(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車両積載台は、前記(B1)の時に車両の前輪が乗っており、前記(B2)の時に車両の前輪と後輪が乗っている上面を有し、この上面を構成する部材は、X線が透過する材料で形成されており、
X線検査領域の上方と下方の一方には、X線照射装置が設けられ、X線検査領域の上方と下方の他方には、X線検出器が設けられ、
前記(C1)または(C2)において、X線照射装置により、X線検査領域に向けてX線を照射し、これにより、当該X線は、X線検査領域に位置する前記部材と、これに乗っている車両とを透過して、X線検出器に検出される、ことを特徴とする請求項2又は3に記載のX線検査方法。
【背景技術】
【0002】
従来において、車両のX線検査では、車両の運転手にX線を被ばくさせないようにするために、車両搬送装置により無人の車両を移動させている。すなわち、従来のX線検査方法では、車両搬送装置により無人の車両をX線検査領域に搬送し、車両の積載物に対してX線検査を行い、この車両を搬送装置によりX線検査領域外に搬送している。例えば、車両は、トラックであり、積載物は、当該トラックの荷台に積まれたコンテナの内部に収容されている。
【0003】
図1(A)は、従来の車両搬送装置50を示す平面図である。
図1(B)は、
図1(A)のB−B線矢視図である。
図1(C)は、
図1(B)のC−C線矢視図である。
【0004】
車両搬送装置50は、間隔をおいて平行に配置された一対のレール51上を走行する。車両搬送装置50は、フレーム53と車輪55とアーム部材57とフォーク部材59を備える。
【0005】
フレーム53には、レール51上を走行する車輪55が設けられている。車輪55をモータ(図示せず)で回転駆動することにより、フレーム53は、レール51に沿って移動する。
【0006】
アーム部材57は、
図1(B)ではL字状の部材であり、フレーム53に支持されている。アーム部材57は、レール51の長手方向にフレーム53から張り出すようにフレーム53に連結されている。アーム部材57は、フレーム53に対して昇降可能にフレーム53に連結されている。
図1(A)(B)の例では、アーム部材57は、シリンダ装置61により、フレーム53に対して軸C1回りに回転駆動されて、その張り出し側が昇降する。アーム部材57は、フレーム53における幅方向両端にそれぞれ設けられる。ここで、幅方向とは、レール51の長手方向と直交する水平方向である(以下同様)。
なお、アーム部材57には、図示を省略するが、レール51上を走行する補助輪が設けられる。この補助輪は、アーム部材57に対して昇降可能であることにより、アーム部材57が上昇した時に、アーム部材57に対し下降してレール51に乗り、アーム部材57が下昇した時に、アーム部材57に対し上昇してレール51に乗るようになっている。
【0007】
一対のフォーク部材59が、各アーム部材57に設けられる。一対のアーム部材57が、
図1(A)のように車両1の2つの前輪1aを間に挟む位置にある状態で、一方のアーム部材57の一対のフォーク部材59は、
図1(A)のように当該車両1の一方の前輪1aを前後方向に挟持する挟持位置と、当該一方の前輪1aを前後方向に挟持しない非挟持位置との間で動作可能である。同様に、他方のアーム部材57の一対のフォーク部材59は、
図1(A)のように当該車両1の他方の前輪1aを前後方向に挟持する挟持位置と、当該他方の前輪1aを前後方向に挟持しない非挟持位置との間で動作可能である。例えば、各フォーク部材59は、駆動装置(図示せず)により
図1(A)の軸C2回りに回転駆動されることにより、挟持位置と非挟持位置との間で動作可能である。
なお、
図1において、各フォーク部材59は、挟持位置にあり、この位置から、先端が互いに離れるように軸C2回りに回転駆動されることにより、非挟持位置へ動作する。各フォーク部材59は、非挟持位置にある時には、例えば、レール51の長手方向を向いている。
【0008】
