特許第5666544号(P5666544)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5666544
(24)【登録日】2014年12月19日
(45)【発行日】2015年2月12日
(54)【発明の名称】モータ駆動装置
(51)【国際特許分類】
   H02P 6/08 20060101AFI20150122BHJP
【FI】
   H02P6/02 371J
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-271556(P2012-271556)
(22)【出願日】2012年12月12日
(65)【公開番号】特開2014-117126(P2014-117126A)
(43)【公開日】2014年6月26日
【審査請求日】2013年4月12日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 特許法第30条第2項適用、平成24年6月28日 シナノケンシ株式会社が柏新工業株式会社に販売
(73)【特許権者】
【識別番号】000106944
【氏名又は名称】シナノケンシ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100135622
【弁理士】
【氏名又は名称】菊地 挙人
(72)【発明者】
【氏名】依田 裕次
(72)【発明者】
【氏名】八重崎 昌治
【審査官】 塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−189689(JP,A)
【文献】 特開2012−70540(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 6/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータの回転数に応じて調整された前記モータの駆動電圧を入力する入力端子と、
前記入力端子から入力した前記駆動電圧に応じたデューティ比のPWM信号を生成するPWM信号生成回路と、を備え、
前記PWM信号生成回路は、前記駆動電圧が高いほど前記モータのコイルに印加するコイル電圧及びデューティ比が高いPWM信号を生成し、前記駆動電圧が低いほど前記コイル電圧及びデューティ比が低いPWM信号を生成する、ことを特徴とするモータ駆動装置。
【請求項2】
前記PWM信号生成回路は、三角波信号を出力する三角波発生器と、前記駆動電圧の電圧と前記三角波信号とを比較する比較器とを備え、
前記比較器は、前記三角波信号が前記駆動電圧の電圧よりも高い期間をオフデューティとし、前記三角波信号が前記駆動電圧の電圧よりも低い期間をオンデューティとし、前記駆動電圧の電圧に比例する前記コイル電圧のオンデューティのPWM信号を生成する、ことを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
【請求項3】
前記入力端子から入力した前記駆動電圧を、前記PWM信号のデューティ比に応じてスイッチングして前記モータに出力する出力回路を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ駆動装置。
【請求項4】
前記入力端子から入力した前記駆動電圧を分圧して出力する分圧回路を備え、
前記PWM信号生成回路は、前記分圧回路の出力する、分圧された前記駆動電圧に応じたデューティ比のPWM信号を生成することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のモータ駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1(A)及び図1(B)に、モータを備えたモータシステムの概略構成を示す。
図1(A)に示すモータシステムは、モータ装置500と、モータ装置500を制御する上位装置10とを備える。モータ装置500は、モータ520と、モータ520を回転駆動させるモータ駆動装置510とを備える。図1(A)に示す上位装置10は、モータ装置500を、PAM(Pulse Amplitude Modulation:パルス振幅変調)駆動方式により制御する。PAM駆動方式は、上位装置10がモータ520の備えるコイルに供給する電圧を変更することによって、モータ520の回転速度を制御する方式である。図1(A)に示すモータ制御信号(以下、Vs信号という)が、コイルに電圧を供給する信号であり、上位装置10は、このVs信号の電圧を制御することでモータ520の回転数を制御する。
