った汚水を吸引可能な吸引手段と、
該ハウジングを支持して、前記回転噴射体と前記ハウジングとを前記処理面上に沿って移動可能とする車輪と、
を備え、
複数の前記噴射ノズルが、
吐出圧を100〜280Mpaの範囲内として、それぞれ、0.2〜3.5リットル/minの吐出量として構成されるとともに、
前記ハウジングの移動を停止させた状態で前記回転噴射体を回転させた際の前記噴射ノズルの回転軌跡を、前記回転中心から2.3〜4.8mmの範囲内とした半径寸法差の多数の同心的な円弧とし、さらに、
前記処理面との距離を5〜20mmの範囲内とするように、
配設されていることを特徴とする。
【0026】
本発明に係る表面処理装置では、噴射ノズルから噴射される処理水が、吐出圧を100〜280Mpaの範囲内での各噴射ノズルからの吐出量を0.2〜3.5リットル/minの範囲とし、かつ、処理面との距離を5〜20mmの範囲内として、各噴射ノズルから処理水が噴射される。
【0027】
このような処理水の噴射は、既述したように、100〜280Mpaの範囲内とした高圧でも、各噴射ノズルからの吐出量を少量の0.2〜3.5リットル/minの範囲内としていることから、極力、小径の針状(髪の毛状)の水柱状として、処理水を処理面に衝突させることができる。そのため、このような処理水の噴射は、処理面をはつること(削ること)を抑えて、放射能物質が付着した付着物を細かくしつつ処理面から剥離することができる。
【0028】
また、既述したように、各噴射ノズルからの吐出量が0.2〜3.5リットル/minとしていれば、吸引手段で吸引する処理後の汚水の容量を、極力、少なくできる。
【0029】
なお、既述したように、高圧下での各噴射ノズルからの吐出量は、0.2リットル/min未満では、処理効果を確保し難く、3.5リットル/minを越えては、全体の給水量が単に増加するだけで、処理効果の向上が図れず、処理後の汚水の容量が増えるだけとなって、好ましくなく、そのため、高圧下での各噴射ノズルからの吐出量は、0.2〜3.5リットル/min、望ましくは、0.2〜1.0リットル/minの範囲内が望ましい。
【0030】
また、既述したように、噴射ノズルの処理面との距離は、5mm未満では、処理面に凹凸がある場合に噴射ノズルが損傷し易く、また、20mmを越えれば、処理水が処理面に到達する直前で衝撃力を低下させたような霧状となって、処理効果を低減させてしまうことから、噴射ノズルの処理面との距離は、5〜20mmの範囲内、望ましくは、5〜10mmの範囲内とすることが望ましい。
【0031】
さらに、本発明に係る表面処理装置では、細い針状とした処理水を噴射する噴射ノズルが、複数のノズルアームに配設されて、回転し、その際の回転中心からの回転軌跡を2.3〜4.8mmの範囲内とした半径寸法差(ピッチと言い換えることもできる)の多数の同心的な円弧としており、処理水を各噴射ノズルから噴射させて回転噴射体を回転させつつ、車輪を利用して、移動させれば、極力、均等に密接した針状の処理水を螺旋状に噴射できて、各噴射ノズルからの吐出量を0.2〜3.5リットル/minとして少量としていても、効率的に、処理面を処理できる。
【0032】
なお、回転軌跡のピッチ(半径寸法差)を2.3mm未満とする場合には、高圧で処理水を噴射する噴射ノズルが、相互に接近しすぎ、ノズルアームの強度低下等を招いて、ノズルアームに配置し難く、4.8mmを超えては、処理面上での軌跡に隙間が空き、噴射ノズルから噴射する処理水を、処理面の全域に均等に当て難くなることから、回転軌跡のピッチは、2.3〜4.8mm、望ましくは、2.5〜3.3mmの範囲内が望ましい。
【0033】
<請求項7の説明>