車両搬送装置50は、上述の構成により、次のように車両1を搬送することができる。まず、各フォーク部材59が非挟持位置にある状態で、車両搬送装置50は、一対のアーム部材57が車両1の2つの前輪1aを幅方向に挟む位置へレール51上を移動し、この位置で停止する。次に、各アーム部材57の一対のフォーク部材59が、非挟持位置から挟持位置へ動作して車両1の前輪1aを挟持する。この状態で、各アーム部材57が、軸C1回りに上方に回転駆動されることにより、前輪1aを路面52から持ち上げる。この状態で、車両搬送装置50が、再び、レール51上を移動することにより、車両1をレール51に沿って搬送する。この時、車両1の後輪は、路面52上を転動する。搬送を終えたら、各アーム部材57が、軸C1回りに下方に回転駆動されることにより、前輪1aを路面52に降ろす。その後、各アーム部材57の一対のフォーク部材59が、挟持位置から非挟持位置へ動作して車両1の前輪1aを解放する。このような車両搬送装置50の構成は、例えば、下記の特許文献1に記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した車両搬送装置50は、4輪駆動の車両を搬送することができない。4輪駆動の車両では、前輪と後輪とが連動する。したがって、上述の車両搬送装置50が、4輪駆動の車両の前輪を持ち上げて、この車両を搬送する時に、後輪が路面上を転動する。この転動に連動して、前輪も回転する。これによって、前輪がフォーク部材59から外れてしまう。したがって、上述した車両搬送装置50は、4輪駆動の車両を搬送することができない。
【0011】
そこで、本発明の目的は、コンテナトラックやトレーラなどの前後方向に長い2輪駆動の車両だけでなく、前後方向に短い4輪駆動の車両も搬送できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の目的を達成するため、本発明によると、車両の少なくとも一部を乗せて、この車両を搬送する装置であって、
車両の前輪と後輪のうち前輪のみ、または、車両の前輪と後輪の両方を載せる車両積載台と、
車両積載台に設けられ、車両積載台の前後方向に、車両積載台上の車両の車輪に係合可能な車止め装置と、
車両積載台に設けられ、車両積載台を走行させる走行駆動装置と、を備え、
車両積載台の前後方向に、車両が自走することにより、車両の前輪のみ、または、車両の前輪と後輪の両方が、車両積載台に乗ることができ、かつ、車両積載台から降りることができ、
前後方向の長さが第1の許容値を越える車両の前輪のみが、車両積載台に乗り、この前輪に車止め装置が係合した状態で、車両積載台が走行することにより当該車両を牽引して搬送可能であり、
前後方向の長さが第2の許容値以下である車両の前輪と後輪の両方が車両積載台に乗った状態で、車両積載台が走行することにより当該車両を搬送可能であ
り、
車両積載台の前端と後端には、斜面形成部が取り付けられており、
車両積載台の前後方向に、車両が自走することにより、車両の前輪のみ、または、車両の前輪と後輪の両方が、前方側の斜面形成部の斜面を通って、車両積載台に乗ることができ、かつ、後方側の斜面形成部の斜面を通って、車両積載台から降りることができる、ことを特徴とする車両搬送装置が提供される。
【0013】
なお、本願において、車両の前輪とは、車両の車輪のうち、最も前方に位置する車輪であり、車両の後輪とは、車両の車輪のうち、最も後方に位置する車輪である。
また、本願において、車両の前輪のみとは、車両の前輪と後輪のうち前輪のみであることを意味する。
【0014】
また、自走とは、運転手の運転により、車両が走行する動作をいう。
【0015】
また、本発明によると、
車両の少なくとも一部を乗せて、この車両を搬送する装置であって、
車両の前輪と後輪のうち前輪のみ、または、車両の前輪と後輪の両方を載せる車両積載台と、
車両積載台に設けられ、車両積載台の前後方向に、車両積載台上の車両の車輪に係合可能な車止め装置と、
車両積載台に設けられ、車両積載台を走行させる走行駆動装置と、を備え、
車両積載台の前後方向に、車両が自走することにより、車両の前輪のみ、または、車両の前輪と後輪の両方が、車両積載台に乗ることができ、かつ、車両積載台から降りることができ、
前後方向の長さが第1の許容値を越える車両の前輪のみが、車両積載台に乗り、この前輪に車止め装置が係合した状態で、車両積載台が走行することにより当該車両を牽引して搬送可能であり、