図1(B)に示すモータシステムは、上位装置20がモータ装置600をPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)駆動方式で制御する方式である。PWM駆動方式は、モータ駆動装置610が、上位装置20から通知された速度指示信号(以下、Vsp信号という)に基づいてPWM信号を生成し、生成したPWM信号のデューティに応じて、コイルに流す駆動電流をオン、オフ制御することで、モータ620の回転速度を制御する方式である。PWM駆動方式の場合、上位装置20からモータ装置600に供給されるVs信号の電圧は、固定電圧となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−70540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、PAM駆動方式では、モータ駆動装置510内に設けた、モータ520の回転を制御するIC(例えば、図3、4に示すドライバIC)の動作可能電圧の制限により回転数の下限が制限されてしまう。一方、PWM駆動方式ではそのような回転数の下限の制限が無いが、PAM駆動方式を採用したモータシステムがすでに設置されている場合に、モータ装置500を、PWM駆動方式に対応したモータ装置600に交換しようとしても、上位装置10がPAM駆動方式に対応しているため、PWM駆動方式のモータ装置600を導入することができない。図2に、図1(A)に示すモータシステムにおいて、モータ装置500をモータ装置600に交換したものを示す。モータ装置600は、PWM駆動方式であるため、Vsp信号を入力する必要があるが、上位装置10は、PAM駆動方式に対応しているため、Vsp信号をモータ装置600に出力することはない。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、PAM駆動方式に対応したインターフェースを備え、PWM駆動方式でモータを駆動させるモータ駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために本発明のモータ駆動装置は、モータの回転数に応じて調整された前記モータの駆動電圧を入力する入力端子と、前記入力端子から入力した前記駆動電圧に応じたデューティ比のPWM信号を生成するPWM信号生成回路とを備える。
従って、PWM信号生成回路で生成されたPWM信号をモータの駆動を制御する装置に供給することで、PWM駆動方式によってモータを制御することができる。このため、PAM駆動方式に対応したインターフェースを備え、PWM駆動方式でモータを駆動させるモータ駆動装置を提供することができる。
【0007】
好ましくは、モータ駆動装置は、前記入力端子から入力した前記駆動電圧を、前記PWM信号のデューティ比に応じてスイッチングして前記モータに出力する出力回路を備える。
従って、PWM駆動方式でモータを駆動させることができる。
【0008】
好ましくは、前記入力端子から入力した前記駆動電圧を分圧して出力する分圧回路を備え、前記PWM信号生成回路は、前記分圧回路の出力する、分圧された前記駆動電圧に応じたデューティ比のPWM信号を生成する。
従って、駆動電圧が高圧であっても、駆動電圧により、モータをPWM駆動方式で制御する信号を生成することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、PAM駆動方式に対応したインターフェースを備え、PWM駆動方式でモータを駆動させるモータ駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】(A)は、従来のPAM駆動方式のモータシステムの概略を示す図であり、(B)は、従来のPWM駆動方式のモータシステムの概略を示す図である。
図2】PAM駆動方式の上位装置と、PWM駆動方式のモータ装置とを接続した構成を示す図である。
図3】実施例のモータシステムの概略構成の一例を示す図である。
図4】実施例のモータ装置の詳細な構成の一例を示す図である
図5】(A)は、比較器の動作を説明するための図であり、(B)は、電圧比較の結果に応じて比較器から出力されるPWM信号の一例を示す図である。
図6】PAM駆動方式に用いられるVs信号を示す図であり、(A)は、モータの回転数が高回転の場合のVs信号を示し、(B)は、モータの回転数が低回転の場合のVs信号を示している。
図7】PWM駆動方式のPWM信号について説明するための図である。