本発明に係る表面処理装置では、既述の吐出圧を100〜280Mpaの範囲内として、0.2〜3.5リットル/minの吐出量となる噴射ノズルは、処理水を噴射する噴射口の開口径に換算すると、0.07〜0.4mmの範囲内のものが好適となる。
【0034】
<請求項8の説明>
本発明に係る表面処理装置では、前記回転噴射体は、
全体の処理水の給水量を6〜20リットル/minの範囲内として、
前記ノズルアームを、回転中心からの長さ寸法を略150mmとした4〜8本の範囲内とし、回転中心から均等な放射状に配設するとともに、
一本の前記ノズルアームに配設する前記噴射ノズルを、5個以下として構成し、さらに、
前記ハウジングの移動を停止させた状態で前記回転噴射体を回転させた際の前記噴射ノズルの回転軌跡を、同心的な20〜40個の範囲内の円弧とするように、前記各噴射ノズルを配置することが望ましい。
【0035】
このような構成では、実用的な範囲内で好適に回転噴射体を形成できる。
【0036】
すなわち、本発明に係る表面処理装置では、吐出圧を100〜280Mpaの範囲内での各噴射ノズルの吐出量を0.2〜3.5リットル/minとしても、全体の処理水の給水量を6〜20リットル/minの範囲内とすれば、吸引手段で吸引した処理後の汚水が少量となって、後処理が容易となる。
【0037】
なお、既述したように、回転噴射体の全体の処理水の給水量を6リットル/min未満とすれば、処理効果を確保した状態での各噴射ノズルからの吐出量を確保し難くなり、20リットル/minを越えては、回収する汚水の容量が多くなって、後処理に負担がかかることから、全体の処理水の給水量は、6〜20リットル/min、望ましくは、6〜12リットル/minの範囲内が望ましい。
【0038】
そして、回転噴射体全体の処理水の給水量を6〜20リットル/minの範囲内として、それぞれの吐出量を0.2〜3.5リットル/minの範囲内とする噴射ノズルは、最大の場合の総数は、40個であって、噴射ノズルは、40個以下となり、また、各噴射ノズルの回転軌跡は、噴射ノズルの使用個数に対応して、同心的な40個以下となる。
【0039】
そしてさらに、回転噴射体のノズルアームの本数を4〜8本とし、各ノズルアームにおける噴射ノズル数を5個以下としておけば、各ノズルアームの回転中心からの長さ寸法をコンパクトな略150mmとしていても、噴射ノズルの回転軌跡のピッチを密接に処理面をカバーできるような2.3〜4.8mmの範囲内とする構成としても、容易に、ノズルアームにおける高圧な処理水の流路の強度や回転構造の配置スペースを確保しつつ、各噴射ノズルを配置できる。
【0040】
すなわち、まず、回転噴射体のノズルアームの本数が、5〜8本の8本とし、各ノズルアームにおける噴射ノズル数を5個以下の5個とすれば、多数の噴射ノズルの回転軌跡を同心的な最大の40個に、容易に、各噴射ノズルを配設できる。
【0041】
そして、各ノズルアームの回転中心からの長さ寸法をコンパクトな略150mmとしていても、各ノズルアームにおける高圧の処理水の流路の強度や回転構造の配置スペースを考慮すれば、その配置スペースは、各ノズルアームの半径方向の略90mm程度の幅寸法のエリアとなり、その程度のエリアであっても、最大5個の噴射ノズルは容易に配置可能となる。
【0042】
そのため、各噴射ノズル相互の回転軌跡のピッチを、密接に処理面をカバーできるように、2.3〜4.8mmの範囲内とし、多数の噴射ノズルの回転軌跡を同心的な40個以下としていても、ノズルアームの略150mmの長さ寸法内での設置スペースとして確保可能な略90mm程度の半径方向に沿った幅寸法の範囲内に、所定数の噴射ノズルを配置させつつ、所定のピッチとした多数の円弧状の回転軌跡を確保するように、回転噴射体を構成でき、さらに、回転噴射体をコンパクトに構成することができる。