前後方向の長さが第2の許容値以下である車両の前輪と後輪の両方が車両積載台に乗った状態で、車両積載台が走行することにより当該車両を搬送可能である車両搬送装置を用いたX線検査方法であって、
前後方向の長さが第1の許容値を越える車両のX線検査を行う場合には、
(A1)車両の自走により車両積載台に車両の前輪のみが乗り、この前輪に車止め装置が係合し、
(B1)この状態で、車両積載台が走行することにより、車両積載台が車両を牽引して、X線検査領域を通過し、
(C1)前記(B1)の時に、X線照射装置により、X線検査領域に向けてX線を照射し、X線検査領域に位置する車両を透過した当該X線を、X線検出器により検出して、当該車両を検査するためのX線データを取得し、
(D1)前記(B1)の後、車両積載台が停止し、車両積載台から車両が自走して降り、
前後方向の長さが第2の許容値以下である車両のX線検査を行う場合には、
(A2)車両の自走により、車両積載台に車両の前輪と後輪の両方が乗り、
(B2)この状態で、車両積載台が走行することにより、車両積載台がX線検査領域を通過し、
(C2)前記(B2)の時に、X線照射装置により、X線検査領域に向けてX線を照射し、X線検査領域に位置する車両を透過した当該X線を、X線検出器により検出して、当該車両を検査するためのX線データを取得し、
(D2)前記(B2)の後、車両積載台が停止し、車両積載台から車両が自走して降りる、ことを特徴とするX線検査方法が提供される。
【0016】
本発明の好ましい実施形態によると、車両積載台は、前記(B1)の時に車両の前輪が乗っており、前記(B2)の時に車両の前輪と後輪が乗っている上面を有し、この上面を構成する部材は、X線が透過する材料で形成されており、
X線検査領域の上方と下方の一方には、X線照射装置が設けられ、X線検査領域の上方と下方の他方には、X線検出器が設けられ、
前記(C1)または(C2)において、X線照射装置により、X線検査領域に向けてX線を照射し、これにより、当該X線は、X線検査領域に位置する前記部材と、これに乗っている車両とを透過して、X線検出器に検出される。
【発明の効果】
【0017】
上述した本発明によると、次のように、前後方向に長い2輪駆動(例えば後輪駆動)の車両だけでなく、前後方向に短い4輪駆動(すなわち前輪と後輪の連動駆動)の車両も搬送できる。
【0018】
前後方向の長さが第1の許容値を越える車両(例えば、コンテナトラックまたはトレーラ)の前輪と後輪のうち前輪のみが、車両積載台に乗り、この前輪に車止め装置が係合した状態で、車両積載台が走行することにより当該車両を牽引して搬送可能である。したがって、前後方向に長い車両を牽引して搬送することができる。
【0019】
前後方向の長さが第2の許容値以下である4輪駆動の車両の前輪と後輪の両方が車両積載台に乗った状態で、車両積載台が走行することにより当該車両を搬送可能である。したがって、4輪駆動の車両を搬送することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0022】
図2と
図3は、本発明の実施形態による車両搬送装置10の構成を示す。
図2(A)は、平面図である。
図2(B)は、
図2(A)のB−B線矢視図である。
図3は、
図2(A)のIII−III線矢視図である。
車両搬送装置10は、車両1の少なくとも一部を乗せて、この車両1を搬送する。車両搬送装置10は、車両積載台3と、車止め装置5と、走行駆動装置7とを備える。
【0023】
車両積載台3は、車両1の前輪1aと後輪1bのうち前輪1aのみ、または、車両1の前輪1aと後輪1bの両方を載せる。なお、図面において、車両1は1点鎖線で描かれている。なお、本願において、車両1には、その前方側の左右にそれぞれ前輪1aが設けられ、その後方側の左右にそれぞれ後輪1bが設けられている。
【0024】
車止め装置5は、車両積載台3に設けられる。車止め装置5は、車両積載台3の前後方向に、車両積載台3上の車両1の前輪1aに係合可能である。
【0025】
走行駆動装置7は、車両積載台3に設けられる。走行駆動装置7は、車両積載台3を走行させる。
【0026】