図8】本実施例の比較器が通電制御部に出力するPWM信号の一例を示す図であり、(A)は、モータの回転数が高回転の場合のPWM信号を示し、(B)は、モータの回転数が低回転の場合のPWM信号を示している。
図9】(A)は、PAM駆動の場合のVs信号とモータ回転数との関係を示す図であり、(B)は、本実施例の場合のVs信号とモータ回転数との関係を示す図である。
図10】変形例1のモータ駆動部の構成の一例を示す図である。
図11】変形例2のモータ駆動部の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例を説明する。
【実施例】
【0012】
図3に、モータシステム1の概略構成の一例を示す。図3に示すモータシステム1は、モータ300を備えるモータ装置100と、このモータ装置100を制御する上位装置10とを備える。モータ装置100は、モータ駆動部200と、モータ300とを備える。モータ駆動部200は、分圧回路210と、ドライバIC220と、出力部230とを備える。
【0013】
上位装置10は、PAM駆動方式によりモータ装置100を制御する装置である。上位装置10は、モータ装置100とのインターフェースとして、Vs信号の出力端子2と、電源電圧Vccの出力端子3と、モータ回転数信号(以下、FG(Frequency Generation)信号という)をモータ装置100から入力する入力端子4と、グランド端子5とを備える。Vs信号は、モータ300の備えるコイルに駆動電圧として供給される信号であって、Vs信号の電圧(振幅)によってモータ300の回転数が制御される。上位装置10は、PAM駆動方式に対応した装置であるため、Vs信号の電圧を制御してモータ300の回転数を制御する。電源電圧Vccは、モータ駆動部200の備えるドライバIC220を動作させるための電圧である。電源電圧Vccは、一定の電圧値である。FG信号は、モータ装置100のドライバIC220が検出したモータ300の回転数を表す信号であり、ドライバIC220から上位装置10に通知される。上位装置10は、FG信号を入力し、入力したFG信号によりモータ300の実回転数(実際の回転数)[rpm]を判定する。上位装置10は、FG信号により判定したモータ300の実回転数と、モータ300の目標回転数との差分を算出し、算出した差分によりVs信号の電圧を制御する。なお、上位装置10は、商用交流電源を入力して、入力した交流電圧を直流電圧に変換し、モータ装置100に供給する。上位装置10は、直流変換した電圧を、モータ300の目標回転数を得るための電圧に変換してVs信号としてモータ装置100に出力する。同様に、上位装置10は、直流変換した電圧を、電源電圧Vccに変換して、モータ装置100に出力する。グランド端子5は、モータ装置100のグランド端子104と接続している。
【0014】
モータ装置100は、PWM駆動方式に対応した装置である。PWM駆動方式に対応するモータ装置100の制御には、モータ300の回転速度を指示するVsp信号が必要となる。しかし、上位装置10は、PAM駆動方式に対応した装置であるため、Vsp信号を出力することはない。
このため、本実施例のモータ装置100は、モータ駆動部200内に、Vs信号の電圧を分圧する分圧回路210を設けて、分圧回路210によって分圧したVs信号をドライバIC220に入力させる構成を備える。Vs信号は、モータ300のステータが備えるコイルに供給する電圧となるため、高電圧となる。このため、Vs信号を直接ドライバIC220に入力させることはできない。そこで、分圧回路210を設けて、Vs信号の電圧を分圧回路210で分圧し、分圧したVs信号をVsp信号としてドライバIC220に入力させる。
モータ装置100は、インターフェースとして、Vs信号を入力する入力端子101と、電源電圧Vccの入力端子102と、FG信号の出力端子103と、グランド端子104とを備えるが、Vsp信号の入力端子は有していない。
【0015】
図4に、モータ装置100の詳細な構成の一例を示す。図4を参照しながらモータ装置100の詳細な構成について説明する。
【0016】
まず、分圧回路210について説明する。分圧回路210は、抵抗R1、R2、R3、R4と、コンデンサCとを備える。抵抗R1は、一方の端部をVs信号の入力端子101に接続した配線110に接続する。また、抵抗R1は、他方の端部を、各抵抗R1〜R4の一端部を共通接続した結合点Pに接続する。抵抗R2は、一方の端部を電源電圧Vccの入力端子102に接続した配線120に接続する。また、抵抗R2は、他方の端部を、結合点Pに接続する。抵抗R3は、一方の端部を結合点Pに接続し、他方の端部を接地する。抵抗R4は、一方の端部を結合点Pに接続し、他方の端部をドライバIC220内に設けられた比較器222に接続する。コンデンサCは、一方の端部を、抵抗R4と比較器222とを接続する配線に接続し、他方の端部は抵抗R3の他方の端部に接続し、抵抗R3の他方の端部と共に接地する。なお、分圧回路210の構成は、図4に示すものに限らず、他の構成であってもよい。