【0043】
なお、多数の噴射ノズルの回転軌跡としては、同心的な円弧を20個以上配設できる構成であれば、各ノズルアームにおける略90mm程度の半径方向に沿った幅寸法の範囲内に、高圧の処理水を噴射する5個以下の5個とした噴射ノズルを配設し、ノズルアームの最小本数の4本とする構成としても、密接に処理面をカバーできるように、容易に、噴射ノズルの回転軌跡のピッチ(半径寸法差)を、2.3〜4.8mmの範囲内とすることができる。そして、回転軌跡が同心的な円弧を19個以下とする構成であれば、噴射ノズルの回転軌跡のピッチが、4.8mmを越えてしまい、噴射ノズルから噴射する処理水の処理面上での軌跡の隙間が多くなって、処理効果を低下させてしまう。
【0044】
また、ノズルアームの本数は、3本以下では、各ノズルアームに5個の噴射ノズルを配設しても、ハウジングの静止状態での各噴射ノズルの回転軌跡として、20個の円弧を確保できず、また、9本以上では、各ノズルアームが相互に接近し過ぎて、回転噴射体の回転中心付近に吸引手段の負圧を作用させ難くなって(換言すれば、各ノズルアーム自体を送風機のファンのように作用させ難くなって)、処理後の汚水を処理面上に残してしまう虞れが生じ、さらに、回転噴射体の重量増加を招いて、回転速度を低下させたり、回転噴射体の支持構造の強度に影響を与えてしまう。そのため、ノズルアームの本数は、4〜8本、望ましくは、5〜8本以内が望ましい。
【0045】
<請求項9の説明>
そして、本発明に係る表面処理装置では、前記回転噴射体は、前記ハウジングの移動を停止させた状態で前記回転噴射体を回転させた際の前記噴射ノズルの回転軌跡のピッチを、均等とするように、前記各噴射ノズルを配設することが望ましい。
【0046】
このような構成では、移動させつつ回転する回転噴射体の各噴射ノズルから処理水を噴射すれば、一層、均等に処理面に対して処理水を当てることができて、効率的に処理することができる。
【0047】
<請求項10の説明>
さらに、本発明に係る表面処理装置では、前記各噴射ノズルは、前記ハウジングの移動を停止させた状態で前記回転噴射体を回転させた際に、それぞれ、他の円弧と重ならない円弧の軌跡とするように、配設することが望ましい。
【0048】
このような構成では、処理水を噴射する各噴射ノズルが、それぞれ、相互に重ならずに、円弧(移動すれば螺旋状となる)の軌跡を描くように、回転するため、一層、均等に処理水を処理面に当てることができ、処理面の削りを抑えつつ効果的に処理することができる。
【0049】
<請求項11の説明>
さらにまた、本発明に係る表面処理装置では、使用する前記噴射ノズルは、吐出量を異ならせた複数種類使用してもよく、その場合には、吐出量を大きくする前記噴射ノズルは、吐出量を小さくする前記噴射ノズルより、前記ハウジングの移動を停止させた状態で前記回転噴射体を回転させた際の前記各噴射ノズルの回転軌跡において、前記回転中心から離れた外側の円弧となるように、配設することが望ましい。
【0050】
このような構成では、回転軌跡の円弧が外側となる噴射ノズルは、回転中心から離れたノズルアームの先端側に配置されることとなって、内側の噴射ノズルより、回転方向の移動速度と移動量が大きくなってしまう。そのため、回転中心から離れた外側の噴射ノズルの吐出量を、内側の噴射ノズルの吐出量より大きくすれば、それぞれの回転軌跡の円弧の単位長さ当たりの処理水の吐出量を、極力、均等化できる。
【0051】
その結果、回転中心からの噴射ノズルの配置距離の遠近の影響を無くして、一回転当たりの回転噴射体における処理面の各部位に対する処理水の圧力(容量・衝撃力)を、均等化でき、一層、処理面の削りを抑えつつ効果的に処理することができる。
【0052】