本実施形態によると、車両積載台3の前後方向に、車両1が自走することにより、車両1の前輪1aと後輪1bのうち前輪1aのみ、または、車両1の前輪1aと後輪1bの両方(すなわち車両1の全体)が、車両積載台3に乗ることができ、かつ、車両積載台3から降りることができる。
【0027】
前後方向の長さが第1の許容値を越える車両1(以下、単に大型車両という)の前輪1aと後輪1bのうち前輪1aのみが、車両積載台3に乗り、この前輪1aに車止め装置5が係合した状態で、走行駆動装置7が車両積載台3を走行させることにより当該車両1を牽引して搬送可能である。
【0028】
前後方向の長さが第2の許容値以下である車両1の前輪1aと後輪1bの両方が車両積載台3に乗った状態で、走行駆動装置7が車両積載台3を走行させることにより当該車両1を搬送可能である。ここで、第2の許容値は、上述の第1の許容値と同じであってもよいし、第1の許容値よりも小さくてもよい。また、本実施形態では、前後方向の長さが第2の許容値以下である車両1は、4輪駆動の車両1(以下、単に4輪駆動車という)である。
【0029】
次に、車両積載台3の構成をより詳しく述べる。
【0030】
車両積載台3の前端と後端には、斜面形成部9が取り付けられている。車両積載台3の前後方向に、車両1が自走することにより、車両1の前輪1aと後輪1bのうち前輪1aのみ、または、車両1の前輪1aと後輪1bの両方が、後方側(
図2(A)の右側)の斜面形成部9の斜面9a(以下、単に後方側の斜面9aという)を通って、路面2から車両積載台3に乗ることができ、かつ、前方側の斜面形成部9の斜面9a(以下、単に前方側の斜面9aという)を通って、車両積載台3から路面2へ降りることができる。
【0031】
後方側の斜面9aは、車両積載台3の後端から後方側(
図2(B)の右側)に移行するにつれて、車両積載台3の上面3aの高さから徐々に低くなっている。車両1の前輪1aと後輪1bが、その転動により、路面2から後方側の斜面9aへ無理なく乗ることができるように、この斜面9aの後端(
図2(B)の右側端)は、路面2よりもわずかに高い位置にある。
同様に、前方側の斜面9aは、車両積載台3の前端から前方側(
図2(B)の左側)に移行するにつれて、車両積載台3の上面3aの高さから徐々に低くなっている。車両1の前輪1aと後輪1bが、その転動により、前方側の斜面9aから路面2へ無理なく降りることができるように、この斜面9aの前端(
図2(B)の左側端)は、路面2よりもわずかに高い位置にある。
【0032】
上面3aには、前後方向の長さが第1の許容値を超える大型車両1の前輪1a、または、前後方向の長さが第2の許容値以下の4輪駆動車1の前輪1aと後輪1bが乗り、この状態で、車両積載台3が移動することにより、大型車両1または4輪駆動車1が搬送される。
すなわち、車両積載台3は、後述のステップS3の時に大型車両1の前輪1aが乗っており、後述のステップS13の時に4輪駆動車1の前輪1aと後輪1bが乗っている上面3aを有する。この上面3aを構成する部材11は、X線が透過する材料で形成されている。ここで、X線が透過する材料は、例えば、アルミニウムまたは繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)である。部材11は、例えば平板状部材である。
図2(A)の例では、平板状部材11は、鉛直方向から見た場合に、長方形の形状を有している。
【0033】
車両積載台3は、平板状部材11を支持する枠体13を有する。枠体13は、平板状部材11の外縁に沿って延び、平板状部材11の外縁(好ましくは、外縁全体)が枠体13に結合されている。
図2(A)の例では、枠体13は、前方枠部13aと、後方枠部13bと、左側枠部13cと、右側枠部13dとを有する。前方枠部13aには、平板状部材11の前側の縁が結合されている。後方枠部13bには、平板状部材11における後側の縁が結合されている。左側枠部13cには、平板状部材11における左側の縁が結合されている。右側枠部13dには、平板状部材11における右側の縁が結合されている。
【0034】
次に、車止め装置5の構成をより詳しく述べる。
【0035】