【0017】
ここで、分圧回路210がVs信号の電圧を分圧する分圧値の計算式を示す。なお、分圧回路210が、Vs信号の電圧を分圧し、ドライバIC220に出力する電圧を分圧電圧Vtと表記する。分圧電圧Vtの値は、以下の式によって求めることができる。
Vt[V]=Vs−{R1×(Vs×R3−Vcc×R3+Vs×R2)/(R1×R2+R1×R3+R2×R3)}
例えば、R1の抵抗値を47[kΩ]、R2の抵抗値を10[kΩ]、R3の抵抗値を5.6[kΩ]、R4の抵抗値を0[kΩ]とする。また、Vccの値を5[V]とし、Vsの値を15[V]で計算すると、Vtの値は、2.73[V]となる。
【0018】
次に、ドライバIC220について説明する。ドライバIC220は、三角波発生器221と、比較器222と、ホールアンプ223と、通電制御部224とを備える。なお、三角波発生器221と比較器222とがPWM信号生成回路に相当する。
【0019】
三角波発生器221は、三角波信号を発生して比較器222に出力する。
比較器222は、分圧回路210で分圧した分圧電圧Vtと、三角波発生器221の出力する三角波信号とを入力する。比較器222は、入力した分圧電圧Vtと三角波信号との電圧を比較して、比較結果に応じてデューティを調整したPWM信号を通電制御部224に出力する。図5を参照しながら比較器222の処理動作について説明する。図5(A)には、三角波信号と分圧電圧Vtとの電圧を比較可能なように表示しており、図5(B)には、三角波信号と分圧電圧Vtとの電圧の比較結果に応じて生成されるPWM信号を示している。比較器222は、三角波信号と分圧電圧Vtとの電圧を比較し、三角波信号>分圧電圧Vtの期間がオフデューティに対応し、三角波信号<分圧電圧Vtの期間がオンデューティに対応するPWM信号を生成する。比較器222は、分圧電圧Vtの電圧に比例するオンデューティのPWM信号を生成し、生成したPWM信号を通電制御部224に出力する。
【0020】
ホールアンプ223は、モータ300に設けたホールセンサHu、Hv、Hwから出力される信号を入力する。ホールセンサHu、Hv、Hwは、モータ300のロータ(不図示)の磁極の位置を検出し、検出したタイミングで回転位置検出信号Su、Sv、Swをそれぞれ生成し、生成した回転位置検出信号Su、Sv、Swをホールアンプ223に出力する。ホールアンプ223は、各ホールセンサHu、Hv、Hwから出力された回転位置検出信号Su、Sv、Swを入力し、入力した回転位置検出信号Su、Sv、Swを増幅して、通電制御部224に出力する。
【0021】
通電制御部224は、ホールアンプ223が出力した回転位置検出信号(Su、Sv、Sw)(以下、出力信号(Su、Sv、Sw)と表記する。)を入力する。通電制御部224は、入力した出力信号(Su、Sv、Sw)に基づいて、モータ300の回転数を算出し、モータ300の回転速度に応じたパルス信号であるFG信号を生成する。通電制御部224は、生成したFG信号を上位装置10に出力する。
【0022】
出力部230は、スイッチング素子を備え、入力端子101から入力したVs信号を、通電制御部224の制御によってスイッチングしてモータ300に出力する回路である。出力部230は、スイッチング素子として三相(U相、V相、W相)インバータを備える。三相(U相、V相、W相)インバータは、U相、V相、W相の各相に対応して、上段スイッチング素子としてのN型電界効果トランジスタ(以下、MOS−FETと表記する)U+、V+、W+と、下段スイッチング素子としてのN型MOS−FETU−、V−、W−とを備える。MOS−FETU+、V+、W+のドレイン電極には、Vs信号の入力端子101に接続した配線110が接続される。N型MOS−FETU−、V−、W−のソース電極は、抵抗R5を介して接地している。なお、MOS−FETに代えてトランジスタやIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)でも良い。
【0023】