<請求項12の説明>
また、本発明に係る表面処理装置では、前記ハウジングは、
前記回転噴射体の上方を覆う天井壁部と、前記回転噴射体の周囲を全周にわたって覆う周壁部と、を設けて構成するとともに、
前記周壁部の下端に、下端を前記処理面と接触させつつ撓み可能な円筒状のシール材を配設させて構成し、
前記シール材が、各々、可撓性を有した線材を、下端を自由端とするように束ねて、円筒状とした外周側の外側ブラシ層と、内周側の内側ブラシ層と、を備えて構成され、
前記外側ブラシ層は、前記内側ブラシ層より、線材の長さを長く、かつ、線材の曲げ剛性を低くして、構成することが望ましい。
【0053】
このような構成では、ハウジング内の密閉状態を確保し易く、吸引手段が、外側ブラシ層と内側ブラシ層との各々の線材間の小さな隙間を経てハウジング外の空気を吸引しつつ、処理後の処理水や処理面付着物の混ざり合った汚水を、ハウジング外に漏らしたり、処理面上に残すことを抑えて、円滑に、吸引できる。すなわち、このような構成では、曲げ剛性の高い内側ブラシ層が、ハウジング内の密閉性を確保でき、そして、ハウジングの移動に伴って、内側ブラシ層の先端が処理面から離れても、曲がり易い外側ブラシ層が、撓みつつ、処理面と内側ブラシ層との間を塞いで、ハウジング内の密閉状態を確保できる。
【0054】
勿論、シール材が、ブラシから形成されているため、処理面上に小石等の突出物があっても、円滑に撓んで、表面処理装置を処理面に沿って移動させることができる。
【0055】
<請求項13の説明>
そして、シール材が、外側ブラシ層と内側ブラシ層とを設けて構成される場合、前記外側ブラシ層と前記内側ブラシ層との間には、前記外側ブラシ層の内側面を覆い可能とした前記内側ブラシ層より長い円筒状とし、かつ、撓み可能としたゴムシートを、配設させてもよい。
【0056】
このような構成では、ゴムシートが、内側ブラシ層と外側ブラシ層とを分離させておくことができることから、外側ブラシ層が内側に曲がって内側ブラシ層に進入するような曲げ変形を防止できる。そのため、内側ブラシ層の密閉性能を阻害せずに、内側ブラシ層が処理面の突出物に押されて処理面から上方に離れても、長期間にわたって、円滑に、外側ブラシ層が、密閉性能を補完するように、処理面と内側ブラシ層との間を塞いで、ハウジング内の密閉状態を確保できる。
【0057】
勿論、このような構成では、ゴムシート自体も、処理面に接触して撓みつつ、ハウジング内の密閉状態を確保できるため、シール材の密閉性向上にも寄与できる。
【0058】
<請求項14の説明>
さらに、本発明の除染処理方法では、放射性物質の付着した処理面に対して高圧の処理水を噴射して、処理面のcpm値を低減させる除染処理方法であって、
前記吸引手段の吸引量を30〜40m
3/minの範囲内、前記回転噴射体の回転数を1800〜2000回/minの範囲内、前記処理水吐出圧を100〜280Mpaの範囲内、望ましくは、125〜225Mpaの範囲内、移動速度を3〜8m/minの範囲内として、
請求項5乃至請求項12に記載の前記表面処理装置を、作動させつつ処理面上を移動させて行うことを特徴とする。
【0059】
このような方法では、処理前の処理面の放射線量が数千cpmとしていても、200cpm以下とすることができる。
【0060】
<請求項15の説明>
さらに、この場合の除染処理方法でも、処理水の少なくとも一部には、吸引手段で吸引された汚水を、凝集剤を利用する沈殿処理と濾過処理とを行なった後の上澄み液、を使用することが望ましい。
【0061】
このような方法では、既述したように、汚水を処理水として再使用でき、除染現場での新たな処理水の準備や汚染物の廃棄処理量を軽減できて、現場での除染作業を効率的に行うことができる。