車止め装置5は、アクチュエータ15、17と、牽引用の係合部材19と、位置決め用の係合部材21とを有する。アクチュエータ15は、牽引用の係合部材19を、係合位置から非干渉位置へ動作させ、非干渉位置から係合位置へ動作させる。アクチュエータ17は、位置決め用の係合部材21を、係合位置から非干渉位置へ動作させ、非干渉位置から係合位置へ動作させる。
【0036】
牽引用の係合部材19は、係合位置にある状態で、車両積載台3に乗った大型車両1の前輪1aに、この車両1の後ろ側から、この車両1の前後方向に係合する。牽引用の係合部材19は、非干渉位置にある状態で、路面2から車両積載台3に自走して乗ってくる車両1の前輪1aと後輪1bに干渉せず、車両積載台3から路面2へ自走して降りる車両1の前輪1aと後輪1bに干渉しない。
【0037】
位置決め用の係合部材21は、係合位置にある状態で、車両積載台3に自走して乗ってきた大型車両1の前輪1aに、この車両1の前後方向に、この車両1の前方側から当たる。これにより、この前輪1aは、位置決め用の係合部材21の位置に停止する。位置決め用の係合部材21は、非干渉位置にある状態で、路面2から車両積載台3に自走して乗ってくる車両1の前輪1aと後輪1bに干渉せず、車両積載台3から路面2へ自走して降りる車両1の前輪1aと後輪1bに干渉しない。
【0038】
図2の例では、アクチュエータ15は、往復運動をするロッド23をピストンロットとして有する油圧シリンダ装置である。アクチュエータ15は、そのピストンロッド23を往復動させることより、軸25を回転させる。
図2の例では、ロッド23の先端部に、リンク27の一端部が取り付けられている。リンク27は、その一端部を通る水平軸回りに、ロッド23に対して回転可能である。リンク27の他端部は、軸25に固定されている。軸25は、回転以外の運動をしないように、回転可能に枠体13に支持されている。軸25は、牽引用の係合部材19の下端部にも固定され水平方向を向いている。したがって、アクチュエータ15は、軸25を回転させることにより、軸25と係合部材19を一体的に回転させ、係合部材19を、
図2(B)に示す係合位置と、
図4(A)に示す非干渉位置との間で動作させる。また、この例では、
図4(A)の状態で、係合部材19は、車両積載台3の平らな上面3aの一部を形成している。
【0039】
アクチュエータ17も、アクチュエータ15と同様に、ロッド23を有し、リンク27と軸25を介して、位置決め用の係合部材21を係合位置と非干渉位置との間で動作させる。例えば、アクチュエータ17は、軸25を回転させることにより、軸25と係合部材21を一体的に回転させ、係合部材21を、
図2(B)に示す係合位置と、
図4(A)に示す非干渉位置との間で移動させる。この例では、
図4(A)の状態で、係合部材21は、車両積載台3の平らな上面3aの一部を形成している。
【0040】
なお、アクチュエータ15、17は、油圧シリンダ装置に限定されず、それぞれ、係合部材19、21を係合位置と非干渉位置との間で動作させることができればよく、例えば、ロッド23を往復運動させるサーボモータであってもよい。
また、アクチュエータ15、17は、それぞれ、牽引用の係合部材19と位置決め用の係合部材21を、軸25を中心として回転させたが、本発明は、これに限定されない。例えば、アクチュエータ15、17は、それぞれ、牽引用の係合部材19と位置決め用の係合部材21を、係合位置と非干渉位置との間で往復直線運動させてもよい。
【0041】
好ましくは、牽引用の係合部材19と位置決め用の係合部材21は、X線が透過する材料で形成されている。ここで、X線が透過する材料は、上述と同様に、例えば、アルミニウムまたは繊維強化プラスチックである。
【0042】
次に、走行駆動装置7の構成をより詳しく述べる。
【0043】
走行駆動装置7は、駆動装置29と複数の車輪31を有する。駆動装置29は、車両積載台3に取り付けられ、車輪31を回転駆動する。複数の車輪31は、車両積載台3に取り付けられて、レール33に乗っている。複数の車輪31の少なくとも一部が、駆動装置29により回転駆動されてレール33上を走行する。駆動装置29は、
図2の例では、車両積載台3の最前方側に設けられた車輪31を回転駆動し、他の車輪31は、回転自在になっている。また、