通電制御部224は、出力部230の備えるスイッチング素子を制御して、モータ300の回転を制御する。通電制御部224は、出力信号(Su、Sv、Sw)と、PWM信号とを入力して、入力した出力信号(Su、Sv、Sw)とPWM信号のデューティ比とに応じて、出力部230のスイッチング素子を制御するロジック信号を生成する。通電制御部224は、出力部230の6つのMOS−FETU+、U−、V+、V−、W+、W−のゲート電極に接続する。通電制御部224は、ホールアンプ223の出力信号(Su、Sv、Sw)と、PWM信号のデューティ比とに基づき生成されるロジック信号を、選択的にスイッチング素子U+、U−、V+、V−、W+、W−のゲート電極に供給して、スイッチング素子U+、U−、V+、V−、W+、W−を選択的にオン、オフさせる。そして出力部230から出力されるコイル信号をコイルLu、Lv、Lwに入力させることにより各コイルが順次励磁され回転子が回転する。
【0024】
モータ300には、3相ブラシレスDCモータを用いることができる。モータ300のU相コイルLu、V相コイルLv、W相コイルLwは、Y結線され、電気角120度の位相差を有してステータ(不図示)に巻回される。
【0025】
図6(A)及び図6(B)には、PAM駆動方式のモータ装置(図1(A)に示す従来のモータ装置500を参照して説明する。)におけるコイル信号の一例を示す。PAM駆動方式は、Vs信号の電圧(振幅)によって、コイル信号の振幅を直接変動させ、モータ520の回転数を制御する方式である。従って、モータ520の回転数を上げる場合には、上位装置10は、図6(A)に示すようにVs信号の電圧を上げ、モータの回転数を下げる場合には、上位装置10は、図6(B)に示すようにVs信号の電圧を下げる。
【0026】
図7に、PWM駆動方式のモータ装置(図1(B)に示す従来のモータ装置600を参照して説明する。)を制御するコイル信号の一例を示す。コイル信号は、図1(B)に示す上位装置20からモータ装置600に出力されるVsp信号に基づいてモータ装置600内で生成される。コイル信号は、図4を参照して説明したようにホールアンプ223の出力信号(Su、Sv、Sw)と、三角波発生器221及び比較器222で生成されたPWM信号に基づいて、通電制御部224と出力部230とで生成される。ただし、比較器222が、三角波発生器221の生成する三角波信号と比較する電圧は、分圧電圧Vtではなく、上位装置20がモータ装置600に出力したVsp信号となる。PWM駆動方式では、PWM信号のデューティを変更することで、モータ620の回転数を制御する。モータ620の回転数を上げる場合、上位装置20は、モータ装置600に出力するVsp信号の電圧を高くする。Vsp信号の電圧が高くなることで、PWM信号のオンデューティが上昇する。例えば、図7に示すように、PWM信号のオンデューティを50%から75%に上げることで、モータ620のコイルLu、Lv、Lwの通電時間が長くなり、モータ620の回転数が上昇する。なお、従来のPWM駆動方式では、コイル信号の振幅は、デューティが変更されても一定である。
【0027】
図8(A)及び図8(B)に、本実施例の出力部230の出力するコイル信号の信号波形の例を示す。上位装置10は、PAM駆動方式によってモータ装置100を制御する装置であるため、図6に示すように、モータ300の目標回転数に応じた電圧のVs信号をモータ装置100に出力する。本実施例のモータ装置100は、このVs信号を分圧回路210で分圧した分圧電圧VtをドライバIC220の比較器222に入力させる。分圧回路210の出力する分圧電圧Vtは、Vs信号の電圧に比例した電圧となる。また、比較器222が、分圧電圧Vtと三角波信号との電圧を比較して生成するPWM信号のデューティも、Vs信号の電圧(振幅)に比例して変動する。これにより、図8(A)と、図8(B)とを比較すると明らかなように、Vs信号の電圧(振幅)が高い場合に、コイル信号のオンデューティ(%)及び電圧も高くなり、Vs信号の電圧(振幅)が低い場合には、コイル信号のオンデューティ(%)及び電圧は低くなる。
【0028】
図9(A)に、PAM駆動方式によりモータ300を制御する場合のモータ300の回転数と、Vs信号の電圧との関係を示す。例えば、モータ駆動部200が動作できる動作電圧の範囲がドライバIC220の動作可能電圧の制限により5[V]〜25[V]であった場合、Vs信号の電圧が5Vの場合のモータ300の回転数を500[rpm]とし、Vs信号の電圧が25[V]の場合のモータ300の回転数が2500[rpm]となるように調整したとする。
このように調整した場合、出力部230の動作電圧の最低値は5[V]であるため、5[V]よりも低い電圧では、出力部230が正常に動作せず、モータ300の回転数が500[rpm]よりも小さくすることができない。