図2の例では、駆動装置29は、モータであり、モータ29は、減速機28を介して車輪31を回転駆動する。なお、本発明によると、走行駆動装置7は、車両積載台3を走行させることができればよく、例えば、レール33を用いることなく車両積載台3を走行させてもよい。
【0044】
次に、上述した車両搬送装置10を用いたX線検査方法を述べる。
【0045】
図5は、このX線検査方法を行うX線検査装置20を示す。X線検査装置20は、上述した車両搬送装置10と、X線照射装置35と、X線検出器37を有する。X線照射装置35は、X線検査領域Rに向けてX線を照射する。X線検出器37は、X線照射装置35から照射され、X線検査領域Rを通過したX線を検出する。本実施形態では、X線検査領域Rの上方と下方の一方には、X線照射装置35が設けられ、X線検査領域Rの上方と下方の他方には、X線検出器37が設けられる。
【0046】
図6の左側は、前後方向の長さが第1の許容値を越える車両1(大型車両1)に対するX線検査方法を示すフローチャートである。この大型車両1は、コンテナトラックやトレーラなどであってよい。
【0047】
ステップS1において、大型車両1の前輪1aが、車両積載台3の後方側(
図5(A)の右側)から自走して、後方側の斜面9aを通って路面2から車両積載台3へ乗る。この時、車両積載台3は、
図5(A)に示す乗車位置P1にある。
【0048】
ステップS1では、牽引用の係合部材19は、大型車両1の前輪1aに干渉しない非干渉位置にある。
【0049】
一方、ステップS1では、位置決め用の係合部材21は、大型車両1の前輪1aに係合可能な係合位置にある。したがって、ステップS1において、大型車両1が、自走により、車両積載台3の後方側から車両積載台3に乗り、この大型車両1の前輪1aは、位置決め用の係合部材21に当たり、これ以上、前進できなくなる。このように、ステップS1では、大型車両1の前輪1aは、位置決め用の係合部材21に当たった位置(以下、停止位置という)で停止する。なお、ステップS1では、大型車両1は、運転手に運転されることにより自走する。
【0050】
ステップS2において、アクチュエータ15により、牽引用の係合部材19を、非干渉位置から係合位置へ移動させる。これにより、牽引用の係合部材19が、停止位置にある前輪1aに係合する。すなわち、牽引用の係合部材19が、車両積載台3の前後方向に、大型車両1の前輪1aの後方側から、この前輪1aに係合する。ここで、アクチュエータ15により係合部材19が前輪1aに押しつけられる力を適宜の手段で検出し、この検出値が設定値になった時の係合部材19の位置が、係合部材19の係合位置であってよい。すなわち、図示しない制御装置により、前記検出値が設定値になったら、係合部材19が停止するようにアクチュエータ15を制御してよい。牽引用の係合部材19が前輪1aに係合した状態で、次のステップS3を行う。
【0051】
ステップS3において、走行駆動装置7が車両積載台3を走行させることにより、車両積載台3は、大型車両1を牽引して搬送する。すなわち、係合部材19が大型車両1の前輪1aに係合していることにより、車両積載台3は、前進して大型車両1を牽引する。この時、大型車両1の後輪1bは、路面2上を転動する。
【0052】
ステップS3での車両積載台3の移動により、車両積載台3に牽引されている大型車両1がX線検査領域Rを通過する。
この時、X線照射装置35により、X線検査領域Rに向けてX線を照射し、X線検査領域Rに位置する大型車両1を透過した当該X線を、X線検出器37により検出して、当該大型車両1を検査するためのX線データを取得する。
なお、
図5の例では、X線検査領域Rは、X線検査室39内に位置する。X線検査室39の入口39aには、この入口39aを開閉する入口扉41が設けられ、X線検査室39の出口39bには、この出口39bを開閉する出口扉43が設けられる。
ステップS3では、入口扉41と出口扉43は次のように動作する。入口扉41により入口39aが開かれた状態で、車両積載台3と大型車両1が、入口39aからX線検査室39に入る。その後、入口扉41により入口39aが閉じられる。次いで、上述のように、車両積載台3に牽引されている大型車両1がX線検査領域Rを通過する。この時、上述のように、X線検査領域RにX線が照射されるので、安全のため、X線検査室39の入口39aと出口39bは、入口扉41と出口扉43により閉じられている。その後、出口扉43により出口39bが開かれる。この状態で車両積載台3と大型車両1は、出口39bからX線検査室39の外部へ移動する。
【0053】
このように、ステップS3での大型車両1の搬送により、大型車両1が、X線検査室39を通過して、
図5(B)に示すように、降車位置P2まで移動して停止する。
【0054】
ステップS4において、アクチュエータ15、17により、それぞれ、牽引用の係合部材19と位置決め用の係合部材21とが、係合位置から非干渉位置へ動作させられる。この状態で、次のステップS5が行われる。
【0055】
ステップS5において、大型車両1が、自走して車両積載台3から降りる。すなわち、大型車両1が自走して前進することにより、その前輪1aが、前方側の斜面9aを通って、車両積載台3から路面2へ降りるとともに、その後輪1bが、後方側の斜面9aを通って路面2から車両積載台3に乗り、さらに、前方側の斜面9aを通って車両積載台3から路面2へ降りる。
【0056】
なお、ステップS5において、大型車両1の前輪1aと後輪1bの両方が、一時的に、車両積載台3に乗ることになる場合には、車両積載台3の下面が路面2に接してもよい。すなわち、大型車両1の前輪1aと後輪1bの両方が車両積載台3に乗った時に、車両積載台3が大型車両1の重量で撓んで、車両積載台3の下面が路面2に接してもよい。
同様に、大型車両1において、前輪1aと後輪1bの間に中間の車輪がある場合に、前輪1aと中間の車輪の両方、または、中間の車輪と後輪1bの両方が、一時的に、車両積載台3に乗ることになる場合にも、車両積載台3の下面が路面2に接してもよい。すなわち、前輪1aと中間の車輪の両方、または、中間の車輪と後輪1bの両方が車両積載台3に乗った時に、車両積載台3が大型車両1の重量で撓んで、車両積載台3の下面が路面2に接してもよい。
【0057】
図6の右側は、前後方向の長さが第2の許容値以下である車両1(ここでは、4輪駆動車1)に対するX線検査方法を示すフローチャートである。この方法では、牽引用の係合部材19と位置決め用の係合部材21は、ステップS11の開始時からステップS15の終了時まで、非干渉位置に保たれる。
【0058】
ステップS11において、4輪駆動車1の前輪1aと後輪1bが、
図4(B)のように、車両積載台3の後方側から自走して、後方側の斜面9aを通って路面2から車両積載台3へ乗る。この時、車両積載台3は、上述した乗車位置P1にある。
【0059】
ステップS12において、運転手が、4輪駆動車1の車輪(例えば、後輪1b)にブレーキをかけた状態にする。これにより、4輪駆動車1の車輪が回転しなくなるので、次のステップS13において、4輪駆動車1は、車両積載台3上で停止した状態を保つ。なお、ステップS12では、運転手は、4輪駆動車1の車輪にブレーキをかけた後、4輪駆動車1から降りる。
【0060】
ステップS13において、走行駆動装置7が車両積載台3を走行させることにより、車両積載台3は、これに乗っている4輪駆動車1を搬送する。
【0061】
ステップS13での車両積載台3の移動により、車両積載台3上の4輪駆動車1がX線検査領域Rを通過する。
この時、X線照射装置35により、X線検査領域Rに向けてX線を照射し、X線検査領域Rに位置する4輪駆動車1を透過した当該X線を、X線検出器37により検出して、当該4輪駆動車1を検査するためのX線データを取得する。
ステップS13における、入口扉41と出口扉43の動作は、上述のステップS3の場合と同じである。
【0062】
ステップS13での車両積載台3の移動により、上述のように、車両積載台3上の4輪駆動車1がX線検査領域Rを通過した後、車両積載台3が、X線検査室39の出口39bを通過して、上述の降車位置P2まで移動して停止する。
【0063】
ステップS14において、運転手が、4輪駆動車1に乗り込んで、4輪駆動車1の車輪(例えば、後輪1b)にかけたブレーキを解除する。
【0064】
ステップS15において、4輪駆動車1が、自走して車両積載台3から乗り出す。すなわち、4輪駆動車1の自走により、その前輪1aと後輪1bは、前方側の斜面9aを通って、車両積載台3から路面2へ降りる。