【0029】
図9(B)に、本実施例のPWM駆動方式とPAM駆動方式を併用したモータ300を制御する場合のモータ300の回転数と、Vs信号の電圧との関係を示す。本実施例のモータ装置100は、PAM駆動によるコイル信号の振幅制御と、PWM駆動によるコイル信号のオンデューティ制御を併用してモータ300の回転数を制御するため、モータ300の回転数に、モータ駆動部200の動作電圧範囲が影響することはない。このため、例えば、図9(A)で説明したような、500[rpm]よりも小さい回転数を得ることができないといった問題は生じない。また、図9(B)に示すように、上位装置10が出力するVs信号に応じて、モータ300の回転数を制御することができる。
【0030】
以上の説明より明らかなように本実施例は、モータ300の回転数に応じて調整されたVs信号を入力し、入力したVs信号に応じたデューティ比のPWM信号を生成して、モータ300の駆動を制御する通電制御部224に出力する。このため、上位装置10から供給される信号が、PAM駆動方式に対応した信号であっても、PWM駆動によってモータ300を制御することができる。
また、モータ駆動部200内に、Vs信号を分圧する分圧回路210を設けて、分圧回路210でVs信号を分圧した分圧電圧Vtを、PWM駆動方式で使用されるVsp信号として使用する。Vs信号の電圧が高圧であっても、Vs信号により、モータ300をPWM駆動方式で制御する信号を生成することができる。
また、モータ装置100をPWM駆動方式で制御することで、出力部230の動作電圧の制限によって所望とするモータの回転数を得られないといった問題が生じない。
【0031】
上述した実施例の変形例について説明する。図10に示す変形例1は、分圧回路210と、Vs信号の入力端子101に接続した配線110との接続経路に、スイッチ211を設けたモータ装置150である。また、モータ装置150のインターフェースとしてVsp信号の入力端子105を備える。例えば、上位装置20がPWM駆動方式でモータ装置150を制御する装置であった場合、上位装置20からモータ装置150にVsp信号が出力される。このため、モータ装置150のドライバIC220は、例えば、Vsp信号を入力する入力端子105を介して上位装置10との接続を認識した場合には、スイッチ211をオフにする。スイッチ211をオフにすることで、分圧回路210にVs信号が入力されず、分圧回路210から分圧電圧Vtが出力されない。比較器222は、入力端子105を介してVsp信号を入力し、Vsp信号と三角波信号との電圧値を比較してPWM信号を生成する。
【0032】
また、図11に示す変形例2は、第1分圧回路250と、第2分圧回路260とを設けたモータ装置160である。第1分圧回路250は、分圧回路210のように、抵抗値を固定した抵抗R1〜R4と、コンデンサCとを備え、Vs信号を、事前に設定された分圧比で分圧する。第1分圧回路250で分圧された分圧電圧Vtは、ドライバIC220内に設けられた抵抗制御部225に出力される。抵抗制御部225は、分圧電圧Vtの値によりモータ300の目標回転数を判定し、第2分圧回路260の備える可変抵抗R6の抵抗値を変更する。可変抵抗R6の抵抗値を変更することで、第2分圧回路260の分圧比が変更され、比較器222に、モータ300の目標回転数に応じた分圧電圧を出力することができる。上述した実施例では、上位装置10によってモータ300の回転数が目標回転数となるように制御されたVs信号がモータ装置100に出力されるが、Vs信号を分圧回路210で分圧してから比較器222に入力させているため、図9(B)に示すようにモータ300の回転数と、Vs信号の電圧との関係が線形ではない。しかし、本変形例のように、第1分圧回路250の出力する分圧電圧Vtによりモータ300の目標回転数を判定して、第2分圧回路260の備える可変抵抗R6の抵抗値を変更する構成とすることで、モータ300の回転数を、Vs信号の電圧に応じて線形に変化させることができる。
【0033】
上述した実施例は本発明の好適な実施例である。但し、この実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0034】
10、20 上位装置
100 モータ装置
101 入力端子
200 モータ駆動部
210 分圧回路
220 ドライバIC
230 出力部
300 モータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11