【0065】
上述した本発明の実施形態によると、次のように、前後方向に長い2輪駆動の車両1だけでなく、前後方向に短い4輪駆動の車両1も搬送できる。前後方向の長さが第1の許容値を越える車両1(例えば、コンテナトラックまたはトレーラ)の前輪1aと後輪1bのうち前輪1aのみが、車両積載台3に乗り、この前輪1aに車止め装置5が係合した状態で、車両積載台3が走行することにより当該車両1を牽引して搬送可能である。したがって、前後方向に長い車両1を牽引して搬送することができる。前後方向の長さが第2の許容値以下である4輪駆動の車両1の前輪1aと後輪1bの両方が車両積載台3に乗った状態で、車両積載台3が走行することにより当該車両1を搬送可能である。したがって、前後方向に短い4輪駆動の車両1を搬送することができる。
【0066】
また、従来では、4輪駆動の車両1の後輪を転動させてX検査できなかったが、本発明の実施形態により、4輪駆動の車両1もX線検査をすることが可能となった。
【0067】
車両1の前輪1aを昇降させる装置が不要になるので、車両搬送装置10の構成が簡単になる。車両1(大型車両1の前輪1a、または、4輪駆動車1の前輪1aと後輪1b)が、自力で、前方側の斜面9aを通って路面2から車両積載台3へ乗るので、
図1の場合のように、アーム部材57の回動で車両1の前輪1aを持ち上げる必要がない。同様に、車両1が、自力で、前方側の斜面9aを通って車両積載台3から路面2へ乗り出すので、
図1の場合のように、アーム部材57の回動で車両1の前輪1aを下ろす必要がない。
【0068】
斜面形成部9を設けることにより、車両積載台3の上面3aを構成する部材11(上述の例では平板状部材11)の鉛直方向の厚みを、斜面形成部9の高低差と同じに(または同程度に)にすることができる。これにより、部材11の強度を高めることができる。このように、本実施形態では、部材11の鉛直方向の厚みは、斜面形成部9の高低差と同じに(または同程度に)になっている。なお、斜面形成部9の高低差とは、
図2(B)において、前方側(この図の左側)の斜面形成部9の前端と後端との高低差(この図の左側端と右側端との高低差)であり、または、後方側(この図の右側)の斜面形成部9の前端と後端との高低差(この図の左側端と右側端との高低差)である。
【0069】
また、平板状部材11は、X線が透過する材料で形成されているので、平板状部材11上に位置する車両1についても、X線照射装置35とX線検出器37によりX線検査が可能となる。すなわち、平板状部材11上の大型車両1部分に対してX線検査が可能になるとともに、平板状部材11上の4輪駆動車1の全体に対するX線検査が可能になる。これについて、上述のステップS3またはステップS13において、X線照射装置35により、X線検査領域Rに向けてX線を照射し、これにより、当該X線は、X線検査領域Rに位置する平板状部材11と、これに乗っている車両1とを透過して、X線検出器37に検出される。
【0070】
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記の変更例1〜3のいずれかを採用してもよいし、または、変更例1〜3を任意に組み合わせて採用してもよい。ただし、変更例1、3の組み合わせを除く。
【0071】
(変更例1)
上述したX線照射装置35とX線検出器37の代わりに、または、上述したX線照射装置35とX線検出器37に加えて、他のX線照射装置とX線検出器を設けてもよい。当該他のX線照射装置は、X線照射装置35と異なる方向(例えば水平方向)に、X線検査領域Rに向けて、X線を照射する。これにより、X線検査領域Rを通過したX線は、前記他のX線検出器により検出されて、X線データが得られる。この場合、他の点は、上述と同じである。
【0072】
(変更例2)
上述では、前後方向の長さが第2の許容値以下である車両1は、4輪駆動の車両1であったが、4輪駆動の車両1でなくてもよい。例えば、前後方向の長さが第2の許容値以下である2輪駆動の車両1に対して、上述のステップS11〜S15を行ってもよい。
【0073】
(変更例3)
上述の車両搬送装置10は、車両1のX線検査以外の目的で用いられてもよい。